JP5117794B2 - 建築物 - Google Patents
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Description
なお、本発明は、平面形状における長軸方向の寸法と短軸方向の寸法とに大きな差がある建築物に有効に適用できるものであるが、長軸方向の寸法と短軸方向の寸法とにほとんど差がない建築物であっても、その用途等によっては、上記のような効果が得られる場合がある。
図1は、本発明の一実施形態である建築物の屋内空間を示す概略斜視図であり、図2は同じ建築物の平面図である。
この建築物は二階建てで、平面形状が一方向には長く、これと直角方向には短い長方形となっている。そして、長軸方向の外壁は、開口のない壁体1となっており、短軸方向の対向する外壁面には大きく開口2が設けられている。
長軸方向の両端付近つまり短軸方向の外壁面付近は一階が土間3になっており、この部分の上方空間は二階と連続する吹き抜けとなっている。
なお、長軸方向の両端部に設けられた吹き抜け、及び上層階の屋根に設けられた開口は、その採否を任意に選択することができ、例えば図3(b)に示されるように、吹き向け5を片側のみに設けて、屋内における空気の流れを循環させるようにしても良いし、図3(c)に示されるように吹き抜けを設けることなく、一階及び二階に設けた開口から各層で長軸方向に通気を行うもの等を任意に採用することができる。
複数が直線上に配列された上記鉛直部材4の間は、図4に示すように、クローゼット(扉付き収容スペース)9、棚10、机11、映写用のスクリーン12等を設けることができる。棚10や机11は背板を設けずに両側から使用できるようにすることもできる。また、上記棚や収容スペースは鉛直部材間の全てに設けるのではなく、いくつかの鉛直部材間は開放されたものとして居室空間が開放感を有するものとすることもできる。また、図4に示すように鉛直部材間の上部にだけ仕切板13を取り付け、居室空間7と供用空間8とを完全に仕切るのではなく、開放的に仕切ることによって狭小感が生じるのを抑制することもできる。
なお、図5には単層のラーメンとして描かれているが、二階建てである上記建築物の構造躯体はこのようなラーメン架構体を2層重ねたものである。
この接合構造では、木製柱21の上端面における長辺方向の両端部に切り欠き部21bが設けられ、中央部21aは木製梁22の下面に当接されている。木製柱21の切り欠き部21bからは、この木製柱21の軸線方向に2本の第1のスクリュー部材41,41がねじ込まれている。
この接合構造は、長軸方向梁22の側面に短軸方向梁32の端面を当接して双方を接合するものであり、長軸方向梁22にねじ込まれた第3のスクリュー部材51と、短軸方向梁32にねじ込まれた第4のスクリュー部材52とを梁接合金具53を介して連結するものである。なお、第3のスクリュー部材51は、長軸方向梁22と木製柱21とを接合するための第1のスクリュー部材を兼ねることができる。
また、図1及び図2に示すような平面プランの建築物は、木造に限定されず、鉄骨構造で形成することも可能である。
20:長軸方向ラーメン、 21:木製柱、 21a:木製柱端面の中央部、 21b:木製柱の切り欠き部、 22:木製梁、
30:短軸方向ラーメン、 31:木製柱、 32:木製梁、 32a:スリット、
41:第1のスクリュー部材、 42:第2のスクリュー部材、 43:接合金具、 44:ボルト、 45:頭なしボルト、 46:ナット、
51:第3のスクリュー部材、 51a:軸線と直角方向の貫通孔、 52:第4のスクリュー部材、 52a:軸線と直角方向の貫通孔、 53:梁接合金具、 53a:張出板部、 53b:ピン孔
Claims (11)
- 平行な一対の外壁面を有する建築物であって、前記外壁面を形成する壁体の双方は、該壁体と平行な方向の水平力による変形に対して抵抗する耐力構造を含むものであり、
前記建築物内における前記壁体と離れた位置に、該壁体と平行な方向に配列された複数の鉛直部材を有し、
該鉛直部材は、断面形状が前記壁体と平行な方向の寸法より前記壁体と直角方向の寸法が大きく、前記壁体と直角方向の水平力による変形に対して抵抗する耐力構造を含むものであることを特徴とする建築物。 - 複数の前記鉛直部材は、該建築物内の居室空間と居室空間外の共用空間との境界に沿って配列されていることを特徴とする請求項1に記載の建築物。
- 前記壁体は、該建築物の平面形状の寸法が大きい方向(以下、長軸方向)の外壁面を構成するものであり、
前記耐力構造を含む壁体と複数の鉛直部材の列は、上層階と下層階とのいずれにも設けられており、
該建築物の長軸方向における少なくとも一方の端部が、下層階の空間が上層階の空間と連続する吹き抜けとなっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の建築物。 - 屋根に、通風及び採光の機能を有する開口を有することを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の建築物。
- 該建築物の平面形状の寸法が小さい方向(以下、短軸方向)の外壁部分の対向する双方に通風のための開口が設けられ、該短軸方向の外壁間は、短軸方向の仕切壁で仕切られない長軸方向に連続した空間となっていることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の建築物。
- 複数の前記鉛直部材の一つと該鉛直部材と隣り合う他の鉛直部材との間に、棚、クローゼット、デスク又はテーブルを設けることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の建築物。
- 前記鉛直部材は、断面形状が、該建築物の平面形状における短軸方向の寸法がこれと直角となる長軸方向より大きい扁平な長方形となった木製柱であり、
前記鉛直部材上に、対向する前記壁体間を連結する短軸方向梁が支持され、
前記木製柱は、少なくとも上端又は下端のいずれか一方が、短軸方向への水平力による変形に抵抗するように基礎又は前記短軸方向梁と連結されていることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかに記載の建築物。 - 該建築物の長軸方向の壁体が、木製の梁と木製の柱とが曲げモーメントの伝達が可能に結合された長軸方向ラーメンを含むものであり、
前記鉛直部材の上部に曲げモーメントの伝達が可能に結合された前記短軸方向梁の両端が、前記長軸方向ラーメンに結合されていることを特徴とする請求項7に記載の建築物。 - 平行な対向する外壁面を有する建築物であって、
前記外壁面を形成する壁体の双方が、該建築物の平面形状の寸法が大きい方向(以下、長軸方向)に形成されるともに、該壁体と平行な方向の水平力による変形に対して抵抗する耐力構造を含むものであり、
前記壁体間に、該壁体と直角方向(以下、短軸方向)の水平力に対して抵抗する複数の同じ形状の短軸方向ラーメンが配列されており、
前記短軸方向ラーメンは、前記壁体から離れた位置に立設された木製の独立柱と、この独立柱上に支持され、短軸方向に軸線を有する木製の短軸方向梁とを、相互間の曲げモーメントの伝達が可能となるように結合したものであり、
前記独立柱と前記短軸方向梁とは、断面形状が、前記短軸方向ラーメンの軸線を含む鉛直面と平行な方向の寸法がこれと直角となる方向の寸法より大きい扁平な形状となっており、
該短軸方向梁の両端が一対の前記壁体にそれぞれ結合されていることを特徴とする建築物。 - 長軸方向の前記壁体は、木製の柱とこの柱上に支持された木製の梁とが該壁体と平行な面内で作用する曲げモーメントの伝達が可能に結合された長軸方向ラーメンを含み、
前記木製の柱と木製の梁とは、断面が前記長軸方向ラーメンの軸線を含む鉛直面と平行な辺が前記鉛直面と直角となる辺より長い扁平な長方形となっており、
前記短軸方向梁の両端面は、前記長軸方向ラーメンの梁の側面に突き当てるように結合されていることを特徴とする請求項9に記載の建築物。 - 短軸方向ラーメンは、短軸方向の対向する二つの外壁面より該建築物の内部に配置され、該外壁面にはそれぞれ開口部が設けられていることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の建築物。
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