JP5117794B2 - 建築物 - Google Patents

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本発明は、充分な耐震性能を有するとともに、通風性に優れ、屋内空間を有効に利用することができる建築物に関する。
建築物は、充分な耐震性能を維持するために、壁体を水平方向の力に対して抵抗する耐力壁とすることが広く行われている。例えば、木造建築物では、柱間に筋交いを入れたり、複数の柱に連続するように面材を固定して、壁面と平行な水平力に対して過度の変形が生じないように抵抗するものとなっている。そして、このような耐力壁を建築物の平面プラン上で互いに直角となる2方向に配置し、地震時等に水平力がいかなる方向に作用しても充分な安全性を確保することができるようにしている。
一方、狭小な敷地に構築される小規模の建築物では、平面プランの作成にあたって、敷地の形状等によって制限を受けることがある。一般に狭小な敷地はそれぞれが道路に面するように区分されるために、各区画が細長い形状となり、道路に面する辺が短くなることが多い。このような敷地に構築される建築物は、平面形状における長軸方向の寸法と短軸方向の寸法とに大きな差が生じることになる。
このような建築物では、耐力壁を長軸方向及び短軸方向に設けたときに、短軸方向に設けた耐力壁によって通風が阻害されることがある。つまり、建築物の平面形状における長辺は、隣接する敷地と接近しているために開口を設けることが難しくなっていることが多く、このようなときには、長軸方向に通風を確保しなければならないが、短軸方向の耐力壁によって風の通路が遮蔽されてしまう。
特許文献1に記載されている建築物では、長軸方向の壁面から屋内側に多数の袖壁を設け、これらの袖壁によって短軸方向の地震時水平力に抵抗することが提案されている。また、この建築物では上記袖壁間を採光及び換気のために用いるものとしている。しかし、袖壁を対向する壁面から突出するように設けることによって短軸方向の空間寸法がさらに狭められ、居室空間として利用できる領域が制限されて狭小感が生じることがある。建築物の用途によっては必ずしも問題となるものではないが、短軸方向の空間寸法を大きく利用したい場合もある。
特開平10−61046号公報
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、充分な耐震性を有するとともに、居室空間を有効に利用すること、又は良好な通風性を確保することができる建築物を提供することである。
なお、本発明は、平面形状における長軸方向の寸法と短軸方向の寸法とに大きな差がある建築物に有効に適用できるものであるが、長軸方向の寸法と短軸方向の寸法とにほとんど差がない建築物であっても、その用途等によっては、上記のような効果が得られる場合がある。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、 平行な一対の外壁面を有する建築物であって、前記外壁面を形成する壁体の双方は、該壁体と平行な方向の水平力による変形に対して抵抗する耐力構造を含むものであり、 前記建築物内における前記壁体と離れた位置に、該壁体と平行な方向に配列された複数の鉛直部材を有し、 該鉛直部材は、断面形状が前記壁体と平行な方向の寸法より前記壁体と直角方向の寸法が大きく、前記壁体と直角方向の水平力による変形に対して抵抗する耐力構造を含むものである建築物を提供する。
上記建築物では、平行な一対の外壁面と平行な方向の水平力に対しては、この外壁面を形成する壁体が備える耐力構造によって抵抗することができる。また、この壁体と直角方向の水平力に対しては、複数の鉛直部材によって抵抗し、充分な耐震性能を有する構造とすることができる。そして、屋内空間は対向する1対の壁体間の全域を袖壁等によって阻害されることなく利用することができる。また、鉛直部材は、対向する壁体間でこれらの壁体と離れて立設されるが、壁体と平行な方向に配列されるので、通風を阻害することが少なくなる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の建築物において、 複数の前記鉛直部材は、該建築物内の居室空間と居室空間外の共用空間との境界に沿って配列されているものとする。
この建築物では、鉛直部材が居室空間と共用空間との境界に沿って配列されているので、耐震性を確保するための耐力構造によって居室空間及び共用空間の利用に支障が生じることが少なくなる。また、配列された鉛直部材を壁体で連続するように連結する必要はなく、独立したものとすることができ、居室空間と共用空間とを完全に仕切らず連通した状態で使用することができる。
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の建築物において、 前記壁体は、該建築物の平面形状の寸法が大きい方向(以下、長軸方向)の外壁面を構成するものであり、 前記耐力構造を含む壁体と複数の鉛直部材の列は、上層階と下層階とのいずれにも設けられており、 該建築物の長軸方向における少なくとも一方の端部が、下層階の空間が上層階の空間と連続する吹き抜けとなっているものとする。
この建築物では、短軸方向の水平力に対して鉛直部材の列が抵抗し、短軸方向に大きな耐力壁を設ける必要がなくなるので、上層階及び下層階で長軸方向の通気が確保される。そして、端部で吹き抜けが設けられていることによって上層階と下層階との間で空気の流通が生じ、建築物内の全域で良好な通気が行われる。
請求項4に係る発明は、請求項1、請求項2又は請求項3に記載の建築物において、 屋根に、通風及び採光の機能を有する開口を有するものとする。
建築物の平面形状における長軸方向の長さが大きくなると、長軸方向の中央部付近で採光及び通気が難しくなるが、開口によって自然光を取り込むことが可能になるとともに、開口を利用して通気をおこなうことができる。
請求項5に係る発明は、請求項1から請求項4までのいずれかに記載の建築物において、 該建築物の平面形状の寸法が小さい方向(以下、短軸方向)の外壁部分の対向する双方に通風のための開口が設けられ、該短軸方向の外壁間は、短軸方向の仕切壁で仕切られない長軸方向に連続した空間となっているものとする。
この建築物では、鉛直部材以外に短軸方向の耐力壁を設ける必要がないので、屋内空間を長軸方向に連続した空間とすることができる。そして、長軸方向の両端すなわち短軸方向の外壁に開口が設けられているので、長軸方向に通気路が形成される。したがって、屋内の全域に充分な通気が確保される。
請求項6に係る発明は、請求項1から請求項5までのいずれかに記載の建築物において、 複数の前記鉛直部材の一つと該鉛直部材と隣り合う他の鉛直部材との間に、棚、クローゼット、デスク又はテーブルを設けるものとする。
この建築物では、複数が配列された鉛直部材の間を有効に利用することができる。そして、鉛直部材は壁と独立して設けることができるので、テーブルや棚等は両側から使用可能な構造とすることができる。
請求項7に係る発明は、請求項1から請求項6までのいずれかに記載の建築物において、 前記鉛直部材は、断面形状が、該建築物の平面形状における短軸方向の寸法がこれと直角となる長軸方向より大きい扁平な長方形となった木製柱であり、 前記鉛直部材上に、対向する前記壁体間を連結する短軸方向梁が支持され、 前記木製柱は、少なくとも上端又は下端のいずれか一方が、短軸方向への水平力による変形に抵抗するように基礎又は前記短軸方向梁と連結されているものとする。
上記扁平な柱を、その断面の長辺の方向と平行な水平力による変形に抵抗するように梁と接合することにより、壁体と直角方向のラーメンが形成されて地震時等の水平方向に対して抵抗できる構造となる。また、この木製柱の下端を基礎に対して拘束することによって水平力に対して柱の変形が拘束され、地震時等の水平力に抵抗する耐力構造とすることができる。
請求項8に係る発明は、請求項7に記載の建築物において、 該建築物の長軸方向の壁体が、木製の梁と木製の柱とが曲げモーメントの伝達が可能に結合された長軸方向ラーメンを含むものであり、 前記鉛直部材の上部に曲げモーメントの伝達が可能に結合された前記短軸方向梁の両端が、前記長軸方向ラーメンに結合されているものとする。
この建築物では、壁体と平行な方向の水平力に対して長軸方向ラーメンが抵抗するものとなる。そして、この長軸方向ラーメンは、壁体と直角方向には壁体間を連結する短軸方向梁によって支持され、鉛直部材である木製梁によって壁体と直角方向の水平力に抵抗するものとなる。
請求項9に係る発明は、 平行な対向する外壁面を有する建築物であって、 前記外壁面を形成する壁体の双方が、該建築物の平面形状の寸法が大きい方向(以下、長軸方向)に形成されるともに、該壁体と平行な方向の水平力による変形に対して抵抗する耐力構造を含むものであり、 前記壁体間に、該壁体と直角方向(以下、短軸方向)の水平力に対して抵抗する複数の同じ形状の短軸方向ラーメンが配列されており、 前記短軸方向ラーメンは、前記壁体から離れた位置に立設された木製の独立柱と、この独立柱上に支持され、短軸方向に軸線を有する木製の短軸方向梁とを、相互間の曲げモーメントの伝達が可能となるように結合したものであり、 前記独立柱と前記短軸方向梁とは、断面形状が、前記短軸方向ラーメンの軸線を含む鉛直面と平行な方向の寸法がこれと直角となる方向の寸法より大きい扁平な形状となっており、 該短軸方向梁の両端が一対の前記壁体にそれぞれ結合されている建築物を提供するものである。
この建築物では、壁体と平行な長軸方向への水平力に対しては、壁体に含まれる耐力構造によって抵抗し、壁体と直角となる短軸方向への水平力に対しては複数の短軸方向ラーメンによって抵抗することができ、地震による水平力がいかなる方向に作用しても強固に抵抗可能な構造となる。そして、短軸方向の水平力に対して、壁体に連続する直角方向の壁を設けなくても短軸方向ラーメンによって支持されるので、壁体間の間隔すなわち建築物の平面形状における短軸方向の長さが小さく制限される場合に、壁体間の空間を有効に利用し、狭小間の少ない空間とすることができる。また、短軸方向ラーメンの木製柱は壁体と離れた位置で、壁体と平行な方向に複数が配されるので、屋内空間は壁体に連続する直角方向の壁で仕切られることなく、長軸方向に連続した空間を確保することができる。
請求項10に係る発明は、請求項9に記載の建築物において、 長軸方向の前記壁体は、木製の柱とこの柱上に支持された木製の梁とが該壁体と平行な面内で作用する曲げモーメントの伝達が可能に結合された長軸方向ラーメンを含み、 前記木製の柱と木製の梁とは、断面が前記長軸方向ラーメンの軸線を含む鉛直面と平行な辺が前記鉛直面と直角となる辺より長い扁平な長方形となっており、 前記短軸方向梁の両端面は、前記長軸方向ラーメンの梁の側面に突き当てるように結合されているものとする。
この建築物では、壁体と平行な水平力に対して長軸方向ラーメンで抵抗するとともに、短軸方向ラーメンの梁を長軸方向ラーメンの梁と結合して直角方向の2方向にラーメン構造が組み合わされる。これにより、あらゆる方向から作用する水平力に対しても強固に抵抗可能な構造とすることができる。
請求項11に係る発明は、請求項9又は請求項10に記載の建築物において、 短軸方向ラーメンは、短軸方向の対向する二つの外壁面より該建築物の内部に配置され、該外壁面にはそれぞれ開口部が設けられているものとする。
この建築物では、短軸方向の壁面に大きな開口を設けることができ、商業用の施設等として適した構造とすることができる。
以上説明したように、本発明の建築物では、充分な耐震性を有するとともに、狭小感の少ない屋内空間を得ること、又は通気性の良好な空間とすることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態である建築物の屋内空間を示す概略斜視図であり、図2は同じ建築物の平面図である。
この建築物は二階建てで、平面形状が一方向には長く、これと直角方向には短い長方形となっている。そして、長軸方向の外壁は、開口のない壁体1となっており、短軸方向の対向する外壁面には大きく開口2が設けられている。
長軸方向の両端付近つまり短軸方向の外壁面付近は一階が土間3になっており、この部分の上方空間は二階と連続する吹き抜けとなっている。
長軸方向の外壁面及び短軸方向の外壁面で囲まれた屋内空間には、天井、上層階の床又は屋根を支持するための鉛直部材4が、長軸方向の直線上に配列されている。これらの鉛直部材は、断面寸法が建築物の平面形状における短軸方向に長く、長軸方向に短い長方形となっている。これらの寸法は、例えば長辺が30cmから90cm程度、短辺が10cmから15cm程度とすることができる。
長軸方向の外壁面を形成する壁体1には、この壁体1と連続する直角方向の内部壁又は袖壁が設けられておらず、壁体の内面は長軸方向のほぼ全域に連続する鉛直面を形成している。したがって、屋内空間は長軸方向の連続した空間となっており、図2に示すように、短軸方向の外壁面に形成された開口2から外気を取り込み、長軸方向に良好な通気が得られるようになっている。また、短軸方向の外壁面付近は吹き抜け5となっているので、開口から取り入れられた外気は、下層階と上層階との双方に流れ込み、屋内空間の全域にわたって良好な通気が行われる。さらに、図3(a)に示すように屋根に通気用及び採光用の開口6を設けることによって通気をより促進することができる。また、長軸方向の壁体に開口が設けられていないことによる採光の不足を補うことができる。
なお、長軸方向の両端部に設けられた吹き抜け、及び上層階の屋根に設けられた開口は、その採否を任意に選択することができ、例えば図3(b)に示されるように、吹き向け5を片側のみに設けて、屋内における空気の流れを循環させるようにしても良いし、図3(c)に示されるように吹き抜けを設けることなく、一階及び二階に設けた開口から各層で長軸方向に通気を行うもの等を任意に採用することができる。
上記鉛直部材4は、屋内における居室用空間7と共用空間8との境界に沿って設けられている。居室用空間7には、寝室、リビングルーム、食堂等を含めることができる。共用空間8には、廊下、階段、トイレ、洗面所等を含めることができる。
複数が直線上に配列された上記鉛直部材4の間は、図4に示すように、クローゼット(扉付き収容スペース)9、棚10、机11、映写用のスクリーン12等を設けることができる。棚10や机11は背板を設けずに両側から使用できるようにすることもできる。また、上記棚や収容スペースは鉛直部材間の全てに設けるのではなく、いくつかの鉛直部材間は開放されたものとして居室空間が開放感を有するものとすることもできる。また、図4に示すように鉛直部材間の上部にだけ仕切板13を取り付け、居室空間7と供用空間8とを完全に仕切るのではなく、開放的に仕切ることによって狭小感が生じるのを抑制することもできる。
上記建築物の構造躯体は、図5に示すように、長軸方向の壁体を構成する長軸方向ラーメン20と、二つの長軸方向ラーメン間に複数が配列された短軸方向ラーメン30とを組み合わせることによって形成されている。これらのラーメンは木製柱と木製梁とを結合したもので有り、それぞれの木製柱及び木製梁の断面は、ラーメンの軸線を含む鉛直面と平行な辺が長くラーメンの軸線を含む面と直角方向となる辺が短い扁平な長方形となっている。
なお、図5には単層のラーメンとして描かれているが、二階建てである上記建築物の構造躯体はこのようなラーメン架構体を2層重ねたものである。
長軸方向ラーメン20は、長軸方向の外壁面と平行に軸線を有するものであり、複数の木製柱21の上面に木製梁22が架け渡すように載置された、いわゆる梁勝ち構造となっている。これらの木製柱21と木製梁22とは、これらの軸線を含む面内方向の曲げモーメントが伝達されるように結合されており、木製柱21の下端も基礎に対して面内方向の曲げモーメントの伝達が可能に結合されている。一方、長軸方向の外壁面と直角方向には、部材寸法が小さくて水平力に対して抵抗することができず、長軸方向の水平力のみに対して抵抗可能な構造となっている。
また、短軸方向ラーメン30は、長軸方向ラーメン20と離れた位置に立設された一つの木製柱31と、この木製柱31の上に載置して、これらの軸線を含む面内方向の曲げモーメントが伝達されるように結合された木製梁32とでT型のラーメンを形成している。上記木製柱31は、図1及び図2における鉛直部材4に相当するものとなる。そして、木製梁32の両端は、端面を長軸方向ラーメン20の木製梁22の側面に突き当てて接合されている。このような短軸方向ラーメン30が長軸方向に複数が配列され、二つの長軸方向ラーメン20と一体に結合されている。この短軸方向ラーメンも木製柱31及び木製梁32の軸線を含む鉛直面と直角方向の水平力に対しては抵抗することができない。したがって、長軸方向の水平力に対しては二つの長軸方向ラーメン20が抵抗し、短軸方向の水平力に対しては複数の短軸ラーメン30が抵抗するものとなる。
上記長軸方向ラーメン20及び短軸方向ラーメン30における木製柱21,31と木製梁22,32とは、例えば図6に示すような構造によって曲げモーメントの伝達が可能に結合することができる。
この接合構造では、木製柱21の上端面における長辺方向の両端部に切り欠き部21bが設けられ、中央部21aは木製梁22の下面に当接されている。木製柱21の切り欠き部21bからは、この木製柱21の軸線方向に2本の第1のスクリュー部材41,41がねじ込まれている。
一方、木製梁22の対応する位置にも鉛直方向に2本の第2のスクリュー部材42,42がねじ込まれており、これら第1及び第2のスクリュー部材41,42には、端面から軸線方向にネジ穴41a,42aが穿設されている。そして、木製柱の切り欠き部21b内に配置された接合金具43が、ボルト44によって第1のスクリュー部材41に結合され、頭なしボルト45とナット46とによって第2のスクリュー部材42に結合されている。接合金具43は、高さが木製柱21に設けられた切り欠き部21bの深さと一致するように形成されており、木製柱21と木製梁22とはスクリュー部材41,42及び接合金具43を介して接合されるとともに、木製柱の中央部21aは木製梁22の下面に当接される。
一方、短軸方向ラーメンの木製梁32(以下、短軸方向梁)と長軸方向ラーメンの木製梁22(以下、長軸方向梁)とは、例えば図7に示すような構造によって接合することができる。
この接合構造は、長軸方向梁22の側面に短軸方向梁32の端面を当接して双方を接合するものであり、長軸方向梁22にねじ込まれた第3のスクリュー部材51と、短軸方向梁32にねじ込まれた第4のスクリュー部材52とを梁接合金具53を介して連結するものである。なお、第3のスクリュー部材51は、長軸方向梁22と木製柱21とを接合するための第1のスクリュー部材を兼ねることができる。
上記スクリュー部材51,52は、螺旋状の張り出し部を有するとともに、長さ方向の中間部分に軸線と直角方向の貫通孔51a、52aが設けられている。そして、第1のスクリュー部材51では、この貫通孔51aの内周面に雌ねじが切削されており、第2のスクリュー部材52に設けられた貫通孔52aはピンを挿通することができるように滑らかな内周面を有するものとなっている。
上記梁接合金具53は、長軸方向梁21の側面から第1のスクリュー部材51の横穴51aに螺号されたボルト54によって固着されている。一方、短軸方向梁32の端部には、この梁32の両側面に平行な2つのスリット32aが形成されており、このスリット32aには上記梁接合金具53の2つの張出板部53aがそれぞれ挿入される。そして、短軸方向梁32の側面から挿入されたピン55が張出板部53aのピン孔53bに挿通されるとともに、第2のスクリュー部材52の貫通孔52aに挿通されている。
なお、上記実施の形態では、構造躯体が扁平な断面を有する木製柱と木製梁とを結合したラーメンとなっているが、この他に軸柱と横架材等を用いて構造躯体を構築することもできる。この場合には長軸方向の壁体は、軸柱と胴差等の横架材とで形成し、筋交いを柱間に設けたり、柱間に面材を固着して耐力壁を含むものとすることができる。また、短軸方向には、鉛直部材を耐力構造とするものであり、短軸方向に二つ軸柱を並設し、これらに面材を固着することによって水平方向の力に対して抵抗できる構造とすることができる。
また、図1及び図2に示すような平面プランの建築物は、木造に限定されず、鉄骨構造で形成することも可能である。
本発明の一実施形態である建築物の屋内空間を示す概略斜視図である。 図1に示す建築物の一階及び二階の平面図である。 図1に示す建築物の概略断面図、及び変形例として採用することができる構造を示す概略断面図である。 図1に示す建築物の鉛直部材間の利用例を示す概略斜視図である。 図1に示す建築物の構造躯体の一例を示す概略斜視図である。 図5に示す構造躯体で用いることができる柱と梁との接合構造の一例を示す概略斜視図である。 図5に示す構造躯体で用いることができる梁と梁との接合構造の一例を示す概略斜視図である。
符号の説明
1:長軸方向の壁体、 2:短軸方向の壁面に形成された開口、 3:土間、 4:鉛直部材、 5:吹き抜け、 6:屋根に設けた開口、 7:居室空間、 8:共用空間、 9:クローゼット、 10:棚、 11:机、 12:映写用スクリーン、 13:仕切板、
20:長軸方向ラーメン、 21:木製柱、 21a:木製柱端面の中央部、 21b:木製柱の切り欠き部、 22:木製梁、
30:短軸方向ラーメン、 31:木製柱、 32:木製梁、 32a:スリット、
41:第1のスクリュー部材、 42:第2のスクリュー部材、 43:接合金具、 44:ボルト、 45:頭なしボルト、 46:ナット、
51:第3のスクリュー部材、 51a:軸線と直角方向の貫通孔、 52:第4のスクリュー部材、 52a:軸線と直角方向の貫通孔、 53:梁接合金具、 53a:張出板部、 53b:ピン孔


Claims (11)

  1. 平行な一対の外壁面を有する建築物であって、前記外壁面を形成する壁体の双方は、該壁体と平行な方向の水平力による変形に対して抵抗する耐力構造を含むものであり、
    前記建築物内における前記壁体と離れた位置に、該壁体と平行な方向に配列された複数の鉛直部材を有し、
    該鉛直部材は、断面形状が前記壁体と平行な方向の寸法より前記壁体と直角方向の寸法が大きく、前記壁体と直角方向の水平力による変形に対して抵抗する耐力構造を含むものであることを特徴とする建築物。
  2. 複数の前記鉛直部材は、該建築物内の居室空間と居室空間外の共用空間との境界に沿って配列されていることを特徴とする請求項1に記載の建築物。
  3. 前記壁体は、該建築物の平面形状の寸法が大きい方向(以下、長軸方向)の外壁面を構成するものであり、
    前記耐力構造を含む壁体と複数の鉛直部材の列は、上層階と下層階とのいずれにも設けられており、
    該建築物の長軸方向における少なくとも一方の端部が、下層階の空間が上層階の空間と連続する吹き抜けとなっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の建築物。
  4. 屋根に、通風及び採光の機能を有する開口を有することを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の建築物。
  5. 該建築物の平面形状の寸法が小さい方向(以下、短軸方向)の外壁部分の対向する双方に通風のための開口が設けられ、該短軸方向の外壁間は、短軸方向の仕切壁で仕切られない長軸方向に連続した空間となっていることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の建築物。
  6. 複数の前記鉛直部材の一つと該鉛直部材と隣り合う他の鉛直部材との間に、棚、クローゼット、デスク又はテーブルを設けることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の建築物。
  7. 前記鉛直部材は、断面形状が、該建築物の平面形状における短軸方向の寸法がこれと直角となる長軸方向より大きい扁平な長方形となった木製柱であり、
    前記鉛直部材上に、対向する前記壁体間を連結する短軸方向梁が支持され、
    前記木製柱は、少なくとも上端又は下端のいずれか一方が、短軸方向への水平力による変形に抵抗するように基礎又は前記短軸方向梁と連結されていることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかに記載の建築物。
  8. 該建築物の長軸方向の壁体が、木製の梁と木製の柱とが曲げモーメントの伝達が可能に結合された長軸方向ラーメンを含むものであり、
    前記鉛直部材の上部に曲げモーメントの伝達が可能に結合された前記短軸方向梁の両端が、前記長軸方向ラーメンに結合されていることを特徴とする請求項7に記載の建築物。
  9. 平行な対向する外壁面を有する建築物であって、
    前記外壁面を形成する壁体の双方が、該建築物の平面形状の寸法が大きい方向(以下、長軸方向)に形成されるともに、該壁体と平行な方向の水平力による変形に対して抵抗する耐力構造を含むものであり、
    前記壁体間に、該壁体と直角方向(以下、短軸方向)の水平力に対して抵抗する複数の同じ形状の短軸方向ラーメンが配列されており、
    前記短軸方向ラーメンは、前記壁体から離れた位置に立設された木製の独立柱と、この独立柱上に支持され、短軸方向に軸線を有する木製の短軸方向梁とを、相互間の曲げモーメントの伝達が可能となるように結合したものであり、
    前記独立柱と前記短軸方向梁とは、断面形状が、前記短軸方向ラーメンの軸線を含む鉛直面と平行な方向の寸法がこれと直角となる方向の寸法より大きい扁平な形状となっており、
    該短軸方向梁の両端が一対の前記壁体にそれぞれ結合されていることを特徴とする建築物。
  10. 長軸方向の前記壁体は、木製の柱とこの柱上に支持された木製の梁とが該壁体と平行な面内で作用する曲げモーメントの伝達が可能に結合された長軸方向ラーメンを含み、
    前記木製の柱と木製の梁とは、断面が前記長軸方向ラーメンの軸線を含む鉛直面と平行な辺が前記鉛直面と直角となる辺より長い扁平な長方形となっており、
    前記短軸方向梁の両端面は、前記長軸方向ラーメンの梁の側面に突き当てるように結合されていることを特徴とする請求項9に記載の建築物。
  11. 短軸方向ラーメンは、短軸方向の対向する二つの外壁面より該建築物の内部に配置され、該外壁面にはそれぞれ開口部が設けられていることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の建築物。



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