JP5117442B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、吸気弁のリフト特性を連続的に変更可能な可変動弁機構を備えた火花点火式に好適な内燃機関の制御装置に関する。
近年、吸気弁のリフト量を、任意にタイミングで連続的に変化させて内燃機関が吸い込む空気量(以後、吸気量と記載)を制御する吸気弁の連続リフト可変動弁機構が開発されている。このような連続リフト可変動弁機構により、吸気量はスロットル弁の開度に依存せずに制御できる。例えば、負荷の小さな領域でもスロットル弁の開度は十分に大きくし、吸気弁のリフトを低く(以下、低リフトと記載)することで吸気量を抑えることができる。この結果、ポンプ損失の低減により、内燃機関の燃費が低減するというメリットがある。一方で、低リフトでは燃焼が不安定となり、出力に変動が発生することが従来から知られている。このため、従来ではリフトが一定値以下にならないよう予め使用範囲を燃焼が安定する範囲に制限する方法や、引用文献1に示すような点火装置への供給エネルギ(以下、点火エネルギ)を増加し燃焼を安定化する方法が提案されている。
例えば特許文献1は、リフトが最小となるアイドル運転条件において、内燃機関の振動レベルを検出し、振動レベルが所定値以内であれば点火装置への通電時間を通常の基準値とする一方、振動レベルが所定値を超えていれば通電時間を通常の基準値よりも長くして点火エネルギを増加する方法を開示している。
特開2005−344531号公報
上記のような方法で燃焼を安定化させた場合、連続リフト可変動弁機構による燃費低減効果を最大限に活用できないことや、点火エネルギの増加により燃費低減効果を減少させてしまう。そこで本発明は、低リフトにおいて点火エネルギの増加だけでなく、噴射制御による燃焼の安定化を図ることで、燃費低減効果の減少を抑制することを目的とする。
前記課題を解決すべく、本発明に係る内燃機関の制御装置は、吸気弁のリフト量を任意のタイミングで連続的に変更可能な連続リフト可変動弁機構を備えた内燃機関の制御装置であって、前記吸気弁のリフト量が所定値よりも小さい低リフト状態であることを判定する低リフト判定手段と、前記内燃機関の気筒毎に不安定な燃焼状態であることを判定する燃焼状態判定手段と、前記低リフト判定手段と前記燃焼状態判定手段の判定結果に基づいて、燃料の噴射時期を制御する低リフト時噴射制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、吸気弁のリフト量を任意のタイミングで且つ連続的に変更可能な連続リフト可変動弁機構を制御する際に、吸気弁が低リフト状態であり、気筒の燃焼状態が不安定な状態であると判定した場合には、この判定された気筒に対して、低リフト時に適した燃料噴射を実現し、燃焼の安定化に繋げることができる。
本発明に係る内燃機関の制御装置は、前記低リフト状態であり、且つ、前記不安定な燃焼状態であると判定された場合には、判定された気筒に対して、前記低リフト時噴射制御手段は、燃料を少なくとも2回以上に分割して噴射することがより好ましい。
本発明によれば、前記低リフト時噴射制御手段により、燃焼が悪化している気筒では燃料噴射を少なくとも2回以上に分割して噴射することで、少なくともいずれか1回を空気の流速が早い時を避けて噴射することができ、燃料のピストンへの付着が低減でき、燃焼の安定化に繋げることができる。
さらに、本発明に係る内燃機関の制御装置は、前記低リフト時噴射制御手段が、2回以上に分割した噴射のうち、少なくとも1回を圧縮行程で噴射することがより好ましい。本発明によれば、2回以上に分割した噴射の内、少なくとも1回は圧縮行程で噴射することで、点火装置周辺の燃料濃度を濃くすることができ、燃焼の安定化に繋げることができる。
本発明に係る内燃機関の制御装置は、前記低リフト判定手段と前記燃焼状態判定手段の判定結果に基づいて、燃料を点火する点火装置に供給する点火エネルギを制御する低リフト時点火制御手段をさらに備えることがより好ましい。本発明によれば、低リフト時に適した燃料噴射と点火制御を実現し、燃焼の安定化に繋げることができる。
本発明に係る内燃機関の制御装置は、前記低リフト状態であり、且つ、前記不安定な燃焼状態であると判定された場合には、判定された気筒に対して、前記低リフト時噴射制御手段は、前記噴射時期の制御を、前記低リフト時点火制御手段の制御よりも前に実施、あるいは同時に実施することがより好ましい。
本発明によれば、吸気弁のリフトが所定値以下であって、且つ燃焼が不安定となっている気筒があると判定された場合は、その判定された気筒に対して、前記低リフト時噴射制御手段による噴射時期の制御を、低リフト時点火制御手段よりも前に実施、あるいは同時に実施することで、低リフト時噴射制御による燃焼の安定化効果の分だけ、低リフト時点火制御のみを実行するよりも点火エネルギの増加を抑えることができる。
本発明に係る内燃機関の制御装置は、前記低リフト時噴射制御手段による噴射時期の制御を実行し、所定の時間が経過した後に、前記燃焼状態が不安定であると継続的に判定される気筒がある場合は、該判定された気筒に対して、前記低リフト時点火制御手段は、前記点火装置への通電時間または通電回数を制御することがより好ましい。
本発明によれば、前記低リフト時噴射制御手段による噴射時期の制御を実行し、所定の時間が経過した後に燃焼の悪化(不安定な燃焼状態)が継続している気筒がある場合は、その気筒に対して、低リフト時点火制御手段により点火装置への通電時間または通電回数を制御することで、低リフト時噴射制御による燃焼の安定化効果の分だけ、低リフト時点火制御のみを実行するよりも点火エネルギの増加を抑えることができる。
本発明に係る内燃機関の制御装置は、前記低リフト時噴射制御手段の実行後の前記所定時間は、前記内燃機関の回転数に応じて決定されることがより好ましい。
本発明に係る内燃機関の制御装置は、前記低リフト時噴射制御手段の実行後の所定時間は、前記内燃機関の回転数に応じて決定されることで、燃焼が安定か否かを判定するためのデータ数を常に一定にすることができ、回転数により燃焼状態の判定精度が変化するのを防止することが出来る。
本発明に係る内燃機関の制御装置は、前記低リフト時点火制御手段が、前記低リフト状態であり、且つ、前記不安定な燃焼状態であると判定された場合には、判定された気筒に対して、前記点火装置への通電時間を増加することにより前記点火エネルギを増加させることがより好ましい。
本発明によれば、前記低リフト時点火エネルギ制御手段により、燃焼が悪化している気筒の点火装置への通電時間を増加することで、点火エネルギの増加が不必要な気筒への点火エネルギの増加による燃費低減効果の減少を抑制することができる。
本発明に係る内燃機関の制御装置は、前記低リフト時点火制御手段が、前記低リフト状態であり、且つ、前記不安定な燃焼状態であると判定された場合には、判定された気筒に対して、前記点火装置への通電回数を増加することにより前記点火エネルギを増加させることがより好ましい。
本発明によれば、前記低リフト時点火エネルギ制御手段により、燃焼が悪化している気筒の点火装置への通電回数を増加することで、点火エネルギの増加が不必要な気筒への点火エネルギの増加による燃費低減効果の減少を抑制することができる。
本発明に係る内燃機関の制御装置は、前記点火エネルギの増加後も燃焼が安定しない場合は、低リフト時噴射制御手段の燃料噴射制御および低リフト時点火制御手段の制御を中止することがより好ましい。
本発明によれば、点火エネルギの増加後も燃焼が安定しない場合は、低リフト時噴射制御および低リフト時点火制御を中止し、通常の制御を実行することで、内燃機関が不安定となって失火や稼動停止することを防止できる。
本発明によれば、低リフトにおいて点火エネルギの増加だけでなく、噴射制御による燃焼の安定化を図ることで、燃費低減効果の減少を抑制することができる。
連続リフト可変動弁機構を備えた筒内噴射式内燃機関の全体構成図。 連続リフト可変動弁機構を備えた吸気弁のリフト特性の一例を示した図。 従来の吸気弁での混合気形成の一例を示した模式図。 低リフト時の混合気形成の一例を示した模式図。 第1実施形態の火花点火式内燃機関の制御装置における構成の一例を示した制御ブロック図。 図5に示す燃焼状態判定手段の一例を示した制御ブロック図であり、(a)は、気筒間時間差を利用したものを示した図であり、(b)は、筒内圧を利用したものを示した図。 図6(a)に示す燃焼状態の安定時における燃焼状態判定手段の実行時のタイムチャートの一例を示した図。 図7に示す燃焼状態の安定時における燃焼状態判定手段の実行時の燃焼状態判定結果の一例を示した図。 図6(a)に示す燃焼状態の不安定時における燃焼状態判定手段の実行時のタイムチャートの一例を示した図。 図9に示す燃焼状態の安定時における燃焼状態判定手段の実行時の燃焼状態判定結果の一例を示した図。 図6(b)に示す燃焼状態の安定時における燃焼状態判定手段の実行時のタイムチャートの一例を示した図。 図11に示す燃焼状態の安定時における燃焼状態判定手段の実行時の燃焼状態判定結果の一例を示した図。 図6(b)に示す燃焼状態の不安定時における燃焼状態判定手段の実行時のタイムチャートの一例を示した図。 図13に示す燃焼状態の安定時における燃焼状態判定手段の実行時の燃焼状態判定結果の一例を示した図。 図5に示す低リフト判定手段の構成の一例を示した制御ブロック図。 連続リフト可変動弁機構のリフト特性の一例を示した図であり、図16(a)はシャフト角とリフト量の関係を示した図であり、図16(b)は、シャフト角と吸気弁開弁角度の関係を示した図であり、図16(c)は、シャフト角と吸気弁開口面積の関係を示した図である。 図15に示す低リフト判定手段の実行時のタイムチャートの一例を示した図。 図5に示す低リフト時噴射制御手段の構成の一例を示した制御ブロック図。 図18に示す低リフト時噴射制御手段実行時のタイムチャートの一例を示した図。 圧縮行程噴射による混合気形成の一例を示した模式図。 第1実施形態のフローチャートの一例を示した図。 図21に示す第1実施形態のフローチャート実行時におけるタイムチャートの一例を示した図。 第2実施形態の火花点火式内燃機関の制御装置における内容の一例を示した制御ブロック図。 図23に示す低リフト時噴射制御手段の構成の一例を示した制御ブロック図。 図23に示す低リフト時点火制御手段の構成の一例を示した制御ブロック図。 第2実施形態に係る低リフト時噴射制御手段の燃料噴射制御を実行した場合のタイムチャートの一例を示した図。 第2実施形態に係る低リフト時点火制御手段による点火制御を実施した実行場合のタイムチャートの一例を示した図。 第2実施形態のフローチャートの一例を示した図。 第2実施形態のフローチャート実行時における低リフト時噴射制御が実行されるまでのタイムチャートの一例を示した図。 低リフト時点火制御が実行されるまでのタイムチャートの一例を示した図。 火エネルギの増加方法として通電回数を増加した場合のタイムチャートの一例を示した図。
以下に、本発明に係る2つの実施形態を、図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態及び第2実施形態に適用する連続リフト可変動弁機構を備えた筒内噴射式内燃機関の全体構成図の一例である。
シリンダ107bに導入される吸入空気は、エアクリーナ102の入口部102aから取り入れられ、内燃機関の運転状態計測手段の一つである空気流量検知手段(エアフロセンサ)103を通り、電制スロットル弁105aが収容されたスロットルボディ105を通ってコレクタ106に入る。さらに、吸気弁側に設置された吸気量制御用の連続リフト可変動弁機構122により、吸気弁のリフトが制御され、吸気弁の開弁中に内燃機関107に空気が吸入される。エアフロセンサ103からは、前記空気流量を表す信号が内燃機関制御装置であるコントロールユニット115に出力されている。
スロットルボディ105には、電制スロットル弁105aの開度を検出するスロットルセンサ104が取り付けられており、前記連続リフト可変動弁機構により吸気弁のリフト量をコントロールするコントロールシャフトには、コントロールシャフトの回転角を検出する角度センサ122aが取り付けられている。スロットルセンサ104と角度センサ122aの出力はともにコントロールユニット115に出力されるようになっており、内燃機関107の運転状態の推定に使用される。また、吸入された空気は、内燃機関107の各シリンダ107bに接続された各吸気管101に分配された後、シリンダ107bの燃焼室107cに導かれる。
一方、ガソリン等の燃料は、燃料タンク108から燃料ポンプ109により一次加圧されて燃料圧力レギュレータ110により一定の圧力に調圧されるとともに、高圧燃料ポンプ111でより高い圧力に二次加圧されて燃料配管へ圧送される。高圧燃料は各シリンダ107bに設けられている噴射弁112から燃焼室107cに噴射される。
燃焼室107cに噴射された燃料は、点火コイル113で高電圧化された点火信号により点火プラグ114で着火される。また、排気弁のカムシャフトに取り付けられたカム角センサ116は、カムシャフトの位相を検出するための信号をコントロールユニット115に出力する。ここで、カム角センサは吸気弁側のカムシャフトの取り付けてもよい。また、内燃機関のクランクシャフトの回転と位相を検出するためにクランク角センサ117をクランクシャフト軸上に設け、その出力をコントロールユニット115に入力する。さらに、排気管119中の触媒120の上流に設けられた空燃比センサ118は、排気ガス中の酸素を検出し、その検出信号をコントロールユニット115に出力する。
図2は連続リフト可変動弁機構を備えた吸気弁のリフト特性の一例を示した図である。リフト可変機構によりリフトの高さを機械的に設計された最大リフトからリフト無しまで、任意の高さに連続的に変更できる。図示のようにリフトが小さくなるほど吸気弁の開弁角度も短くなるため、吸気量が減少する。また、位相可変機構と組み合わせることで、任意の開弁時期に吸気弁を開くことができ、運転条件に応じた最適なリフト特性を選択できる。
ところで、発明者らは、連続リフト可変動弁機構を低リフトにした(リフト量がある所定値よりも小さい)時に、燃焼が不安定になる原因について検討した。これまでは、前記した特許文献1に示すように、低リフトでは気筒毎のリフト誤差が相対的に大きくなるため、気筒間の吸気量にばらつきが生じ、吸気量が過剰な気筒では空燃比がリーン化するため燃焼が不安定になるとされていた。しかしながら、発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、リフト誤差による単なる吸気量のばらつきの要因だけでなく、内製した3次元乱流シミュレーションと実機における混合気挙動の可視化解析により、燃焼が不安定となる新たな要因を発見した。
図3と図4を用いて、その要因について以下に説明する。図3は、従来の吸気弁での混合気形成の一例を示した模式図であり、連続リフト可変動弁機構を持たない従来の内燃機関におけるシリンダ内の様子を示している。従来の内燃機関では、吸気行程でのリフトが大きいため、空気の流路面積が大きく流速が遅くなる。また、開弁期間も長いため空気の流動が持続し易く、噴射した燃料のシリンダ内における攪拌が促される。この結果、圧縮行程ではシリンダ内全体にストイキ混合気が形成され燃焼が安定する。
一方、図4は、低リフト時の混合気形成の一例を示した模式図であり、連続リフト可変動弁機構により、従来(図3)に比べてリフト量を小さく(低リフトに)した場合のシリンダ内の様子を示している。低リフトの場合は、吸気行程でのリフトが低いため、空気の流路面積が小さく流速が従来の吸気弁に比べて速くなる。このため、噴射した燃料は急速な空気の流れによって大半がピストンに付着する。
さらに、開弁期間が短いため空気の流動は持続せず、燃料の攪拌も促されない。この結果、シリンダ内に供給された燃料量はストイキ相当であるものの、圧縮行程ではピストン表面に燃料が濃いリッチ混合気が、点火装置周辺にはリーン混合気が形成される。本発明でいう低リフト状態とは、吸気弁のリフトを低くした結果、筒内で点火装置周辺の混合気が他に比べて相対的にリーン混合気となった状態のことをいい、本発明でいうリフト量の所定値とは、このような混合気の状態になり始めるときのリフト量を指す。リフト量の所定値は、上述した実験又は解析により求めることができる。
以上より、低リフトにおいては空燃比がストイキであっても点火装置周辺はリーンとなる。本検討では、上記の現象の発生を、前述したシミュレーションと実機における混合気の可視化解析により確認した。このため、点火装置周辺の空燃比のリーン化も、燃焼が不安定となる要因の一つと考えられる。従って、低リフトにおいて噴射制御により点火装置周辺の燃料を濃くすることは、燃焼の安定化に有効な対策の一つと考えられる。また、噴射制御と点火制御を実行することで、噴射制御での燃焼安定化の効果により点火エネルギの増加を抑えることができ、燃費低減効果の減少を抑制に繋がる。
〔第1実施形態〕
図1及び2に示す装置構成を前提として、図5から図22を用いて本発明の第1実施形態について説明する。図5は、第1実施形態の火花点火式内燃機関の制御装置における構成の一例を示した制御ブロック図である。本実施形態における制御装置は、図1に示したコントロールユニット115内に設置、またはコントロールユニット115内の一プログラムとしても良い。
火花点火式内燃機関の制御装置501は、カム角度とクランク角度さらに筒内圧などの情報から各気筒の燃焼状態を判定する燃焼状態判定手段502と、角度センサ122aで検出された連続リフト可変動弁機構のコントロールシャフトの角度(以下、シャフト角)からリフトを演算して低リフトか否かを判定する低リフト判定手段503と、燃焼状態判定の結果と低リフト判定の結果に基づいて、低リフト時に燃焼が不安定になっている気筒に対して噴射制御を行う低リフト時噴射制御手段504と、で構成される。各判定手段や制御手段の構成と機能については以下で説明する。
図6は、図5に示す燃焼状態判定手段の一例を示した制御ブロック図であり、(a)は、気筒間時間差を利用したものを示した図であり、(b)は、筒内圧を利用したものを示した図であり、図6(a)および図6(b)に燃焼状態判定手段の構成を示す。図6(a)の燃焼状態判定手段502は、カム角度とクランク角度から圧縮行程または吸気行程にある気筒を判別する気筒判別手段601と、気筒判別情報が更新される間の時間を演算する気筒間時間差演算手段602と、気筒判別情報と気筒間時間差と燃焼状態評価基準値に基づいて各気筒の燃焼状態を判定する気筒燃焼状態判定手段603で構成される。なお、気筒判別手段601における気筒判別の方法は公知技術であり、ここでの詳細な説明は割愛する。
図6(b)の燃焼状態判定手段の別の態様であり、図6(a)の気筒間時間差演算手段に代わり、筒内圧から筒内圧のピークを検出する筒内圧ピーク検出手段602’を有した構成となる。なお、ここでは、直接的に検出する筒内圧に限られるものではなく、筒内圧を間接的に検出することができるトルクなど各気筒の燃焼に関わるパラメータを使用しても良い。
図7から図14を用いて燃焼状態判定手段の機能を説明する。図7は、図6(a)に示す燃焼状態の安定時における燃焼状態判定手段の実行時のタイムチャートの一例を示した図である。
ここでは4気筒の内燃機関を例にして説明する。気筒判別手段601の信号は、特定の気筒が圧縮行程間または吸気行程間にあることを示している。このため、気筒判別手段601の出力が前回値と異なった時は、クランクが所定の角度だけ回転したことを示す。所定の角度は気筒数によって異なり、4気筒の場合は180度である。
気筒間時間は、気筒判別情報の出力が更新される間、所定のサンプル時間毎に時間を積算して求める。気筒間時間は、燃焼が早いほど短く燃焼が緩慢になるほど長くなるため、気筒間時間差は燃焼状態を推定するためのパラメータとして使用できる。
なお、気筒間時間は、気筒判別手段の出力によって気筒が特定でき、本実施形態では各気筒の気筒間時間を気筒毎にt1n、t2n、t3n、t4nと標記する。気筒間時間差演算手段602は、燃焼状態は下式(1)を用いて気筒間時間差を演算し、さらに所定回数分の気筒間時間差のデータから気筒間時間差の標準偏差、分散、気筒間時間差の絶対値の積算値などから求める。
気筒間時間差(1番気筒) = t1−t1n−1 ・・・(1)
本実施形態では所定回数は、燃焼状態を判定するためのデータが最低限取得できる回数とし、ここでは内燃機関の20サイクル分の時間とした。ただし、所定回数はこの値に限定するものではない。
図8は、図7に示す燃焼状態の安定時における燃焼状態判定手段の実行時の燃焼状態判定結果の一例を示した図であり、燃焼状態が安定している場合における燃焼状態の演算結果の一例を示している。燃焼状態が安定している場合は、気筒間時間が短く、ばらつきも少ないため気筒間時間差はほぼゼロとなり、標準偏差、分散、絶対値の積算値はゼロ近傍の値となる。
一方、図9は、図6(a)に示す燃焼状態の不安定時における燃焼状態判定手段の実行時のタイムチャートの一例を示した図であり、1番気筒と4番気筒の燃焼が不安定な状態において図6(a)の気筒燃焼状態判定手段を実施した場合のタイムチャートの一例を示している。燃焼が不安定な気筒では図に示すように緩慢な燃焼が発生する一方で、通常通りの燃焼となるサイクルも存在するため気筒間時間のばらつきが大きくなる。このため、気筒間時間差の標準偏差、分散、絶対値の積算値は燃焼状態が安定している場合に比べて大きくなる。そして、気筒間時間差の標準偏差、分散、絶対値の積算値は燃焼状態が安定している場合に比べて大きくなるので、これらの少なくとも1つの値と、対応する燃焼状態評価基準値と、を比較することにより、気筒燃焼状態判定手段603は、各気筒の燃焼状態の判定を行う。
図10は、図9に示す燃焼状態の安定時における燃焼状態判定手段の実行時の燃焼状態判定結果の一例を示した図である。燃焼が不安定なため気筒間時間差のばらつきが大きい1番気筒と4番気筒の値が大きくなり、値が燃焼状態評価基準値を超えた場合は燃焼が不安定になったと判定する。ここで、燃焼状態評価基準値とは、燃焼が不安定になることで発生する振動が自動車の運転性や快適性に影響与えない程度の値とする。
図11は、図6(b)に示す燃焼状態の安定時における燃焼状態判定手段の実行時のタイムチャートの一例を示した図である。ここでも4気筒を例にして説明する。気筒判別情報と筒内圧情報により、燃焼が発生している気筒を特定することができる。筒内圧のピークは燃焼が緩慢になるほど減少することが知られており、筒内圧は燃焼状態を推定するためのパラメータとして使用できる。本実施形態では各気筒の筒内圧を気筒毎にP1n、P2n、P3n、P4nと標記する。燃焼状態は下式(2)を用いて筒内圧ピーク差を演算し、さらに所定回数分の筒内圧ピーク差のデータから標準偏差、分散、気筒間時間差の絶対値の積算値などから求める。
筒内圧ピーク差(1番気筒) = P1n−P1n−1 ・・・(2)
図12は、図11に示す燃焼状態の安定時における燃焼状態判定手段の実行時の燃焼状態判定結果の一例を示した図である。燃焼状態が安定している場合は、筒内圧ピークのばらつきが少ないため筒内圧ピーク差はほぼゼロとなり、標準偏差、分散、絶対値の積算値はゼロ近傍の値となる。
一方、図13は、1番気筒と4番気筒の燃焼が不安定な状態において、図6(b)に示す燃焼状態判定手段の実行時のタイムチャートの一例を示した図である。燃焼が不安定な気筒では図に示すように緩慢な燃焼が発生しピークが減少するサイクルが発生する一方で、通常通りの燃焼となるサイクルも存在するため、ピークのばらつきが大きくなる。このため、筒内圧ピーク差の標準偏差、分散、絶対値の積算値は燃焼が安定している場合に比べて大きくなる。
図14に、図13に示す燃焼状態の安定時における燃焼状態判定手段の実行時の燃焼状態判定結果の一例を示した図である。燃焼が不安定なため筒内圧ピーク差のばらつきが大きい1番気筒と4番気筒で値が大きくなり、値が燃焼状態評価基準値を超えた場合は燃焼が不安定になったと判定する。燃焼状態評価基準値について、決定方法は前述の通りである。
図15に、図5に示す低リフト判定手段503の構成の一例を示した制御ブロック図である。低リフト判定手段503では、連続リフト可変動弁機構のシャフト角に対するリフト特性を求めるリフト特性演算手段1501と、演算されたリフト特性と低リフト判定基準値を比較するリフト特性比較手段1502で構成される。ここでシャフト角はコントロールシャフトに設置された角度センサの出力から求める。なお、リフト特性としては、シャフト角、リフト量、吸気弁開弁角度、吸気弁開口面積などが使用できる。図16は、連続リフト可変動弁機構のリフト特性の一例を示した図であり、(a)、(b)、(c)にシャフト角とリフト量、シャフト角と吸気弁開弁角度、シャフト角と吸気弁開口面積の関係の一例を示す。図16(a)はシャフト角とリフト量の関係を示す。リフト量は、吸気弁を上下動させるバネに歪みゲージを設置しその出力から求める方法、或いはレーザにより吸気弁の上下動を計測するなどの方法から求める。図16(a)に示すように、シャフト角が大きくなるほどリフト量も増加する傾向となる。図16(b)は、シャフト角と吸気弁開弁角度の関係を示す。開弁角度もリフト量と同様に歪みゲージの出力から求める方法か、或いはレーザにより吸気弁のリフトがゼロから増加し、再びゼロに戻った時の角度から求めることができる。図16(b)に示すように、開弁角度もシャフト角の増加とともに大きくなる。また図16(c)には、シャフト角と吸気弁開口面積の関係を示す。本実施形態では、開口面積の計算には近似的に下式(3)を使用した。
開口面積 = 吸気弁直径×円周率×リフト量・・・(3)
吸気弁直径および円周率は一定であるため、開口面積の傾向は図16(a)のリフト量の特性と一致する。また、図には表記しないがシャフト角そのものをリフト特性としてリフト特性演算手段1501の出力としても良い。
図17は、図15に示す低リフト判定手段の判定を実行した時のタイムチャートの一例を示した図である。リフト量が低下し、リフト判定基準値よりも小さくなった時に低リフト判定が成立する。ここで、本実施形態では低リフト判定基準はリフト量が0.5[mm]となるシャフト角、開弁角度、開口面積とした。ただし、低リフト判定基準値は、リフトを低下により燃焼が不安定になり始めるリフト以上であれば良く、この値に限定するものではない。
図18は、図5に示す低リフト時噴射制御手段の構成の一例を示した制御ブロック図である。低リフト時噴射制御手段は、低リフト判定と燃焼状態判定フラグの両方が成立している場合に、低リフト時の燃焼が不安定になっていると判定する(ある気筒が低リフト状態であり、且つ、不安定な燃焼状態であると判定する)低リフト時燃焼状態判定手段1801と、低リフト時の燃焼が不安定になっていると判定された場合に噴射時期を演算し、結果を噴射弁へ出力する低リフト時噴射時期演算手段1802とで構成される。
図19は、図18に示す低リフト時噴射制御手段の燃料噴射制御の実行時のタイムチャートの一例を示した図であり、1番気筒の燃焼が不安定になった場合の例を示す。低リフト判定と燃焼状態判定が成立した時に、低リフト時燃焼状態判定結果により、燃焼が不安定になっていると判定し、その後は低リフト時噴射制御手段により分割噴射を行う。通常の内燃機関では、噴射した燃料を完全燃焼させるために、燃料と空気が十分に混合するよう吸気行程に1回の噴射を行っている。ただし前述したように低リフトにおいて吸気行程に全ての燃料を噴射すると、ピストン表面に燃料が集中し、点火装置周辺の空燃比がリーンとなる。そこで、低リフト時に燃焼状態が悪化した場合は、噴射量の総量は同等としながら吸気行程と圧縮行程に噴射を分割し、燃料を点火装置周辺に集中させて燃焼を安定化させる。
図20は、圧縮行程噴射による混合気形成の一例を示した模式図である。図20に示すように、燃料噴射装置からリード噴射を点火装置に向けて行い、リード噴射の後方に発生した負圧領域により主噴射の燃料を点火装置周辺に誘導する。このため、ピストンには主噴射の燃料が上昇しやすいよう、表面には窪み或いは段差をつけたピストンを採用する。この場合、リード噴射と主噴射の距離が離れすぎないよう、噴射時期は上死点前90度以下で行うのが良い。また、分割する回数は2回に限定せず、複数回の噴射を行って良く、複数回の噴射の内少なくとも1回を圧縮行程で噴射すれば良い。本実施形態では分割する際の割合は吸気行程と圧縮行程で5割ずつとしたが、割合は燃焼が最も安定かする割合、または噴射装置の機械的特性により可能な割合として良い。なお、上記は1番気筒を例に説明をしたが、他の気筒も同様の処理を行う。
図21は第1実施形態におけるフローチャートの一例である。ここでは、一例として1番気筒の燃焼が不安定になると仮定して説明する。連続リフト可変動弁機構を備えた内燃機関では、ポンプ損失の低減のために吸気弁のリフトでの空気量制御(リフト制御)を実行する。そのため、S2101で低リフト判定が成立しているか否かを判定する。非成立の場合は燃焼が不安定になることは無いためS2108となりリフト制御を継続する。
成立の場合はS2102で各気筒の燃焼状態を計測する。S2103では計測した燃焼状態から燃焼不安定気筒の有無を判定する。燃焼不安定気筒が無い場合はS2108となりリフト制御を継続する。燃焼不安定気筒が有る場合はS2104で当該気筒に対して低リフト時噴射制御を実行する。低リフト時噴射制御実行後にS2105にて低リフト判定が非成立となった場合はS2108となりリフト制御を継続する。S2105で低リフト判定が成立している場合は、S2106で燃焼状態の計測を行い、S2107で不安定気筒の有無を判定する。S2107で不安定気筒が無い場合はS2104へ戻り、不安定気筒がある場合は、低リフト時噴射制御での燃焼の安定化を中止し、S2109にてリフト量を大きくして空気量はスロットルで制御するスロットル制御へと移行する。
図22は、図21に示す第1実施形態のフローチャート実行時におけるタイムチャートの一例を示した図である。図21同様ここでも、1番気筒の燃焼が不安定になると仮定して説明する。図22に示すように、リフト量が低リフト判定基準値よりも小さくなった時に低リフト判定が成立し、気筒判別信号から燃焼状態の計測が開始される。ここでは、気筒判別信号が示す値は当該気筒が圧縮行程であることを示す。燃焼状態の計測開始から所定回数のデータを収集し、その結果から燃焼が不安定であると判定された場合は、低リフト時燃焼状態判定フラグが成立し低リフト時噴射制御によって分割噴射が実行される。低リフト時噴射制御の実行後は、低リフト判定が成立、且つ燃焼が安定していると判定されている間は低リフト時噴射制御を継続する。
〔第2実施形態〕
図23から図31を用いて本発明の第2の実施形態について説明する。図23は、第2実施形態の火花点火式内燃機関の制御装置における内容の一例を示した制御ブロック図である。図5に示した火花点火式内燃機関の制御装置との差異は、低リフト時噴射制御の実行と同時か、または実行後に所定時間経過しても燃焼が改善されない場合に当該気筒の点火エネルギを制御する低リフト時点火制御手段2301を新たに追加したことである。各制御手段の構成と機能について以下で説明する。
図24は、図23に示す低リフト時噴射制御手段の構成の一例を示した制御ブロック図である。低リフト時噴射制御手段は、低リフト判定と燃焼状態判定フラグの両方が成立している場合に、低リフト時の燃焼が不安定になっていると判定する低リフト時燃焼状態判定手段2401と、低リフトでの燃焼が不安定になっていると判定された場合に(低リフト状態であり、且つ、不安定な燃焼状態であると判定された場合に)、噴射時期を演算し、結果を噴射弁へ出力する低リフト時噴射時期演算手段2402と、低リフト時噴射制御手段の実行を検出する低リフト時噴射制御実行判定手段2403で構成される。
図25は、図23に示す低リフト時点火制御手段の構成の一例を示した制御ブロック図である。低リフト時点火制御手段は、低リフト判定手段と燃焼状態判定手段の判定結果に基づいて、燃料を点火する点火装置に供給する点火エネルギを制御するものであり、低リフト時噴射制御実行判定が成立した後の経過時間を演算する経過時間演算手段2501と、低リフト時噴射制御実行判定が成立してから所定の時間が経過した後も、燃焼状態判定フラグが成立している気筒(すなわち不安定な燃焼状態の気筒)の点火装置に対して、供給する点火エネルギを増加する低リフト時点火エネルギ演算手段2502で構成される。
図26は、第2実施形態に係る低リフト時噴射制御手段の燃料噴射制御を実行した場合のタイムチャートの一例を示した図である。図26は図19と同じ図であるが、最下段に低リフト時噴射制御を実行しているか否かを検出する低リフト時噴射制御実効判定の機能が付加されている。
図27は、第2実施形態に係る低リフト時点火制御手段による点火制御(点火エネルギ制御)を実施した実行場合のタイムチャートの一例を示した図である。図27は1番気筒の燃焼が不安定になった場合の例を示す。低リフト時噴射制御実行判定が成立すると同時に、経過時間演算手段では経過時間の演算を開始する。その後、経過時間が所定値(所定時間)に到達し、且つ燃焼状態判定フラグが成立している場合は、低リフト時点火制御手段により点火エネルギを増加させる。また、この所定時間は、内燃機関の回転数に応じて決定される。このようにして、低リフト状態であり、且つ、不安定な燃焼状態であると判定された場合には、判定された気筒に対して、低リフト時噴射制御手段は、噴射時期の制御を、低リフト時点火制御手段の制御よりも前に実施、あるいは同時に実施する。
本実施形態では、点火装置に供給する点火信号の通電時間を増加している。点火エネルギの増加手段として、通電回数の増加や点火エネルギの異なる点火装置を複数設置し、燃焼状態に応じて切替えて使用しても良い。なお、本実施形態では、低リフト時噴射制御実行判定フラッグがON時に分割噴射を行っているが、図26に示すように、判定フラッグがON後に、分割噴射を行ってもよい。
図28に、第2実施形態のフローチャートの一例を示す。まず、S2801で低リフト判定が成立しているか否かを判定する。非成立の場合はS2813となりリフト制御を継続する。成立の場合はS2802で各気筒の燃焼状態を計測する。S2803では計測した燃焼状態から燃焼状態が不安定な気筒の有無を判定する。燃焼状態が不安定な気筒が無い場合はS2813となりリフト制御を継続する。燃焼状態が不安定な気筒が有る場合はS2804で当該気筒に対して低リフト時噴射制御を実行する。低リフト時噴射制御実行後、S2805では低リフト判定が成立しているか否かを判定し、非成立の場合はS2813となりリフト制御を継続する。低リフト判定が成立している場合はS2806となり燃焼状態の計測と経過時間を演算する。
その後、S2807では、経過時間が所定値(所定時間)に到達したか否かを判定し、到達していなければS2806へ戻る。到達していれば、S2808となり燃焼状態が不安定な気筒の有無を判定し、不安定気筒が無い場合はS2804へ戻り低リフト時噴射制御を継続する。燃焼状態が不安定な気筒がある場合は、S2809となり当該気筒へ対して低リフト時点火制御を実行する。低リフト時点火制御の実行後は、S2810で低リフト判定が成立しているか否かを判定し、非成立ならばS2813となりリフト制御を継続する。成立の場合は、S2811で各気筒の燃焼状態を計測する。S2812では計測した燃焼状態から燃焼不安定気筒の有無を判定する。燃焼状態が不安定な気筒が無い場合はS2809となり低リフト時点火制御を継続する。燃焼状態が不安定な気筒が有る場合は低リフト時噴射制御手段による燃料噴射制御と低リフト時点火制御手段の制御による燃焼の安定化の制御を中止し、S2814でリフト量を大きく(リフトを高く)して空気量はスロットルで制御するスロットル制御へと移行する。
図28のフローチャートを実行した場合のタイムチャートを図29、図30、および図31に示す。ここでは、一例として1番気筒の燃焼が不安定になると仮定して説明する。図29は低リフト時噴射制御が実行されるまでのタイムチャートである。リフト量が低リフト判定基準値よりも小さくなった時に低リフト判定が成立し、気筒判別信号から燃焼状態の計測が開始される。燃焼状態の計測結果から燃焼が不安定であると判定された場合は、低リフト時燃焼状態判定フラグが成立する。そして、燃焼不安定フラグの成立時から経過時間の演算と、低リフト時噴射制御により分割噴射が実行される。低リフト時噴射制御の実行後は、低リフト判定が成立、且つ燃焼が安定している(すなわち、低リフト状態であり、且つ、前記不安定な燃焼状態である)と判定されている間は低リフト時噴射制御を継続する。その後、低リフト時点火制御が実行されるまでのタイムチャートを図30に示す。
低リフト時噴射制御の実行後も燃焼が不安定な状態が継続し、且つ実行後の経過時間が所定時間を越えた時は点火エネルギを増加する。ここで所定時間は、燃焼状態を判定するためのデータが最低限取得できる範囲の時間とし、この時間は、燃焼状態の判定に必要なデータ数と内燃機関の回転数によって決定される。本実施形態では内燃機関の20サイクル分の時間とした。これは、700[rpm]で回転している内燃機関の場合、約3.5[sec]に相当する。ただし、所定時間はこの値に限定するものではない。なお、本実施形態では、点火エネルギの増加方法として点火装置に点火コイルを用い、1次コイルへの通電時間を延ばすことによってコイルにチャージされる電力を増加して実現した。この他、図31は、点火エネルギの増加方法として通電回数を増加した場合のタイムチャートである。通電回数の増加方法としては、図30同様に点火コイルの1次コイルに供給する通電時間を短くする代わりに、通電の回数を増やすことで実現する。例えば、点火エネルギを1.5倍にする場合には、通電時間を半分にして通電回数を1回から3回に増やすことで実現する。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更があっても、それらは本発明に含まれるものである。
501:内燃機関の制御装置、502:燃焼状態判定手段、503:低リフト判定手段、504:低リフト時噴射制御手段、601:気筒判別手段、602:気筒間時間差演算手段、602’:筒内圧ピーク検出手段、603:気筒燃焼状態判定手段、1501:リフト特性演算手段、1502:リフト特性比較手段、1801:低リフト時燃焼状態判定手段、1802:低リフト時噴射時期演算手段、2301:低リフト時点火制御手段、2401:低リフト時燃焼状態判定手段、2402:低リフト時噴射時期演算手段、2403:低リフト時噴射制御実行判定手段、2501:経過時間演算手段、2502:低リフト時点火エネルギ演算手段

Claims (8)

  1. 吸気弁のリフト量を任意のタイミングで連続的に変更可能な連続リフト可変動弁機構を備えた内燃機関の制御装置であって、
    前記吸気弁のリフト量が所定値よりも小さい低リフト状態であることを判定する低リフト判定手段と、前記内燃機関の気筒毎に不安定な燃焼状態であることを判定する燃焼状態判定手段と、前記低リフト判定手段と前記燃焼状態判定手段の判定結果に基づいて、燃料の噴射時期を制御する低リフト時噴射制御手段と、を備え
    前記低リフト状態であり、且つ、前記不安定な燃焼状態であると判定された場合には、判定された気筒に対して、前記低リフト時噴射制御手段は、燃料を少なくとも2回以上に分割し、圧縮行程および吸気行程で少なくとも1回ずつ噴射することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記低リフト判定手段と前記燃焼状態判定手段の判定結果に基づいて、燃料を点火する点火装置に供給する点火エネルギを制御する低リフト時点火制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記低リフト状態であり、且つ、前記不安定な燃焼状態であると判定された場合には、判定された気筒に対して、前記低リフト時噴射制御手段は、前記噴射時期の制御を、前記低リフト時点火制御手段の制御よりも前に実施することを特徴とする請求項に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記低リフト時噴射制御手段による噴射時期の制御を実行し、所定の時間が経過した後に、前記燃焼状態が不安定であると継続的に判定される気筒がある場合は、該判定された気筒に対して、前記低リフト時点火制御手段は、前記点火装置への通電時間または通電回数を制御することを特徴とする請求項2または3に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記低リフト時噴射制御手段の実行後の前記所定時間は、前記内燃機関の回転数に応じて決定されることを特徴とする請求項に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記低リフト時点火制御手段は、前記低リフト状態であり、且つ、前記不安定な燃焼状態であると判定された場合には、判定された気筒に対して、前記点火装置への通電時間を増加することにより前記点火エネルギを増加させることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記低リフト時点火制御手段は、前記低リフト状態であり、且つ、前記不安定な燃焼状態であると判定された場合には、判定された気筒に対して、前記点火装置への通電回数を増加することにより前記点火エネルギを増加させることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記点火エネルギの増加後も燃焼が安定しない場合は、低リフト時噴射制御手段の燃料噴射制御および低リフト時点火制御手段の制御を中止することを特徴とする請求項6または7に記載の内燃機関の制御装置。
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