JP2017002831A - 内燃機関の異常検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の異常原因を識別する。【解決手段】筒内圧センサ30と、点火プラグ28と、燃料噴射弁26と、クランク角センサ42と、筒内圧に基づいて発熱量を算出する発熱量算出部40aと、発熱量に基づいて燃焼質量割合を算出する燃焼質量割合算出部40bと、点火時期から燃焼質量割合が第1の値になるまでのクランク角期間を算出するクランク角期間算出部40cと、クランク角期間に基づいて燃料噴射量を算出する燃料噴射量算出部40dと、燃焼質量割合が第2の値になるクランク角を算出するクランク角算出部40eと、クランク角に基づいて点火時期を算出する点火時期算出部40fとを有する内燃機関の異常検出装置において、異常原因識別部40gが燃料噴射量と筒内圧と発熱量とに基づいて異常原因を識別する。【選択図】図2

Description

本発明は、筒内圧センサを有する内燃機関の異常検出装置に関する。
従来から、筒内圧センサを有する内燃機関が知られている。この種の内燃機関の例としては、例えば特許文献1に記載されたものがある。特許文献1に記載された内燃機関では、筒内圧センサに生じた異常の故障モードが特定される。
特開2014−125942号公報
ところで、特許文献1に記載された内燃機関では、筒内圧センサがどのように故障したかを特定することができるものの、内燃機関の異常原因を識別することができない。つまり、特許文献1に記載された内燃機関では、筒内圧センサの異常原因を識別することができるものの、内燃機関に異常が発生したときに、内燃機関を構成する複数の部品のうちのどの部品に異常が発生したかを識別することができない。
前記問題点に鑑み、本発明は、内燃機関の異常原因を識別することができる内燃機関の異常検出装置を提供することを目的とする。
筒内圧センサによって筒内圧が検出され、筒内圧に基づいて発熱量が算出され、発熱量に基づいて燃焼質量割合が算出され、点火時期から燃焼質量割合が所定値になるまでのクランク角期間に基づく燃料噴射量制御(SA−CA10制御。SA−CA10制御の詳細については後述する。)が実行され、燃焼質量割合が他の所定値になるクランク角に基づく点火時期制御(MBT制御。MBT制御の詳細については後述する。)が実行される内燃機関において、内燃機関に異常が発生したときに、燃料噴射量と筒内圧と発熱量とを分析することにより、内燃機関の異常原因を識別できることが本発明者等の鋭意研究により見い出された。
つまり、本発明者等の鋭意研究により、内燃機関に異常が発生したときに、内燃機関を構成する複数の部品のうちのどの部品に異常が発生したかを識別できることが見い出された。
この点に鑑み、請求項1に記載の発明によれば、気筒と、
前記気筒内の燃焼圧である筒内圧を検出する筒内圧センサと、
前記気筒内に配置された点火プラグと、
燃料噴射弁と、
クランク角センサと、
前記筒内圧センサにより検出される筒内圧に基づいて発熱量を算出する発熱量算出部と、
前記発熱量算出部により算出される発熱量に基づいて燃焼質量割合を算出する燃焼質量割合算出部と、
点火時期から、燃焼質量割合が第1の値になるまでのクランク角期間を算出するクランク角期間算出部と、
前記クランク角期間算出部により算出されるクランク角期間に基づいて燃料噴射量を算出する燃料噴射量算出部と、
燃焼質量割合が第2の値になるクランク角を算出するクランク角算出部と、
前記クランク角算出部により算出されるクランク角に基づいて点火時期を算出する点火時期算出部とを具備する内燃機関の異常検出装置において、
前記燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量と、前記筒内圧センサにより検出される筒内圧と、前記発熱量算出部により算出される発熱量とに基づいて異常の原因を識別する異常原因識別部を具備することを特徴とする内燃機関の異常検出装置が提供される。
すなわち、請求項1に記載の内燃機関の異常検出装置では、従来においては識別することができなかった内燃機関の異常原因を識別することができる。
詳細には、本発明者等の鋭意研究により、筒内圧センサの感度が低下していないときに気筒内における燃焼が悪化する異常が発生すると、燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きくなり、筒内圧センサにより検出される筒内圧が変化せず、発熱量算出部により算出される発熱量が増加することが見い出された。
さらに、本発明者等の鋭意研究により、筒内圧センサの感度が低下していないときに誘導ノイズが原因でクランク角期間算出部により算出されるクランク角期間が増加する異常が発生すると、燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きくなり、筒内圧センサにより検出される筒内圧が変化せず、発熱量算出部により算出される発熱量が増加することが見い出された。
また、本発明者等の鋭意研究により、筒内圧センサの感度が低下していないときに誘導ノイズが原因でクランク角期間算出部により算出されるクランク角期間が減少する異常が発生すると、燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きくなり、筒内圧センサにより検出される筒内圧が変化せず、発熱量算出部により算出される発熱量が減少することが見い出された。
この点に鑑み、請求項2に記載の発明によれば、前記異常原因識別部が、
前記燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きいときであって、前記筒内圧センサにより検出される筒内圧が筒内圧増加用閾値以下でありかつ筒内圧減少用閾値より大きいときであって、前記発熱量算出部により算出される発熱量が発熱量増加用閾値より大きいときに、前記気筒内における燃焼が悪化する異常、および、誘導ノイズが原因で前記クランク角期間算出部により算出されるクランク角期間が増加する異常の少なくとも一つが発生した可能性があると判断し、
前記燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きいときであって、前記筒内圧センサにより検出される筒内圧が前記筒内圧増加用閾値以下でありかつ前記筒内圧減少用閾値より大きいときであって、前記発熱量算出部により算出される発熱量が発熱量減少用閾値以下のときに、誘導ノイズが原因で前記クランク角期間算出部により算出されるクランク角期間が減少する異常が発生した可能性があると判断することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の異常検出装置が提供される。
すなわち、請求項2に記載の内燃機関の異常検出装置では、気筒内における燃焼が悪化する異常、および、誘導ノイズが原因でクランク角期間算出部により算出されるクランク角期間が増減する異常を他の異常から識別することができる。詳細には、複数の気筒が設けられている場合には、複数の気筒のうちのどの気筒にそれらの異常が発生したかを識別することができる。
また、本発明者等の鋭意研究により、筒内圧センサの感度が低下していないときに燃料噴射弁から噴射される燃料流量が減少する異常が発生すると、燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きくなり、筒内圧センサにより検出される筒内圧が変化せず、発熱量算出部により算出される発熱量の減少量がゼロ以上になることが見い出された。
さらに、本発明者等の鋭意研究により、筒内圧センサの感度が低下していないときに燃料噴射弁から噴射される燃料流量が増加する異常が発生すると、燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きくなり、筒内圧センサにより検出される筒内圧が変化せず、発熱量算出部により算出される発熱量の増加量がゼロ以上になることが見い出された。
この点に鑑み、請求項3に記載の発明によれば、前記異常原因識別部が、
前記燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きいときであって、前記筒内圧センサにより検出される筒内圧が筒内圧増加用閾値以下でありかつ筒内圧減少用閾値より大きいときであって、前記発熱量算出部により算出される発熱量が発熱量増加用閾値以下のときに、前記燃料噴射弁から噴射される燃料流量が減少する異常が発生したと判断し、
前記燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きいときであって、前記筒内圧センサにより検出される筒内圧が前記筒内圧増加用閾値以下でありかつ前記筒内圧減少用閾値より大きいときであって、前記発熱量算出部により算出される発熱量が発熱量減少用閾値より大きいときに、前記燃料噴射弁から噴射される燃料流量が増加する異常が発生したと判断することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の異常検出装置が提供される。
すなわち、請求項3に記載の内燃機関の異常検出装置では、燃料噴射弁から噴射される燃料流量が増減する異常を他の異常から識別することができる。詳細には、複数の気筒が設けられている場合には、複数の気筒のうちのどの気筒にその異常が発生したかを識別することができる。
さらに、本発明者等の鋭意研究により、筒内圧センサの感度が低下していないときに複数の気筒のうちの一つの気筒に供給される空気量が他の気筒に供給される空気量より増加する異常が発生すると、その一つの気筒において、燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きくなり、筒内圧センサにより検出される筒内圧が増加し、発熱量算出部により算出される発熱量が増加することが見い出された。
また、本発明者等の鋭意研究により、筒内圧センサの感度が低下していないときに複数の気筒のうちの一つの気筒に供給される空気量が他の気筒に供給される空気量より減少する異常が発生すると、その一つの気筒において、燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きくなり、筒内圧センサにより検出される筒内圧が減少し、発熱量算出部により算出される発熱量が減少することが見い出された。
この点に鑑み、請求項4に記載の発明によれば、複数の気筒を具備し、
前記異常原因識別部が、
前記複数の気筒のうちの一つの気筒について、前記燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きいときであって、前記筒内圧センサにより検出される筒内圧が筒内圧増加用閾値より大きいときであって、前記発熱量算出部により算出される発熱量が発熱量増加用閾値より大きいときに、前記一つの気筒に供給される空気量が他の気筒に供給される空気量より増加する異常が発生したと判断し、
前記一つの気筒について、前記燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きいときであって、前記筒内圧センサにより検出される筒内圧が筒内圧減少用閾値以下のときであって、前記発熱量算出部により算出される発熱量が発熱量減少用閾値以下のときに、前記一つの気筒に供給される空気量が前記他の気筒に供給される空気量より減少する異常が発生したと判断することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の異常検出装置が提供される。
すなわち、請求項4に記載の内燃機関の異常検出装置では、複数の気筒のうちの一つの気筒に供給される空気量が他の気筒に供給される空気量と比較して増減する異常を他の異常から識別することができる。
また、本発明者等の鋭意研究により、筒内圧センサの感度が低下していないときにエアフローメータの空気流量の測定値が減少する異常が発生すると、複数の気筒のすべてにおいて、燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きくなり、筒内圧センサにより検出される筒内圧が増加し、発熱量算出部により算出される発熱量が増加することが見い出された。
さらに、本発明者等の鋭意研究により、筒内圧センサの感度が低下していないときにエアフローメータの空気流量の測定値が増加する異常が発生すると、複数の気筒のすべてにおいて、燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きくなり、筒内圧センサにより検出される筒内圧が減少し、発熱量算出部により算出される発熱量が減少することが見い出された。
この点に鑑み、請求項5に記載の発明によれば、複数の気筒と、
前記複数の気筒のそれぞれから延びている分岐吸気通路と、
複数の前記分岐吸気通路を合流させることにより形成された合流吸気通路と、
前記合流吸気通路に配置されたエアフローメータとを具備し、
前記異常原因識別部が、
前記複数の気筒のすべてについて、前記燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きいときであって、前記筒内圧センサにより検出される筒内圧が筒内圧増加用閾値より大きいときであって、前記発熱量算出部により算出される発熱量が発熱量増加用閾値より大きいときに、前記エアフローメータの空気流量の測定値が減少する異常が発生したと判断し、
前記複数の気筒のすべてについて、前記燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きいときであって、前記筒内圧センサにより検出される筒内圧が筒内圧減少用閾値以下のときであって、前記発熱量算出部により算出される発熱量が発熱量減少用閾値以下のときに、前記エアフローメータの空気流量の測定値が増加する異常が発生したと判断することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の異常検出装置が提供される。
すなわち、請求項5に記載の内燃機関の異常検出装置では、エアフローメータの空気流量の測定値が増減する異常を他の異常から識別することができる。
さらに、本発明者等の鋭意研究により、筒内圧センサの感度が低下していないときに合流燃料供給系統における燃料流量が減少する異常(例えば燃料ポンプ流量減少異常)が発生すると、複数の気筒のすべてにおいて、燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きくなり、筒内圧センサにより検出される筒内圧が変化せず、発熱量算出部により算出される発熱量の減少量がゼロ以上になることが見い出された。
また、本発明者等の鋭意研究により、筒内圧センサの感度が低下していないときに合流燃料供給系統における燃料流量が増加する異常(例えば燃料ポンプ流量増加異常)が発生すると、複数の気筒のすべてにおいて、燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きくなり、筒内圧センサにより検出される筒内圧が変化せず、発熱量算出部により算出される発熱量の増加量がゼロ以上になることが見い出された。
この点に鑑み、請求項6に記載の発明によれば、複数の気筒と、
複数の燃料噴射弁と、
前記複数の燃料噴射弁のそれぞれから延びている分岐燃料供給系統と、
複数の前記分岐燃料供給系統を合流させることにより形成された合流燃料供給系統とを具備し、
前記異常原因識別部が、
前記複数の気筒のすべてについて、前記燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きいときであって、前記筒内圧センサにより検出される筒内圧が筒内圧増加用閾値以下でありかつ筒内圧減少用閾値より大きいときであって、前記発熱量算出部により算出される発熱量が発熱量増加用閾値以下のときに、前記合流燃料供給系統における燃料流量が減少する異常が発生したと判断し、
前記複数の気筒のすべてについて、前記燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きいときであって、前記筒内圧センサにより検出される筒内圧が前記筒内圧増加用閾値以下でありかつ前記筒内圧減少用閾値より大きいときであって、前記発熱量算出部により算出される発熱量が発熱量減少用閾値より大きいときに、前記合流燃料供給系統における燃料流量が増加する異常が発生したと判断することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の異常検出装置が提供される。
すなわち、請求項6に記載の内燃機関の異常検出装置では、合流燃料供給系統における燃料流量が増減する異常を他の異常から識別することができる。
また、本発明者等の鋭意研究により、筒内圧センサの感度が低下していないときと、経時変化などに伴い筒内圧センサの感度が低下したときとで、発熱量と筒内圧との比が変化しないことが見い出された。
さらに、発熱量と筒内圧との比に基づく場合には、経時変化などに伴い筒内圧センサの感度が低下したときにおいても、内燃機関の異常原因を識別できることが本発明者等の鋭意研究により見い出された。
この点に鑑み、請求項7に記載の発明によれば、前記異常原因識別部が、燃料噴射量と、筒内圧と、発熱量と、発熱量と筒内圧との比とに基づいて異常の原因を識別することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の異常検出装置が提供される。
すなわち、請求項7に記載の内燃機関の異常検出装置では、経時変化などに伴い筒内圧センサの感度が低下したときにおいても内燃機関の異常原因を識別することができる。
また、本発明者等の鋭意研究により、筒内圧センサの感度が低下していないときに気筒内における燃焼が悪化する異常が発生すると、燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きくなり、筒内圧センサにより検出される筒内圧が変化せず、発熱量算出部により算出される発熱量が筒内圧の変化と比較して増加し、発熱量と筒内圧との比が増加することが見い出された。
さらに、本発明者等の鋭意研究により、筒内圧センサの感度が低下したときに気筒内における燃焼が悪化する異常が発生すると、燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きくなり、筒内圧センサにより検出される筒内圧が減少し、発熱量算出部により算出される発熱量が筒内圧の変化と比較して増加し、発熱量と筒内圧との比が増加することが見い出された。
また、本発明者等の鋭意研究により、筒内圧センサの感度が低下していないときに誘導ノイズが原因でクランク角期間算出部により算出されるクランク角期間が増加する異常が発生すると、燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きくなり、筒内圧センサにより検出される筒内圧が変化せず、発熱量算出部により算出される発熱量が筒内圧の変化と比較して増加し、発熱量と筒内圧との比が増加することが見い出された。
さらに、本発明者等の鋭意研究により、筒内圧センサの感度が低下したときに誘導ノイズが原因でクランク角期間算出部により算出されるクランク角期間が増加する異常が発生すると、燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きくなり、筒内圧センサにより検出される筒内圧が減少し、発熱量算出部により算出される発熱量が筒内圧の変化と比較して増加し、発熱量と筒内圧との比が増加することが見い出された。
また、本発明者等の鋭意研究により、筒内圧センサの感度が低下していないときに誘導ノイズが原因でクランク角期間算出部により算出されるクランク角期間が減少する異常が発生すると、燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きくなり、筒内圧センサにより検出される筒内圧が変化せず、発熱量算出部により算出される発熱量が筒内圧の変化と比較して減少し、発熱量と筒内圧との比が減少することが見い出された。
さらに、本発明者等の鋭意研究により、筒内圧センサの感度が低下したときに誘導ノイズが原因でクランク角期間算出部により算出されるクランク角期間が減少する異常が発生すると、燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きくなり、筒内圧センサにより検出される筒内圧が減少し、発熱量算出部により算出される発熱量が筒内圧の変化と比較して減少し、発熱量と筒内圧との比が減少することが見い出された。
この点に鑑み、請求項8に記載の発明によれば、前記異常原因識別部が、
前記燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きいときであって、前記筒内圧センサにより検出される筒内圧が筒内圧増加用閾値以下のときであって、前記発熱量算出部により算出される発熱量が筒内圧の変化と比較して増加したときであって、発熱量と筒内圧との比が比増加用閾値より大きいときに、前記気筒内における燃焼が悪化する異常、および、誘導ノイズが原因で前記クランク角期間算出部により算出されるクランク角期間が増加する異常の少なくとも一つが発生した可能性があると判断し、
前記燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きいときであって、前記筒内圧センサにより検出される筒内圧が前記筒内圧増加用閾値以下のときであって、前記発熱量算出部により算出される発熱量が筒内圧の変化と比較して減少したときであって、発熱量と筒内圧との比が比減少用閾値以下のときに、誘導ノイズが原因で前記クランク角期間算出部により算出されるクランク角期間が減少する異常が発生した可能性があると判断することを特徴とする請求項7に記載の内燃機関の異常検出装置が提供される。
すなわち、請求項8に記載の内燃機関の異常検出装置では、経時変化などに伴い筒内圧センサの感度が低下したときにおいても、気筒内における燃焼が悪化する異常、および、誘導ノイズが原因でクランク角期間算出部により算出されるクランク角期間が増減する異常を他の異常から識別することができる。
また、本発明者等の鋭意研究により、筒内圧センサの感度が低下していないときに燃料噴射弁から噴射される燃料流量が減少する異常が発生すると、燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きくなり、筒内圧センサにより検出される筒内圧が変化せず、発熱量算出部により算出される発熱量の減少量がゼロ以上になり、かつ、発熱量算出部により算出される発熱量が筒内圧の変化と比較して減少し、発熱量と筒内圧との比の減少量がゼロ以上になることが見い出された。
さらに、本発明者等の鋭意研究により、筒内圧センサの感度が低下したときに燃料噴射弁から噴射される燃料流量が減少する異常が発生すると、燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きくなり、筒内圧センサにより検出される筒内圧が減少し、発熱量算出部により算出される発熱量の減少量がゼロ以上になり、かつ、発熱量算出部により算出される発熱量が筒内圧の変化と比較して減少し、発熱量と筒内圧との比の減少量がゼロ以上になることが見い出された。
また、本発明者等の鋭意研究により、筒内圧センサの感度が低下していないときに燃料噴射弁から噴射される燃料流量が増加する異常が発生すると、燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きくなり、筒内圧センサにより検出される筒内圧が変化せず、発熱量算出部により算出される発熱量の減少量がゼロ以上になり、かつ、発熱量算出部により算出される発熱量が筒内圧の変化と比較して増加し、発熱量と筒内圧との比の増加量がゼロ以上になることが見い出された。
さらに、本発明者等の鋭意研究により、筒内圧センサの感度が低下したときに燃料噴射弁から噴射される燃料流量が増加する異常が発生すると、燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きくなり、筒内圧センサにより検出される筒内圧が減少し、発熱量算出部により算出される発熱量の減少量がゼロ以上になり、かつ、発熱量算出部により算出される発熱量が筒内圧の変化と比較して増加し、発熱量と筒内圧との比の増加量がゼロ以上になることが見い出された。
この点に鑑み、請求項9に記載の発明によれば、前記異常原因識別部が、
前記燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きいときであって、前記筒内圧センサにより検出される筒内圧が筒内圧増加用閾値以下のときであって、前記発熱量算出部により算出される発熱量が発熱量増加用閾値以下でありかつ前記発熱量算出部により算出される発熱量が筒内圧の変化と比較して減少したときであって、発熱量と筒内圧との比が比増加用閾値以下のときに、前記燃料噴射弁から噴射される燃料流量が減少する異常が発生したと判断し、
前記燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きいときであって、前記筒内圧センサにより検出される筒内圧が前記筒内圧増加用閾値以下のときであって、前記発熱量算出部により算出される発熱量が前記発熱量増加用閾値以下でありかつ前記発熱量算出部により算出される発熱量が筒内圧の変化と比較して増加したときであって、発熱量と筒内圧との比が比減少用閾値より大きいときに、前記燃料噴射弁から噴射される燃料流量が増加する異常が発生したと判断することを特徴とする請求項7に記載の内燃機関の異常検出装置が提供される。
すなわち、請求項9に記載の内燃機関の異常検出装置では、経時変化などに伴い筒内圧センサの感度が低下したときにおいても、燃料噴射弁から噴射される燃料流量が増減する異常を他の異常から識別することができる。詳細には、複数の気筒が設けられている場合には、複数の気筒のうちのどの気筒にその異常が発生したかを識別することができる。
また、本発明者等の鋭意研究により、筒内圧センサの感度が低下していないときに合流燃料供給系統における燃料流量が減少する異常(例えば燃料ポンプ流量減少異常)が発生すると、複数の気筒のすべてにおいて、燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きくなり、筒内圧センサにより検出される筒内圧が変化せず、発熱量算出部により算出される発熱量の減少量がゼロ以上になり、かつ、発熱量算出部により算出される発熱量が筒内圧の変化と比較して減少し、発熱量と筒内圧との比の減少量がゼロ以上になることが見い出された。
さらに、本発明者等の鋭意研究により、筒内圧センサの感度が低下したときに合流燃料供給系統における燃料流量が減少する異常(例えば燃料ポンプ流量減少異常)が発生すると、複数の気筒のすべてにおいて、燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きくなり、筒内圧センサにより検出される筒内圧が減少し、発熱量算出部により算出される発熱量の減少量がゼロ以上になり、かつ、発熱量算出部により算出される発熱量が筒内圧の変化と比較して減少し、発熱量と筒内圧との比の減少量がゼロ以上になることが見い出された。
また、本発明者等の鋭意研究により、筒内圧センサの感度が低下していないときに合流燃料供給系統における燃料流量が増加する異常(例えば燃料ポンプ流量増加異常)が発生すると、複数の気筒のすべてにおいて、燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きくなり、筒内圧センサにより検出される筒内圧が変化せず、発熱量算出部により算出される発熱量の減少量がゼロ以上になり、かつ、発熱量算出部により算出される発熱量が筒内圧の変化と比較して増加し、発熱量と筒内圧との比の増加量がゼロ以上になることが見い出された。
さらに、本発明者等の鋭意研究により、筒内圧センサの感度が低下したときに合流燃料供給系統における燃料流量が増加する異常(例えば燃料ポンプ流量増加異常)が発生すると、複数の気筒のすべてにおいて、燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きくなり、筒内圧センサにより検出される筒内圧が減少し、発熱量算出部により算出される発熱量の減少量がゼロ以上になり、かつ、発熱量算出部により算出される発熱量が筒内圧の変化と比較して増加し、発熱量と筒内圧との比の増加量がゼロ以上になることが見い出された。
この点に鑑み、請求項10に記載の発明によれば、複数の気筒と、
複数の燃料噴射弁と、
前記複数の燃料噴射弁のそれぞれから延びている分岐燃料供給系統と、
複数の前記分岐燃料供給系統を合流させることにより形成された合流燃料供給系統とを具備し、
前記異常原因識別部が、
前記複数の気筒のすべてについて、前記燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きいときであって、前記筒内圧センサにより検出される筒内圧が筒内圧増加用閾値以下のときであって、前記発熱量算出部により算出される発熱量が発熱量増加用閾値以下でありかつ前記発熱量算出部により算出される発熱量が筒内圧の変化と比較して減少したときであって、発熱量と筒内圧との比が比増加用閾値以下のときに、前記合流燃料供給系統における燃料流量が減少する異常が発生したと判断し、
前記複数の気筒のすべてについて、前記燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きいときであって、前記筒内圧センサにより検出される筒内圧が前記筒内圧増加用閾値以下のときであって、前記発熱量算出部により算出される発熱量が前記発熱量増加用閾値以下でありかつ前記発熱量算出部により算出される発熱量が筒内圧の変化と比較して増加したときであって、発熱量と筒内圧との比が比減少用閾値より大きいときに、前記合流燃料供給系統における燃料流量が増加する異常が発生したと判断することを特徴とする請求項7に記載の内燃機関の異常検出装置が提供される。
すなわち、請求項10に記載の内燃機関の異常検出装置では、経時変化などに伴い筒内圧センサの感度が低下したときにおいても、合流燃料供給系統における燃料流量が増減する異常を他の異常から識別することができる。
請求項1に記載の発明によれば、内燃機関の異常原因を識別することができる。
請求項2に記載の発明によれば、気筒内における燃焼が悪化する異常、および、誘導ノイズが原因でクランク角期間算出部によって算出されるクランク角期間が増減する異常を他の異常から識別することができる。
請求項3に記載の発明によれば、燃料噴射弁から噴射される燃料流量が増減する異常を他の異常から識別することができる。
請求項4に記載の発明によれば、複数の気筒のうちの一つの気筒に供給される空気量が他の気筒に供給される空気量と比較して増減する異常を他の異常から識別することができる。
請求項5に記載の発明によれば、エアフローメータの空気流量の測定値が増減する異常を他の異常から識別することができる。
請求項6に記載の発明によれば、合流燃料供給系統における燃料流量が増減する異常を他の異常から識別することができる。
請求項7に記載の発明によれば、経時変化などに伴い筒内圧センサの感度が低下したときにおいても内燃機関の異常原因を識別することができる。
請求項8に記載の発明によれば、経時変化などに伴い筒内圧センサの感度が低下したときにおいても、気筒内における燃焼が悪化する異常、および、誘導ノイズが原因でクランク角期間算出部により算出されるクランク角期間が増減する異常を他の異常から識別することができる。
請求項9に記載の発明によれば、経時変化などに伴い筒内圧センサの感度が低下したときにおいても、燃料噴射弁から噴射される燃料流量が増減する異常を他の異常から識別することができる。
請求項10に記載の発明によれば、経時変化などに伴い筒内圧センサの感度が低下したときにおいても、合流燃料供給系統における燃料流量が増減する異常を他の異常から識別することができる。
第1の実施形態の内燃機関の異常検出装置が適用されたエンジンシステムの概略構成図である。 図1中の制御装置(ECU)40の詳細図である。 第1の実施形態の内燃機関の異常検出装置において実行されるルーチンを示したフローチャートである。 第1の実施形態の内燃機関の異常検出装置において実行されるルーチンを示したフローチャートである。 第2の実施形態の内燃機関の異常検出装置において実行されるルーチンを示したフローチャートである。
以下、本発明の内燃機関の異常検出装置の第1の実施形態について説明する。図1は第1の実施形態の内燃機関の異常検出装置が適用されたエンジンシステムの概略構成図である。図2は図1中の制御装置(ECU)40の詳細図である。
図1に示すエンジンシステムは、火花点火式の内燃機関10を備えている。内燃機関10の気筒14’内には、ピストン12が配置されている。気筒14’内におけるピストン12の頂部側には、燃焼室14が形成されている。燃焼室14には、吸気通路16および排気通路18が連通している。
吸気通路16の一部を構成する吸気ポートには、吸気ポートを開閉する吸気弁20が設けられている。さらに、排気通路18の一部を構成する排気ポートには、排気ポートを開閉する排気弁22が設けられている。また、吸気通路16には、電子制御式のスロットルバルブ24が設けられている。
図1には、一つの気筒14’のみが示されているが、図1に示す例では、気筒14’以外にも、他の気筒(図示せず)が設けられている。
図1に示す例では、複数の気筒を有する内燃機関10に対して本発明の内燃機関の異常検出装置が適用されているが、他の例では、一つの気筒のみを有する内燃機関に対して本発明の内燃機関の異常検出装置を適用することもできる。
図1に示す例では、内燃機関10の各気筒に、燃焼室14内(気筒14’内)に燃料を直接噴射するための燃料噴射弁26と、混合気に点火するための点火プラグ28とが設けられている。さらに、各気筒には、気筒内の燃焼圧である筒内圧CPを検出するための筒内圧センサ30が組み込まれている。
図1に示す例では、燃料噴射弁26から気筒14’内に燃料が直接噴射される内燃機関10に対して本発明の内燃機関の異常検出装置が適用されているが、他の例では、燃料噴射弁から吸気ポート内に燃料が噴射される内燃機関に対して本発明の内燃機関の異常検出装置を適用することもできる。
さらに、図1に示すエンジンシステムは、制御装置(ECU)40を備えている。制御装置40の入力部には、上述した筒内圧センサ30に加え、エンジン回転速度を取得するためのクランク角センサ42、および、吸入空気量を計測するためのエアフローメータ44等の内燃機関10の運転状態を取得するための各種センサが接続されている。また、制御装置40の出力部には、上述したスロットルバルブ24、燃料噴射弁26および点火プラグ28等の内燃機関10の運転を制御するための各種アクチュエータが接続されている。制御装置40は、それらのセンサ出力と所定のプログラムとに基づいて上記各種のアクチュエータを駆動することにより、燃料噴射量制御および点火時期制御等の所定のエンジン制御を行う。また、制御装置40は、筒内圧センサ30の出力信号を、クランク角と同期させてAD変換して取得する機能を有している。これにより、AD変換の分解能が許す範囲で、任意のクランク角タイミングにおける筒内圧CPを検出することができる。
筒内圧センサ30とクランク角センサ42とを備える図1に示すエンジンシステムでは、内燃機関10の各サイクルにおいて、クランク角ベースで筒内圧データ(筒内圧波形)を取得することができる。そして、公知の手法で絶対圧補正を行った後の筒内圧波形を用いて、燃焼質量割合MFBを算出することができる。
具体的には、筒内圧データを用いて、任意のクランク角θでの気筒14’内の発熱量HRを例えば次の式1にしたがって算出することができる。そして、算出された気筒14’内の発熱量HRのデータを用いて、任意のクランク角θにおける燃焼質量割合MFBを例えば次の式2にしたがって算出することができる。したがって、この式2を利用して、燃焼質量割合MFBが所定割合α[%]となる時のクランク角CAαを取得することができる。
Figure 2017002831
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ただし、上記式1において、Pは筒内圧CP、Vは筒内容積、κは筒内ガスの比熱比である。また、PおよびVは、計算開始点θ(想定される燃焼開始点に対して余裕をもって定められた圧縮行程中(ただし、吸気弁20の閉弁後)の所定クランク角θ)での筒内圧CPおよび筒内容積である。また、上記式2において、θstaは燃焼開始点(CA0)であり、θfinは燃焼終了点(CA100)である。
つまり、第1の実施形態の内燃機関の異常検出装置が適用された図1に示すエンジンシステムでは、制御装置40の発熱量算出部40a(図2参照)において、筒内圧センサ30により検出される筒内圧CPと、筒内容積と、例えば式1とに基づいて発熱量HRが算出される。また、制御装置40の燃焼質量割合算出部40b(図2参照)において、発熱量算出部40aにより算出される発熱量HRと、例えば式2とに基づいて燃焼質量割合MFBが算出される。
次に、代表的なクランク角CAαについて説明する。気筒14’内の燃焼は、点火時期SAにて混合気に点火を行った後に着火遅れを伴って開始する。この燃焼開始点、すなわち、燃焼質量割合MFBが立ち上がりを示す点をクランク角CA0と称する。クランク角CA0から燃焼質量割合MFBが10%となる時のクランク角CA10までのクランク角期間(CA0−CA10)が初期燃焼期間に相当し、クランク角CA10から燃焼質量割合MFBが90%となる時のクランク角CA90までのクランク角期間(CA10−CA90)が主燃焼期間に相当する。また、燃焼質量割合MFBが50%となる時のクランク角CA50が燃焼重心位置に相当する。
内燃機関の低燃費技術としては、理論空燃比よりも希薄な空燃比にて行うリーンバーン運転が有効である。空燃比がリーンになるほど、燃費が良くなり、NOx排出量が減少する。ただし、空燃比をリーンにし過ぎると、燃焼が悪化することで、燃費が悪化する。その一方で、トルク変動は、空燃比がリーンになるにつれて徐々に大きくなり、空燃比がある値を超えてリーンになると急激に大きくなる。
低燃費および低NOx排出を実現するためには、内燃機関10の状態を監視し、ドライバビリティが悪化しない範囲内でできるだけリーンとなるように空燃比を制御することが好ましいといえる。
第1の実施形態の内燃機関の異常検出装置が適用された図1に示すエンジンシステムでは、気筒14’毎に、筒内圧センサ30によって筒内圧CPが検出され、発熱量算出部40a(図2参照)により筒内圧CPと、例えば式1とに基づいて発熱量HRが算出される。また、燃焼質量割合算出部40b(図2参照)によって、気筒14’毎に発熱量HRと、例えば式2とに基づいて燃焼質量割合MFBが算出される。さらに、クランク角期間算出部40c(図2参照)によって、気筒14’毎に、点火時期SAから、燃焼質量割合MFBが例えば10%のような所定値(クランク角CA10)になるまでのクランク角期間(SA−CA10)が算出される。また、燃料噴射量算出部40d(図2参照)によって、気筒14’毎にクランク角期間(SA−CA10)に基づいて燃料噴射量が算出され、気筒14’毎に燃料噴射量のフィードバック制御(SA−CA10制御)が実行される。クランク角期間と空燃比との間には高い相関関係が存在するため、SA−CA10制御が実行されることにより、間接的に空燃比が制御されることになる。
つまり、第1の実施形態の内燃機関の異常検出装置が適用された図1に示すエンジンシステムでは、各気筒から延びている複数の分岐排気通路(この分岐排気通路は、排気通路18の一部を構成する。)を合流させることにより形成された合流排気通路(この合流排気通路は、排気通路18の一部を構成する。)に配置された空燃比センサ(図示せず)の出力に基づいて燃料噴射量がフィードバック制御されるのではなく、クランク角期間(SA−CA10)に基づく燃料噴射量のフィードバック制御(SA−CA10制御)が気筒14’毎に実行される。
そのため、第1の実施形態の内燃機関の異常検出装置が適用された図1に示すエンジンシステムでは、気筒間のバラツキを抑制した燃料噴射量のフィードバック制御を実行することができる。
図1に示す例では、点火時期SAから、燃焼質量割合MFBが10%になるクランク角CA10までのクランク角期間(SA−CA10)に基づく燃料噴射量のフィードバック制御(SA−CA10制御)が気筒14’毎に実行される内燃機関10に対して本発明の内燃機関の異常検出装置が適用されているが、他の例では、点火時期SAから、燃焼質量割合MFBが10%以外の所定値になるクランク角までのクランク角期間に基づく燃料噴射量のフィードバック制御が気筒毎に実行される内燃機関に対して本発明の内燃機関の異常検出装置を適用することもできる。
次に、第1の実施形態の内燃機関の異常検出装置が適用された図1に示すエンジンシステムにおける点火時期制御について説明する。空燃比の変化に応じて燃焼速度が変わるため、最適点火時期MBTとなる点火時期は空燃比に応じて変化する。
具体的には、例えば空燃比がリーンになると、燃焼が遅くなる。その結果、早く点火する必要があるため、最適点火時期MBTが進角側の時期に変化する。
燃料噴射量のフィードバック制御の実行中には、所定の振れ幅で空燃比が変動する。その結果、最適点火時期MBTも所定の振れ幅で変動する。
もし最適点火時期MBTが進角側に変化しているにもかかわらず、点火時期が変更されることなく固定されている場合には、例えばリーンバーン運転時に、クランク角期間(SA−CA10)に基づく燃料噴射量のフィードバック制御によって空燃比が限界よりもリーン側に振れ、失火が発生してしまうおそれがある。
つまり、クランク角期間(SA−CA10)に基づく燃料噴射量のフィードバック制御が実行される場合であって、リーンバーン運転が実行される場合には、クランク角期間(SA−CA10)に基づく燃料噴射量のフィードバック制御の実行に伴う空燃比の変化に起因する最適点火時期MBTの変化の影響を無くすための点火時期制御を気筒毎に行うことが好ましいといえる。
そこで、第1の実施形態の内燃機関の異常検出装置が適用された図1に示すエンジンシステムでは、クランク角期間(SA−CA10)に基づく燃料噴射量のフィードバック制御が実行されると共に、最適点火時期MBTの変化の影響を無くすために、燃焼質量割合MFBが50%になるクランク角CA50に基づく点火時期制御(MBT制御)が実行される。
詳細には、本発明者等の鋭意研究により、リーンバーン運転条件下において、最適点火時期MBTが得られる時のクランク角CA50が、空燃比に対してほぼ変化しないことが確認されている。従って、リーンバーン運転が実行される場合には、点火時期制御として、クランク角CA50に基づく点火時期制御(MBT制御)が適しているといえる。
この点に鑑み、第1の実施形態の内燃機関の異常検出装置が適用された図1に示すエンジンシステムでは、点火時期制御として、クランク角CA50に基づく点火時期制御(MBT制御)が実行される。詳細には、制御装置40のクランク角算出部40e(図2参照)によって、最適点火時期MBTの変化の影響を無くすために、燃焼質量割合MFBが50%になるクランク角CA50が算出される。さらに、制御装置40の点火時期算出部40f(図2参照)によって、クランク角CA50に基づく点火時期が算出される。
つまり、第1の実施形態の内燃機関の異常検出装置が適用された図1に示すエンジンシステムでは、クランク角CA50を利用した点火時期制御(MBT制御)が実行されている状態で、クランク角期間(SA−CA10)を利用した燃料噴射量のフィードバック制御(SA−CA10制御)が実行される。
図1に示す例では、燃焼質量割合MFBが50%になるクランク角CA50に基づく点火時期制御(MBT制御)が気筒14’毎に実行される内燃機関10に対して本発明の内燃機関の異常検出装置が適用されているが、他の例では、燃焼質量割合MFBが50%以外の所定値になるクランク角に基づく点火時期制御が気筒毎に実行される内燃機関に対して本発明の内燃機関の異常検出装置を適用することもできる。
第1の実施形態の内燃機関の異常検出装置が適用された図1に示すエンジンシステムのような、クランク角期間(SA−CA10)に基づく燃料噴射量のフィードバック制御(SA−CA10制御)が実行され、クランク角CA50に基づく点火時期制御(MBT制御)が実行され、リーンバーン運転が実行されるエンジンシステムにおいては、燃料噴射量算出部40d(図2参照)により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きいとき(詳細には、燃料噴射量の変化率が例えば1.4より大きいとき)、あるいは、燃料噴射量算出部40d(図2参照)により算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きいとき(詳細には、燃料噴射量の変化率が例えば0.6より小さいとき)に、OBD異常が発生したと判断される。
詳細には、燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きくなるか、あるいは、燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きくなった気筒に異常が発生した、と判断される。具体的には、複数の気筒のうちの一部の気筒に異常が発生する場合と、複数の気筒のすべてに異常が発生する場合とがある。
ところが、従来のエンジンシステムにおいては、気筒に異常が発生したと判断することができたものの、その異常原因を識別することができなかった。具体的には、エンジンシステムを構成する複数の部品のうちのどの部品に異常が発生したかを識別することができなかった。
そこで、本発明者等は、異常が発生したエンジンシステムの原因を識別できるようにするため、詳細には、発生した異常に対する処置(例えば修理)を容易にするために、鋭意研究を行った。
具体的には、筒内圧センサ30によって筒内圧CPが検出され、筒内圧CPに基づいて発熱量HRが算出され、発熱量HRに基づいて燃焼質量割合MFBが算出され、点火時期SAから燃焼質量割合MFBが10%になるクランク角CA10までのクランク角期間(SA−CA10)に基づいて燃料噴射量が制御され、燃焼質量割合MFBが50%になるクランク角CA50に基づいて点火時期が制御される図1に示すエンジンシステムにおいて、異常が発生したときに、燃料噴射量と筒内圧CPと発熱量HRとを分析することにより、エンジンシステムの異常原因を識別できることが本発明者等の鋭意研究により見い出された。
つまり、本発明者等の鋭意研究により、エンジンシステムに異常が発生したときに、エンジンシステムを構成する複数の部品のうちのどの部品に異常が発生したかを識別できることが見い出された。
下記の表1および表2は、筒内圧センサ30の感度が低下していないときにおける本発明者等による研究結果を示している。
Figure 2017002831
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表1のIndexF=1に示すように、筒内圧センサ30の感度が低下していないときに気筒14’内における燃焼が悪化する異常が発生すると、燃料噴射量算出部40d(図2参照)により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きくなり、筒内圧センサ30により検出される筒内圧CP(IndexA)が変化せず、発熱量算出部40a(図2参照)により算出される発熱量HR(IndexB)が増加することが、本発明者等の鋭意研究により見い出された。
さらに、表1のIndexF=1に示すように、筒内圧センサ30の感度が低下していないときに誘導ノイズ(信号外部干渉)が原因でクランク角期間算出部40c(図2参照)により算出されるクランク角期間(SA−CA10)が増加する異常が発生すると、燃料噴射量算出部40dにより算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きくなり、筒内圧センサ30により検出される筒内圧CP(IndexA)が変化せず、発熱量算出部40aにより算出される発熱量HR(IndexB)が増加することが、本発明者等の鋭意研究により見い出された。
また、表2のIndexF=6に示すように、筒内圧センサ30の感度が低下していないときに誘導ノイズ(信号外部干渉)が原因でクランク角期間算出部40cにより算出されるクランク角期間(SA−CA10)が減少する異常が発生すると、燃料噴射量算出部40dにより算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きくなり、筒内圧センサ30により検出される筒内圧CP(IndexA)が変化せず、発熱量算出部40aにより算出される発熱量HR(IndexB)が減少することが、本発明者等の鋭意研究により見い出された。
詳細には、IndexF=1およびIndexF=6の現象は、異常が発生した気筒毎(IndexC)にあらわれることが、本発明者等の鋭意研究により見い出された。
燃焼悪化の例としては、例えば点火プラグ28の経時変化に伴う燃焼悪化、混合気形成不良に伴う燃焼悪化が考えられる。燃焼悪化が生じると、燃料噴射量が正常であっても、着火遅れが大きくなる。着火遅れが大きくなると、SA−CA10制御において燃料不足の判断がなされ、その結果、燃料噴射量算出部40dにより算出される燃料噴射量が正常値よりも大きくなる。
また、外部からの誘導ノイズ(信号外部干渉)が原因でクランク角期間算出部40cにより算出されるクランク角期間(SA−CA10)が増加する異常が発生すると、燃料が不足していると判断され、燃料噴射量算出部40dにより算出される燃料噴射量が正常値よりも大きくなる。
また、表1のIndexF=2に示すように、筒内圧センサ30の感度が低下していないときに燃料噴射弁(INJ)26から噴射される燃料流量が減少する異常が発生すると、燃料噴射量算出部40d(図2参照)により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きくなり、筒内圧センサ30により検出される筒内圧CP(IndexA)が変化せず、発熱量算出部40a(図2参照)により算出される発熱量HR(IndexB)の減少量がゼロ以上になることが、本発明者等の鋭意研究により見い出された。
さらに、表2のIndexF=7に示すように、筒内圧センサ30の感度が低下していないときに燃料噴射弁(INJ)26から噴射される燃料流量が増加する異常が発生すると、燃料噴射量算出部40dにより算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きくなり、筒内圧センサ30により検出される筒内圧CP(IndexA)が変化せず、発熱量算出部40aにより算出される発熱量HR(IndexB)の増加量がゼロ以上になることが、本発明者等の鋭意研究により見い出された。
詳細には、IndexF=2およびIndexF=7の現象は、異常が発生した気筒毎(IndexC)にあらわれることが、本発明者等の鋭意研究により見い出された。
表1および表2中の「振切時」は、燃料噴射量のフィードバック制御の継続が不可能な程度の燃料噴射量が燃料噴射量算出部40dによって算出された場合に相当する。さらに、表1中の「振切時減少」は、燃料噴射量のフィードバック制御の継続が不可能になり、発熱量HRの数値が不足状態になった場合に相当する。また、表2中の「振切時増加」は、燃料噴射量のフィードバック制御の継続が不可能になり、発熱量HRの数値が過剰状態になった場合に相当する。
さらに、表1のIndexF=3に示すように、筒内圧センサ30の感度が低下していないときに複数の気筒のうちの一つの気筒14’に供給される空気量が他の気筒に供給される空気量より増加する異常(空気分配悪化異常)が発生すると、その一つの気筒14’において、燃料噴射量算出部40d(図2参照)により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きくなり、筒内圧センサ30により検出される筒内圧CP(IndexA)が増加し、発熱量算出部40a(図2参照)により算出される発熱量HR(IndexB)が増加することが、本発明者等の鋭意研究により見い出された。
また、表2のIndexF=8に示すように、筒内圧センサ30の感度が低下していないときに複数の気筒のうちの一つの気筒14’に供給される空気量が他の気筒に供給される空気量より減少する異常(空気分配悪化異常)が発生すると、その一つの気筒14’において、燃料噴射量算出部40dにより算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きくなり、筒内圧センサ30により検出される筒内圧CP(IndexA)が減少し、発熱量算出部40aにより算出される発熱量HR(IndexB)が減少することが、本発明者等の鋭意研究により見い出された。
詳細には、IndexF=3およびIndexF=8の現象は、異常が発生していない気筒と比較したときに異常が発生した気筒にあらわれる(IndexC)ことが、本発明者等の鋭意研究により見い出された。
また、表1のIndexF=4に示すように、筒内圧センサ30の感度が低下していないときにエアフローメータ(AFM)44の空気流量の測定値が減少する異常(見かけ負荷率KLが減少する異常)が発生すると、複数の気筒のすべてにおいて、燃料噴射量算出部40d(図2参照)により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きくなり、筒内圧センサ30により検出される筒内圧CP(IndexA)が増加し、発熱量算出部40a(図2参照)により算出される発熱量HR(IndexB)が増加することが、本発明者等の鋭意研究により見い出された。
さらに、表2のIndexF=9に示すように、筒内圧センサ30の感度が低下していないときにエアフローメータ(AFM)44の空気流量の測定値が増加する異常(見かけ負荷率KLが増加する異常)が発生すると、複数の気筒のすべてにおいて、燃料噴射量算出部40dにより算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きくなり、筒内圧センサ30により検出される筒内圧CP(IndexA)が減少し、発熱量算出部40aにより算出される発熱量HR(IndexB)が減少することが、本発明者等の鋭意研究により見い出された。
詳細には、IndexF=4およびIndexF=9の現象は、全気筒(IndexC)にあらわれることが、本発明者等の鋭意研究により見い出された。
さらに、表1のIndexF=5に示すように、筒内圧センサ30の感度が低下していないときに合流燃料供給系統における燃料流量が減少する異常(例えば燃料ポンプ流量減少異常)が発生すると、複数の気筒のすべてにおいて、燃料噴射量算出部40d(図2参照)により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きくなり、筒内圧センサ30により検出される筒内圧CP(IndexA)が変化せず、発熱量算出部40a(図2参照)により算出される発熱量HR(IndexB)の減少量がゼロ以上になることが、本発明者等の鋭意研究により見い出された。
また、表2のIndexF=10に示すように、筒内圧センサ30の感度が低下していないときに合流燃料供給系統における燃料流量が増加する異常(例えば燃料ポンプ流量増加異常)が発生すると、複数の気筒のすべてにおいて、燃料噴射量算出部40dにより算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きくなり、筒内圧センサ30により検出される筒内圧CP(IndexA)が変化せず、発熱量算出部40aにより算出される発熱量HR(IndexB)の増加量がゼロ以上になることが、本発明者等の鋭意研究により見い出された。
詳細には、IndexF=5およびIndexF=10の現象は、全気筒(IndexC)にあらわれることが、本発明者等の鋭意研究により見い出された。
表1および表2に示す本発明者等による研究結果に鑑み、第1の実施形態の内燃機関の異常検出装置では、制御装置40によって、図3および図4に示すルーチンが実行される。図3および図4は第1の実施形態の内燃機関の異常検出装置において実行されるルーチンを示したフローチャートである。
第1の実施形態の内燃機関の異常検出装置では、図4に示すインデックス算出ルーチンが、複数の気筒のそれぞれにおいて、例えばATDC150CAのようなサイクル毎に実行される。まず、ステップS201において、実行条件が成立しているか否かが判定される。具体的には、異常原因識別を異常原因識別部40g(図2参照)により実行する条件が成立しているか否かが判定される。例えば、表1および表2に示す研究結果を得るための前提条件とされたクランク角期間(SA−CA10)に基づく燃料噴射量制御(SA−CA10制御)およびクランク角CA50に基づく点火時期制御(MBT制御)が実行されているときに、ステップS201においてYESと判定されてステップS202に進み、SA−CA10制御およびMBT制御が実行されていないときに、ステップS201においてNOと判定されて、このルーチンを終了する。
ステップS202では、異常発生気筒の有無が判定される。具体的には、燃料噴射量算出部40d(図2参照)により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きい(詳細には、燃料噴射量の変化率が例えば1.4より大きい)気筒が存在するとき、あるいは、燃料噴射量算出部40dにより算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きい(詳細には、燃料噴射量の変化率が例えば0.6より小さい)気筒が存在するときに、燃料系OBD異常が発生していると判断し、ステップS202においてYESと判定されてステップS203に進む。一方、異常発生気筒が存在しないときに、ステップS202においてNOと判定されて、このルーチンを終了する。
ステップS203では、このルーチンを実行中の気筒の筒内圧センサ30(図1参照)によって検出された筒内圧CP(詳細には、例えばBTDC40〜BTDC20の吸気行程筒内圧の平均値)と、発熱量算出部40a(図2参照)により算出された、その気筒の発熱量HRとが取り込まれる。
次いで、ステップS204では、ステップS203において取り込まれた筒内圧CPと、空気量基準(負荷率KL基準)の筒内圧増加用閾値A1とが比較される。また、ステップS205では、ステップS203において取り込まれた筒内圧CPと、空気量基準(負荷率KL基準)の筒内圧減少用閾値A2(<A1)とが比較される。
次いで、ステップS206では、筒内圧CPが増加したことを示す処理(IndexA←1)が実行される。また、ステップS207では、筒内圧CPが変化していないことを示す処理(IndexA←2)が実行される。さらに、ステップS208では、筒内圧CPが減少したことを示す処理(IndexA←3)が実行される。
次いで、ステップS209では、ステップS203において取り込まれた発熱量HRと、空気量基準(負荷率KL基準)の発熱量増加用閾値B1とが比較される。また、ステップS210では、ステップS203において取り込まれた発熱量HRと、空気量基準(負荷率KL基準)の発熱量減少用閾値B2(<B1)とが比較される。
次いで、ステップS211では、発熱量HRが増加したことを示す処理(IndexB←1)が実行される。また、ステップS212では、発熱量HRが変化していないことを示す処理(IndexB←2)が実行される。さらに、ステップS213では、発熱量HRが減少したことを示す処理(IndexB←3)が実行される。
次いで、ステップS214では、気筒数を示すインデックスIndexCがインクリメントされる。
つまり、図4に示すルーチンを複数の気筒のそれぞれに対して実行することにより、各気筒の筒内圧CPが、増加したか、変化していないか、あるいは、減少したかが把握され、各気筒の発熱量HRが、増加したか、変化していないか、あるいは、減少したかが把握される。
さらに、第1の実施形態の内燃機関の異常検出装置では、図3に示すルーチンが、例えば1番(♯1)気筒のTDC毎のような、サイクル毎に実行される。まず、ステップS101において、実行条件が成立しているか否かが判定される。具体的には、燃料系OBD異常が発生しているときに、ステップS101においてYESと判定されてステップS102に進み、燃料系OBD異常が発生していないときに、ステップS101においてNOと判定されてステップS107に進む。
ステップS102では、燃料噴射量算出部40d(図2参照)により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きい(詳細には、燃料噴射量の変化率が例えば1.4より大きい)か、あるいは、燃料噴射量算出部40dにより算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きい(詳細には、燃料噴射量の変化率が例えば0.6より小さい)かが判定される。燃料噴射量算出部40dにより算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きいときにはステップS103に進み、燃料噴射量算出部40dにより算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きいときにはステップS104に進む。
ステップS103では、ステップS206、S207、S208の実行により得られるインデックスIndexA(吸入空気量を代表する筒内圧CP)と、ステップS211、S212、S213の実行により得られるインデックスIndexB(燃料量を代表する発熱量HR)と、ステップS214の実行により得られるインデックスIndexC(気筒毎または全気筒)と、表1とに基づき、異常原因識別部40g(図2参照)によって異常原因が識別される。次いで、ステップS105では、インデックスIndexFに異常原因NO(1〜5)(表1参照)が入力される。
また、ステップS104では、ステップS206、S207、S208の実行により得られるインデックスIndexA(空気量を代表する筒内圧CP)と、ステップS211、S212、S213の実行により得られるインデックスIndexB(燃料量を代表する発熱量HR)と、ステップS214の実行により得られるインデックスIndexC(気筒毎または全気筒)と、表2とに基づき、異常原因識別部40g(図2参照)によって異常原因が識別される。次いで、ステップS106では、インデックスIndexFに異常原因NO(6〜10)(表2参照)が入力される。
次いで、ステップS107では、インデックスIndexA、B、Cがクリアされる。
詳細には、第1の実施形態の内燃機関の異常検出装置では、異常原因識別部40g(図2参照)が、燃料噴射量算出部40d(図2参照)により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きい(表1参照)ときであって、筒内圧センサ30により検出される筒内圧CPが変化しない(IndexA←2)ときであって、発熱量算出部40a(図2参照)により算出される発熱量HRが増加した(IndexB←1)ときに、気筒内における燃焼が悪化する異常、および、誘導ノイズが原因でクランク角期間算出部40c(図2参照)により算出されるクランク角期間(SA−CA10)が増加する異常の少なくとも一つが発生した可能性がある(IndexF=1)と判断する。
また、異常原因識別部40gが、燃料噴射量算出部40dにより算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きい(表2参照)ときであって、筒内圧センサ30により検出される筒内圧CPが変化しない(IndexA←2)ときであって、発熱量算出部40aにより算出される発熱量HRが減少した(IndexB←3)ときに、誘導ノイズが原因でクランク角期間算出部40cにより算出されるクランク角期間(SA−CA10)が減少する異常が発生した可能性がある(IndexF=6)と判断する。
そのため、第1の実施形態の内燃機関の異常検出装置では、気筒内における燃焼が悪化する異常、および、誘導ノイズが原因でクランク角期間算出部40cにより算出されるクランク角期間(SA−CA10)が増減する異常(IndexF=1またはIndexF=6)を他の異常から識別することができる。詳細には、複数の気筒が設けられている図1に示す例では、複数の気筒のうちのどの気筒にそれらの異常(IndexF=1またはIndexF=6)が発生したかを識別することができる。
さらに、第1の実施形態の内燃機関の異常検出装置では、異常原因識別部40g(図2参照)が、燃料噴射量算出部40d(図2参照)により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きい(表1参照)ときであって、筒内圧センサ30により検出される筒内圧CPが変化しない(IndexA←2)ときであって、発熱量算出部40a(図2参照)により算出される発熱量HRの減少量がゼロ以上(IndexB←2またはIndexB←3)のときに、燃料噴射弁26から噴射される燃料流量が減少する異常(IndexF=2)が発生したと判断する。
また、異常原因識別部40gが、燃料噴射量算出部40dにより算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きい(表2参照)ときであって、筒内圧センサ30により検出される筒内圧CPが変化しない(IndexA←2)ときであって、発熱量算出部40aにより算出される発熱量HRの増加量がゼロ以上(IndexB←1またはIndexB←2)のときに、燃料噴射弁26から噴射される燃料流量が増加する異常(IndexF=7)が発生したと判断する。
そのため、第1の実施形態の内燃機関の異常検出装置では、燃料噴射弁26から噴射される燃料流量が増減する異常(IndexF=2またはIndexF=7)を他の異常から識別することができる。詳細には、複数の気筒が設けられている図1に示す例では、複数の気筒のうちのどの気筒にその異常(IndexF=2またはIndexF=7)が発生したかを識別することができる。
さらに、第1の実施形態の内燃機関の異常検出装置では、異常原因識別部40g(図2参照)が、複数の気筒のうちの一つの気筒について、燃料噴射量算出部40d(図2参照)により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きい(表1参照)ときであって、筒内圧センサ30により検出される筒内圧CPが増加した(IndexA←1)ときであって、発熱量算出部40a(図2参照)により算出される発熱量HRが増加した(IndexB←1)ときに、その一つの気筒に供給される空気量が他の気筒に供給される空気量より増加する異常(IndexF=3)が発生したと判断する。
また、異常原因識別部40gが、複数の気筒のうちの一つの気筒について、燃料噴射量算出部40dにより算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きい(表2参照)ときであって、筒内圧センサ30により検出される筒内圧CPが減少した(IndexA←3)ときであって、発熱量算出部40aにより算出される発熱量HRが減少した(IndexB←3)ときに、その一つの気筒に供給される空気量が他の気筒に供給される空気量より減少する異常(IndexF=8)が発生したと判断する。
そのため、第1の実施形態の内燃機関の異常検出装置では、複数の気筒のうちの一つの気筒に供給される空気量が他の気筒に供給される空気量と比較して増減する異常(IndexF=3またはIndexF=8)を他の異常から識別することができる。詳細には、複数の気筒が設けられている図1に示す例では、複数の気筒のうちのどの気筒にその異常(IndexF=3またはIndexF=8)が発生したかを識別することができる。
第1の実施形態の内燃機関の異常検出装置が適用された図1に示すエンジンシステムでは、複数の気筒のそれぞれから延びている分岐吸気通路が設けられており、それらの分岐吸気通路が吸気通路16の一部を構成している。さらに、複数の分岐吸気通路を合流させることにより形成された合流吸気通路が、吸気通路16の一部を構成している。また、エアフローメータ44が合流吸気通路に配置されている。
さらに、第1の実施形態の内燃機関の異常検出装置では、異常原因識別部40g(図2参照)が、複数の気筒のすべてについて、燃料噴射量算出部40d(図2参照)により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きい(表1参照)ときであって、筒内圧センサ30により検出される筒内圧CPが増加した(IndexA←1)ときであって、発熱量算出部40a(図2参照)により算出される発熱量HRが増加した(IndexB←1)ときに、エアフローメータ44の空気流量の測定値が減少する異常(IndexF=4)が発生したと判断する。
また、異常原因識別部40gが、複数の気筒のすべてについて、燃料噴射量算出部40dにより算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きい(表2参照)ときであって、筒内圧センサ30により検出される筒内圧CPが減少した(IndexA←3)ときであって、発熱量算出部40aにより算出される発熱量HRが減少した(IndexB←3)ときに、エアフローメータ44の空気流量の測定値が増加する異常(IndexF=9)が発生したと判断する。
そのため、第1の実施形態の内燃機関の異常検出装置では、エアフローメータ44の空気流量の測定値が増減する異常(IndexF=4またはIndexF=9)を他の異常から識別することができる。
第1の実施形態の内燃機関の異常検出装置が適用された図1に示すエンジンシステムでは、複数の気筒のそれぞれに対応する燃料噴射弁26が設けられており、複数の燃料噴射弁26のそれぞれから分岐燃料供給系統(図示せず)が延びている。また、複数の分岐燃料供給系統を合流させることにより合流燃料供給系統(図示せず)が形成されており、例えば燃料ポンプ(図示せず)が合流燃料供給系統の一部を構成している。
さらに、第1の実施形態の内燃機関の異常検出装置では、異常原因識別部40g(図2参照)が、複数の気筒のすべてについて、燃料噴射量算出部40d(図2参照)により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きい(表1参照)ときであって、筒内圧センサ30により検出される筒内圧CPが変化しない(IndexA←2)ときであって、発熱量算出部40a(図2参照)により算出される発熱量HRの減少量がゼロ以上(IndexB←2またはIndexB←3)のときに、合流燃料供給系統における燃料流量が減少する異常(例えば燃料ポンプの燃料流量が減少する異常)(IndexF=5)が発生したと判断する。
また、異常原因識別部40gが、複数の気筒のすべてについて、燃料噴射量算出部40dにより算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きい(表2参照)ときであって、筒内圧センサ30により検出される筒内圧CPが変化しない(IndexA←2)ときであって、発熱量算出部40aにより算出される発熱量HRの増加量がゼロ以上(IndexB←1またはIndexB←2)のときに、合流燃料供給系統における燃料流量が増加する異常(例えば燃料ポンプの燃料流量が増加する異常)(IndexF=10)が発生したと判断する。
そのため、第1の実施形態の内燃機関の異常検出装置では、合流燃料供給系統における燃料流量が増減する異常(IndexF=5またはIndexF=10)を他の異常から識別することができる。
換言すれば、第1の実施形態の内燃機関の異常検出装置では、異常原因識別部40g(図2参照)が、燃料噴射量算出部40d(図2参照)により算出される燃料噴射量と、筒内圧センサ30により検出される筒内圧CPと、発熱量算出部40a(図2参照)により算出される発熱量HRとに基づいて異常の原因を識別する。
そのため、第1の実施形態の内燃機関の異常検出装置では、従来においては識別することができなかった内燃機関の異常原因を識別することができる。
上述した第1の実施形態の内燃機関の異常検出装置は、例えば筒内圧センサ30の感度低下影響が問題とならない場合や、筒内圧センサ30の感度低下影響を補う他の補正手法が採用されている場合に、例えば図1に示すようなエンジンシステムに適用することができる。
一方、例えば経時変化などによって筒内圧センサ30の感度が低下し、表1および表2に示す各現象(各異常原因)をインデックスIndexF=1〜IndexF=10によって明確に識別できない場合には、後述する第2の実施形態の内燃機関の異常検出装置が適用される。
以下、本発明の内燃機関の異常検出装置の第2の実施形態について説明する。
本発明者等は、例えば経時変化などによって筒内圧センサ30の感度が低下した後においても、異常が発生したエンジンシステムの原因を識別できるようにするため、詳細には、発生した異常に対する処置(例えば修理)を容易にするために、鋭意研究を行った。
本発明者等の鋭意研究により、筒内圧センサ30の感度が低下していないときと、経時変化などに伴い筒内圧センサ30の感度が低下したときとで、発熱量HRと筒内圧CPとの比(HR/CP)が変化しないことが見い出された。
さらに、発熱量HRと筒内圧CPとの比(HR/CP)に基づく場合には、経時変化などに伴い筒内圧センサ30の感度が低下したときにおいても、内燃機関の異常原因を識別できることが本発明者等の鋭意研究により見い出された。
具体的には、筒内圧センサ30によって筒内圧CPが検出され、筒内圧CPに基づいて発熱量HRが算出され、発熱量HRに基づいて燃焼質量割合MFBが算出され、点火時期SAから燃焼質量割合MFBが10%になるクランク角CA10までのクランク角期間(SA−CA10)に基づいて燃料噴射量が制御され、燃焼質量割合MFBが50%になるクランク角CA50に基づいて点火時期が制御される図1に示すエンジンシステムにおいて、異常が発生したときに、燃料噴射量と、筒内圧CPと、発熱量HRと、筒内圧CPと発熱量HRとの比(HR/CP)とを分析することにより、エンジンシステムの異常原因をある程度まで識別できることが本発明者等の鋭意研究により見い出された。
つまり、本発明者等の鋭意研究により、例えば経時変化などによって筒内圧センサ30の感度が低下した後においても、エンジンシステムに異常が発生したときに、エンジンシステムを構成する複数の部品のうちのどの部品に異常が発生したかをある程度まで識別できることが見い出された。
下記の表3および表4は、筒内圧センサ30の感度が低下する前および筒内圧センサ30の感度が低下した後における本発明者等による研究結果を示している。
Figure 2017002831
Figure 2017002831
表3のIndexF=1に示すように、筒内圧センサ30の感度が低下していないときに気筒14’内における燃焼が悪化する異常が発生すると、燃料噴射量算出部40d(図2参照)により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きくなり、筒内圧センサ30により検出される筒内圧CPが変化せず、発熱量算出部40a(図2参照)により算出される発熱量HRが筒内圧CPの変化と比較して増加し(つまり、筒内圧CPが変化しないときに発熱量HRが増加する)、発熱量HRと筒内圧CPとの比(HR/CP)が増加することが、本発明者等の鋭意研究により見い出された。
さらに、表3のIndexF=1に示すように、筒内圧センサ30の感度が低下したときに気筒14’内における燃焼が悪化する異常が発生すると、燃料噴射量算出部40dにより算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きくなり、筒内圧センサ30により検出される筒内圧CPが減少し、発熱量算出部40aにより算出される発熱量HRが筒内圧CPの変化と比較して増加し(つまり、筒内圧CPが減少するときに発熱量HRが変化しない、あるいは、筒内圧CPが減少するときに発熱量HRが増加する)、発熱量HRと筒内圧CPとの比(HR/CP)が増加することが、本発明者等の鋭意研究により見い出された。
また、表3のIndexF=1に示すように、筒内圧センサ30の感度が低下していないときに誘導ノイズが原因でクランク角期間算出部40c(図2参照)により算出されるクランク角期間(SA−CA10)が増加する異常が発生すると、燃料噴射量算出部40d(図2参照)により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きくなり、筒内圧センサ30により検出される筒内圧CPが変化せず、発熱量算出部40a(図2参照)により算出される発熱量HRが筒内圧CPの変化と比較して増加し(つまり、筒内圧CPが変化しないときに発熱量HRが増加する)、発熱量HRと筒内圧CPとの比(HR/CP)が増加することが、本発明者等の鋭意研究により見い出された。
さらに、表3のIndexF=1に示すように、筒内圧センサ30の感度が低下したときに誘導ノイズが原因でクランク角期間算出部40cにより算出されるクランク角期間(SA−CA10)が増加する異常が発生すると、燃料噴射量算出部40dにより算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きくなり、筒内圧センサ30により検出される筒内圧CPが減少し、発熱量算出部40aにより算出される発熱量HRが筒内圧CPの変化と比較して増加し(つまり、筒内圧CPが減少するときに発熱量HRが変化しない、あるいは、筒内圧CPが減少するときに発熱量HRが増加する)、発熱量HRと筒内圧CPとの比(HR/CP)が増加することが、本発明者等の鋭意研究により見い出された。
また、表4のIndexF=6に示すように、筒内圧センサ30の感度が低下していないときに誘導ノイズが原因でクランク角期間算出部40c(図2参照)により算出されるクランク角期間(SA−CA10)が減少する異常が発生すると、燃料噴射量算出部40d(図2参照)により算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きくなり、筒内圧センサ30により検出される筒内圧CPが変化せず、発熱量算出部40a(図2参照)により算出される発熱量HRが筒内圧CPの変化と比較して減少し(つまり、筒内圧CPが変化しないときに発熱量HRが減少する)、発熱量HRと筒内圧CPとの比(HR/CP)が減少することが、本発明者等の鋭意研究により見い出された。
さらに、表4のIndexF=6に示すように、筒内圧センサ30の感度が低下したときに誘導ノイズが原因でクランク角期間算出部40cにより算出されるクランク角期間(SA−CA10)が減少する異常が発生すると、燃料噴射量算出部40dにより算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きくなり、筒内圧センサ30により検出される筒内圧CPが減少し、発熱量算出部40aにより算出される発熱量HRが筒内圧CPの変化と比較して減少し(つまり、筒内圧CPが減少するときに発熱量HRも減少し、発熱量HRの減少度合いが筒内圧CPの減少度合いよりも大きい)、発熱量HRと筒内圧CPとの比(HR/CP)が減少することが、本発明者等の鋭意研究により見い出された。
また、表3のIndexF=2に示すように、筒内圧センサ30の感度が低下していないときに燃料噴射弁26から噴射される燃料流量が減少する異常が発生すると、燃料噴射量算出部40d(図2参照)により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きくなり、筒内圧センサ30により検出される筒内圧CPが変化せず、発熱量算出部40a(図2参照)により算出される発熱量HRの減少量がゼロ以上になり、かつ、発熱量算出部40aにより算出される発熱量HRが筒内圧CPの変化と比較して減少し(つまり、例えば、筒内圧CPが変化しないときに発熱量HRも変化しない)、発熱量HRと筒内圧CPとの比(HR/CP)の減少量がゼロ以上になることが、本発明者等の鋭意研究により見い出された。
さらに、表3のIndexF=2に示すように、筒内圧センサ30の感度が低下したときに燃料噴射弁26から噴射される燃料流量が減少する異常が発生すると、燃料噴射量算出部40dにより算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きくなり、筒内圧センサ30により検出される筒内圧CPが減少し、発熱量算出部40aにより算出される発熱量HRの減少量がゼロ以上になり、かつ、発熱量算出部40aにより算出される発熱量HRが筒内圧CPの変化と比較して減少し(つまり、筒内圧CPが減少するときに発熱量HRも減少し、発熱量HRの減少度合いが筒内圧CPの減少度合いよりも大きい)、発熱量HRと筒内圧CPとの比(HR/CP)の減少量がゼロ以上になることが、本発明者等の鋭意研究により見い出された。
また、表4のIndexF=7に示すように、筒内圧センサ30の感度が低下していないときに燃料噴射弁26から噴射される燃料流量が増加する異常が発生すると、燃料噴射量算出部40d(図2参照)により算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きくなり、筒内圧センサ30により検出される筒内圧CPが変化せず、発熱量算出部40a(図2参照)により算出される発熱量HRの減少量がゼロ以上になり、かつ、発熱量算出部40aにより算出される発熱量HRが筒内圧CPの変化と比較して増加し(つまり、例えば、筒内圧CPが変化しないときに発熱量HRも変化しない)、発熱量HRと筒内圧CPとの比(HR/CP)の増加量がゼロ以上になることが、本発明者等の鋭意研究により見い出された。
さらに、表4のIndexF=7に示すように、筒内圧センサ30の感度が低下したときに燃料噴射弁26から噴射される燃料流量が増加する異常が発生すると、燃料噴射量算出部40dにより算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きくなり、筒内圧センサ30により検出される筒内圧CPが減少し、発熱量算出部40aにより算出される発熱量HRの減少量がゼロ以上になり、かつ、発熱量算出部40aにより算出される発熱量HRが筒内圧CPの変化と比較して増加し(つまり、筒内圧CPが減少するときに発熱量HRが変化しない、あるいは、筒内圧CPが減少するときに発熱量HRも減少しかつ発熱量HRの減少度合いが筒内圧CPの減少度合いよりも小さい)、発熱量HRと筒内圧CPとの比(HR/CP)の増加量がゼロ以上になることが、本発明者等の鋭意研究により見い出された。
また、表3のIndexF=5に示すように、筒内圧センサ30の感度が低下していないときに合流燃料供給系統における燃料流量が減少する異常(例えば燃料ポンプ流量減少異常)が発生すると、複数の気筒のすべてにおいて、燃料噴射量算出部40d(図2参照)により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きくなり、筒内圧センサ30により検出される筒内圧CPが変化せず、発熱量算出部40a(図2参照)により算出される発熱量HRの減少量がゼロ以上になり、かつ、発熱量算出部40aにより算出される発熱量HRが筒内圧CPの変化と比較して減少し(つまり、例えば、筒内圧CPが変化しないときに発熱量HRも変化しない)、発熱量HRと筒内圧CPとの比(HR/CP)の減少量がゼロ以上になることが、本発明者等の鋭意研究により見い出された。
さらに、表3のIndexF=5に示すように、筒内圧センサ30の感度が低下したときに合流燃料供給系統における燃料流量が減少する異常(例えば燃料ポンプ流量減少異常)が発生すると、複数の気筒のすべてにおいて、燃料噴射量算出部40dにより算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きくなり、筒内圧センサ30により検出される筒内圧CPが減少し、発熱量算出部40aにより算出される発熱量HRの減少量がゼロ以上になり、かつ、発熱量算出部40aにより算出される発熱量HRが筒内圧CPの変化と比較して減少し(つまり、筒内圧CPが減少するときに発熱量HRも減少し、発熱量HRの減少度合いが筒内圧CPの減少度合いよりも大きい)、発熱量HRと筒内圧CPとの比(HR/CP)の減少量がゼロ以上になることが、本発明者等の鋭意研究により見い出された。
また、表4のIndexF=10に示すように、筒内圧センサ30の感度が低下していないときに合流燃料供給系統における燃料流量が増加する異常(例えば燃料ポンプ流量増加異常)が発生すると、複数の気筒のすべてにおいて、燃料噴射量算出部40d(図2参照)により算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きくなり、筒内圧センサ30により検出される筒内圧CPが変化せず、発熱量算出部40a(図2参照)により算出される発熱量HRの減少量がゼロ以上になり、かつ、発熱量算出部40aにより算出される発熱量HRが筒内圧CPの変化と比較して増加し(つまり、例えば、筒内圧CPが変化しないときに発熱量HRも変化しない)、発熱量HRと筒内圧CPとの比(HR/CP)の増加量がゼロ以上になることが、本発明者等の鋭意研究により見い出された。
さらに、表4のIndexF=10に示すように、筒内圧センサ30の感度が低下したときに合流燃料供給系統における燃料流量が増加する異常(例えば燃料ポンプ流量増加異常)が発生すると、複数の気筒のすべてにおいて、燃料噴射量算出部40dにより算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きくなり、筒内圧センサ30により検出される筒内圧CPが減少し、発熱量算出部40aにより算出される発熱量HRの減少量がゼロ以上になり、かつ、発熱量算出部40aにより算出される発熱量HRが筒内圧CPの変化と比較して増加し(つまり、例えば筒内圧CPが減少するときに発熱量HRが変化しない、あるいは、筒内圧CPが減少するときに発熱量HRも減少しかつ発熱量HRの減少度合いが筒内圧CPの減少度合いよりも小さい)、発熱量HRと筒内圧CPとの比(HR/CP)の増加量がゼロ以上になることが、本発明者等の鋭意研究により見い出された。
表3および表4に示す本発明者等による研究結果に鑑み、第2の実施形態の内燃機関の異常検出装置では、制御装置40によって、図5に示すルーチンが実行される。図5は第2の実施形態の内燃機関の異常検出装置において実行されるルーチンを示したフローチャートである。
第2の実施形態の内燃機関の異常検出装置では、図5に示すインデックス算出ルーチンが、複数の気筒のそれぞれにおいて、例えばATDC150CAのようなサイクル毎に実行される。まず、ステップS201において、実行条件が成立しているか否かが判定される。具体的には、異常原因識別を異常原因識別部40g(図2参照)により実行する条件が成立しているか否かが判定される。例えば、表3および表4に示す研究結果を得るための前提条件とされたクランク角期間(SA−CA10)に基づく燃料噴射量制御(SA−CA10制御)およびクランク角CA50に基づく点火時期制御(MBT制御)が実行されているときに、ステップS201においてYESと判定されてステップS202に進み、SA−CA10制御およびMBT制御が実行されていないときに、ステップS201においてNOと判定されて、このルーチンを終了する。
ステップS202では、異常発生気筒の有無が判定される。具体的には、燃料噴射量算出部40d(図2参照)により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きい(詳細には、燃料噴射量の変化率が例えば1.4より大きい)気筒が存在するとき、あるいは、燃料噴射量算出部40dにより算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きい(詳細には、燃料噴射量の変化率が例えば0.6より小さい)気筒が存在するときに、燃料系OBD異常が発生していると判断し、ステップS202においてYESと判定されてステップS203に進む。一方、異常発生気筒が存在しないときに、ステップS202においてNOと判定されて、このルーチンを終了する。
ステップS203では、このルーチンを実行中の気筒の筒内圧センサ30(図1参照)によって検出された筒内圧CP(詳細には、例えばBTDC40〜BTDC20の吸気行程筒内圧の平均値)と、発熱量算出部40a(図2参照)により算出された、その気筒の発熱量HRとが取り込まれる。
次いで、ステップS204では、ステップS203において取り込まれた筒内圧CPと、空気量基準(負荷率KL基準)の筒内圧増加用閾値A1とが比較される。また、ステップS205では、ステップS203において取り込まれた筒内圧CPと、空気量基準(負荷率KL基準)の筒内圧減少用閾値A2(<A1)とが比較される。
次いで、ステップS206では、筒内圧CPが増加したことを示す処理(IndexA←1)が実行される。また、ステップS207では、筒内圧CPが変化していないことを示す処理(IndexA←2)が実行される。さらに、ステップS208では、筒内圧CPが減少したことを示す処理(IndexA←3)が実行される。
次いで、ステップS209では、ステップS203において取り込まれた発熱量HRと、空気量基準(負荷率KL基準)の発熱量増加用閾値B1とが比較される。また、ステップS210では、ステップS203において取り込まれた発熱量HRと、空気量基準(負荷率KL基準)の発熱量減少用閾値B2(<B1)とが比較される。
次いで、ステップS211では、発熱量HRが増加したことを示す処理(IndexB←1)が実行される。また、ステップS212では、発熱量HRが変化していないことを示す処理(IndexB←2)が実行される。さらに、ステップS213では、発熱量HRが減少したことを示す処理(IndexB←3)が実行される。
次いで、ステップS214では、気筒数を示すインデックスIndexCがインクリメントされる。
次いで、ステップS301では、このルーチンを実行中の気筒の発熱量HRと筒内圧CPとの比(HR/CP)が算出され、値FDとされる(FD←HR/CP)。
次いで、ステップS302では、ステップS301において算出された発熱量HRと筒内圧CPとの比(HR/CP)を示す値FDと、比増加用閾値D1とが比較される。また、ステップS303では、ステップS301において算出された発熱量HRと筒内圧CPとの比(HR/CP)を示す値FDと、比減少用閾値D2(<D1)とが比較される。
次いで、ステップS304では、発熱量HRと筒内圧CPとの比(HR/CP)を示す値FDが増加したことを示す処理(IndexD←1)が実行される。また、ステップS305では、発熱量HRと筒内圧CPとの比(HR/CP)を示す値FDが変化していないことを示す処理(IndexD←2)が実行される。さらに、ステップS306では、発熱量HRと筒内圧CPとの比(HR/CP)を示す値FDが減少したことを示す処理(IndexD←3)が実行される。
つまり、図5に示すルーチンを複数の気筒のそれぞれに対して実行することにより、各気筒の筒内圧CPが、増加したか、変化していないか、あるいは、減少したかが把握され、各気筒の発熱量HRが、増加したか、変化していないか、あるいは、減少したかが把握され、各気筒の発熱量HRと筒内圧CPとの比(HR/CP)が、増加したか、変化していないか、あるいは、減少したかが把握される。
さらに、第2の実施形態の内燃機関の異常検出装置では、図3に示すルーチンに相当するルーチン(図示せず)が、例えば1番(♯1)気筒のTDC毎のような、サイクル毎に実行される。まず、ステップS101(図3参照)に相当するステップにおいて、実行条件が成立しているか否かが判定される。具体的には、燃料系OBD異常が発生しているときに、ステップS101に相当するステップにおいてYESと判定されてステップS102(図3参照)に相当するステップに進み、燃料系OBD異常が発生していないときに、ステップS101に相当するステップにおいてNOと判定されてステップS107(図3参照)に相当するステップに進む。
ステップS102に相当するステップでは、燃料噴射量算出部40d(図2参照)により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きい(詳細には、燃料噴射量の変化率が例えば1.4より大きい)か、あるいは、燃料噴射量算出部40dにより算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きい(詳細には、燃料噴射量の変化率が例えば0.6より小さい)かが判定される。燃料噴射量算出部40dにより算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きいときにはステップS103(図3参照)に相当するステップに進み、燃料噴射量算出部40dにより算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きいときにはステップS104(図3参照)に相当するステップに進む。
ステップS103(図3参照)に相当するステップでは、ステップS206、S207、S208(図5参照)の実行により得られるインデックスIndexA(吸入空気量を代表する筒内圧CP)と、ステップS211、S212、S213(図5参照)の実行により得られるインデックスIndexB(燃料量を代表する発熱量HR)と、ステップS214(図5参照)の実行により得られるインデックスIndexC(気筒毎または全気筒)と、ステップS304、S305、S306(図5参照)の実行により得られるインデックスIndexD(発熱量HRと筒内圧CPとの比(HR/CP))と、表3とに基づき、異常原因識別部40g(図2参照)によって異常原因が識別される。次いで、ステップS105(図3参照)に相当するステップでは、インデックスIndexFに異常原因NO(1〜5)(表3参照)が入力される。
また、ステップS104(図3参照)に相当するステップでは、ステップS206、S207、S208(図5参照)の実行により得られるインデックスIndexA(空気量を代表する筒内圧CP)と、ステップS211、S212、S213(図5参照)の実行により得られるインデックスIndexB(燃料量を代表する発熱量HR)と、ステップS214(図5参照)の実行により得られるインデックスIndexC(気筒毎または全気筒)と、ステップS304、S305、S306(図5参照)の実行により得られるインデックスIndexD(発熱量HRと筒内圧CPとの比(HR/CP))と、表4とに基づき、異常原因識別部40g(図2参照)によって異常原因が識別される。次いで、ステップS106(図3参照)に相当するステップでは、インデックスIndexFに異常原因NO(6〜10)(表4参照)が入力される。
次いで、ステップS107(図3参照)に相当するステップでは、インデックスIndexA、B、C、Dがクリアされる。
詳細には、第2の実施形態の内燃機関の異常検出装置では、異常原因識別部40g(図2参照)が、燃料噴射量算出部40d(図2参照)により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きい(表3参照)ときであって、筒内圧センサ30により検出される筒内圧CPの減少量がゼロ以上(IndexA←2、または、IndexA←3)のときであって、発熱量算出部40a(図2参照)により算出される発熱量HRが筒内圧CPの変化と比較して増加した(IndexA←2かつIndexB←1、または、IndexA←3かつIndexB←2)ときであって、発熱量HRと筒内圧CPとの比(HR/CP)が増加した(IndexD←1)ときに、気筒内における燃焼が悪化する異常、および、誘導ノイズが原因でクランク角期間算出部40c(図2参照)により算出されるクランク角期間(SA−CA10)が増加する異常の少なくとも一つが発生した可能性がある(IndexF=1)と判断する。
また、異常原因識別部40gが、燃料噴射量算出部40dにより算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きい(表4参照)ときであって、筒内圧センサ30により検出される筒内圧CPの減少量がゼロ以上(IndexA←2)のときであって、発熱量算出部40aにより算出される発熱量HRが筒内圧CPの変化と比較して減少した(IndexA←2かつIndexB←3)ときであって、発熱量HRと筒内圧CPとの比(HR/CP)が減少した(IndexD←3)ときに、誘導ノイズが原因でクランク角期間算出部40cにより算出されるクランク角期間(SA−CA10)が減少する異常が発生した可能性がある(IndexF=6)と判断する。
そのため、第2の実施形態の内燃機関の異常検出装置では、経時変化などに伴い筒内圧センサ30の感度が低下したときにおいても、気筒14’内における燃焼が悪化する異常、および、誘導ノイズが原因でクランク角期間算出部40cにより算出されるクランク角期間(SA−CA10)が増減する異常(IndexF=1またはIndexF=6)を他の異常から識別することができる。詳細には、複数の気筒が設けられている図1に示す例では、複数の気筒のうちのどの気筒にそれらの異常(IndexF=1またはIndexF=6)が発生したかを識別することができる。
さらに、第2の実施形態の内燃機関の異常検出装置では、異常原因識別部40g(図2参照)が、燃料噴射量算出部40d(図2参照)により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きい(表3参照)ときであって、筒内圧センサ30により検出される筒内圧CPの減少量がゼロ以上(IndexA←2)のときであって、発熱量算出部40a(図2参照)により算出される発熱量HRの減少量がゼロ以上でありかつ発熱量算出部40aにより算出される発熱量HRが筒内圧CPの変化と比較して減少した(IndexA←2かつIndexB←3)ときであって、発熱量HRと筒内圧CPとの比(HR/CP)の減少量がゼロ以上(IndexD←2またはIndexD←3)のときに、燃料噴射弁26から噴射される燃料流量が減少する異常が発生した(IndexF=2)と判断する。
また、異常原因識別部40gが、燃料噴射量算出部40dにより算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きい(表4参照)ときであって、筒内圧センサ30により検出される筒内圧CPの減少量がゼロ以上(IndexA←3)のときであって、発熱量算出部40aにより算出される発熱量HRの減少量がゼロ以上でありかつ発熱量算出部40aにより算出される発熱量HRが筒内圧CPの変化と比較して増加した(IndexA←3かつIndexB←2)ときであって、発熱量HRと筒内圧CPとの比(HR/CP)の増加量がゼロ以上(IndexD←1またはIndexD←2)のときに、燃料噴射弁26から噴射される燃料流量が増加する異常が発生した(IndexF=7)と判断する。
そのため、第2の実施形態の内燃機関の異常検出装置では、経時変化などに伴い筒内圧センサ30の感度が低下したときにおいても、燃料噴射弁26から噴射される燃料流量が増減する異常(IndexF=2またはIndexF=7)を他の異常から識別することができる。詳細には、複数の気筒が設けられている図1に示す例には、複数の気筒のうちのどの気筒にその異常(IndexF=2またはIndexF=7)が発生したかを識別することができる。
さらに、第2の実施形態の内燃機関の異常検出装置では、異常原因識別部40g(図2参照)が、複数の気筒のすべてについて、燃料噴射量算出部40d(図2参照)により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きい(表3参照)ときであって、筒内圧センサ30により検出される筒内圧CPの減少量がゼロ以上(IndexA←2)のときであって、発熱量算出部40a(図2参照)により算出される発熱量HRの減少量がゼロ以上でありかつ発熱量算出部40aにより算出される発熱量HRが筒内圧CPの変化と比較して減少した(IndexA←2かつIndexB←3)ときであって、発熱量HRと筒内圧CPとの比(HR/CP)の減少量がゼロ以上(IndexD←2またはIndexD←3)のときに、合流燃料供給系統における燃料流量が減少する異常が発生したと判断する。
また、異常原因識別部40gが、複数の気筒のすべてについて、燃料噴射量算出部40dにより算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きい(表4参照)ときであって、筒内圧センサ30により検出される筒内圧CPの減少量がゼロ以上(IndexA←3)のときであって、発熱量算出部40aにより算出される発熱量HRの減少量がゼロ以上でありかつ発熱量算出部40aにより算出される発熱量HRが筒内圧CPの変化と比較して増加した(IndexA←3かつIndexB←2)ときであって、発熱量HRと筒内圧CPとの比(HR/CP)の増加量がゼロ以上(IndexD←1またはIndexD←2)のときに、合流燃料供給系統における燃料流量が増加する異常が発生したと判断する。
そのため、第2の実施形態の内燃機関の異常検出装置では、経時変化などに伴い筒内圧センサ30の感度が低下したときにおいても、合流燃料供給系統における燃料流量が増減する異常(IndexF=5またはIndexF=10)を他の異常から識別することができる。
図4に示す例では、筒内圧CPに関して2つの閾値A1、A2が設定され、発熱量HRに関して2つの閾値B1、B2が設定されているが、他の例では、発熱量HRが筒内圧CPの変化と比較して増加する現象、および発熱量HRが筒内圧CPの変化と比較して減少する現象を詳細に分析するために、筒内圧CPに関して3つ以上の閾値を設定したり、発熱量HRに関して3つの閾値を設定したりすることもできる。
第3の実施形態では、上述した第1および第2の実施形態ならびに各例を適宜組み合わせることもできる。
10 内燃機関
12 ピストン
14 燃焼室
14’ 気筒
16 吸気通路
18 排気通路
20 吸気弁
22 排気弁
24 スロットルバルブ
26 燃料噴射弁
28 点火プラグ
30 筒内圧センサ
40 制御装置
40a 発熱量算出部
40b 燃焼質量割合算出部
40c クランク角期間算出部
40d 燃料噴射量算出部
40e クランク角算出部
40f 点火時期算出部
40g 異常原因識別部
42 クランク角センサ
44 エアフローメータ

Claims (10)

  1. 気筒と、
    前記気筒内の燃焼圧である筒内圧を検出する筒内圧センサと、
    前記気筒内に配置された点火プラグと、
    燃料噴射弁と、
    クランク角センサと、
    前記筒内圧センサにより検出される筒内圧に基づいて発熱量を算出する発熱量算出部と、
    前記発熱量算出部により算出される発熱量に基づいて燃焼質量割合を算出する燃焼質量割合算出部と、
    点火時期から、燃焼質量割合が第1の値になるまでのクランク角期間を算出するクランク角期間算出部と、
    前記クランク角期間算出部により算出されるクランク角期間に基づいて燃料噴射量を算出する燃料噴射量算出部と、
    燃焼質量割合が第2の値になるクランク角を算出するクランク角算出部と、
    前記クランク角算出部により算出されるクランク角に基づいて点火時期を算出する点火時期算出部とを具備する内燃機関の異常検出装置において、
    前記燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量と、前記筒内圧センサにより検出される筒内圧と、前記発熱量算出部により算出される発熱量とに基づいて異常の原因を識別する異常原因識別部を具備することを特徴とする内燃機関の異常検出装置。
  2. 前記異常原因識別部が、
    前記燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きいときであって、前記筒内圧センサにより検出される筒内圧が筒内圧増加用閾値以下でありかつ筒内圧減少用閾値より大きいときであって、前記発熱量算出部により算出される発熱量が発熱量増加用閾値より大きいときに、前記気筒内における燃焼が悪化する異常、および、誘導ノイズが原因で前記クランク角期間算出部により算出されるクランク角期間が増加する異常の少なくとも一つが発生した可能性があると判断し、
    前記燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きいときであって、前記筒内圧センサにより検出される筒内圧が前記筒内圧増加用閾値以下でありかつ前記筒内圧減少用閾値より大きいときであって、前記発熱量算出部により算出される発熱量が発熱量減少用閾値以下のときに、誘導ノイズが原因で前記クランク角期間算出部により算出されるクランク角期間が減少する異常が発生した可能性があると判断することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の異常検出装置。
  3. 前記異常原因識別部が、
    前記燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きいときであって、前記筒内圧センサにより検出される筒内圧が筒内圧増加用閾値以下でありかつ筒内圧減少用閾値より大きいときであって、前記発熱量算出部により算出される発熱量が発熱量増加用閾値以下のときに、前記燃料噴射弁から噴射される燃料流量が減少する異常が発生したと判断し、
    前記燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きいときであって、前記筒内圧センサにより検出される筒内圧が前記筒内圧増加用閾値以下でありかつ前記筒内圧減少用閾値より大きいときであって、前記発熱量算出部により算出される発熱量が発熱量減少用閾値より大きいときに、前記燃料噴射弁から噴射される燃料流量が増加する異常が発生したと判断することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の異常検出装置。
  4. 複数の気筒を具備し、
    前記異常原因識別部が、
    前記複数の気筒のうちの一つの気筒について、前記燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きいときであって、前記筒内圧センサにより検出される筒内圧が筒内圧増加用閾値より大きいときであって、前記発熱量算出部により算出される発熱量が発熱量増加用閾値より大きいときに、前記一つの気筒に供給される空気量が他の気筒に供給される空気量より増加する異常が発生したと判断し、
    前記一つの気筒について、前記燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きいときであって、前記筒内圧センサにより検出される筒内圧が筒内圧減少用閾値以下のときであって、前記発熱量算出部により算出される発熱量が発熱量減少用閾値以下のときに、前記一つの気筒に供給される空気量が前記他の気筒に供給される空気量より減少する異常が発生したと判断することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の異常検出装置。
  5. 複数の気筒と、
    前記複数の気筒のそれぞれから延びている分岐吸気通路と、
    複数の前記分岐吸気通路を合流させることにより形成された合流吸気通路と、
    前記合流吸気通路に配置されたエアフローメータとを具備し、
    前記異常原因識別部が、
    前記複数の気筒のすべてについて、前記燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きいときであって、前記筒内圧センサにより検出される筒内圧が筒内圧増加用閾値より大きいときであって、前記発熱量算出部により算出される発熱量が発熱量増加用閾値より大きいときに、前記エアフローメータの空気流量の測定値が減少する異常が発生したと判断し、
    前記複数の気筒のすべてについて、前記燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きいときであって、前記筒内圧センサにより検出される筒内圧が筒内圧減少用閾値以下のときであって、前記発熱量算出部により算出される発熱量が発熱量減少用閾値以下のときに、前記エアフローメータの空気流量の測定値が増加する異常が発生したと判断することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の異常検出装置。
  6. 複数の気筒と、
    複数の燃料噴射弁と、
    前記複数の燃料噴射弁のそれぞれから延びている分岐燃料供給系統と、
    複数の前記分岐燃料供給系統を合流させることにより形成された合流燃料供給系統とを具備し、
    前記異常原因識別部が、
    前記複数の気筒のすべてについて、前記燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きいときであって、前記筒内圧センサにより検出される筒内圧が筒内圧増加用閾値以下でありかつ筒内圧減少用閾値より大きいときであって、前記発熱量算出部により算出される発熱量が発熱量増加用閾値以下のときに、前記合流燃料供給系統における燃料流量が減少する異常が発生したと判断し、
    前記複数の気筒のすべてについて、前記燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きいときであって、前記筒内圧センサにより検出される筒内圧が前記筒内圧増加用閾値以下でありかつ前記筒内圧減少用閾値より大きいときであって、前記発熱量算出部により算出される発熱量が発熱量減少用閾値より大きいときに、前記合流燃料供給系統における燃料流量が増加する異常が発生したと判断することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の異常検出装置。
  7. 前記異常原因識別部が、燃料噴射量と、筒内圧と、発熱量と、発熱量と筒内圧との比とに基づいて異常の原因を識別することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の異常検出装置。
  8. 前記異常原因識別部が、
    前記燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きいときであって、前記筒内圧センサにより検出される筒内圧が筒内圧増加用閾値以下のときであって、前記発熱量算出部により算出される発熱量が筒内圧の変化と比較して増加したときであって、発熱量と筒内圧との比が比増加用閾値より大きいときに、前記気筒内における燃焼が悪化する異常、および、誘導ノイズが原因で前記クランク角期間算出部により算出されるクランク角期間が増加する異常の少なくとも一つが発生した可能性があると判断し、
    前記燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きいときであって、前記筒内圧センサにより検出される筒内圧が前記筒内圧増加用閾値以下のときであって、前記発熱量算出部により算出される発熱量が筒内圧の変化と比較して減少したときであって、発熱量と筒内圧との比が比減少用閾値以下のときに、誘導ノイズが原因で前記クランク角期間算出部により算出されるクランク角期間が減少する異常が発生した可能性があると判断することを特徴とする請求項7に記載の内燃機関の異常検出装置。
  9. 前記異常原因識別部が、
    前記燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きいときであって、前記筒内圧センサにより検出される筒内圧が筒内圧増加用閾値以下のときであって、前記発熱量算出部により算出される発熱量が発熱量増加用閾値以下でありかつ前記発熱量算出部により算出される発熱量が筒内圧の変化と比較して減少したときであって、発熱量と筒内圧との比が比増加用閾値以下のときに、前記燃料噴射弁から噴射される燃料流量が減少する異常が発生したと判断し、
    前記燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きいときであって、前記筒内圧センサにより検出される筒内圧が前記筒内圧増加用閾値以下のときであって、前記発熱量算出部により算出される発熱量が前記発熱量増加用閾値以下でありかつ前記発熱量算出部により算出される発熱量が筒内圧の変化と比較して増加したときであって、発熱量と筒内圧との比が比減少用閾値より大きいときに、前記燃料噴射弁から噴射される燃料流量が増加する異常が発生したと判断することを特徴とする請求項7に記載の内燃機関の異常検出装置。
  10. 複数の気筒と、
    複数の燃料噴射弁と、
    前記複数の燃料噴射弁のそれぞれから延びている分岐燃料供給系統と、
    複数の前記分岐燃料供給系統を合流させることにより形成された合流燃料供給系統とを具備し、
    前記異常原因識別部が、
    前記複数の気筒のすべてについて、前記燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の増加量が燃料噴射量増加用閾値より大きいときであって、前記筒内圧センサにより検出される筒内圧が筒内圧増加用閾値以下のときであって、前記発熱量算出部により算出される発熱量が発熱量増加用閾値以下でありかつ前記発熱量算出部により算出される発熱量が筒内圧の変化と比較して減少したときであって、発熱量と筒内圧との比が比増加用閾値以下のときに、前記合流燃料供給系統における燃料流量が減少する異常が発生したと判断し、
    前記複数の気筒のすべてについて、前記燃料噴射量算出部により算出される燃料噴射量の減少量が燃料噴射量減少用閾値より大きいときであって、前記筒内圧センサにより検出される筒内圧が前記筒内圧増加用閾値以下のときであって、前記発熱量算出部により算出される発熱量が前記発熱量増加用閾値以下でありかつ前記発熱量算出部により算出される発熱量が筒内圧の変化と比較して増加したときであって、発熱量と筒内圧との比が比減少用閾値より大きいときに、前記合流燃料供給系統における燃料流量が増加する異常が発生したと判断することを特徴とする請求項7に記載の内燃機関の異常検出装置。
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