JP5116480B2 - 造影剤 - Google Patents

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Description

本発明は、新規造影剤及びその画像診断法における使用に関する。具体的には、本発明は、コラーゲン形成領域及び細胞外マトリックス(ECM)に結合するターゲッティングベクターを含む造影剤に関する。かかる造影剤は、活動性の線維症(コラーゲン沈着)のターゲッティング、並びに例えば心不全、肝及び肺線維症、後腹膜線維症、アテローム性動脈硬化症、関節炎、癌及び皮膚障害のような数多くの病態の診断に使用できる。かかる造影剤は、さらに、慢性瘢痕を形成する炎症、瘢痕組織及び癒着の表示、梗塞サイズの検査、初期梗塞の表示、うっ血性心不全の診断にも使用できる。
コラーゲンは動物界で最も豊富に存在するタンパク質である。現在25種類が知られている。その基本構造単位はトリプルヘリックスであって、コラーゲンIでは、ヘリックスは各々1050アミノ酸からなる3本のポリペプチドからなる。コラーゲン原繊維は3本鎖ヘリックスのラテラルな相互作用によって形成される。ある種のコラーゲン、特にコラーゲンIVは二次元シートを形成する。
コラーゲン分子のアミノ酸配列は高い繰返しを有し、この規則性がコラーゲン原繊維の構造に反映される。コラーゲンIのアミノ酸配列は、3アミノ酸残基ごとにグリシンが存在する18種類のアミノ酸モチーフを20コピー含んでいる。
各種コラーゲンは線維芽細胞及びある種の上皮性細胞で産生される。最初の転写物はプロコラーゲンポリペプチドであり、細胞から輸送するためのシグナル配列と、会合してトリプルヘリックスを形成するのを防ぐプロペプチドとを含んでいる。プロコラーゲン鎖のプロリン残基の約50%及びリシン残基の15〜20%が細胞内プロセシングを受けてヒドロキシプロリン及びヒドロキシリジンを形成する。これらの修飾はコラーゲンの機械的特性に重要である。細胞外でプロペプチドが切断され、自己集合し始める。
コラーゲンは骨や腱のような構造体の基本成分であり、一般に細胞外マトリックスの基本成分でもある。例えば、コラーゲンIVは基底膜の基本網状構造を形成し、これに上皮及び内皮細胞が付着する。コラーゲンの多様性はコラーゲンが種々存在することによってある程度説明できるが、多種多様なコラーゲン関連分子も存在している。コラーゲン繊維は通常プロテオグリカンと結合している。コアポリペプチドと1以上のグルコサミノグリカン側鎖からなるこれらのタンパク質も、多種多様なクラスに分類される。基底膜では、ラミニン及びエンタクチン(ニドゲン)が重要な成分である。フィビュリン(fibulin)は数種の基底膜タンパク質との結合部位を有するタンパク質である。ウンドゥリン(undulin)は、コラーゲンと共に正常な肝臓では少量、線維症の肝臓では多量に認められる繊維形成タンパク質である。
結合組織中のコラーゲンその他のタンパク質はArg−Gly−Aspアミノ酸配列を含んでおり、インテグリン類の細胞接着分子との結合部位を与える。他のアミノ酸配列がコア結合モチーフを構成していることもあり、リガンドの他の部分が特異性及び親和性に寄与していることもある。β1インテグリンはコラーゲン結合に重要である。その他のコラーゲン結合タンパク質としてはジスコイジンドメイン受容体が挙げられるが、これはチロシンキナーゼの活性化によってコラーゲンに応答する。
コラーゲン繊維は横方向には柔軟であるが、弾性でも圧縮性でもない。結合組織の弾性は、タンパク質エラスチンとその関連タンパク質であるオキシタラン及びエラウニンに由来するものである。その他のタンパク質として、フィブリリン1及び2がエラスチンその他の構造成分(ミクロフィブリル結合糖タンパク質)と共に弾性繊維を形成する。異常弾性繊維は肝線維症の領域に見出される。
コラーゲンの沈着は創傷治癒における共通の過程であり、よく知られた「瘢痕組織」の形成をもたらす。コラーゲン沈着は組織の機能を低下させる過程である。これは組織の弾性が重要である場合に明らかであり、その顕著な例は心筋梗塞の治癒時に形成される瘢痕組織である。肝臓では、剛性繊維の影響はさほど顕著ではない。肝線維症の過程では、肝細胞と肝類洞の有窓内皮との間の空間での細胞外マトリックス物質の沈着と同時に類洞から通常の基底膜を有する毛細管への変換が起こる。この変換によって、血液と肝細胞の間の溶質移動が妨害され、肝臓の機能が低下する。
肝線維症は、肝細胞の損傷又は細胞死を引き起こす損傷によって開始する。損傷は炎症反応を惹起する。サイトカイン、走化性因子及びECMマトリックスタンパク質(コラーゲン及びフィブロネクチン)断片の放出によって、肝細胞の活性化と顆粒球のような炎症細胞の動員が起こる。酸化ストレスを始めとする炎症が肝線維症の多くの原因の一般要因である。重要な事象は星状細胞(脂肪摂取細胞とも伊東細胞ともいう)の活性化である。正常な肝臓でのこれらの細胞の最もよく知られた機能はビタミンAの貯蔵である。活性化によって細胞はビタミンAを喪失し、筋線維芽細胞に分化する。これらの細胞はコラーゲン産生細胞である。
肝線維症の原因物質は、アルコール、肝炎ウイルス、胆管炎、ヘモクロマトーシス、ウィルソン病及び住血吸虫症など数多く存在する。実験動物(通常ラット)では、四塩化炭素又はチオアセタミドで線維症を誘起できる。これらの物質の大半は、コラーゲン沈着を始めとする明瞭な肝損傷パターンを生じる。炎症反応の役割は多様であり、例えばヘモクロマトーシスのような病態では酸化ストレスが重要である。
損傷の程度及び時期が限られていれば、生じる線維症は可逆的である。肝臓での長期のストレスは、全般的損傷、再生結節の形成及び肝臓の構造を歪める線維症で特徴付けられる肝硬変を招きかねない。ラットでは、I型コラーゲンの半減期は30日であり、III型コラーゲンの半減期は15日である。四塩化炭素で肝硬変を誘起すると、両コラーゲン共に半減期が50%低下する。コラーゲン量は正常値よりも5〜10倍高いレベルに達する(ただし、30〜35mg/gを超えることはない)。
肝線維症の診断及び治療のポイントは、不可逆的肝損傷及びそれに伴う機能低下を防ぐことである。コラーゲン沈着の量の増加及びパターン変化は肝線維症の指標となる。陽性の生検はその決定的な証拠と考えられる。生検は侵襲的方法であり、重大な合併症を1〜5%の頻度で引き起こす。ガイドなしの一回の生検では、症例の10〜30%で肝硬変の見落としを生じる。3つの標本を検査すれば、正確な診断を100%に増すことができる。合併症の発生率は生検の回数と共に増加するので、3回の生検を行うと合併症の発生率は10%のオーダーに増しかねない。さらに生検の評価は決して単純なものではない。
肝疾患のどのステージでも、線維症の領域で最大4倍もの変動がみられ、さらには、異なるステージ間でも線維症の領域に実質的なオーバーラップがみられる。したがって、コンピュータ画像解析で算出したコラーゲン量は線維症のステージの決定にはあまり価値がない。熟練観察者が標準化評価スキームを用いれば、ステージングに関する信頼性の高い情報が得られる。事実、これらのシステムはうまく機能するので、コラーゲン以外の組織マーカーを探す動機はほとんどない。しかし、ECMマトリックスタンパク質の一種であるテネイシンは所期病変に沈着し、成熟瘢痕組織には存在しないことが多いが、ビトロネクチンは成熟線維組織のマーカーである。
従前使用されてきた肝線維症の血清マーカーは、肝機能変化のマーカー(血小板数、肝トランスアミナーゼ)と、ECMターンオーバーのマーカーとの2種類に大別できる。後者には、コラーゲン沈着(例えば循環コラーゲンプロペプチド)及び/又はコラーゲン分解(例えばコラーゲンIVの循環断片)のマーカーがある。慎重に選択した複数のマーカーの組合せは単独マーカーよりも精度の高い結果を与える可能性があるが、この点については普遍的合意が存在するわけではない。
不可逆的損傷が起こる前の初期段階の線維症を診断できる信頼性の高い試験に対するニーズが明らかに存在する。将来の試験法に非常に望まれる特徴は、ECMの変化を定量できることである。
上述の通り、コラーゲンの過剰沈着は組織の弾性を低下させる。これは、心筋梗塞の治癒時に形成される瘢痕組織も含む。心臓の損傷又は心臓壁でのストレスの持続的増加の後に、心臓はリモデリングによる修復を試みる。このプロセスは、心室腔のサイズ及び形状の進行性の変化と心筋の組成変化とを伴う。典型的な反応には、生存筋細胞の肥大、並びにコラーゲンの種類、架橋及び濃度の変化が挙げられる。最初に、心臓筋細胞の肥大と同時に細胞外マトリックスが部分的に分解すると考えられる。その後、コラーゲン濃度が正常に戻ると慢性代償期に入る。しかし、心臓が代償できないときは、顕著な線維症にもかかわらず、リモデリングによって顕著な心室拡大を生じる。心不全の最終段階は、筋原線維の組織崩壊及び筋細胞の損失と併せて、細胞外マトリックスのさらなるリモデリングによって特徴付けられる。コラーゲンは蓄積し続けるが、コラーゲン原繊維は不規則に蓄えられる。
線維症は200種以上の肺疾患の構成要素である。反復損傷又は持続的ストレス(例えば炎症及び/又は吸入粒子)が、結合組織の堆積の方向にバランスを移す遺伝要因と共に一般的な病因である。その一例はα−プロテアーゼインヒビターの欠損であり、このタンパク質の活性は喫煙によっても低下する。その主な機能は好中球エラスターゼの阻害である。他の器官での線維症と同様、合成と分解のアンバランスによって、機能を実際に損なう修復プロセスが開始さることがある。心臓又は肝臓の線維症のように、病理には筋線維芽細胞が顕著に関係する。これらはまず線維芽細胞として動員され、その後で分化する。知覚できる炎症のないまま「修復プロセス」が継続し、進行性の機能低下を生じることもあると考えられる。
国際公開第89/10758号には、生体粒子の表面膜に結合させるための化合物が記載されている。これらの化合物は生理作用物質と1以上の炭化水素置換基とを含んでおり、炭化水素置換基は化合物が十分に非極性となって脂質結合性をもつように選択され、生理作用物質はシアニン色素であってもよい。
国際公開第93/11120号には、例えば細胞及びウイルスのような脂質含有生体適合性粒子に結合する化合物が記載されている。これらの化合物は、脂質結合性を担保するのに十分な非極性をもつように選択される。
国際公開第89/10758号パンフレット 国際公開第93/11120号パンフレット
本発明は、過剰コラーゲン形成に関連する疾患の診断及び治療モニタリングに有用な新規造影剤を提供する。過剰コラーゲン沈着に関連する疾患及び適応症は、例えば心不全、肺及び肝線維症、アテローム性動脈硬化症、関節炎並びに皮膚障害である。
そこで、本発明は、上述したような心不全その他の過剰コラーゲン沈着が関与する疾患の診断に有用な造影剤であって、ターゲッティング部分に1以上の造影性部分を組み込んでなる造影剤を提供する。造影性部分は、被検体に投与したときに被検体の少なくとも造影剤が分布した部分の画像を、例えば放射線イメージング、単一光子放射断層撮影(SPECT)、陽電子放射断層撮影(PET)、磁気共鳴断層撮影(MRI)、X線イメージング、光学イメージング(OI)、超音波(US)イメージング、電気インピーダンス又は磁気的画像モダリティで生成できるものであればよい。
本発明はさらに、上記疾患のイメージング法、並びにかかる疾患に対する治療経過のモニタリング法を提供する。本発明は、新規医薬組成物及び診断用造影剤の製造用前駆体も提供する。造影剤のキット、特に放射性造影剤の製造用キットも提供される。
本発明の造影剤は一般式(I)で表される。
−L−V−Z (I)
以下、これについて詳細に説明する。
一態様では、本発明は、特許請求の範囲に規定する式(I)の造影剤を提供する。
−L−V−Z (I)
一般式(I)の造影剤において、Z及びZは少なくともその一方が存在していてヒト又は動物の身体におけるインビボイメージングで検出できるレポーター部分であり、Vはコラーゲン形成領域に親和性をもつターゲッティング部分であり、Lは共有結合、バイオモディファイヤー又はリンカー基である。
以下、ZはZ及びZの少なくとも一方を意味する。Zは、いかなる造影性部分であってよい。
診断、特にインビボ診断に有用な造影剤については、Z部分は1以上の造影性部分を含む。造影性部分自体をV又はL(存在する場合)に直接結合できない場合、例えば造影性部分が金属粒子又は金属イオン(以下、Mと記す)である場合、ZはYM部分を含むが、YはV又はL(存在する場合)に結合できて、同時にMを担持する基である。担持とは、化学結合(例えば共有結合、電気原子価結合又はイオン結合)又は吸収その他の種類の会合など、成分YとMとのあらゆる形態の結合を意味する。Mが金属粒子又は金属イオンである場合、Yはキレート剤を表す。
Z及び/又はYMの性状は、診断に利用される画像モダリティに依存する。Z及び/又はYMはインビボ画像診断で直接又は間接的に検出できるものでなければならず、例えば、検出可能な放射線を(放射性崩壊、蛍光励起、スピン共鳴励起などによって)放出する成分もしくは放出を誘起する成分、局所的電磁場に影響を与える成分(例えば、常磁性、超常磁性、フェリ磁性又は強磁性種)、放射線エネルギーを吸収又は散乱する成分(例えば、発色団、粒子(気体又は液体含有ベシクルも包含する。)、重元素及びその化合物など)、並びに検出可能な物質を生成する成分(例えば、気体マイクロバブル発生剤)などである。
後記の式(II)及び(III)のキレート剤が特に好ましい。
多種多様な適当な造影性部分が知られており、例えば国際公開第98/18496号に記載されており、その開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす。
以下、画像モダリティ及び造影性部分Z及びMに関してさらに詳しく説明する。
第一の実施形態では、式(I)の化合物のZ部分は、放射線及びSPECT画像モダリティに有用な1以上の造影性部分Mを担持する部分Yを含む。好ましくは、Mはα線及びβ線をほとんど或いは全く放射しない半減期1時間以上のγ放射体である。好ましいM成分は、放射性核種67Ga、111In、123I、125I、131I、81mKr、99Mo、99mTc、201TI及び133Xeである。最も好ましいのは99mTcである。
Mは、イメージング及び治療のいずれの用途にも使用できる以下に挙げる同位体又は同位体対であってもよく、放射性標識法又はキレート剤を変更する必要はない:47Sc21141Ce58188Re75177Lu71199Au7947Sc211315367Cu291315312353188Re7599mTc439039873947Sc2144Sc21903912353146Sm62153Sm62、及び9039111In49
Mが金属放射性核種を表す場合、Yは、Mとの安定キレートの形成に適したキレート剤を表す。かかるキレート剤は当技術分野で周知であり、かかるキレート剤の典型例は国際公開第01/77145号の表Iに記載されている。
特に好ましいのは、次の式(II)のキレート剤Yである。
式中、R 1 、R 2 、R 3 及びR 4 は各々独立にH、C1-10アルキル、C3-10アルキルアリール、C2-10アルコキシアルキル、C1-10ヒドロキシアルキル、C1-10アルキルアミン又はC1-10フルオロアルキル基であるか、或いは2以上のR基がそれらに結合した原子と共に炭素環、複素環、飽和又は不飽和環を形成するものである。
特に好ましいのは、R、R及びRが水素又はメチル基であり、Rがアルキルアミン基である式(II)のキレート剤Yであり、特に次の式(III)の化合物(本明細書ではcPN126という。)である。
Zとして最も好ましいのはcPN216と99mTcのキレートである。
式(II)及び(III)のキレート剤の合成は国際公開第03/006070号に記載されている。
123I、125I及び131Iのような非金属放射性核種からなるZ基は、当技術分野で周知の置換又は付加反応によって、V及びL(存在する場合)に共有結合させることができる。
第二の実施形態では、式(I)の化合物はPET画像モダリティに有用なZ部分を含む。この場合、Zは陽電子放出性をもつ放射線放出体を表す。好ましいZ基は、放射性核種11C、18F、68Ga、13N、15O及び82Rbである。18Fが特に好ましい。キレート剤Yでキレート化された金属放射線放出体82Rb及び68Gaも好ましい。
チオールカップリングの化学、18Fシントン及びチオールカップリング反応を用いて調製される標識ペプチドは、国際公開第03/080544号に記載されており、その開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす。
チオールカップリング反応を用いた標識ペプチドの詳細は、国際公開第2005/012335号に記載されており、その開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす。
別の好ましい実施形態では、YはDOTAキレート剤であり、Mは68Gaであってマイクロ波化学で容易にキレート剤に導入し得る。
18Fのような非金属放射性核種からなるZ基は、当技術分野で周知の置換又は付加反応によって、V及びL(存在する場合)に共有結合させることができ、かかる反応は例えば国際公開第03/080544号に記載されており、その開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす。
第三の実施形態では、式(I)の化合物のZ部分は、MR(磁気共鳴)画像モダリティに有用な1以上の造影性部分Mを担持する部分Yを含む。この場合、Mは米国特許第4647447号に記載されているような常磁性金属イオンを表す。常磁性金属イオンGd3+、Dy3+、Fe3+及びMn2+が特に好ましい。Yはキレート剤、特に米国特許第4647447号及び国際公開第86/02841号などに記載されているような非環式又は環式ポリアミノカルボキシレートのようなキレート剤(例えばDTPA、DTPA−BMA、DOTA及びDO3A)を表す。
MR造影法では、Mは、超常磁性種、フェリ磁性種又は強磁性種のような金属酸化物であってもよく、これらは例えばZが金属酸化物のコーティングとして機能するようにZに吸収される。MR造影剤として用いられる金属酸化物は、例えば米国特許第6230777号に記載されており、その開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす。
第四の実施形態では、式(I)の化合物のZ部分は、X線画像モダリティに有用な1以上の造影性部分Mを担持する部分Yを含む。この場合、MはW、Au及びBiのような重金属であって、Zに吸収され得る酸化物の形態、或いは金属の形態(酸化数0)にある。Zは、X線造影剤として周知のヨウ素化アリール誘導体、例えばIopamiron(商標)及びOmnipaque(商標)であってもよい。これらの造影剤は、そのアミド又はアミン官能基を介して式(I)のV又はL(存在する場合)に結合させることができる。
他の実施形態では、式(I)の化合物はガス充填マイクロベシクルの形態のZを含む。かかる超音波造影剤は受容体のイメージングに利用することができ、例えば国際公開第98/18500号のような従来技術に記載の通り、官能化してペプチドに結合させればよい。
本発明の第六の実施形態では、式(I)の部分Zは、光学イメージング法で直接又は間接的に検出し得る基であってもよい。検出性基は、光散乱体(例えば着色又は無着色粒子)でも、光吸収体でも、発光体でもよい。さらに好ましくは、Zは発色団又は蛍光化合物のような色素である。Z基は紫外乃至近赤外域の波長を有する電磁スペクトルの光と相互作用する色素であればよい。好ましい形態ではZは蛍光性を有する。
好ましい有機色素基としては、広く非局在化した電子系を有する基、例えばシアニン、メロシアニン、インドシアニン、フタロシアニン、ナフタロシアニン、トリフェニルメチン、ポルフィリン、ピリリウム色素、チアピリリウム色素、スクアリリウム色素、クロコニウム色素、アズレニウム色素、インドアニリン、ベンゾフェノキサジニウム色素、ベンゾチアフェノチアジニウム色素、アントラキノン、ナフトキノン、インダスレン、フタロイルアクリドン、トリスフェノキノン、アゾ色素、分子内及び分子間電荷移動色素及び色素錯体、トロポン、テトラジン、ビス(ジチオレン)錯体、ビス(ベンゼン−ジチオレート)錯体、ヨードアニリン色素、ビス(S,O−ジチオレン)錯体が挙げられる。蛍光タンパク質、例えば緑色蛍光タンパク質(GFP)及び吸収/発光特性の異なるGFP修飾物も有用である。ある種の希土類金属(例えばユーロピウム、サマリウム、テルビウム又はジスプロシウム)の錯体も、蛍光ナノ結晶(量子ドット)のような特定の状況で用いられる。
光学造影性基の好ましい例は、シアニン色素(CyDye(商標))である。シアニン色素は、交互に並んだ炭素−炭素単結合と炭素−炭素多重結合(好ましくは二重結合)で奇数個の炭素原子が結合してなるポリエン鎖として定義される化合物であり、いずれかの末端はアミノ基であり、その1つは四級化されている。シアニン及び類似のアリール−リンカー−アリール発色団は適宜側鎖置換基又は縮合環置換基を有していてもよい。シアニン色素及びその合成についての概説は、米国特許第6048982号、同第5268486号及び欧州特許第1037947号に記載されており、その開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす。シアニン色素は、広範なスペクトル特性及び様々な構造のものが利用できるため、特に有用である。幅広いシアニン色素が周知であり試験されているが、それらは毒性が低く、市販されている(GE Healthcare社(以前の社名はAmersham Biosciences))。シアニン色素は極めて強い色素の一群であり、良好な水溶性を有する。これらはpH3〜10でpH非感受性であり、非特異的結合も低く、フルオレセインよりも光安定性が高い。
シアニン色素は、好ましくは以下の一般式のカルバシアニン、オキサシアニン、チアシアニン及びアザシアニンからなる群から選択される。
これらの構造において、J1基は同一又は異なるもので、置換又は非置換アルキル基、好ましくはC−Cアルキル基であり、エーテル又はN−CO−N−を含んでもよい。アルキル基は、カルボキシ、スルホン酸、アミン、アンモニウム又はエステル基で適宜置換されていてもよい。J1基はポリエン鎖のいずれかの炭素原子と、例えば−N−CO−N−基又はエーテル基によって、架橋を形成していてもよい。J2基も同一又は異なるもので、置換又は非置換アルキル基である。アルキル基はカルボキシ又はスルホン酸基で適宜置換されていてもよいが、好ましくはJ2基はC−Cアルキルのような低級アルキル基であり、最も好ましくはメチル基である。任意要素としての芳香族基は点線で示してあり、縮合ベンゾ環及び縮合ナフト環を含む構造を包含する。環は置換又は非置換である。環は、スルホン酸基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アルキル(スルホアルキル)アミノ基、ビス(スルホアルキル)アミノ基、スルホアルコキシ基、スルホアルキルスルホニル基、アルキル基、置換アルキル基又はスルホアルキルアミノ基で置換されていてもよい。アルキル基は好ましくは低級アルキル(例えば炭素原子数1〜6のもの)である。Yは水素、ハライド基、アミン基又はスルホニルから選択され、好ましくは水素である。シアニン色素のポリエン鎖も、ポリエン鎖の2以上の炭素原子間で架橋を形成する1以上の環状基を含んでいてもよく、例えばスクアライン色素のように鎖の2つの炭素原子の間に−CO−基を含んでいてもよいし、或いはアルキル架橋を含んでいてもよい。これらの架橋は色素の化学的又は光安定性を高める作用をもつことがある。
式VI〜IXにおいて、lは1、2、3又は4の正の整数であり、炭素原子数3の炭素架橋を有するトリメチンシアニン、ペンタメチンシアニン、ヘプタメチンシアニン又はノナメチンシアニン色素を与える。好ましくは、シアニン色素は各々炭素原子数5及び7の炭素架橋を有する色素である。
J1及びJ2は、適宜リンカー基Lを介して色素をターゲティング部分Vに結合するための潜在的連結部位であるが、J1が好ましい。好ましい態様では、一方のJ1基がターゲッティング部分Vと結合し、残りのJ1基はC−Cアルキル基で適宜置換される。
光学イメージング法に適した基についての詳細は、国際公開第2005/003166号に記載されており、その開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす。
式(I)の化合物の部分Vはコラーゲン形成領域に親和性をもつアミノ酸配列X−G−Dを含む。化合物は好ましくは追加のアミノ酸と適宜追加の基を含んでいるが、X−G−D配列が、コラーゲン形成領域に結合するベクターとして機能するペプチドベクターの結合座である。
本発明の式(I)の化合物は、例えばペプチドベクターの部分において1以上の環化架橋が形成されたものに限定してもよい。単環式ペプチド化合物はアミノ酸間のジスルフィド結合又はチオエーテル結合の形成によって得ることができる。式(I)の化合物は好ましくは化合物の異なるアミノ酸の間の2つの環化架橋を含む。「環化架橋」という用語は、アミノ酸同士、又は、架橋導入を可能にする官能基を有する−(CH−又は−(CH−C−基とアミノ酸との任意の結合を指す。nは1〜10までの正の整数である。好ましい例は、ジスルフィド架橋、例えば−(CH−カルバ架橋のようなジスルフィド類似体、チオアセタール、チオエーテル架橋(シスタチオン又はランチオニン)、並びにエステル及びエーテルを含む架橋である。好ましくは、第一の架橋がジスルフィド結合を形成し、第二の架橋がチオエーテル(スルフィド)結合を含む。
その他の実施形態では、式(I)におけるベクターVは式(VI)で表され、2つの環化架橋を含む。
−C(=O)−X−X−X−G−D−X−X−X (VI)
式中、Xは共有結合又は1、2、3、4又は5個のアミノ酸残基であり、これらのアミノ酸残基のうちの1つはリンカー基Lで適宜官能化されていてもよく、好ましくはアミノ酸残基は酸又はアミン基のような官能側鎖を有するもの、好ましくはアスパラギン酸、グルタミン酸、リシン、オルニチン、ジアミノ酪酸又はジアミノプロピオン酸から選択される。
及びXは独立に環化架橋を形成できるアミノ酸残基、例えばジスルフィド結合又はチオエーテル結合を形成するシステイン又はホモシステイン残基、或いはアスパラギン酸及びリシンのような環化架橋を形成できる他のアミノ酸残基であり、好ましくはX及びXはシステイン又はホモシステイン残基である。
はアルギニン、N−メチルアルギニン又はアルギニン模倣体である。
は疎水性アミノ酸又はその誘導体であり、好ましくはチロシン、フェニルアラニン、3−ヨードチロシン又はナフチルアラニン残基、さらに好ましくはフェニルアラニン又は3−ヨードチロシン残基である。
は環化架橋を形成できるアミノ酸残基であり、好ましくはチオール含有アミノ酸残基、好ましくはシステイン又はホモシステイン残基である。
はX、X又はXのいずれかと架橋を形成できる−(CH−又は(CH−C−基である。
nは1〜10の正の整数である。
本発明の一実施形態では、式(I)における部分Lは、均質バイオモディファイヤー基、好ましくは単分散PEG構成単位を1〜10単位含むものであり、バイオモディファイヤーは薬剤の薬物動態及び血中クリアランス速度を変化させる機能を有する。Lは1〜10個のアミノ酸残基、好ましくはグリシン、リシン、アスパラギン酸又はセリンを表すものでもよい。好ましい実施形態では、Lは式(V)の17−アミノ−5−オキソ−6−アザ−3,9,12,15−テトラオキサヘプタデカン酸の単分散PEG様構造からなるバイオモディファイヤー単位を表す。
式中、mは1〜10の整数であり、C末端単位はアミド基である。
上述の通り、バイオモディファイヤー基(L)は化合物の薬物動態及び血液クリアランス速度を変化させる。バイオモディファイヤー基は化合物の組織(筋肉、肝臓など)への取り込みを低減するように作用し、そのためバックグラウンド干渉が低減するので診断画像が向上する。分泌は主に腎臓を経るが、これもバイオモディファイヤーの利点として挙げられる。
Lは、好ましくはグルタル酸及び/又はコハク酸及び/又はポリエチレングリコール系単位及び/又は上記の式(V)の単位から誘導されるものであってもよい。
その他の代表的なL要素としては、構造多糖類、貯蔵多糖類、ポリアミノ酸及びそのメチル及びエチルエステル、ポリペプチド、オリゴ糖及びオリゴヌクレオチドが挙げられ、酵素切断部位を含んでいても含んでいなくてもよい。
本発明のペプチドは、あらゆる公知の化学合成法で合成できるが、特に有用な方法は自動ペプチド合成装置を用いたMerrifieldの固相法である(J.Am.Chem.Soc.85:2149(1964))。合成法の標準的手順は、E.Atherton & R.C.Sheppard, “Solid phase peptide synthesis: a practical approach, 1989, IRL Press, Oxfordに記載されている。
酸不安定リンカー基を有する樹脂を用いて、これに、所望の保護C末端アミノ酸残基をアミド結合形成によって結合させる。例えば、(ジメトキシフェニル−アミノメチル)−フェノキシ系リンカーを有するいわゆるRink amide AM樹脂が応用できる(Rink,H.(1987),Tetrahedron Lett.30,p.3787)。この樹脂からペプチドを酸分解で切り離せば、ペプチドアミドが得られる。別法として、O−ビス−(アミノエチル)エチレングリコールトリチル樹脂(K.Barlos et al(1988), Liebigs Ann. Chem, p.1079)を用いることもでき、酸分解で切り離せば、第一アミンハンドルを有するペプチドが得られる。
ペプチジル樹脂はC末端からN末端の方向に合成される。まずC末端アミノ酸のN−アミノ保護基を外し、適当な縮合剤を用いて配列の2番目のアミノ酸をカップリングさせる。次いで、所望の配列が構築されるまでN−アミノ保護基の脱保護とカップリングのサイクルを交互に繰り返す。
一般に、ペプチド合成中、存在する反応性の基はすべて保護される。アミノ酸の保護基としては多種多様なものが知られている(例えばGreene, T.W. & Wuts, P.G.M.(1991) Protective groups in organic synthesis, John Wiley & Sons, New York参照)。オルトゴナル保護法(Barany,Gら、(1977)J.Am.Chem.Soc,99,p7363)を用いることもできる。例えば、ピペリジン不安定性の9−フルオレニルメトキシ−カルボニル(Fmoc)基と超酸不安定性の4−メチルトリチル(Mtt)基、ヒドラジン不安定性の2−アセチルジメドン(Dde)基と酸不安定性のtert−ブチルオキシカルボニル(Boc)基のように、異なるアミン保護基を組合せると、異なるアミン部位に異なる部分を選択的に導入できる。さらに、Cys側鎖用の酸不安定トリチル(Trt)保護基と、他のCys残基用のtert−ブチル保護基(酸性酸化条件下(例えばTFA−2%ジメチルスルホキシド)下で不安定)とを組合せると、選択的ジスルフィド形成がなされる。
完成したペプチジル樹脂をN末端でクロロアセチル化すれば、N末端とCys残基との間にチオエーテル架橋を導入することができる。
ペプチドは、当技術分野で公知の通り、蒸留した無酸素の緩衝液(pH約9)に溶解し、窒素雰囲気下に維持した化合物をSn−MDP及びNa99mTcO溶液で処理することによって99mTc標識される
非限定的な実施例1〜4によって本発明をさらに例示する。実施例では、2種類のZ及び/又はYM部分を有する化合物の合成について記載する。化合物の99mTcでの標識化についても記載する。
ペプチドにおける各種アミノ酸の位置は上付きの番号で示す(例えばCys)。
実施例1
Cys2−6;c[CHCO−Lys(N−(5−スルホ−ナフタレン−2−イル)−Succ)−Cys−Arg−Gly−Asp−Cys−Phe−Cys]−GlutcPn216)−NH(4)及びその99mTcキレート(4a)
ClCH CO−Lys−Cys(tBu)−Arg(Pmc)−Gly−Asp(tBu)−Cys(tBu)−Phe−Cys(Trt)−Gly−Lys(Boc)−Rink Amide MBHA樹脂1の固相合成
上記配列に対応するペプチジル樹脂を、標準的な固相ペプチド化学合成法(Barany,G;Kneib−Cordonier,N;Mullenm D.G.(1987)Int.J.Peptide Protein Research 30,705−739)を用いて、Rink Amide MBHA樹脂(0.73mmol/g;NovaBiochem社製)で合成した。Applied Biosystems(Perkin Elmer社)モデル433Aペプチド合成装置を用いた。これらの残基は(カルボキシル末端から)、N−メチルピロリドン(NMP)中の4倍モル過剰のNα−Fmoc保護アミノ酸(1mmolカートリッジ)及び2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム−ヘキサフルオロホスフェート(HBTU)/1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール(HOBt)/ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)によるカップリングサイクル2.5時間のシングルカップリングによって0.25mmolスケールで構築した。Fmocの脱保護はNMP中の20%ピペリジン溶液を用いて、電導度をモニターしながら行った。使用したアミノ酸側鎖保護基は、Lysには4−メチルトリチル(Mtt)、Cys、Cys及びAspにはtert−ブチル(tBu)、Argには2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホニル(Pmc)、Cysにはトリチル(Trt)、Lys10にはtert−ブトキシカルボニル(Boc)であった。
構築したペプチジル樹脂を、手動窒素バブラー装置(Wellings,D.A.,Atherton,E.(1997)Methods in Enzymology(Fields,G.編),289,p.53−54,Academic Press社(New York)に記載)に移した。N末端のFmocを脱保護し、ジクロロメタン(DCM)中でクロロ酢酸(20当量)とN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(10当量)を反応させて得た10倍モル過剰の対称酸無水物を用いてジメチルホルムアミド(DMF)中でクロロアセチル化した。5%のトリイソプロピルシラン(TIS)と1%のトリフルオロ酢酸(TFA)を含むDCMで、5×2分間又は濾液が無色になるまでペプチジル樹脂を処理することによって、Nε−LysのMtt保護基を選択的に外した。完成したClCHCO−Lys−Cys(tBu)−Arg(Pmc)−Gly−Asp(tBu)−Cys(tBu)−Phe−Cys(Trt)−Gly−Lys(Boc)−Rink Amide MBHA樹脂1を、DMF中の5%DIEA溶液で中和し、最後にDMF及びDCMで洗浄し、減圧乾燥した。
Cys2−6;c[CH CO−Lys(N−(5−スルホ−ナフタレン−2−イル)−Succ−)−Cys−Arg−Gly−Asp−Cys−Phe−Cys]−Gly−Lys−NH (3)の合成
6−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸(Dahl酸)(1当量、0.5mmol)を、N−メチルモルホリン(NMM)(2当量)を含むDMFに溶解し、無水コハク酸(10当量)を加えた。一晩反応させた後、溶媒を減圧下で除去し、生成物を分取用RP−HPLC(逆相HPLC)で精製した。カラム(Phenomenex Luna C18 10μ、22×250mm)は、流速10ml/分で40分間、0.1%TFA水溶液中の5〜15%アセトニトリル(ACN)濃度勾配で溶出した。操作を6回繰り返し、所望のピークを含む画分を回収し、凍結乾燥し、146mgの純粋なN−(−5−スルホ−ナフタレン−2−イル)−スクシンアミド酸(2)を得た。RP−HPLC分析条件:t=16.7分(Phenomenex Luna 5μ、4.6×250mm、流速1ml/分、20分間で0.1%TFA水溶液中のACN濃度5〜15%、λ=214nm)。エレクトロスプレーMS:生成物の[M+H]の予想値324.0m/z、実測値324.0m/z。
NMM(15当量)を含むDMF中のN−(−5−スルホ−ナフタレン−2−イル)−スクシンアミド酸2(5当量)及びN−[(ジメチルアミノ)−1H−1,2,3−トリアゾロ−[4,5−b]ピリジン−1−イルメチレン]−N−メチルメタンアミニウムヘキサフルオロホスフェートN−オキシド(HATU)の溶液をペプチジル樹脂(1)に添加した。手動窒素バブラー装置内で一晩反応を進行させた。
得られたペプチジル樹脂を、2.5%のTISと2.5%の水を含むTFAで処理して、Cys2,6−tBu保護ペプチドを樹脂から切断すると同時に、他の側鎖保護基をすべてペプチドから外した。樹脂残渣を濾別し、少量の純TFAで洗浄した。濾液及び洗浄液を回収し、ロータリーエバポレータで濃縮し、ジエチルエーテルで倍散し、粗生成物を得た。沈殿を遠心分離で単離し、エーテルで洗浄した後、50%ACN−0.1%TFA水溶液から凍結乾燥し、60mgの粗生成物を得た。
線状ペプチドの環化を、まずpH7.5(アンモニア水で調節)の50%ACN水溶液中で0.5mg/mlのペプチドを室温で60分間撹拌してチオエーテル架橋を形成することによって行った。環化生成物を凍結乾燥で単離した。次に、TFA−2%ジメチルスルホキシド中0.5mg/ml濃度でtBuの脱保護とジスルフィド形成を同時に室温で60分間かけて行うことによって、内部ジスルフィド架橋を形成した。TFAを減圧除去し、上記と同様にペプチドをエーテルから単離し、乾燥し、62mgの環化生成物を得た。粗生成物を分取用RP−HPLCで精製した。カラム(Phenomenex Luna C18 10μ、50×250mm)は、流速50ml/分で60分間、0.1%TFA水溶液中の15〜20%アセトニトリル(ACN)濃度勾配で溶出した。所望のピークを含む画分を回収し、凍結乾燥し、12mgの純粋な生成物(3)を得た。RP−HPLC分析条件:t=12.9分(Phenomenex Luna 5μ、4.6×250mm)、流速1ml/分、20分間で0.1%TFA水溶液中のACN濃度15〜20%、λ=214nm。エレクトロスプレーMS:生成物の[M+H]の予想値1458.5m/z、実測値1458.2m/z。
cPN216−グルタリル基のペプチド(3)への結合
DMF中のcPN216−グルタリル−テトラフルオロチオフェニルエステル(2当量)溶液を、DMF中のペプチド3(1当量、0.008mmol)の溶液に添加し、次いでNMM(6当量)を添加した。反応混合物を一晩撹拌した後、反応混合物から溶媒を減圧除去し、次いで分取用RP−HPLCで精製した。カラム(Phenomenex Luna C18 10μ、22×250mm)は、流速10ml/分で60分間、0.1%TFA水溶液中の13〜20%ACN濃度勾配で溶出した。所望のピークを含む画分を回収し、凍結乾燥し、8mgの純粋な化合物4を得た。RP−HPLC分析条件:t=18.4分(Phenomenex Luna 5μ、4.6×250mm、流速1ml/分、20分間で0.1%TFA水溶液中のACN含量15〜25%、λ=214nm)。エレクトロスプレーMS:生成物の[M+H]2+の予想値949.4m/z、実測値949.5m/z。
ペプチド(4)の 99m Tcによる標識
ペプチド(4)(0.1mg)を、生理食塩水又はメタノール(0.1ml)中で再構成し、賦形剤の凍結乾燥ツールボックスキット内に移した。アミンによるキレート化に適した汎用放射性標識条件を与えるよう設計されたツールボックスキットは、無水塩化スズ(II)(16μg)、メチレンジホスホン酸(25μg)、炭酸水素ナトリウム(4500μg)、炭酸ナトリウム(600μg)、p−アミノ安息香酸ナトリウム(200μg)を含んでおり、キットのpH=9.2である。過テクネチウム(99mTc)酸ナトリウム生理食塩水注射液(2.1GBq)(3ml)を添加し、キットを数回反転させて内容物を溶解し、室温で15〜20分間インキュベートした。試料をすぐにHPLC及びITLCで分析し、99mTc標識ペプチドを、キットの再構成から1〜3時間後に被検体に投与した。
実施例2
Cys2−6;c[CHCO−Lys(N−[5−スルホ−ナフタレン−2−イル]−Succ−Lys(N−[5−スルホ−ナフタレン−2−イル]−Succ)−Cys−Arg−Gly−Asp−Cys−Phe−Cys]−Gly−Lys−(Glut−cPn216)−NH(9)及びその99mTcキレート(9a)
Cys2−6;c[CH CO−Lys−Cys−Arg−Gly−Asp−Cys−Phe−Cys]−Gly−Lys−(Glut−cPn216)−NH 化合物7の合成
上記の実施例1に記載のペプチジル樹脂(1)を、手動窒素バブラー装置を用いてDMF中の2−アセチルジメドン(Dde−OH)の溶液で2時間処理して、Nε−Lysを保護した。2.5%のTISと2.5%の水を含むTFAで2時間処理して、部分保護ペプチドを樹脂から切り離した。反応混合物を実施例1と同様に処理し、ペプチドをエーテルから単離し、凍結乾燥して、70mgのClCHCO−Lys(Dde)−Cys(tBu)−Arg−Gly−Asp−Cys(tBu)−Phe−Cys−Gly−Lys−NH(5)を得た。
線状ペプチド(5)を、上記の実施例1に記載したチオエーテル架橋の形成によって環化し、粗生成物(78mg)を分取用RP−HPLCで精製した。カラム(Phenomenex Luna C18 10μ、50×250mm)は、流速50ml/分で60分間、0.1%TFA水溶液中の20〜45%ACN濃度勾配で溶出した。所望のピークを含む画分を回収し、凍結乾燥し、26mgの精製c[CHCO−Lys−Cys(tBu)−Arg−Gly−Asp−Cys(tBu)−Phe−Cys]−Gly−Lys−NH(6)を得た。RP−HPLC分析条件:t=16.35分(Phenomenex Luna 5μ、4.6×250mm、流速1ml/分、20分間で0.1%TFA水溶液中のACN濃度20〜50%、λ=214nm)。エレクトロスプレーMS:生成物の[M+H]2+の予想値716.8m/z、実測値716.7m/z。
DMF中のcPN216−グルタリル−テトラフルオロチオフェニルエステルキレート基(2当量)の溶液をペプチド6(1当量、0.009mmol)に添加し、次いでNMM(3当量)を添加し、混合物を一晩撹拌した。反応混合物に、2%溶液となるよう十分な量のヒドラジンを添加し、Nε−LysのDde基を外した。30分後、溶媒を減圧除去し、上記と同様の沈殿及び凍結乾燥によって生成物を単離した。最後にtBuの脱保護及びジスルフィド形成を実施例1に記載の通り行って、18mgのペプチド(7)を得た。
ペプチド7のN ε −Lys 部位への分岐Dahl酸基の導入
DMF中のN−(Nα,ε−ジ−Boc−リジルオキシ)スクシンイミド(3当量)の溶液を、ペプチド7(1当量、0.006mmol)に添加し、次いでNMM(5当量)を添加した。18時間後に反応を完結し、溶媒を減圧下で除去した。ペプチド残基を、2.5%のTISと2.5%の水を含むTFAで15分間処理して、Cys2−6;c[CHCO−Lys(N−Lys)−Cys−Arg−Gly−Asp−Cys−Phe−Cys]−Gly−Lys−(Glut−cPn216)−NH(8)を得て、これを上記と同様に沈殿及び凍結乾燥した。
N−(−5−スルホ−ナフタレン−2−イル)−スクシンアミド酸(3)(10当量)を、NMM(30当量)を含むDMF中のHATU(10当量)で活性化した。30分後に、この混合物を、DMF中のペプチド(8)(1当量)の溶液に添加して24時間反応させた。混合物を上記と同様に処理し、凍結乾燥ペプチド生成物を、分取用RP−HPLCで精製した。カラム(Phenomenex Luna C18 10μ、10×250mm)は、流速5ml/分で40分間、0.1%TFA水溶液中の10〜30%アセトニトリル(ACN)濃度勾配で溶出した。所望のピークを含む画分を回収し、凍結乾燥し、2mgの純粋なペプチド(9)を得た。RP−HPLC分析条件:t=17.4分(Phenomenex Luna 5μ、4.6×250mm、流速1ml/分、20分間で0.1%TFA水溶液中のACN濃度5〜30%、λ=214nm)。MALDI−TOF MS:生成物の[M+H]の予想値2330.95m/z、実測値2330.27m/z。
ペプチド9の 99m Tc標識
実施例1のペプチド4の標識について記載した条件下で、ペプチド9を99mTcで標識した。
実施例3
Cys2,6;c[CHCO−Lys(Cy5.5)−Cys−Arg−Gly−Asp−Cys−Phe−Cys]−Gly−Lys(Glut−cPn216)−NH(10)及びその99mTcキレート(10a)
Cy5.5とペプチド7とのカップリング
Cy5.5−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(2当量)をNMPに溶解し、溶液をペプチド7(1当量、0.005mmol)に添加し、次いでNMM(5当量)を添加した。反応は暗所で2日間進行せしめた。反応混合物を45℃のロータリーエバポレータで濃縮した後、0.1%TFA水溶液で希釈し、分取用RP−HPLCで精製した。カラム(Phenomenex Luna C18 10μ、22×250mm)は、流速10ml/分で60分間、0.1%TFA水溶液中の15〜30%ACN濃度勾配で溶出した。所望のピークを含む画分を回収し、凍結乾燥し、3.2mgの純粋なペプチド(10)を得た。分析RP−HPLC:t=20.9分(Phenomenex Luna 5μ、4.6×250mm、流速1ml/分、20分間で0.1%TFA水溶液中のACN濃度15〜30%、λ=214nm)。エレクトロスプレーMS:生成物の[M+H]2+の予想値1245.97m/z、実測値1246.1m/z。
ペプチド10の 99m Tc標識
実施例1のペプチド4の標識について記載した条件下で、ペプチド10を99mTcで標識した。
実施例4
Cys2,6;c[CHCO−Lys(8−チオウリル−ピレン−1,3,6−トリスルホン酸)−Cys−Arg−Gly−Asp−Cys−Phe−Cys]−Gly−BAEG−Glut−cPn216−NH(14)及びその99mTcキレート(14a)
Cys2,6;c[CH CO−Lys−Cys−Arg−Gly−Asp−Cys−Phe−Cys]−Gly−BAEG−Glut−cPn216−NH 化合物13の合成
上記配列に対応するペプチジル樹脂を、O−ビス−(アミノエチル)エチレングリコール(BAEG)トリチル樹脂(0.44mmol/g;NovaBiochem社製)で、実施例1のペプチジル樹脂と同様の方法を用いて合成した。Nε−Lysの保護基は、1−(4,4−デメチル−2,6−ジオキソシクロヘキシ−1−リデン)エチル(Dde)であった。構築したペプチジル樹脂を手動窒素バブラー装置に移し、N末端のFmocを脱保護し、DMF中でクロロ酢酸(20当量)とDIC(10当量)をDCM中で反応させて得たDMF中の10倍モル過剰の対称酸無水物を用いてクロロアセチル化した。2.5%のTISと2.5%の水を含むTFA中でペプチジル樹脂を2時間処理して、部分保護ペプチドを樹脂から切り離した。上記の実施例1と同様に反応混合物を処理し、ペプチドClCHCO−Lys(Dde)−Cys(tBu)−Arg−Gly−Asp−Cys(tBu)−Phe−Cys−Gly−DEG−NH(11)をエーテルから単離し、凍結乾燥した。
線状ペプチド(11)(30mg)を実施例1に記載のチオエーテル架橋の形成によって環化させ、粗生成物を分取用RP−HPLCで精製した。C−18カラム(Vydac 218TP1022 10μ、22×250mm)は、流速10ml/分で60分間、0.1%TFA水溶液中の25〜40%ACN濃度勾配で溶出した。所望のピークを含む画分を回収し、凍結乾燥して、15mgの純粋なペプチドc[CHCO−Lys(Dde)−Cys(tBu)−Arg−Gly−Asp−Cys(tBu)−Phe−Cys]−Gly−DEG−NH(12)を得た。RP−HPLC分析条件:t=19.2分(Phenomenex Luna 5μ、4.6×250mm、流速1ml/分、20分間で0.1%TFA水溶液中のACN濃度25〜40%、λ=214nm)。エレクトロスプレーMS:生成物の[M+H]の予想値1434m/z、実測値1434.6m/z。
ペプチド(12)(1当量、15mg)をDMFに溶解し、cPN216−グルタリル−テトラフルオロチオフェニルエステルキレート基(2当量)、次いでNMM(3当量)を添加し、混合物を一晩撹拌した。2%溶液とするのに十分な量のヒドラジンを反応混合物に添加してNε−LysのDde基を外した。30分後、溶媒を減圧除去し、上記と同様の沈殿及び凍結乾燥によって生成物を単離した。最後にtBuの脱保護及びジスルフィド形成を実施例1に記載の通り行った。完全に環化したペプチド(13)18mgが得られた。
8−イソチオシアノピレン−1,3,6−トリスルホン酸とペプチド13との結合
ペプチド13(1当量、5mg)をDMFに溶解し、NMMを少量添加し、pH8に調整した。DMF中の8−イソチオシアノピレン−1,3,6−トリスルホン酸3ナトリウム塩(5当量)の溶液を添加し、反応混合物を一晩撹拌した。RP−HPLC及びMS分析で反応をモニターし、生成物を分取用RP−HPLCを用いて精製した。カラム(Phenomenex Luna C18 10μ、22×250mm)は、流速10ml/分で60分間、0.1%TFA水溶液中の5〜60%ACN濃度勾配で溶出した。所望のピークを含む画分を回収し、凍結乾燥し、0.8mgの純粋なペプチド14を得た。RP−HPLC分析条件:t=2.04分(ブロードなピーク)(Phenomenex Luna 3μ、4.6×5mm、流速2ml/分、10分間で0.1%TFA水溶液中のACN含量10〜80%、λ=214nm)。エレクトロスプレーMS:生成物の[M+H]2+の予想値1047.8m/z、実測値1048.2m/z。
ペプチド14の 99m Tc標識
実施例1のペプチド4の標識について記載した条件下で、ペプチド14を99mTcで標識した。

Claims (8)

  1. 以下の一般式(I)の造影剤。
    1−L−V−Z2 (I)
    式中、
    1は式Y1Mのレポーター部分であって、Mは 99m Tcであり、Y1次の式(III)のキレート剤であり、
    2は2以上のスルホン酸基を含むシアニン色素であり、
    Lは共有結合又は以下の(i)〜(v)のいずれかであり、
    (i)アミノ酸残基数1〜10のペプチド、
    (ii)グリシン、リシン、アスパラギン酸又はセリン残基、
    (iii)1以上のジカルボン酸単位、エチレングリコール単位若しくはPEG様成分又はそれらの組合せからなるもの、
    (iv)1以上のジグリコリル単位、グリコリル単位若しくはスクシニル単位又はそれらの組合せからなるもの、又は
    (v)以下の式(V)の17−アミノ−5−オキソ−6−アザ−3,9,12,15−テトラオキサヘプタデカン酸の単分散PEG様構造からなるバイオモディファイヤー単位
    (式中、mは1〜10の整数であり、C末端単位はアミド基である。)
    Vは次の式(VI)の基であり、2つの環化架橋を含む。
    a−C(=O)−X1−X2−X3−G−D−X4−X5−X6 (VI)
    (式中、X1は共有結合又は1、2、3、4又は5個のアミノ酸残基であり、
    2及びX4は独立にジスルフィド結合又はチオエーテル結合を形成するシステイン又はホモシステイン残基、或いはアスパラギン酸及びリシンから選択される環化架橋を形成できるアミノ酸残基であり、
    3はアルギニン又はN−メチルアルギニンであり、
    5は疎水性アミノ酸であり、
    6はチオール含有アミノ酸残基であり、
    aはX2、X4又はX6のいずれかと架橋を形成できる−(CH2n−又は(CH2n−C64−基であり、
    nは1〜10の正の整数である。)
  2. 1が1、2、3、4又は5個のアミノ酸残基であって、1以上のアミノ酸残基が、アスパラギン酸、グルタミン酸、リシン、オルニチン、ジアミノ酪酸又はジアミノプロピオン酸から選択される、官能性側鎖を有するものである、請求項1記載の造影剤。
  3. 2及びX4が独立にシステイン又はホモシステイン残基である、請求項1又は請求項2記載の造影剤。
  4. 5がチロシン、フェニルアラニン、3−ヨードチロシン又はナフチルアラニン残基である、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の造影剤。
  5. 6がシステイン又はホモシステイン残基である、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の造影剤。
  6. インビボイメージングにおける画像コントラスト強調のための有効量の請求項1乃至請求項のいずれか1項記載の一般式(I)の造影剤又はその塩を、薬学的に許容される1種以上の補助剤、賦形剤又は希釈剤と共に含んでなる放射性医薬組成物。
  7. 放射性医薬組成物を投与したヒト又は動物の身体の強調画像を生成させる方法に使用される放射性医薬組成物の製造に用いるための請求項1乃請求項のいずれか1項記載の造影剤であって、上記方法が身体の少なくとも一部分の画像を生成させることを含む、造影剤。
  8. 請求項1乃請求項のいずれか1項記載の式(I)の放射性医薬組成物の製造用キットであって、当該キットがリガンド−キレートコンジュゲート及び還元剤を含んでおり、リガンド−キレートコンジュゲートが式Y1−L−V−Z2のものであり、Y1、L、V及びZ2は請求項1で定義した通りである、キット。
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