JP5115661B2 - 内燃機関の熱発生率推定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ディーゼルエンジンに代表される圧縮自着火式の内燃機関の熱発生率を推定する装置に係る。特に、本発明は、熱発生率推定精度の向上を図るための対策に関する。
従来から周知のように、自動車用エンジン等として使用されるディーゼルエンジン(以下、単にエンジンと呼ぶ場合もある)では、動力性能、燃焼音、排気エミッション、燃焼安定性、燃料消費率等といった各種の特性や制約が所定の目標範囲内となるように複雑な制御が行われている(例えば下記の特許文献1や特許文献2を参照)。
そして、上記各種の特性や制約が所定の目標範囲内となる燃焼状態を実現するための手段の一つとして、燃焼室内での燃料の着火時期を適正化することが挙げられる。つまり、燃料の着火時期をモニタしておき、その着火時期が適正時期になるように(例えばピストンの圧縮上死点(TDC)で拡散燃焼が開始するように)、制御パラメータ(燃料噴射時期や燃料噴射圧力等)を制御するものである。
一般に、燃焼室内における燃料の着火時期は、混合気の燃焼に伴って変化する熱発生率の変化(熱発生率波形として表される)から求めることが可能である。このため、この燃料の着火時期を高い精度でモニタしていくためには、熱発生率の変化(熱発生率波形)を正確に取得できるようにしておくことが不可欠である。
上記熱発生率は、燃焼室内の圧力(以下、「筒内圧力」と呼ぶ場合もある)に相関があるため、この筒内圧力を検出可能な筒内圧センサを備えさせ、検出された筒内圧力の変化に従って熱発生率波形を推定することが可能である。つまり、この筒内圧センサによって取得された筒内圧力データに基づいて熱発生率波形を求め、この熱発生率波形から燃料の着火時期を求めることが可能である。
尚、このようにして求められた熱発生率波形は、上述した燃料の着火時期を求める場合ばかりでなく、その他、燃焼重心や熱発生率のピーク値や燃焼開始時の熱発生率変化勾配等を求める場合にも適用可能であり利用範囲は広い。
特開2005−232990号公報 特開2004−3415号公報 再公表特許WO2003/033896号公報
しかしながら、上記筒内圧センサによって取得された筒内圧力データには誤差が含まれている。その誤差の原因としては、電気的なノイズの他に、筒内圧力の変化に伴って筒内圧センサと燃焼室との間で発生する気柱振動によるノイズが挙げられる。特に、この気柱振動によるノイズの周波数は、実際に筒内で発生する燃焼圧力波の周波数成分に近いため、上記熱発生率波形を正確に求めるための大きな障害となっている。
このように、筒内圧センサによって取得された筒内圧力データ自体の信頼性が低いために、それに基づいて作成される熱発生率波形も信頼性の低いものとなり、その結果、燃料の着火時期を高い精度で求めることができていないのが現状である。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、筒内圧センサによって取得された筒内圧力データに対して適切な処理を行うことで信頼性の高い熱発生率波形を求めることが可能な内燃機関の熱発生率推定装置を提供することにある。
−課題の解決原理−
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決原理は、筒内圧センサによって取得された筒内圧力データ中に含まれるノイズ成分(除去すべき周波数成分)は、燃焼場から筒内圧センサに亘る距離と、燃焼室内(筒内圧センサが挿入されている空間も含む)での圧力変化率とに相関があるとして、この距離と圧力変化率(燃焼速度と相関がある)とからフィルタリングする周波数帯(カットオフ周波数)を設定し、これにより、上記ノイズ成分の除去を可能にしている。
−解決手段−
具体的に、本発明は、圧縮自着火式内燃機関の燃焼室内に向けて燃料噴射弁から噴射された燃料が燃焼する際の熱発生率を、筒内圧力を検知可能な筒内圧センサの圧力検知信号に基づいて推定する内燃機関の熱発生率推定装置を前提とする。この熱発生率推定装置に対し、燃焼圧力波伝達経路取得手段、燃焼速度取得手段、カットオフ周波数を求める手段を備えさせる。燃焼圧力波伝達経路取得手段は、シリンダヘッドの下面、シリンダの内壁面、ピストンの頂面、このピストンの頂面に凹設された凹陥部により区画形成された空間およびその空間と上記筒内圧センサのセンシング部との間の空間の形状と上記燃料噴射弁からの燃料噴射時期とに基づいて、「燃料が燃焼する際における上記燃焼室内の中心位置における燃料の着火位置と上記筒内圧センサのセンシング部との間の最短距離である燃焼圧力波の伝達経路の長さ」を求める。燃焼速度取得手段は、上記燃焼室内での燃料の燃焼による「燃焼速度」を取得する。カットオフ周波数を求める手段は、上記燃焼圧力伝達経路取得手段により求められた燃焼圧力波の伝達経路の長さと、上記燃焼速度取得手段により求められた燃焼速度とに基づき、上記筒内圧センサにより検知された圧力データに対してフィルタリング処理によって排除する高周波数側の圧力データの下限周波数であるカットオフ周波数を求める。
また、上記燃焼速度取得手段による燃焼速度取得の手法として具体的には、内燃機関の回転速度と、燃料噴射圧力とに基づいて燃焼速度を求めるようにしている。
この特定事項により、上記筒内圧力の変化が筒内圧センサと燃焼室との間で振動することに起因する気柱振動等の周波数(ノイズの原因である周波数)を効果的に除去可能な「カットオフ周波数」を求めることが可能となる。つまり、この「カットオフ周波数」よりも高周波数側の圧力データを排除することで(ローパスフィルタ)、燃焼室内での燃焼に起因する燃焼圧力波を効率的に抽出することができ、熱発生率の変化を正確に推定可能となる。その結果、燃焼室内での燃料の着火時期の認識等を正確に行うことが可能になる。
より具体的な構成として、上記燃焼圧力波伝達経路取得手段は、燃料噴射弁の燃料噴射時期から燃焼圧力波の伝達経路の長さを求める燃焼場−筒内圧センサ間距離マップにより「燃焼圧力波の伝達経路の長さ」を取得し、上記燃焼速度取得手段は、内燃機関の回転速度及び燃料噴射圧力から燃焼速度を求める燃焼速度マップより「燃焼速度」を取得し、上記カットオフ周波数を求める手段は、上記燃焼場−筒内圧センサ間距離マップから取得された燃焼圧力波の伝達経路の長さと、上記燃焼速度マップから取得された燃焼速度とから、上記筒内圧センサにより検知された圧力データに対してフィルタリング処理によって排除する高周波数側の圧力データの下限周波数であるカットオフ周波数を求めるカットオフ周波数マップによりカットオフ周波数を取得する構成となっている。
本発明では、「燃焼圧力波の伝達経路の長さ」と「燃焼速度」とに基づき「カットオフ周波数」を求め、この「カットオフ周波数」によってフィルタリング処理された圧力データから熱発生率を推定するようにしている。このため、燃焼室内での燃焼に起因する燃焼圧力波を効率的に抽出することができ、熱発生率の変化を正確に推定可能となる。
図1は、実施形態に係るディーゼルエンジン及びその制御系の概略構成を示す断面図である。 図2は、ECU等の制御系の構成を示すブロック図である。 図3は、筒内圧センサの取り付け部分を示す断面図である。 図4は、熱発生率算出システムの概略を示すブロック図である。 図5は、燃焼場−筒内圧センサ間距離マップの一例を示す図である。 図6は、燃焼速度マップの一例を示す図である。 図7は、カットオフ周波数マップの一例を示す図である。 図8は、筒内圧力データに対して本発明に係るデータ処理を行うことにより得られた熱発生率波形の一例を示す図である。 図9は従来の手法で得られた熱発生率波形の例を示し、図9(a)はフィルタ無しで得られた熱発生率波形であり、図9(b)はフィルタ量が適正量よりも小さい場合に得られた熱発生率波形であり、図9(c)はフィルタ量が適正量よりも大きい場合に得られた熱発生率波形である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、自動車に搭載されたコモンレール式筒内直噴型多気筒(例えば直列4気筒)ディーゼルエンジン(圧縮自着火式内燃機関)に本発明に係る熱発生率推定装置を適用した場合について説明する。また、本実施形態では、エンジンの性能実験装置での実験によって後述する各種マップを作成し、これらをECUのROMに記憶させておき、このROMから各種マップ値を読み出して演算処理を実行することによって熱発生率波形を求め、拡散燃焼の開始時期の適正化を図るようにした場合について説明する。
上記各種マップの作成動作、及び、各種マップ値の演算処理による熱発生率波形の作成動作について説明する前に、本発明が適用されるディーゼルエンジンの概略構成について説明する。
−エンジンの構成−
図1は、本実施形態に係るエンジン1及びその制御系統の概略構成を示す図である。
このディーゼルエンジン1は、シリンダブロック2に形成されたシリンダ21内にピストン22が収容され、シリンダ21内を往復動するピストン22の運動が、コネクティングロッド23を介してクランクシャフト3の回転運動として伝達されるようになっている。
シリンダブロック2の上端面には、ピストン22の上側に燃焼室4を形成するシリンダヘッド5が固定されている。具体的に、上記燃焼室4は、シリンダブロック2の上部にガスケット24を介して取り付けられたシリンダヘッド5の下面と、シリンダ21の内壁面と、ピストン22の頂面25とにより区画形成されている。そして、ピストン22の頂面25の略中央部には、キャビティ(凹陥部)26が凹設されており、このキャビティ26も燃焼室4の一部を構成している。
尚、このキャビティ26の形状としては、その中央部分(シリンダ中心線P上)では凹陥寸法が小さく、外周側に向かうに従って凹陥寸法が大きくなっている。つまり、ピストン22が圧縮上死点近傍にある際、このキャビティ26によって形成される燃焼室4としては、中央部分では比較的容積の小さい狭小空間とされ、外周側に向かって次第に空間が拡大される(拡大空間とされる)構成となっている。
上記ピストン22は、上記コネクティングロッド23の小端部27がピストンピン28により連結されており、このコネクティングロッド23の大端部はエンジン出力軸であるクランクシャフト3に連結されている。これにより、シリンダ21内でのピストン22の往復移動がコネクティングロッド23を介してクランクシャフト3に伝達され、このクランクシャフト3が回転することでエンジン出力が得られるようになっている。
上記シリンダヘッド5には、燃焼室4に開口する吸気ポート51及び排気ポート52が形成されている。
吸気ポート51及び排気ポート52は、それぞれカム(図示せず)によって駆動される吸気バルブ53及び排気バルブ54により開閉される。
吸気ポート51には、外気を吸入するための吸気管6が接続され、吸気バルブ53が吸気ポート51を開く吸入行程の際に、ピストン22がシリンダ21内を降下して筒内負圧が生じると、吸気管6より吸入された外気が吸気ポート51を通って筒内へ流入する。
また、排気ポート52には、燃焼ガスを排出するための排気管7が接続され、排気バルブ54が排気ポート52を開く排気行程の際に、ピストン22の上昇により燃焼室4(筒内)から押し出された燃焼ガスが、排気ポート52を通って排気管7へ排出される。
燃料供給系には、高圧燃料を蓄圧するコモンレール8と、このコモンレール8に高圧燃料を圧送する燃料供給ポンプ(図示せず)と、コモンレール8に蓄圧された高圧燃料を燃焼室4に噴射する各気筒毎のインジェクタ81とを有し、電子制御ユニット(以下、ECU100と呼ぶ)により制御される。
コモンレール8は、燃料供給ポンプより供給された高圧燃料を所定の目標レール圧で貯留すると共に、その貯留された高圧燃料が、燃料配管82を介してインジェクタ81に供給される。コモンレール8の目標レール圧は、ECU100により設定される。具体的には、アクセル開度(機関負荷)とエンジン回転数等からエンジン1の運転状態を検出し、その運転状態に適した目標レール圧が設定される。
インジェクタ81は、シリンダ中心線Pに沿う起立姿勢で燃焼室4の略中央上部に配設されており、上記コモンレール8から導入される燃料を燃焼室4に向けて所定のタイミングで噴射するようになっている。
−ECU−
上記ECU100は、図2に示すように、CPU101、ROM102、RAM103及びバックアップRAM104などを備えている。ROM102は、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPU101は、ROM102に記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて各種の演算処理を実行する。RAM103は、CPU101での演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリである。バックアップRAM104は、例えばエンジン1の停止時にその保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
以上のCPU101、ROM102、RAM103及びバックアップRAM104は、バス107を介して互いに接続されるとともに、入力インターフェース105及び出力インターフェース106と接続されている。
入力インターフェース105には、クランクポジションセンサ90、レール圧センサ91、スロットル開度センサ92、エアフローメータ93、A/Fセンサ94、水温センサ95、アクセル開度センサ96、吸気圧センサ97、吸気温センサ98、筒内圧センサ99等が接続されている。
上記クランクポジションセンサ90は、所定のクランク角(例えば10°)毎にパルス信号を出力する。このクランクポジションセンサ90によるクランク角の検出手法の一例としては、クランクシャフト3と回転一体のロータ(NEロータ)90a(図1参照)の外周面の10°おきに外歯を形成しておき、この外歯と対面して電磁ピックアップで成る上記クランクポジションセンサ90を配置する。そして、クランクシャフト3の回転に伴って外歯がクランクポジションセンサ90の近傍を通過した際に、このクランクポジションセンサ90が出力パルスを発生するようになっている。
レール圧センサ91はコモンレール8内に蓄えられている燃料の圧力に応じた検出信号を出力する。スロットル開度センサ92は吸気管6に設けられた図示しないスロットルバルブ(ディーゼルスロットル)の開度を検出する。エアフローメータ93は吸気管6内のスロットルバルブ上流において吸入空気の流量(吸入空気量)に応じた検出信号を出力する。A/Fセンサ94は排気管7に設けられた図示しない触媒の下流側において排気中の酸素濃度に応じて連続的に変化する検出信号を出力する。水温センサ95はエンジン1の冷却水温に応じた検出信号を出力する。アクセル開度センサ96はアクセルペダルの踏み込み量に応じた検出信号を出力する。吸気圧センサ97は吸気管6に配置され、吸入空気圧力に応じた検出信号を出力する。吸気温センサ98は吸気管6に配置され、吸入空気の温度に応じた検出信号を出力する。筒内圧センサ99は、各気筒毎にシリンダヘッド5に取り付けられ、各気筒の気筒内圧力をそれぞれ検出して、ECU100に出力する。
一方、出力インターフェース106には、上記インジェクタ81、スロットルバルブ57、図示しないEGR装置に備えられたEGRバルブ58等が接続されている。
図3は、上記筒内圧センサ99の取り付け部分を示す断面図である。この筒内圧センサ99は、上記シリンダヘッド5に形成された筒内圧センサ装着孔55に、センサアダプタ56を介して保持されている。具体的には、上記筒内圧センサ装着孔55は断面円形の貫通孔で形成されている。また、上記センサアダプタ56は、外径寸法が上記筒内圧センサ装着孔55の内径寸法に一致する略円筒形状で成り、その中心部には上記筒内圧センサ99が装着されるセンサ挿入孔56aが形成されている。このセンサアダプタ56の先端部には、上記筒内圧センサ装着孔55の内部空間と上記センサ挿入孔56aとの間を連通する複数の(図3に示すものでは2個)の圧力導入孔56b,56bが形成されている。そして、上記センサ挿入孔56aに筒内圧センサ99が挿入され、この筒内圧センサ99の先端に設けられたセンシング部(受圧部)99aが上記圧力導入孔56b,56bに臨んでいる。このため、燃焼室4内で発生した燃焼圧は、燃焼室4内から筒内圧センサ装着孔55及び圧力導入孔56b,56bを経て筒内圧センサ99のセンシング部99aに達し、このセンシング部99aによって検出されるようになっている。
尚、このセンシング部99aによって検出された圧力の情報(圧力データ)には、筒内圧力の変化に伴って燃焼室4と筒内圧センサ99との間で発生する気柱振動によるノイズが含まれている。このノイズの除去については後述する。
上記ECU100は、上記した各種センサの出力に基づいて、エンジン1の各種制御を実行する。例えば、ECU100は、インジェクタ81の燃料噴射制御として、パイロット噴射(副噴射)とメイン噴射(主噴射)とを実行する。
上記パイロット噴射は、インジェクタ81からのメイン噴射に先立ち、予め少量の燃料を噴射する動作である。また、このパイロット噴射は、メイン噴射による燃料の着火遅れを抑制し、安定した拡散燃焼に導くための噴射動作であって、副噴射とも呼ばれる。また、本実施形態におけるパイロット噴射は、上述したメイン噴射による初期燃焼速度を抑制する機能ばかりでなく、気筒内温度を高める予熱機能をも有するものとなっている。つまり、このパイロット噴射の実行後、燃料噴射を一旦中断し、メイン噴射が開始されるまでの間に圧縮ガス温度(気筒内温度)を十分に高めて燃料の自着火温度に到達させるようにし、これによってメイン噴射で噴射される燃料の着火性を良好に確保するようにしている。
上記メイン噴射は、エンジン1のトルク発生のための噴射動作(トルク発生用燃料の供給動作)である。このメイン噴射での噴射量は、基本的には、エンジン回転数、アクセル操作量、冷却水温度、吸気温度等の運転状態に応じ、要求トルクが得られるように決定される。例えば、エンジン回転数(クランクポジションセンサ90の検出値に基づいて算出されるエンジン回転数)が高いほど、また、アクセル操作量(アクセル開度センサ96により検出されるアクセルペダルの踏み込み量)が大きいほど(アクセル開度が大きいほど)エンジン1のトルク要求値としては高く得られ、それに応じてメイン噴射での燃料噴射量としても多く設定されることになる。
尚、上述したパイロット噴射及びメイン噴射の他に、アフタ噴射やポスト噴射が必要に応じて行われる。このアフタ噴射は、排気ガス温度を上昇させるための噴射動作である。また、ポスト噴射は、排気系に燃料を直接的に導入して上記触媒の昇温を図るための噴射動作である。
上記インジェクタ81から噴射される燃料の圧力制御は、コモンレール8に蓄圧される燃料圧力を制御するもので、レール圧センサ91によって検出される実レール圧が目標レール圧と一致するように、燃料供給ポンプの吐出量(ポンプ吐出量)をフィードバック制御する。
具体的には、コモンレール内圧として、一般に、コモンレール8からインジェクタ81へ供給される燃料圧力の目標値、即ち目標レール圧は、エンジン負荷(機関負荷)が高くなるほど、及び、エンジン回転数(機関回転数)が高くなるほど高いものとされる。即ち、エンジン負荷が高い場合には燃焼室4内に吸入される空気量が多いため、インジェクタ81から燃焼室4内に向けて多量の燃料を噴射しなければならず、よってインジェクタ81からの噴射圧力を高いものとする必要がある。また、エンジン回転数が高い場合には噴射可能な期間が短いため、単位時間当たりに噴射される燃料量を多くしなければならず、よってインジェクタ81からの噴射圧力を高いものとする必要がある。このように、目標レール圧は一般にエンジン負荷及びエンジン回転数に基づいて設定される。尚、この目標レール圧は例えば上記ROM102に記憶された燃圧設定マップに従って設定される。つまり、この燃圧設定マップに従って燃料圧力を決定することで、インジェクタ81の開弁期間(噴射率波形)が制御され、その開弁期間中における燃料噴射量を規定することが可能になる。
また、インジェクタ81の噴射量制御は、インジェクタ81より噴射される噴射量及び噴射時期を制御するもので、エンジン1の運転状態に応じた最適な噴射量及び噴射時期を演算し、その演算結果に従ってインジェクタ81の電磁弁を駆動する。
−熱発生率推定動作−
次に、本実施形態の特徴とする動作である熱発生率推定動作について説明する。この熱発生率推定動作は、燃焼室4内での熱発生率(クランクシャフト3の単位回転角度当たりの熱発生量)の変化を算出することにより熱発生率波形を生成し、それに基づいて例えばメイン噴射で噴射された燃料の燃焼開始時期(拡散燃焼の開始時期)の推定などに役立てるものである。より具体的には、燃焼室4内での燃焼に伴う熱発生率は、筒内圧力に相関があるため、このことを利用し、上記筒内圧センサ99によって検出された筒内圧力から熱発生率を推定するようにしている。
この熱発生率推定動作の概略について説明する。図4は、本実施形態に係る熱発生率算出システムの概略を示すブロック図である。この図4に示すように、先ず、上記筒内圧センサ99からの生圧力データを取得する。この生圧力データは、所定時間毎(例えば数msec毎)またはクランクシャフト3の所定回転角度毎(例えば0.2°CA毎)に筒内圧センサ99によって検出された筒内圧力データである。
そして、この生圧力データをFFT(Fast Fourier Transform;高速フーリエ変換)によって周波数解析を行い、各周波数帯毎の筒内圧スペクトルを得る。その後、本発明の特徴であるフィルタ(このフィルタの詳細については後述する)によって、上記ノイズの原因である周波数帯を排除して熱発生率推定に必要なバンド(周波数帯)のみを抽出し、これをIFFT(Inverse Fast Fourier Transform;逆高速フーリエ変換)によって、フィルタリングされた筒内圧力データ(フィルタ後圧力データ)を演算する。そして、このフィルタ後圧力データにより、熱発生率を算出するようにしている。
具体的には、後述する各種マップは、エンジンの性能実験装置での実験によって取得された各種データから作成されて、上記ECU100のROM102に記憶されている。
以下、上記フィルタによって熱発生率推定に必要なバンドのみを抽出するためのカットオフ周波数を設定したカットオフ周波数マップを含む各種マップの作成手順について説明する。各種マップの作成手順としては、(1)燃焼場−筒内圧センサ間距離マップの作成、(2)燃焼速度マップの作成、(3)カットオフ周波数マップの作成の順で行われる。
(燃焼場−筒内圧センサ間距離マップの作成)
燃焼場−筒内圧センサ間距離マップは、上記メイン噴射の噴射時期と、そのメイン噴射で噴射された燃料が拡散燃焼する際の燃焼場の中心(代表される燃焼場の着火位置:例えば図1における点X)と上記筒内圧センサ99のセンシング部99aとの距離(燃焼場と筒内圧センサ99との間の燃焼圧力波の伝達経路の長さ:以下、「燃焼場−筒内圧センサ間距離」と呼ぶ場合もある)との相関を表すものである。この燃焼場−筒内圧センサ間距離は、燃焼室4内での燃焼に伴って発生した燃焼圧力波が、燃焼室4、筒内圧センサ装着孔55及び圧力導入孔56bを経て筒内圧センサ99のセンシング部99aに達するまでの経路であるため、燃焼室4の形状によって長さが異なることになる。つまり、この燃焼場−筒内圧センサ間距離は、燃焼室4の形状(筒内圧センサ装着孔55及び圧力導入孔56bも含む)とインジェクタ81の燃料噴射時期とに基づいて規定されることになる。
図5は、この燃焼場−筒内圧センサ間距離マップの一例を示している。この燃焼場−筒内圧センサ間距離マップに従えば、メイン噴射の噴射時期を決定することで、上記「燃焼場−筒内圧センサ間距離」が取得できることになる。この燃焼場−筒内圧センサ間距離マップは、上述した如く実験(またはシミュレーション)によって作成されたものであり、メイン噴射で燃料が噴射された時点から化学的時間遅れをもって燃焼が開始された時点での燃焼場の中心(図1における点X)と上記筒内圧センサ99のセンシング部99aとの距離(例えばこれら両者間の最短距離)として求められる。つまり、燃焼場からの圧力波(燃焼圧力波)が筒内圧センサ99のセンシング部99aに達するまでの圧力伝播経路の長さが求まることになる。
尚、燃料の噴射時期が、この燃焼場−筒内圧センサ間距離マップ上に示されている値同士の間の値である場合には、所定の補間計算によって「燃焼場−筒内圧センサ間距離」が算出されることになる。
(燃焼速度マップの作成)
燃焼速度マップは、エンジン回転数及び燃料噴射圧力をパラメータとして燃焼室4内での燃焼速度を求めるためのマップである。
図6は、この燃焼速度マップの一例を示している。この燃焼速度マップに従えば、上記クランクポジションセンサ90の検出値に基づいて算出されるエンジン回転数、及び、レール圧センサ91によって検出されたコモンレール8の内部圧力(燃料噴射圧力に相当)から燃焼室4内での燃焼速度が求められることになる。この燃焼速度マップも、上述した如く実験(またはシミュレーション)によって作成されたものであり、エンジン回転数が高いほど、また、燃料噴射圧力が高いほど燃焼速度も高い値として得られるマップとなっている。
尚、エンジン回転数及び燃料噴射圧力が、この燃焼速度マップ上に示されている値同士の間の値である場合には、所定の補間計算によって燃焼速度が算出されることになる。
カットオフ周波数マップの作成)
カットオフ周波数マップは、上記燃焼場−筒内圧センサ間距離マップによって取得された「燃焼場−筒内圧センサ間距離」と、上記燃焼速度マップによって取得された「燃焼速度」とをパラメータとして、上記筒内圧センサ99から取得された筒内圧力データに対してフィルタリングを行う「カットオフ周波数」を求めるためのマップである。これは、筒内圧センサ99によって取得された筒内圧力データ中に含まれるノイズ成分(除去すべき周波数成分)は、燃焼場から筒内圧センサ99に亘る距離と、燃焼室4内での燃焼速度とに相関があるとして、この距離と燃焼速度とからフィルタリングする周波数帯を規定し、これにより、上記ノイズ成分を除去するための「カットオフ周波数」を求めるためのマップとして作成されている。つまり、この「カットオフ周波数」よりも高周波数側の圧力データを排除することで、燃焼室4内での燃焼に起因する燃焼圧力波を効率的に抽出することを可能にするものである。
図7は、このカットオフ周波数マップの一例を示している。このカットオフ周波数マップに従えば、上記「燃焼場−筒内圧センサ間距離」及び「燃焼速度」に基づいて上記「カットオフ周波数」が求められることになる。このカットオフ周波数マップも、上述した如く実験(またはシミュレーション)によって作成されたものであり、「燃焼場−筒内圧センサ間距離」が長いほど、また、「燃焼速度」が高いほど、「カットオフ周波数」としては高周波数に設定されることになる。
尚、「燃焼場−筒内圧センサ間距離」及び「燃焼速度」が、このカットオフ周波数マップ上に示されている値同士の間の値である場合には、所定の補間計算によって「カットオフ周波数」が算出されることになる。
以下、具体的な熱発生率推定動作について説明する。図4を用いて既に説明したように、先ず、燃焼行程を迎えている気筒での生圧力データの取得動作を行う。つまり、上記筒内圧センサ99による筒内圧力の検出動作を行う。この生圧力データの取得期間(サンプリング期間)としては、例えばクランクシャフト3の回転角度で、ピストン22の圧縮上死点前30°(BTDC30°CA)からピストン22の圧縮上死点後50°(ATDC50°CA)の期間として設定される。これら値はこれに限定されるものではなく任意に設定可能である。尚、この期間は、上記クランクポジションセンサ90からの検出信号に基づいて認識される。また、生圧力データの検出タイミングの間隔(サンプリングタイミング)としては、クランクシャフト3の回転角度で例えば0.2°CA毎または所定時間毎(例えば数msec毎)に設定されている。これら値はこれに限定されるものではなく、上記ECU100の演算処理能力に応じて適宜設定される。
そして、上記期間中に検出された複数の筒内圧力データをFFTによって周波数解析を行い、各周波数帯毎の筒内圧スペクトルを得る。
一方、現在の燃料噴射時期を上記燃焼場−筒内圧センサ間距離マップに当て嵌めることで上記「燃焼場−筒内圧センサ間距離」を取得する(燃焼圧力波伝達経路取得手段による燃焼圧力波の伝達経路の長さの取得)と共に、現在のエンジン回転数及び燃料噴射圧力を上記燃焼速度マップに当て嵌めることで上記「燃焼速度」を取得する(燃焼速度取得手段による燃焼速度の取得)。そして、これら「燃焼場−筒内圧センサ間距離」及び「燃焼速度」を上記カットオフ周波数マップに当て嵌めることで上記「カットオフ周波数」を得て(カットオフ周波数を求める手段によるカットオフ周波数の取得)、上記FFTによって解析された周波数のうち、この「カットオフ周波数」により規定された周波数帯(カットオフ周波数よりも低周波数側)のみを抽出する。
その後、この抽出された周波数帯の筒内圧力データをIFFTによって、フィルタリングされた筒内圧力データ(フィルタ後圧力データ)として取得する。そして、このフィルタ後圧力データにより、各クランク角度毎の熱発生率を算出し、これにより、燃焼室4内での実行された燃焼の熱発生率波形を作成する。
図8は、このようにして得られた熱発生率波形の一例を示す図である。この図8に示すように、殆どノイズを含むことなく、且つ燃焼室4内での燃焼状態を略正確に反映した熱発生率波形が得られている。そのことは、パイロット噴射及びメイン噴射の開始初期時に吸熱反応による熱発生率の減少が現れていることにより検証できる。この熱発生率波形により、燃焼室4内での実行されたメイン噴射での燃焼(拡散燃焼)の開始時期(熱発生率が負から正に移行した時点)は図中のタイミングTmであると推定される。尚、この熱発生率波形では、パイロット噴射での燃焼(予混合燃焼)の開始時期(熱発生率が負から正に移行した時点)も推定することが可能であり、その燃焼開始時期は図中のタイミングTpである。
図9は、従来の手法で得られた熱発生率波形の例を示し、図9(a)はフィルタ無しで得られた熱発生率波形であり、図9(b)はフィルタ量が適正量よりも小さい場合に得られた熱発生率波形であり、図9(c)はフィルタ量が適正量よりも大きい場合に得られた熱発生率波形である。
図9(a)に示す熱発生率波形では、筒内圧力の変化に伴って筒内圧センサ99と燃焼室4との間で発生する気柱振動によるノイズが多く、熱発生率の変化を認識することが不可能となっている。
図9(b)に示す熱発生率波形では、上記ノイズ成分が残っており、熱発生率の変化(特に、燃焼開始時期)を正確認識することが困難である。
図9(c)に示す熱発生率波形では、上記ノイズ成分は残っていないが、燃焼に起因する燃焼圧力波の一部(熱発生率波形に反映させるべき周波数帯の燃焼圧力波)がフィルタリングによって除去されているため、燃焼状態を正確に反映した熱発生率波形が得られていない。そのことは、パイロット噴射及びメイン噴射の開始初期時に吸熱反応による熱発生率の減少が殆ど現れていないことにより確認できる。
以上説明したように、本実施形態では、筒内圧力の変化に伴って筒内圧センサ99と燃焼室4との間で発生する気柱振動等の周波数(ノイズの原因となる周波数)を効果的に除去可能な「カットオフ周波数」を求めることが可能であり、この「カットオフ周波数」によってフィルタリング処理された圧力データに基づいて熱発生率波形を求めることが可能となる。このため、燃焼室4内での燃焼に起因する燃焼圧力波を効率的に抽出することができ、熱発生率の変化を正確に推定可能となって、燃焼室4内での燃料の着火時期の認識を正確に行うことが可能になる。
なお、このようにして燃料の着火時期が認識された際に、その着火時期が目標着火時期よりも遅角している場合には、インジェクタ81からの燃料噴射タイミングを進角側に補正したり、目標レール圧を高くするように補正したりすることで着火時期が目標着火時期に近付くような制御が実行される。逆に、認識された着火時期が目標着火時期よりも進角している場合には、インジェクタ81からの燃料噴射タイミングを遅角側に補正したり、目標レール圧を低くするように補正したりすることで着火時期が目標着火時期に近付くような制御が実行されることになる。
−他の実施形態−
以上説明した実施形態は自動車に搭載されたコモンレール式筒内直噴型多気筒ディーゼルエンジン1に本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、自動車以外に搭載されるディーゼルエンジンにも適用可能である。また、ディーゼルエンジンに限らず、ガソリンエンジンに対しても本発明は適用可能である。
また、上記実施形態では、筒内圧センサ99の配設構造として、圧力導入孔56bを有するセンサアダプタ56を介して筒内圧センサ99をシリンダヘッド5に支持するようにしていた。筒内圧センサ99の配設構造はこれに限定されるものではなく、シリンダヘッド5に形成された筒内圧センサ装着孔55にアダプタを介することなく筒内圧センサを挿入して支持するようにしてもよい。
また、本発明に係る熱発生率推定装置は、パイロット噴射やメイン噴射での熱発生率の推定には限定されず、上記アフタ噴射やポスト噴射での熱発生率の推定にも適用することが可能である。
また、上記実施形態において求められた熱発生率波形は、燃料の着火時期を求める場合ばかりでなく、その他、燃焼重心や熱発生率のピーク値や燃焼開始時の熱発生率変化勾配等を求める場合にも適用可能であり、その用途は特に限定されるものではない。
更に、上述した実施形態では、エンジンの性能実験装置での実験によって各種マップ(燃焼場−筒内圧センサ間距離マップ、燃焼速度マップ、カットオフ周波数マップ)を作成し、これらをECU100のROM102に記憶させておき、実機上でのエンジン運転状態において、ROM102から各種マップ値を読み出して演算処理を実行することによって熱発生率波形を求めるようにしていた。本発明はこれに限らず、上記燃料噴射時期、燃料噴射圧力、エンジン回転数からカットオフ周波数を演算により求め、それに基づいたフィルタリング処理によって熱発生率波形を求めるようにしてもよい。つまり、予めマップを作成しておくことなく、実機上での演算処理によって熱発生率波形を求めるものである。
本発明は、自動車に搭載されるコモンレール式筒内直噴型多気筒ディーゼルエンジンにおいて、燃焼の着火時期を正確に認識できる熱発生率波形を取得するための熱発生率推定に適用可能である。
1 エンジン(内燃機関)
4 燃焼室
5 シリンダヘッド
55 筒内圧センサ装着孔
56 センサアダプタ
56a センサ挿入孔
56b 圧力導入孔
81 インジェクタ(燃料噴射弁)
90 クランクポジションセンサ
91 レール圧センサ
99 筒内圧センサ
99a センシング部
100 ECU

Claims (3)

  1. 圧縮自着火式内燃機関の燃焼室内に向けて燃料噴射弁から噴射された燃料が燃焼する際の熱発生率を、筒内圧力を検知可能な筒内圧センサの圧力検知信号に基づいて推定する内燃機関の熱発生率推定装置において、
    シリンダヘッドの下面、シリンダの内壁面、ピストンの頂面、このピストンの頂面に凹設された凹陥部により区画形成された空間およびその空間と上記筒内圧センサのセンシング部との間の空間の形状と上記燃料噴射弁からの燃料噴射時期とに基づいて、「燃料が燃焼する際における上記燃焼室内の中心位置における燃料の着火位置と上記筒内圧センサのセンシング部との間の最短距離である燃焼圧力波の伝達経路の長さ」を求める燃焼圧力波伝達経路取得手段と、
    上記燃焼室内での燃料の燃焼による「燃焼速度」を求める燃焼速度取得手段と、
    上記燃焼圧力波伝達経路取得手段により求められた燃焼圧力波の伝達経路の長さと、上記燃焼速度取得手段により求められた燃焼速度とに基づき、上記筒内圧センサにより検知された圧力データに対してフィルタリング処理によって排除する高周波数側の圧力データの下限周波数であるカットオフ周波数を求める手段とが設けられていることを特徴とする内燃機関の熱発生率推定装置。
  2. 請求項1記載の内燃機関の熱発生率推定装置において、
    上記燃焼速度取得手段は、内燃機関の回転速度と、燃料噴射圧力とに基づいて燃焼速度を求めるよう構成されていることを特徴とする内燃機関の熱発生率推定装置。
  3. 請求項1または2記載の内燃機関の熱発生率推定装置において、
    上記燃焼圧力波伝達経路取得手段は、燃料噴射弁の燃料噴射時期から燃焼圧力波の伝達経路の長さを求める燃焼場−筒内圧センサ間距離マップにより「燃焼圧力波の伝達経路の長さ」を取得し、
    上記燃焼速度取得手段は、内燃機関の回転速度及び燃料噴射圧力から燃焼速度を求める燃焼速度マップにより「燃焼速度」を取得し、
    上記カットオフ周波数を求める手段は、上記燃焼場−筒内圧センサ間距離マップから取得された燃焼圧力波の伝達経路の長さと、上記燃焼速度マップから取得された燃焼速度とから、上記筒内圧センサにより検知された圧力データに対してフィルタリング処理によって排除する高周波数側の圧力データの下限周波数であるカットオフ周波数を求めるカットオフ周波数マップによりカットオフ周波数を取得するよう構成されていることを特徴とする内燃機関の熱発生率推定装置。
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