JP5045494B2 - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

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本発明は、内燃機関の燃料噴射制御装置に関し、特にメイン噴射に先立って行われるパイロット噴射における燃料の噴射量を設定する内燃機関の燃料噴射制御装置に関する。
内燃機関、特にディーゼルエンジンにおいて、排気の浄化を目的として、主たる燃料の噴射であるメイン噴射に先立って微量の燃料を噴射するパイロット噴射が行われている。パイロット噴射では、燃料の燃焼にともなう熱発生量が増大すると、メイン噴射前に燃焼室の温度が過大となり、スモークの発生を招く。一方、パイロット噴射が不十分になると、メイン噴射に着火遅れが生じ、騒音の増大を招く。そこで、特許文献1では、インジェクタの個体差あるいは経時的な噴射量の変化を低減し、安定したパイロット噴射量を設定することが提案されている。
特開平11−141386号公報
しかしながら、特許文献1の場合、安定した噴射量のパイロット噴射が可能であるものの、パイロット噴射による燃料は発熱をともなって燃焼する。そのため、燃料のセタン価や燃料の噴射量によっては、パイロット噴射における熱発生量が過大となり、スモークの排出量の増大を招くという問題がある。
そこで、本発明の目的は、パイロット噴射による燃料の噴射量をメイン噴射による燃料の着火が確保されつつ熱発生量が最小限となる噴射量に設定することにより、スモークの排出および騒音の低減を図る内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することにある。
請求項1記載の発明では、パイロット噴射量設定手段は、燃焼には至らない化学変化によって生じる熱発生量であってこれを超えるとメイン噴射によって噴射された燃料が炭化しスモークが排出する上限発生量となる噴射量に設定する。パイロット噴射によって高温および高圧の燃焼室に噴射された燃料は、化学的変化により例えばラジカルなどの活性種を生成する。そのため、パイロット噴射における燃料の噴射量を、熱発生量が上限熱発生量となる噴射量に設定することにより、メイン噴射時の燃焼の種となるものの燃焼に至らない活性種が生成される。燃焼に至らない燃料の活性種を生成することにより、燃焼室の温度の上昇を招かないだけでなく、メイン噴射時に噴射された燃料は活性種によって速やかに燃焼する。その結果、パイロット噴射による燃料の燃焼にともなう燃焼室の温度上昇を招かず、かつメイン噴射時における燃料の着火遅れを招かない。したがって、スモークの排出および騒音を低減することができる。
請求項記載の発明では、内燃機関の運転条件に応じて上限熱発生量を設定している。内燃機関の運転条件とは、例えば内燃機関の回転速度や負荷などを含んでいる。パイロット噴射時において燃料が燃焼しないものの活性種を生成する最小の燃料量は、内燃機関の運転条件によって変化する。例えば内燃機関の回転速度や負荷が大きなとき、上限熱発生量は大きくなる。したがって、内燃機関の運転条件に応じて上限熱発生量を設定することにより、内燃機関の運転状態に応じてスモークの排出および騒音を低減することができる。
請求項記載の発明では、内燃機関の環境条件に応じて上限熱発生量を設定している。内燃機関の環境条件とは、例えば内燃機関の燃焼室に吸入される吸気の温度や内燃機関を冷却する冷却水の温度などを含んでいる。パイロット噴射時において燃料が燃焼しないものの活性種を生成する最小の燃料量は、内燃機関の環境条件によって変化する。例えば内燃機関に吸入される吸気の温度や冷却水の温度が高いとき、上限熱発生量は大きくなる。したがって、内燃機関の環境条件に応じて上限熱発生量を設定することにより、内燃機関の周囲の環境に応じてスモークの排出および騒音を低減することができる。
請求項3記載の発明では、熱発生量検出手段は、燃焼室の圧力を検出する筒内圧センサを有している。燃焼室の圧力は燃料の燃焼によって変化し、その圧力は熱発生量に相関する。そのため、筒内圧センサで燃焼室の圧力を検出することにより、熱発生量の算出が可能となる。したがって、熱発生量を容易に検出することができる。
請求項記載の発明では、熱発生量検出手段は、内燃機関の回転数の変化を検出する回転速度センサを有している。内燃機関の回転速度は燃料の燃焼によって変化し、回転速度の変化量は熱発生量に相関する。そのため、回転速度センサで内燃機関の回転数の変化を検出することにより、熱発生量の算出が可能となる。したがって、熱発生量を容易に検出することができる。
請求項記載の発明では、熱発生量検出手段は、内燃機関の振動を検出する振動センサを有している。内燃機関は燃料の燃焼によって振動し、振動の大きさは熱発生量に相関する。そのため、振動センサで内燃機関の振動を検出することにより、熱発生量の算出が可能となる。したがって、熱発生量を容易に検出することができる。
以下、本発明の一実施形態による燃料噴射制御装置を適用したディーゼルエンジンシステムを図面に基づいて説明する。
図1に示すように、ディーゼルエンジンシステム10は、機関本体としてのディーゼルエンジン11を備えている。ディーゼルエンジン11は、複数の燃焼室12を有している。燃焼室12は、シリンダブロック13、図示しないシリンダヘッドおよび図示しないピストンとの間に形成される。燃料噴射制御装置14は、制御部15、回転検出部16、燃料噴射部17、熱発生量検出部18およびパイロット噴射量設定部19を有している。制御部15は、ディーゼルエンジンシステム10のECU(Engine Control Unit)などによって構成され、図示しないCPU、ROMおよびRAMなどからなるマイクロコンピュータを有している。制御部15は、ROMまたは図示しない記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムにしたがってディーゼルエンジンシステム10の全体を制御する。
回転検出部16は、回転センサ21を有している。回転センサ21は、ディーゼルエンジン11のクランクシャフト22の回転角度を検出する。回転検出部16は、回転センサ21で単位時間当たりのクランクシャフト22の回転角度を検出することにより、クランクシャフト22の回転速度を検出する。すなわち、回転センサ21は、特許請求の範囲の回転速度センサとしても機能する。制御部15は、回転数検出部23およびアクセルセンサ24に接続している。回転数検出部23は、回転検出部16の回転センサ21で検出したクランクシャフト22の回転速度からクランクシャフト22の回転数を検出する。回転数検出部23は、検出したクランクシャフト22の回転数を電気信号として制御部15へ出力する。アクセルセンサ24は、図示しないアクセルペダルの踏み込み量を検出する。アクセルセンサ24は、検出したアクセルペダルの踏み込み量を電気信号として制御部15へ出力する。制御部15は、回転数検出部23およびアクセルセンサ24から出力された電気信号からディーゼルエンジン11の運転条件を検出する。
燃料噴射部17は、インジェクタ25および噴射制御部26から構成されている。インジェクタ25は、ディーゼルエンジン11の各燃焼室12にそれぞれ設けられている。噴射制御部26は、ディーゼルエンジン11の運転条件に基づいてインジェクタ25からの燃料の噴射を制御する。噴射制御部26は、インジェクタ25の図示しない電磁駆動部への通電を断続することにより、インジェクタ25からの燃料の噴射を断続する。具体的には、噴射制御部26は、回転数検出部23およびアクセルセンサ24で取得したディーゼルエンジン11の回転数およびアクセルペダルの踏み込み量に基づいて、ディーゼルエンジン11の負荷を検出する。そして、噴射制御部26は、検出したディーゼルエンジン11の負荷に基づいて燃料の噴射量を設定する。噴射制御部26は、インジェクタ25からの一回の燃料噴射時期にインジェクタ25の電磁駆動部へ二回以上の通電を行う。これにより、インジェクタ25からは、メイン噴射およびパイロット噴射が実施される。
メイン噴射は、一回の燃料噴射時期において大部分の燃料が噴射される主たる噴射である。パイロット噴射は、メイン噴射に先立ってメイン噴射における燃料の噴射量よりも少量の燃料が噴射される。なお、メイン噴射およびパイロット噴射は、一回に限らず、複数回に分割してパルス状に実施してもよい。また、メイン噴射およびパイロット噴射だけでなく、メイン噴射の後あるいはパイロット噴射の前にさらなる燃料の噴射を実施してもよい。
パイロット噴射量設定部19は、上述の噴射制御部26で設定された燃料噴射量のうちパイロット噴射によって噴射される燃料量を設定する。パイロット噴射量設定部19は、パイロット噴射で噴射される燃料量を、パイロット噴射によって生じる熱発生量が上限熱発生量以下となる最大の噴射量に設定する。上限熱発生量は、予め設定されて制御部15のROMなどに記憶されている。
熱発生量検出部18は、ディーゼルエンジン11の各燃焼室12における熱発生量を検出する。熱発生量検出部18は、筒内圧センサ27および熱発生量算出部28を有している。筒内圧センサ27は、ディーゼルエンジン11の各燃焼室12にそれぞれ設けられている。筒内圧センサ27は、燃焼室12の圧力を検出する圧力センサである。筒内圧センサ27は、検出した燃焼室12の圧力を電気信号として熱発生量算出部28へ出力する。熱発生量算出部28は、クランクシャフト22が所定の角度回転するごとに、筒内圧センサ27から燃焼室12の圧力を取得する。熱発生量算出部28は、各燃焼室12の筒内圧センサ27から燃焼室12ごとに圧力を取得する。熱発生量算出部28は、筒内圧センサ27で検出した燃焼室の圧力に基づいて熱発生率dQを算出する。熱発生率dQは、クランクシャフト22の単位回転角度当たりの熱発生量である。熱発生量算出部28は、例えばパイロット噴射からメイン噴射までの間など所定期間内における熱発生率dQを積分することにより、各燃焼室12における熱発生量Qを算出する。
熱発生量算出部28は、例えば以下の式(1)に基づいて筒内圧センサ27で取得した燃焼室12の圧力Pから熱発生率dQ(J/deg)を算出する。なお、下記の式(1)は、筒内圧センサ27で算出した圧力Pから熱発生率dQを算出する式の一例である。式(1)において、Pは筒内圧センサ27で検出した筒内圧すなわち燃焼室12の圧力(kPa)である。また、Vは、燃焼室12の容積(m)であり、θはクランクシャフト22の回転角度(deg)であり、κは比熱比(−)である。
Figure 0005045494
次に、上記の構成によるディーゼルエンジンシステム10の作動について説明する。
(燃料噴射量設定の流れ)
図2に基づいて、パイロット噴射量設定部19によるパイロット噴射量の設定の流れについて説明する。パイロット噴射量設定部19は、ディーゼルエンジン11の運転条件を検出する(S101)。パイロット噴射量設定部19は、回転数検出部23で検出したディーゼルエンジン11の回転数およびアクセルセンサ24で検出したアクセルペダルの踏み込み量に基づいて、ディーゼルエンジン11の運転条件を検出する。運転条件は、ディーゼルエンジン11の回転数や負荷状態すなわちインジェクタ25からの燃料噴射量によって決定される。すなわち、ディーゼルエンジン11の回転数やアクセルペダルの踏み込み量によって運転条件は変化する。
パイロット噴射量設定部19は、ステップS101においてディーゼルエンジン11の運転条件を検出すると、上限熱発生量Qmを設定する(S102)。上限熱発生量Qmは、運転条件に応じて設定されている。上限熱発生量Qmとは、パイロット噴射によって噴射された燃料の化学変化にともなう熱発生量の上限値である。パイロット噴射で噴射された燃料は、高温で高圧の燃焼室12において化学変化を生じる。このとき、噴射された燃料は、化学変化にともなう酸素との結合によって大きな発熱をともなう燃焼に至ることなく、ラジカルなどの活性種を生成した状態となることが好ましい。すなわち、パイロット噴射によって噴射された燃料が燃焼に至ると、燃焼室12における熱発生量が増大し、燃焼室12の温度が上昇する。そのため、図3(A)に示すようにメイン噴射の前の熱発生量が増大し、燃焼室12の温度が過大となる。その結果、パイロット噴射による熱発生量が上限熱発生量Qmを超えると、メイン噴射によって噴射された燃料は炭化し、スモーク排出量の増大を招く。パイロット噴射において、熱発生量が上限熱発生量Qm以下であって、メイン噴射時の燃料の着火を促す活性種が十分に生成される燃料が噴射されると、図3(B)に示すように温度の上昇および着火遅れを招かない活性種が生成される。一方、パイロット噴射による噴射量が少なく、パイロット噴射によって噴射された燃料からラジカルなどの活性種の生成が不足すると、メイン噴射によって噴射された燃料のすみやかな燃焼が阻害される。その結果、メイン噴射で噴射された燃料に着火遅れが生じる。そのため、図3(C)に示すようにメイン噴射による熱発生量の増加に遅れが生じ、騒音の増大を招く。したがって、パイロット噴射量設定部19は、パイロット噴射によって噴射された燃料の化学変化による上限熱発生量Qmを設定する。パイロット噴射量設定部19で設定される上限熱発生量Qmは、Qm=0であってもよい。
運転条件に応じた上限熱発生量Qmは、例えば制御部15のROMなどにディーゼルエンジン11の回転数、アクセルペダルの踏み込み量あるいはインジェクタ25からの燃料噴射量に対応するマップ、あるいはこれらに基づく関数として記憶されている。したがって、パイロット噴射量設定部19は、ステップS101において検出した運転条件に基づいて上限熱発生量Qmを設定する。
また、上限熱発生量Qmは、ディーゼルエンジン11の運転条件だけでなく、ディーゼルエンジン11の環境条件に応じて変化させてもよい。環境条件は、例えばディーゼルエンジン11の燃焼室12へ吸入される吸気の温度あるいはディーゼルエンジン11を冷却する冷却水の温度によって決定される。また、ディーゼルエンジンシステム10が排気の一部を吸気へ還流するEGRを実施している場合、環境条件はEGR量や排気の温度によっても決定される。
このように、ディーゼルエンジン11の運転条件および環境条件に基づいて上限熱発生量Qmの設定が完了すると、パイロット噴射量設定部19はパイロット噴射量を設定する(S103)。噴射制御部26は、パイロット噴射量設定部19で設定されたパイロット噴射量に基づいてメイン噴射量を設定する。噴射制御部26は、ディーゼルエンジン11の運転条件に基づいてインジェクタ25から噴射する燃料の総量を算出する。噴射制御部26は、算出した燃料の総量からパイロット噴射量設定部19で設定されたパイロット噴射量を減じた量をメイン噴射量として設定する。噴射制御部26は、設定したパイロット噴射量およびメイン噴射量に基づいてインジェクタ25から燃料の噴射を実施する(S104)。
(パイロット噴射量設定の流れ)
上述した燃料噴射量設定の流れのステップS103において、パイロット噴射量設定部19はステップS102で設定した上限熱発生量Qmに基づいてパイロット噴射量を設定している。ここでは、図4に基づいてパイロット噴射量の設定の詳細な流れについて説明する。
パイロット噴射量設定部19は、熱発生量算出部28からパイロット噴射による実際の熱発生量Qを取得する(S201)。熱発生量算出部28は、筒内圧センサ27で検出した燃焼室12の圧力の変化に基づいてパイロット噴射による熱発生量Qを検出する。
パイロット噴射量設定部19は、熱発生量算出部28から取得した熱発生量Qが上限熱発生量Qm以下であるか否かを判断する(S202)。すなわち、パイロット噴射量設定部19は、ステップS201で取得した熱発生量Qがパイロット噴射によって噴射される燃料の化学変化に許容される上限熱発生量Qm以下であるかを判断する。
パイロット噴射量設定部19は、ステップS202において熱発生量Qが上限熱発生量Qm以下でないと判断すると、今回の燃料噴射時おけるパイロット噴射量を所定量減少して次回のパイロット噴射量を設定する(S203)。熱発生量Qが上限発生量Qm以下でない、すなわち熱発生量Qが上限熱発生量Qmよりも大きいとき、燃焼室12ではパイロット噴射によって噴射された燃料の燃焼によって温度が上昇している。そのため、パイロット噴射量設定部19は、今回の燃料噴射時におけるパイロット噴射量が過剰であるとして、次回の燃料噴射時のパイロット噴射量を減少させる。
一方、パイロット噴射量設定部19は、ステップS202において熱発生量Qが上限発生量Qm以下であると判断すると、前回の燃料噴射時におけるパイロット噴射による熱発生量Qxが0より大きいか否かを判断する(S204)。すなわち、パイロット噴射量設定部19は、前回の燃料噴射時におけるパイロット噴射において、噴射された燃料の化学変化によって熱が発生したか否かを判断する。
パイロット噴射量設定部19は、ステップS204において前回の燃料噴射時におけるパイロット噴射による熱発生量Qxが0より大きくないと判断すると、今回の燃料噴射時におけるパイロット噴射量を所定量増加して次回のパイロット噴射量を設定する(S205)。前回のパイロット噴射による熱発生量Qxが0より大きくない、すなわち前回の熱発生量Qxが0以下であるとき、前回の燃料噴射時および今回の燃料噴射時におけるいずれのパイロット噴射でも、噴射された燃料に発熱をともなう化学変化が生じていないことになる。そのため、パイロット噴射量設定部19は、前回の燃料噴射時および今回の燃料噴射時におけるいずれのパイロット噴射でも、パイロット噴射量が不足であるとして、次回の燃料噴射時のパイロット噴射量を増加させる。
パイロット噴射量設定部19は、ステップS204において前回の燃料噴射時におけるパイロット噴射による熱発生量Qxが0より大きいと判断すると、今回の燃料噴射時におけるパイロット噴射量が適正であるとして処理を終了する。
以上のようにパイロット噴射量設定部19では、パイロット噴射による燃料の噴射量を設定している。噴射制御部26は、パイロット噴射量設定部19で設定されたパイロット噴射量に基づいてメイン噴射量を設定する。パイロット噴射量設定部19は、パイロット噴射による燃料の噴射量を、パイロット噴射によって噴射された燃料による熱発生量Qが上限熱発生量Qm以下となる最大量に設定する。すなわち、本実施形態の場合、パイロット噴射によって燃焼室12に噴射された燃料は、熱発生量Qが上限熱発生量Qm以下を維持しつつラジカルなどの活性種を生成する。これにより、パイロット噴射によって燃料が噴射されても、燃焼室12では温度の上昇を招くことなく、後続するメイン噴射時の着火を促す活性種が生成される。したがって、メイン噴射に先立つパイロット噴射を実施することにより、燃焼室12の温度上昇にともなうスモークを排出することができるとともに、活性種の生成不足による着火遅れにともなう騒音も低減することができる。
また、本発明の一実施形態では、上限熱発生量Qmは、ディーゼルエンジン11の回転数やアクセルペダルの踏み込み量などの運転条件、および吸気の温度やディーゼルエンジン11の冷却水の温度などの環境条件に応じて設定される。そのため、ディーゼルエンジン11の運転条件および環境条件の変化に応じて最適な上限熱発生量Qmが設定される。したがって、ディーゼルエンジン11の状態に応じてスモークの排出および騒音の低減を図ることができる。
また、本発明の一実施形態では、上限熱発生量QmはQm=0であってもよい。パイロット噴射によって噴射される燃料は、燃焼室12における温度の上昇すなわち熱の発生を招くことなく活性種を生成することが望ましい。すなわち、パイロット噴射によって噴射される燃料は、燃焼に至らず化学変化にともなう熱発生量が0であってもよい。そこで、上限熱発生量QmをQm=0に設定することにより、パイロット噴射によって噴射された燃料が化学変化によって熱を発生しない状態にパイロット噴射量を設定することができる。
また、本発明の一実施形態では、パイロット噴射による燃料の化学変化によって生じる熱発生量Qは筒内圧センサ27によって検出した燃焼室12の圧力すなわち筒内圧に基づいて検出される。燃焼室12の圧力はパイロット噴射によって噴射された燃料の燃焼によって変化し、その圧力は熱発生量Qに相関する。そのため、筒内圧センサ27で燃焼室12の圧力を検出することにより、パイロット噴射によって噴射された燃料の化学変化にともなう熱発生量Qが算出される。したがって、熱発生量Qを容易に検出することができる。
(その他の実施形態)
上述の一実施形態では、熱発生量Qを筒内圧センサ27で検出した燃焼室12の圧力に基づいて算出する例について説明した。しかし、熱発生量Qは、燃焼室12の圧力に限らず、ディーゼルエンジン11の回転数の変化から算出してもよい。例えば回転センサ21によって検出したクランクシャフト22の回転速度は、各燃焼室12においてパイロット噴射またはメイン噴射によって噴射された燃料が化学変化にともない熱を発生することにより変化する。このクランクシャフト22の回転速度の変化量は、燃焼室12における燃料の化学変化にともなう熱発生量に相関する。そのため、回転センサ21でクランクシャフト22の回転数の変化を検出することにより、熱発生量Qが算出される。したがって、熱発生量Qを容易に検出することができる。
また、熱発生量Qは、例えばディーゼルエンジン11の振動から算出してもよい。ディーゼルエンジン11に設けた振動センサにより検出する振動は、各燃焼室12においてパイロット噴射またはメイン噴射によって噴射された燃料が化学変化にともない熱を発生することにより変化する。このディーゼルエンジン11の振動の変化は、燃焼室12における燃料の化学変化にともなう熱発生量に相関する。そのため、振動センサでディーゼルエンジン11の振動を検出することにより、熱発生量Qが算出される。したがって、熱発生量Qを容易に検出することができる。
以上説明した本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
本発明の一実施形態による燃料噴射制御装置を適用したディーゼルエンジンシステムを示す模式図 本発明の一実施形態による燃料噴射制御装置による燃料噴射量の設定の流れを示す概略図 燃料の噴射量と熱発生量との関係を示す概略図 本発明の一実施形態による燃料噴射制御装置によるパイロット噴射量の設定の流れを示す概略図
符号の説明
図面中、11はディーゼルエンジン(内燃機関本体)、12は燃焼室、17は燃料噴射部(燃料噴射手段)、18は熱発生量検出部(熱発生量検出手段)、19はパイロット噴射量設定部(パイロット噴射量設定手段)、21は回転センサ(回転速度センサ)、25はインジェクタ、26は噴射制御部、27は筒内圧センサ、28は熱発生量算出部を示す。

Claims (5)

  1. 複数の燃焼室を有する内燃機関本体と、
    前記燃焼室にそれぞれ設けられているインジェクタを有し、前記インジェクタから前記燃焼室へ主たる燃料の噴射となるメイン噴射、および前記メイン噴射に先立って前記メイン噴射における噴射量より少ない燃料を噴射するパイロット噴射を実施する燃料噴射手段と、
    前記燃焼室における前記パイロット噴射による熱発生量を検出する熱発生量検出手段と、
    焼には至らない化学変化によって生じる熱発生量であってこれを超えると前記メイン噴射によって噴射された燃料が炭化しスモークが排出する上限熱発生量を前記内燃機関本体の運転条件に応じて設定し、前記熱発生量検出手段で検出した前記パイロット噴射による熱発生量に基づいて前記パイロット噴射による燃料を前記上限熱発生量となる噴射量に設定するパイロット噴射量設定手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 前記パイロット噴射量設定手段は、前記内燃機関本体の環境条件に応じて前記上限熱発生量を設定することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 前記熱発生量検出手段は、前記燃焼室にそれぞれ設けられ、前記燃焼室の圧力を検出する筒内圧センサを有することを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  4. 前記熱発生量検出手段は、前記内燃機関本体の回転速度の変化を検出する回転速度センサを有することを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  5. 前記熱発生量検出手段は、前記内燃機関本体の振動を検出する振動センサを有することを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関の燃料噴射制御装置
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