JP2015117661A - エンジンの燃料噴射制御装置 - Google Patents

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    • F02D41/30Controlling fuel injection
    • F02D41/3094Controlling fuel injection the fuel injection being effected by at least two different injectors, e.g. one in the intake manifold and one in the cylinder

Abstract

【課題】ポート噴射インジェクタと筒内噴射インジェクタとを備えたエンジンにおいて、吸気バルブの傘裏部へのデポジットの付着を抑制すること。【解決手段】電子制御装置(ECU)40は、エンジン1の運転状態に基づきポート噴射インジェクタ10と筒内噴射インジェクタ11を制御する。ECU40は、運転状態が、吸気バルブ15の傘部15bの傘裏部にデポジットが付着し易くなる所定の運転状態となるときに、気筒へ毎サイクル供給されるべき燃料噴射量の一部をポート噴射インジェクタ10により噴射し、残りを筒内噴射インジェクタ11により噴射する。詳しくは、ECU40は、ポート噴射インジェクタ10からの噴射燃料により吸気バルブ15を冷却するために、エアフローメータ30により検出される吸気量が第1所定値より大きくなるほど、ポート噴射インジェクタ10からの燃料噴射量の割合を増大させる。【選択図】 図1

Description

この発明は、吸気ポートに燃料を噴射するポート噴射インジェクタと、気筒内に燃料を噴射する筒内噴射インジェクタとを備えたエンジンに係り、それら2系統のインジェクタによりエンジンへ燃料を噴射供給するエンジンの燃料噴射制御装置に関する。
従来、この種の技術として、例えば、下記の特許文献1に記載された技術が知られている。一般に、ポート噴射インジェクタにより吸気ポートへ燃料を噴射すること(以下「ポート噴射」と言う。)により、空気と燃料とを十分に混合させて均質性の高い燃焼を実現することができる。一方、筒内噴射インジェクタにより気筒内(燃焼室内)へ燃料を直接噴射する(以下「筒内噴射」と言う。)場合は、任意の時期、例えば、圧縮行程後期に燃料を噴射供給することができ、それによって成層燃焼を行うことにより、燃費性能の向上を図ることができる。また、筒内噴射インジェクタにより吸気行程に燃料を噴射供給することもでき、この場合は、燃料の拡散時間を長くとり、空気と燃料との混合を促進させて均質燃焼を行うことができる。この均質燃焼の際に燃焼室に直接噴射された燃料の気化に伴い気筒内が冷却されることにより、筒内噴射インジェクタの噴射孔へのデポジットの堆積を抑制することができる。図14に、ポート噴射と筒内噴射を行った場合の吸気バルブの傘部の温度と傘部の傘裏部におけるデポジット付着量との関係の一例をグラフにより示す。
ところが、ポート噴射インジェクタと筒内噴射インジェクタの噴射タイミングによっては、各々のインジェクタの着座音(閉弁音)が重なって騒音が増大するおそれがあった。そこで、特許文献1に記載の技術では、ポート噴射インジェクタと筒内噴射インジェクタの閉弁時期がそれぞれ一定時間内にあるときは、その閉弁時期を変更することでポート噴射インジェクタと筒内噴射インジェクタの実閉弁時期が一定時間内に重ならないようにしている。
特開2005−226575号公報
ところが、特許文献1に記載の技術では、筒内噴射により吸気バルブの傘裏部にブローバイガス等に含まれるオイルが付着してデポジットの生成が進行することがあった。また、このデポジットにより吸気バルブが固着したり、剥がれたデポジットが吸気バルブに噛み込まれて吸気漏れの原因になったりするおそれがあった。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ポート噴射インジェクタと筒内噴射インジェクタとを備えたエンジンにおいて、ポート噴射インジェクタからの燃料噴射による冷却効果と洗い流し効果を活用することにより、吸気バルブの傘裏部へのデポジットの付着を抑制することを可能としたエンジンの燃料噴射制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、エンジンの気筒に通じる吸気ポートへ燃料を噴射するポート噴射インジェクタと、気筒の中へ燃料を直接噴射する筒内噴射インジェクタと、エンジンは、吸気ポートを開閉する吸気バルブと、気筒に通じる排気ポートを開閉する排気バルブとを備え、吸気バルブ及び排気バルブはそれぞれ傘部を含むことと、エンジンの運転状態を検出するための運転状態検出手段と、検出される運転状態に基づきポート噴射インジェクタと筒内噴射インジェクタをそれぞれ制御する制御手段とを備えたエンジンの燃料噴射制御装置において、制御手段は、検出される運転状態が、吸気バルブの傘部の傘裏部にデポジットが付着し易くなる所定の運転状態となるときに、気筒へ毎回供給される燃料噴射量の一部をポート噴射量としてポート噴射インジェクタにより噴射し、燃料噴射量の残りの分を筒内噴射量として筒内噴射インジェクタにより噴射することを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、検出される運転状態が、吸気バルブの傘部の傘裏部にデポジットが付着し易くなる所定の運転状態となるときに、気筒へ毎回供給される燃料噴射量の一部がポート噴射量としてポート噴射インジェクタにより噴射され、燃料噴射量の残りの分が筒内噴射量として筒内噴射インジェクタにより噴射されるので、ポート噴射インジェクタから噴射される燃料により吸気バルブの傘部が冷却されると共に洗われる。
上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、制御手段は、ポート噴射インジェクタから噴射される燃料により吸気バルブを冷却するために、毎回供給される燃料噴射量の全体に対するポート噴射量の割合を、検出される運転状態が高回転及び高負荷となるほど増大させることを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項1に記載の発明の作用に加え、毎回供給される燃料噴射量の全体に対するポート噴射量の割合が高回転及び高負荷となるほど増大されるので、デポジットが生成され易い高回転及び高負荷となるほど吸気バルブの傘部がより多く冷却されると共に洗い流される。
上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、制御手段は、検出される運転状態が、吸気バルブの傘部が高温に加熱される所定の運転状態となるときに、ポート噴射インジェクタからの燃料噴射を遮断することを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項1又は2に記載の発明の作用に加え、吸気バルブの傘部が高温となる運転状態では、ポート噴射インジェクタからの燃料噴射が遮断されるので、ポート噴射インジェクタからの噴射燃料により傘部が冷却されなくなり、燃焼室での燃料燃焼により傘部が更に高温に加熱される。
上記目的を達成するために、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の発明において、エンジンは、クランクシャフトと、クランクシャフトが1回転する間に気筒を1往復するピストンとを含み、ピストンの往復動に連動して吸気バルブと排気バルブが開閉駆動されると共に、吸気行程、圧縮行程、爆発行程及び排気行程で1回の作動サイクルを完了するように構成され、制御手段は、ポート噴射インジェクタから噴射される燃料により吸気バルブを冷却するために、ポート噴射インジェクタによる燃料噴射を、検出される運転状態に基づき爆発行程から排気行程までの間で行うことを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項1乃至3の何れかに記載の発明の作用に加え、燃焼室での燃料燃焼により吸気バルブの傘部の温度が上昇する爆発行程から排気行程までの間のタイミングで、ポート噴射インジェクタからの燃料が噴射されるので、その燃料の気化潜熱によりその傘部が冷却される。
上記目的を達成するために、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れかに記載の発明において、制御手段は、ポート噴射インジェクタから噴射される燃料により吸気バルブを冷却する効果を持続させるために、検出される運転状態が低回転又は中回転となるときに、1回分のポート噴射量を複数回に分けてポート噴射インジェクタにより噴射することを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項1乃至4の何れかに記載の発明の作用に加え、1回分のポート噴射量が複数回に分けてポート噴射インジェクタから分割噴射されるので、複数回にわたって噴射される分だけ噴射開始から完了までの噴射の期間が長くなり、燃料噴射による冷却期間が長く確保される。
上記目的を達成するために、請求項6に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、制御手段は、ポート噴射インジェクタによる今回の燃料噴射と次回の燃料噴射との間隔を検出される運転状態に応じて変更することを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項2に記載の発明の作用に加え、ポート噴射インジェクタによる今回の燃料噴射と次回の燃料噴射との間隔がエンジンの運転状態に応じて変わるので、エンジンの運転状態に応じて傘部の冷却頻度が変えられる。
上記目的を達成するために、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、制御手段は、今回の燃料噴射と次回の燃料噴射との間隔を、検出される運転状態が低回転及び低負荷となるほど長く、高回転及び高負荷となるほど短くすることを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項6に記載の発明の作用に加え、吸気バルブの傘部がそれほど高温にならない低回転及び低負荷の運転状態では、ポート噴射インジェクタからの燃料噴射による傘部の冷却頻度が少なくなり、傘部が高温となる高回転及び高負荷の運転状態では、ポート噴射インジェクタからの燃料噴射による傘部の冷却頻度が増えることになる。
請求項1に記載の発明によれば、ポート噴射インジェクタから噴射される燃料による冷却効果と洗い流し効果を活用することにより、吸気バルブの傘裏部におけるデポジットの付着を抑制することができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、吸気バルブの傘裏部におけるデポジットの付着をより効果的に抑制することができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、傘裏部に付着したデポジットを焼き切ることができ、除去することができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の何れかに記載の発明の効果に加え、ポート噴射インジェクタから噴射される燃料による冷却効果を活用することにより、吸気バルブの傘裏部におけるデポジットの付着を抑制することができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至4の何れかに記載の発明の効果に加え、噴射燃料による傘部の冷却効果を高めることができ、デポジット付着の抑制効果を高めることができる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の効果に加え、エンジンの運転状態に応じてデポジットの生成を抑えることができる。
請求項7に記載の発明によれば、請求項6に記載の発明の効果に加え、デポジットが生成し易い高回転及び高負荷ほど傘裏部におけるデポジットの生成をより効果的に抑えることができる。
第1実施形態に係り、エンジンの燃料噴射制御装置を含むエンジンシステムを示す概略構成図。 第1実施形態に係り、吸気ポートの周辺(断面)と吸気バルブを示す拡大図。 第1実施形態に係り、燃料噴射量制御の処理内容の一例を示すフローチャート。 第1実施形態に係り、冷却水温に応じた水温補正吸気量を求めるために参照されるマップ。 第1実施形態に係り、吸気量に応じた第2ポート噴射比率を求めるために参照されるマップ。 第2実施形態に係り、燃料噴射時期制御の処理内容の一例を示すフローチャート。 第2実施形態に係り、エンジン回転速度に応じた各ポート噴射時期を求めるために参照されるマップ。 第2実施形態に係り、エンジンの燃焼サイクルにおける吸気バルブ傘部温度の変化であって、分割噴射時期制御等による変化を示すグラフ。 第2実施形態に係り、エンジンの燃焼サイクルにおける吸気バルブ傘部温度の変化であって、単発噴射時期制御等による変化を示すグラフ。 第3実施形態に係り、燃料噴射量制御の処理内容の一例を示すフローチャート。 第3実施形態に係り、平均吸気量に応じたポート噴射間隔を求めるために参照されるマップ。 第3実施形態に係り、吸気量に応じたカウンタ値を求めるために参照されるマップ。 第3実施形態に係り、ポート噴射時期とポート噴射間隔との関係を示すグラフ。 従来例に係り、ポート噴射と筒内噴射を行った場合の吸気バルブ傘部温度と傘裏部におけるデポジット付着量との関係の一例を示すグラフ。
<第1実施形態>
以下、本発明におけるエンジンの燃料噴射制御装置を具体化した第1実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
図1に、この実施形態のエンジンの燃料噴射制御装置を含むエンジンシステムを概略構成図により示す。自動車に搭載されたエンジンシステムは、周知の構造を有するレシプロタイプの多気筒エンジン1を備える。エンジン1の吸気ポート2には、吸気通路3が接続され、排気ポート4には、排気通路5が接続される。吸気通路3の入口には、エアクリーナ6が設けられる。
吸気通路3に設けられたスロットルバルブ7は、同通路3を通じて各気筒の燃焼室8に取り込まれる空気の量(吸気量)Gaを調節するために開閉される。このスロットルバルブ7は、運転席に設けられたアクセルペダル(図示略)の操作に連動して動作する。エアクリーナ6より下流の吸気通路3に設けられたエアフローメータ30は、吸気通路3を流れる吸気量Gaを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。スロットルバルブ7に対応して設けられたスロットルセンサ31は、同バルブ7の開度(スロットル開度)TAを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。スロットルバルブ7より下流のサージタンク9に設けられた吸気圧センサ32は、サージタンク9における吸気圧PMを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。
各気筒に対応して設けられた複数のポート噴射インジェクタ10は、各気筒に通じる吸気ポート2へ向けて燃料を噴射する。これらポート噴射インジェクタ10には、所定の燃料供給装置(図示略)により所定圧力の燃料が供給される。各ポート噴射インジェクタ10に供給された燃料は、同インジェクタ10が動作することにより、対応する吸気ポート2へと噴射さる。エアクリーナ6を介して外部から吸気通路3に吸入される空気は、各ポート噴射インジェクタ10から噴射される燃料とともに可燃混合気を形成して各気筒の燃焼室8へと取り込まれる。
各気筒に対応して設けられた複数の筒内噴射インジェクタ11は、各気筒の中、すなわち各燃焼室8の中へ燃料を直接噴射する。これら筒内噴射インジェクタ11には、所定の燃料供給装置(図示略)により所定圧力の燃料が供給される。各筒内噴射インジェクタ11に供給された燃料は、同インジェクタ11が動作することにより、対応する燃焼室8の中へ直接噴射さる。
各気筒に対応して設けられた点火プラグ12は、イグニションコイル13から出力される点火信号を受けて点火動作する。各点火プラグ12及びイグニションコイル13は、燃焼室8に取り込まれた燃料に点火するために動作する点火装置を構成する。
排気通路5に設けられた触媒コンバータ14は、各燃焼室8から排出される排気を浄化するための三元触媒を内蔵する。触媒コンバータ14より上流の排気通路5に設けられた酸素センサ33は、各燃焼室8から排気通路5へ排出される排気中の酸素濃度Oxを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。
エンジン1に設けられた水温センサ34は、エンジン1の内部を流れる冷却水の温度(冷却水温)THWを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。同じくエンジン1に設けられた回転速度センサ35は、クランクシャフト1aの回転速度をエンジン回転速度NEとして検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。
この実施の形態で、前述したエアフローメータ30、スロットルセンサ31、吸気圧センサ32、酸素センサ33、水温センサ34及び回転速度センサ35は、本発明のエンジン1の運転状態を検出するための運転状態検出手段の一例に相当する。
エンジン1には、各吸気ポート2を開閉する吸気バルブ15と、各排気ポート4を開閉する排気バルブ16が設けられる。図2に、吸気ポート2の周辺(断面)と吸気バルブ15を拡大図により示す。図1、図2に示すように、各吸気バルブ15は、周知の構造を有し、軸部15aの下端部に形成された傘部15bを含む。傘部15bは、吸気ポート2に面する傘裏部15cを含む。各排気バルブ16も、同様に傘部16bを含む。エンジン1は、クランクシャフト1aが1回転する間に各気筒を1往復する複数のピストン17を含む。このエンジン1は、周知のように、各気筒の燃焼室8にて燃料を爆発・燃焼させてピストン17を動作させ、クランクシャフト1aを回転させることにより動力を得るようになっている。このとき、ピストン17の往復動に連動して吸気バルブ15と排気バルブ16が開閉駆動されると共に、吸気行程、圧縮行程、爆発行程及び排気行程で1回の作動サイクルを完了するように構成される。
この実施の形態で、電子制御装置(ECU)40は、エアフローメータ30、スロットルセンサ31、吸気圧センサ32、酸素センサ33、水温センサ34及び回転速度センサ35から出力される各種信号を入力する。ECU40は、これら入力信号に基づいて燃料噴射制御及び点火時期制御等を実行するために、各ポート噴射インジェクタ10、各筒内噴射インジェクタ11及び各イグニションコイル13をそれぞれ制御するようになっている。
ここで、燃料噴射制御とは、エンジン1の運転状態に応じて各ポート噴射インジェクタ10及び各筒内噴射インジェクタ11による燃料噴射量及び燃料噴射時期を制御すること
を意味する。点火時期制御とは、エンジン1の運転状態に応じてイグニションコイル13を制御することにより、各点火プラグ12による点火時期を制御することを意味する。
この実施形態で、ECU40は、中央処理装置(CPU)と、所定の制御プログラム等を予め記憶したり、CPUの演算結果等を一時的に記憶したりする各種メモリと、これら各部と接続される外部入力回路及び外部出力回路とを備える。ECU40は、本発明の制御手段の一例に相当する。外部出力回路には、各ポート噴射インジェクタ10、各筒内噴射インジェクタ11及び各イグニションコイル13がそれぞれ接続される。外部入力回路には、エアフローメータ30をはじめ上記した各種センサ31〜35が接続され、各種エンジン信号が入力されるようになっている。
図3に、燃料噴射量制御の処理内容の一例をフローチャートにより示す。ECU40は、処理がこのルーチンへ移行すると、ステップ100で、エアフローメータ30の検出値に基づき吸気量Gaを取り込む。
次に、ステップ110で、ECU40は、吸気圧センサ32及び回転速度センサ35の検出値に基づき、エンジン回転速度NE及びエンジン負荷KLを取り込む。ここで、ECU40は、エンジン回転速度NEと吸気圧PMに基づいてエンジン負荷KLを求めることができる。
次に、ステップ120で、ECU40は、水温センサ34の検出値に基づき、冷却水温THWを取り込む。
次に、ステップ130で、ECU40は、吸気量Ga、エンジン回転速度NE及び冷却水温THWにより燃料噴射量TAUを求める。この燃料噴射量TAUは、各気筒に対する1回の噴射に要する燃料噴射量を意味する。ECU40は、所定のマップを参照することによりこれらパラメータGa,NE,THWに応じた燃料噴射量TAUを求めることができる。
次に、ステップ140で、ECU40は、エンジン回転速度NE、エンジン負荷KL及び冷却水温THWにより第1ポート噴射比率Kpf1を求める。ここで、第1ポート噴射比率とは、1回の燃料噴射量TAU全体に対するポート噴射インジェクタ10により噴射される燃料噴射量の割合であって、エンジン回転速度NE、エンジン負荷KL及び冷却水温THWに応じて求められる割合を意味する。ECU40は、所定のマップを参照することにより、これらパラメータNE,KL,THWに応じた第1ポート噴射比率Kpf1を求めることができる。
次に、ステップ150で、ECU40は、冷却水温THWにより水温補正吸気量Gathwを求める。ECU40は、例えば、図4に示すようなマップを参照することにより、冷却水温THWに応じた水温補正吸気量Gathwを求めることができる。このマップは、冷却水温THWがある温度a1よりも低い低温域では、水温補正吸気量Gathwが「0」になるように、ある温度a1よりも高い中高温域では、水温補正吸気量Gathwが曲線的に増加するように設定される。
次に、ステップ160で、ECU40は、吸気量Gaにより第2ポート噴射比率Kpf2を求める。ここで、第2ポート噴射比率とは、1回の燃料噴射量TAU全体に対するポート噴射インジェクタ10により噴射される燃料噴射量の割合であって、吸気量Gaに応じて求められる割合を意味する。ECU40は、例えば、図5に太線で示すマップを参照することにより、吸気量Gaに応じた第2ポート噴射比率Kpf2を求めることができる。このマップでは、吸気量Gaが第1所定値A1より小さい「吸気バルブ傘部低温域」では、ポート噴射インジェクタ10からの燃料噴射(ポート噴射)を遮断するために第2ポート噴射比率Kpf2が「0」となるように設定される。また。このマップでは、吸気量Gaが第1所定値A1から第1所定値A1よりも大きい第2所定値B1までの間の「吸気バルブ傘部デポジット発生域」では、ポート噴射量を増大させるために吸気量Gaが大きくなるほど(エンジン1が高回転かつ高負荷となるほど)第2ポート噴射比率Kpf2が曲線的に増加するように設定される。更に、このマップでは、吸気量Gaが第2所定値B1より大きい「吸気バルブ傘部高温域」では、ポート噴射を遮断するために第2ポート噴射比率Kpf2が「0」となるように設定される。
次に、ステップ170で、ECU40は、吸気量Gaが、第1所定値A1から水温補正吸気量Gathwを減算して得られる値以下であるか否かを判断する。この判断結果が肯定となる場合、ECU40は処理をステップ180へ移行し、この判断結果が否定となる場合、ECU40は処理をステップ240へ移行する。
ステップ180では、ECU40は、第1ポート噴射比率Kpf1を最終ポート噴射比率Kpfとして設定する。次に、ステップ190で、ECU40は、第1ポート噴射フラグXPF1を「1」に設定する。
次に、ステップ200で、ECU40は、ポート噴射量PTAUを求める。ECU40は、燃料噴射量TAUに最終ポート噴射比率Kpfを乗算することにより、このポート噴射量PTAUを求めることができる。
次に、ステップ210で、ECU40は、筒内噴射量DTAUを求める。ECU40は、燃料噴射量TAUに、「1」から最終ポート噴射比率Kpfを減算して得られた値を乗算することにより筒内噴射量DTAUを求めることができる。
次に、ステップ220で、ECU40は、ポート噴射量PTAUに基づき所定のタイミングでポート噴射インジェクタ10を制御する。
次に、ステップ230で、ECU40は、筒内噴射量DTAUに基づき所定のタイミングで筒内噴射インジェクタ11を制御し、処理をステップ100へ戻す。
一方、ステップ240では、ECU40は、吸気量Gaが、第2所定値B1から水温補正吸気量Gathwを減算して得られた値より小さいか否かを判断する。この判断結果が肯定となる場合、ECU40は処理をステップ250へ移行し、この判断結果が否定となる場合、ECU40は処理をステップ280へ移行する。
ステップ250では、ECU40は、第1ポート噴射比率Kpf1が第2ポート噴射比率Kpf2より小さいか否かを判断する。この判断結果が否定となる場合、ECU40は処理をステップ180へ移行し、この判断結果が肯定となる場合、ECU40は処理をステップ260へ移行する。
ステップ260では、ECU40は、第2ポート噴射比率Kpf2を最終ポート噴射比率Kpfとして設定する。次に、ステップ270で、ECU40は、第2ポート噴射フラグXPF2を「1」に設定し、処理をステップ200へ移行する。
一方、ステップ280では、ECU40は、最終ポート噴射比率Kpfを「0」に設定する。次に、ステップ290で、ECU40は、第1ポート噴射フラグXPF1を「0」に設定する。次に、ステップ300で、ECU40は、第2ポート噴射フラグXPF2を「0」に設定し、処理をステップ200へ移行する。
以上説明したこの実施形態のエンジンの燃料噴射制御装置によれば、ECU40は、検出される運転状態が、吸気バルブ15の傘部15bの傘裏部15c(図2参照)にデポジットが付着し易くなる所定の運転状態となるとき、各気筒へ毎サイクル供給されるべき燃料噴射量TAUの一部をポート噴射量PTAUとしてポート噴射インジェクタ10により噴射し、残りの筒内噴射量DTAUを筒内噴射インジェクタ11により噴射するようになっている。従って、ポート噴射インジェクタ10から噴射される燃料により吸気バルブ15の傘部15bが冷却されると共に洗われる。この結果、ポート噴射インジェクタ10から噴射される燃料による冷却効果と洗い流し効果を活用することにより、吸気バルブ15の傘部15bの傘裏部15cにおけるデポジットの付着を抑制することができる。
具体的には、ECU40は、図5に示す「吸気バルブ傘部デポジット発生域」にて、ポート噴射インジェクタ10から噴射される燃料により吸気バルブ15の傘部15bを冷却するために、運転状態として検出される吸気量Gaが第1所定値A1より大きくなるほど(エンジン回転速度NEとエンジン負荷KLが共に高くなるほど(高回転及び高負荷となるほど))、各気筒へ毎サイクル供給されるべき燃料噴射量TAUにおけるポート噴射
量PTAUの割合を増大させるようになっている。従って、デポジットが生成され易い高回転及び高負荷となるほど傘部15bがより多く冷却されると共に洗い流される。この結果、吸気バルブ15の傘部15bの傘裏部15cにおけるデポジットの付着をより効果的に抑制することができる。
また、この実施形態では、ECU40は、図5に示す「吸気バルブ傘部高温域」にて、吸気バルブ15の傘部15bを高温に加熱するために、運転状態として検出される吸気量Gaが第2所定値B1以上となるとき(エンジン回転速度NEとエンジン負荷KLが共に所定値より高くるとき)、ポート噴射量PTAUを「0」にしてポート噴射インジェクタ10からの燃料噴射を遮断するようになっている。従って、吸気バルブ15の傘部15bが高温となる運転状態では、ポート噴射インジェクタ10からの燃料噴射が遮断されるので、ポート噴射により傘部15bが冷却されなくなり、燃焼室8での燃料の燃焼により傘部15bが更に高温に加熱される。この結果、傘部15bの傘裏部15cに付着したデポジットを焼き切ることができ、除去することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明におけるエンジンの燃料噴射制御装置を具体化した第2実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下に説明する各実施形態において第1実施形態と同等の構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なった点を中心に説明する。
この実施形態では、第1実施形態の燃料噴射制御に併せて次のような燃料噴射時期制御を実行するようにした点で第1実施形態と構成が異なる。図6に、燃料噴射時期制御の処理内容の一例をフローチャートにより示す。
処理がこのルーチンへ移行すると、ECU40は、ステップ400で、吸気圧センサ32及び回転速度センサ34の検出値に基づきエンジン回転速度NE及びエンジン負荷KLをそれぞれ取り込む。
次に、ステップ410で、ECU40は、水温センサ34の検出値に基づき冷却水温THWを取り込む。
次に、ステップ420で、ECU40は、エンジン回転速度NE、エンジン負荷KL及び冷却水温THWにより通常ポート噴射時期Pcaを求める。通常ポート噴射時期Pcaは、ポート噴射インジェクタ10により燃料が噴射される時期であって、排気行程から吸気行程の間で設定されるタイミングを意味する。ECU40は、所定のマップを参照することにより、これらのパラメータNE,KL,THWに応じた通常ポート噴射時期Pcaを求めることができる。
次に、ステップ430で、ECU40は、第1ポート噴射フラグXPF1が「0」か否かを判断する。すなわち第1ポート噴射比率Kpf1を最終ポート噴射比率Kpfとして設定していないか否かを判断する。この判断結果が否定となる場合、ECU40は処理をステップ510へ移行し、この判断結果が肯定となる場合、ECU40は処理をステップ440へ移行する。
ステップ510では、ECU40は、通常ポート噴射時期Pcaによりポート噴射時期制御を行い、処理をステップ400へ戻す。すなわち、ECU40は、通常ポート噴射時期Pcaのタイミングでポート噴射インジェクタ10を動作させることによりポート噴射を行う。
一方、ステップ440では、ECU40は、第2ポート噴射フラグXPF2が「1」か否かを判断する。この判断結果が否定となる場合、ECU40は処理をステップ500へ移行し、この判断結果が肯定となる場合、ECU40は処理をステップ450へ移行する。
ステップ500では、ECU40は、吸気バルブ15の傘部15bの傘裏部15cに付着したデポジットを焼切るために、ポート噴射インジェクタ10によるポート噴射を禁止し、処理をステップ400へ戻す。
一方、ステップ450では、ECU40は、エンジン回転速度NEが第3所定値C1より低いか否かを判断する。この判断結果が肯定となる場合、ECU40は処理をステップ460へ移行し、この判断結果が否定となる場合、ECU40は処理をステップ480へ移行する。
ステップ460では、ECU40は、エンジン回転速度NEにより1回目ポート噴射時期INpca1と2回目ポート噴射時期INpca2をそれぞれ求める。ECU40は、例えば、図7に示すようなマップを参照することにより、エンジン回転速度NEに応じた各ポート噴射時期INpca1,INpca2を求めることができる。図7に示すマップおいて、1回目ポート噴射時期INpca1は、エンジン回転速度NEの違いにかかわらず、爆発行程における一定時期(約380(℃A))に設定される。また、2回目ポート噴射時期INpca2は、エンジン回転速度NEが「0」から中程度の領域(中回転領域)における「第3所定値C1」の間で増加するに連れて、爆発行程において徐々に遅角するように設定される。
ここで、図7に示すように、エンジン回転速度NEが高い領域(高回転領域)では、1回目のポート噴射のみ行われることになる。これは、高回転領域になるほどクランクシャフト1aの単位時間当たりの回転角変化量が大きくなるので、高回転条件では1回噴射で爆発行程から排気行程まで吸気バルブ15の傘部15bの冷却が可能になるためである。また、その逆にエンジン回転速度NEが低い領域(低回転領域)では、クランクシャフト1aの回転角変化量が小さくなるので、2回に分けて噴射する分割噴射をしないと爆発行程初期しか傘部15bの冷却ができなくなるからである。
次に、ステップ470では、ECU40は、吸気バルブ15の傘部15bを冷却するために、分割噴射時期制御を行う。すなわち、ECU40は、ポート噴射インジェクタ10による燃料噴射を2回のタイミングに分けて行う。具体的には、ECU40は、1回目ポート噴射時期INpca1に基づきポート噴射インジェクタ10を制御することにより、1回目のポート噴射を実行し、2回目ポート噴射時期INpca2に基づきポート噴射インジェクタ10を制御することにより、2回目のポート噴射を実行する。その後、ECU40は処理をステップ400へ戻す。
一方、ステップ480では、ECU40は、エンジン回転速度NEにより1回目ポート噴射時期INpca1を求める。ECU40は、例えば、図7に示すようなマップを参照することにより、エンジン回転速度NEに応じた第1ポート噴射時期INpca1を求めることが
できる。
次に、ステップ490で、ECU40は、吸気バルブ15の傘部15bを冷却するために、単発噴射時期制御を行う。すなわち、ECU40は、1回目ポート噴射時期INpca1に基づきポート噴射インジェクタ10を制御することにより単発のポート噴射を実行する。その後、ECU40は処理をステップ400へ戻す。
以上説明したこの実施形態の燃料噴射制御装置によれば、ECU40は、ポート噴射インジェクタ10から噴射される燃料により吸気バルブ15を冷却するために、ポート噴射を、検出される運転状態に基づいて吸気非同期(爆発行程から排気行程までの間)で行うようになっている。従って、吸気バルブ15の傘部15bの温度が上昇する爆発行程から排気行程のタイミングでその傘部15bに燃料が噴射されるので、その燃料の気化潜熱により傘部15bが冷却される。この結果、ポート噴射インジェクタ10から噴射される燃料による冷却効果により、吸気バルブ15の傘部15bの傘裏部15cにおけるデポジットの付着を抑制することができる。
また、この実施形態によれば、ECU40は、吸気バルブ15を冷却する効果を持続させるために、ポート噴射インジェクタ10による1回分の燃料噴射を、運転状態として検出されるエンジンの回転速度NEが第3所定値C1より低くなるときに2回に分けて行うようになっている。従って、1回分の燃料噴射量が2回に分けて分割噴射されるので、2回にわたって噴射される分だけ噴射開始から完了までの噴射の期間が長くなり、燃料噴射による冷却期間が長く確保される。この意味で、噴射燃料による傘部15bの冷却効果を高めることができ、デポジット付着の抑制効果を高めることができる。
図8に、エンジン1の燃焼サイクルにおける吸気バルブ15の傘部15bの温度の変化であって、分割噴射時期制御等による変化をグラフにより示す。図8において、太線は、本実施形態に係り、筒内噴射とポート噴射の両方を行った場合を示す。破線は、比較例に係り、筒内噴射のみを行った場合を示す。このグラフから明らかなように、筒内噴射のみの場合は、筒内噴射とポート噴射の両方を行った場合に比べて、傘部15bの温度が全燃焼サイクルを通じて相対的に高いことがわかる。特に、この実施形態では、爆発行程の近傍においてポート噴射を2回に分けて行うことから、筒内噴射のみの場合と比べて同時期における傘部15bの温度上昇を比較的長い期間にわたって効果的に抑えられることがわかる。
図9に、エンジン1の燃焼サイクルにおける吸気バルブ15の傘部15bの温度の変化であって、単発噴射時期制御等による変化をグラフにより示す。図9において、太線は、本実施形態に係り、筒内噴射とポート噴射の両方を行った場合を示す。破線は、比較例に係り、筒内噴射のみを行った場合を示す。このグラフから明らかなように、筒内噴射のみの場合は、筒内噴射とポート噴射の両方を行った場合に比べて、傘部15bの温度が全燃焼サイクルを通じて相対的に高いことがわかる。特に、この場合は、爆発行程の近傍においてポート噴射が1回だけ行うことから、ポート噴射を2回に分けて行う図8の場合と比べて同時期における傘部15bの温度低下の期間が短くなることがわかる。
<第3実施形態>
次に、本発明におけるエンジンの燃料噴射制御装置を具体化した第3実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
この実施形態では、燃料噴射量制御の処理内容の点で前記第1実施形態と異なる。図10に、燃料噴射量制御の処理内容の一例をフローチャートにより示す。図10のフローチャートでは、図3のフローチャートにおけるステップ190、ステップ270及びステップ300を削除し、図3のフローチャートにおけるステップ250と180及びステップ260との間にステップ600〜ステップ660の処理を設けた点で図3のフローチャートと異なる。
処理がこのルーチンへ移行し、処理がステップ250からステップ600へ移行すると、ECU40は、平均吸気量Gaaveを求める。ECU40は、例えば、今回以前に取り込まれた複数の吸気量Gaを相加平均することにより、この平均吸気量Gaaveを求めることができる。
次に、ステップ610で、ECU40は、平均吸気量Gaaveによりポート噴射間隔CPtimeを求める。すなわち、吸気バルブ15の傘部15bをポート噴射により冷却する間隔を求める。ポート噴射間隔CPtimeは、ポート噴射インジェクタ10からの今回のポート噴射と次回のポート噴射との間隔を意味する。ECU40は、例えば、図11に示すようなマップを参照することにより平均吸気量Gaaveに応じたポート噴射間隔CPtimeを求めることができる。このマップでは、平均吸気量Gaaveが増えるに連れてポート噴射間隔CPtimeが最大値から曲線的に徐々に短くなるように設定される。
次に、ステップ620で、ECU40は、吸気量Gaによりポート噴射間隔のカウンタ値CPf2を求める。ECU40は、例えば、図12に示すようなマップを参照することにより吸気量Gaに応じたカウンタ値CPf2を求めることができる。このマップでは、吸気量Gaが増えるに連れてカウンタ値CPf2が最大値から曲線的に徐々に小さくなるように設定される。
次に、ステップ630で、ECU40は、ポート噴射間隔の積算カウンタ値TCPf2(i)を求める。ECU40は、前回求められた積算カウンタ値TCPf2(i-1)に今回求められたカウンタ値CPf2を加算することにより、今回の積算カウンタ値TCPf2(i)を求めることができる。この積算カウンタ値TCPf2(i)により、傘部15bの温度状態を推定することができる。
次に、ステップ640で、ECU40は、今回求められた積算カウンタ値TCPf2
(i)がポート噴射間隔CPtimeより大きいか否かを判断する。この判断結果が否定とな
る場合、傘部15bの傘裏部15cにデポジットが発生していないものとして、ECU40は処理をステップ180へ移行する。この判断結果が肯定となる場合、傘部15bの
傘裏部15cにデポジットが発生したものとして、ECU40は処理をステップ650へ移行する。
ステップ650では、ECU40は、複数気筒のうち全気筒でポート噴射が未完了であるか否かを判断する。この判断結果が肯定となる場合、全気筒の傘部15bに対するポート噴射による冷却が未完了であるとして、ECU40は処理をステップ260へ移行する。この判断結果が否定となる場合、全気筒の傘部15bに対するポート噴射による冷却が完了し、傘部15bの温度がデポジット発生温度より低下したものとして、ECU40は処理をステップ660へ移行する。
ステップ660では、ECU40は、積算カウンタ値TCPf2(i)を「0」にリセッ
トした後、処理をステップ180へ移行する。
以上説明したこの実施形態におけるエンジンの燃料噴射制御装置によれば、前記第1実施形態の作用効果に加えて次のような作用効果を得ることができる。すなわち、ECU40は、ポート噴射インジェクタ10から噴射される燃料により吸気バルブ15の傘部15bを冷却するために、ポート噴射インジェクタ10による今回の燃料噴射と次回の燃料噴射との間隔、すなわちポート噴射の間隔が、エンジン1の運転状態に応じて変わるので、エンジン1の運転状態に応じて傘部15bの冷却頻度が変えられる。この結果、エンジン1の運転状態に応じて傘部15bの傘裏部15cにおけるデポジットの生成を抑えることができる。
この実施形態では、ECU40は、運転状態として検出される吸気量Ga(平均吸気量Gaave)が小さくなるほど(エンジン回転速度NE及びエンジン負荷KLが共に低くなるほど、すなわち低回転及び低負荷となるほど)ポート噴射インジェクタ10による今回の燃料噴射と次回の燃料噴射との間隔(ポート噴射間隔CPtime)が長くなるように設定し、吸気量Ga(平均吸気量Gaave)が大きくなるほど(エンジン回転速度NE及びエンジン負荷KLが共に高くなるほど、すなわち高回転及び高負荷となるほど)ポート噴射インジェクタ10による今回の燃料噴射と次回の燃料噴射との間隔(ポート噴射間隔CPtime)が短くなるように設定している。図13に、ポート噴射時期とポート噴射間隔CPtimeとの関係をグラフにより示す。このグラフから、断続的にポート噴射を行う場合に、今回のポート噴射と次回のポート噴射とのポート噴射間隔CPtime(例えば、1回目のポート噴射と2回目のポート噴射との間隔)は、平均吸気量Gaaveが大きくなるほど短くなり、頻繁にポート噴射が行わるようになることがわかる。従って、吸気バルブ15の傘部15bがそれほど高温にならない低回転及び低負荷の運転状態では、ポート噴射による傘部15bの冷却頻度が少なくなり、傘部15bが高温となる高回転及び高負荷の運転状態では、ポート噴射による傘部15bの冷却頻度が増えることになる。この結果、デポジットが生成し易い高回転及び高負荷ほど、傘部15bの傘裏部15cにおけるデポジットの生成をより効果的に抑えることができる。
なお、この発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で構成の一部を適宜変更することにより実施することもできる。
例えば、前記第2実施形態では、分割噴射時期制御によりポート噴射による1回分の燃料噴射量を2回に分けて噴射するように構成したが、2回のみならず3回や4回に分けて噴射するように構成することもできる。
この発明は、自動車用ガソリンエンジンの燃料噴射制御に利用することができる。
1 エンジン
1a クランクシャフト
2 吸気ポート
3 吸気通路
4 排気ポート
5 排気通路
7 スロットルバルブ
8 燃焼室
9 サージタンク
10 ポート噴射インジェクタ
11 筒内噴射インジェクタ
15a 軸部
15b 傘部
15c 傘裏部
16 排気バルブ
16a
16b 傘部
17 ピストン
30 エアフローメータ(運転状態検出手段)
31 スロットルセンサ(運転状態検出手段)
32 吸気圧センサ(運転状態検出手段)
33 酸素センサ(運転状態検出手段)
34 水温センサ(運転状態検出手段)
35 回転速度センサ(運転状態検出手段)
40 ECU(制御手段)
Ga 吸気量
PM 吸気圧
THW 冷却水温
NE エンジン回転速度
TAU 燃料噴射量
Gaave 平均吸気量
A1 第1所定値
B1 第2所定値
C1 第3所定値
PTAU ポート噴射量
DTAU 筒内噴射量

Claims (7)

  1. エンジンの気筒に通じる吸気ポートへ燃料を噴射するポート噴射インジェクタと、
    前記気筒の中へ燃料を直接噴射する筒内噴射インジェクタと、
    前記エンジンは、前記吸気ポートを開閉する吸気バルブと、前記気筒に通じる排気ポートを開閉する排気バルブとを備え、前記吸気バルブ及び前記排気バルブはそれぞれ傘部を含むことと、
    前記エンジンの運転状態を検出するための
    運転状態検出手段と、
    前記検出される運転状態に基づき前記ポート噴射インジェクタと前記筒内噴射インジェクタをそれぞれ制御する制御手段と
    を備えたエンジンの燃料噴射制御装置において、
    前記制御手段は、前記検出される運転状態が、前記吸気バルブの前記傘部の傘裏部にデポジットが付着し易くなる所定の運転状態となるときに、前記気筒へ毎回供給される燃料噴射量の一部をポート噴射量として前記ポート噴射インジェクタにより噴射し、前記燃料噴射量の残りの分を筒内噴射量として前記筒内噴射インジェクタにより噴射することを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記ポート噴射インジェクタから噴射される燃料により前記吸気バルブを冷却するために、前記毎回供給される前記燃料噴射量の全体に対する前記ポート噴射量の割合を、前記検出される運転状態が高回転及び高負荷となるほど増大させることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記検出される運転状態が、前記吸気バルブの前記傘部が高温に加熱される所定の運転状態となるときに、前記ポート噴射インジェクタからの燃料噴射を遮断することを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
  4. 前記エンジンは、クランクシャフトと、前記クランクシャフトが1回転する間に前記気筒を1往復するピストンとを含み、前記ピストンの往復動に連動して前記吸気バルブと前記排気バルブが開閉駆動されると共に、吸気行程、圧縮行程、爆発行程及び排気行程で1回の作動サイクルを完了するように構成され、
    前記制御手段は、前記ポート噴射インジェクタから噴射される燃料により前記吸気バルブを冷却するために、前記ポート噴射インジェクタによる燃料噴射を、前記検出される運転状態に基づき前記爆発行程から前記排気行程までの間で行う
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
  5. 前記制御手段は、前記ポート噴射インジェクタから噴射される燃料により前記吸気バルブを冷却する効果を持続させるために、前記検出される運転状態が低回転又は中回転となるときに、1回分の前記ポート噴射量を複数回に分けて前記ポート噴射インジェクタにより噴射することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
  6. 前記制御手段は、前記ポート噴射インジェクタによる今回の燃料噴射と次回の燃料噴射との間隔を前記検出される運転状態に応じて変更することを特徴とする請求項2に記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
  7. 前記制御手段は、前記今回の燃料噴射と前記次回の燃料噴射との間隔を、前記検出される運転状態が低回転及び低負荷となるほど長く、高回転及び高負荷となるほど短くすることを特徴とする請求項6に記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018184081A (ja) * 2017-04-26 2018-11-22 マツダ株式会社 エンジンの制御方法及びエンジンの制御装置
CN111947955A (zh) * 2020-07-31 2020-11-17 西安航天动力研究所 一种内底液流试验装置
CN112525509A (zh) * 2020-11-25 2021-03-19 西安航天动力研究所 一种实现快速装拆的内底液流装置

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