以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の実施形態に係る電子辞書との通信機能を有するパーソナルコンピュータ(電子機器)の外観構成を示す斜視図である。
パーソナルコンピュータ10と電子辞書20とは、赤外線データ通信IrDAによって相互にデータ通信する機能を備えている。
パーソナルコンピュータ10の外観は、入力部11と本体部12からなり、本体部12の内部にコンピュータであるCPUを中心とした電子回路が備えられ、またこの本体部12の側面に表示部13が設けられる。
そして、入力部11の側面に、電子辞書20側とのデータ通信を行う赤外線通信部14が設けられる。
電子辞書20の外観は、小型のキー入力部21と表示部22が折り畳み形式で一体化されており、そのキー入力部21の側面に、パーソナルコンピュータ10側とのデータ通信を行う赤外線通信部23が設けられる。
このような電子辞書20との通信機能を有するパーソナルコンピュータ10ににおいて、キー入力、あるいは外部記憶ファイルの読み込み、あるいは通信ネットワークを介して取り込まれた英文テキスト上の所望の単語を電子辞書20で検索する場合、表示部13に表示された英文テキスト上で検索対象となる所望の単語を範囲指定により反転表示Xさせる。すると、この反転表示Xされた検索対象の単語は、赤外線通信部14によって赤外線データに変換されて電子辞書20へ送信される。
電子辞書20では、その赤外線通信部23においてパーソナルコンピュータ10から受信された検索対象の単語が、内蔵の辞書メモリに記憶されている辞書データ上で検索され、この検索された辞書内容が表示部22に表示されてユーザに知らされる。
この際、パーソナルコンピュータ10の表示部13に表示されているテキスト画面の上端には、検索された辞書内容をパソコン10側で表示させるためのパソコン表示モードと電子辞書20側で表示させるための辞書表示モードとを切り換え設定するための表示モード設定エリア13a、検索種別を表示するための検索種別表示エリア13b、反転表示Xされた検索対象単語の検索開始を指示するためのサーチ指示エリア13cが備えられる。
図2は前記パーソナルコンピュータ10の電子回路の構成を示すブロック図である。
図3は前記電子辞書20の電子回路の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、パーソナルコンピュータ10は、コンピュータである制御部(CPU)15を備えている。
この制御部(CPU)15は、ハードディスクやフラッシュメモリ、半導体のROMやRAMなどを使用してなるメモリ16に記憶されている各種の制御プログラム、あるいはフロッピディスクなどの外部記憶媒体17から磁気ディスク装置などの記憶装置18に読み込まれた制御プログラム、あるいは通信ネットワークNに接続された外部のコンピュータ端末から伝送制御部19を介して取り込まれた制御プログラムに従って回路各部の動作制御を行うもので、これらの制御プログラムは、キーボードやポインティングデバイスなどからなる入力部11からの入力信号に応じて起動される。
そして、前記制御部(CPU)15に対し、入力部11、表示部13、赤外線通信部14、メモリ16、記憶装置18、伝送制御部19は、何れもデータ/コントロールバスBusを介して接続される。
前記メモリ16に記憶される制御プログラムとしては、電子辞書20との間で赤外線によってデータ通信し、単語の検索処理を行うための通信・辞書制御プログラム16a、文書作成処理や表作成処理、記憶装置18による外部記憶媒体17からのデータファイルの読み込み処理、通信ネットワークNを介した外部のコンピュータ端末との接続処理など、このパーソナルコンピュータ10によって実行可能な各種の処理を行うための各種アプリケーションプログラム16cが記憶される。
また、このメモリ16には、端末辞書IDテーブル16bが記憶される。
図4は前記パーソナルコンピュータ10のメモリ16に記憶される端末辞書IDテーブル16bのデータ内容を示す図である。
この端末辞書IDテーブル16bには、このパーソナルコンピュータ10との通信により利用可能な電子辞書が、その電子辞書の有する辞書の種別に応じた端末辞書IDによって登録されるもので、各種電子辞書20…の端末辞書ID(「IDje」「IDjapan」「IDkanji」など)と辞書種別(「和英」「国語」「漢和」など)のデータに対応付けられて、検索対象単語の種別(「日本語」「英語」など)を示す対象単語のデータ及び同一対象単語内で何れの種別の辞書を使用するかを指定する辞書指定データが共に登録される。
さらに、前記メモリ16には、表示部13におけるテキスト表示画面上の表示モード設定エリア13aにおいて選択的に設定されたパソコン表示モードか辞書表示モードかの表示モードのデータが記憶される表示モードメモリ16d、キー入力された文字列あるいはテキスト画面上で範囲指定された文字列として指定された検索対象となる単語のデータが記憶される指定単語メモリ16e、この指定単語メモリ16eに記憶された検索対象の単語に従い電子辞書10によって検索された辞書内容あるいは候補単語のデータが記憶される検索結果メモリ16f、前記各種アプリケーションプログラム16cに応じて得られた種々のデータが記憶されるアプリケーションデータメモリ16gなどが確保される。
図3に示すように、電子辞書20は、コンピュータである制御部(CPU)24を備えている。
この制御部(CPU)24は、ハードディスクやフラッシュメモリ、半導体のROMやRAMなどを使用してなるメモリ25に記憶されている電子辞書制御プログラム、あるいはROMカードなどの外部記憶媒体26からカード読み取り装置などの記憶装置27に読み込まれた電子辞書制御プログラム、あるいは通信ネットワークNに接続された外部のコンピュータ端末から伝送制御部28を介して取り込まれた電子辞書制御プログラムに従って回路各部の動作制御を行うもので、これらの電子辞書制御プログラムは、キーボードやポインティングデバイスなどからなる入力部21からの入力信号あるいは赤外線通信部23を介して受信されるパーソナルコンピュータ10などからの通信信号に応じて起動される。
そして、前記制御部(CPU)24に対し、入力部21、表示部22、赤外線通信部23、メモリ25、記憶装置26、伝送制御部28は、何れもデータ/コントロールバスBusを介して接続される。
前記メモリ25に記憶される電子辞書制御プログラムとしては、パーソナルコンピュータ10との間で赤外線によってデータ通信し、指定された検索対象単語に基づく辞書データの検索処理を行うための通信・辞書制御プログラム25aが記憶される。
また、このメモリ16には、本端末ID・辞書種別データ25bが記憶される。
図5は前記電子辞書20のメモリ25に記憶される本端末ID・辞書種別データ25bのデータ内容を示す図であり、同図(A)は電子辞書Aの本端末ID・辞書種別データ25bを示す図、同図(B)は電子辞書Bの本端末ID・辞書種別データ25bを示す図である。
この本端末ID・辞書種別データ25bは、個々の電子辞書20…のそれぞれに搭載されている辞書データの種別「辞書種別」とそのID「本端末辞書ID」そして検索対象単語の種類「対象単語」とを対応付けたデータからなるもので、例えば図5(A)に示すように、電子辞書Aの本端末ID・辞書種別データ25bでは、検索対象単語が何れも日本語である和英辞書,国語辞書,漢和辞書の3つの辞書データを有し、そのそれぞれの辞書IDが(IDje)(IDjapan)(IDkanji)であることを示している。
さらに、前記メモリ16には、辞書データメモリ25c、学習データメモリ25d、表示モードメモリ25e、指定単語メモリ25f、検索結果メモリ25g、表示フラグメモリ25hなどが確保される。
前記辞書データメモリ25cには、前記本端末ID・辞書種別データ25bとして記憶されている本電子辞書端末の辞書種別に応じた各種の辞書データが記憶される。例えば本電子辞書端末が電子辞書Aである場合には、和英辞書,国語辞書,漢和辞書の各辞書データが記憶される。
前記学習データメモリ25dには、前記辞書データメモリ25cに記憶されている各辞書データにおいて、既に検索された単語が学習済みのデータとして順次蓄積されて記憶される。
前記表示モードメモリ25eには、パーソナルコンピュータ10において選択的に設定されたパソコン表示モードか辞書表示モードかの表示モードのデータが該パーソナルコンピュータ10からのデータ通信により受信されて記憶される。
前記指定単語メモリ25fには、パーソナルコンピュータ10においてキー入力された文字列あるいはテキスト画面上で範囲指定された文字列として指定された検索対象となる単語のデータが該パーソナルコンピュータ10からのデータ通信により受信されて記憶される。
前記検索結果メモリ25gには、前記指定単語メモリ25fに記憶された検索対象の単語に従い前記辞書データメモリ25cに記憶されている対応する種別のデータに基づき検索された辞書内容あるいは候補単語のデータが記憶される。
前記表示フラグメモリ25hには、表示部23の表示のオン/オフを設定するためのフラグデータが記憶される。
次に、前記構成による電子辞書との通信機能を有するパーソナルコンピュータ(電子機器)の動作について説明する。
図6は前記パーソナルコンピュータ10において電子辞書20のIDを登録するための辞書初期設定処理を示すフローチャートである。
すなわち、このパーソナルコンピュータ10において利用しようとする電子辞書20において、該パーソナルコンピュータ10への登録を指示することで、この電子辞書20の本端末ID・辞書種別データ25b(図5参照)として記憶されている対象単語,辞書種別及びその本端末辞書IDのデータが読み出されて赤外線通信部23から送信され、パーソナルコンピュータ10の赤外線通信部14にて受信されると、この受信された電子辞書20の端末ID・辞書種別データは、メモリ16内の端末辞書IDテーブル16b(図4参照)に登録されると共に、表示部13に表示される(ステップS1,S2)。
この後、異なる種類の辞書データを有する電子辞書20からの端末ID・辞書種別データが受信される毎に前記同様の端末辞書IDテーブル16bへの登録表示処理が行われる(ステップS3→S1,S2)。
そして、所望の種類の辞書データを有する各電子辞書20…それぞれの端末ID・辞書種別データの端末辞書IDテーブル16bへの登録表示処理が成された状態で、例えば図4に示すように、同一の対象単語毎にユーザが使用したい辞書の種別を選択して指定すると、その辞書指定データも当該端末辞書IDテーブル16bに登録される(ステップS4)。
図7は前記パーソナルコンピュータ10において所望の文字列を検索対象単語として辞書検索するためのサーチ処理を示すフローチャートである。
表示部13に表示されている検索指示エリア13cに対して入力部11の操作により辞書検索(サーチ)の指示が為されると、当該表示部13に表示されているテキスト画面上において、検索対象となる単語の文字列が範囲指定されて反転表示Xされているか、あるいはキー入力されて表示されているか判断され、ここで、検索対象の単語が前記範囲指定あるいはキー入力により設定されていないと判断されると、検索対象なしを表すエラーメッセージが表示部13に表示される(ステップA1→A2)。
一方、前記辞書検索(サーチ)の指示が為された際に、検索対象の単語が前記範囲指定あるいはキー入力により設定されていると判断されると、例えば図1で示したように、表示部13に表示されたテキスト表示画面において反転表示Xされて範囲指定された検索対象の単語「comprises」が抽出されてメモリ16内の指定単語メモリ16eに記憶され、当該単語の種類が検知される(ステップA1→A3,A4)。
すると、前記指定単語メモリ16eに記憶されて検知された単語の種類が、英語か日本語かそれ以外の何れであるかが判断され(ステップA5,A6)、英語であると判断された場合には、端末辞書IDテーブル16b(図4参照)から対象単語の英語に対して辞書指定データが登録されている英和辞書の端末辞書ID(IDej)が読み出され、当該指定された端末辞書IDに従った電子辞書20への起動信号が赤外線通信部14から送信される(ステップA5→A7,A9)。
なお、前記指定単語メモリ16eに記憶されて検知された単語の種類が、日本語であると判断された場合には、端末辞書IDテーブル16b(図4参照)から対象単語の日本語に対して辞書指定データが登録されている和英辞書の端末辞書ID(IDje)が読み出され、当該指定された端末辞書IDに従った電子辞書20への起動信号が赤外線通信部14から送信される(ステップA6→A8,A9)。
ここで、前記指定された端末辞書IDに従った電子辞書20への起動信号に応じた、当該電子辞書20からの応答信号が、所定の待ち時間内に赤外線通信部14になかった場合には、指定された電子辞書端末からの応答がないことを表すエラーメッセージが表示部13に表示される(ステップA10→A11→A12)。
そして、前記指定された端末辞書IDに従った電子辞書20への起動信号に応じた、当該電子辞書20からの応答信号が、所定の待ち時間内にあったと判断された場合には、この応答のあった電子辞書20に対してパーソナルコンピュータ10の固有のIDが赤外線通信部14から送信された後、さらに、指定単語メモリ16eに記憶された検索対象単語及び表示モードメモリ16eに記憶されている表示モードのデータが、辞書検索(サーチ)の依頼コマンドと共に赤外線通信部14から送信される(ステップA13,A14)。
ここで、前記指定された電子辞書20への辞書検索(サーチ)依頼に応じた、当該電子辞書20からの検索結果である応答データが、所定の待ち時間内に赤外線通信部14になかった場合には、指定された電子辞書端末からの応答がないことを表すエラーメッセージが表示部13に表示される(ステップA15→A16→A12)。
そして、前記指定された電子辞書20への辞書検索(サーチ)依頼に応じた、当該電子辞書20からの検索結果である応答データが、所定の待ち時間内にあったと判断された場合には、その応答データがメモリ16内の検索結果メモリ16fに記憶され、その内容が複数の単語の連続するテキストデータであるか否か判断される(ステップA15→A17,A18)。
すなわち、前記指定された電子辞書20へ送信された検索対象の単語が、複数の単語の連続するテキストデータとして送信され、これに応答した検索済みのテキストデータが受信されたか否か判断されるもので、ここで、前記検索結果メモリ16fに記憶された電子辞書20からの応答データが、複数単語の連続するテキストデータではないと判断されると、当該応答データに含まれる“単語あり”又は“単語なし”のフラグに従って検索対象単語に対応する辞書内容が得られたか否か判断される(ステップA18→A19)。
ここで、前記検索結果メモリ16fに記憶された電子辞書20からの応答データに従って、検索対象単語に対応する辞書内容が得られたと判断された場合には、表示モードメモリ16dに記憶されている表示モードの設定データがパソコン表示モードであるか辞書表示モードであるか判断され、辞書表示モードであると判断された場合には、“該当単語あり”のマーク表示のみ表示部13において行われるか、又は該当単語ありのメッセージ音が出力される(ステップA19→A20→A21)。
図8は前記パーソナルコンピュータ10の表示モードが辞書表示モードに設定されている場合の当該パーソナルコンピュータ10と電子辞書20における英単語の検索表示例を示す図である。
すなわち、図8(A)に示すように、パーソナルコンピュータ10のテキスト表示画面上の表示モード設定エリア13aにおいて、検索された辞書内容の表示が辞書側での表示に設定されている状態で、テキスト画面上で範囲指定されて反転表示Xされた検索対象の英単語「comprises」が、英和辞書データを有する端末辞書ID(IDej)の電子辞書20に対し前記表示モードの設定データと共に送信されると、この電子辞書20において検索された前記検索対象英単語「comprises」の辞書内容は、図8(B)に示すように、当該電子辞書20における表示部22に対して表示され、パーソナルコンピュータ10に対しては、検索対象単語に対応する辞書データが検索されたことを示す“単語あり”のデータのみが応答データとして送信されるようになる。
このように、辞書表示モードに設定されている場合には、検索対象単語の入力あるいは範囲指定とその表示はパーソナルコンピュータ10の表示部13において行われたままの状態で、これに対応して検索された辞書内容は電子辞書20の表示部22において別画面として表示されるので、パーソナルコンピュータ10側での表示内容に制限を受けずに、検索された辞書内容を詳細且つ明確に見ることができる。
一方、前記ステップA20において、表示モードメモリ16dに記憶されている表示モードの設定データがパソコン表示モードであると判断された場合には、前記検索結果メモリ16fに記憶された電子辞書20からの応答データである検索対象単語の辞書内容が表示部13上にウインドウで表示される(ステップA20→A22)。
図9は前記パーソナルコンピュータ10の表示モードがパソコン表示モードに設定されている場合の当該パーソナルコンピュータ10における英単語の検索表示例を示す図である。
すなわち、図9に示すように、パーソナルコンピュータ10のテキスト表示画面上の表示モード設定エリア13aにおいて、検索された辞書内容の表示がパソコン側での表示に設定されている状態で、テキスト画面上で範囲指定されて反転表示Xされた検索対象の英単語「comprises」が、英和辞書データを有する端末辞書ID(IDej)の電子辞書20に対し前記表示モードの設定データと共に送信されると、この電子辞書20において検索された前記検索対象英単語「comprises」の辞書内容は、パーソナルコンピュータ10に対して、検索対象単語の辞書データが検索されたことを示す“単語あり”のデータと共に応答データとして送信されて検索結果メモリ16fに記憶され、前記範囲指定によって反転表示Xされた検索対象単語と同一のテキスト画面上でのウインドウ表示Wにより表示されるようになる。
このように、パソコン表示モードに設定されている場合には、検索対象単語の入力あるいは範囲指定とその表示を行ったパーソナルコンピュータ10の表示部13において、通信先の電子辞書20によって検索されて受信された辞書内容が、ウインドウ表示Wにより同一画面上に表示されるので、検索対象単語と並べてその辞書内容を見易く表示できるようになる。
一方、前記ステップA19において、検索結果メモリ16fに記憶された電子辞書20からの応答データに含まれる“単語なし”のフラグに従って、検索対象単語に対応する辞書内容が得られなかったと判断された場合には、“該当単語なし”のメッセージ表示が行われると共に、前記検索結果メモリ16fに記憶された検索対象単語と類字の文字列(スペル)からなる候補単語が表示部13におけるテキスト画面上の候補単語選択エリア13d(図10参照)にて表示される(ステップA19→A23,A24)。
図10は前記パーソナルコンピュータ10において設定された検索対象単語に対応する辞書内容が通信先の電子辞書20にて検索されなかった場合のパソコン側での候補単語の表示状態を示す図である。
すなわち、図10に示すように、パーソナルコンピュータ10のテキスト画面上で範囲指定されて反転表示Xされた検索対象の英単語「loudspeeker」が、英和辞書データを有する端末辞書ID(IDej)の電子辞書20に対し表示モードの設定データと共に送信されると、この電子辞書20では、受信された検索対象単語の文字列(スペル)が誤っていることで類似の候補単語「loudspeaker」「loudspoken」「loudness」が検索され、パーソナルコンピュータ10に対しては、検索対象単語の辞書データが検索されないことを示す“単語なし”のデータと共に前記検索された候補単語が応答データとして送信され、範囲指定によって反転表示Xされた検索対象単語「loudspeeker」と同一のテキスト画面上での候補単語選択エリア13dにより表示される。
こうして、パーソナルコンピュータ10において設定された検索対象単語の文字列(スペル)に誤りがあることで、通信先の電子辞書20ではその検索対象単語と類字の候補単語が検索されて送信され、表示部13上における候補単語選択エリア13dにて表示された状態で、本来検索すべき所望の単語(この場合「loudspeaker」)が選択されて入力されると、当該選択された候補単語が新たに検索対象単語として抽出されてメモリ16内の指定単語メモリ16eに記憶され、前記ステップA4からの同様の単語検索処理に戻される(ステップA25→A26→A27→A4)。
一方、前記ステップA18において、検索結果メモリ16fに記憶された電子辞書20からの受信応答データが、複数単語の連続する検索済みテキストデータであると判断された場合には、後述する電子辞書20でのテキスト検索処理(図12参照)に従った当該検索済みテキストデータが、表示部13にそれまで表示されていた検索対象のテキストデータに代えて表示される(図13参照)(ステップA18→A28)。
図11は前記パーソナルコンピュータ10におけるサーチ処理に応じて成される電子辞書20での単語検索応答処理を示すフローチャートである。
電子辞書20において、まず、メモリ25内の表示フラグメモリ25hに表示オフフラグがセットされていて表示部22がオフになっている状態で、当該電子辞書20の入力部21におけるキー入力はなく、前記パーソナルコンピュータ10から当該電子辞書20内の辞書種別に対応する本端末辞書IDを指定した起動信号が赤外線通信部23にて受信されると、前記表示フラグメモリ25hに対して表示オンフラグがセットされて表示部22がオンされ、パーソナルコンピュータ10に対する応答信号が赤外線通信部23から送信される(ステップB1→B2→B3→B6)。
また、電子辞書20において、メモリ25内の表示フラグメモリ25hに表示オンフラグがセットされていて表示部22がオンになっている状態で、当該電子辞書20の入力部21におけるキー入力はなく、前記パーソナルコンピュータ10から当該電子辞書20内の辞書種別に対応する本端末辞書IDを指定した起動信号が赤外線通信部23にて受信されると、パーソナルコンピュータ10に対する応答信号が赤外線通信部23から送信される(ステップB4→B5→B6)。
こうして、パーソナルコンピュータ10からの起動信号の受信に応じて、その応答信号が送信されると、前記起動信号の受信に伴いパーソナルコンピュータ10よりID指定された辞書種別に対応する辞書のアプリケーションが起動され、検索対象データとして複数の単語が連続して記述されているテキストデータが受信されたか、又は検索対象データとして単語のデータと表示モードのデータが検索依頼(サーチ依頼)と共に受信されたか判断される(ステップB7,B8→B9)。
ここで、前記パーソナルコンピュータ10への応答信号の送信後、所定の待ち時間内に、該パーソナルコンピュータ10から何の検索対象データも受信されない場合には、“パソコン応答なし”のエラーメッセージが表示部22に表示され、所定時間経過の後に前記表示フラグメモリ25hに表示オフフラグがセットされて表示部22がオフされる(ステップB8→B9→B10〜B13)。
一方、前記パーソナルコンピュータ10への応答信号送信後の所定の待ち時間内に、該パーソナルコンピュータ10からの検索対象データとして複数の単語が連続して記述されているテキストデータが受信されたと判断された場合には、図12において後述するテキスト検索処理に移行される(ステップB8→BC)。
また、前記パーソナルコンピュータ10への応答信号送信後の所定の待ち時間内に、該パーソナルコンピュータ10からの検索対象データとして単語のデータと表示モードのデータが検索依頼(サーチ依頼)と共に受信された場合には、この受信された検索対象の単語と表示モードのデータとが、それぞれメモリ25内の指定単語メモリ25fと表示モードメモリ25eとに保存される(ステップB9→B14)。
すると、前記表示モードメモリ25eに保存された表示モードのデータに基づき、前記パーソナルコンピュータ10から指定された表示モードがパソコン表示モードであるか辞書表示モードであるかが判断され、パソコン表示モードであると判断された場合には、表示フラグメモリ25hに表示オフフラグがセットされて表示部22がオフされる(ステップB15→B16)。
すると、前記指定単語メモリ25fに記憶された検索対象単語の辞書データメモリ25cにおける指定種別辞書データ上での検索(サーチ)が実行され、当該検索対象の単語に対応する辞書内容が指定種別の辞書データから検索された場合には、この検索された辞書内容が検索結果メモリ25gに記憶される共に、応答データとして“単語あり”のフラグがセットされる(ステップB17,B18→B19)。
そして、前記表示モードメモリ25eにセットされた表示モードの指定データが、パソコン表示モードではなく辞書表示モードである場合には、前記ステップB17において指定種別の辞書データから検索され検索結果メモリ25gに記憶された検索対象単語に対応する辞書内容が、例えば前記図8(B)において示したように、当該電子辞書20の表示部22に表示された後、前記ステップB19において“単語あり”のフラグがセットされた応答データが、赤外線通信部23からパーソナルコンピュータ20ヘ送信される(ステップB20→B21→B22)。
一方、前記表示モードメモリ25eにセットされた表示モードの指定データが、パソコン表示モードである場合には、前記ステップB17において指定種別の辞書データから検索され検索結果メモリ25gに記憶された検索対象単語に対応する辞書内容が、前記応答データとしてさらにセットされ、この検索単語に対応する辞書内容及び前記ステップB19において“単語あり”のフラグがセットされた応答データが、赤外線通信部23からパーソナルコンピュータ20ヘ送信される(ステップB20→B23→B22)。
この場合には、例えば前記図9において示したように、パーソナルコンピュータ10の表示部13において、範囲指定により反転表示Xされた検索対象単語と共に、前記電子辞書20において検索された辞書内容がウインドウ表示Wによって表示される。
一方、前記ステップB18において、検索対象の単語に対応する辞書内容が指定種別の辞書データ内に存在せず検索されない場合には、応答データとして“単語なし”のフラグがセットされると共に、検索対象単語に類似の文字列を有する候補単語が検索されて検索結果メモリ25gに記憶され、これも前記応答データとしてセットされ、この検索対象単語に類似の候補単語と“単語なし”のフラグがセットされた応答データが、赤外線通信部23からパーソナルコンピュータ20ヘ送信される(ステップB18→B24,B25,B22)。
この場合には、例えば前記図10において示したように、パーソナルコンピュータ10の表示部13において、範囲指定により反転表示Xされた文字列(スペル)が誤っているであろうと思われる検索対象単語のテキスト画面と共に、前記電子辞書20において検索応答された候補単語が、候補単語選択エリア13dにおいて表示され、所望の検索対象単語の正しい文字列による検索再試行が可能となる。
なお、前記電子辞書20において検索対象単語に対応する辞書内容が存在せず、当該検索対象単語に類似の候補単語が検索された場合には、これと共に各候補単語の辞書内容も検索し、応答データとしてパーソナルコンピュータ10へ送信することで、該パーソナルコンピュータ10では各候補単語とその辞書内容を一括表示する構成としてもよい。
次に、前記電子辞書20での単語検索応答処理に伴うステップB8において、パーソナルコンピュータ10からの検索対象データとして複数の単語が連続して記述されているテキストデータが受信されたと判断された場合に移行されるテキスト検索処理について説明する。
図12は前記電子辞書20での単語検索応答処理に伴うテキスト検索処理を示すフローチャートである。
すなわち、前記パーソナルコンピュータ10から検索対象のデータとして複数の単語を含むテキストデータが送信され、指定の辞書種別に対応する本端末辞書IDを有する電子辞書20において受信された際に、このテキスト検索処理が起動されると、受信されたテキストデータは、まず、そのまま検索結果メモリ25gに書き込まれ、このテキストデータの先頭1単語が指定単語メモリ25fに抽出されて予め定められた基本的な単語であるか、又は、基本単語以外で学習データメモリ25dに蓄積保存されている既に辞書検索処理済み(学習済み)の単語であるか、又は、基本単語以外で学習データメモリ25dに蓄積保存されていない未学習の単語であるか、又はそれ以外の記号など文字であるか判断される(ステップC1,C2→C3→C5)。
ここで、前記検索対象テキストデータから抽出された単語が基本単語であると判断された場合には、同検索対象テキストデータから次の単語が前記指定単語メモリ25fに抽出され、前記同様の単語判断が繰り返される(ステップC2→C8→C2)。
そして、前記検索結果メモリ25gに記憶された検索対象テキストデータから指定単語メモリ25fに抽出された単語が、基本単語以外で学習データメモリ25dに蓄積保存されている既に辞書検索処理済み(学習済み)の単語であると判断された場合には、当該検索結果メモリ25gに記憶されているテキストデータ中の該当単語に対してアンダーラインが付加される(ステップC3→C4)。
さらに、前記検索対象テキストデータから指定単語メモリ25fに抽出された単語が、基本単語以外で学習データメモリ25dに蓄積保存されていない未学習の単語であると判断された場合には、当該検索結果メモリ25gに記憶されているテキストデータ中の該当単語に対し強調表示の文字修飾が成されると共に、該単語に対応する辞書内容が辞書データメモリ25cに記憶されている指定種別の辞書データから検索され、前記強調表示された単語の後に追加して書き込まれる(ステップC5→C6)。
すると、このステップC6において辞書検索された単語が学習データとして学習データメモリ25dに記憶設定され、さらに前記検索結果メモリ25g内のテキストデータから次の単語が指定単語メモリ25fに抽出されて前記同様の単語判断が繰り返される(ステップC7,C8→C2)。
これにより、検索結果メモリ25gに記憶されている検索対象のテキストデータとしては、当該テキストデータ中の基本単語はそのままに、学習済みの単語にはアンダーラインが付加され、未学習の単語は強調表示の文字修飾が成されると共に対応する辞書内容が検索されて追加されるもので(ステップC1〜C8)、この後、検索結果メモリ25gから指定単語メモリ25fに抽出すべきテキストデータ内の単語が無くなったと判断されると、前記検索結果メモリ25gに記憶されている検索処理済みのテキストデータが応答データとしてセットされ、赤外線通信部23からパーソナルコンピュータ10へ送信される(ステップC8→C9)。
図13は前記電子辞書20での単語検索応答処理に伴うテキスト検索処理に従い辞書検索が成されてパーソナルコンピュータ10へ応答送信された検索済みテキストデータの表示状態を示す図である。
すなわち、前記電子辞書20でのテキスト検索処理に従い辞書検索が成されてパーソナルコンピュータ10へ応答送信された検索済みテキストデータが、前記図7におけるパーソナルコンピュータ10でのサーチ処理におけるステップA18において、当該パーソナルコンピュータ10の赤外線通信部14に受信されて検索結果メモリ16fに取り込まれると、図13に示すように、表示部13に検索済みのテキストデータとして表示されるもので、基本単語以外の学習済みの単語はアンダーライン表示xにより示され、また、未学習の単語は強調表示Xaにより示されると共に、対応する辞書内容が挿入表示されて示されるようになる。
したがって、前記構成の電子辞書との通信機能を有するパーソナルコンピュータによれば、パーソナルコンピュータ10の表示部13に表示された英文のテキスト画面上で所望の単語を検索対象の単語として範囲指定して反転表示Xさせ、サーチ指示エリア13cを操作して辞書の検索を指示すると、前記検索対象の単語データが赤外線データ通信IrDAにより電子辞書20へ送信され、この電子辞書20に記憶されている英和の辞書データによって、前記パーソナルコンピュータ10から受信された検索対象単語の辞書内容が検索され、当該電子辞書20の表示部22に表示されるか、又は、パーソナルコンピュータ10へ応答データとして送信されてその表示部13にウインドウ表示Wされるので、パーソナルコンピュータ10において入力,作成,編集されたテキスト画面中の多数の単語を次々に電子辞書20において検索するような場合でも、当該電子辞書20において一々各単語の文字列をキー操作により入力する必要はなく、非常に簡単な操作で複数の単語の辞書検索を次々に行うことができるようになる。
また、前記構成の電子辞書との通信機能を有するパーソナルコンピュータによれば、端末辞書IDテーブル16bにおいて各電子辞書20…の有する英和辞書や和英辞書などの辞書種別に応じた端末辞書IDを検索対象となる単語の種類に対応付けて登録しておき、前記検索対象の単語が指定された際には、その単語の種類に応じた辞書データを有する電子辞書20の端末辞書IDを送信してその応答信号を受信することで、該当する電子辞書20との通信接続が成されて前記検索対象単語の送信検索処理が行われるので、検索対象として指定した単語の種類に応じた電子辞書20と自動的に接続して容易に且つ適切な電子辞書20…による単語検索を行うことできる。
なお、前記実施形態では、電子辞書20…で有する辞書データの種別を、「和英」「英和」「国語」「漢和」「英英」として説明したが、フランス語,中国語,あるいは他の専門辞書などの如何なる辞書データであってもよく、各辞書データの種別に応じた端末辞書IDを持たせて前記同様に自動接続する構成とすればよい。
さらに、前記構成の電子辞書との通信機能を有するパーソナルコンピュータによれば、パーソナルコンピュータ10の表示部13に表示されるテキスト画面上の表示モード設定エリア13aにおいて、パソコン表示モードか又は辞書表示モードかを設定しておくことで、その表示モードのデータが表示モードメモリ16dに記憶されると共に、前記検索対象単語の電子辞書20への送信に伴い送信され、電子辞書20側では、辞書表示モードである場合には検索対象単語の辞書検索内容を当該電子辞書20の表示部22に表示させ、パソコン表示モードである場合には、その辞書検索内容をパーソナルコンピュータ10へ応答データとして送信して該パソコン10側の表示部13においてウインドウ表示Wさせるので、辞書表示モードではテキスト表示画面と辞書検索画面との2画面を連動表示させて効率的な検索作業を行うことができ、また、パソコン表示モードでは検索された辞書内容を検索対象単語の表示画面と同一画面上に表示させて視線移動が少なく見易い検索作業を行うことができる。
なお、前記電子辞書20の学習データメモリ25bには、既に検索済みの単語を蓄積記憶させ、パーソナルコンピュータ10から受信された検索対象のテキストデータから抽出された単語がこの学習データに存在する単語である場合には、学習済みを示すアンダーライン表示xを前記テキストデータの該当単語に対して施し、学習データに存在しない単語である場合には、辞書内容を検索して前記の抽出単語と共に表示する構成としたが、この抽出単語の検索の有無を判断する学習レベルとしては、前記学習済みか未学習かだけでなく、例えば中学で学習する単語や高校で学習する単語などの難易度に応じて異なる単語を学習データとして記憶しておき、前記抽出単語が何れの難易度に属する単語であるかによって辞書検索の有無を判断する構成としてもよい。
なお、前記実施形態において記載した手法、すなわち、図6のフローチャートに示すパーソナルコンピュータ10における辞書初期設定処理、図7のフローチャートに示すパーソナルコンピュータ10における辞書検索のためのサーチ処理、図11のフローチャートに示す電子辞書20における単語検索応答処理、図12のフローチャートに示す電子辞書20におけるテキスト検索処理等の各手法は、コンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フロッピディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の外部記憶媒体17(26)に格納して配布することができる。そして、コンピュータは、この外部記憶媒体17(26)に記憶されたプログラムを記憶媒体読み取り部によって記憶装置18(27)に読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、前記実施形態において説明したパーソナルコンピュータ10と電子辞書20との間での通信,辞書検索機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
また、前記各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態としてネットワーク上を伝送させることができ、このネットワークに接続されたコンピュータ端末の伝送制御部19(28)によって前記のプログラムデータを取り込み、前述した各種の通信・辞書検索機能を実現することもできる。