[第1実施形態]
以下、本発明の二次元コードを具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係る二次元コードを概略的に説明する説明図である。図2(a)は、図1の二次元コードに用いる色参照パターンを説明する説明図であり、(b)は、緑成分の画像を取得したときの色参照パターンの明暗構成を概略的に説明する説明図である。図3は、図1の二次元コードについて、緑成分の画像を取得したときの明暗構成を概略的に説明する説明図である。図4(a)は、赤成分の画像における各色と明暗の関係について説明する説明図であり、(b)は、緑成分の画像における各色と明暗の関係について説明する説明図であり、(c)は、青成分の画像における各色と明暗の関係について説明する説明図である。図5は、本実施形態の二次元コードを読み取る読取処理を例示するフローチャートである。
本実施形態に係る二次元コード1は、図1に示すように、複数のセルCがマトリックス状に配列されてなるものであり、複数のコードブロック10と、第1の特定パターン2と、第2の特定パターン3、4と、を備えた構成をなしている。この二次元コード1は、外形が正方形状のセルCが集合してマトリックス状に配置されたセル集合体として構成されており、図1の例では、セル数が縦横同数(35セル×35セル)となる配列で構成されている。また、二次元コード1を構成するコード領域(セルCが配置される領域)は、外形が矩形状の矩形領域(図1の例では、外形が正方形状の正方形領域)とされている。
なお、図1では、一部のセルのみについて符号Cを付しており、他のセルの符号は省略している。また、図1では、一部の誤り訂正コードブロック12の位置を一点鎖線にて概念的に示しており、他の誤り訂正コードブロックについては図示を省略している。また、一部のデータコードブロック11の位置について二点鎖線にて概念的に示しており、他のデータコードブロック11については図示を省略している。また、図1では、データが記録される領域(データ記録領域)を破線AR1にて概念的に示しており、このデータ記録領域AR1内の具体的セル構成(各コードブロック10の具体的セル構成等)は省略して示している。
本実施形態の二次元コード1は、色彩又は濃度又は輝度の異なる3種類以上のセルを用いたいわゆるカラーコードとして構成されるものであり、図1では、その一例として、黒色セル、白色セル、赤色セル、緑色セル、青色セル、シアン色セル、マゼンダ色セル、黄色セル、の8色のセルを用いた構成を示している。なお、本実施形態及び他の実施形態を通し、黒色セルをCb、白色セルをCwで示すとともに、緑色セルを符号Cg、赤色セルをCr、青色セルをCu、黄色セルをCy、シアン色セルをCn、マゼンダ色セルをCmとそれぞれ示すこととする。
二次元コード1の一部を構成するコードブロック10は、複数のセルCが集合してなるものであり、図1の二次元コード1では、データコードブロック11と、誤り訂正コードブロック12とに分けられている。データコードブロック11及び誤り訂正コードブロック12は、いずれもマスク処理が施されていない非マスク化ブロックとされており、マスク処理の解除等を必要とせずにデコードしうる構成となっている。
データコードブロック11は、デコードの対象となるデータを符号化した符号化データ(データコード語)を複数のセルによって表現したブロックであり、図1の例では、複数のセルがマトリックス状に集合した構成となっている。データコードブロック11を構成する各セルは、予め定められた複数種類のセル(図1の例では上述の8色のセル)の中からいずれかの種類のセルが選択されて用いられている。なお、図1では、8つのセルが4行2列のマトリックス状に配列されたデータコードブロック11を二点鎖線にて概念的に例示しているが、データコードブロック11のセル数やブロック構成はこれ以外であってもよい。
各データコードブロック11は、デコードすべき符号化データ(データコード語)に対応したセルの配列で構成されている。具体的には、セル表示色が、数値に対応付けられており、例えば、データ値「0」に対して第1の色「白」、データ値「1」に対して第2の色「赤」、データ値「2」に対して第3の色「緑」、データ値「3」に対して第4の色「青」、データ値「4」、に対して第5の色「マゼンタ」、データ値「5」に対して第6の色「黄」、データ値「6」に対して第7の色「シアン」、データ値「7」、に対して第8の色「黒」、がそれぞれ対応付けられている。
誤り訂正コードブロック12は、データコードブロック11の誤り訂正を行うための誤り訂正コード語によって構成されている。この誤り訂正コードブロック12を構成する誤り訂正コード語は、データコードブロック11を構成する符号化データ(データコード語)に基づいて生成されたものである。なお、データコード語に基づいて誤り訂正コード語を生成する方法としては、例えば公知のリード・ソロモン誤り訂正方式を用いることができる。
本実施形態では、データコード語に基づいて誤り訂正コード語を生成する方法として、JISX0510:2004に規定された誤り訂正コード語の生成方法(JISX0510:2004、8.5誤り訂正)を用いている。この方法の場合、誤り訂正コード語は、データコードブロック11についてのデータコード語を二進数で表した後、誤り訂正検出及び訂正(JISX0510:2004付属書A)で使用される多項式g(x)によって当該データコード語を除算して得られた剰余とされる。誤り訂正コードブロック12は、このように生成された誤り訂正コード語を複数のセルによって表現したブロックとして構成される。なお、ここでは、JISX0510に規定される方法を用いて誤り訂正コード語を生成したが、誤り訂正コード語の生成方法はこれに限られず、公知の様々な方法を用いることができる。
第1の特定パターン2は、二次元コード1の矩形領域において4つ設けられた角部(矩形領域における角を構成する部分)5a〜5dのうち、規定の角部5aに配置されるものである。図1の例では第1の特定パターン2の外形が矩形状(詳しくは正方形状)に構成されており、第1の特定パターン2の外縁を構成する2辺によって矩形領域における規定の角部5aの角位置が定められている。この第1の特定パターン2は、矩形領域における各セルCの位置の特定するための要素として機能するものであり、具体的には、二次元コード1を光学的情報読取装置で読み取ったときに得られる画像データにおいて規定の角部5aの位置を特定するために用いられると共に、その画像データにおいて二次元コード1の向きを特定するために用いられる。なお、本明細書全体を通し、第1の特定パターン2、第2の特定パターン3、4、及び後述する色参照パターンは、二次元コードに含まれるデータ(デコードすべきデータ)に関係なく一定のパターンとして構成されている。
また、第1の特定パターン2は、中心に第1の色のセル(黒色セル2a)が1つ配置され、その第1の色のセル(黒色セル2a)の周りを複数種類のセル2b〜2iが矩形状に囲んでいる。さらに、その環状のセル群(複数色のセル群)の周りを第1の色のセル(黒色セル2j)が環状かつ矩形状に囲んだ構成をなし、それが最外周のセル群として構成されている。そして、その最外周のセル群の外形が矩形状(正方形状)に構成され、第1の特定パターン2全体として外形が矩形状(正方形状)となっている。
第2の特定パターン3、4は、コード領域(矩形領域)の境界をなす4つの辺(4つの境界辺6)のうち、第1の特定パターン2が接する境界辺(第1境界辺6a、6b)に隣接して配置されている。この第2の特定パターン3、4は、二次元コード1のコード領域(矩形領域)を背景から分離するために利用されるものであり、後述する読み取りの際にこの第2の特定パターン3,4を認識することで第1境界辺6a、6bの位置を特定できるようになっている。
第2の特定パターン3は、第1の特定パターン2の端部に隣接すると共に、当該隣接位置から角部5bまでの領域全体に亘り第1境界辺6aに隣接して配置されている。この第2の特定パターン3は、一部が色参照パターン21、22によって構成され、これら色参照パターン21、22以外の他部分が、白色セル及び黒色セルからなる白黒交互パターン3a、3bによって構成されている。
第1の特定パターン2と色参照パターン21との間に配置される白黒交互パターン3aは、第1の特定パターン2に隣接する白色セルを一端部とし、色参照パターン21に隣接する白色セルを他端部とする11個のセルによって構成され、第1境界辺6aに沿って一列状に構成されている。この白黒交互パターン3aでは、一端部の白色セル(第1の特定パターン2に隣接する白色セル)に隣接して黒色セルが配置され、その黒色セルに隣接して白色セルが配置されるといった形態で白色セルと黒色セルとが1セルごと交互に配置されている。
また、両色参照パターン21、22の間に配置される白黒交互パターン3bも同様であり、色参照パターン21に隣接する白色セルを一端部とし、色参照パターン22に隣接する白色セルを他端部とする11個のセルによって構成され、第1境界辺6aに沿って一列状に構成されている。この白黒交互パターン3bも、一端部の白色セル(色参照パターン21に隣接する白色セル)に隣接して黒色セルが配置され、その黒色セルに隣接して白色セルが配置されるといった形態で白色セルと黒色セルとが1セルごと交互に配置されている。
色参照パターン21、22は、いずれも複数のセルがマトリックス状(図1の例では3行3列のマトリックス状)に配置されてなるものであり、図1の例では、両色参照パターン21、22が同一構成となっている。この色参照パターン21、22は、矩形領域内の各セルに使用するセル表示色の基準となるパターンであり、図2(a)に示すように二次元コード1で用いられる全セル表示色(黒色、白色、赤色、緑色、青色、マゼンタ色、シアン色、黄色)を表示する構成となっている。なお、図2(a)では、色参照パターン21のみを示しているが、色参照パターン22も同一の構成であるため当該色参照パターン22についての拡大図は省略する。
図1に示すように、色参照パターン21は、第1境界辺6aのほぼ中央位置に隣接して配置されており、第1境界辺6aに隣接するセル(即ち、外縁の一部が第1境界辺6aの位置に配置されるセル21a、21b、21c)からなるセル列30が矩形領域の境界部として構成されている。これらセル21a、21b、21cからなるセル列30は、矩形領域と当該矩形領域の背景とを分離するための所定の色配列(後述)で構成されると共に、第2の特定パターン3の一部として構成されており、一端側が白黒交互パターン3aに隣接し、他端側が白黒交互パターン3bに隣接した構成となっている。
色参照パターン22は、第1境界辺6aの端部に隣接して配置されており、第1の境界辺6aに隣接するセル(即ち、外縁の一部が第1境界辺6aの位置に配置されるセル22a、22b、22c)からなるセル列31が、矩形領域と当該矩形領域の背景とを分離するための所定の色配列(後述)で構成されている。このセル列31は、第2の特定パターン3の一部として構成されており、一端側が白黒交互パターン3bに隣接し、他端部が矩形領域の角部5bとして構成されている。なお、色参照パターン22は、第1境界辺6aのエンドを示すエンドパターンとしての機能を有している。
第2の特定パターン4は、第1の特定パターン2の端部に隣接すると共に、当該隣接位置から角部5cまで領域全体に亘り第1境界辺6bに隣接して配置されている。この第2の特定パターン4は、一部が色参照パターン23、24によって構成され、これら色参照パターン23、24以外の他部分が、白色セル及び黒色セルからなる白黒交互パターン4a、4bによって構成されている。
第1の特定パターン2と色参照パターン23との間に配置される白黒交互パターン4aは、第1の特定パターン2に隣接する白色セルを一端部とし、色参照パターン23に隣接する白色セルを他端部とする11個のセルによって構成され、第1境界辺6bに沿って一列状に構成されている。この白黒交互パターン4aは、一端部の白色セル(第1の特定パターン2に隣接する白色セル)に隣接して黒色セルが配置され、その黒色セルに隣接して白色セルが配置されるといった形態で白色セルと黒色セルとが1セルごと交互に配置されている。
また、両色参照パターン23、24の間に配置される白黒交互パターン4bも同様であり、色参照パターン23に隣接する白色セルを一端部とし、色参照パターン24に隣接する白色セルを他端部とする11個のセルによって構成され、第1境界辺6bに沿って一列状に構成されている。この白黒交互パターン4bでも、一端部の白色セル(色参照パターン23に隣接する白色セル)に隣接して黒色セルが配置され、その黒色セルに隣接して白色セルが配置されるといった形態で白色セルと黒色セルとが1セルごと交互に配置されている。
色参照パターン23、24は、いずれも複数のセルがマトリックス状(3行3列のマトリックス状)に配置されてなるものであり、本実施形態では、両色参照パターン23、24が同一構成となっており、更にこれら色参照パターン23、24が上述の色参照パターン21、22とも同一の構成となっている。この色参照パターン23、24も、矩形領域内の各セルに使用するセル表示色の基準となるパターンであり、上記色参照パターン21,22と同様に二次元コード1で用いられる全セル表示色(黒色、白色、赤色、緑色、青色、マゼンタ色、シアン色、黄色)を表示する構成となっている。
図1に示すように、色参照パターン23は、第1境界辺6bのほぼ中央位置に隣接して配置されており、第1境界辺6bに隣接するセル(即ち、外縁の一部が第1境界辺6bに位置するセル23a、23h、23g)からなるセル列32が矩形領域の境界部として構成されている。このセル列30は、矩形領域と当該矩形領域の背景とを分離するための所定の色配列(後述)で構成されると共に、第2の特定パターン4の一部として構成されており、一端側が白黒交互パターン4aに隣接し、他端側が白黒交互パターン4bに隣接した構成となっている。
また、色参照パターン24は、第1境界辺6bの端部に隣接して配置されており、第1境界辺6bに隣接するセル(即ち、外縁の一部が第1境界辺6bに位置する24a、24h、24g)からなるセル列33が、矩形領域と当該矩形領域の背景とを分離するための所定の色配列(後述)で構成されている。このセル列33は、第2の特定パターン4の一部として構成されており、一端側が白黒交互パターン4bに隣接し、他端部が矩形領域の角部5cとして構成されている。なお、色参照パターン24は、第1境界辺6bのエンドを示すエンドパターンとしての機能を有している。
次に、「矩形領域と当該矩形領域の背景とを分離するための所定の色配列」について説明する。
二次元コード1で用いられる色参照パターン21は、矩形領域を撮像して所定の色成分の画像を取得したとき、当該所定の色成分の画像において、セル列30と、セル列30以外の他部分(即ち、白黒交互パターン3a、3b)とが、連続した特定模様となるように構成されている。
以下、「所定の色成分の画像」を「緑成分の画像」とするときの構成例について説明する。
緑成分の画像(G画像)では、「緑」の信号レベルと、「白」「黄」「シアン」の信号レベルとに大きな差がなくこれらは「明」に類するレベルとなる。一方、この緑成分の画像では、「黒」「赤」「青」「マゼンタ」の各信号レベルに大きな差がなく、これらは「暗」に類するレベルとなる。なお、図4(b)では、緑成分の画像における各色と明暗の対応関係を示している。
本実施形態では上記のような性質に着目して特定パターン3を構成している。まず、セル列30、31以外の他部分(白黒交互パターン3a、3b)は、図3に示すように、緑成分の画像において明判別セル(緑成分の画像において明と判別されるセル)と暗判別セル(緑成分の画像において暗と判別されるセル)とが1セルごとに交互に配列された交互模様3a'3b'となるように構成されている。図1の例では、白黒交互パターン3a、3bを構成する黒色セルが緑成分の画像における暗判別セルとなり、白色セルが緑成分の画像における明判別セルとなるように構成されている。
また、セル列30は、図3に示すように、緑成分の画像において白黒交互パターン3aの交互模様3a'に連続する交互模様30'となるように構成されており、更に、当該交互模様30'が白黒交互パターン3bの交互模様3b'にも連続するように構成されている。
図1の構成では、白黒交互パターン3aにおけるセル列30側の端部側が・・・白、黒、白と構成され、端部が白色セルによって構成されており、図3に示す交互模様3a'は、セル列30側の端部側が明、暗、明と構成され端部が明判別セルによって構成されている。従って、セル列30の交互模様30'がこれに続く暗、明、暗となるように、セル列30における白黒交互パターン3a側の端部セル21aを緑成分の画像において暗判別セルとなる黒色セルによって構成し、それに続くセル21bを緑成分の画像において明判別セルとなるシアン色セルによって構成し、更にそれに続く端部セル21cを、緑成分の画像において暗判別セルとなる赤色セルによって構成している。
また、図2(b)、図3に示すように、緑成分の画像におけるセル列30の交互模様30'は、暗(暗判別セル21a')、明(明判別セル21b')、暗(暗判別セル21c')と構成され、端部が暗判別セル21c'によって構成されている。従って、白黒交互パターン3bの交互模様3b'がこれに続く明、暗、明・・・となるように、白黒交互パターン3bのセル列30側の構成を、白、黒、白・・・といった並びとしている(図1)。
また、図1に示すように、白黒交互パターン3bは、セル列31側の端部側が・・・白、黒、白と構成され、端部が白色セルとなっており、図3に示す緑成分の画像において、白黒交互パターン3bの交互模様3b'は、セル列31側の端部側において・・・明、暗、明と構成され、端部が明判別セルによって構成されている。従って、セル列31の交互模様31'がこれに続く暗、明、暗となるように、セル列31における白黒交互パターン3b側の端部セル22aを緑成分の画像において暗判別セル22a'となる黒色セルによって構成し、それに続くセル22bを緑成分の画像において明判別セル22b'となるシアン色セルによって構成し、更にそれに続く端部セル22cを、緑成分の画像において暗判別セル22c'となる赤色セルによって構成している。
更に、セル列31は、緑成分の画像にて構成される交互模様31'において角部5b側の端部が暗判別セル22c'となるように構成されており、当該交互模様31'の暗判別セル22c'によって矩形領域の角部5bが示されるようになっている。
このように構成されているため、図3のような緑成分の画像を取得したときに、明暗が1セルごとに交互に配置される交互模様の規則性が第1の特定パターン2に隣接する位置から角部5bの位置まで及び、第1境界辺6a全体を特定しやすくなっている。
また、色参照パターン22は、第2境界辺6cに隣接するセル(即ち、外縁の一部が第2境界辺6cの位置に配置されるセル22c、22d、22e)からなるセル列39を備えている。このセル列39は、図3に示す緑成分の画像において、両端に暗判別セル22c'、22e'が配置され、中央に明判別セル22d'が配置された交互模様39'となるように構成されている。従って、交互模様31'と交互模様39'とによってそれぞれ第1境界辺6a及び第2境界辺6cの位置が精度高く示され、その頂部にある暗判別セル22c'によって角部5bの角位置がより正確に示されることとなり、読み取りの際には、矩形領域の角部5bの付近の境界をより正確に特定できるようになる。
また、第2の特定パターン4も同様に構成されている。まず、セル列32、33以外の他部分(白黒交互パターン4a、4b)については、図3に示す緑成分の画像において明判別セル(緑成分の画像において明と判別されるセル)と暗判別セル(緑成分の画像において暗と判別されるセル)とが交互に配列された交互模様4a'4b'となるように構成されている。図1の例では、白黒交互パターン4a、4bを構成する黒色セルが緑成分の画像において暗判別セルとなり、白色セルが緑成分の画像において明判別セルとなるように構成されている。
また、セル列32については、図3に示す緑成分の画像において、白黒交互パターン4aの交互模様4a'に連続する交互模様32'となるように構成されており、更に、当該交互模様32'が白黒交互パターン4bの交互模様4b'にも連続するように構成されている。
図1の構成では、白黒交互パターン4aにおけるセル列32側の端部側が・・・白、黒、白と構成され、端部が白色セルによって構成されており、図3に示す緑成分の画像の交互模様4a'は、明、暗、明と構成され端部が明判別セルによって構成される。従って、セル列32の交互模様32'がこれに続く暗、明、暗となるように、セル列32における白黒交互パターン3a側の端部セル23aを緑成分の画像において暗判別セル23a'となる黒色セルによって構成し、それに続くセル23hを緑成分の画像において明判別セル23h'となる黄色セルによって構成し、更にそれに続く端部セル23gを、緑成分の画像において暗判別セル23g'となる青色セルによって構成している。
また、図3に示すように、緑成分の画像におけるセル列32の交互模様32'は、暗、明、暗と構成され端部が暗判別セル23g'によって構成されている。従って、白黒交互パターン4bの交互模様4b'がこれに続く明、暗、明となるように、白黒交互パターン4bにおけるセル列32側の構成は、白、黒、白・・・といった並びとしている(図1)。
また、図1に示すように、白黒交互パターン4bは、セル列33側の端部側が・・・白、黒、白と構成され、端部が白色セルとなっており、図3に示すように、緑成分の画像において構成される当該白黒交互パターン4bの交互模様4b'は、セル列33側の端部側において・・・明、暗、明と構成され、端部が明判別セルによって構成されている。従って、セル列33の交互模様33'がこれに続く暗、明、暗となるように、セル列33における白黒交互パターン4b側の端部セル24aを緑成分の画像において暗判別セル24a'となる黒色セルによって構成し、それに続くセル24hを緑成分の画像において明判別セル24h'となる黄色セルによって構成し、更にそれに続く端部セル24gを、緑成分の画像において暗判別セル24g'となる青色セルによって構成している。
更に、セル列33は、緑成分の画像にて構成される交互模様33'において角部5c側の端部が暗判別セル24g'となるように構成されており、当該交互模様33'の暗判別セル24g'によって矩形領域の角部5cが示されるようになっている。
このように構成されているため、図3のような緑成分の画像を取得したときに、明暗が1セルごとに交互に配置される交互模様の規則性が第1の特定パターン2に隣接する位置から角部5cの位置まで及び、第1境界辺6a全体を特定しやすくなっている。
また、色参照パターン24は、第2境界辺6dに隣接するセル(即ち、外縁の一部が第2境界辺6dの位置に配置されるセル24g、24f、24e)からなるセル列34を備えている。このセル列34は、各セル24g、24f、24eが図3に示す緑成分の画像において3つの暗判別セル24g'、24f'、24e'となり、暗判別セルのみが連続する暗色連続模様34'となるように構成されている。従って、交互模様33'と暗色連続模様34'とによってそれぞれ第1境界辺6b及び第2境界辺6dの位置が精度高く示され、その頂部にある暗判別セル24g'によって角部5cの角位置がより正確に示されることとなり、読み取りの際には、矩形領域の角部5cの付近の境界をより正確に特定できるようになる。
また、二次元コード1のコード領域(矩形領域)における第1の特定パターン2の対角位置にも、上記色参照パターン21〜24と同一構成の色参照パターン25が配置されている。この色参照パターン25は、コード領域(矩形領域)の角部5dを示すエンドパターンとして機能しており、一方の外縁が第2境界辺6cに沿って配置され、当該一方の外縁に対し直角に配される他方の外縁が第2境界辺6dに沿って配置され、これら直角外縁によって矩形領域における角部5dの角位置が定められている。なお、本実施形態では、第1の特定パターン2が隣接していない境界辺を第2境界辺6c、6dとしている。
色参照パターン25は、第2境界辺6cに隣接するセル(即ち、外縁の一部が第2境界辺6cの位置に配置されるセル25c、25d、25e)からなるセル列36を備えている。このセル列36は、図3に示す緑成分の画像において、両端に暗判別セル25c'、25e'が配置され、中央に明判別セル25d'が配置された交互模様36'となるように構成されている。また、第2境界辺6dに隣接するセル(即ち、外縁の一部が第2境界辺6dの位置に配置されるセル25g、25f、25e)からなるセル列35を備えている。このセル列35は、各セル25g、25f、25eが図3に示す緑成分の画像において3つの暗判別セル25g'、25f'、25e'となり、暗判別セルのみが連続する暗色連続模様35'となるように構成されている。
本実施形態では、矩形領域の規定の角部5aに、当該矩形領域内のセルCの位置基準となる第1の特定パターン2(基準パターン)が設けられている。この第1の特定パターン2は、外周部に環状かつ矩形状の黒色セルが配置されているため、いずれの色成分の画像においても、外周部に暗判別セルが矩形状に配置されることとなるため、これら暗判別セルを用いて背景と矩形領域とを区別することができる。
また、複数の色参照パターン22、24、25が、規定の角部5a以外の角部5b、5c、5dにそれぞれ配置されており、それら色参照パターン22、24、25は、当該色参照パターンの4つの角部に配置される角セルが、図3に示す緑成分の画像において暗と判別される暗判別セルによって構成されている。即ち、3×3のマトリックス状に構成される色参照パターン22の4つの角部のいずれのセルも緑成分の画像において暗判別セルとなっており、この色参照パターン22と同一構成をなす色参照パターン24、25についても、4つの角部のいずれのセルも緑成分の画像において暗判別セルとなっている。従って、色参照パターン22、24、25を全て同一の色配列としつつ、緑成分の画像において角部5b、5c、5dに暗判別セルを配置することができ、各角部を正確に特定できるようになる。
また、第2境界辺6c側及び第2境界辺6d側においても、各境界辺のそれぞれのほぼ中央位置に、色参照パターン26、27がそれぞれ設けられている。
色参照パターン26は、第2境界辺6cに隣接するセル(即ち、外縁の一部が第2境界辺6cの位置に配置されるセル26c、26d、26e)からなるセル列37を備えている。このセル列37は、図3に示す緑成分の画像において、両端に暗判別セル26c'、26e'が配置され、中央に明判別セル26d'が配置された交互模様37'となるように構成されている。この交互模様37'は、第2境界辺6cの両端部に隣接する交互模様39'、36'と共に第2境界辺6cを特定する役割を果たしている。
また、色参照パターン27は、第2境界辺6dに隣接するセル(即ち、外縁の一部が第2境界辺6dの位置に配置されるセル27g、27f、27e)からなるセル列35を備えている。このセル列35は、各セル27g、27f、27eが図3に示す緑成分の画像において3つの暗判別セル27g'、27f'、27e'となり、暗判別セルのみが連続する暗色連続模様38'となるように構成されている。この暗色連続模様38'は、第2境界辺6cの両端部に隣接する暗色連続模様34'、35'と共に第2境界辺6cを特定する役割を果たしている。
また、図1の二次元コード1では、矩形領域の境界部から離れた位置(図1では矩形領域の中心位置)にも色参照パターン21〜27と同一構成の同一パターン28が配置されている。この同一パターン28も、矩形領域内の各セルに使用するセル表示色の基準となるパターンであり、上記色参照パターン21〜27と同様に二次元コード1で用いられる全セル表示色(黒色、白色、赤色、緑色、青色、マゼンタ色、シアン色、黄色)を表示する構成となっている。なお、この同一パターン28を矩形領域内の所定の基準位置としてもよく、この場合、同一パターン28をアライメントパターンとして機能させることができる。
また、第1の特定パターン2の内部には、黒色セル及び白色セル以外の6色のセルが、各色参照パターン21〜27におけるこれら6色の配置と同様に配置されている。この構成によれば、第1の特定パターン2を色参照領域としても利用できるようになる。
なお、本実施形態の二次元コード1は、第1の特定パターン2がコード領域(矩形領域)の規定の角部5aに配置される一方で、コード領域(矩形領域)の境界辺6のうちの、第2の特定パターン3、4が配置される側以外の境界辺側(即ち、第2境界辺6c、6d側)に、一部の誤り訂正コードブロック12が配置される構成となっている。一方の第2境界辺6c側の誤り訂正コードブロック12は、第2境界辺6cに隣接する位置に、背景とは色彩又は濃度又は輝度の異なるセルを少なくとも1つ配置する構成をなしている。即ち、誤り訂正コードブロック12は、その性質上、背景と同一色のセルが連続して並ぶ確率が極めて低いことが知られており、本実施形態では、誤り訂正コードブロック12のこのような性質を利用して第2境界辺6cに隣接する位置に、背景とは色彩又は濃度又は輝度の異なるセルを少なくとも1つ配置するようにしている。他方の第2境界辺6d側の誤り訂正コードブロック12も同様であり、第2境界辺6dに隣接する位置に、背景とは色彩又は濃度又は輝度の異なるセル(黒色セル)を少なくとも1つ配置する構成をなしている。なお、図1の例では、背景が白色として構成され、誤り訂正コードブロック12はそれぞれ、背景と色の異なる黒色セル等を少なくとも1つ第2境界辺2c、2dに隣接させるように配置されるため、その黒色セル等を目印として第2境界辺2c、2dを精度高く特定できるようになる。
次に、本実施形態に係る二次元コード1を読み取る読取処理について説明する。
当該読取処理はカラー画像を撮像する撮像手段及び情報処理手段を備えた光学的情報読取装置によって行われるものである。
図5に示すように、当該読取処理では、まず二次元コード1の画像データを取得する処理を行う(S1)。この処理では、各色成分ごとに画像データを取得してそれらをメモリに保存しておく。この処理により、赤成分の画像データ(R画像データ)と、緑成分の画像データ(G画像データ)と、青成分の画像データ(B画像データ)とがそれぞれメモリに記憶される。
その後、各色成分の画像データから明暗画像データをそれぞれ算出し、それらをメモリに記憶する(S2)。この処理では、各色成分の画像データにおいて、明領域と暗領域とが区別された明暗画像を生成し、データとして保存する。具体的には、赤成分の画像データ(R画像データ)により赤成分についての明暗画像データを取得し、緑成分の画像データ(G画像データ)により緑成分についての明暗画像データを取得し、青成分の画像データ(B画像データ)により青成分についての明暗画像データを取得し、それらをメモリ保存する。図1の二次元コード1についての緑成分の明暗画像は図3のような構成をなし、S2ではこのような明暗画像のデータがメモリに記憶される。
S2の処理の後には、二次元コード領域を特定する処理が行われる(S3)。本実施形態では、図3に示す緑成分の明暗画像に基づいて二次元コード領域を特定する。具体的には、図3に示す緑成分の画像において、第1の特定パターン2の特定模様2'と、第2の特定パターン3、4によって構成される交互模様と、色参照パターン22、24、25、26、27における矩形領域の境界部を構成する各セル列によって構成される模様(上述の交互模様や暗色連続模様)とを検出し、これら模様に基づいて矩形領域の境界部を特定する。
その後、二次元コード1内に配される色参照パターンを検索する(S4)。そして、その検索された色参照パターンに基づいて各色の判別基準を設定する(S5)。なお、色参照パターンに基づいて判別基準を設定する方法としては、いずれかの色参照パターンに基づいて判別基準を設定する方法であってもよく、複数の色参照パターンに基づいて判別基準を設定する方法であってもよい。以下では、その一例として、色参照パターン21に基づいて判別基準を設定する例について説明する。
色参照パターン21の各セルは、各色の基準色として扱われるものであり、二次元コード1を構成する各セルがいずれの色に該当するかを判断するための閾値を設定するために用いられる。具体的には、二次元コード1の各黒色セルを判断するための閾値が少なくとも黒色セル21a又は21eに基づいて設定され、二次元コード1の各赤色セルを判断するための閾値が少なくとも赤色セル21cに基づいて設定され、二次元コード1の各緑色セルを判断するための閾値が少なくとも緑色セル21dに基づいて設定され、二次元コード1の各青色セルを判断するための閾値が少なくとも青色セル21gに基づいて設定されるようになっている。更に、二次元コード1の各シアン色セルを判断するための閾値が少なくともシアン色セル21bに基づいて設定され、二次元コード1の各マゼンタ色セルを判断するための閾値が少なくともマゼンタ色セル21fに基づいて設定され、二次元コード1の各黄色セルを判断するための閾値が少なくとも黄色セル21hに基づいて設定され、二次元コード1の各白色セルを判断するための閾値が白色セル21iに基づいて設定されるようになっている。
閾値の設定処理は例えば以下の通りに行うことができる。まず、受光センサで取得された画像データをアナログ信号からデジタル信号に変換する場合、RGBの各信号を判別する必要がある。例えば、R画像(R成分によって構成される画像)では、「赤」「白」「マゼンタ」「黄」の各色から得られる各信号レベルには大きな差がなく、R画像ではこれらはいずれも「明」に類するレベルになる。一方、このR画像では、「黒」「緑」「青」「シアン」の各色から得られる各信号レベルにも大きな差がなく、R画像ではこれらはいずれも「暗」に類するレベルになる。この傾向は、G画像(G成分によって構成される画像)では、「緑」「白」「シアン」「黄」の各色から得られる信号レベルが「明」レベルになり、「黒」、「赤」、「青」「マゼンタ」の各色から得られる信号レベルが「暗」レベルになる。同様に、B画像(B成分によって構成される画像)では、「青」「白」「シアン」「マゼンタ」の各色から得られる信号レベルが「明」レベルになり、「黒」「赤」「緑」「黄」の各色から得られる信号レベルが「暗」レベルになる。
したがって、R画像、G画像、B画像の全てで「明」となる場合は「白」と判定され、R画像、G画像、B画像の全てで「暗」となる場合には「黒」と判定される。また、R画像のときのみ「明」でG画像、B画像のときに「暗」となる場合は「赤」と判定され、G画像のときのみ「明」でR画像、B画像のときに「暗」となる場合は「緑」と判定され、B画像のときのみ「明」でR画像、G画像のときに「暗」となる場合は「青」と判定されることとなる。
また、G画像、B画像のときに「明」で、R画像のときに「暗」となる場合には、「シアン」と判定でき、R画像、B画像のときに「明」で、G画像のときに「暗」となる場合には、「マゼンタ」と判定でき、R画像、G画像のときに「明」で、B画像のときに「暗」となる場合には、「黄」と判定できる。
以上のように各色を判断できるため、R画像、G画像、B画像それぞれについて明暗を判断するための閾値を定めておくことにより、画像データに基づいて二次元コード1を構成する各セル色を確実に判定することができるようになる。
S4で検索された色参照パターンに基づいて、R画像で明暗を区別するための閾値、G画像で明暗を区別するための閾値、B画像で明暗を区別するための閾値をそれぞれ設定する設定方法は様々に考えられるが、例えば、色参照パターン21を判断基準とする場合、R画像の閾値については、二次元コード1のR画像における、赤色セル21d、マゼンタ色セル21f、白色セル21i、黄色セル21hの明るさレベルの平均値と、青色セル21g、緑色セル21d、黒色セル21a、21e、シアン色セル21bの明るさレベルの平均値とを、算出し、これらの中間値をR画像の閾値とするといった方法が挙げられる。この場合、R画像の場合と同様にG画像、B画像の閾値を設定できる。なお、閾値の設定方法はあくまで一例であり、図1、図2のような色参照パターンを用いて設定しうる方法であれば別の方法であっても良いことは言うまでもない。
S5の処理の後には、S5で設定された閾値に基づいてデータ領域の各セルの色が特定され(S6)、その特定結果に基づいてデコード処理が行われる(S7)。そして、そのデコード結果が出力される(S8)。
本実施形態の構成によれば、例えば以下のような効果を奏する。
本実施形態の二次元コード1では、矩形領域内の各セルに使用するセル表示色の基準となる色参照パターン21〜27が設けられているため、読み取りの際に各セルの色を精度高く判断しやすくなる。更に、色参照パターン21〜27のセル列が矩形領域の境界部として構成され、矩形領域と背景とを分離するための所定の色配列で構成されているため、コード領域と背景とを精度高く分離できる構成をより効率的に実現できる。
また、色参照パターン21〜27が3行3列のマトリックス状に構成されているため、色参照パターンをコンパクトに構成しつつ、背景と分離するためのセル列を3セル分使って適切に構成できる。
また、矩形領域と背景とを分離するための第2の特定パターン3、4が矩形領域の境界に沿って配置されており、色参照パターン21、22のセル列30、31が第2の特定パターン3の一部として構成されている。また、色参照パターン23、24のセル列32,3が第2の特定パターン4の一部として構成されている。このようにすると色参照パター21、22、23、24のみならず、第2の特定パターン3、4における他部分(色参照パターン21、22、23、24以外の部分)をも用いて矩形領域と背景とを分離でき、より精度高く良好に分離できるようになる。
また、矩形領域を撮像して所定の色成分の画像を取得したときに、当該画像において、セル列30、31によって構成される部分(交互模様30'、31')と、セル列30、31以外の他部分によって構成される部分(交互模様3a'、3b')とが、連続した特定模様となるように構成されている。また、当該画像において、セル列32、33によって構成される部分(交互模様32'、33')と、セル列32、33以外の他部分によって構成される部分(交互模様4a'、4b')とが、連続した特定模様となるように構成されている。このようにすると、所定の色成分の画像を取得したときに矩形領域の境界を特定しうる特定模様が構成されることとなり、当該特定模様に基づき矩形領域をより精度高く分離できるようになる。特に、色参照パターンのみ、或いは色参照パターン以外の他部分のみによって特定模様を構成するのではなく、これらを連続させて特定模様を構成しているため、色参照パターンを効率的に配置しつつ特定模様をより長く設けることができる。
また、第2の特定パターン3の他部分(色参照パターン21、22の一部をなすセル列30、31以外の部分、即ち、白黒交互パターン3a、3b)が、所定の色成分の画像において、明と判別される明判別セルと、暗と判別される暗判別セルとが交互に配列された交互模様3a'、3b'となるように構成されている。このようにすると、背景色の影響を抑えて矩形領域を精度高く特定しやすくなる。特に、所定の色成分の画像において、色参照パターン21、22の一部をなすセル列30、31と当該セル列30、31以外の他部分(白黒交互パターン3a、3b)とが連続する交互模様となるように構成されているため、境界部に色参照パターン21、22を配置しつつ交互模様をより広い領域に表すことができ、矩形領域をより一層精度高く分離できるようになる。なお、このような効果は第2の特定パターン4においても同様である。
また、矩形領域の規定の角部5aに、当該矩形領域内のセルの位置基準となる第1の特定パターン2(基準パターン)が設けられているため、規定の角部5aについては第1の特定パターン2によって精度高く特定できるようになる。一方、規定の角部5a以外の角部5b〜5dについては、色参照パターン22、24、25がそれぞれ配置されているため、これら角部5b〜5dについては色参照パターン22、24、25によって特定できるようになる。更に、各色参照パターン22、24、25の角セル(各色参照パターン22、24、25における4つの角部に配置されるそれぞれのセル)が、暗判別セル(所定の色成分の画像において暗と判別されるセル)として構成されているため、所定の色成分の画像において矩形領域の角部5b〜5dにそれぞれ暗色が配置されることとなり、当該色成分の画像において背景色が明色となるときに各角部5b〜5dをより正確に特定できるようになる。
また、色参照パターンが同一の色配列で複数設けられているため、複数の色参照パターン21〜27のいずれをも用いてセル表示色の基準を取得することができ、例えばいずれかのパターンの読み取りが困難な場合等において有利となる。更に、それら複数の色参照パターン21〜27が同一の色配列で構成されているため、各パターンを読み取るために複雑な読み取り方法や読み取り情報を用いる必要がなく(例えば、各色参照パターン21〜27毎の固有の読み取り方法を設定する必要がなく)、読み取りをより簡素化できる。
[第2実施形態]
次に第2実施形態について説明する。図6は、第2実施形態に係る二次元コードを概略的に説明する説明図である。図7(a)は、図6の二次元コードに用いる色参照パターンを説明する説明図であり、(b)は、緑成分の画像を取得したときの色参照パターンの明暗構成を概略的に説明する説明図である。図8は、図6の二次元コードについて、緑成分の画像を取得したときの明暗構成を概略的に説明する説明図である。
本実施形態の二次元コード200は、第1の特定パターン202、第2の特定パターン203、204、色参照パターン221〜228の構成が第1実施形態の二次元コード1と異なり、それ以外は第1実施形態の二次元コード1と同様である。例えば、データ記録領域AR内の構成は第1実施形態の二次元コード1と同様であるため、データコードブロック11や誤り訂正コードブロック12の詳細な説明は省略する。
本実施形態の二次元コード200も、複数のセルCが矩形領域内に二次元的に配置され、各々のセルCの色彩又は濃度又は輝度により符号化された情報をカラー表現するように構成されている。
また、本実施形態の二次元コード200も、矩形領域内の各セルCに使用するセル表示色の基準となる色参照パターン221〜227が設けられている。図6、図7(a)に示すように、色参照パターン221〜227はいずれも、複数のセルが3×3のマトリックス状に配置されてなるものであり、且つ、色参照パターン221〜227はいずれも、一部のセル列が矩形領域の境界部として構成されている。また、色参照パターン221〜227はいずれも、二次元コード200で用いられる全セル表示色(黒色、白色、赤色、緑色、青色、マゼンタ色、シアン色、黄色)を表示する構成となっている。なお、図7(a)では、色参照パターン221のみを拡大して示しているが、色参照パターン222〜227はこの色参照パターン221と同一構成であるため、これら色参照パターン222〜227についての拡大図は省略する。
二次元コード200は、矩形領域の規定の角部5cにおいて、当該矩形領域内のセルCの位置基準となる第1の特定パターン202(基準パターン)が設けられており、この第1の特定パターン202に隣接する第1境界辺6a、6bに沿って第2の特定パターン203,204が配置されている。なお、第1の特定パターン202は、中心に黒色セルが配置され、最外周に黒色セルが環状かつ矩形状に配置されている点については第1実施形態の第1の特定パターン2と同様であり、内部に配置される黒色、白色以外の6色のセルの配列のみが第1実施形態の第1の特定パターン2と異なっている。
第2の特定パターン203は、「特定パターン」の一例に相当するものであり、矩形領域と背景とを分離する機能を有している。この第2の特定パターン203は、矩形領域の境界となる第1境界辺6aに隣接して配置されており、色参照パターン221、222のそれぞれの一部をなすセル列230,231と、黒色セルが連続してなる黒色連続パターン203a、203bとによって構成されている。
そして、本実施形態でも、矩形領域を撮像して緑成分の画像を取得したときに、当該画像において、セル列230、231によって構成される部分と、セル列230、231以外の他部分によって構成される部分とが、連続した特定模様となるように構成されている。
具体的に言うと、黒色連続パターン203aが「他部分」に相当しており、図8に示す緑成分の画像において、暗判別セルが連続する暗色連続模様203a'となるように構成されている。また、色参照パターン221のセル列230を構成する各セル221a、221b、221cは、それぞれ緑成分の画像において暗判別セル221a'、221b'、221c'として構成されるようになっている。即ち、図7(a)に示すように、各セル221a、221b、221cはそれぞれ、緑成分の画像において暗と判別される黒色セル、マゼンタ色セル、赤色セルによって構成されており、緑成分の画像において図7(b)のように暗色連続模様230'として構成されるようになっている。そして、この暗色模様230'が当該画像において上記暗色連続模様203a'と連続するようになっている。
また、セル列230に隣接する黒色連続パターン203bも、図8に示す緑成分の画像において、暗判別セルが連続する暗色連続模様203b'となるように構成されている。更に、色参照パターン222のセル列231を構成する各セル222a、222b、222cは、それぞれ緑成分の画像において暗判別セル222a'、222b'、222c'として構成され、上記暗色連続模様203b'に連続する暗色連続模様231'となるように構成されている。
つまり、第2の特定パターン203は、緑成分の画像において、黒色連続パターン203aによる暗色連続模様203a'、セル列230による暗色連続模様230'、黒色パターン203bによる暗色連続模様203b'、セル列231による暗色連続模様231'が連続し、第1の特定パターン2に隣接する位置から角部5bの位置まで全て暗判別セルによって構成されるようになっている。
また、第2の特定パターン204も「特定パターン」の一例に相当し、矩形領域と背景とを分離する機能を有している。この第2の特定パターン204は、矩形領域の境界となる第1境界辺6bに隣接して配置されており、色参照パターン223の境界部のセル列232と、色参照パターン224の境界部のセル列233と、白色セルと黒色セルとが交互に配置されてなる白黒交互パターン4a、4bとによって構成されている。なお、白黒交互パターン4a、4bについては第1実施形態の二次元コード1と同様の構成をなしている。この第2の特定パターン204も、図8に示す緑成分の画像において、セル列232、233によって構成される部分(交互模様232'、233')と、セル列232、233以外の白黒交互パターン4a、4b(他部分)によって構成される部分(交互模様4a'、4b')とが、連続した特定模様となるように構成されている。なお、第2の特定パターン204の特定模様は、第1実施形態の第2の特定パターン4の特定模様(交互模様)とほぼ同様であるので詳細な説明は省略する。
なお、本実施形態の二次元コード200においても、複数の色参照パターン222、224、225が、規定の角部5a以外の角部5b、5c、5dにそれぞれ配置されており、それら色参照パターン222、224、225は、4つの角部に配置される角セルが、図8に示す緑成分の画像において暗と判別される暗判別セルによって構成されている。例えば、色参照パターン222は、4つの角部のいずれのセルも図8に示す緑成分の画像において暗判別セルとなるように構成されており、この色参照パターン222と同一構成をなす色参照パターン224、225についても同様であり、4つの角部のいずれのセルも緑成分の画像において暗判別セルとなるように構成されている。
また、第2境界辺6c側及び第2境界辺6d側において、各境界辺のそれぞれのほぼ中央位置に、色参照パターン226、227がそれぞれ設けられている。また、矩形領域の境界部から離れた位置(図6では矩形領域の中心位置)にも色参照パターン221〜227と同一構成の同一パターン228が配置されている。この同一パターン228も、矩形領域内の各セルに使用するセル表示色の基準となるパターンであり、上記色参照パターン221〜227と同様に二次元コード1で用いられる全セル表示色(黒色、白色、赤色、緑色、青色、マゼンタ色、シアン色、黄色)を表示する構成となっている。
本実施形態の構成では、第2の特定パターン203の黒色連続パターン203a、203b(他部分)が、所定の色成分の画像において、暗判別セルが連続する暗色連続模様203a'、203b'となるように構成されている。このようにすると、当該色成分の画像において背景色が明色となるときに矩形領域の境界をより明確に特定しやすくなる。また、所定の色成分の画像において、色参照パターン221の一部をなすセル列230、231によって構成される部分(暗色連続模様230'、231')と当該セル列以外の他部分(即ち黒色連続パターン203a、203b)によって構成される部分(暗色連続模様203a'、203b')とが連続して暗色連続模様が構成されているため、境界部に色参照パターン221、222を配置しつつ暗色連続模様をより広い領域に表すことができ、矩形領域をより一層精度高く分離できるようになる。
[第3実施形態]
次に第3実施形態について説明する。図9は、第3実施形態に係る二次元コードを概略的に説明する説明図である。図10は、図9の二次元コードについて、緑成分の画像を取得したときの明暗構成を概略的に説明する説明図である。
本実施形態の二次元コード300は、第1の特定パターン302、第2の特定パターン303、304、色参照パターン321〜328の構成が第1実施形態の二次元コード1と異なり、それ以外は第1実施形態の二次元コード1と同様である。例えば、データ記録領域AR内の構成は第1実施形態の二次元コード1と同様であるため、データコードブロック11や誤り訂正コードブロック12の詳細な説明は省略する。
本実施形態の二次元コード300も、複数のセルCが矩形領域内に二次元的に配置され、各々のセルCの色彩又は濃度又は輝度により符号化された情報をカラー表現するように構成されている。
また、本実施形態の二次元コード300も、矩形領域内の各セルCに使用するセル表示色の基準となる色参照パターン321〜227が設けられている。図9に示すように、色参照パターン321〜327はいずれも、複数のセルが3×3のマトリックス状に配置されてなるものであり、且つ、色参照パターン321〜327はいずれも、一部のセル列が矩形領域の境界部として構成されている。また、色参照パターン321〜327はいずれも、二次元コード300で用いられる全セル表示色(黒色、白色、赤色、緑色、青色、マゼンタ色、シアン色、黄色)を表示する構成となっている。なお、図9の例では、色参照パターン221〜227は全て同一構成となっている。
二次元コード300は、矩形領域の規定の角部5cにおいて、当該矩形領域内のセルCの位置基準となる第1の特定パターン302(基準パターン)が設けられており、この第1の特定パターン302に隣接する第1境界辺6a、6bに沿って第2の特定パターン303,304が配置されている。なお、第1の特定パターン302は、中心に黒色セルが配置され、最外周に黒色セルが環状かつ矩形状に配置されている点については第1実施形態の第1の特定パターン2と同様であり、内部に配置される黒色、白色以外の6色のセルの配列のみが第1実施形態の第1の特定パターン2と異なっている。
第2の特定パターン303は、第1の特定パターン302の端部に隣接すると共に、当該隣接位置から角部5bまでの領域全体に亘り第1境界辺6aに隣接して配置されている。この第2の特定パターン3は、一部が色参照パターン321、322によって構成され、これら色参照パターン321、322以外の他部分が、白色セル及び黒色セルからなる白黒交互パターン303a、303bによって構成されている。
第1の特定パターン2と色参照パターン321との間に配置される白黒交互パターン303aは、第1の特定パターン302に隣接する黒色セルを一端部とし、色参照パターン21に隣接する白色セルを他端部とする11個のセルによって構成され、第1境界辺6aに沿って一列状に構成されている。この白黒交互パターン303aでは、一端部の黒色セル(第1の特定パターン2に隣接する黒色セル)に隣接して黒色セルが配置され(即ち黒色セルが2つ連続し)、次いで、白色セルが2つ連続して配置されるといった形態で白色セルと黒色セルとが2セルごと交互に配置されている。
また、両色参照パターン321、322の間に配置される白黒交互パターン303bも同様であり、色参照パターン321に隣接する白色セルを一端部とし、色参照パターン322に隣接する黒色セルを他端部とする11個のセルによって構成され、第1境界辺6aに沿って一列状に構成されている。この白黒交互パターン303bも、一端部の白色セル(色参照パターン21に隣接する白色セル)に隣接して白色セルが配置され(即ち、白色セルが2つ連続し)、次いで、黒色セルが2つ連続して配置されるといった形態で白色セルと黒色セルとが2セルごと交互に配置されている。
また、色参照パターン321は、第1境界辺6aのほぼ中央位置に隣接して配置されており、第1境界辺6aに隣接するセル(即ち、外縁の一部が第1境界辺6aの位置に配置されるセル321a、321b、321c)からなるセル列330が矩形領域の境界部として構成されている。これらセル321a、321b、321cからなるセル列330は、矩形領域と当該矩形領域の背景とを分離するための所定の色配列(後述)で構成されると共に、第2の特定パターン303の一部として構成されており、一端側が白黒交互パターン303aに隣接し、他端側が白黒交互パターン303bに隣接した構成となっている。
色参照パターン322は、第1境界辺6aの端部に隣接して配置されており、第1の境界辺6aに隣接するセル(即ち、外縁の一部が第1境界辺6aの位置に配置されるセル322a、322b、322c)からなるセル列331が、矩形領域と当該矩形領域の背景とを分離するための所定の色配列(後述)で構成されている。このセル列331は、第2の特定パターン303の一部として構成されており、一端側が白黒交互パターン303bに隣接し、他端部が矩形領域の角部5bとして構成されている。なお、色参照パターン322は、第1境界辺6aのエンドを示すエンドパターンとしての機能を有している。
このように構成される第2の特定パターン303は、図10に示す緑成分の画像において、セル列330の明暗模様330'が、白黒交互パターン303aの交互模様303a'に連続し、更に、この明暗模様330'が白黒交互パターン303bの交互模様303b'に連続し、更には、この交互模様303b'にセル列331の明暗模様331'が連続しており、第1の特定パターン302に隣接する位置から角部5bに至るまでの領域において、2セルずつ連続する明判別セルと2セルずつ連続する暗判別セルとが交互に配置される交互模様が構成されるようになっている。
なお、他方の第2の特定パターン304の構成も同様であり、白黒交互パターン304a、色参照パターン323における第1境界部6bに隣接するセル列、白黒交互パターン304b、色参照パターン324における第1境界部6bに隣接するセル列により、図10に示す緑成分の画像において、交互模様304a'、明暗模様332'、交互模様304b'、明暗模様333'が構成され、第1の特定パターン302に隣接する位置から角部5cに至るまでの領域において、2セルずつ連続する明判別セルと2セルずつ連続する暗判別セルとが交互に配置される交互模様が構成されるようになっている。
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
上記実施形態では、第1境界部において第1の特定パターン及び色参照パターン以外の他部分が存在する構成を例示したが、このような他部分が存在しない構成であってもよい。例えば、図1の白黒交互パターン3a、3b、4a、4bのいずれか又は全てを省略し、その位置に誤り訂正コードブロック12やデータコードブロック11などを配置してもよい。或いは、図6の構成において黒色連続パターン203a、203bや白黒交互パターン4a、4bを省略し、その位置に誤り訂正コードブロック12やデータコードブロック11などを配置してもよい。
上記実施形態では「所定の色成分の画像」として「緑成分の画像」を例示したが、赤成分の画像や青成分の画像であってもよい。例えば、図1の色参照パターン21〜28を全て図11のようなパターンに変更すれば、赤成分の画像を取得したときに図3と同様の明暗構成となり(図4(a)も参照)、第1実施形態と同様の効果が得られる。また、図1の色参照パターン21〜28を全て図12のようなパターンに変更すれば、青成分の画像を取得したときに図3と同様の明暗構成となり(図4(c)も参照)、第1実施形態と同様の効果が得られる。
上記実施形態では、色参照パターンを8色のセルによって構成した例を示したが、これより多い色数或いはこれより少ない色数で構成してもよい。例えば、図13(a)は、5色(黒色、白色、シアン色、マゼンタ色、黄色)のセルによって色参照パターンを構成した例を示しており、このように色参照パターンを構成すると、緑成分の画像において図13(b)のような明暗パターンとなるため、図1の色参照パターン21〜28を全て図13(a)のような色参照パターンに変更しても図3と類似の明暗配列データが得られ、第1実施形態と同様の効果が得られる。また、図14(a)は、4色(黒色、シアン色、マゼンタ色、黄色)のセルによって色参照パターンを構成した例を示しており、このような色参照パターンとすると、緑成分の画像において図14(b)のような明暗パターンとなるため、図1の色参照パターン21〜28を全て図14(a)のような色参照パターンに変更しても図3と類似の明暗配列データが得られ、第1実施形態と同様の効果が得られる。
上記実施形態では、色参照パターンが3行3列のマトリックス状に構成された例を示したが、これとは異なるマトリックス構成であってもよい。例えば4行4列のマトリックス構成であってもよい。このような構成とすると、色参照パターンを8色以上のセル(例えば16色のセル)によって構成することができる。
上記実施形態では、矩形領域の境界辺に隣接させて誤り訂正コードブロック12を配置する例を示したが、第2境界辺6c、6dのいずれか又はそれぞれに隣接するように、圧縮されたデータを格納してなる圧縮データコードブロックを配置してもよい。この圧縮データコードブロックは、コード化すべきデータを公知の圧縮方法を用いて圧縮した圧縮データをブロック化したものであり、圧縮のアルゴリズムは、ランレングス符号化やハフマン符号化等、公知の圧縮アルゴリズムであればいずれを用いてもよい。例えば、ランレングス符号化を用いる場合、デコードすべき情報が「0000000000001111」という情報であった場合、0が12個(2進数で1100)、1が4個(2進数で0100)並ぶことから、「0」「1100」「1」「0100」を並べた、「0110010100」と表すことができ、数字の連続を少なくすることできる。その結果、圧縮データコードブロッ内において背景色と同一色のセルが長く連続することを抑えることができる。例えば、背景色が白色又はこれに近い色であり、白色セルが「0」を示す場合、矩形領域の境界部において背景色に近い白色セルが連続し難くなり、矩形領域と背景とを区別しやすくなる。