JP6590335B2 - 二次元コード、及び該二次元コードの読取方法 - Google Patents

二次元コード、及び該二次元コードの読取方法 Download PDF

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Description

QRコード(登録商標)などの一般的な二次元コードは、明色又は暗色のセルをマトリクス状に配置してなるものであり、セルの明暗パターンによってデータを記録している。こうした二次元コードは規格化されており、読取用プログラムをインストールしたスマートフォンなどを読取装置として用いれば、二次元コードに記録されたデータを復号できる。
発明者は、一般的な二次元コードの記憶容量を拡大するために、二次元コードのセルを更に微細なサブセルに分割するとともに、各サブセルを、反射率又は輝度が所定の明色閾値以上である複数の明色基準色と、反射率又は輝度が所定の暗色閾値以下である複数の暗色基準色の中から選択した色で配色することにより、セル単位の明暗パターンにより互換データを記録しつつ、サブセル単位の基準色の配色パターンによって付加的な専用データを記憶可能な二次元コードを提案している(特許文献1参照)。
特許文献1の二次元コードの互換データは、一般的な二次元コードと同様に、セル単位の明暗パターンによって記録されるため、一般的な二次元コードの読取装置を用いてかかる二次元コードを読み取れば、互換データを復号できる。一方、専用データは、セル単位の明暗パターンには記録されないため、一般的な二次元コードの読取装置では復号できないが、専用の読取装置を用いることで復号できる。
特開2014−154118号公報
ところで、上記特許文献1に記載の二次元コードは、多量の専用データを記録できるという利点があるが、四種類以上の基準色を用いるため、セル単位の明暗パターンの識別率が高くないという問題がある。二次元コードは一般的に誤り訂正機能を備えているため、誤り訂正が可能な範囲内であれば、セルの明暗パターンの識別を誤っても互換データを読み取り可能である。しかしながら、読取装置の明色と暗色の識別精度が低い場合や、印刷の経時変化によりセルの色が変動した場合、二次元コードを読み取る際の照明にムラがある場合などは、明暗パターンの識別誤りが多くなって、互換データの読み取りに失敗するおそれがある。
本発明は係る現状に鑑みてなされたものであり、セル単位の明暗パターンの識別が容易であり、なおかつ、セル単位の明暗パターン以外の配色パターンによって、多くの専用データを記録可能な二次元コードの提供を目的とする。
本発明は、明色と識別されるセルと暗色と識別されるセルとをマトリクス状に配置してなる二次元コードであって、少なくとも一部のセルが、白色又は黒色で配色された中央部と、RGB値の異なる3種類以上の基準色から選ばれた、1又は複数の色で配色された周辺部とからなる拡張セルであり、拡張セルの中央部の配色パターンによって記録される互換データと、拡張セルの周辺部の配色パターンによって記録される専用データの少なくとも二種類の情報を含むことを特徴とする二次元コードである。
一般的な二次元コードの読取装置は、撮像した二次元コードの画像からセルの領域を切り出した後に、セルの中心付近の色を重視して当該セルが明色と暗色のいずれであるかを識別する。これに対して、本発明に係る拡張セルは、その中央部が、反射率や輝度が最も高い高い白色と、最も低い黒色とで配色されるため、一般的な二次元コードの読取装置で、セル単位で明色と暗色の識別をした時に、中央部が白色の拡張セルは明色と、中央部が黒色の拡張セルは暗色と容易に識別できる。したがって、本発明の二次元コードは、明色と暗色の識別精度が低い読取装置を用いた場合や、印刷の経時変化によりセルの色が変動した場合、二次元コードを照らす照明にムラがある場合などであっても、明暗パターンの識別誤りがそれほど多くならず、互換データを確実に読み取ることができるという利点がある。
一方、本発明では、拡張セルの周辺部の配色パターンによって専用データが記録される。ここで、上述のように、拡張セルのセル単位の明暗パターンの識別精度は、拡張セルの中央部の配色パターンによって確保されるため、周辺部を多くの基準色で配色した場合でも、また、周辺部を多くのサブセルに分割した場合でも、互換データの読取精度は損なわれない。したがって、本発明によれば、互換データの読取精度を損なうことなく、拡張セルに多量の専用データを記録可能となる。
本発明にあって、セルは正方形状をなしており、拡張セルは、当該拡張セルを縦横に3分割して得られる9つの正方形のうち、中央の正方形部分を中央部とし、残り8つの正方形部分を周辺部としている構成が提案される。一般的に、拡張セルにおける中央部の面積比率を高くするほど、周辺部の色の識別精度が低くなり、中央部の面積比率を低くするほど、中央部の色の識別精度が低くなるが、発明者の研究によれば、かかる構成とした場合に、中央部の明暗パターンの識別精度と、周辺部の基準色の識別精度の双方を最もバランスよく確保可能となる。
また、本発明にあって、前記基準色は、反射率又は輝度が所定の明色閾値以上である複数の明色基準色と、反射率又は輝度が所定の暗色閾値以下である複数の暗色基準色とからなり、中央部が白色で配色された拡張セルは、前記複数の明色基準色から選ばれた、1又は複数の色で配色されており、中央部が黒色で配色された拡張セルは、前記複数の暗色基準色から選ばれた、1又は複数の色で配色されている構成が提案される。
かかる構成にあっては、手ぶれやピントボケ、また撮像プログラムの平均化フィルタなどの影響によって、撮像した二次元コードの画像データにおいて、中央部の色に周辺部の色が影響を与えたとしても、中央部が白色の拡張セルは、反射率や輝度が高い明色基準色で周辺部が配色されるため確実に明色と識別され、中央部が黒色の拡張セルは、反射率や輝度が低い暗色基準色で周辺部が配色されるため確実に暗色と識別される。したがって、かかる構成によれば、拡張セルのセル単位の明暗パターンの識別精度を一層向上させることができる。また、周辺部の色情報を取得する際に、隣接する中央部の色の影響を受けて色情報が変化することがあるが、かかる構成では、周辺部と中央部の色が、反射率や輝度の点で近似しているため、周辺部から取得する色情報が、中央部の色による影響を受けにくくなり、周辺部の配色パターンをより高い精度で識別可能となる。
また、本発明にあって、各セルが明色と暗色のいずれで識別されるかが予め決定されて、光学的読取りを補助するパターンを構成する固定領域を備えるものであり、該固定領域は、所定部位をいずれか一色の基準色で配色してなるサンプルセルを、基準色ごとに備え、各基準色についてのサンプルセルは、固定領域の所定位置に設けられており、明色基準色についてのサンプルセルは、固定領域の、明色と識別されるセルであり、暗色基準色についてのサンプルセルは、固定領域の、暗色と識別されるセルである構成が提案される。
かかる構成では、各基準色のサンプルセルの色情報を、拡張セルの周辺部の色情報と比較することで、各拡張セルの周辺部の配色パターンを正確に識別できるという利点がある。すなわち、拡張セルの周辺部から読み取る色情報は、印刷の経時変化や、プリンタや表示装置、周囲の照明等の影響によって変化するため、拡張セルから取得した色情報のみに基づいて基準色を識別すると、基準色の識別誤りが増大し、専用データの読取りに支障が生じるおそれがある。これに対して、かかる構成では、サンプルセルの基準色は、印刷の経時変化や、プリンタや表示装置、周囲の照明等の影響を受けて、拡張セルの基準色と同様に変化するから、拡張セルの周辺部から取得した色情報を、サンプルセルから取得した基準色の色情報と比較することで、印刷の経時変化やその他の影響を排除して、各拡張セルの当該部分がどの基準色で配色されているかを正確に識別できるのである。なお、かかる構成では、明色基準色についてのサンプルセルは、固定領域の明色と識別されるセルに配設され、暗色基準色についてのサンプルセルは、固定領域の暗色と識別されるセルに配設されるため、サンプルセルの基準色が、固定領域のセルの明暗パターンの識別を阻害することはない。
また、上記構成では、前記固定領域は、サンプルセルを基準色毎に複数セット備えることが提案される。かかる構成にあっては、各基準色について、複数のサンプルセルが設けられるため、一部のサンプルセルが汚損した場合でも、拡張セルの配色パターンの識別に支障が生じない。
また、上記構成では、サンプルセルは、拡張セルと同様に中央部と周辺部によって構成されており、サンプルセルの前記所定部位は、サンプルセルの周辺部であり、周辺部が明色基準色で配色されたサンプルセルは、中央部が白色で配色され、周辺部が暗色基準色で配色されたサンプルセルは、中央部が黒色で配色されている構成が提案される。
上述のように、本発明にあっては、拡張セルの周辺部から取得した色情報は、中央部の色情報の影響を受ける場合があるため、かかる構成のように、サンプルセルについても、拡張セルと同様に中央部と周辺部で構成し、かつ、拡張セルと同様に、周辺部の基準色に応じた色で中央部を配色すれば、サンプルセルの周辺部から取得する色情報を、拡張セルの周辺部から取得する色情報と同様に補正することができ、サンプルセルと拡張セルから取得する色情報をより適正に比較することが可能となる。発明者の研究によれば、かかる構成を採用した場合は、サンプルセル全体を一つの基準色で配色した場合よりも、各拡張セルにおいて基準色の識別を誤る頻度を低減することが可能であった。
また、本発明にあって、拡張セルの周辺部は、前記3種類以上の基準色から選ばれた、一つの色で配色されている構成が提案される。かかる構成にあっては、周辺部が単一色で配色されるため、周辺部の配色パターンの識別精度を高めることが可能となる。
また、本発明にあって、拡張セルの周辺部は、複数個のサブセルに細分されて、個々のサブセルが、前記3種類以上の基準色から選ばれた一つの色で配色されている構成が提案される。かかる構成にあっては、周辺部が複数種類の基準色で配色されるため、専用データの記憶容量を高めることが可能となる。
また、本発明にあって、光学的読取りを補助するパターンを構成するセルからなる固定領域と、データを記録するセルからなる符号化領域とを備えるものであり、符号化領域の、互換データを記録しないセルからなる残余領域に、拡張セルの記録形式を示す識別コードが、セル単位の明暗パターンによって記録されている構成が提案される。
本発明に係る拡張セルは、使用する基準色の種類や数、周辺部の分割・非分割、暗号化方式、誤り訂正方式など、複数の記録形式が用いられることが想定される。このため、かかる構成のように、拡張セルの記録形式を、セル単位の配色パターンによって記録すれば、拡張セルの周辺部の配色パターンを識別する前に、拡張セルのデータ記録形式を取得でき、拡張セルの周辺部の配色パターンの識別を容易に行うことが可能となる。なお、一般の二次元コードの読取装置は、残余領域の配色パターンに関わらず、残余領域にはデータが記録されていないとみなすため、一般の二次元コードの読取装置で二次元コードの互換データを読み取る際に、残余領域の識別コードが互換データの読み取りを阻害することはない。
本発明の二次元コードの読取方法において、周辺部が単一の基準色で配色されている拡張セルの基準色を識別する場合は、拡張セルの周辺部の複数箇所から色情報を取得し、取得した色情報の平均値に基づいて、当該拡張セルの周辺部の基準色を識別することが提案される。かかる読取方法では、複数箇所から取得した色情報を平均化することで、汚れや照明などによる変動を平準化し、周辺部の基準色をより正確に識別可能となる。
また、サンプルセルが基準色毎に複数セット備えられている場合は、本発明の二次元コードの読取方法において、前記複数セットのサンプルセルから、前記所定部位の色情報を個別に取得するサンプル色取得処理と、拡張セルの周辺部の特定部位から取得した色情報を、前記サンプル色取得処理で取得した色情報と個別に比較して、最も近似する色情報を取得したサンプルセルの前記所定部位の基準色が、前記特定部位の基準色であると判定する基準色識別処理とを含むようにすることが提案される。
二次元コードが均一に照らされていない場合は、同じ基準色の部位から色情報を取得して比較しても、夫々の照度の違いによって色情報に大きな差が生じる場合があるが、かかる方法では、各拡張セルの色情報を、複数セットのサンプルセルと比較するため、拡張セルを、比較的照度差の少ないサンプルセルと比較することで、基準色の識別間違いを低減できる。
また、サンプルセルの周辺部がいずれか一色の基準色で配色され、かつ、サンプルセルの中央部が白色又は黒色で配色された二次元コードを読み取る場合には、本発明の二次元コードの読取方法において、拡張セルの周辺部の特定部位から取得した色情報を、サンプルセルの周辺部の、前記特定部位に対応する部位から取得した色情報と比較して、最も近似する色情報を取得したサンプルセルの周辺部の基準色が、前記特定部位の基準色であると識別することが提案される。
かかる読取方法では、例えば、拡張セルの周辺部の右下部の基準色を決定する場合であれば、当該右下部から取得した色情報を、各サンプルセルの周辺部の右下部から取得した色情報と比較して、色情報の最も近似するサンプルセルの周辺部と同じ基準色であると判定する。かかる読取方法では、かかる方法によれば、比較対象とする各サンプルセルの周辺部の色情報は、拡張セルの周辺部から取得する色情報と同じように、中央部の色の影響を受けたものとなるため、拡張セルとサンプルセルの周辺部の色情報を比較する際に、中央部の色の影響に左右されることなく、基準色を正確に決定することができる。
また、中央部が白色の拡張セルでは周辺部が明色基準色で配色され、中央部が黒色の拡張セルでは周辺部が暗色基準色で配色された二次元コードを読み取る場合には、本発明の二次元コードの読取方法において、各拡張セルのセル単位の明暗パターンを識別して、前記互換データを復号する互換データ復号処理と、該互換データ復号処理の後に、各拡張セルの周辺部から取得した色情報に基づいて当該周辺部の配色パターンを識別し、前記専用データを復号する専用データ復号処理とを含み、該専用データ復号処理では、互換データ復号処理で識別した拡張セルのセル単位の明暗パターンに基づいて、周辺部の基準色を、明色基準色と暗色基準色のいずれかに絞り込むようにすることが提案される。
かかる構成にあっては、拡張セルの中央部の配色パターンを識別した後で、周辺部の配色パターンを識別するため、周辺部の色を、予め明色基準色と暗色基準色の一方に絞り込むことができ、これにより、周辺部の配色パターンを識別する処理を簡易化できる。また、中央部の配色パターンは、二次元コードに標準装備される誤り訂正機能を用いて訂正可能であるため、拡張セルの周辺部の配色パターンの識別を誤る確率も低減できる。
また、本発明の二次元コードの読取方法として、二次元コードを撮像する撮像処理を複数回実行するとともに、該撮像処理で得られた二次元コードの画像データに基づいて、各拡張セルの周辺部の配色パターンを識別する周辺部識別処理を撮像処理毎に実行し、その後、個々の拡張セルについて実行した複数回の周辺部識別処理の識別結果を多数決して、個々の拡張セルの周辺部の配色パターンを特定する多数決処理と、該多数決処理で特定した拡張セルの配色パターンに基づいて専用データを復号する多数決復号処理とを実行することが提案される。
発明者の研究によれば、拡張セルの周辺部の配色パターンの識別間違いは、同じ拡張セルで繰り返し発生する頻度が少ないため、かかる読取方法のように、拡張セルの周辺部の配色パターンの識別を繰り返し、複数回の識別結果を多数決して、各拡張セルの周辺部の配色パターンを特定するようにすれば、二次元データに記録された専用データをより確実に復号可能となる。
なお、上記読取方法は、撮像処理を複数回実行し、個々の拡張セルについて撮像処理を行った回数だけ周辺部識別処理を繰り返す必要があり、比較的多くの処理が必要となる。このため、二次元コードを撮像して得られた一枚の画像データに基づいて、拡張セルの周辺部の配色パターンを識別し、識別した拡張セルの周辺部の配色パターンに基づいて専用データを復号する初回復号処理を実行し、該初回復号処理で、専用データを復号できなかった場合に、上記二次元コードの読取方法を実行することが提案される。かかる読取方法とすれば、本発明に係る二次元コードの読取りに要する処理を低減できる。
また、本発明の二次元コードの読取方法として、赤色光の照明下で二次元コードを撮像し、得られた二次元コードの画像データから、拡張セルの周辺部の赤色成分の色情報を取得する赤色識別処理と、緑色光の照明下で二次元コードを撮像し、得られた二次元コードの画像データから、拡張セルの周辺部の緑色成分の色情報を取得する緑色識別処理と、青色光の照明下で二次元コードを撮像し、得られた二次元コードの画像データから、拡張セルの周辺部の青色成分の色情報を取得する青色識別処理との3つの処理のうち、少なくとも2つの処理を実行し、赤色識別処理、緑色識別処理、及び青色識別処理のうち、少なくとも2つの処理で取得した色情報を組み合わせて、拡張セルの周辺部の基準色を識別することが提案される。
赤色光の照明下で撮像して得られる二次元コードの画像データは、青色光や緑色光によるノイズがないため、かかる画像データから、拡張セルの周辺部の色情報を取得すれば、周辺部の色の赤成分について、より正確な色情報を得ることができる。同様に、青色光や緑色光の照明下で撮像して得られる二次元コードの画像データからは、周辺部の青色成分と緑色成分について、より正確な色情報を得ることができる。したがって、かかる方法のように、赤色光、緑色光、青色光の照明下で撮像した画像データから、拡張セルの周辺部の色情報を成分ごとに取得して組み合わせれば、白色光の照明下で撮像した二次元コードの画像を用いる場合よりも、拡張セルの周辺部の基準色を正確に識別できる。
なお、かかる読取方法は、二次元コードの撮像を複数回実行する必要があり、比較的多くの処理が必要となる。このため、白色光の照明下で二次元コードを撮像し、得られた二次元コードの画像データから、拡張セルの周辺部の配色パターンを識別し、識別した拡張セルの周辺部の配色パターンに基づいて専用データを復号する白色光復号処理を実行し、該白色復号処理で、専用データを復号できなかった場合に、上記読取方法を実行するようにすることが提案される。かかる読取方法とすれば、本発明に係る二次元コードの読取りに要する処理を低減できる。
また、上述の二次元コードの読取方法のように、互換データ復号処理で識別した拡張セルのセル単位の明暗パターンに基づいて、周辺部の基準色を、明色基準色と暗色基準色のいずれかに絞り込める場合は、本発明の二次元コードの読取方法において、読取対象の二次元コードの拡張セルの周辺部に用いられる全ての明色基準値でRGB値の緑色成分が共通しており、かつ、全ての暗色基準値でRGB値の緑色成分が共通している場合には、専用データ復号処理において、赤色光の照明下で二次元コードを撮像し、得られた二次元コードの画像データから、拡張セルの周辺部の赤色成分の色情報を取得する赤色識別処理と、青色光の照明下で二次元コードを撮像し、得られた二次元コードの画像データから、拡張セルの周辺部の青色成分の色情報を取得する青色識別処理とを実行し、赤色識別処理及び青色識別処理で取得した色情報を組み合わせて、拡張セルの周辺部の配色パターンを識別することが提案される。
かかる読取方法とすれば、緑色光の照明下での二次元コードの撮像を省略して、二次元コードの読取りに要する処理が増大するのを抑えつつ、拡張セルの周辺部の配色パターンを正確に識別可能となる。
以上に述べたように、本発明の二次元コードは、セル単位の明暗パターンの明暗パターンの識別が容易であり、かつ、セル単位の明暗パターン以外の配色パターンによって、多くの専用データを記憶できる。
(a)は実施例1の二次元コード1の概略図であり、(b)は実施例1の二次元コード1の各領域を機能別に模様分けして示す説明図である。 符号化領域4の拡大図である。 (a)は、拡張セル2a及びサンプルセル2bの構造を示す説明図であり、(b)は、拡張セル2a及びサンプルセル2bの配色パターンを示す説明図である。 基準色を示す図表である。 拡張セル2aの配色パターンに対応する符号化データを示す図表である。 実施例1の二次元コード1のデータ構造を示す概念図である。 サンプル領域5aの拡大図である。 (a)は実施例1の二次元コード1の概略図であり、(b)は、実施例1の二次元コード1と互換性を有するQRコード1aである。 実施例1の二次元コード1の生成方法を示すフローチャートである。 符号化処理の処理内容を示すフローチャートである。 実施例1の二次元コード1の読取処理を示すフローチャートである。 専用データ復号処理の処理内容を示すフローチャートである。 色情報取得部位30を示す説明図である。 多数決読取処理の処理内容を示すフローチャートである。 複数照明読取処理の処理内容を示すフローチャートである。 (a)は、実施例2の拡張セル2cの構造を示す説明図であり、(b)、(c)は、拡張セル2cの配色パターンの例を示す説明図である。 拡張セル2cの配色パターンに対応する符号化データを示す図表である。 実施例2の二次元コード10のデータ構造を示す概念図である。 (a)は、拡張セル2cの色情報取得部位30a〜30hを示す説明図であり、(b)は、サンプルセル2bの色情報取得部位31a〜31hを示す説明図である。
本発明の実施形態を、以下の実施例に従って説明する。
本実施例の二次元コード1は、二次元コードの中で最も普及しているQRコード(登録商標)と互換性を有するものである。具体的には、図1(a)に示すように、本実施例の二次元コード1は、正方形のセル2を、縦横に21個ずつマトリクス状に配置してなるものである。この二次元コード1の各セル2は、白色と黒色のみで配色されるものだけではないが、セル単位で明色又は暗色と識別可能であり、二次元コード1の基本構造は、QRコードの規格に準拠している。すなわち、図1(b)に示すように、二次元コード1は、QRコードと同様に、機能パターン(固定領域)3と符号化領域4とによって構成される。機能パターン3は、各セル2が明色と暗色のいずれで識別されるかが予め決定されている領域であり、二次元コード1の光学的読取りを補助する位置検出パターン5、分離パターン6、タイミングパターン7などによって構成される。また、符号化領域4は、セル単位の明暗パターンによってデータを記録する領域であり、データコード語及び誤り訂正コード語が記録されるデータコード領域8と、形式情報を示すコードが配置される形式情報コード領域9とによって構成される。こうした構成は、基本的に、QRコードのJIS規格(JIS X 0510:2004)に準拠したものであるため詳細な説明は省略する。
図2に示すように、二次元コード1の符号化領域4のセル2は、中央部20と周辺部21とからなる拡張セル2aで構成される。詳述すると、図3(a)に示すように、各拡張セル2aは、縦横に3分割して得られる9つの正方形のうち、中央の正方形部分を中央部20とし、周囲の残り8つの正方形部分を周辺部21としている。モノクロ画像であるため図2などでは十分に示されていないが、各拡張セル2aの中央部20は、白色と黒色のいずれか一色で配色される。また、各拡張セル2aの周辺部21は、8種類の基準色から選ばれたいずれか一つの色で配色される。
図4に示すように、本実施例では、RGB値の相違する白色、黄色、シアン、緑色、マゼンタ、赤色、青色、黒色の8種類の色が基準色として用いられる。これらの基準色は、色の相互識別が容易となるように、RGB空間の立方体の端部にある色を採用したものである。ここで、8種類の基準色のうち、輝度が0.7以上の白色、黄色、シアン、緑色の4種類は明色基準色に分類される。一方、輝度が0.3以下のマゼンタ、赤色、青色、黒色の4種類は暗色基準色に分類される。すなわち、輝度0.7が、本発明に係る明色閾値に相当し、輝度0.3が本発明に係る暗色閾値に相当するものである。なお、RGB値と輝度(Y)の変換式は、BTA S−001Bによって規定された下記の式を用いている。
Y=(0.2126×R + 0.7152×G + 0.0722×B)/255
ここで、拡張セル2aは、図3(b)に示す8通りの配色パターンのいずれかで配色される。これらの配色パターンでは、中央部20が白色の拡張セル2aは、周辺部21が4つの明色基準色のいずれか一色で配色され、中央部20が黒色の拡張セル2aは、周辺部21が4つの暗色基準色のいずれか一色で配色される。
本実施例の二次元コード1の拡張セル2aを、QRコードの読取装置によってセル単位の明暗パターンを識別した場合、中央部20が白色の拡張セル2aは明色と識別され、中央部20が黒色の拡張セル2aは暗色と識別される。QRコードの読取装置は、各セルの中心付近の色情報を重視して、当該セルが明色と暗色のいずれであるかを識別するためである。特に、拡張セル2aの中央部20は、反射率や輝度が、最も高い色(白色)と最も低い色(黒色)のいずれかで配色されるため、QRコードの読取装置で、セル単位で明色と暗色の識別をした時に、中央部が白色の拡張セルは明色と、中央部が黒色の拡張セルは暗色と容易に識別できる。すなわち、本実施例では、拡張セル2aの中央部20の白色と黒色の配色パターンが、拡張セル2aのセル単位の明暗パターンとして識別される。このため、本実施例では、中央部20の配色パターンによって、QRコードの読取装置が読取可能な互換データを記録する。なお、QRコードの読取装置とは、QRコードを読み取るための専用装置に限らず、QRコード読取用プログラムをインストールしたスマートフォン等も含む。
一方、本実施例では、拡張セル2aの周辺部21の基準色の配色パターンによって、専用データを記録する。QRコードの読取装置は、周辺部21の基準色を識別できないため、専用データを読み取るためには、周辺部21の基準色を識別可能な専用の読取装置(以下、専用読取装置という。)が必要である。なお、専用読取装置は、拡張セル2aの周辺部21の基準色の識別機能等を有するプログラムをインストールしたスマートフォン等も含む。
なお、本実施例では、拡張セル2aを縦横に3分割して得られる9つの正方形のうち、中央の正方形部分を中央部20とし、周囲の残り8つの正方形部分を周辺部21としているが、発明者の研究によれば、中央部20と周辺部21の面積比率をかかる比率(1:8)とした場合に、中央部20の明暗パターンの識別精度と、周辺部21の基準色の識別精度の双方を最もバランスよく確保できる。
また、本実施例では、中央部20が白色の拡張セル2aは、周辺部21が高輝度(0.7以上)の基準色で配色され、また、中央部20が黒色の拡張セル2aは、周辺部21が低輝度(0.3以下)の基準色で配色されており、周辺部21は、中央部20の色と反射率や輝度が近似する基準色で配色されている。このため、本実施例では、二次元コード1を読み取る際に、手ぶれやピントボケ、また撮像プログラムの平均化フィルタなどの影響によって、中央部20と周辺部21の境界が曖昧となり、中央部20から取得した色情報に、周辺部21の色が影響した場合でも、中央部20から取得した色情報に基づいて、拡張セル単位の明暗パターンを正確に識別できる。また、周辺部21から取得した色情報に、中央部20の色が影響した場合でも、周辺部21から取得した色情報に基づいて、周辺部21の配色パターンを高い精度で識別できる。
本実施例では、図5に示すように、拡張セル2aの8通りの配色パターンによって、1つの拡張セル2aに「000」から「111」の3ビットの符号化データを記録する。この符号化データの最上位のビット(第1ビット)は、中央部20の配色パターンに対応するデータであり、QRコードの読取装置によって読み取ることのできる互換データである。一方、第2ビット、第3ビットは、周辺部21の配色パターンに対応するデータであり、専用読取装置でしか読み取ることのできない専用データである。本実施例では、拡張セル2aの符号化データを、同じ位置のビット毎の集合とすることで、3層のデータ領域を形成している。具体的には、符号化データの最上位のビット(第1ビット)の集合によって第一層のデータ領域を形成し、かかるデータ領域に互換データを記録する。そして、第2ビット、第3ビットの集合によって第二層と第三層のデータ領域を夫々形成し、かかるデータ領域に専用データを記録する。
本実施例では、上記三層のデータ領域は、QRコードの符号化領域と同じデータ形式となっており、図6に示すように、本実施例の二次元コード1は、QRコード1a,1b,1cのデータ構造を3つ積層したデータ構造をなしている。かかるQRコード1a〜1cは、二次元コード1と同じセル数であり、各QRコード1a〜1cのセルの色は、当該セルと同じ位置にある二次元コード1の拡張セル2aの配色パターンに対応したものとなっている。例えば、m行n列のセルの色が、第一層のQRコード1aで「1」(黒)、第二層のQRコード1bで「0」(白)、第三層のQRコード1cで「0」(白)である場合は、二次元コード1のm行n列の拡張セル2aの色がマゼンタ(符号化データが「100」)となる(図5参照)。
また、図1,7に示すように、二次元コード1は、拡張セル2aの周辺部21の基準色を、正確に識別可能とするために、位置検出パターン5の左側にサンプル領域5aを備えている。サンプル領域5aは、8個のサンプルセル2bによって構成される。サンプルセル2bは、拡張セル2aと同様に、白色と黒色のいずれか一色で配色される中央部20と、上記8種類の基準色のいずれか一色で配色される周辺部21とからなるセル2である。サンプル領域5aを構成する8個のサンプルセル2bは、拡張セル2aの8通りの配色パターン(図3(b))で配色されており、8個のサンプルセル2bの周辺部21は、別々の基準色によって配色される。ここで、サンプル領域5aでは、どのサンプルセル2bの周辺部21が、どの基準色で配色されるかが予め決定されている。このため、本実施例では、拡張セル2aの周辺部21から光学的に取得した色情報(RGB値)を、各サンプルセル2bの周辺部21から取得した色情報と比較することで、拡張セル2aの周辺部21の基準色を識別できる。拡張セル2aの周辺部21から光学的に取得したRGB値の絶対値に基づいて、当該周辺部21の基準色を識別する場合には、印刷の経時変化や、プリンタや表示装置、周囲の照明等による色情報の変動によって、基準色の識別を誤る可能性があるが、このように、サンプルセル2bの基準色を比較対象として基準色を識別すれば、印刷の経時変化や、プリンタや表示装置、周囲の照明等の影響を排除できるため、基準色の識別誤りを低減できる。
なお、サンプル領域5aでは、位置検出パターン5で明色と識別される部分に、中央部20が白色で、周辺部21が明色基準色となるサンプルセル2bを配置し、位置検出パターン5で暗色と識別される部分に、中央部20が黒色で、周辺部21が暗色基準色となるサンプルセル2bを配置しているため、サンプル領域5aが位置検出パターン5の機能を阻害することはない。
また、本実施例では、図1,7に示すように、左上、左下、右上の位置検出パターン5にサンプル領域5aが1セットずつ配設されており、周辺部21が8種類の基準色で配色されたサンプルセル2bが3セット設けられている。このため、かかる構成にあっては、一部のサンプル領域5aが汚損した場合でも、拡張セル2aの配色パターンの識別に支障が生じることはない。
また、サンプルセル2bは、拡張セル2aと同様に、周辺部21が明色基準色で配色されたものが、中央部20が白色で配色され、周辺部21が暗色基準色で配色されたものが、中央部20が黒色で配色されるため、拡張セル2aとサンプルセル2bの周辺部21から取得する色情報は、中央部20の色の影響を同じように受けることとなる。したがって、かかる構成によれば、拡張セル2aとサンプルセル2bの周辺部21から取得した色情報を、中央部20の色の影響を考慮することなく比較できるという利点がある。
また、本実施例では、データコード領域8の拡張セル2aに、拡張セル2aのデータ記録形式を示す識別コード8aが記録される。拡張セル2aの記録形式とは、周辺部21に用いられている基準色の種類や数、周辺部21の分割数、暗号化方式、誤り訂正方式などである。この識別コード8aは、中央部20の配色パターン、すなわち拡張セル2aのセル単位の明暗パターンによって記録される。かかる識別コード8aによれば、専用読取装置は、拡張セル2aのセル単位の明暗パターンを識別するだけで、拡張セル2aの記録形式を判別できるから、拡張セル2aの周辺部21の配色パターンを容易に識別可能となる。なお、かかる識別コード8aは、データコード領域8の中の埋め草領域に設けられる。埋め草領域は、データコード領域8に互換データを記録した後の残余領域であり、通常のQRコードでは、有効なデータが記録されない領域である。かかる埋め草領域の配色パターンは、QRコードの読取装置では無視されるため、識別コード8aは、QRコードの読取装置による互換データの読取りを阻害しない。
以上のように、本実施例の二次元コード1を、QRコードの読取装置に読み取らせた場合、当該読取装置は、拡張セル2aの配色パターンを詳細に識別することなく、中央部20の配色パターンに基づいて、各拡張セル2aを明色又は暗色と識別する。そして、当該読取装置が、かかる明暗パターンに基づいてQRコードの復号処理を実行すれば、二次元コード1に記録された互換データが復号される。図8(a)は、本実施例の二次元コード1であり、図8(b)は、図8(a)の二次元コード1にあって、中央部20が白色の拡張セル2a及びサンプルセル2bを全て白塗りとし、中央部20が黒色の拡張セル2a及びサンプルセル2bを全て黒塗りとして得られたQRコード1aである。このQRコード1aは、セルの明暗二値パターンによって二次元コード1と同じ互換データを記録したものであるから、QRコードの読取装置で図8の二次元コード1とQRコード1aを読み取った場合は、いずれも同じ互換データが読み取られることとなる。すなわち、本実施例の二次元コード1は、QRコードの読取装置に対しては、QRコードの同等品として機能し得るものであり、QRコードと互換性を有するものとなっている。
一方、本実施例の二次元コード1は、専用読取装置を用いれば、各拡張セル2aの周辺部21の配色パターンを識別して、二次元コード1に記録された互換データと専用データの両方を復号できる。
図9は、上記二次元コード1を生成するフローチャートである。まず、ステップS100では、二次元コード1に記録すべき3セットのデータを取り込む。3セットのデータは、1セットの互換データDS0と、2セットの専用データDS1、DS2である。
次のステップS110では、互換データDS0について、通常のQRコードの生成手続に則って二次元コード化し、互換データDS0を記録するデータ上のQRコード1a(図6参照)を生成する。ここで、互換データを記録するQRコード1aの明暗パターンは、二次元コード1のセル単位の明暗パターンに対応するものである。かかるステップS110では、QRコード1aの生成時に、QRコード1aの埋め草領域のセルに、識別コード8aの配色パターンを埋め込む処理を行う。
次のステップS120では、専用データDS1,DS2の夫々について、通常のQRコードの生成手続に則って二次元コード化し、夫々のデータDS1,DS2を記録するデータ上のQRコード1b,1c(図6参照)を2つ生成する。なお、前述のステップS110と、かかるステップ120で生成する3つのQRコード1a〜1cは、相互に合成し得るように、生成する二次元コード1と同じ形式(バージョン)で生成される。夫々のデータDS0,DS1,DS2の二次元コード化は、規格化されたQRコードの生成手順と同様に実行可能できるため、詳細な説明は省略する。
ステップS130の符号化処理では、QRコード1a〜1cについて、同じ位置のセルごとに夫々の色を合成し、上記二次元コード1のセル2の配色パターンに変換する。具体的には、生成する二次元コード1の一辺のセル数をNとすると、二次元コード1全体では、N個のセル2が存在し、QRコード1a〜1cにも、N個のセルの配色パターンが存在する。符号化処理では、このN個のセル2の配色を1つずつ決定する。より具体的には、QRコードの、縦のセルのインデックスをI,横のセルのインデックスをJとすると、I=1からN、J=1からNまでの組合せで全てのセルを表現できる。I,Jで示されるセルの色をC(I,J)で表現する。また、各QRコード1a,1b,1cをKで示すとすると、C(I,J,K)で示すことが可能となる。ここで、Kは1から3である。そして、かかる符号化処理を全てのセルについて実行すると、二次元コード1の生成が終了する。
図10は、符号化処理(図9:S130)の処理内容を示したフローチャートである。 符号化処理では、まず、ステップS210で、IとJで指定されるセルについて、それが機能パターン3を構成するセル2であるか否かを判定する。そして、機能パターン3を構成するセルであると判定した場合は、ステップS220で、当該セルの位置に基づいて配色を決定する。一方、符号化領域4を構成するセル2であると判定した場合は、次のステップS230で各QRコード1a〜1cの特定位置のセルの配色パターンを読み込む。具体的には、C(I,J,K)(Kは1から3)の配色データを読み込み、各セルが0か1(明色か暗色)かを識別する。次に、ステップS240では、QRコード1a〜1cの当該セルの配色パターンを結合して、拡張セル2aに記録する3ビットの符号化データを生成する。このとき、互換データに係るQRコード1aの配色データは、符号化データの第1ビットに結合され、専用データに係るQRコード1b,1cの配色データは、符号化データの第2ビットと第3ビットに夫々結合される。そして、ステップS250では、得られた符号化データから拡張セル2aの配色を決定する。例えば、図5に示すように、符号化データが「010」の場合は、中央部20が白色、周辺部21がシアンの配色に決定される。また、符号化データが「111」の場合は、中央部20及び周辺部21が黒色の配色に決定される。ステップS260では、すべてのセル2について、上記の処理が完了したかを判定し、すべてのセル2の処理が完了した場合は符号化処理を終了する。
このように、本実施例の二次元コード1の生成方法では、互換データDS0及び専用データDS1,DS2を夫々QRコード化し、データ上のQRコード1a〜1cを合成することによって、二次元コード1の配色を決定する。かかる生成方法では、互換データと専用データの双方を、QRコードの符号化方式に則って符号化するため、互換データと専用データの符号化に共通のアルゴリズムを用いることにより、二次元コード1の生成プログラムを簡素化できるという利点がある。また、かかる生成方法によって生成された二次元コード1は、互換データと専用データの復号時にも共通のアルゴリズムを用いることができるから、二次元コード1の読取プログラムも簡素化できる。
次に、実施例1の二次元コード1を専用読取装置で読み取る際の読取方法を説明する。
図11は、専用読取装置による二次元コード1の読取処理を示すフローチャートである。
最初のステップS300では、読取装置に設けられた撮像装置によって、白色光の照明下で二次元コード1を撮像し、二次元コード1のカラーの画像データを得る。次に、ステップS301では、撮像した画像からQRコードの画像識別手順にしたがって二次元コード1を識別し、セル2の切り出しを行う。具体的には、各セル2について、画像から該当するピクセルデータを抽出する。次に、ステップS302では、通常のQRコードの読取処理を行い、二次元コード1の第一層のデータ領域に記録されたデータ(互換データ)を読み取る。すなわち、かかるステップS302は、本発明に係る互換データ復号処理に相当するものである。なお、この時点では、専用読取装置は、二次元コード1をQRコードと区別せずに処理を行う。通常のQRコードの読取処理は周知であるため、詳細な説明は省略する。
続くステップS303では、第一層に記録されたデータの復号に成功したか否かを判定し、復号に失敗した場合には、ステップS304で、読取りエラーを示す表示をディスプレイに表示して、読取処理を終了する。一方、ステップS303で、復号に成功したと判定した場合は、ステップS305で、埋め草領域の識別コード8aの読取りを行い、ステップS306で、識別コード8aの読取りに成功したか否かを判定する。ここで、識別コード8aの読取りに失敗した場合は、識別コード8aのない通常のQRコードであると判断し、読取処理を終了する。このように、識別コード8aの読取りに成功するか否か、すなわち、有効な識別コード8aが記録されているか否かによって、拡張セル2aを有する二次元コード1と、通常のQRコードとを識別すれば、セル単位の明暗パターンを識別するだけで、両者を容易に識別できる。一方、ステップS306で、識別コード8aの読取りに成功した場合は、専用データが記録された二次元コード1であると判断し、ステップS307の専用データ復号処理で、識別コード8aの情報に基づいて専用データを復号し、読取処理を終了する。すなわち、かかるステップS307が、本発明に係る専用データ復号処理に相当するものである。
図12は、専用データ復号処理(図11:S307)の処理内容を示したフローチャートである。
専用データ復号処理では、まず、ステップS401で、サンプル領域5aの各サンプルセル2bの周辺部21の色情報を取得する。具体的には、図13に示すように、各サンプルセル2bの周辺部21の8箇所を色情報取得部位30として、当該8箇所から取得した色情報(RGB値)の平均値を、当該サンプルセル2bの周辺部の色情報とする。このように、複数箇所の色情報を平均化したものを周辺部21の色情報とすれば、汚れや照明などによる色情報の変動を平準化して、周辺部21の色情報をより適切に取得可能となる。なお、かかる処理では、3セットのサンプル領域5aの計24個のサンプルセル2bについて、周辺部21の色情報をサンプルセル2b毎に取得する。すなわち、かかるステップS401の処理により、本発明に係るサンプル色取得処理が実現される。
次に、ステップS402で、一つの拡張セル2aの周辺部21の色情報を取得する。具体的には、サンプルセル2bと同様に、拡張セル2aの周辺部21の8箇所を色情報取得部位30として(図13参照)、当該8箇所から取得した色情報(RGB値)の平均値を、当該拡張セル2aの周辺部21の色情報とする。このように、複数箇所から取得した色情報の平均値を周辺部21の色情報とすれば、汚れや照明などによる色情報の変動を平準化して、周辺部21の色情報を適切に取得することができ、これにより、周辺部21の基準色をより正確に識別可能となる。
続いて、ステップS403では、ステップS402で取得した拡張セル2aの周辺部21の色情報を、各サンプルセル2bの周辺部21から取得した色情報と個別に比較して、色情報が最も近似するサンプルセル2bを決定する。そして、決定したサンプルセル2bの周辺部21の基準色が、当該拡張セル2aの周辺部21の基準色であると判定する。すなわち、かかるステップS403の処理により、本発明に係る基準色識別処理及び周辺部識別処理が実現される。ここで、色情報の比較は、拡張セル2aと各サンプルセル2bの色情報について、RGB値のユークリッド距離を算出することによって比較する。そして、拡張セル2aの色情報とのユークリッド距離が最も小さかったサンプルセル2bが、拡張セル2aの色と最も近似であると判定する。
なお、拡張セル2aの中央部20の配色パターン(セル単位の明暗パターン)は、QRコードの読取処理(図11:S302)の段階で識別済みであるため、かかるステップS403では、識別済みの中央部20の色に基づいて、拡張セル2aの周辺部21の基準色の候補を、明色基準色と暗色基準色の一方に予め絞り込み、これにより、サンプルセル2bの色情報との比較処理を簡易化する。具体的には、中央部20が白色の拡張セル2aは周辺部21が明色基準色であるから、周辺部21が暗色基準色で配色されたサンプルセル2bとの色情報の比較を省略する。同様に、中央部20が黒色の拡張セル2aは周辺部21が暗色基準色であるから、周辺部21が明色基準色で配色されたサンプルセル2bとの色情報の比較を省略する。なお、中央部20の配色パターン(セル単位の明暗パターン)は、識別を誤っても、QRコードの読取処理(図11:S302)の段階で、QRコードの誤り訂正機能によって識別結果が訂正される。このため、中央部20の配色パターンについては、正確な情報を得ることができる。したがって、このように、中央部20の配色パターンに基づいて周辺部21の基準色の候補を絞り込めば、周辺部21の色情報のみから、周辺部21の配色パターンを識別する場合に比べて、識別率の向上が可能となる。
また、かかるステップS403では、拡張セル2aの周辺部21の色情報を、3セットのサンプルセル2bの周辺部21の色情報と個別に比較する。例えば、中央部20が白色の拡張セル2aであれば、周辺部21が明色基準色で配色された12個(4色×3セット)のサンプルセル2bと色情報を個別に比較する。拡張セル2aとサンプルセル2bが均一に照らされていない場合は、同じ基準色で配色された部位から取得した色情報でも、照度の違いによって大きな差が生じる場合があるが、かかる方法によれば、各拡張セル2aの色情報を、基準色毎に複数セットのサンプルセル2bと個別に比較して、拡張セル2aを、比較的照度差の少ないサンプルセル2bと比較することで、基準色の識別間違いを低減できる。
上記ステップS402,S403は、符号化領域4の全てのセル(拡張セル)2aについて実行されて、全ての拡張セル2aの配色が判別される。そして、ステップS404で、全ての拡張セル2aの配色を判別し終えたと判定した場合は、ステップS405で、決定した配色に基づいて、各拡張セル2aに記録された符号化データを復号する。例えば、中央部20が黒色で、周辺部21が赤色であると判定した拡張セル2aは、「101」の符号化データに復号される(図5参照)。ステップS406では、拡張セル2aごとに復号した3ビットの符号化データを、第1ビット、第2ビット、第3ビットごとに結合して、互換データDS0を記録したデータ上のQRコード1aと、専用データDS1,DS2を記録したQRコード1b,1cを得る。そして、ステップS407では、専用データを記録するQRコード1b,1cを、通常のQRコードの復号手順にしたがって、専用データDS1、DS2に復号する。なお、互換データDS0は、QRコードの読取処理(図11:S302)の段階で復号済みであるため、互換データDS0を記録するQRコード1aは復号しない。
ステップS408では、専用データDS1,DS2の復号に成功したか否かを判定し、成功したと判定した場合は、専用データ復号処理を終了する。一方、専用データの復号に失敗したと判定した場合は、ステップS409で、多数決読取処理を実行して、専用データ復号処理を終了する。多数決読取処理は、二次元コード1を3回撮像して、撮像した画像データ毎に拡張セル2aの周辺部21の配色を判別する処理を実行して、最終的に、判別結果を多数決することによって、各拡張セル2aの最終的な配色を決定する処理である。発明者の研究によれば、拡張セル2aの周辺部の配色パターンの識別間違いは、同じ拡張セルで繰返し発生する頻度が少ないため、かかる多数決読取処理のように、二次元コード1を3回撮像して、画像ごとの基準色の識別結果を多数決して拡張セル2aの周辺部21の基準色を特定するようにすれば、二次元コード1の専用データの読取成功率を格段に高めることが可能となる。なお、多数決読取処理は、専用データの読取成功率は高いが、比較的多くの処理が必要であり、常時実行すると時間がかかるため、かかる読取方法のように、ステップS401〜S407の処理で専用データの復号に失敗した場合に実行することが望ましい。すなわち、本発明に係る初回復号処理は、ステップS401〜S407によって実現される。
図14は、多数決読取処理(図12:S409)の処理内容を示したフローチャートである。
多数決読取処理では、まず、ステップS500で、二次元コード1の2回目の撮像を実行する。そして、ステップS501〜S506において、得られた2枚目の画像データに基づいて、各拡張セル2aの周辺部21の基準色を識別する。ステップS500〜S506の個々の処理は、上述したステップS300,S301,S305,S401〜S404の処理と同じであるため、詳細な説明は省略する。そして、ステップS507では、ステップS500〜S506を規定回数(ここでは2回)に達するまで繰り返す。これにより、二次元コード1の撮像と、拡張セル2aの周辺部21の基準色の識別が計3回繰り返されることとなる。なお、二次元コード1の1回目の撮像はステップS300で実行され、拡張セル2aの周辺部21の基準色を識別する1回目の処理は、ステップS401〜S404で実行される。
そして、ステップS508では、個々の拡張セル2aについて3回繰り返された基準色の識別結果を多数決して、最多の識別結果を、当該拡張セル2aの基準色として最終的に特定する。すなわち、かかるステップS508によって、本発明に係る多数決処理が実現される。なお、多数決の結果、最多の識別結果が2以上存在した場合は、抽選によりいずれか1つの識別結果を、当該拡張セル2aの基準色とする。
そして、ステップS509〜S511では、ステップS405〜S407と同様にして、各拡張セル2aの周辺部21について特定した基準色に基づいて専用データDS1,DS2を復号する。すなわち、かかるステップS509〜S511によって、本発明に係る多数決復号処理が実現される。そして、ステップS512で、専用データDS1,DS2の復号に成功したと判定した場合は、そのまま多数決読取処理を終了し、復号に失敗したと判定した場合は、ステップS513で、読取りエラーを示す表示をディスプレイに表示して、多数決読取処理を終了する。
以上の二次元コード1の読取方法からもわかるように、本実施例の二次元コード1では、互換データがQRコードの規格に準じて二次元コード化され、各セル2が明色と暗色のいずれであるかの情報によって記録されているため、QRコード用の読取装置で互換データを読み取ることができる。一方、拡張セル2aの色情報を判別でき、かつ、当該色情報を復号可能な専用読取装置を用いれば、拡張セル2aの周辺部21に記録された専用データを読み取ることができる。
次に、上記二次元コード1の読取方法の変形例について説明する。
変形例の読取方法は、上述の多数決読取処理(図12:S409)に替えて、図15に示す複数照明読取処理を実行する。複数照明読取処理は、色の異なる複数種類の照明下で撮像した画像データに基づいて拡張セル2aの周辺部21の基準色を識別する処理である。
複数照明読取処理では、まず、ステップS600で、赤色光の照明下で二次元コード1を撮像する。そして、ステップS601〜S603において、撮像した画像データに基づいて、各拡張セル2aの周辺部21の色情報(RGB値)を取得する。次に、ステップS604で、青色光の照明下で二次元コード1を撮像する。そして、ステップS605〜S607において、撮像した画像データに基づいて、各拡張セル2aの周辺部21の色情報(RGB値)を取得する。すなわち、本発明に係る赤色識別処理は、ステップS600〜S603によって実現され、青色識別処理は、ステップS604〜S607によって実現される。
ステップS608では、赤色光と青色光の照明下で夫々撮像した2枚の画像から取得した色情報を組み合わせて、各拡張セル2aの周辺部21の色情報(RGB値)を決定する。ここで、RGB値のうち、赤色成分(R)に関しては、赤色光の照明下で撮像した画像から取得した色情報が、ノイズの少ない正確な値と考えられるため、RGB値のうち、赤色成分(R)については、赤色光の照明下で撮像した画像から取得した色情報を採用する。同様に、RGB値のうち、青色成分(B)に関しては、青色光の照明下で撮像した画像から取得した色情報が、ノイズの少ない正確な値と考えられるため、RGB値のうち、青色成分(B)については、青色光の照明下で撮像した画像から取得した色情報を採用する。なお、かかる複数照明読取処理では、RGB値のうち、緑色成分(G)に関しては、色情報を特定しない。図4に示すように、4種の明色基準色はRGB値の緑成分が共通し(G=255)、4種の暗色基準色も、RGB値の緑成分が共通しているため(G=0)、RGB値の緑成分(G)は、基準色の識別にほとんど寄与しないためである。
ステップS609では、ステップS608で決定した周辺部21の色情報(赤色成分と青色成分)に基づいて、当該周辺部21の基準色を識別する。なお、ステップS609では、サンプルセル2bと色情報を比較せず、周辺部21の色情報の絶対値のみに基づいて基準色を識別する。具体的には、色情報の赤色成分(R)や青色成分(B)の数値が128以上である場合は、当該値が255であると判定し、色情報の赤色成分(R)や青色成分(B)の数値が127以下である場合は、当該値が0であると判定し、基準値のRGB値と比較する。例えば、中央部20が白色の拡張セル2a(G=255)について、色情報の赤色成分が200(R=150)で、青色成分が50(B=50)であった場合は、当該周辺部21の基準色は、黄色(RGB値=255:255:0)であると識別する(図4参照)。そして、かかるステップS608,S609を全ての拡張セル2aについて繰り返して(S610)、全ての拡張セル2aの周辺部21の基準色を識別する。なお、ステップS609では、周辺部21の基準色のRGB値を判定するのに、0〜255の中間値(128)を閾値として用いているが、かかる閾値は、実際に周辺部21から取得した色情報の分布に基づいて決定してもよい。
そして、ステップS611〜S613では、ステップS405〜S407と同様にして、各拡張セル2aの周辺部21の基準色の識別結果に基づいて専用データDS1,DS2を復号する。そして、ステップS614で、専用データDS1,DS2の復号に成功したと判定した場合は、そのまま複数照明読取処理を終了し、復号に失敗したと判定した場合は、ステップS615で、読取りエラーを示す表示をディスプレイに表示して、複数照明読取処理を終了する。
このように、かかる複数照明読取処理では、赤色光の照明下で撮像した画像データから取得した色情報の赤色成分と、青色光の照明下で撮像した画像データから取得した色情報の青色成分とを組み合わせて、拡張セル2aの周辺部21の色情報を特定するため、白色光の照明下で撮像した画像のみから拡張セル2aの周辺部21の色情報を決定する場合に比べて、二次元コード1の専用データの読取成功率を格段に高めることが可能となる。なお、複数照明読取処理は、専用データの読取成功率は高いが、比較的多くの処理が必要であり、常時実行すると時間がかかるため、本変形例の読取方法のように、まず、白色光の照明下で撮像した画像データに基づく専用データの読取りに失敗した場合に実行することが望ましい。すなわち、本発明に係る白色光復号処理は、ステップS401〜S407によって実現される。
本実施例は、実施例1から拡張セルの構成を変更したものである。
なお、拡張セルの構成以外は、実施例1と同じであるため、共通する構成については、本文及び図面で共通の符号を付して、詳細な説明を省略する。
図16(a)に示すように、本実施例の拡張セル2cは、周辺部21が、8個のサブセル21a〜21hに細分されており、サブセル21a〜21h毎に、8種類の基準色のいずれか一色で選択的に配色される。具体的には、サブセル21a〜21hは、拡張セル2cを縦横に3分割して得られる9つの正方形のうち、中央部20の正方形を除く、8つの正方形によって構成される。図16(b)に示すように、中央部20が白色の拡張セル2cでは、各サブセル21a〜21hは、4種類の明色基準色(図4参照)のいずれかで配色される。一方、図16(c)に示すように、中央部20が黒色の拡張セル2cでは、各サブセル21a〜21hは、4種類の暗色基準色(図4参照)のいずれかで配色される。
本実施例の拡張セル2cは、中央部20の2通りの配色パターンと、周辺部21の8個のサブセル21a〜21hと4通りの配色パターンによって、217通りの配色パターンで配色される。このため、本実施例では、図17に示すように、1つ拡張セル2cに、17ビットの符号化データを記録する。符号化データは、実施例1と同様に、同じ位置のビット毎の集合とすることで17層のデータ領域を形成しており、各層のデータは、QRコードと同じデータ形式で、各拡張セル2cに1ビットずつ記録される。すなわち、本実施例の二次元コード10は、図18に示すように、データ上のQRコード10a〜10hを17セット積層したデータ構造をなしている。なお、符号化データの最上位のビット(第1ビット)は、中央部20の配色パターンに対応するデータであり、QRコードの読取装置によって読み取ることのできる互換データである。このように、本実施例の二次元コード10は、周辺部21を8つのサブセル21a〜21hに分割して、サブセル21a〜21h毎に基準色で配色するため、実施例1の二次元コード1に比べて、より多くの専用データを記憶できる。
本実施例の二次元コード10は、実施例1の二次元コード1と同様の方法で生成可能である。すなわち、本実施例の二次元コード10の生成方法では、二次元コード10に記録する17セットのデータDS0〜DS16を個別に記録するQRコード10a〜10hを生成して、17セットのQRコードについて、同じ位置のセルの色を合成することにより、二次元コード10の各セル2の配色パターンを決定する。
このように、本実施例の拡張セル2cは、中央部20が白色と黒色のいずれか一色で配色され、また、中央部20が白色の拡張セル2cは周辺部21が明色基準色で、中央部20が黒色の拡張セル2cは周辺部21が暗色基準色で配色されるから、実施例1に係る拡張セル2aと同様に、QRコードの読取装置で明暗パターンを識別した場合、中央部20が白色の拡張セル2aは明色と識別され、中央部20が黒色の拡張セル2aは暗色と識別される。このため、本実施例の二次元コード10を、QRコードの読取装置に読み取らせた場合、当該読取装置は、各拡張セル2cの基準色を詳細に識別することなく、中央部20の配色パターンに基づいて、各拡張セル2cを明色又は暗色と識別し、QRコードの復号処理にしたがって互換データを復号する。
一方、本実施例の二次元コード10は、専用読取装置を用いて、各拡張セル2aの周辺部21の配色パターンをサブセル単位で識別すれば、二次元コード1に記録された17層のデータ領域に記録された互換データDS0と専用データDS1〜DS16を全て復号できる。二次元コード10の読取方法は、実施例1の二次元コード1の読取方法に準じて読取可能であるため詳細な説明は省略する。なお、本実施例の二次元コード10の読取方法では、図19(a)に示すように、拡張セル2cの8個のサブセル21a〜21hの中心を、サブセル21a〜21hについての色情報取得部位30a〜30hとして設定し、また、図19(b)に示すように、各サンプルセル2bの、サブセル21a〜21hの各色情報取得部位30a〜30hに対応する部位を、サンプルセル2bの色情報取得部位31a〜31hとして設定する。なお、サンプルセル2bは、実施例1の二次元コード1と同構成である。そして、サブセル21a〜21hの基準色を識別するに際しては、サブセル21a〜21hの色情報取得部位30a〜30hから取得した色情報を、各サンプルセル2bの対応する部位の色情報取得部位31a〜31hから取得した色情報と比較して、当該サブセル21a〜21hの基準色を、色情報が最も近似するサンプルセル2bの周辺部21と同じ基準色であると判定する。例えば、左上のサブセル21aの基準色を識別するに際しては、左上のサブセル21aの色情報取得部位30aから取得した色情報を、各サンプルセル2bの左上部の色情報取得部位31aから取得した色情報と比較する。このように、サブセル21a〜21hから取得した色情報を、サンプルセル2bの周辺部21の、対応する部位31a〜31hから取得した色情報と比較すれば、比較対象のサンプルセル2bの色情報は、サブセル21a〜21hから取得した色情報と同様に、中央部20の色の影響を受けたものとなるため、拡張セル2cのサブセル21a〜21hの基準色を決定する際に、中央部20の色の影響に左右されることなく、基準色を正確に決定することができる。
以上に、本発明の実施形態を実施例によって説明したが、本発明は、上記実施例の形態に限らず本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることができる。
例えば、上記実施例は、QRコードの規格に本発明を適用した二次元コードを例示したが、本発明は、QRコード以外の二次元コードの規格にも適用可能である。また、上記実施例では、セルの周辺部を8種類の基準色で配色しているが、本発明に係る基準色の数は適宜変更可能である。また、基準色は、色彩を有するものに限らず、複数階調の灰色を採用することできる。また、本発明にあって、基準色の配色は、基準色のインキのベタ塗りによって表されたものに限らず、微細な網点の合成等によって表されたものであってもかまわない。また、本発明の二次元コードは、印刷物に印刷されたものに限らず、表示画面に表示されたものも含む。
1,10 二次元コード
1a,1b,1c,10a〜10h QRコード
2 セル
2a,2c 拡張セル
2b サンプルセル
3 機能パターン
4 符号化領域
5 位置検出パターン
5a サンプル領域
6 分離パターン
7 タイミングパターン
8 データコード領域
8a 識別コード
9 形式情報コード領域
20 中央部
21 周辺部
21a〜21h サブセル
30,30a〜30h,31a〜31h 色情報取得部位

Claims (5)

  1. 明色と識別されるセルと暗色と識別されるセルとをマトリクス状に配置してなり、
    少なくとも一部のセルが、白色又は黒色で配色された中央部と、RGB値の異なる3種類以上の基準色から選ばれた、1又は複数の色で配色された周辺部とからなる拡張セルであり、
    拡張セルの中央部の配色パターンによって記録される互換データと、拡張セルの周辺部の配色パターンによって記録される専用データの少なくとも二種類の情報を含む二次元コードの読取方法であって、
    二次元コードを撮像する撮像処理を複数回実行するとともに、
    該撮像処理で得られた二次元コードの画像データに基づいて、各拡張セルの周辺部の配色パターンを識別する周辺部識別処理を撮像処理毎に実行し、
    その後、個々の拡張セルについて実行した複数回の周辺部識別処理の識別結果を多数決して、個々の拡張セルの周辺部の配色パターンを特定する多数決処理と、
    該多数決処理で特定した拡張セルの配色パターンに基づいて専用データを復号する多数決復号処理とを実行することを特徴とする二次元コードの読取方法。
  2. 明色と識別されるセルと暗色と識別されるセルとをマトリクス状に配置してなり、
    少なくとも一部のセルが、白色又は黒色で配色された中央部と、RGB値の異なる3種類以上の基準色から選ばれた、1又は複数の色で配色された周辺部とからなる拡張セルであり、
    拡張セルの中央部の配色パターンによって記録される互換データと、拡張セルの周辺部の配色パターンによって記録される専用データの少なくとも二種類の情報を含む二次元コードの読取方法であって、
    二次元コードを撮像して得られた一枚の画像データに基づいて、拡張セルの周辺部の配色パターンを識別し、識別した拡張セルの周辺部の配色パターンに基づいて専用データを復号する初回復号処理を実行し、
    該初回復号処理で、専用データを復号できなかった場合に、請求項に記載の二次元コードの読取方法を実行することを特徴とする二次元コードの読取方法。
  3. 明色と識別されるセルと暗色と識別されるセルとをマトリクス状に配置してなり、
    少なくとも一部のセルが、白色又は黒色で配色された中央部と、RGB値の異なる3種類以上の基準色から選ばれた、1又は複数の色で配色された周辺部とからなる拡張セルであり、
    拡張セルの中央部の配色パターンによって記録される互換データと、拡張セルの周辺部の配色パターンによって記録される専用データの少なくとも二種類の情報を含む二次元コードの読取方法であって、
    赤色光の照明下で二次元コードを撮像し、得られた二次元コードの画像データから、拡張セルの周辺部の赤色成分の色情報を取得する赤色識別処理と、
    緑色光の照明下で二次元コードを撮像し、得られた二次元コードの画像データから、拡張セルの周辺部の緑色成分の色情報を取得する緑色識別処理と、
    青色光の照明下で二次元コードを撮像し、得られた二次元コードの画像データから、拡張セルの周辺部の青色成分の色情報を取得する青色識別処理と
    の3つの処理のうち、少なくとも2つの処理を実行し、
    赤色識別処理、緑色識別処理、及び青色識別処理のうち、少なくとも2つの処理で取得した色情報を組み合わせて、拡張セルの周辺部の基準色を識別することを特徴とする二次元コードの読取方法。
  4. 明色と識別されるセルと暗色と識別されるセルとをマトリクス状に配置してなり、
    少なくとも一部のセルが、白色又は黒色で配色された中央部と、RGB値の異なる3種類以上の基準色から選ばれた、1又は複数の色で配色された周辺部とからなる拡張セルであり、
    拡張セルの中央部の配色パターンによって記録される互換データと、拡張セルの周辺部の配色パターンによって記録される専用データの少なくとも二種類の情報を含む二次元コードの読取方法であって、
    白色光の照明下で撮像した二次元コードの画像データに基づいて、拡張セルの周辺部の配色パターンを識別し、識別した拡張セルの周辺部の配色パターンに基づいて専用データを復号する白色光復号処理を実行し、
    該白色復号処理で、専用データを復号できなかった場合に、請求項に記載の二次元コードの読取方法を実行することを特徴とする二次元コードの読取方法。
  5. 明色と識別されるセルと暗色と識別されるセルとをマトリクス状に配置してなり、
    少なくとも一部のセルが、白色又は黒色で配色された中央部と、RGB値の異なる3種類以上の基準色から選ばれた、1又は複数の色で配色された周辺部とからなる拡張セルであり、
    拡張セルの中央部の配色パターンによって記録される互換データと、拡張セルの周辺部の配色パターンによって記録される専用データの少なくとも二種類の情報を含み、
    前記基準色は、反射率又は輝度が所定の明色閾値以上である複数の明色基準色と、反射率又は輝度が所定の暗色閾値以下である複数の暗色基準色とからなり、
    中央部が白色で配色された拡張セルは、前記複数の明色基準色から選ばれた、1又は複数の色で配色されており、
    中央部が黒色で配色された拡張セルは、前記複数の暗色基準色から選ばれた、1又は複数の色で配色されている二次元コードの読取方法であって、
    各拡張セルのセル単位の明暗パターンを識別して、前記互換データを復号する互換データ復号処理と、
    該互換データ復号処理の後に、各拡張セルの周辺部から取得した色情報に基づいて当該周辺部の配色パターンを識別し、前記専用データを復号する専用データ復号処理とを含み、
    該専用データ復号処理では、互換データ復号処理で識別した拡張セルのセル単位の明暗パターンに基づいて、周辺部の基準色を、明色基準色と暗色基準色のいずれかに絞り込むものであって、
    読取対象の二次元コードの拡張セルの周辺部に用いられる全ての明色基準値でRGB値の緑色成分が共通しており、かつ、全ての暗色基準値でRGB値の緑色成分が共通している場合には、
    専用データ復号処理において、
    赤色光の照明下で二次元コードを撮像し、得られた二次元コードの画像データから、拡張セルの周辺部の赤色成分の色情報を取得する赤色識別処理と、
    青色光の照明下で二次元コードを撮像し、得られた二次元コードの画像データから、拡張セルの周辺部の青色成分の色情報を取得する青色識別処理とを実行し、
    赤色識別処理及び青色識別処理で取得した色情報を組み合わせて、拡張セルの周辺部の配色パターンを識別することを特徴とする二次元コードの読取方法。
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