JP5115052B2 - ハイブリッド車両の排気浄化装置 - Google Patents
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Description
また、特許文献1の装置では、EGR通路を介して吸気通路の負圧を吸着材に作用させることで、EGRガスによる吸着材のパージ(以下「EGRパージ」という。)が行われている。かかるEGRパージにより、吸着材から脱離した未浄化成分が筒内に供給され、その後触媒により確実に浄化することができる。
内燃機関から排出された排気ガスが流れる主排気通路と、
前記主排気通路に配置され、排気ガスを浄化する触媒と、
前記触媒の下流において前記主排気通路から分岐され、分岐位置よりも下流において前記主排気通路に合流する第2排気通路と、
前記第2排気通路に配置され、前記触媒において浄化されない未浄化成分を吸着する吸着材と、
前記吸着材の床温である吸着材床温を検出する吸着材床温検出手段と、
前記吸着材の上流の第2排気通路と、前記内燃機関の吸気通路とを接続するEGR通路と、
前記EGR通路を開閉するEGR弁と、
前記吸着材に吸着された未浄化成分をパージする際、前記吸着材床温が基準温度以上である場合には、前記EGR弁を開弁すると共に、前記内燃機関の間欠運転を中止し、前記吸着材床温が該基準温度よりも高くなるような運転条件で前記内燃機関の定常運転を実施する制御手段とを備えたことを特徴とする。
前記制御手段は、前記吸着材温度が前記基準温度よりも低い場合であっても、積算吸入空気量が基準値以上である場合には、前記内燃機関の間欠運転を中止し、前記吸着材床温が該基準温度よりも高くなるような運転条件で前記内燃機関の定常運転を実施することを特徴とする。
前記制御手段は、前記内燃機関の定常運転中の走行トルクを前記電動機により調整することを特徴とする。
前記内燃機関の吸気通路に設けられたスロットルと、
前記電動機の駆動用電力を充電するバッテリを更に備え、
前記制御手段は、前記内燃機関の定常運転時に、前記バッテリの充電状態が基準値以上である場合には、前記スロットルの開度に基づいて前記内燃機関に要求される機関負荷を与えずに機関回転数を上昇させることを特徴とする。
前記制御手段は、前記吸着材床温が前記基準温度よりも高い第2基準温度以上である場合には、前記内燃機関の定常運転を終了し、前記内燃機関の間欠運転を再開することを特徴とする。
前記吸着材の上流の前記第2排気通路に設けられ、水分を吸着する水分吸着材を更に備え、
前記制御手段は、前記吸着材床温が前記基準温度よりも高い第2基準温度以上である場合には、前記EGR弁を閉弁することで前記水分吸着材に吸着された水分をパージし、前記吸着材床温が該第2基準温度よりも高い第3基準温度以上である場合には、前記内燃機関の定常運転を終了し、前記内燃機関の間欠運転を再開することを特徴とする。
[システム構成の説明]
図1は、本発明の実施の形態1による排気浄化装置の構成を説明するための図である。
内燃機関1としてのエンジンは、気筒2(図2参照)内に空気を取り込むための吸気通路20を備えている。吸気通路20の途中には、スロットル弁16が設けられている。スロットル弁16は、スロットルモータ17により駆動される電子制御弁である。スロットル弁16の近傍には、スロットル開度TAを検出するスロットル開度センサ18が設けられている。
主排気通路22からの第2排気通路26の分岐位置には、切替バルブ28が設けられている。切替バルブ28は、排気ガスの流入先を主排気通路22と第2排気通路26との間で切り替え可能に構成されている。第2排気通路26の他端は、切替バルブ28より下流側の主排気通路22に接続(合流)されている。すなわち、第2排気通路26は、触媒24下流の主排気通路22をバイパスするバイパス通路である。
ECU40は、ジェネレータ5及びモータ7の駆動量若しくは発電量を制御する。また、ECU40は、バッテリ13の充電状態SOC(state of charge)を取得する。
図3は、本実施の形態1のシステムにおける排気浄化装置の動作を説明するための図である。詳細には、図3(A)は吸着時の動作を、図3(B)はパージ時の動作を、それぞれ示す図である。
エンジン1の冷間始動時には、触媒24から未浄化成分(HC,NOx)を含む排気ガスが排出される。かかる未浄化成分をそのまま車両から排出すると、エミッション特性が悪化してしまう。よって、図3(A)に示すように、切替バルブ28により主排気通路22が閉塞されると共に、EGR弁28が閉じられる。この切替バルブ28の操作により、未浄化成分を含む排気ガスが、第2排気通路26に導入される。EGR弁28の開度はゼロにされるため、排気ガスは吸気通路20に還流されず、HC吸着材30に流入する。そうすると、排気ガス中に含まれるHCがHC吸着材30に吸着され、NOxがNOx吸着材32に吸着される。これらの吸着材30,32により未浄化成分が吸着された後、排気ガスは第2排気通路26から主排気通路22に戻され、車両から排出される。
エンジン1が暖機されると、触媒24が活性化する。触媒24が活性化されると、触媒24から未浄化成分が排出されなくなる。そこで、図3(B)に示すように、切替バルブ28により第2排気通路26が閉塞されると共に、EGR弁28が開けられる。EGR弁28が開けられることで、吸気通路20に生じている負圧が第2排気通路26に作用する。そうすると、図3(B)において矢印で示すように、主排気通路22を流れる排気ガスの一部が合流位置から第2排気通路26に導入される。第2排気通路26に導入された排気ガスは、NOx吸着材32、HC吸着材30の順に流入する。これらの吸着材32,30の床温が所定温度以上であれば、NOx吸着材32からNOxが脱離し、HC吸着材30からHCが脱離する。脱離したNOx及びHCを含む排気ガスは、EGR通路36に導入された後、吸気通路20を通って気筒2内に供給される。その後、気筒2から排出された排気ガスは、触媒24に流入する。
なお、時刻t1から時刻t2までの期間は、図3(A)に示すように、吸着材30,32による未浄化成分の吸着が実施される。
図7は、本実施の形態1において、ECU40が実行するルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンは、エンジン始動時に起動される。
図7に示すルーチンによれば、先ず、冷却水温Twが基準温度T1以上であるか否かを判別する(ステップ100)。この基準温度T1は、未浄化成分を吸着材30,32により吸着させる必要があるか否かを判別するための温度であり、例えば、80℃である。このステップ100で冷却水温度Twが基準温度T1よりも低いと判別された場合には、図3(A)に示すように、未浄化成分の吸着を実施する(ステップ102)。その後、ステップ100の処理に戻る。
また、本実施の形態1においては、HC吸着材30及びNOx吸着材32が第1の発明における「吸着材」に、吸着材床温センサ34が第1の発明における「吸着材床温検出手段」に、EGR通路36が第1の発明における「EGR通路」に、EGR弁38が第1の発明における「EGR弁」に、バッテリ13が第4の発明における「バッテリ」に、それぞれ相当する。
また、本実施の形態1においては、ECU40が、ステップ106,110の処理を実行することにより第1の発明における「制御手段」が、ステップ108,110の処理を実行することにより第2の発明における「制御手段」が、ステップ110の処理を実行することにより第3の発明における「制御手段」が、ステップ112,114の処理を実行することにより第4の発明における「制御手段」が、ステップ116,118の処理を実行することにより第5の発明における「制御手段」が、それぞれ実現されている。
次に、図8から図10を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。
図1に示した吸着材30,32は、その主成分としてゼオライト等の水分吸着機能を有する素材を含んでいる。このため、吸着材30,32には未浄化成分のみならず、排気ガスに含まれる水分も吸着されることになる。吸着材30,32に水分が吸着されていると、吸着可能な未浄化成分の量は減少することになる。
図8に示すように、第2排気通路26の途中に、切替バルブ28に近い側から、H2O吸着材29とHC吸着材30とNOx吸着材32とが設けられている。H2O吸着材29は、例えば、ゼオライト系の材料により形成されている。また、吸着材床温センサ34は、このH2O吸着材29に設けられている。
なお、図8に示した排気浄化装置が、図2に示すハイブリッド車両に搭載される。
図9は、本実施の形態2のシステムにおける排気浄化装置の動作を説明するための図である。詳細には、図9(A)は吸着時またはH2Oパージ時の動作を、図9(B)はHC,NOxパージ時の動作を、それぞれ示す図である。
エンジン1の冷間始動時には、上記実施の形態1と同様、図9(A)に示すように、切替バルブ28により主排気通路22が閉塞されると共に、EGR弁38が閉じられる。これにより、排気ガスがH2O吸着材29、HC吸着材30及びNOx吸着材32を順に流れることとなる。そうすると、H2O吸着材29により水分が吸着され、水分が除去された排気ガスがHC吸着材30とNOx吸着材32に順番に導入される。
エンジン1が暖機されると共に触媒24が活性化されると、図9(B)に示すように、切替バルブ28により第2排気通路26が閉塞されると共に、EGR弁28が開けられる。そうすると、図9(B)において矢印で示すように、主排気通路22を流れる排気ガスの一部が、合流位置から第2排気通路26に導入される。第2排気通路26に導入された排気ガスは、NOx吸着材32、HC吸着材30及びH2O吸着材29にこの順に流入する。
ここで、H2〇が吸着材29から完全に脱離する温度(例えば、350℃)は、HC,NOxが吸着材30,32から完全に脱離する温度(例えば、300℃)よりも高い。
上記HC,NOxのパージが完了し、吸着材床温を更に上昇させつつ、図9(A)に示すように、H2Oパージを実施する。
ここで、H2Oは、HCやNOxとは異なり、エミッション特性の悪化を招来するものではない。よって、H2O吸着材29から脱離した水分は、触媒24を通すことなく、そのまま車両から大気中へ排出することができる。
図10は、本実施の形態2において、ECU40が実行するルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンは、エンジン始動時に起動される。
図10に示すルーチンによれば、図7に示すルーチンのステップ116の処理まで実行する。すなわち、吸着材床温が基準温度T3以上であるか否かの判別処理まで実行する。
また、本実施の形態2では、吸着材床温が基準温度T4に達すると、エンジン定常運転が中止され、エンジン間欠運転が再開される。定常運転により吸着材床温を迅速に基準温度T4まで上昇させることで、H2O吸着材パージを迅速かつ確実に完了させることができる。エンジン間欠運転を早期に再開することで、定常運転の実施時間を最小限に抑えることができ、それに伴う燃費の悪化を最小限に抑えることができる。
5 ジェネレータ
7 モータ
13 バッテリ
15 水温センサ
20 吸気通路
22 主排気通路
24 触媒
26 第2排気通路
38 EGR弁
29 H2O吸着材
30 HC吸着材
32 NOx吸着材
34 吸着材床温センサ
36 EGR通路
38 EGR弁
40 ECU
Claims (6)
- 内燃機関と電動機とを駆動源として有するハイブリッド車両の排気浄化装置であって、
内燃機関から排出された排気ガスが流れる主排気通路と、
前記主排気通路に配置され、排気ガスを浄化する触媒と、
前記触媒の下流において前記主排気通路から分岐され、分岐位置よりも下流において前記主排気通路に合流する第2排気通路と、
前記第2排気通路に配置され、前記触媒において浄化されない未浄化成分を吸着する吸着材と、
前記吸着材の床温である吸着材床温を検出する吸着材床温検出手段と、
前記吸着材の上流の第2排気通路と、前記内燃機関の吸気通路とを接続するEGR通路と、
前記EGR通路を開閉するEGR弁と、
前記吸着材に吸着された未浄化成分をパージする際、前記吸着材床温が基準温度以上である場合には、前記EGR弁を開弁すると共に、前記内燃機関の間欠運転を中止し、前記吸着材床温が該基準温度よりも高くなるような運転条件で前記内燃機関の定常運転を実施する制御手段とを備えたことを特徴とするハイブリッド車両の排気浄化装置。 - 請求項1に記載のハイブリッド車両の排気浄化装置において、
前記制御手段は、前記吸着材床温が前記基準温度よりも低い場合であっても、積算吸入空気量が基準値以上である場合には、前記内燃機関の間欠運転を中止し、前記吸着材床温が該基準温度よりも高くなるような運転条件で前記内燃機関の定常運転を実施することを特徴とするハイブリッド車両の排気浄化装置。 - 請求項1又は2に記載のハイブリッド車両の排気浄化装置において、
前記制御手段は、前記内燃機関の定常運転中の走行トルクを前記電動機により調整することを特徴とするハイブリッド車両の排気浄化装置。 - 請求項1に記載のハイブリッド車両の排気浄化装置において、
前記内燃機関の吸気通路に設けられたスロットルと、
前記電動機の駆動用電力を充電するバッテリを更に備え、
前記制御手段は、前記内燃機関の定常運転時に、前記バッテリの充電状態が基準値以上である場合には、前記スロットルの開度に基づいて前記内燃機関に要求される機関負荷を与えずに機関回転数を上昇させることを特徴とするハイブリッド車両の排気浄化装置。 - 請求項1から4の何れかに記載のハイブリッド車両の排気浄化装置において、
前記制御手段は、前記吸着材床温が前記基準温度よりも高い第2基準温度以上である場合には、前記内燃機関の定常運転を終了し、前記内燃機関の間欠運転を再開することを特徴とするハイブリッド車両の排気浄化装置。 - 請求項1に記載のハイブリッド車両の排気浄化装置において、
前記吸着材の上流の前記第2排気通路に設けられ、水分を吸着する水分吸着材を更に備え、
前記制御手段は、前記吸着材床温が前記基準温度よりも高い第2基準温度以上である場合には、前記EGR弁を閉弁することで前記水分吸着材に吸着された水分をパージし、前記吸着材床温が該第2基準温度よりも高い第3基準温度以上である場合には、前記内燃機関の定常運転を終了し、前記内燃機関の間欠運転を再開することを特徴とするハイブリッド車両の排気浄化装置。
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