JP5114383B2 - 触媒担体上の貴金属錯体の単一工程での分解および活性化 - Google Patents

Description

本発明は、触媒担体上に高度に分散された貴金属を同時に分解および活性化するための単一工程方法に関する。

現在、ほとんどの貴金属触媒は、触媒担体中または触媒担体上に貴金属錯体を含浸させるかまたはイオン交換させることによって作製される。それを乾燥させて水を除去し、次いで、高度に分散された貴金属錯体を貴金属酸化物に分解するために空気中でか焼する。その後、別個の工程において、高度に分散された活性な貴金属を生成するために、貴金属酸化物を水素の存在下で還元させなければならない。貴金属錯体の分解および還元を組み合わせて単一工程にすることにより、貴金属触媒の製造コストがかなり削減されるであろう。本発明は、含浸またはイオン交換のための貴金属錯体を用いて、単一工程で分解および還元するための方法である。

米国特許第５，０９８，６８４号明細書

本発明は、貴金属触媒が触媒担体上に担持された貴金属錯体を分解および活性化するための方法である。

好ましい実施形態では、貴金属触媒は、メソポーラス担体またはゼオライト担体上に担持された白金とパラジウムとの組み合わせである。

別の好ましい実施形態では、担持金属触媒は、アルミナと結合されたＭＣＭ−４１上に担持されたパラジウムおよび白金であり、このＭＣＭ−４１は特許文献１に記載されている。

多くの技術は貴金属触媒を用いたものである。例えば、潤滑油水素化精製技術は、非晶質担体上に担持された塩基触媒および貴金属触媒の両方を用いる。貴金属触媒を用いると、塩基金属触媒を用いる際に必要とされるよりも低い圧力および温度および小さな反応器容積で、優れた潤滑油の色および酸化安定性が得られる。特許文献１に記載される従来の触媒は、競合する触媒と比較して、最近の厳しいグループＩＩプラスおよびグループＩＩＩ基油規格を満たすのに必要とされる優れた芳香族飽和を提供する潤滑油水素化精製触媒である。

従来の触媒は、触媒担体上に担持された白金とパラジウムとからなる。まず、担体上に硝酸テトラアミン白金／パラジウムの水溶液を吸着することによって白金およびパラジウムを担体の表面にわたって微細分散させる。担体を乾燥させ、次いで、テトラアミンを分解するために空気中でか焼して、微細分散した白金／パラジウム酸化物が残るようにする。別個の工程において、白金／パラジウム酸化物を水素中で還元して活性貴金属にする。還元工程を触媒製造の間に現場外で（ｅｘ−ｓｉｔｕ）行うか、または触媒を反応器内に取り込んで現場で（ｉｎ−ｓｉｔｕ）還元することが可能である。触媒のポンド当たりの別個の現場外還元工程のコストは非常に高い。現場還元は実施するのが難しく、商用プラントの始動を大幅に遅らせる原因となり得る。従って、硝酸テトラアミン白金／パラジウムの分解および還元を組み合わせて単一工程にすることがかなり奨励されている。

単一工程の分解および還元を行うために、本発明者らは、０．３重量％の白金および０．９重量％のパラジウムを含むか焼された触媒となり得るものを生成するのに十分な硝酸テトラアミン白金／パラジウムで担体を被覆する。被覆された触媒をまず空気中で約２５０°Ｆで乾燥させ、第２に、貴金属錯体を単一工程で分解および還元するために水素中で３００℃でか焼する。以下の表に示されるように、得られる触媒は、酸素化学吸着によって測定した際に、従来の２工程方法（空気か焼の後、別個の水素還元）によって調製された触媒に対して大幅に低い金属分散を有した。水素の濃度は、１〜１００％、或いは４〜１００％であった。

次いで、本発明者らは、同じ担体に同じ金属含量で異なる白金／パラジウム錯体を含浸させることによって更なる触媒を作製した。白金／パラジウム錯体は、塩化物および様々なアミン錯体（水酸化テトラアミン、塩化テトラアミンおよびジアミノジニトレート（ｄｉａｍｉｎｏｄｉｎｉｔｒａｔｅ））を含んだ。含浸の後、被覆された触媒を空気中で約２５０°Ｆで乾燥させ、次いで、貴金属錯体を単一工程で分解および還元するために水素中３００℃でか焼した。上の表に示されるように、塩化テトラアミン、ジアミノジニトレート、または塩化物錯体を用いると、水素中における単一工程の分解および還元の後に、大幅に低い貴金属分散が得られた。しかし、水酸化テトラアミン錯体を用いると、水素中で直接還元することによる１工程分解の後の貴金属分散は、硝酸テトラアミン錯体の従来の２工程の分解および還元による貴金属分散と同等であった。この一連の実施例により、含浸またはイオン交換のための貴金属錯体を適切に選択することによってのみ、分解および還元をうまく組み合わせて単一工程にすることが可能であることが明示される。これにより、触媒担体上に高度に分散された貴金属を同時に分解および還元（活性化）するための本発明の単一工程方法が導かれる。

Claims (6)

1. ＭＣＭ−４１を含む触媒担体上の、白金とパラジウム金属の組み合わせを含む貴金属水酸化テトラアミン錯体を単一工程で分解および活性化する方法であって、
   前記貴金属水酸化テトラアミン錯体を分解および還元するために水素中でか焼する工程を含み、
   該単一工程法によって得られる触媒担体上の分解および還元された貴金属水酸化テトラアミン錯体の酸素化学吸着は、空気中でか焼する工程と水素の存在下に還元する工程とからなる２工程法によって得られる同一の触媒担体上の分解および還元された同一の貴金属硝酸テトラアミン錯体の酸素化学吸着と同等である、
   ことを特徴とする方法。
2. 前記触媒担体を、活性化の前に空気中で乾燥することを特徴とする請求項１に記載の方法。
3. 前記乾燥を３００°Ｆ（１４８．９℃）未満の温度で行うことを特徴とする請求項２に記載の方法。
4. 前記触媒担体が、非晶質のメソポーラス担体またはゼオライト担体であることを特徴とする請求項１に記載の方法。
5. 前記水素の濃度が１〜１００％であることを特徴とする請求項１に記載の方法。
6. 前記水素の濃度が４〜１００％であることを特徴とする請求項５に記載の方法。