JP5114159B2 - 足裏クッション及びその製造方法 - Google Patents
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そのため、従来よりサンダルや靴等を履く時に、足裏の前部に装着する足裏衝撃吸収用のクッションが種々提供されている。
本出願人も実用新案登録第3121092号公報(特許文献3)において、低反発性シート層を備えた平板形状とした下敷部と、装着時に該下敷部を足裏前部に保持するための保持部とを備えた足裏クッションを提供している。
また、前記クッションは平面状である一方、足裏形状は平面状ではないため、クッション材は足裏に添いにくく、ミュールやサンダル等の足後部側に保持部がない履物の場合、クッションは足裏から離れやすくなり、着用感の点から改善する余地がある。
弾性材を挟んで表布と裏布とがラミネートされた3層の積層体からなり、
前記足裏形状に対応して中間層となる前記弾性材の圧縮率を相違させた立体形状とし、足裏の指の付け根部分の中足骨頭部および土踏まずと対応する部分は低圧縮率として上方へ膨出させる一方、外周縁および土踏まずの外側と対応する部分は高圧縮率として厚みを薄くし、かつ、
足指側の前端縁に足指に引っかける保持紐を取り付けていると共に、前記裏布の表面に滑り止め材を固着していることを特徴とする足裏クッションを提供している。
即ち、衝撃吸収力を高める必要がある中足骨頭部と対応する部分は低圧縮率として膨出させ、歩行時に繰り返し負荷される衝撃荷重を十分に吸収して足裏の保護を図っている。
足裏の窪んだ足指の基部と土踏まずとの間の丘状の中足骨頭部は、前記したように、歩行時に踏圧が最初に大きく負荷される部分であり、かつ、高いヒールの履物では衝撃的な負荷が繰り返しかかる部分であるため、この部分に衝撃吸収力の大きい膨出部を設けることで足裏の保護機能を高めることができる。
また、窪みとなる土踏まずと対応する部分も低圧縮率として膨出させて、足裏の横アーチと対応する形状としているため、足裏への密着性を高められ、歩行時の足の疲れ等を軽減することができる。
一方、外周縁および土踏まずの外側と対応する部分は高圧縮率として厚みを薄くしているため、足裏の形状に自然に沿わせて足裏と密着性させることができ、サンダル等を履いて歩行する時に、クッションが足裏から離れにくくすることができる。
前記保持紐は、足指側の前端縁の第一指及び第五指に対応する位置に設けられていることが好ましい。該位置に保持紐を設けることにより、足裏クッションを足裏外輪側の足指2本で保持することができるので、保持安定性に優れる。
なお、保持紐は、第二指あるいは第三指に相当する位置に設けてもよく、さらに足裏クッションの後部に装着時にかかとを挿入するためのかかと保持ループを備えていてもよい。
前記保持紐の取り付けは、それぞれ使用する素材に応じて、縫着や、接着等の方法により行うことができる。
前記のように、本発明の足裏クッションは、足裏と履物の両方に対してずれにくい構成とすることで、立体形状を備えることにより発揮される足裏の衝撃吸収性及び保護性を有効かつ確実に実現することができるようにしている。
なかでも、シリコーンゴムを用いていることが好ましく、該シリコーンゴムが裏布表面にドット状に形成されているものが好ましい。
このほか、エラストマー材料等を含浸させた生地等を所要形状に裁断して裏布に貼り付けてもよい。
また、足裏クッションの前端縁は薄肉とすると共に上向きに湾曲させているため、中足骨頭部と指骨の基部との間の窪みに前記前端縁が入り込みやすくなり、足裏へのクッションの保持力および密着性を高めることができる。また、足裏から離れやすい土踏まず側では、その内側縁は緩やかに上向きに湾曲させているため、足裏形状に沿い易くなる。
なお、ポリウレタンフォームシートは成形性に欠けるという理由により、粘着剤等が含浸されている低反発素材ではないことが好ましい。
このほか、足裏側の肌触り及び吸湿性を良好にするため、表布の素材としては綿パイル素材等の柔かい素材を用いてもよい。
本発明の足裏クッションは、全体として足裏関節の曲げ伸ばしに追従できる可撓性を有していることが好ましい。
止め縫製により表布−弾性材間、裏布−弾性材間の剥離を防止し、表布及び裏布のほつれ防止を図ることができる。また、止め縫製と共に保持紐の取り付けを同時に行うことで、保持紐の取り付けを容易に行うことができ、コストを下げることができる。
また、後述する圧縮加熱成形による製造方法により本発明の足裏クッション材を製造する場合は、外周縁が硬くなるおそれがあるので、可撓性を有する柔軟な縫製糸により縁かがり縫製が施され、周縁が保護されていることが好ましい。
なお、ストッキングや靴下と併用する場合には、本発明の足裏クッションは足指に引っかける保持紐を備えているため、該足裏クッションを着用した後にストッキングや靴下等を着用する。
また、足裏の衝撃吸収性に優れているため、足裏側に着用する場合に限らず、靴側に取り付けておき、中敷きとしても利用することもできる。
該製造方法は、前記弾性材の表裏両面に表布と裏布とをラミネートとした三層の積層体を型面に凹凸部を設けた金型内に充填して、型面に沿わせて前記弾性材を圧縮させると共に、該圧縮させた状態で加熱して一体融着し、
その後、金型より取り出して、足裏前部に対応させた形状に裁断し、周縁を止め縫製すると共に、前記保持紐および滑り止め材を取り付けるものとしている。
なお、積層体を圧縮成形する前に足裏形状に対応させた形状に裁断してもよい。
さらに、土踏まずに対応する部分にも低圧縮率の膨出部を設けているので、足裏の横アーチを保持し、歩行時の足の疲れ等を軽減することができる。さらに、土踏まずの外側に対応する部分及び外周縁は弾性材を高圧縮率として厚みを薄くしているので、足裏の形状に自然に沿わせることができ、装着感にも優れる。
図1乃至図4に、本発明の第1実施形態の足裏クッション10を示す。
足裏クッション10は、足指を除く足裏前部側の外輪内部に装着されるものであり、足指の付け根部分から土踏まず中央部を覆う範囲に位置する本体部11と、該本体部11を足裏前部に保持するループ状の保持紐12(12A,12B)とを備えている。
本実施形態では左足用の足裏クッション10について説明するが、左右対称となる右足用についても同様である。
表布14と裏布15は伸縮性、吸湿性及び通気性を良好にしたものを用いている。
本体部11は、前記同一厚さの3層の積層体を、圧縮加熱成形することにより後述する足裏形状に対応した立体形状を形成している。
保持紐12A、12Bとして伸縮性テープを用いており、本体部11の前端縁20aの第一指(親指)に対応する位置に保持紐12A、第五指(小指)に対応する位置に保持紐12Bを設け、装着時に各々のループに足指を挿入し、足裏クッション10を足裏外輪側の足指2本で安定保持できるようにしている。
まず、ポリウレタンフォームシートからなる弾性材13の一方の面に表布14、他方の面に裏布15を熱融着あるいは接着剤でラミネートした積層体を作製する。
次に、該積層体を型面に凹凸部を設けた金型に配置して、型面に沿わせて圧縮させると共に、該圧縮させた状態で加熱して一体融着し、その後、金型より取り出し、足裏前部に対応させた形状に裁断する。
ついで、中足骨頭部と対応する裏布15の表面にドット状に液状シリコーンゴムを塗布して、加熱処理を施し、滑り止め材23を固着している。
最後に、オーバーロックミシンにより止め縫製及び縁かがりを行うと同時に、保持紐12A、12Bを本体部11に取り付けて、足裏クッション10を製造している。
なお、裁断は、積層体の加熱成形前に行ってもよい。
装着状態で、足裏クッション10は、足指を除く足裏前部側の外輪内部に配置し、前端縁20aは足指の基部の窪みに入り混み、後端縁20bは土踏まずの中央部から後部寄りに位置する。
このように履物の中で足裏クッションをずれにくくすることで、足裏クッションの衝撃吸収性を有効に発揮させることができ、着用感にも優れる。よって、図4(B)のような高いヒールを有し、足裏に傾斜があるような靴であっても足裏クッション10を滑りにくくすることができる。
第2実施形態は、保持紐12の取り付け位置が、第1実施形態と相違する。
即ち、第2実施形態の足裏クッション30は、前縁の第二指に相当する位置に装着時に第二指を挿入するための保持紐32を備えるとともに足裏クッションの後部側に装着時にかかとを挿入するための保持紐33を備えている。
本構成としても、足裏クッション30の前部側を保持紐32で、後部側をかかと保持紐33で保持し、足裏の前後方向で足裏クッションを安定的に保持することができるため、ずれを防止し、足裏の衝撃吸収性及び保護性に優れる。
他の構成及び効果は、第1実施形態と同様のため、同一符号を付して説明を省略する。
また、足指部を除く足裏前部にほぼ相対する位置に前述した立体形状を備えていればよく、前記実施形態から土踏まず部分を覆う範囲は適宜選択することができる。
前記構成以外の足裏クッションの構成は、特に限定されず、本発明の作用効果を妨げない範囲で他の構成を備えていても良い。
11 本体部
12,32,33 保持紐
13 弾性材
14 表布
15 裏布
16 第1膨出部
17 第2膨出部
23 滑り止め材
50 靴
60 足
60a 足裏
Claims (4)
- 足指を除く足裏前部に装着される足裏クッションであって、
弾性材を挟んで表布と裏布とがラミネートされた3層の積層体からなり、
前記足裏形状に対応して中間層となる前記弾性材の圧縮率を相違させた立体形状とし、足裏の指の付け根部分の中足骨頭部および土踏まずと対応する部分は低圧縮率として上方へ膨出させる一方、外周縁および土踏まずの外側と対応する部分は高圧縮率として厚みを薄くし、かつ、
足指側の前端縁に足指に引っかける保持紐を取り付けていると共に、前記裏布の表面に滑り止め材を固着していることを特徴とする足裏クッション。 - 前記中足骨頭部と対応する膨出部は、第1〜第5趾中足骨の裏側に沿うように幅方向に連続させて最も突出させ、かつ、前記裏布側は平面状とすると共に足裏形状に沿わせて前端縁および土踏まず側の内側縁は緩やかに上向きに湾曲させている請求項1に記載の足裏クッション。
- 前記表布および裏布は伸縮性、吸湿性、通気性を有する編地から形成し、前記中間層の弾性材はポリウレタンフォームシート及び/または不織布、あるいはポリウレタンフォームと不織布を重合したものからなる請求項1または請求項2に記載の足裏クッション。
- 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の足裏クッションの製造方法であって、
前記弾性材の表裏両面に表布と裏布とをラミネートとした三層の積層体を型面に凹凸部を設けた金型内に充填して、型面に沿わせて前記弾性材を圧縮させると共に、該圧縮させた状態で加熱して一体融着し、
その後、金型より取り出して、足裏前部に対応させた形状に裁断し、周縁を止め縫製すると共に、前記保持紐および滑り止め材を取り付けている足裏クッションの製造方法。
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