JP3110636U - ハイヒール - Google Patents

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株式会社馬里奈
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Abstract

【課題】履き心地の良さと耐久性とを兼ね備えたハイヒールを提供することである。
【解決手段】足の甲部分を覆う甲革1と足裏の外形形状に合わせて形成された中敷2とを縫合し、これらの甲革と中敷とを中底に接着された巻革4に縫合させたハイヒールであって、中敷及び中底6間に設けられたクッション材と、クッション材及び中底間に挟まれた状態で、足の踵部分を支えるヒール部とヒール部から前方に向かって低く傾斜するシャンク部とにかけて設けられた補強部材とを備える。そして、補強部材は中底の上に重ねられるシャンク部材5と、ヒール部からシャンク部材の前方部分にかけてシャンク部材上に重ねられる芯材8とから構成され、クッション材は芯材の上に重ねられる硬質発泡樹脂11と、この硬質発泡樹脂の上に重ねられる第1の軟質発泡樹脂12とから構成されている。
【選択図】図3

Description

本考案は履き心地がソフトで耐久性に優れたハイヒールに関する。
ハイヒールの履き心地は、必ずしも快適なものではなく、長時間履き続けることが出来ないばかりか、履いた直後であっても足が痛むなどの不都合が生じている。このことは、足がハイヒールの中で前方にスライドすることにより、爪先がハイヒールの爪先部で詰まることに起因する。また、靴先が狭く、ヒールが高い為、外反母趾になり易いという問題点を有している。このような問題点を解決するものとして、特開平10−155505号公報には、親指先部を広げ、親指と人差し指の間に仕切を取り付け、親指が内側に曲がらない様にし、体重をこれらに分散負担させることや、全体の巾は広げずに、靴先部を長くして全体の形を整え、余った部分に硬質発泡樹脂を入れること等の考案が開示されている。
履き心地が柔らかで、クッション性に優れた靴の製造方法としては、プラット製法が知られている。この方法は、甲革と中敷を縫って袋状にしたものの全周に巻革を縫い付け、さらにクッション素材を入れて靴の土台であるプラットフォームに巻き込むものである。特開平9−252805号公報には、履き心地の良好な靴として、表底、プラットフォーム、クッション材、内底を有し、かつ裏皮付きの甲皮、プラットフォーム巻革を備える靴において、クッション材を、足の土踏まずに当たる箇所を同土踏まずにほぼ相似する形状の膨出部を形成したものに構成し、このクッション材を包む内底における裏皮の内面とクッション材の周縁間に折り込まれた折込周辺部のクッション材の縁部に当たる部分を除く周辺部を、縫い糸で裏皮、甲皮、巻革の折返片へ一体に縫合し、かつ内底におけるクッション材の膨出部に当たる箇所の折込縁部を甲皮の裏皮へ縫い糸にて一体に縫合することが開示されている。しかし、プラット製法は、履き心地が柔らかで、クッション性に優れた靴の製法であったため、ハイヒールがプラット製法で製造されることはなかった。また、ハイヒールを従来のプラット製法で製造した場合には、履き心地の良さは叶えられるものの耐久性に乏しいものとならざるを得なかった。
特開平10−155505号公報 特開平9−252805号公報
解決しようとする問題点は、履き心地の良さと耐久性とを兼ね備えたハイヒールを提供することである。
本考案の請求項1は、足の甲部分を覆う甲革と足裏の外形形状に合わせて形成された中敷とを縫合し、これらの甲革と中敷とを中底に接着された巻革に縫合させたハイヒールであって、前記中敷及び中底間に設けられたクッション材と、該クッション材及び前記中底間に挟まれた状態で、足の踵部分を支えるヒール部とヒール部から前方に向かって低く傾斜するシャンク部とにかけて設けられた補強部材とを備え、
前記補強部材は前記中底の上に重ねられるシャンク部材と、前記ヒール部からシャンク部材の前方部分にかけてシャンク部材上に重ねられる芯材とから構成され、前記クッション材は前記芯材の上に重ねられる硬質発泡樹脂と、この硬質発泡樹脂の上に重ねられる第1の軟質発泡樹脂とから構成されていることを特徴とする。
請求項2の考案は、前記芯材を合成革で形成したことを特徴とする。
請求項3の考案は、前記第1の軟質発泡樹脂が、足の指の付け根ふくらみ部分が厚くなっていることを特徴とする。
請求項4の考案は、足底の状態や形状に対応させた第2の軟質発泡樹脂が設けられていることを特徴とする。
請求項5の考案は、前記第2の軟質発泡樹脂が前記ヒール部に設けられていることを特徴とする。
請求項6の考案は、前記ヒール部における前記補強部材の上から強化ボードが重ねられていることを特徴とする。
クッション素材が中底の上に設けられると共に、クッション素材の下にはヒール部から前方に傾斜するシャンク部にかけて補強部材が設けられるので、履き心地の良さと耐久性とを兼ね備えたハイヒールとすることができる。そして、補強部材をシャンク部材とその上に重ねられる芯材で構成することにより、ハイヒールに好適な耐久性を備えることができる。また、芯材には合成革を使用することにより、履き心地がソフトで強度のすぐれたハイヒールとなる。
ハイヒールの履き心地の悪さは、足がハイヒールの中で前方にスライドすることに起因するが、特に、体重が付加される足の指の付け根ふくらみ部分に軟質発泡樹脂を厚めにして設けることにより、ハイヒールを履き心地のよいものとすることができる。第2の軟質発泡樹脂は、例えば、足に魚の目やたこが出来ている人にとって、その位置や症状に応じて、別途、好適に設けることにより、快適なハイヒールとなる。また、第2の軟質発泡樹脂は、第1の軟質発泡樹脂とは別体として設けられるものであり、これをヒール部に設けられる衝撃吸収用の緩衝部材とすることにより、足の踵部分への衝撃が和らぎ、履き心地がよくなる。
歩行による衝撃を強く受けるヒール部に設けられる強化ボードは、ヒール部を壊れ難いものとすると共に、足の踵部分を安定して支える。
図1は、本考案のハイヒールサンダル10を示した説明図であり、図2および図3は、それぞれその内部構造を説明するために示した説明図である。また、図4は、平面図でハイヒールサンダル10を示したものである。これら図1乃至図4に示すように、本考案のハイヒールサンダル10は、基本的にプラット製法による製造方法によるものであり、甲革1、1aと中敷2とを縫製した後に、その縫製物をさらに巻革4に縫い合わせることにより中底6(図3参照)に取り付けられる。即ち、上述した縫製物を中底6に取り付ける際には、中底6の上に補強部材およびクッション素材等を重ねた状態で、巻革4の一方を本底7に接着し、他方は縫製物(甲革1、1a及び中敷2)を縫合糸16(図3参照)で縫い合わせることにより行なわれる。
本実施の形態におけるハイヒールサンダル10は、プラット製法による履き心地の良さを生かしながら、且つ、耐久性のあるものとするために、補強部材を設けて製造される。補強部材は中底6の上に接着等の手段で重ねて設けられるシャンク部材5と、このシャンク部材5の上に重ねられる芯材8とで構成される。そして、これら中底6、シャンク部材5、芯材8とでハイヒールサンダル10の骨組みを形成する。シャンク部材5は、足の踵部分を支えるヒール部Aから前方で低くなるように傾斜するシャンク部Bにかけて設けられ、芯材8は、ヒール部Aからシャンク部材Bの前方部分(爪先部Cの後方部分)にかけて設けられる。
中底6の部材は、パルプボード、レザーボード、不織ボード等の可撓性のあるボード部材とする。また、シャンク部材5をスチール製とし、芯材8をソフトで強度のすぐれた合成革で構成することにより、好適なハイヒールサンダル10とすることができる。因みに、シャンク部材5の材質として、他に、軽量な発泡アルミニウムやABS樹脂等が利用できる他、合成樹脂と金属との複合材料であってもよい。また、合成革は繊維に樹脂などを結合した合成素材として得られる他、布をウレタン加工すること等により得られる。
中底6の下には、ゴム製の本底7を接着して設ける。この本底7は、大地と直接接触する部分であり、足の裏を保護するとともに、屈曲が容易で耐摩耗性の良いことが要求されるものであり、合成ゴムや革が好適に利用される。尚、中底6と本底7との空間を埋めるためにコルクや発泡樹脂(中物15)を詰める。また、靴内の足の衝撃を和らげるために、シャンク部材5と芯材8とで構成される補強部材の上にはクッション材を設ける。このクッション材は、芯材8の上に重ねて設けられる下側の硬質発泡樹脂11と、その上に重ねて設けられる第1の軟質発泡樹脂12とで構成される。中敷2は、足の裏が冷たくなく、蒸れない素材で形成するのがよい。このような素材として、皮革、繊維、不織布等適宜選択されるが、抗菌性や保温性等の機能を担持させて形成することもできる。
ヒール部Aは、ヒール3によって、その高さが5cm程度(サイズや好みにより選択自在である。)底上げされると共に、概ね、前方に低く若干の傾斜を有する。そしてこのヒール部Aは、足の踵を支える部分であることから、歩行による衝撃を強く受け、壊れ易い部分でもある。このため、ヒール部Aには、強化ボード13を設けると共に、衝撃を緩和する衝撃吸収発泡樹脂14(第2の軟質発泡樹脂)を設ける。強化ボード13は、上述した芯材8の上に芯材8と同一素材のボードを積層して構成される。そして、ヒール3は強化ボード13の上からリベット等が打ち込まれて固定される。
衝撃吸収発泡樹脂14は、衝撃吸収用の発泡樹脂を上述した第1の軟質発泡樹脂12と別体として設けるものである。このように、別体として設けた場合は、デザインの変更がし易いものとなる。即ち、衝撃吸収発泡樹脂14を設けた場合は、履き心地の良いハイヒールサンダル10となる一方、衝撃吸収発泡樹脂14を設けなかった場合には、スマートで御洒落なものとなる。尚、衝撃吸収発泡樹脂14が設けられる部位は特に限定されるものではなく、例えば、足に魚の目やたこができている人にとって、その部分に第2の軟質発泡樹脂(図省略)が設けられていた場合には、ハイヒールサンダル10であった場合でも、これを履くことができるものとなる。
図4は、爪先部Cに、足のふくらみ部分に対応するクッション材部分18を周囲より厚くして形成したことを示したものである。これにより、足がハイヒールの中で前方にスライドすることによる不都合が軽減される。また、衝撃吸収発泡樹脂14を足の踵部分から足の土踏まずの部分にかけて設けた場合には、足が前方にスライドし難いものとなり、足指付け根部分への負荷が軽減され、さらに履き心地がよくなる。
本実施の形態は、ハイヒールサンダル10で示されたものであるが、ハイヒール靴でも同様であり、この場合、爪先が靴の爪先部に詰まることに起因する履き心地の悪さや、これによって起こるとされる外反母趾が効果的に予防される。
ハイヒールサンダルの外観を示した説明図である。 ハイヒールサンダルの内部構造を説明する説明図である。 ハイヒールサンダルの内部構造を説明する説明図である。 ハイヒールサンダルを示した平面図である。
符号の説明
1 甲革
2 中敷
3 ヒール
4 巻革
5 シャンク部材
6 中底
7 本底
8 芯材
10 ハイヒールサンダル
11 硬質発泡樹脂
12 軟質発泡樹脂
13 強化ボード
14 衝撃吸収発泡樹脂
18 足のふくらみ部分に対応するクッション材部分
A ヒール部
B シャンク部
C 爪先部

Claims (6)

  1. 足の甲部分を覆う甲革と足裏の外形形状に合わせて形成された中敷とを縫合し、これらの甲革と中敷とを中底に接着された巻革に縫合させたハイヒールであって、
    前記中敷及び中底間に設けられたクッション材と、該クッション材及び前記中底間に挟まれた状態で、足の踵部分を支えるヒール部とヒール部から前方に向かって低く傾斜するシャンク部とにかけて設けられた補強部材とを備え、
    前記補強部材は前記中底の上に重ねられるシャンク部材と、前記ヒール部からシャンク部材の前方部分にかけてシャンク部材上に重ねられる芯材とから構成され、前記クッション材は前記芯材の上に重ねられる硬質発泡樹脂と、この硬質発泡樹脂の上に重ねられる第1の軟質発泡樹脂とから構成されていることを特徴とするハイヒール。
  2. 前記芯材を合成革で形成したことを特徴とする請求項1に記載のハイヒール。
  3. 前記第1の軟質発泡樹脂は、足の指の付け根ふくらみ部分が厚くなっていることを特徴とする請求項1または2に記載のハイヒール。
  4. 足底の状態や形状に対応させた第2の軟質発泡樹脂が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のハイヒール。
  5. 前記第2の軟質発泡樹脂は前記ヒール部に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のハイヒール。
  6. 前記ヒール部における前記補強部材の上から強化ボードが重ねられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のハイヒール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013048823A (ja) * 2011-08-31 2013-03-14 Murai:Kk プラットフォーム製法の靴
JP2014176731A (ja) * 2014-04-28 2014-09-25 Murai:Kk プラットフォーム製法の靴

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JP2013048823A (ja) * 2011-08-31 2013-03-14 Murai:Kk プラットフォーム製法の靴
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