JP3241031U - アウトソール及びそれを備えた室内履き - Google Patents

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Abstract

【課題】室内履きのアウトソールを、剥がれが生じやすいアウトソールの取付部が床面と接触しないようにして耐久性を向上させると共に、履いて使用しているときに様々な床面に対して、滑りすぎたり急に止まったりしない、適度な滑り止め効果を有するアウトソ-ルを提供する。【解決手段】アウトソール13は、室内履きのアウトソールであって、クッション性を有する所定の厚さの中芯材131を有し、使用時における中芯材131の少なくとも下面と側面となる部分が、天然の豚革製の包み革132で包まれている。【選択図】図2

Description

本考案は、アウトソール及びそれを備えた室内履きに関するものである。
履物には、屋外で使用する運動靴や革靴などの下履きの他、ルームシューズのように屋内で使用する室内履き(上履き)など、様々なものがある。この中でも、特に室内履きは、室内で使用されるため、その底部(アウトソール)は、床を傷付けないようにすると共に、使用者が転倒する危険を極力回避できるようにつくられており、このため室内履きの底部には様々な工夫がされている。
そのような室内履きの一例としては、例えば特許文献1に記載の「内反フィットルームシューズ」がある。このルームシューズは、広い開口部と、全体が深い甲部と、底部と、甲部周り全体に付している補強布と、履口周辺からつま先まで開く甲部を開く手段とを備えている。
そして、底部は足裏の湾曲にフィットさせるためのダブルステッチを付しており、甲部を開く手段の履き口は、面ファスナーを備えて、つま先まで開くことで足入れを容易にし、足の状態が分かるようになっている。更に、底部の材料は、ナイロン60%、ポリエステル40%の底部材としての人工皮革であり、滑り止め効果を有する、とされている(特許文献1の明細書の段落番号〔0017〕参照)。
特開2021-37021号公報
しかしながら、特許文献1のルームシューズは、特許文献1の図2乃至図6を見る限り、底部のほぼ中央部はダブルステッチで補強されているが、ルームシューズの底部の全周にわたり存在する、底部と補強布の境界線部は、使用者がルームシューズを履くことで、その全体が床面に接触する。
これによると、明細書中には説明がされていないが、底部と補強布が仮に接着されて境界線部が形成されている場合、ルームシューズを履いているときの境界線部と床面の摩擦によって境界線部近傍の底部が摩耗し、接着部が剥がれやすい。或いは、底部と補強布が縫製されて境界線部が形成されている場合も、底部の摩耗によって糸が切れて縫製が解けてしまい、剥がれたり穴が開いてしまうなど、耐久性に難があった。
また、底部は、上記のように合成樹脂製のいわゆる人工皮革でつくられており、滑り止め効果がある、とされている。しかしながら、底部が皮革に似せてつくられているとしても、材料が合成樹脂であれば、対する床の材質(素材)によっては、滑りすぎたり全く滑らずに急に止まってしまう可能性も少なからずあり、特に使用者が高齢である場合、それに対応できず転倒する危険性が高かった。
本考案は、以上の点を鑑みて創案されたものであり、室内履きの底部、すなわちアウトソールの構造を、剥がれが生じやすいアウトソールの取付部が床面と接触しないようにして耐久性を向上させると共に、履いて使用しているときに様々な床面に対して、滑りすぎたり急に止まったりしない、適度な滑り止め効果を有するアウトソ-ル、及びそれを備えた室内履きを提供することを目的とするものである。
〔1〕上記の目的を達成するために本考案は、室内履きのアウトソールであって、クッション性を有する所定の厚さの中芯材を有し、使用時における前記中芯材の少なくとも下面と側面となる部分が、天然皮革製の包み革部で包まれているアウトソールである。
本考案のアウトソールは、使用時における中芯材の少なくとも下面と側面となる部分が、天然皮革製の包み革部で包まれている。これにより、剥がれが生じやすいアウトソールの取付部、すなわち包み革の取付部が床面と接触することがないようにしているので、耐久性が向上する。
また、床面と接触する包み革部が天然皮革製であるので、履いて使用しているときに、様々な種類の床面に対して、滑りすぎたり急に止まったりすることを抑止できるので、特に高齢者の転倒防止を図ることができる。
〔2〕本考案のアウトソールは、前記包み皮革の繊維方向が前記中芯材の長さ方向に揃えてある構成とすることもできる。
この場合は、アウトソールの包み革の繊維方向を中芯材の長さ方向に揃えているので、アウトソールは、中芯材に取り付けられて一体となった包み革が、歩行時における中芯材の変形方向に無理なく追従し伸縮するので、屈曲性に優れている。
〔3〕本考案のアウトソールは、前記包み皮革が豚革である構成とすることもできる。
この場合は、包み革部が天然皮革製であるので、上記した履いて使用しているときに、様々な種類の床面に対して、滑りすぎたり急に止まったりすることを抑止できる点に加えて、豚革が牛革などの他の天然皮革と比べても柔らかいので、中芯材の変形に対する伸縮の追従性に、より優れる。更には、使用中にゴミや埃などによる目詰まりも起きにくく、手入れが容易である。
〔4〕本考案のアウトソールは、上面側から下面側へ広がるように形成されている構成とすることもできる。
この場合は、アウトソールの上面側より下面側(接地面側)が広くなるので、アウトソールの接地面積を稼ぐことで、より良い安定性を付与することができる。
〔5〕本考案のアウトソールは、踵部の下角部が上下方向において曲面となっている構成とすることもできる。
この場合は、アウトソールにおいて、歩行の際に最初に接地する部分に角がなく、曲面となっているので、柔らかな接地ができる。また、これにより、接地面と床面の摩擦を低減させており、アウトソールの耐久性と防音性に寄与している。
〔6〕上記の目的を達成するために本考案は、クッション性を有する所定の厚さの中芯材を有し、使用時における前記中芯材の少なくとも下面と側面となる部分が、天然皮革製の包み革部で包まれているアウトソールを有する室内履き本体と、該室内履き本体の中底に載置収容されるインソールとを備える室内履きである。
本考案の室内履きは、室内履き本体に上記〔1〕記載のアウトソールと同等の作用を有するアウトソールを備えているので、室内履きのアウトソールの構造を、剥がれが生じやすいアウトソールの取付部が床面と接触することがないようにして耐久性を向上させると共に、履いて使用しているときに様々な床面に対して、滑りすぎたり急に止まったりしない、適度な滑り止め効果を有する。
〔7〕本考案の室内履きは、前記〔6〕の室内履きの前記インソールが、クッション体と、該クッション体の少なくとも足踏側の全体を包む革製の包み革部とを備えており、前記クッション体は、上層と中間層及び下層を積層して構成され、前記上層と前記中間層及び前記下層を構成する素材は、前記各層でそれぞれ異なる反発弾性率(%)と素材密度(g/cm3)とを有しており、前記各層は、反発弾性率(%)と素材密度(g/cm3)の値で区分され、ランク、すなわち最大値、中間値、最小値を設定しており、前記上層に、反発弾性率が最小値で素材密度が最小値の素材が使用され、前記中間層に、反発弾性率が最大値で素材密度が中間値の素材が使用され、前記下層に、反発弾性率が中間値で素材密度が最大値の素材が使用されている構成とすることもできる。
この場合は、クッション体の上層は、反発弾性率が最小値で素材密度が最小値の素材が使用されているので、室内履きに足を入れ、歩行時の室内履きの着地により踏み込みが始まると、インソールのクッション体の上層が足裏に適度な反発感を与えながら素早く潰れ、包み込む感覚を与えつつ、一定のホールド感を付与する。
その後すぐに、上層の最も荷重の掛かる踵部は潰れきり、底付くことで、次層の中間層へ到達する。中間層は、反発弾性率が最大値で素材密度が中間値の素材が使用されているので、更に中間層に荷重がかかり、変形すると、最大値の反発弾性率と必要充分な素材密度で強い反発力が作用し、一時的に受け止められる。
そこから蹴り上げ動作へ移行すると、中間層の高反発力により踵側から蹴り上げ補助を受け、足の踵部は中間層はもとより上層からも離れ、荷重は足の指先部へ移行する。これにより、上層と中間層の前部に荷重がかかって底付き、中間層による高反発力で蹴り上げ補助を受けて蹴り出され、これが歩きやすさを付与する。なお、蹴り出しとほぼ同時に、反対側の足では踏み込みが開始し、踵部の着地が始まり、これを繰り返して歩行する。
また、最大荷重がインソールの踵部に加わると、瞬時に底付いた上層と、衝撃吸収能力の限界を超えた中間層が、ほぼ同時に潰れきるが、最大値の反発弾性率と中間値の素材密度による衝撃吸収能力と柔軟性に優れる中間層が潰れきることにより、繰り返し荷重と長期間の使用によるヘタリを軽減しつつ、柔らかい履き心地を付与する。
また、下層は反発弾性率が中間値で素材密度が最大値の素材が使用されているので、踵部の着地による荷重が、中間層の衝撃吸収能力の限界を超えた際には、下層の最大値の素材密度と必要充分な反発弾性率が有効に作用し、荷重を受け止めきると共に、室内履きのアウトソール側からの衝撃も吸収する。
このように、インソールは、クッション体を構成する上層、中間層、及び下層の組み合わせを、各層の素材の反発弾性率(%)と素材密度(g/cm3)の特性を充分に活かして積層することで、内部に足を入れて体重をかけたときのホールド感、インソールが潰れて底着いたところから蹴り上げ動作に移行するときの蹴り上げ補助、更には指先部への体重の移動後の蹴り出しを円滑に行うことができ、室内履き本体に収容して使用したときの履き心地に優れ、歩きやすい。
〔8〕本考案の室内履きは、前記〔7〕の室内履きの前記クッション体の前記中間層が、前記上層に近い側の第1中間層と前記下層に近い側の第2中間層からなり、前記第1中間層の反発弾性率と素材密度のランクは前記中間層と略同等であり、前記第2中間層の反発弾性率と素材密度のランクは反発弾性率が前記最小値と略同等で、素材密度のランクが前記中間値と略同等である構成とすることもできる。
この場合は、最大荷重が踵部に加わると、瞬時に底付いた上層と、衝撃吸収能力の限界を超えた第1中間層が、同時に第2中間層を押し潰すが、反発弾性率と素材密度のランクは反発弾性率が最小値と略同等で素材密度のランクが中間値と略同等であり、最も衝撃吸収能力と柔軟性に優れる第2中間層が潰れきることにより、反発弾性率と素材密度のランクは中間層と同等であり、繰り返し荷重にやや弱い第1中間層をサポートし、長期間の使用によるヘタリを軽減しつつ、柔らかい履き心地を付与する。
つまり、インソールのクッション体の素材の異なる上層、第1中間層、第2中間層、及び下層において、1層目である上層は、低反発性で足裏を包み込み、2層目である第1中間層は高反発力によって歩き易さを補助し、3層目である第2中間層は低反発性で柔らかな履き心地に寄与し、4層目である下層は高密度性で歩行時の衝撃を吸収する。
このように、上層、第1中間層、第2中間層、下層を上下方向の配列とすることで、2層目の第1中間層を除く上層、第1中間層、下層の反発弾性率と素材密度が共に、上層から下層へ(低)から(高)へ順に並ぶ素材配置であるので柔らかな履き心地となる。加えて、上層下の層に反発弾性率が他と比べて極端に高い第1中間層を配置することにより、反発力を利用した歩きやすさが効果的に付加される。
本考案は、室内履きの底部、すなわちアウトソールの構造を、剥がれが生じやすいアウトソールの取付部が床面と接触することがないようにして耐久性を向上させると共に、履いて使用しているときに様々な床面に対して、滑りすぎたり急に止まったりしない、適度な滑り止め効果を有するアウトソ-ル、及びそれを備えた室内履きを提供することができる。
本考案の室内履きの一実施形態を示す説明図で、(a)は平面図、(b)側面図、(c)は後面図である。 図1(a)のY-Y断面図である。 図1(a)のX-X断面図である。 アウトソールの部分断面斜視説明図である。 インソールの部分断面斜視説明図である。 図2のP1部分の拡大断面説明図である。 図2のP2部分の拡大断面説明図である。
図1乃至図7を参照して、本考案の実施の形態を更に詳細に説明する。なお、以下の各図においては、室内履き一足のうち、左足用を例に挙げて説明しているが、通常は左右対称型の右足用と合わせて対として使用するものである。
室内履きSは、室内履き本体1とインソール2により構成されている。室内履き本体1は、略足形の形状を有する合成樹脂製の中底11を有する(図2、図3、図6、図7参照)。中底11には、その上面側を所定の空間を隔てて覆うように牛革製のアッパー12が取り付けてある。アッパー12は、左右対称形の構成体(符号省略)を中央部で縫製して、所定の形状に形成されている(図1参照)。
なお、本実施の形態では、後述するように革(皮を鞣したもの)を箇所によって牛革と豚革で使い分けているが、これに限定するものではなく、全部を牛革としたり全部を豚革としてもよく、或いは他の種類の革を使用することもできる。
アッパー12は、中底11の前部から後部へかけて設けられ、前部側は使用者の足の甲部を包む形状であり、爪先側の空間にやや余裕を持たせてある。また、後部側は所要の高さで、収容するインソール2を飛び出したり外れたりしないように収めることができる形状である(図1及び図2参照)。
中底11の下面には、アウトソール13が接着により固定されている。アウトソール13は、軽量で柔軟性に富み、耐久性にも優れEVAフォーム製で所定のクッション性を有する中芯材131を有する(図2、図3及び図4参照:なお、図3は図2の1.5倍の倍率で表している)。
中芯材131には、例えば高硬度の発泡ウレタン材等、EVAフォームと同様又は近似する機能性を有する他の材料を使用することもできる。中芯材131は、略足形の形状で、踵側がやや厚くなるように、かつ爪先側がやや薄くなって、少し反るように形成されている(特に図2参照)。
中芯材131には、中芯材131の下面と周側面、及び上面縁部を包むように、豚革製の包み革132が取り付けられている(図4参照)。
なお、この包み革132の取り付けは、次のように行う。まず、材料となる豚革を中芯材131に合わせてやや大きく裁断し、裁断した包み革132に中芯材131を下面が接するように載せる。
このとき、包み革132の繊維方向(延び方向)を中芯材131の長さ方向(縦方向)に揃えるようにする。これにより、製作後のアウトソール13は、中芯材131に取り付けられて一体となった包み革132が、歩行時における中芯材131の変形方向に無理なく追従し伸縮するので、屈曲性に優れている。
そして、中芯材131の周りにはみ出した包み革132の縁部を中芯材131の上面側へ折り曲げて、適宜切り取ったりして皺や形を整えて接着し、更に中芯材131の露出している部分を塞ぐように上革133を接着し、包み革132と上革133の境界近傍を削ったり漉いたりして相互の段差をなくすようにする。また、上革133も同様に繊維方向を中芯材131の長さ方向に揃えるようにしてもよい。
なお、アウトソール13の各部の接着(特に革の接着)には、例えばEEB接着剤等のゴム系接着剤が使用されている。特に、中芯材131と包み革132との接着にゴム系接着剤を使用することで、包み革132に浸透した接着剤が柔軟性を阻害することなく補強材の役割を果たし、耐久性と防音性を向上させ、床面との摩擦による擦過傷が発生した際の、革繊維の毛羽立ちを防止する。
また、アウトソール13は、使用状態において、踵側が5~9mm程高くなるように形成されており、前方へやや傾斜している。更に、アウトソール13は、上面側より接地面側を広くしており、接地面積を稼ぐことで、より良い安定性を付与している(特に図3、図4参照)。
なお、アウトソール13の踵部の下角部は、上下方向の曲面構造となっており、歩行の際に柔らかな接地ができるようにして、接地面と床面の摩擦を低減させ、耐久性と防音性に寄与している(図1(b)、(c)、図2、図7参照)。また、アウトソール13の包み革132が豚革であることにより、様々な床面に対して、滑りすぎたり急に止まったりしない、適度な滑り止め効果を有する。
そして、アウトソール13を、上面(上革133側の面)を室内履き本体1の中底11の下面に接着して固定する(図6、図7参照)。これにより、中底11の上方に、斜め後方へ向け開口した入れ口10を有すると共に、踵部と両側面を開放された形状とし、爪先側に余裕の有る形状の室内履き本体1が形成される(図1、図2参照)。
上記インソール2は、室内履き本体1の入れ口10から挿入され、中底11の上に載置収容されて使用される。なお、インソール2とアウトソール13は別体として製作しているので、例えばインソール2の損耗による機能低下、汚れによる見た目の悪化等が発生した場合に、インソール2のみの交換が可能である。これにより、インソール2は適宜交換しながら、耐久性に優れる室内履き本体1は繰り返し長く使用するなど、合理的な使用が可能になる。
インソール2は、略足形の形状で、合成樹脂製で所定のクッション性を有するクッション体20を有している。クッション体20は、踵側がやや厚くなるように、かつ爪先側がやや薄くなって、少し反るように形成されている(図2参照)。また、クッション体20は、幅方向中央部が、踵部と爪先側でやや凹むように形成されている(図3参照)。
クッション体20は、四枚のクッション材を接着し積層して形成されている。クッション体20は、上層であるクッション材201、第1中間層であるクッション材202、第2中間層であるクッション材203、及び下層であるクッション材204を接着し積層した形状である。
このうち、下層のクッション材204は、足形の形状の前側の一部を切除した形状で、クッション体20の踵側は四層であるが、爪先側の約1/3は三層となっている(図2及び図5参照)。また、各クッション材201、202、203、及び204は、それぞれ異なる形状のものを合わせて、土踏まず側の内面が内側へやや傾斜した略足形の形状に形成している(図2、図3、図5参照)。
そして、クッション体20には、クッション体20の足踏面と周側面、及び下面縁部を包むように、豚革製の包み革21が取り付けられている。なお、この包み革21の取り付けは、次のように行う。まず、材料となる豚革をクッション体20に合わせて、かつその厚みも勘案してやや大きく裁断し、裁断した包み革21にクッション体20を上面が接するように載せる。
このとき、上記アウトソール13の包み革132と同様に、包み革21の繊維方向(延び方向)をクッション体20の長さ方向(縦方向)に揃えるようにする。これにより、製作後のインソール2は、包み革21に取り付けられて一体となった包み革21が、歩行時におけるクッション体20の変形方向に無理なく追従し伸縮するので、屈曲性に優れている。
包み革21の縁部をクッション体20の下面側へ折り曲げて、適宜切り取ったりして皺や形を整えて接着し、更に内部のクッション体20が露出している部分を塞ぐように下革22を接着する。
なお、図6、図7等では、図示の便宜上、下革22の縁部が包み革21の縁部の内側にあるように示しているが、実際上は包み革21の縁部より外方へ大きく形成され、縁部を隠して被さっている。下革22は、包み革21と同様に繊維方向をクッション体20の長さ方向に揃えるようにしてもよい。また、インソール2の各部の接着(特に革の接着)には、ゴム系接着剤が使用されている。
また、インソール2の踵近傍の一番厚いところの厚みは10mmで、各クッション体の厚みの比は、クッション材201:クッション材202:クッション材203:クッション材204=4:3:3:3に設定されている。なお、インソール2は、室内履き本体1に収容した使用状態において、踵側が5mm程高くなるように形成されており、前方へやや傾斜している。
ここで、室内履きSを使用した歩行において、室内履きSから見ると、圧縮(歩行者による踏み込み時)と、反発(歩行者による蹴り上げ時)の繰り返しである。上記圧縮と反発に直接関わるインソールを、例えば一つの素材で製作し、圧縮と反発のために必要で充分な機能性を持たせることは難しい。
このため、本考案に係るインソール2では、クッション体20を、機能性が様々な素材でつくった複数の材料を積層し組み合わせて製作し、これらの機能性を効果的に相乗させることにより、インソールとして必要かつ充分な機能性を持たせている。
以下、クッション材201、クッション材202、クッション材203、及びクッション材204に採用している素材、及びその機能性や作用について説明する。
なお、次に示している表1は、各クッション材201、202、203、204の反発弾性率(%)と素材密度(g/cm3)を表したものである。
Figure 0003241031000002
(クッション材201について)
上層のクッション材201には、発泡ウレタン系である低反発ウレタンスポンジを採用している。表1に示すように、クッション材201の反発弾性率は6(%)で最小値を示し、素材密度は0.069(g/cm3)で最小値を示す。クッション材201は、クッション体20を構成する四つの素材の中で最も潰れやすい特性を有し、荷重が加わるとすぐに底付きするというように、足裏への形状追従性が良いため、包み込むようなフィット感が得られる。
反面、反発力と復元力は弱いため、歩行中は潰れたままの形状を保持し、ホールド感にも寄与しやすいが、衝撃吸収能力は最も弱い。なお、繰り返し荷重に対しては耐久性があり、いわゆるヘタリも生じにくい。また、クッション材201が次述のクッション材202の上にある意味は、すぐに底付きさせることで、蹴り上げ補助を阻害させないためである。
(クッション材202について)
クッション材201直下のクッション材202には、高反発ゴムスポンジを採用している。表1に示すように、クッション材202の反発弾性率は38(%)で最大値を示し、素材密度は0.186(g/cm3)で中間値を示す。クッション材202は、クッション体20を構成する四つの素材の中で最も圧縮速度(凹む速さ)と復元速度が近似しており、かつ早いため、反発力に優れる。
これにより、歩行時の蹴り上げ補助に寄与し、衝撃吸収能力にも優れる。反面、フィット感が得にくく、繰り返し荷重にも若干弱いところがあり、単体で使用すると、ヘタリによる性能低下と減肉が発生しやすい。なお、クッション材202が2番目の層にある意味は、反発弾性率が高い素材が上層にあると、反発力による蹴り上げ補助を受け、歩きやすくなるためである。
(クッション材203について)
クッション材202の下に続くクッション材203には、発泡ウレタン系である低反発ウレタンフォームを採用している。表1に示すように、クッション材203の反発弾性率は7(%)で最小値と略同等の値を示し、素材密度は0.163(g/cm3)で中間値を示す。
クッション材203は、クッション体20を構成する四つの素材の中で最も衝撃吸収能力に優れ、繰り返し荷重にも非常に強く、柔軟性にも優れるため、柔らかな履き心地に寄与する。反面、復元速度が遅く、反発力も最も弱い。
(クッション材204について)
クッション材203に続くクッション材204には、発泡ウレタン系である低反発ウレタンフォームを採用している。表1に示すように、クッション材204の反発弾性率は18(%)で中間値を示し、素材密度は0.279(g/cm3)で最大値を示す。
クッション材204は、クッション体20を構成する四つの素材の中で最も硬く、衝撃吸収能力にも優れ、繰り返し荷重にも非常に強い。また、底付き感が出にくいので、底材に向いている反面、衝突最下点(凹み量)が低く(少なく)、圧縮速度が速いことで、フィット感は得にくい。
このように、クッション材201、202、203、204を上記上下方向の配列とすることで、2層目のクッション材202を除くクッション材201、203、204の反発弾性率と素材密度が共に、上層から下層へ(低)から(高)へ順に並ぶ素材配置であるので柔らかな履き心地となる。加えて、上層であるクッション材201の下の2層目に反発弾性率が他と比べて極端に高いクッション材202を配置することにより、反発力を利用した歩きやすさが効果的に付加される。
(作用)
ここで、図1乃至図7、及び表1を参照して、室内履きSの作用を説明する。
上記左足用の室内履きSは、通常、左右対称型の右足用の室内履きと合わせて対として使用される。
室内履きSは、履いたときの足の指先空間が広く、開放部も多いため、圧迫感が少なく蒸れにくい。また、アッパー12やインソール2に対する足の甲と足裏の接触箇所が多く面積も広いため、歩行中の脱げにくさと、脱ぎ履きしやすさを両立している。
また、上記したように各部に牛革や豚革などの本革を使用することで、合成皮革や化学繊維に比べて、肌触りが良く、吸湿性と放湿性、耐久性にも優れ、床に対する滑り止め効果と防音効果にも優れる。
更に、アウトソール13の包み革132の繊維方向を中芯材131の長さ方向に揃えているので、アウトソール13は、中芯材131に取り付けられて一体となった包み革132が、歩行時における中芯材131の変形方向に無理なく追従し伸縮するので、屈曲性に優れている。
また、インソール2とアウトソール13で、本実施の形態では、使用時に爪先側より踵側が10~15mm高く傾斜が付くように形成しているので、最も荷重の掛かる踵部のインソール2とアウトソール13のクッション性が高くなる。
踵側が高くなることで、使用者は自然にやや前傾姿勢となり、歩行時に足が前に出やすくなるので、長時間の使用や歩行を行ったときにも足が疲れにくい。更には、インソール2が室内履き本体1とは別体となっているので、例えばインソール2の高さを変えて傾斜の度合いを調整し、使用者の好みに合わせることができる。
また、インソール2の損耗による機能低下、汚れによる見た目の悪化等が発生した場合に、インソール2のみの交換が可能である。更に、アウトソール13の包み革132が、一枚の豚革で製作されているため、使用中にゴミや埃などによる目詰まりは起きにくく、手入れが容易である。
また、室内履きSを履いて歩行する際の、室内履き1に収容した状態でのインソール2の作用を説明する。
クッション体20を構成するクッション材201、202、203、及び204のうち、上層であるクッション材201は、室内履きSに足を入れ、歩行時の室内履きSの着地により踏み込みが始まると、足裏に適度な反発感を与えながら素早く潰れ、包み込む感覚を与えつつ、一定のホールド感を付与する。
その後すぐに、クッション材201の最も荷重の掛かる踵部は潰れきり、底付くことで、第1中間層のクッション材202へ到達する。クッション材202は、更に中間層に荷重がかかり、変形すると、強い反発力が作用し、一時的に受け止められる。
そこから蹴り上げ動作へ移行すると、クッション材202の高反発力により踵側から蹴り上げ補助を受け、足の踵部はクッション材202はもとよりクッション材201からも離れ、荷重は足の指先部へ移行する。
これにより、クッション材201と中間層の前部に荷重がかかって底付き、クッション材202による高反発力による蹴り上げ補助を受けて蹴り出され、これが歩きやすさを付与する。なお、蹴り出しとほぼ同時に、反対側の足では踏み込みが開始し、踵部の着地が始まり、これを繰り返して歩行する。
また、最大荷重がインソール2の踵部に加わると、瞬時に底付いたクッション材201と、衝撃吸収能力の限界を超えたクッション材202が、同時に第2中間層のクッション材203を押し潰すが、最も衝撃吸収能力と柔軟性に優れるクッション材203が潰れきることにより、繰り返し荷重にやや弱いクッション材202をサポートし、長期間の使用によるヘタリを軽減しつつ、柔らかい履き心地を付与する。
また、下層のクッション材204は、踵部の着地による荷重が、クッション材202、203の衝撃吸収能力の限界を超えた際には、クッション材204が有効に作用し、荷重を受け止めきると共に、室内履きSのアウトソール13側からの衝撃も吸収する。
このように、インソール2は、クッション体20を構成するクッション材201、202、203、及び204の組み合わせを、各クッション材の素材の反発弾性率(%)と素材密度(g/cm3)の特性を充分に活かして積層することで、内部に足を入れて体重をかけたときのホールド感、インソールが潰れて底着いたところから蹴り上げ動作に移行するときの蹴り上げ補助、更には指先部への体重の移動後の蹴り出しを円滑に行うことができ、それを使用した室内履きS履き心地に優れ、歩きやすい。
また、室内履きSのアウトソール13の構造を、包み革132で中芯材131を包んでおり、縫製部や接着部等の剥がれが生じやすい取付部が床面と接触することがないようにしているので、摩耗による剥がれが生じにくく、耐久性を向上させることができる。また、アウトソール13の包み革132に天然の豚革を使用しているので、様々な床面に対して適度な滑り止め効果を有しており、滑りすぎたり急に止まったりしないので安全性が高い。
また、図示はしないが、例えばインソールのバリエーションとして一例を挙げれば、上記第1中間層であるクッション材202と第2中間層であるクッション材203をまとめて一つの中間層であるクッション材X(符号省略)とすることもできる。その場合の厚みの比は、例えばクッション材201:クッション材X:クッション材204=4:6:3とすることができる。
また、クッション材Xの素材は、クッション材202と同じであり、クッション材201に反発弾性率が最小値で素材密度が最小値の素材が使用され、クッション材Xに反発弾性率が最大値で素材密度が中間値の素材が使用され、クッション材204に反発弾性率が中間値で素材密度が最大値の素材が使用される。クッション材Xの素材は、反発弾性率が最大値で素材密度が中間値であれば、クッション材202と異なる場合もある。
クッション体20を構成するクッション材201、クッション材X、及びクッション材204のうち、室内履きSに足を入れ、歩行時の室内履きSの着地により踏み込みが始まると、インソール2のクッション体20のクッション材201が足裏に適度な反発感を与えながら素早く潰れ、包み込む感覚を与えつつ、一定のホールド感を付与する。
その後すぐに、クッション材201の最も荷重の掛かる踵部は潰れきり、底付くことで、クッション材Xへ到達する。クッション材Xは、更に荷重がかかり、変形すると、強い反発力が作用し、一時的に受け止められる。
そこから蹴り上げ動作へ移行すると、クッション材Xの高反発力により踵側から蹴り上げ補助を受け、足の踵部はクッション材Xはもとよりクッション材201からも離れ、荷重は足の指先部へ移行する。
これにより、クッション材201とクッション材Xの前部に荷重がかかって底付き、クッション材Xによる高反発力による蹴り上げ補助を受けて蹴り出され、これが歩きやすさを付与する。なお、蹴り出しとほぼ同時に、反対側の足では踏み込みが開始し、踵部の着地が始まり、これを繰り返して歩行する。
また、最大荷重がインソール2の踵部に加わると、瞬時に底付いたクッション材201と、衝撃吸収能力の限界を超えたクッション材Xが、ほぼ同時に潰れきるが、衝撃吸収能力と柔軟性に優れるクッション材Xが潰れきることにより、繰り返し荷重と長期間の使用によるヘタリを軽減しつつ、柔らかい履き心地を付与する。
本明細書及び実用新案登録請求の範囲で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書及び実用新案登録請求の範囲に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本考案の技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能であるということは言うまでもない。
S 室内履き
1 室内履き本体
10 入れ口
11 中底
12 アッパー
13 アウトソール
131 中芯材
132 包み革
133 上革
2 インソール
20 クッション体
201 クッション材
202 クッション材
203 クッション材
204 クッション材
21 包み革
22 下革

Claims (8)

  1. 室内履きのアウトソールであって、
    クッション性を有する所定の厚さの中芯材を有し、使用時における前記中芯材の少なくとも下面と側面となる部分が、天然皮革製の包み革部で包まれている
    アウトソール。
  2. 前記包み皮革の繊維方向が前記中芯材の長さ方向に揃えてある
    請求項1記載のアウトソール。
  3. 前記包み皮革が豚革である
    請求項1又は2記載のアウトソール。
  4. 上面側から下面側へ広がるように形成されている
    請求項1又は2記載のアウトソール。
  5. 踵部の下角部が上下方向において曲面となっている
    請求項1又は2記載のアウトソール。
  6. クッション性を有する所定の厚さの中芯材を有し、使用時における前記中芯材の少なくとも下面と側面となる部分が、天然皮革製の包み革部で包まれているアウトソールを有する室内履き本体と、
    該室内履き本体の中底に載置収容されるインソールとを備える
    室内履き。
  7. 前記インソールが、
    クッション体と、
    該クッション体の少なくとも足踏側の全体を包む革製の包み革部とを備えており、
    前記クッション体は、上層と中間層及び下層を積層して構成され、
    前記上層と前記中間層及び前記下層を構成する素材は、前記各層でそれぞれ異なる反発弾性率(%)と素材密度(g/cm3)とを有しており、
    前記各層は、反発弾性率(%)と素材密度(g/cm3)の値で区分され、ランク、すなわち最大値、中間値、最小値を設定しており、
    前記上層に、反発弾性率が最小値で素材密度が最小値の素材が使用され、前記中間層に、反発弾性率が最大値で素材密度が中間値の素材が使用され、前記下層に、反発弾性率が中間値で素材密度が最大値の素材が使用されている
    請求項6記載の室内履き。
  8. 前記クッション体の前記中間層が、前記上層に近い側の第1中間層と前記下層に近い側の第2中間層からなり、前記第1中間層の反発弾性率と素材密度のランクは前記中間層と略同等であり、前記第2中間層の反発弾性率と素材密度のランクは反発弾性率が前記最小値と略同等で、素材密度のランクが前記中間値と略同等である
    請求項7記載の室内履き。
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