JP3241928U - 室内履き用中敷き、及び中敷き付き室内履き - Google Patents

室内履き用中敷き、及び中敷き付き室内履き Download PDF

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Abstract

【課題】 グーパー運動などの足指の運動を良好に行なうことができる室内履き用中敷きを提供する。【解決手段】 本考案の室内履き用中敷きAは、板状の中敷き本体1と、前記中敷き本体1の、足指の付け根に対応する付け根部位に取り付けられ且つ上方に突出する長状凸部2と、を有し、前記長状凸部2が、前記中敷き本体1の付け根部位に取り付けられた下層3と、前記下層3の上面に積層され且つ前記下層3とは異なる部材である上層4と、を有する少なくとも2層構造で構成されている。【選択図】 図2

Description

本考案は、室内履きに用いられる中敷き及びそれを備えた室内履きに関する。
室内履きは、室内での履物として広く使用されている。
室内履きを履いた着用者は、通常、室内で過ごすため、屋外で活動する場合に比して、座っている時間が長い傾向にある。座っている時間が長くなると、着用者の足の指先が冷たくなる場合があり、さらに、運動不足による足の筋肉が衰えることなどが懸念される。このような足指の指先の冷え防止や筋肉を鍛える方法として、五指の屈曲や拡張を伴う足指運動、いわゆる足指のグーパー運動を行なうことが知られている。室内履きを履いた着用者が、座っていながらも足指のグーパー運動を行なうことにより、足の指先の冷え対策になる。
特許文献1には、下層部11の上面のうち足指の窪みに対応した部位に、上方に突出する指掛け部材13が設けられている中敷きA4が開示されている。かかる中敷きA4を有する靴5を使用者が着用することにより、歩行時に足指のグーパー運動を自然に繰り返し行なうことができると特許文献1に開示されている。
WO2011/059045
特許文献1の指掛け部材は、1つの部材(材料)から形成されている。従って、指掛け部材を、例えば、比較的柔らかい材料で形成すると、足指で指掛け部材を掴み難くなってグーパー運動を行ない難くなるおそれがある上、指掛け部材の耐久性が低下する。一方、指掛け部材を比較的硬い材料で形成すると、指掛け部材が変形し難くなって履き心地が悪くなり、足指のグーパー運動を行なう際に、着用者に違和感を与えるおそれがある。
本考案の目的は、グーパー運動などの足指の運動を良好に行なうことができる室内履き用中敷き及びそれを備えた室内履きを提供することである。
本考案の室内履き用中敷きは、板状の中敷き本体と、前記中敷き本体の、足指の付け根に対応する付け根部位に取り付けられ且つ上方に突出する長状凸部と、を有し、前記長状凸部が、前記中敷き本体の付け根部位に取り付けられた下層と、前記下層の上面に積層され且つ前記下層とは異なる部材である上層と、を有する少なくとも2層構造で構成されている。また、本考案の中敷き付き室内履きは、ソール部とソール部の上方に設けられたアッパー部とを有する室内履きと、前記室内履きのソール部の上面に載せられた上記室内履き用中敷きと、を有する。
本考案の室内履き用中敷き及び中敷き付き室内履きを使用することにより、着用者が、グーパー運動などの足指の運動を良好に行なうことができる。
室内履き用中敷きの平面図。 図1のII-II線で切断した、一部拡大断面を含む断面図。 図1のIII-III線で切断した断面図。 室内履き用中敷きの斜視図。 表装材が設けられた中敷きの断面図。 室内履きの平面図。 図6のVII-VII線で切断した、一部拡大断面を含む断面図。 中敷き付き室内履きの断面図。 中敷き付き室内履きを履いた状態を示す断面図。
以下、本考案について、適宜図面を参照しつつ説明する。
本明細書において、層、部材及び部分などの説明で使用する、下面や下方などの「下」は、室内履きを着用者が履いた状態で、室内履きのソール部が接する床面側を指し、上面や上方などの「上」は、その反対側を指す。また、「前」は、室内履きを着用者が履いた状態で、つま先側を指し、「後」は、踵側を指し、「前後方向」は、つま先から踵を結んだ方向を意味し、「幅方向」は、平面視で前後方向と直交する方向を意味する。「平面視」は、対象物を鉛直方向から見ることをいい、平面視形状は、平面視における形状をいう。「側面視」は、対象物を幅方向に沿った方向から見ることをいう。また、本明細書において、「略」は、本考案の属する技術分野において許容できる範囲を含むことを意味する。
[室内履き用中敷き及び室内履きの概要]
本考案の室内履き用中敷き(以下、「室内履き用中敷き」を単に「中敷き」という場合がある)は、中敷き本体の足指の付け根に対応する付け根部位に、長状凸部が突出して設けられている。前記中敷きは、室内履きのソール部に載せて使用される。
室内履きは、室内で使用することを目的として製造・販売される履物をいい、一般にスリッパやサンダルなどと呼ばれるものが含まれる。前記室内という用語には、半屋外も含まれる。半屋外は、ベランダ、テラスなどの場所をいう。
なお、本考案の室内履きは、室内で使用することに適しているが、着用者の嗜好により、本考案の室内履きを屋外で使用することも可能である。
[室内履き用中敷きの詳細]
図1は、本考案の中敷きAの平面図であり、図2及び図3は、前記中敷きAを前後方向に沿って切断した断面図であり、図4は、中敷きAの参考斜視図である。前後方向に沿って切断した断面形状は、断面を側面方向から見た形状であるため、図2及び図3で表される断面形状は、側面視形状と同義である。なお、中敷きAは、左右一対で構成されるが、図1乃至図3では右足用の中敷きを示している。左足用の中敷きは、右足用の中敷きと対称的であるため図示しない。
図1乃至図4を参照して、中敷きAは、板状の中敷き本体1と、前記中敷き本体1の付け根部位に取り付けられ且つ上方に突出する長状凸部2と、を有する。前記長状凸部2を設けられた中敷き本体1には、付け根部位と前方部位との間に段差が生じる。
ここで、付け根部位などの部位は、平面視で中敷きAの領域を区分けしたときの1つの領域を指す。前記付け根部位は、中敷きAに足を載せた状態を想定したとき、足指の付け根に対応する部位をいう。足指の付け根は、足の骨格に基づくと概ねMP関節に相当する。前記前方部位は、前記付け根部位の前方に位置する部位(付け根部位を基準にしてその前方に位置する部位)をいい、概ね足指に対応する部位である。足指は、足の骨格に基づくと概ね足の基節骨から末節骨に相当する。また、後述する後方部位は、足指の付け根の直近後方に対応する部位をいう(付け根部位に隣接し且つその後方に位置する部位をいう)。前記付け根の直近後方は、足の骨格に基づくと概ね足の種子骨に相当する。後述する最後方部位は、足の踵に対応する部位をいい、中敷きAの最も後方に位置する部位である。足の踵は、足の骨格に基づくと概ね足の踵骨に相当する。なお、足指は、足の五本の指の総称である。
中敷き本体1は、平面視で足の輪郭を概ね象った平面視形状の略板状である。中敷き本体1は、柔軟性を有さない比較的硬い板状体から形成されていてもよいが、通常、柔軟性を有する板状体から形成される。本明細書において、柔軟性は、人力で容易に変形させることができる程度に柔らかいことをいう。また、中敷き本体1は、荷重によって適度に変形し且つ解除されることによって復元するように、弾性を有することが好ましい。
前記柔軟性及び弾性を有する中敷き本体1の形成材料としては、軟質の合成樹脂、ゴム又はエラストマーの発泡体、軟質の合成樹脂、ゴム又はエラストマーの非発泡体、皮革などが挙げられる。衝撃を吸収できることから、柔軟性及び弾性を有する中敷き本体1は、軟質の合成樹脂、ゴム又はエラストマーの発泡体で形成されていることが好ましく、軟質の合成樹脂の発泡体で形成されていることがより好ましい。
前記合成樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA樹脂)などのオレフィン系樹脂;ポリウレタンなどのウレタン系樹脂;ポリスチレン(PS)、アクリロニトリルスチレン共重合樹脂(AS樹脂)などのスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル(PVC)などが挙げられる。前記ゴム又はエラストマーとしては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)などのジエン系ゴム;スチレンブタジエン共重合体ゴム(SBR)などのジエン系共重合体ゴム;エチレンプロピレンジエン系ゴム(EPDM)などの非ジエン系ゴム;エチレン-酢酸ビニル共重合体系エラストマー;スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体(SEBS)などのスチレン系エラストマー;オレフィン系エラストマー;ウレタン系エラストマー;エステル系エラストマー;フッ素系エラストマー;シリコーン系エラストマーなどが挙げられる。
前記柔軟性及び弾性を有する中敷き本体1の硬さは、特に限定されないが、余りに硬いとクッション性が低下するおそれがあり、余りに軟らかいと、経時的にへたり易くなる。かかる観点から、中敷き本体1の硬さは、例えば、アスカーC硬度で50度~60度であり、好ましくは、52度~58度である。
本明細書において、アスカーC硬度は、JIS K 7312:1996に準拠したアスカーゴム硬度計C1L型を用いて23℃で測定される値をいう。
中敷き本体1の厚みは、特に限定されず、例えば、2mm~6mm程度である。
長状凸部2は、中敷き本体1の付け根部位に設けられ、中敷き本体1の上面から上方に突出する。長状凸部2は、平面視で、幅方向に延びる帯状である。なお、平面視で帯状は、直線状に延びるという意味に限定されるものではない。足指の付け根(足のMP関節)は平面視で湾曲しているため、付け根部位に設けられている前記長状凸部2は、図1に示すように、平面視でつま先側に膨らんだ湾曲帯状となっている。
長状凸部2の帯幅2Wは、適宜設定されるが、余りに小さいと中敷きAに足を載せた際に長状凸部2が倒れるおそれがある。かかる観点から、長状凸部2の帯幅2Wは、例えば、7mm~12mmである。
長状凸部2が付け根部位に設けられることにより、中敷き本体1の前方部位と付け根部位の間に段差が形成される。長状凸部2の高さ2Hは、適宜設定されるが、余りに小さいと長状凸部2を設けた意義がなく、余りに大きいと、履き心地が悪くなるおそれがある。かかる観点から、長状凸部2の高さ2H(符号2Hは、図2参照)は、8mm~18mm程度であり、好ましくは、10mm~15mmである。
長状凸部2は、下層3と、前記下層3の上面に積層され且つ前記下層3とは異なる部材である上層4と、を有する少なくとも2層構造で構成されている。前記異なる部材は、合成樹脂などの形成材料が異なる場合、又は、(形成材料が同じ若しくは異なり)弾性などの物性が異なる場合などが含まれる。
また、上層4は、下層3の幅方向両側縁に至るまで延在されていてもよいが、図1に示すように、上層4の幅方向両側縁は、(下層3の幅方向両側縁に至らず)下層3の両側縁の内側に位置している。後述するように、嵩上げ層5と下層3とが同一の第1層及び第2層の積層体で構成される場合、製造上、最後に上層4を接着するところ、上層4の幅方向両側縁を下層3の幅方向両側縁よりも内側にすることにより、上層4を接着し易くなる。
上層4及び下層3は、履き心地を良好にする観点から、いずれも柔軟性及び弾性を有する材料から形成されていることが好ましい。上層4及び下層3の硬度は、同じでもよいが、足指で掴み易く且つ耐久性に優れた長状凸部2を形成できることから、上層4のアスカーC硬度が、前記下層3のアスカーC硬度よりも小さいことが好ましい。
具体的には、上層4のアスカーC硬度は、例えば、20度~30度であり、好ましくは、22度~28度であり、下層3のアスカーC硬度は、例えば、30度~40度であり、好ましくは、32度~38度である。なお、後述するように下層3が複層で構成される場合、その下層3のアスカーC硬度は、複数の層のアスカーC硬度の平均値とする。
前記柔軟性及び弾性を有する上層4及び下層3の形成材料としては、それぞれ独立して、上記中敷き本体1の形成材料として例示したようなものが挙げられる。上層4及び下層3は、軟質の合成樹脂、ゴム又はエラストマーの発泡体で形成されていることが好ましく、軟質の合成樹脂の発泡体で形成されていることがより好ましい。
下層3よりもアスカーC硬度が小さい上層4は、例えば、下層3よりも発泡倍率の大きいEVA樹脂などの発泡体から形成される。
長状凸部2を構成する部分の上層4及び下層3の厚みは、特に限定されないが、耐久性に優れた長状凸部2を形成するために、下層3の厚みが上層4の厚みよりも大きいことが好ましい。例えば、上層4の厚みは、2mm~8mm程度であり、下層3の厚みは、5mm~12mm程度である。
前記下層3と上層4は、重ねられて接着されている。接着手段は、特に限定されず、接着剤を用いた接着、両層が溶剤接着可能な又は熱溶着可能な材質からなる場合には溶剤接着又は熱溶着などが挙げられる。
下層3は、中敷き本体1の付け根部位に取り付けられている。下層3の中敷き本体1に対する取り付け方法は特に限定されず、例えば、前記のような接着手段が挙げられる。
また、下層3の上面は平坦状に形成されていてもよく、或いは、図示のように凹凸状に形成されていてもよい。前記下層3の上面の一部分を凸状に形成することによって、下層3の上面が凹凸面とされている。凸状部38は、1箇所でもよいが、幅方向において、間隔を開けて複数の凸状部38が形成されていることが好ましい。図示例では、凸状部38は、立体的には比較的低いドーム状であるが、この立体形状に限定されるわけではない。前記凸状部38の高さは、特に限定されないが、例えば、1mm~5mmであり、好ましくは2mm~3mmである。下層3が凹凸状に形成されている場合、その凹凸状の部分を含んで下層3の上面に前記上層4が積層されていることが好ましい。かかる構成により、柔軟性を有する上層4が凹凸状になり、長状凸部2に足を載せた際に、足の指間に凸状部38が当たり、履き心地が向上する。
前記下層3は、単層構造でもよいが、好ましくは複層構造である。下層3が複層である場合、当該下層3は、第1層31と、前記第1層31の下方に積層された第2層32と、を有する少なくとも2層構造である。この場合、下層3の第2層32が、中敷き本体1の付け根部位に取り付けられている。前記第1層31と第2層32は、前記のような接着手段によって接合される。
前記第1層31及び第2層32は、履き心地を良好にする観点から、いずれも柔軟性及び弾性を有する材料から形成されていることが好ましい。
前記柔軟性及び弾性を有する第1層31及び第2層32の形成材料としては、それぞれ独立して、上記中敷き本体1の形成材料として例示したようなものが挙げられる。第1層31及び第2層32は、軟質の合成樹脂、ゴム又はエラストマーの発泡体で形成されていることが好ましく、軟質の合成樹脂の発泡体で形成されていることがより好ましい。
また、第1層31及び第2層32の硬度は、同じでもよいが、足指で掴み易く且つ耐久性に優れた長状凸部2を形成できることから、第1層31のアスカーC硬度は、第2層32のアスカーC硬度よりも小さいことが好ましい。
具体的には、第1層31のアスカーC硬度は、例えば、30度~40度であり、好ましくは、32度~38度であり、第2層32のアスカーC硬度は、例えば、50度~60度であり、好ましくは、52度~58度である。
また、上層4と第1層31及び第2層32との関係では、前記上層4のアスカーC硬度<第1層31のアスカーC硬度<第2層32のアスカーC硬度の関係を満たしていることが好ましい。
第1層31及び第2層32の厚みは、特に限定されないが、足指で掴み易く且つ耐久性に優れた長状凸部2を形成する観点から、例えば、第1層31の厚みは、3mm~7mm程度であり、第2層32の厚みは、2mm~6mm程度である。
中敷き本体1の後方部位には、必要に応じて、嵩上げ層5が設けられる。前記嵩上げ層5は、後方部位から最後方部位に亘って一連に延在して設けられている。
嵩上げ層5は、弾性を有さない材料から形成されていてもよいが、クッション性を付与するため、嵩上げ層5は柔軟性及び弾性を有する材料から形成されていることが好ましい。
また、嵩上げ層5は、単層でも良いが、好ましくは複層である。図示例では、嵩上げ層5は、第1層51と第2層52との積層構造から構成されている。長状凸部2と嵩上げ層5を容易に形成できることから、嵩上げ層5の第1層51及び第2層52は、長状凸部2の下層3の第1層31及び第2層32と同一の層であることが好ましい。なお、長状凸部2を形成する下層3と、嵩上げ層5とは、概念上で区別されるが、図面上では明確ではない。このため、図2の拡大図において、便宜上、下層3を形成する第1層31及び第2層32と、嵩上げ層5を形成する第1層51及び第2層52と、の概念上の境界を点線で表している。
なお、特に図示しないが、嵩上げ層5は、長状凸部2を形成する下層3とは別個独立して形成されていてもよい。
嵩上げ層5の厚みは、一定でもよく、或いは、異なっていてもよい。図示例では、嵩上げ層5の厚みは、後方部位から最後方部位に向かって次第に大きくなっている。具体的には、嵩上げ層5の上面は、後方部位において最も低く、最後方部位において最も高く、前記後方部位と最後方部位との間において前下がり斜めに傾斜されている。
嵩上げ層5の後方部位における上面は、長状凸部2の上面よりも低く、中敷き本体1の前方部位の上面よりも高くなっている。
また、嵩上げ層5の上面は平坦状に形成されていてもよく、或いは、図示のように凹凸状に形成されていてもよい。前記嵩上げ層5の上面に凸状部58を形成することによって、足裏を刺激する効果を期待できる。前記嵩上げ層5の凸状部58の形状は、特に限定されないが、例えば、下層3に形成された凸状部38と同様な比較的低いドーム状などが挙げられる。
なお、図1乃至図4に示す中敷きAには、表装材が設けられていないが、通常、中敷きAの少なくとも上面(足裏が接触する面)には、表装材が設けられる。
図5は、表装材を設けた中敷きAを示している。
図5を参照して、表装材6は、中敷きAの上面を覆うように設けられている。表装材6としては、従来公知の織布、編み布、不織布、ボアなどの起毛布、網目状のメッシュ地などが用いられる。表装材6は、接着剤、縫製などによって中敷きAに取り付けられている。
図示例では、表装材6は、中敷き本体1の前方部位の上面を覆う第1表装材61と、長状凸部2及び嵩上げ層5の上面を覆う第2表装材62と、から構成される。第1表装材61と第2表装材62は、同一の生地であってもよく、或いは、異なる生地であってもよい。例えば、第1表装材61は、薄手の織布、編み布又は不織布が用いられ、第2表装材62は、ボアなどの起毛布が用いられる。
[室内履きの詳細]
図6は、本考案の室内履きBの平面図であり、図7は、前記室内履きBを前後方向に沿って切断した断面図である。前後方向に沿って切断した断面形状は、断面を側面方向から見た形状であるため、図7で表される断面形状は、側面視形状と同義である。なお、室内履きBは、左右一対で構成されるが、図6及び図7では右足用の室内履きを示している。左足用の室内履きは、右足用の室内履きと対称的であるため図示しない。
図6及び図7を参照して、室内履きBは、ソール部7と、ソール部7の上方に設けられたアッパー部8と、を有する。
ソール部7は、平面視で足の輪郭を概ね象った平面視形状の略板状である。
ソール部7は、図7に示すように、その下面が側面視で前上がりで反り上がった形状に形成されている。ソール部7が前上がりの反り上がり状に形成されていることにより、ソール部が平坦状である場合に比して、歩行時に床面に対してけり出し易くなり、着用者が歩き易くなる。
ソール部7は、単層構造でもよく、複層構造でもよい。図示例では、ソール部7は、アウトソール部71と、インソール部72と、からなる2層構造である。
アウトソール部71及びインソール部72は、柔軟性を有さない比較的硬い板状体から形成されていてもよいが、通常、柔軟性を有する板状体から形成される。アウトソール部71は、床面に接触するので、比較的硬質の合成樹脂、ゴム又はエラストマーの非発泡体又は発泡体で形成される。インソール部72は、足を載せるので、比較的軟質の合成樹脂、ゴム又はエラストマーの非発泡体又は発泡体で形成される。アウトソール部71とインソール部72は、接着剤などの接着手段を用いて接着されている。
アッパー部8は、前記ソール部7に取り付けられている。アッパー部8は、通常、生地から形成される。アッパー部8を形成する生地は、特に限定されず、従来公知の織布、編み布、不織布、ボアなどの起毛布、網目状のメッシュ地などが用いられる。前記アッパー部8を形成する生地は、単層でもよく、複層であってもよい。アッパー部8の形状を保持するため、前記生地は、芯材を含む複層であることが好ましい。例えば、図7の一部拡大図に示すように、アッパー部8を形成する生地は、表生地9aと、裏生地9bと、表生地9aと裏生地9bの間に配置された芯材9cと、を有する。表生地9a及び裏生地9bは、織布、編み布、不織布、ボアなどの起毛布、網目状のメッシュ地などが用いられ、芯材9cは、厚紙、樹脂シートなどが用いられる。特に、足が接触する裏生地9bは、ボアなどの起毛布が用いられる。表生地9a、芯材9c及び裏生地9bは、接着剤などを用いて積層接着される。
アッパー部8は、1枚の生地を立体的に縫製するなどして形成されていてもよいが、図示例では、アッパー部8は、少なくとも2枚の生地片を縫製するなどして形成されている。例えば、アッパー部8は、アッパー部8の内側を形成する第1生地片91と、アッパー部8の外側を形成する第2生地片92と、から形成されている。第1生地片91及び第2生地片92は、通常、同じ生地が用いられる。第1生地片91と第2生地片92を縫製することにより、立体的なアッパー部8が形成されている。
また、足との関係では、アッパー部8は、足指を覆う指覆い部81と、前記指覆い部81に連設され且つ足甲を覆う甲覆い部82と、前記甲覆い部82に連設され且つ足の踵周りを覆う踵覆い部83と、前記甲覆い部82の上端と踵覆い部83の上端とによって画成された挿入口84と、を有する。
前記指覆い部81は、前記ソール部7の上面から立ち上げられ且つ前記足指の前端側に配置される起立壁部811と、前記起立壁部811に連設され且つ前記足指の上方を覆う天部812と、を有する。前記指覆い部81の起立壁部811は、側面視で、比較的急峻に立ち上げられている。具体的には、前記指覆い部81の起立壁部811は、前記ソール部7の上面に対して70度以上100度以下の角度αをもって立ち上げられている。アッパー部8を第1生地片91及び第2生地片92によって形成することにより、前記のような比較的急峻な起立壁部811を形成できる。このように比較的急峻な起立壁部811を形成することにより、アッパー部8の指覆い部81と中敷きAの前方部位とで画成される足指収容空間Sが大きくなる。
[中敷き付き室内履き]
図8は、中敷き付き室内履きCの断面図であり、図9は、それに足を入れた状態の断面図である。
室内履きBの挿入口84から中敷きAを室内履きBの内部に挿入し、中敷きAの下面を、室内履きBのソール部7の上面に載せることによって、中敷き付き室内履きCが構成される。
中敷きAは、室内履きBのソール部7の上面に載せ且つ接着剤などを用いて固定してもよく、或いは、接着剤などで固定しなくてもよい。中敷きAをソール部7に固定しない場合、当該中敷きAを他の室内履きに容易に付け替えて使用できる。
本考案の中敷き付き室内履きCに足を入れることにより、図9に示すように、足指の付け根が中敷きAの長状凸部2上に載り且つ足指が中敷きAの前方部位に載る。足の付け根が長状凸部2上に位置することにより、足指を下方に折り曲げ易く且つ曲げた足指が長状凸部2に強く引っ掛かり、足指をグーの形に変え易くなる。また、足の付け根が長状凸部2上に位置することにより、足指をパーの形やチョキの形にも変え易くなる。かかる中敷き付き室内履きCを使用することにより、着用者は、例えば座っていながらも足指のグーパー運動を良好に行なうことができる。
本考案の中敷きAの長状凸部2は、下層3と前記下層3とは異なる部材である上層4とを有する2層以上の構造であるため、例えば、弾性の異なる上層4と下層3を積層して長状凸部2を形成する、或いは、比較的軟らかい上層4と比較的硬い下層3によって長状凸部2を形成するなどのように、任意の組み合わせで長状凸部2を構成できる。このため、例えば、足指の付け根が載った際に適度に変形しつつ、耐久性に優れた長状凸部2を形成することもできる。
特に、長状凸部2が、弾性を有する上層4と、上層4よりもアスカーC硬度が大きく且つ弾性を有する下層3と、を有することにより、足指の付け根が載った際に上層4が適度に変形するので、足指で長状凸部2を掴み易くなってグーパー運動を行ない易く、さらに、下層3が足指の荷重によって潰れにくくなるので、長状凸部2の耐久性が向上する。
さらに、下層3が第1層31及び第2層32を有し、上層4のアスカーC硬度<第1層31のアスカーC硬度<第2層32のアスカーC硬度の関係を満たしている長状凸部2によれば、グーパー運動を良好に行なえる上、耐久性も向上する。
また、室内履きBのソール部7は、側面視で前上がりで反り上がった形状に形成されている。かかる構成により、ソール部が平坦状である場合に比して、歩行時に床面に対してけり出し易くなり、着用者が歩き易くなる。
さらに、室内履きBのアッパー部8の指覆い部81は、比較的急峻に立ち上げられた起立壁部811を有するので、足指収容空間Sを形成することができ、足指を移動させるスペースが大きくなる。このため、足指のグーパー運動をより良好に行なうことができる。
[本考案の様々な形態]
本考案には、以下の態様が含まれる。
第1形態の室内履き用中敷きは、板状の中敷き本体と、前記中敷き本体の、足指の付け根に対応する付け根部位に取り付けられ且つ上方に突出する長状凸部と、を有し、前記長状凸部が、前記中敷き本体の付け根部位に取り付けられた下層と、前記下層の上面に積層され且つ前記下層とは異なる部材である上層と、を有する少なくとも2層構造で構成されている。
第1形態の室内履き用中敷きは、長状凸部が異なる上層及び下層を有するので、グーパー運動などの足指の運動に適した長状凸部となるように、上層及び下層を適宜に組み合わせることができる。
第2形態の室内履き用中敷きは、第1形態の室内履き用中敷きにおいて、前記上層のアスカーC硬度が、前記下層のアスカーC硬度よりも小さい。
第2形態の室内履き用中敷きは、上層が下層よりもアスカーC硬度が小さいので、前記上層を有する長状凸部を足指で掴み易くなり、グーパー運動を行ない易く、さらに、前記下層を有する長状凸部が足指の荷重によって潰れ難く、耐久性に優れた長状凸部を構成できる。
第3形態の室内履き用中敷きは、第1又は第2形態の室内履き用中敷きにおいて、前記下層が、第1層と、前記第1層の下方に積層された第2層と、を有し、前記上層、第1層及び第2層の各アスカーC硬度が、前記上層のC硬度<前記第1層のC硬度<前記第2層のC硬度、の関係を満たしている。
第3形態の室内履き用中敷きは、前記上層のC硬度<第1層のC硬度<第2層のC硬度の関係を満たしているので、長状凸部を足指でより掴み易くなり、グーパー運動をより良好に行ない易くなる上、耐久性も向上する。
第4形態の室内履き用中敷きは、第1乃至第3形態のいずれかの形態の室内履き用中敷きにおいて、前記下層の上面が、凹凸状に形成されている部分を有し、前記上層が、前記凹凸状の部分を含んで前記下層の上面に積層されている。
第4形態の室内履き用中敷きは、下層の上面が凹凸状に形成されているので、これに積層された上層も凹凸状(長状凸部の上面が凹凸状)になり、長状凸部に足を載せた際に、足の指間に凸状の部分が当たるので、履き心地が向上する。
また、第5形態の中敷き付き室内履きは、ソール部とソール部の上方に設けられたアッパー部とを有する室内履きと、前記第1乃至第4形態のいずれかの形態の室内履き用中敷きと、を有し、前記室内履きのソール部の上面に前記室内履き用中敷きが載せられている。
第6形態の中敷き付き室内履きは、第5形態の中敷き付き室内履きにおいて、前記ソール部の下面が、側面視で、前上がりで反り上がった形状に形成されている。
第6形態の中敷き付き室内履きは、室内履きのソール部が側面視で前上がりで反り上がった形状に形成されているので、ソール部が平坦状である場合に比して、歩行時に床面に対してけり出し易くなり、着用者が歩き易くなる。
第7形態の中敷き付き室内履きは、第5又は第6形態の中敷き付き室内履きにおいて、前記アッパー部が、足指を覆う指覆い部と、前記指覆い部に連設され且つ足甲を覆う甲覆い部と、を有し、前記指覆い部が、前記ソール部の上面から立ち上げられ且つ前記足指の前端側に配置される起立壁部を有し、前記指覆い部の起立壁部が、側面視で、前記ソール部の上面に対して70度以上100度以下の角度をもって立ち上げられている。
第7形態の中敷き付き室内履きは、アッパー部の指覆い部の起立壁部が、側面視で70度以上100度以下の角度をもって立ち上げられているので、アッパー部内の足指を収容する空間が大きくなる。このため、足指を移動させるスペースが大きく、グーパー運動などの足指の運動をより良好に行なうことができる室内履きを提供できる。
A 室内履き用中敷き
B 室内履き
C 中敷き付き室内履き
1 中敷き本体
2 長状凸部
3 下層
31 下層の第1層
32 下層の第2層
4 上層
7 ソール部
8 アッパー部

Claims (7)

  1. 板状の中敷き本体と、前記中敷き本体の、足指の付け根に対応する付け根部位に取り付けられ且つ上方に突出する長状凸部と、を有し、
    前記長状凸部が、前記中敷き本体の付け根部位に取り付けられた下層と、前記下層の上面に積層され且つ前記下層とは異なる部材である上層と、を有する少なくとも2層構造で構成されている、室内履き用中敷き。
  2. 前記上層のアスカーC硬度が、前記下層のアスカーC硬度よりも小さい、請求項1に記載の室内履き用中敷き。
  3. 前記下層が、第1層と、前記第1層の下方に積層された第2層と、を有し、
    前記上層、第1層及び第2層の各アスカーC硬度が、前記上層のC硬度<前記第1層のC硬度<前記第2層のC硬度、の関係を満たしている、請求項2に記載の室内履き用中敷き。
  4. 前記下層の上面が、凹凸状に形成されている部分を有し、
    前記上層が、前記凹凸状の部分を含んで前記下層の上面に積層されている、請求項1に記載の室内履き用中敷き。
  5. ソール部とソール部の上方に設けられたアッパー部とを有する室内履きと、前記室内履きのソール部の上面に載せられた請求項1乃至4のいずれか一項に記載の室内履き用中敷きと、を有する、中敷き付き室内履き。
  6. 前記ソール部の下面が、側面視で、前上がりで反り上がった形状に形成されている、請求項5に記載の中敷き付き室内履き。
  7. 前記アッパー部が、足指を覆う指覆い部と、前記指覆い部に連設され且つ足甲を覆う甲覆い部と、を有し、
    前記指覆い部が、前記ソール部の上面から立ち上げられ且つ前記足指の前端側に配置される起立壁部を有し、
    前記指覆い部の起立壁部が、側面視で、前記ソール部の上面に対して70度以上100度以下の角度をもって立ち上げられている、請求項5に記載の中敷き付き室内履き。
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