JP5113626B2 - エンジンの負圧アクチュエータ装置 - Google Patents

エンジンの負圧アクチュエータ装置 Download PDF

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Description

本発明は、エンジンのクランク室の上部空間に負圧導管を介して負圧アクチュエータの負圧作動室を接続した、エンジンの負圧アクチュエータ装置の改良に関する。
かゝるエンジンの負圧アクチュエータ装置は、例えば下記特許文献1に開示されているように、既に知られている。
特開2005−53337号公報
エンジン、特に汎用型のエンジンは、不使用時、横転状態で長期間倉庫等に格納することがあり、従来のエンジンでは、特に、負圧取り出し口を下方に向けて横転させておくと、クランク室に貯留する潤滑用オイルが負圧導管を経て負圧アクチュエータの負圧作動室に浸入してしまい、アクチュエータの機能を損じる虞があった。
本発明は、かゝる事情に鑑みてなされたもので、負圧取り出し口を下方に向けてエンジンを横転させておいても、クランク室の貯留オイルが負圧アクチュエータの負圧作動室に浸入することを防ぎ、負圧アクチュエータの機能を常に正常に保持し得るエンジンの負圧アクチュエータ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、エンジンのクランク室負圧導管を介して負圧アクチュエータの負圧作動室を接続した、エンジンの負圧アクチュエータ装置において、クランクケースの一側壁に設けられてクランク室の上部空間の一側に開口する負圧取り出し口に単一の前記負圧導管の一端を直接接続すると共に、この負圧導管の他端に負圧アクチュエータを直接接続し、この負圧アクチュエータを、クランク室の上方に、且つクランクケースの前記一側壁が下側となるようエンジンが横転したときクランク室内の貯留オイルの液面よりも上方に位置するクランク室の縦中心線を境にして前記負圧取り出し口と反対側に配置し、エンジンを前記横転の姿勢から正立姿勢に戻したときに、該横転の姿勢で前記負圧導管に溜まったオイルを前記負圧取り出し口からクランク室に流下させるべく、前記負圧導管の各部には、前記負圧取り出し口に向かって下り勾配を付したことを特徴とする。尚、前記負圧取り出し口は、後述する本発明の実施例中の負圧取り出し管56に対応する。
本発によれば、クランクケースの一側壁に設けられてクランク室の上部空間の一側に開口する負圧取り出し口に単一の負圧導管の一端を直接接続すると共に、この負圧導管の他端に負圧アクチュエータを直接接続したものにおいて、エンジンを、クランクケースの前記一側壁が下側となる横転姿勢に倒した場合には、負圧取出し口はクランク室内の潤滑オイルの液面下に沈むことになるが、負圧アクチュエータは、その上記液面の上方位置を占めることになるから、クランク室内の潤滑オイルが負圧取出し口から出て負圧導管へと流出しても、その流出は、負圧導管内のオイルの液面がクランク室内の潤滑オイルの液面と同レベルとなったところで停止するので、上記流出オイルが負圧導管を上って負圧アクチュエータの負圧作動室に到達することを防ぐことができる。したがって、このようなエンジンの横転姿勢が、格納等のために長時間継続しても、負圧アクチュエータへのオイルの浸入を確実に防ぐことができる。
また、負圧アクチュエータは、前記横転姿勢で前記液面より上方に来るクランク室の縦中心線のより上方に配置されるので、エンジンが前記横転姿勢で激しく振動して、負圧導管内のオイルが大きく上下した場合も、そのオイルが負圧アクチュエータまで到達することを防ぐことができる。
さらに負圧導管の各部には、負圧取り出し口に向かって下り勾配を付したので、エンジンを前記横転姿勢から正立姿勢に戻したときは、先刻、負圧導管に溜まったオイルは、速やかに負圧導管を下って、負圧取り出し口からクランク室に流れ落ち、負圧導管にオイルが滞留することを防ぐことができる。
本発明の実施の形態を、添付図面に示す本発明の好適な実施例に基づいて以下に説明する。
図1は本発明の施例に係る負圧アクチュエータ装置を備える汎用型エンジンの正面図、図2は図1中の負圧アクチュエータの拡大縦断面図(エンジン運転停止状態で示す。)、図3は負圧アクチュエータの、燃料タンク内昇圧時の作用説明図、図4は負圧アクチュエータの、燃料タンク内減圧時の作用説明図、図5は負圧アクチュエータの、エンジン運転時の作用説明図、図6は図2の6−6線断面図、図7はエンジンを正立姿勢(A)から一方の横転姿勢(B)へ倒し、そして正立姿勢(C)に戻し、また他方の横転姿勢(D)に倒したときのクランク室内の貯留オイルの動きを示す作用説明図、図8は図7(A)の8矢視図、図9は参考例を示す、図7(A)との対応図である。
先ず、図1において、符号Eは汎用型の4サイクルエンジンを示す。このエンジンEは、クランク軸1を支持するクランクケース2の上部に、シリンダブロック3及びシリンダヘッド4を順次連設して構成され、シリンダブロック3内には、クランク軸1にコンロッド5を介して連結されるピストン6が摺動可能に収容される。クランクケース2の内部、即ちクランク室2aの底部にはエンジンEの各部を潤滑するオイルOが貯留される。シリンダヘッド4の一側には気化器Cが装着される。
またシリンダヘッド4の直上には燃料タンクTが取り付けられる。この燃料タンクTの天井壁一側部に形成された給油口筒20は、その外周に螺合するタンクキャップ21により密閉される。給油口筒20の内壁には通気孔22が開口しており、この通気孔22は、燃料タンクT内を上下に延びて、その底壁を貫通する内側エアベント管23に連通し、この内側エアベント管23の下端部に、燃料タンクT下方に配管される外側エアベント管24の一端が接続される。
タンクキャップ21には、燃料タンクT内の上部空間3と通気孔22との間に介在する気液分離手段25が設けられる。この気液分離手段25は仕切り部材26と、連続気孔を持つウレタンフォーム等からなる多孔質部材27とから構成される。その仕切り部材26はゴム等の弾性材からなるもので、下方に摺鉢状に凹入した底壁28aを有して給油口筒20内に配置される円筒部28と、この円筒部28の上端から半径方向外方に突出して、タンクキャップ21の天井壁と給油口筒20の端面との間に挟持されるフランジ部29とを備えており、円筒部28の下端部には、給油口筒20の下端部内周面に密接する環状シールリップ28b,28cが一体に形成される。
仕切り部材26は、給油口筒20内を、通気孔22が開口する環状の外側室33と、この外側室33に囲繞されると共に、外側室33の上部まで広がる有底円筒状の内側室32との区画するもので、その外側室33及び内側室32間を連通する小孔31がフランジ部29に設けられ、また内側室32を燃料タンクTの上部空間3に開口する通孔30が円筒部28の底壁28aに設けられ、前記多孔質部材27は、その通孔を覆うようにして内側室32に充填される。また底壁28aには、通孔30を囲むようにしてへ突出する筒状の波除34が連設される。
而して、通気孔22と燃料タンクT内の上部空間3とは、外側室33、小孔31、内側室32、多孔質部材27及び通孔30を介して相互に連通し、燃料タンクT内の呼吸を可能にする。一方、燃料タンクT内の燃料が波立ちにより内側室32に浸入しても、波除34により通孔30への浸入を防ぐことができる。若し、その燃料が通孔30を通過して上部室35に浸入したときは、その燃料は多孔質部材27により吸収され、多孔質部材27の吸液能が飽和状態になれば、摺鉢状の底壁28aに沿って通孔30へ流れ、燃料タンクT内に戻ることができる。したがって、燃料タンクT内の燃料が外側の小孔31を通って外側室33に達することはなく、したがって通気孔22への燃料浸入を防ぐことができる。
タンクキャップ21の天井壁には、前記通孔30及び多孔質部材27を貫通するストラップ38が接続され、このストラップ38の下端には、給油口筒20を容易には通過し得ない外れ止め39が付設されている。したがって、タンクキャップ21を給油口筒20から外した場合、外れ止め39が給油口筒20の下端に引っ掛かって、タンクキャップ21の脱落を防ぐことができる。
エンジンEには、燃料タンクT及び気化器C間の連通・遮断を行う燃料コック機能、並びに前記外側エアベント管24を開閉するエアベント開閉機能を備える負圧アクチュエータVがエンジンE及び燃料タンクT間に配設される。この負圧アクチュエータVについて図2により説明する。
負圧アクチュエータVの弁ハウジング40は、第1ブロック40a、第2ブロック40b及び第3ブロック40cを順次重ね、接合して構成される。その際、第1ブロック40a及び第2ブロック40b間に第1ダイヤフラム41の外周縁部が、また第2ブロック40b及び第3ブロック40c間に第2ダイヤフラム42の外周縁部がそれぞれ挟持される。そして、第1ブロック40a及び第1ダイヤフラム41間には大気室43が、また第1ダイヤフラム41及び第2ブロック40b間には第1負圧作動室44が、第2ブロック40b及び第2ダイヤフラム42間には第2負圧作動室45がそれぞれ画成される。また第2ダイヤフラム42及び第3ブロック40c間には燃料室46がそれぞれ画成される。
第1ブロック40aの一側には大気室43に連なる、フィルタ48付きの大気入口管47(図1参照)が接続され、大気室43が常時、大気圧に保たれるようになっている。また第1ブロック40aの他側壁には、内端を大気室43に開口する大気導入管49が一体に形成され、この大気導入管49の外端には、前記外側エアベント管24の他端が接続される。
大気導入管49の内端部は、大気室43側に突出する第1弁座51に形成され、この第1弁座51と協働して大気導入管49を開閉する第1弁体52が第1ダイヤフラム41の中心部に形成され、この第1弁体52を第1弁座51側に付勢する第1戻しばね53が第1ダイヤフラム41及び第2ブロック40b間に縮設される。上記第1弁体52及び第1弁座51により、大気導入管49を開閉する第1制御弁50が構成される。
第1ブロック40a及び大気導入管49間の隔壁には、燃料タンクT内が所定圧力以下に減圧したときのみ開弁して、大気室43から大気導入管49への空気の流れを許容するリリーフ弁54が設けられる。
第2ブロック40bには、第1負圧作動室44に連通する負圧導入管55が連結され、この負圧導入管55と、クランク室1aの上部空間の一側に開口するようにクランクケース2の一側壁2sに設けられる負圧取り出し管56とが負圧導管57により接続される。
図2及び図6に示すように、第2ブロック40b及び負圧導入管55の連結部にはチェック弁65が設けられる。このチェック弁65は、第2ブロック40b及び負圧導入管55間に挟持される弁座板66及び弾性弁板67からなっている。弁板67は、弁座板66の、負圧導入管55側に配置されて、弁座板66の前後の圧力差に応じて弁座板66の弁孔66aを開閉する。したがって、チェック弁65、負圧導入管55から第1負圧作動室44への負圧の伝達のみを許容する。即ち、負圧導入管55側の圧力が第1負圧作動室44側より低いとき開弁し、負圧導入管55側の圧力が第1負圧作動室44側より高いとき閉弁する。上記弁座板66には、弁板67の開閉動作に関係なく、負圧導入管55及び第1負圧作動室44間を常時連通する絞り孔68が穿設される。この絞り孔68は、弁板67の弁孔66aに臨む部分に設けることもできる。
第2ブロック40bには、第1及び第2負圧作動室44,45間を連通するオリフィス58が穿設される。
第3ブロック40cには燃料導入管70が一体に形成され、この燃料導入管70には、燃料タンクT内の底部(図4参照)に連なる燃料上流導管71が接続される。また第3ブロック40cには、燃料導出管72が一体に形成され、この燃料導出管72は、気化器Cのフロート室に至る燃料下流導管73が接続される。
上記燃料導入管70の、燃料室46に開口する内端は、燃料室46側に突出する第2弁座61に形成され、この第2弁座61と協働して燃料導入管70を開閉する第2弁体62が第2ダイヤフラム42の中心部に形成され、この第2弁体62を第2弁座61との着座方向に付勢する第2戻しばね63が縮設される。この第2戻しばね63のセット荷重は、第1戻しばね53のそれより大きく設定される。上記第2弁体62及び第2弁座61により、燃料導入管70を開閉する第2制御弁60が構成される。
この負圧アクチュエータVの作用について説明する。
〔エンジンEの運転停止時(図2参照)〕
エンジンEの運転停止状態では、クランク室1aは大気圧状態となるから、クランク室1aに絞り孔68を介して連通する第1及び第2負圧作動室44,45も大気圧となる。その結果、第1及び第2ダイヤフラム41,42は、第1及び第2戻しばね53,63のセット荷重により第1及び第2弁座51,61側にそれぞれ付勢され、第1及び第2弁体52,62が第1及び第2弁座51,61にそれぞれ着座し、即ち第1及び第2制御弁50,60が共に閉弁して、大気導入管49及び燃料導入管70をそれぞれ遮断する。
一方、燃料タンクT内が略大気圧状態にあれば、第1弁体52の第1弁座51への着座を阻害しないと共に、常閉型のリリーフ弁54が閉弁して、大気導入管49及び大気室43間の連通を遮断している。
こうして、大気導入管49及び燃料導入管70が遮断されると、燃料タンクTから気化器Cへの燃料の無用な流下を防ぐと共に、燃料タンクT内で発生した蒸発燃料の大気への放出を防ぐことができる。
〔燃料タンクT内の昇圧時(図3参照)〕
上記のようにエンジンEが運転停止状態にあるとき、燃料タンクTが太陽熱等により加熱され、その内圧が所定値以上に上昇すると、その圧力により第1弁体52が第1戻しばね53のセット荷重に抗して第1弁座51から離座し、即ち第1制御弁50が開弁して、大気導入管49を大気室43に開放するので、燃料タンクT内の圧力の過度の増加分が大気に解放されることになり、内部の過度の昇圧による燃料タンクTの膨張変形を防ぐことができる。
〔燃料タンクT内の減圧時(図4参照)〕
例えば寒冷地において、エンジンEが運転停止状態にあって、燃料タンクTが外気により冷却され、その内部の圧力が所定値以下に低下したすると、リリーフ弁54がその前後の圧力差により開弁して、大気室43から大気導入管49への空気の流れを許容するので、燃料タンクT内に大気が補充され、内部の過度の減圧により燃料タンクTの収縮変形を防ぐことができる。
〔エンジンEの運転時(図5参照)〕
エンジンEの運転中は、ピストンの往復運動に伴いクランク室1aにおいて正圧と負圧を交互に繰り返す強力な圧力脈動が起こり、それが負圧導管57及び負圧導入管55を通してチェック弁65へと伝達する。そのチェック弁65は、正圧の伝達時には閉じ、負圧伝達時に開くので、結局、負圧のみがチェック弁65を通過して先ず第1負圧作動室44に伝達し、次いで通孔58を経て第2負圧作動室45へと伝達し、第1及び第2負圧作動室44,45を、気化器Cのスロットル弁の開度変化等に影響されることなく、等しく安定した高い負圧状態に保つことができる。
尚、この場合、絞り孔68を通して、第1及び第2負圧作動室44,45からクランク室1a側へリークする負圧が存在するが、その負圧のリーク量は、クランク室1aから第1及び第2負圧作動室44,45に導入される負圧に比して極めて少ないので、無視することができる。
こうして第1負圧作動室44が所定の負圧状態になると、第1ダイヤフラム41が第1戻しばね53のセット荷重に抗して第1負圧作動室44側に引かれて第1弁体52を第1弁座51から離座させ、即ち第1制御弁50が開弁して大気導入管49を開放するので、燃料タンクT内の上部空間3は外気を自由に呼吸し得る状態となり、また第2負圧作動室45が所定の負圧状態になると、第2ダイヤフラム42が第2戻しばね63のセット荷重に抗して第2負圧作動室45側に引かれて第2弁体62を第2弁座61から離座させ、即ち第2制御弁60が開弁して燃料導入管70を開放するので、燃料タンクT内の燃料は、燃料上流導管71、燃料導入管70、燃料室46及び燃料下流導管73を通して気化器Cのフロート室に供給される。
ところで、エンジンEの始動時には、クランク室1aからの負圧が最初に第1負圧作動室44に伝達され、次いで第1負圧作動室44からオリフィス58を介して第2負圧作動室45に伝達されること、並びに第1戻しばね53のセット荷重が第2戻しばね63のそれより小さく設定されていることにより、第1ダイヤフラム41が先ず第1制御弁50を開弁して大気導入管49を開通し、その後で第2ダイヤフラム42が第2制御弁60を開弁して燃料導入管70を開通するので、エンジンEの運転停止中に、第1制御弁50の閉弁により燃料タンクT内に多少とも残留していた正圧又は負圧を、先ず大気に解放した後、気化器Cへの燃料供給を開始することになり、燃料タンクT内の残圧による燃料過剰供給又は供給不足を防いで、エンジンEの良好な始動性を確保することができる。
ところで、この種の負圧アクチュエータVを備える汎用エンジンEでは、その用途によっては、横転状態で長時間使用したり、長期間格納することがあり、そうした場合でも、クランク室2aの貯留オイルOが負圧導管57を経て負圧アクチュエータVの第1及び第2負圧作動室44,45に浸入しないように、前記負圧取り出し管56及び負圧アクチュエータVは、次のように配置される。
即ち、図1及び図7(A)に示すように、負圧取り出し管56がクランク室2aの上部空間に開口するようにクランクケース2の一側壁2sに設けられるのに対して、負圧アクチュエータVは、クランク室2aの縦中心線Yを挟んで負圧取り出し管56と反対側でクランク室2aの上方に配置される。そして上記負圧取り出し管56と負圧アクチュエータVの負圧導入管55とを接続する負圧導管57は横U字状に配管されると共に、この負圧導管57の各部には、負圧取り出し管56に向かって下り勾配が付される。
次に、この施例の作用について、図7により説明する。
いま、エンジンEを格納等のために、図7(A)の正立姿勢から、図7(B)のように負圧取り出し管56を下方に(即ちクランクケース2の前記一側壁2sを下側に)した横転姿勢に倒したとすると、クランク室2a内の貯留オイルOは、負圧取り出し管56側へ移動するが、その液面は通常、クランク室2aの前記縦中心線Yの上方に来ることはない。しかも、負圧取り出し管56はクランク室2a内の潤滑オイルO下に沈むことになるが、負圧アクチュエータVは、クランク室2aの前記縦中心線Yの上方に位置を占めることになるから、クランク室2a内の潤滑オイルOが負圧取り出し管56から出て負圧導管57へと流出しても、その流出は、負圧導管57内のオイルの液面がクランク室2a内の潤滑オイルOの液面と同レベルとなったところ、即ち前記縦中心線Yの下方で停止するので、上記流出オイルが負圧導管57を上って負圧アクチュエータVの第1及び第2負圧作動室44,45に到達することを防ぐことができる。したがって、エンジンEのこのような横転姿勢が、格納等のために長時間継続しても、負圧アクチュエータVへのオイルの浸入を確実に防ぐことができる。
特に、負圧アクチュエータVは、上記液面より上方に来るクランク室2aの縦中心線Yのより上方に配置されるので、エンジンEが上記の横転姿勢で運搬される場合、激しく振動して、負圧導管57内のオイルが大きく上下しても、そのオイルが負圧アクチュエータVまで到達することも防ぐことができる。
上記エンジンEを運転すべく、図7(C)に示すように、正立姿勢に戻せば、負圧導管は、横U字状をなし且つ各部に負圧取り出し管56に向かって下り勾配が付されているから、先刻、負圧導管57に溜まったオイルOは、速やかに負圧導管57を下って、負圧取り出し管56からクランク室2aに流れ落ち、負圧導管57にオイルが滞留することはない。したがって、エンジンEの運転時には、前述のようにクランク室2aに発生する脈動圧力中の負圧成分を負圧導管57を通して負圧アクチュエータVに確実に伝達し、負圧アクチュエータVを正常に作動させることができる。
また図7(D)に示すように、負圧取り出し管56を上方にしてエンジンEを横転したときは、負圧取り出し管56は、当然、クランク室2aの貯留オイルOの液面より遠い上方位置を占めることになるから、上記オイルOの負圧導管57への流出は起こらず、負圧アクチュエータVへのオイルの浸入を防ぐことができる。
また負圧取り出し管56は、図8に示すように、クランクケース2の側面視でクランク室2aの縦中心線Y上に配置される。したがって、図7(A)において、エンジンEを紙面と直交する前後何れの方向に横転した場合でも、負圧取り出し管56がクランク室2aの貯留オイルOの液面下に沈むことはなく、負圧アクチュエータVへのオイルの浸入を防ぐことができる。
次に、図9に示す参考例について説明する。
この参考例では、負圧アクチュエータVは、負圧取り出し管56が設けられるクランクケース2の一側とはクランク室2aの縦中心線Yを挟んで反対側のクランクケース2の他側に配置され(実線示参照)、または縦中心線Yを挟んで負圧取り出し管56と反対側のクランク室2aの正面もしくは裏面側に配置される(鎖線示参照)。要するに、負圧アクチュエータVは、クランク室2aの高さ領域において負圧取り出し管56とはクランク室2aの縦中心線Yを挟んで反対側に配置される。
そして、負圧取り出し管56と負圧アクチュエータVとを結ぶ負圧導管57は、その中間部57aがクランク室2aの上方に通り、且つエンジンEが前記負圧取り出し口56を下方に向けて横転したときのクランク室2a内の貯留オイルOの液面を境にして、前記負圧取り出し口56と反対側に来るように、配管される。その他の構成は前実施例と同様であるので、図9中、前実施例と対応する部分には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
この参考例によれば、実施例と同様の効果を達成しながら、エンジンEの側部への負圧アクチュエータVの設置が可能となる。したがって、この参考例は、エンジンEと、その直上に配置される燃料タンクTとの空隙が、負圧アクチュエータVの設置を許さない程、狭い場合に有効である。
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば、負圧アクチュエータVには、燃料コック機能又はエアベント系の開閉機能のみを付与するように構成することもでき、また別の機能を付与することもできる。また本発明は、クランク軸を鉛直方向に配置したバーチカルエンジンへの適用も可能である。また負圧アクチュエータVで制御する燃料には、ガソリンの他、LNGのような液化ガス燃料などがある。
本発明の施例に係る負圧アクチュエータ装置を備えるエンジンの正面図。 図1中の負圧アクチュエータの拡大縦断面図(エンジン運転停止状態で示す。)。 負圧アクチュエータの、燃料タンク内昇圧時の作用説明図。 負圧アクチュエータの、燃料タンク内減圧時の作用説明図。 負圧アクチュエータの、エンジン運転時の作用説明図。 図2の6−6線断面図。 エンジンを正立姿勢(A)から一方の横転姿勢(B)へ倒し、そして正立姿勢(C)に戻し、また他方の横転姿勢(D)に倒したときのクランク室内の貯留オイルの動きを示す作用説明図。 図7(A)の8矢視図。 参考例を示す、図7(A)との対応図。
E・・・・・・・エンジン
V・・・・・・・負圧アクチュエータ
O・・・・・・・オイル
2・・・・・・・クランクケース
2a・・・・・・クランク室
2s・・・・・・クランクケースの一側壁
44,45・・・負圧作動室(第1、第2負圧作動室)
56・・・・・・負圧取出し口(負圧取り出し管)
57・・・・・・負圧導管
57a・・・・・負圧導管の中間部

Claims (1)

  1. エンジン(E)のクランク室(2a)負圧導管(57)を介して負圧アクチュエータ(V)の負圧作動室(44,45)を接続した、エンジンの負圧アクチュエータ装置において、
    クランクケース(2)の一側壁(2s)に設けられてクランク室(2a)の上部空間の一側に開口する負圧取り出し口(56)に単一の前記負圧導管(57)の一端を直接接続すると共に、この負圧導管(57)の他端に負圧アクチュエータ(V)を直接接続し、
    この負圧アクチュエータ(V)を、クランク室(2a)の上方に、且つクランクケース(2)の前記一側壁(2s)が下側となるようエンジン(E)が横転したときクランク室(2a)内の貯留オイル(O)の液面よりも上方に位置するクランク室(2a)の縦中心線(Y)を境にして前記負圧取り出し口(56)と反対側に配置し
    エンジン(E)を前記横転の姿勢から正立姿勢に戻したときに、該横転の姿勢で前記負圧導管(57)に溜まったオイルを前記負圧取り出し口(56)からクランク室(2a)に流下させるべく、前記負圧導管(57)の各部には前記負圧取り出し口(56)に向かって下り勾配を付したことを特徴とする、エンジンの負圧アクチュエータ装置。
JP2008135888A 2008-05-23 2008-05-23 エンジンの負圧アクチュエータ装置 Active JP5113626B2 (ja)

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