JP4163574B2 - エンジン用燃料タンクのエアベント装置 - Google Patents

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Description

本発明は,エンジン用燃料タンクの,タンクキャップにより密閉される給油口筒の内壁に,燃料タンクを下方へ貫通して大気に連通するエアベント通路の上端を開口させた,エンジン用燃料タンクのエアベント装置の改良に関する。
かゝるエンジン用燃料タンクのエアベント装置は,例えば下記特許文献1に開示されているように,既に知られている。
実開昭59−84261号公報
かゝるエンジン用燃料タンクのエアベント装置では,燃料タンクの給油口筒をタンクキャップで密閉しても,給油口筒の内壁に開口して,燃料タンクを下方へ貫通するエアベント通路により燃料タンク内は大気と連通していて,呼吸が可能であるから,エンジンの運転中,燃料タンクからエンジンへの燃料供給を支障なく行うことができる。しかも,エアベント通路は,燃料タンクの上方に延出させずに済むので,燃料タンクの外観を良好に保つことができる他,エアベント通路と他物と干渉を回避することもできる。
しかしながら,エアベント通路が燃料タンクの給油口筒の内壁に開口していると,燃料タンクへの燃料補給時,過剰補給により給油口筒まで燃料を満たした場合には,その燃料がエアベント通路に浸入して,エアベント通路の通気機能が損われることがある。
本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,給油口筒まで燃料が上がってくるような過剰補給時には,その燃料油面がエアベント通路の上端開口部に到達する前にその燃料を給油口筒からオーバーフローさせて,エアベント通路への燃料の浸入を防止し得るようにした,前記エンジン用燃料タンクのエアベント装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために,本発明は,エンジン用燃料タンクの,タンクキャップにより密閉される給油口筒の内壁に,燃料タンクを下方へ貫通して大気に連通するエアベント通路の上端を開口させた,エンジン用燃料タンクのエアベント装置において,前記給油口筒の内壁の,前記エアベント通路の上端開口部より低い位置に,燃料タンクの下方に延びるオーバーフロー通路の上端を開口させると共に,前記タンクキャップの装着時に,前記オーバーフロー通路の上端を前記タンクキャップで閉塞するようにしたことを特徴とする。
尚,前記エアベント通路は,後述する本発明の通気孔22,内側エアベント管23及び外側エアベント管24に対応し,また前記オーバーフロー通路は,オーバーフロー孔36及びオーバーフロー管37に対応する。
本発明によれば,燃料タンクへの燃料の補給時,過剰給油により,燃料油面が給油口筒の内側まで上昇して来たときは,その燃料をオーバーフロー通路へとオーバーフローさせることにより,給油口筒内でのそれ以上の燃料油面の上昇を抑えるので,給油口筒内壁の,オーバーフロー通路より高い位置に開口するエアベント通路への燃料の浸入を防ぐことができ,したがってエアベント通路は常に良好な通気機能を発揮することができる。また,タンクキャップによりオーバーフロー通路の上端を閉じて,オーバーフロー通路と燃料タンク内との連通を遮断するので,燃料タンク内で燃料の波立ちが起きても,その燃料のオーバーフロー孔への流出を防ぐことができる。
本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の好適な実施例に基づいて以下に説明する。
図1は本発明の実施例に係る,燃料タンク付きバーチカル型エンジンの側面図,図2は図1中の気化器周辺部の平面図,図3は図2の3−3線断面図,図4は図1中の燃料タンクの要部拡大縦断面図,図5は図3中の複合制御弁の拡大縦断面図(エンジン運転停止状態で示す。),図6は複合制御弁の,燃料タンク内昇圧時の作用説明図,図7は複合制御弁の,燃料タンク内減圧時の作用説明図,図8は複合制御弁の,エンジン運転時の作用説明図,図9は図5の9−9線断面図,図10は図2の10−10線断面図,図11は図2中のオイル流出防止手段の作用説明図,図12は燃料タンクへの過剰給油時における燃料のオーバーフロー作用説明図である。
先ず,図1及び図2において,符号Eは,4サイクル・バーチカル型の汎用エンジンを示す。即ち,このエンジンEのクランクケース1に支持されるクランク軸2は鉛直方向に配置されて,その出力端部をクランクケース1の下方へ突出させている。クランクケース1の上部には,燃料タンクT及びリコイルスタータ4が取り付けられる。
クランクケース1の一側には,シリンダ軸線を水平にしたシリンダブロック5が連設され,このシリンダブロック5の先端に接合されたシリンダヘッド6の一側面に気化器Cが取り付けられる。
図3において,気化器Cは,シリンダヘッド6の吸気ポート6aに吸気道11を連ねる気化器本体10と,この気化器本体10の下面に接合される,フロート室12aを有するフロート室体12と,フロート室12a内の燃料油面下を吸気道11のベンチュリ部に連通する燃料ノズル13と,吸気道11をその上流側で開閉するチョーク弁14と,吸気道11をその下流側で開閉するスロットル弁15と,フロート室体12の燃料入口16を開閉してフロート室12aの貯留燃料の油面を一定に制御するフロート弁17とを備えており,燃料ノズル13は,気化器本体10の下部に形成されるノズル支持筒10aに保持される。上記フロート室体12の一側には,燃料タンクTのエアベント系の開閉,並びに燃料タンクTからフロート室12aに至る燃料通路系の開閉をエンジンEの運転状態に応じて自動的に制御する複合制御弁Vが設けられる。それについては後述する。
図4において,燃料タンクTの天井壁一側部に形成された給油口筒20は,その外周に螺合するタンクキャップ21により密閉される。給油口筒20の内壁には通気孔22が開口しており,この通気孔22は,燃料タンクT内を上下に延びて,その底壁を貫通する内側エアベント管23に連通し,この内側エアベント管23の下端部に,燃料タンクT下方に配管される外側エアベント管24の一端が接続される。内側エアベント管23は,図示例では燃料タンクTと一体に形成されているが,それと別体であってもよい。
而して,燃料タンクT内に配置される内側エアベント管23は,他物との接触から保護されることになる。またエアベント管を燃料タンクTの上方に延出させる必要がないから,燃料タンクTの外観を良好に保つことができる。
また給油口筒20には,その側壁を貫通して,前記通気孔22よりも下方位置の内壁に開口するオーバーフロー孔36が設けられ,このオーバーフロー孔36の外端には,エンジンEの下方まで延びるオーバーフロー管37が接続される。したがって,図12に示すように,タンクキャップ21を給油口筒20から外して,給油口筒20を通して燃料タンクTに燃料を補給するとき,若し過剰給油により,燃料油面が給油口筒20の内側まで上昇して来てオーバーフロー孔36の位置に達すると,その燃料はオーバーフロー孔36からオーバーフロー管37へとオーバーフローしていき,給油口筒20内でのそれ以上の燃料油面の上昇を抑えることができるので,給油口筒20内壁の,オーバーフロー孔36より高い位置に開口する通気孔22への燃料の浸入を防ぐことができ,通気孔22,内側エアベント管23及び外側エアベント管24の本来の通気機能が確保される。
再び図4において,タンクキャップ21には,燃料タンクT内の上部空間3と通気孔22との間に介在する気液分離手段25が設けられる。この気液分離手段25は仕切り部材26と,連続気孔を持つウレタンフォーム等からなる多孔質部材27とから構成される。その仕切り部材26はゴム等の弾性材からなるもので,下方に摺鉢状に凹入した底壁28aを有して給油口筒20内に配置される円筒部28と,この円筒部28の上端から半径方向外方に突出して,タンクキャップ21の天井壁と給油口筒20の端面との間に挟持されるフランジ部29とを備えており,円筒部28の下端部には,給油口筒20の下端部内周面に密接する上下一対の環状シールリップ28b,28cが一体に形成される。これらシールリップ28b,28cは,前記通気孔22の下方で前記オーバーフロー孔36を上下から挟む位置に配置される。したがって,タンクキャップ21を給油口筒20に装着した状態では,上記一対のシールリップ28b,28cによりオーバーフロー孔36を閉塞して,オーバーフロー孔36の燃料タンクT内との連通を遮断するようになっている。
仕切り部材26は,給油口筒20内を,通気孔22が開口する環状の外側室33と,この外側室33に囲繞されると共に,外側室33の上部まで広がる有底円筒状の内側室32との区画するもので,その外側室33及び内側室32間を連通する小孔31がフランジ部29に設けられ,また内側室32を燃料タンクTの上部空間3に開口する通孔30が円筒部28の底壁28aに設けられ,前記多孔質部材27は,その通孔を覆うようにして内側室32に充填される。また底壁28aには,通孔30を囲むようにしてへ突出する筒状の波除34が連設される。
而して,通気孔22と燃料タンクT内の上部空間3とは,外側室33,小孔31,内側室32,多孔質部材27及び通孔30を介して相互に連通し,燃料タンクT内の呼吸を可能にする。一方,燃料タンクT内の燃料が波立ちにより内側室32に浸入しても,波除34により通孔30への浸入を防ぐことができる。若し,その燃料が通孔30を通過して上部室35に浸入したときは,その燃料は多孔質部材27により吸収され,多孔質部材27の吸液能が飽和状態になれば,摺鉢状の底壁28aに沿って通孔30へ流れ,燃料タンクT内に戻ることができる。したがって,燃料タンクT内の燃料が外側の小孔31を通って外側室33に達することはなく,したがって通気孔22への燃料浸入を防ぐことができる。
しかも仕切り部材26は,上下一対のシールリップ28b,28cによりオーバーフロー孔36を閉じて,オーバーフロー孔36と燃料タンクT内との連通を遮断するので,燃料タンクT内で燃料の波立ちが起きても,その燃料のオーバーフロー孔36への流出を防ぐことができる。
タンクキャップ21の天井壁には,前記通孔30及び多孔質部材27を貫通するストラップ38が接続され,このストラップ38の下端には,給油口筒20を容易には通過し得ない外れ止め39が付設されている。したがって,タンクキャップ21を給油口筒20から外した場合,外れ止め39が給油口筒20の下端に引っ掛かって,タンクキャップ21の脱落を防ぐことができる。
さて,前記複合制御弁Vについて図5により説明する。
複合制御弁Vの弁ハウジング40は,第1ブロック40a,第2ブロック40b及び第3ブロック40cを順次重ね,接合して構成される。その際,第1ブロック40a及び第2ブロック40b間に第1ダイヤフラム41の外周縁部が,また第2ブロック40b及び第3ブロック40c間に第2ダイヤフラム42の外周縁部がそれぞれ挟持される。そして,第1ブロック40a及び第1ダイヤフラム41間には大気室43が,また第1ダイヤフラム41及び第2ブロック40b間には第1負圧作動室44が,第2ブロック40b及び第2ダイヤフラム42間には第2負圧作動室45がそれぞれ画成される。また第2ダイヤフラム42及び第3ブロック40c間には燃料室46がそれぞれ画成される。
第1ブロック40aの一側には大気入口管47が一体に形成され,これに,フィルタ48付きの大気入口管47が接続され,大気室43が常時,大気圧に保たれるようになっている。また第1ブロック40aの他側壁には,内端を大気室43に開口する大気導入管49が一体に形成され,この大気導入管49の外端には,前記外側エアベント管24の他端が接続される。
大気導入管49の内端部は,大気室43側に突出する第1弁座51に形成され,この第1弁座51と協働して大気導入管49を開閉する第1弁体52が第1ダイヤフラム41の中心部に形成され,この第1弁体52を第1弁座51側に付勢する第1戻しばね53が第1ダイヤフラム41及び第2ブロック40b間に縮設される。上記第1弁体52及び第1弁座51により,大気導入管49を開閉する第1制御弁50が構成される。
第1ブロック40a及び大気導入管49間の隔壁には,燃料タンクT内が所定圧力以下に減圧したときのみ開弁して,大気室43から大気導入管49への空気の流れを許容するリリーフ弁54が設けられる。
第2ブロック40bには,第1負圧作動室44に連通する負圧導入管55が連結され,この負圧導入管55と,エンジンEのクランクケース1に形成されて,そのクランク室1aに通ずる負圧取り出し管56とが負圧導管57により接続される。
図5及び図9に示すように,第2ブロック40b及び負圧導入管55の連結部にはチェック弁65が設けられる。このチェック弁65は,第2ブロック40b及び負圧導入管55間に挟持される弁座板66及び弾性弁板67からなっている。弁板67は,弁座板66の,負圧導入管55側に配置されて,弁座板66の前後の圧力差に応じて弁座板66の弁孔66aを開閉する。したがって,チェック弁65,負圧導入管55から第1負圧作動室44への負圧の伝達のみを許容する。即ち,負圧導入管55側の圧力が第1負圧作動室44側より低いとき開弁し,負圧導入管55側の圧力が第1負圧作動室44側より高いとき閉弁する。上記弁座板66には,弁板67の開閉動作に関係なく,負圧導入管55及び第1負圧作動室44間を常時連通する絞り孔68が穿設される。この絞り孔68は,弁板67の弁孔66aに臨む部分に設けることもできる。
第2ブロック40bには,第1及び第2負圧作動室44,45間を連通するオリフィス58が穿設される。
第3ブロック40cには燃料導入管70が一体に形成され,この燃料導入管70には,燃料タンクT内の底部(図4参照)に連なる燃料導管71が接続される。また第3ブロック40cには,前記フロート室体12の燃料入口16に接続される燃料出口72が設けられる。
上記燃料導入管70の,燃料室46に開口する内端は,燃料室46側に突出する第2弁座61に形成され,この第2弁座61と協働して燃料導入管70を開閉する第2弁体62が第2ダイヤフラム42の中心部に形成され,この第2弁体62を第2弁座61との着座方向に付勢する第2戻しばね63が縮設される。この第2戻しばね63のセット荷重は,第1戻しばね53のそれより大きく設定される。上記第2弁体62及び第2弁座61により,燃料導入管70を開閉する第2制御弁60が構成される。
この複合制御弁Vの作用について説明する。
〔エンジンEの運転停止時(図5参照)〕
エンジンEの運転停止状態では,クランク室1aは大気圧状態となるから,クランク室1aに絞り孔68を介して連通する第1及び第2負圧作動室44,45も大気圧となる。その結果,第1及び第2ダイヤフラム41,42は,第1及び第2戻しばね63,63のセット荷重により第1及び第2弁座51,61側にそれぞれ付勢され,第1及び第2弁体52,62が第1及び第2弁座51,61にそれぞれ着座し,即ち第1及び第2制御弁50,60が共に閉弁して,大気導入管49及び燃料導入管70をそれぞれ遮断する。
一方,燃料タンクT内が略大気圧状態にあれば,第1弁体52の第1弁座51への着座を阻害しないと共に,常閉型のリリーフ弁54が閉弁して,大気導入管49及び大気室43間の連通を遮断している。
こうして,大気導入管49及び燃料導入管70が遮断されると,燃料タンクTから気化器Cへの燃料の無用な流下を防ぐと共に,燃料タンクT内で発生した蒸発燃料の大気への放出を防ぐことができる。
また給油口筒20の内壁に開口するオーバーフロー孔36は,タンクキャップ21に装着された仕切り部材26の一対のシールリップ28b,28cにより閉鎖状態に保持されるので,燃料タンクT内で発生した蒸発燃料がオーバーフロー孔36及びオーバーフロー管37を通して大気へ放出することをも防ぐことができる。
〔燃料タンクT内の昇圧時(図6参照)〕
上記のようにエンジンEが運転停止状態にあるとき,燃料タンクTが太陽熱等により加熱され,その内圧が所定値以上に上昇すると,その圧力により第1弁体52が第1戻しばね53のセット荷重に抗して第1弁座51から離座し,即ち第1制御弁50が開弁して,大気導入管49を大気室43に開放するので,燃料タンクT内の圧力の過度の増加分が大気に解放されることになり,内部の過度の昇圧による燃料タンクTの膨張変形を防ぐことができる。
〔燃料タンクT内の減圧時(図7参照)〕
例えば寒冷地において,エンジンEが運転停止状態にあって,燃料タンクTが外気により冷却され,その内部の圧力が所定値以下に低下したすると,リリーフ弁54がその前後の圧力差により開弁して,大気室43から大気導入管49への空気の流れを許容するので,燃料タンクT内に大気が補充され,内部の過度の減圧により燃料タンクTの収縮変形を防ぐことができる。
〔エンジンEの運転時(図8参照)〕
エンジンEの運転中は,ピストンの往復運動に伴いクランク室1aにおいて正圧と負圧を交互に繰り返す強力な圧力脈動が起こり,それが負圧導管57及び負圧導入管55を通してチェック弁65へと伝達する。そのチェック弁65は,正圧の伝達時には閉じ,負圧伝達時に開くので,結局,負圧のみがチェック弁65を通過して先ず第1負圧作動室44に伝達し,次いで通孔58を経て第2負圧作動室45へと伝達し,第1及び第2負圧作動室44,45を,気化器Cのスロットル弁15の開度変化等に影響されることなく,等しく安定した高い負圧状態に保つことができる。
尚,この場合,絞り孔68を通して,第1及び第2負圧作動室44,45からクランク室1a側へリークする負圧が存在するが,その負圧のリーク量は,クランク室1aから第1及び第2負圧作動室44,45に導入される負圧に比して極めて少ないので,無視することができる。
こうして第1負圧作動室44が所定の負圧状態になると,第1ダイヤフラム41が第1戻しばね53のセット荷重に抗して第1負圧作動室44側に引かれて第1弁体52を第1弁座51から離座させ,即ち第1制御弁50が開弁して大気導入管49を開放するので,燃料タンクT内の上部空間3は外気を自由に呼吸し得る状態となり,また第2負圧作動室45が所定の負圧状態になると,第2ダイヤフラム42が第2戻しばね63のセット荷重に抗して第2負圧作動室45側に引かれて第2弁体62を第2弁座61から離座させ,即ち第2制御弁60が開弁して燃料導入管70を開放するので,燃料タンクT内の燃料は,燃料導管71,燃料導入管70及び燃料室46を通して,気化器Cのフロート室12aに供給される。
ところで,エンジンEの始動時には,クランク室1aからの負圧が最初に第1負圧作動室44に伝達され,次いで第1負圧作動室44からオリフィス58を介して第2負圧作動室45に伝達されること,並びに第1戻しばね53のセット荷重が第2戻しばね63のそれより小さく設定されていることにより,第1ダイヤフラム41が先ず第1制御弁50を開弁して大気導入管49を開通し,その後で第2ダイヤフラム42が第2制御弁60を開弁して燃料導入管70を開通するので,エンジンEの運転停止中に,第1制御弁50の閉弁により燃料タンクT内に多少とも残留していた正圧又は負圧を,先ず大気に解放した後,気化器Cへの燃料供給を開始することになり,燃料タンクT内の残圧による燃料過剰供給又は供給不足を防いで,エンジンEの良好な始動性を確保することができる。
大気導入管49及び燃料導入管70の開通タイミングを上記のように制御するために,この実施例では,
(1) 負圧導入管55を第1負圧作動室44に連通すると共に,第1及び第2負圧作動室44,45間をオリフィス58を介して相互に連通すること。
(2) 第1弁体52を閉じ方向に付勢する第1戻しばね53のセット荷重を,第2弁体62を閉じ方向に付勢する第2戻しばね63のセット荷重より小さく設定すること。
上記(1) 及び(2) の両方を採用しているが,その何れか一方のみの採用でも上記のタイミング制御は可能である。尚,(2) のみの採用時には,第1及び第2負圧作動室44,45は,それらを区画することなく,一つの負圧作動室に構成される。
ところで,上記のように燃料タンクTのエアベント系の開閉と,燃料タンクTから気化器Cへの燃料供給系の開閉とを制御する複合制御弁Vは,単一の弁ハウジング40と,その内部に設けられる第1及び第2ダイヤフラム41,42,並びに第1及び第2制御弁50,60とで構成されるので,この構成は簡単であり,比較的安価に提供することができる。しかも,第1及び第2ダイヤフラム42は,第1及び第2負圧作動室44,45を挟んで対向配置されるので,複合制御弁Vのコンパクト化を図ることができる。
また第2ブロック40b及び負圧導入管55の嵌合連結部にチェック弁65が挟持されるので,チェック弁65も複合制御弁Vに組み込まれることになり,エンジンの燃料供給制御装置の一層の簡素化を図ることができ,しかもチェック弁65の組み付け性が良好となる。
次に,図2,図10及び図11において,前記負圧導管57の上流端には,前記負圧取り出し管56の内周面に嵌合する接続筒57aが一体に形成されており,これら負圧取り出し管56及び接続筒57aは通常,水平位置に保たれる。接続筒57aには,エンジンEの運搬時や格納時,エンジンEの如何なる姿勢においても,クランク室1aから負圧導管57への潤滑オイルの流出を防ぐオイル流出防止手段80が設けられる。
このオイル流出防止手段80は,負圧導管57の内周面に嵌合固定されて接続筒57aの中心部に配置され,両端を開放した内筒81と,この内筒81及び接続筒57a間に同心状に配置される外筒82とからなっている。外筒82は,内筒81の先端に間隔を開けて対向する端壁82aを有しており,その端壁82aの外面から外筒82の外周面にかけて十字状若しくは放射状のリブ83が形成され,このリブ83が,接続筒57aの開口端部内周の内向き肩部87に係合することで,外筒82は接続筒57aの底部に保持される。また上記リブ83が接続筒57aの内周面に当接することで接続筒57a及び外筒82間に外側通気間隙84が画成される。また外筒82及び内筒81間にも,内筒81内に連通する内側通気間隙85が画成される。さらに外筒82の先端には,上記両通気間隙84,85間を連通する複数の切欠き86が設けられる。
而して,エンジンEの運転中は,図11(A)に示すように,通常,負圧取り出し管56は略水平に保たれおり,クランク室1aと負圧導管57との間は,接続筒57a,外筒82及び内筒81の各間の通気間隙84,85及び切欠き86を通して連通され,圧力脈動の負圧導管57への伝達を可能にする。この状態では,クランク室1a内の潤滑オイルOのミストが多少とも両通気間隙84,85の下部に浸入して溜まった場合でも,それによってクランク室1aと負圧導管57との連通が遮断されることはない。
エンジンEの運搬時や格納時に,エンジンEを一定角度以上に傾けると,図11(B)及び(C)に示すように,負圧取り出し管56も傾き,若しくは逆さになり,クランク室1a内の潤滑オイルOが接続筒57a内に流入して,外側通気間隙84を埋め,更に内側通気間隙85の下部を埋めると,そのオイルにより内筒81とクランク室1aとの連通が断たれ,しかも内筒81が負圧導管57を介して連通する第1及び第2負圧作動室44,45は,大気とは遮断された密閉室であるから,負圧導管57内では空気は動かず,したがって内側通気間隙85の下部を埋めたオイルは内筒81の上端開口部までは上昇し得ず,内筒81及び負圧導管57へのオイルの流出を防ぐことができる。
しかも内筒81及び外筒82からなるオイル流出防止手段80は構造が簡単で安価に得ることができる。
本発明は上記実施例に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
本発明の実施例に係る,燃料タンク付きバーチカル型エンジンの側面図 図1中の気化器周辺部の平面図 図2の3−3線断面図 図1中の燃料タンクの要部拡大縦断面図 図3中の複合制御弁の拡大縦断面図(エンジン運転停止状態で示す。) 複合制御弁の,燃料タンク内昇圧時の作用説明図 複合制御弁の,燃料タンク内減圧時の作用説明図 複合制御弁の,エンジン運転時の作用説明図 図5の9−9線断面図 図2の10−10線断面図 図2中のオイル流出防止手段の作用説明図 燃料タンクへの過剰給油時における燃料のオーバーフロー作用説明図
符号の説明
E・・・・・・・エンジン
F・・・・・・・燃料
T・・・・・・・燃料タンク
20・・・・・・給油口筒
21・・・・・・タンクキャップ
22・・・・・・通気孔(エアベント通路)
23・・・・・・内側エアベント管(エアベント通路)
24・・・・・・外側エアベント管(エアベント通路)
36・・・・・・オーバーフロー孔(オーバーフロー通路)
37・・・・・・オーバーフロー管(オーバーフロー通路)

Claims (1)

  1. エンジン用燃料タンク(T)の,タンクキャップ(21)により密閉される給油口筒(20)の内壁に,燃料タンク(T)を下方へ貫通して大気に連通するエアベント通路(22〜24)の上端を開口させた,エンジン用燃料タンクのエアベント装置において,
    前記給油口筒(20)の内壁の,前記エアベント通路(22〜24)の上端開口部より低い位置に,燃料タンク(T)の下方に延びるオーバーフロー通路(36,37)の上端を開口させると共に,前記タンクキャップ(21)の装着時に,前記オーバーフロー通路(36,37)の上端を前記タンクキャップ(21)で閉塞するようにしたことを特徴とする,エンジン用燃料タンクのエアベント装置。
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