JP5112044B2 - カーボンナノチューブ製造装置 - Google Patents
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Description
アーク放電法は、正負のグラファイト電極間にアーク放電を起こすことでグラファイトが蒸発し、陰極先端に凝縮したカーボンの堆積物の中にカーボンナノチューブ(以下、CNTと呼ぶ)が生成される方法(特許文献1)である。レーザー蒸着法は、高温に過熱した不活性ガス中に金属触媒を混合したグラファイト試料を入れ、レーザー照射することによりCNTを生成する方法(特許文献2)である。
前記基板法は図10に示すように行なわれる。図中の符番1は、外側に電気ヒータ2を配置した反応炉としての反応管である。この反応管1内には、触媒担持基板3に担持された触媒4が配置されている。こうした反応管1を用いてCNTを生成するときは、反応管1を加熱しながら原料(炭化水素)5を反応管内に流通させ、反応管内の触媒4上でCNT6を成長させる。反応後のガスは、排ガスとして反応管1から排出される。なお、符番7は炭化水素ガスを示す。
前記流動気相法は、図11に示すように、反応管1の一端側から原料5とともにキャリアガス8を供給することにより、CNT6を成長させる。
しかし、いずれのCNTを製造する装置においても、生成したCNTには触媒用金属粉が付着、混入しており、この為CNTの純度が落ち、その特性が十分発揮できないという問題がある。
(1) 本発明のカーボンナノチューブ製造装置は、上述したように、還元雰囲気の高温炉内に複数の同一径の円盤状基板からなる円盤状基板群をその中心穴に串刺し固定状態で配置し、串刺し固定状態の複数の円盤状基板群の中心軸を両端保持の状態で回転させ、各円盤状基板表面に炭化水素を連続的に均一に噴霧することにより各円盤状基板上で反応させ、カーボンナノチューブを成長させることによりカーボンナノチューブを連続的に製造するものである。
こうしたハードディスクを用いれば、新たに円盤状基板を製作する必要がなく、特に廃ハードディスクを利用すると、今後益々多く排出される不要となった電子機器の材料廃材を高機能カーボンであるCNTを製造するのに有効に再活用することが可能となる。また、ハードディスク或いは廃ハードディスクの製品規格はほぼ統一であるので、常に安定した純度および安定性の高い高機能のCNTを低コストで効率よく量産することができる。
(実施例1)
本発明の実施例1に係るカーボンナノチューブ(CNT)製造装置について図1(A),(B)を参照して説明する。ここで、図1(A)は同製造装置の概略的な側面図、図1(B)は図1(A)のX矢視図である。
本発明の実施例2に係るCNT製造装置について図2(A),(B)を参照して説明する。ここで、図2(A)は同製造装置の概略的な側面図、図2(B)は図2(A)のX矢視図である。但し、図1と同部材は同符番を付して説明を省略する。
本発明の実施例3に係るCNT製造装置について図3(A),(B)を参照して説明する。ここで、図3(A)は同生成炉の概略的な側面図、図3(B)はX矢視図である。但し、図1,図2と同部材は同符番を付して説明を省略する。
本発明の実施例4に係るCNT製造装置について図4(A),(B)を参照して説明する。ここで、図4(A)は同製造装置の概略的な側面図、図4(B)はX矢視図である。但し、図1,図2と同部材は同符番を付して説明を省略する。
本発明の実施例5に係るCNT製造装置について図5(A),(B)を参照して説明する。ここで、図5(A)は同製造装置の概略的な側面図、図5(B)はX矢視図である。但し、図1,図2,図4と同部材は同符番を付して説明を省略する。
本発明の実施例6に係るCNT製造装置について図6(A),(B)を参照して説明する。ここで、図6(A)は同製造装置の概略的な側面図、図6(B)は図6(A)のX矢視図である。但し、図1,図2,図4と同部材は同符番を付して説明を省略する。
各円盤状基板13上では基板13を構成する触媒粒子が核となり炭化水素だけでなく水蒸気も噴霧され高温状態で反応することで、炭化水素だけ噴霧され高温状態で反応する場合よりも、気相成長法によりより効率的にCNTが生成,成長する。円盤状基板群14は回転しており、各円盤状基板表面は均一に加熱されるとともに、炭化水素と水蒸気が均一に噴霧されることで、各円盤状基板表面で斑なく均一にCNTが生成,成長できる。これにより、CNTを連続的に製造することができる。事実、炭化水素のみを噴霧する場合に比べて実施例6のように炭化水素及び水蒸気を噴霧する場合、2〜5割程度CNTの生成率が上昇することが確認できた。
本発明の実施例7に係るCNT製造装置について図7(A),(B)を参照して説明する。ここで、図7(A)は同製造装置の一部断面を含む概略的な側面図、図7(B)は図7(A)のX矢視図である。但し、図1,図2,図4,図6と同部材は同符番を付して説明を省略する。
即ち、CNT生成効率が低下してきた時点で、高温炉11の運転を停止し、高温炉内の温度を下げ、高温炉内を開放し、円盤状基板群14を固定状態のまま高温炉11から取外し、新たな円盤状基板群をまた固定状態のまま高温炉に取換えることができる。
本発明の実施例8に係るCNT製造装置について図8(A),(B)を参照して説明する。ここで、図8(A)は同生成炉の一部断面を含む概略的な側面図、図8(B)は図8(A)のX矢視図である。但し、図1,図2,図4,図6,図7と同部材は同符番を付して説明を省略する。
本発明の実施例9に係るCNT製造装置について図9(A),(B)を参照して説明する。ここで、図9(A)は同製造装置の一部断面を含む概略的な側面図、図9(B)は図9(A)のX矢視図である。但し、図1,図2,図4,図6,図7,図8と同部材は同符番を付して説明を省略する。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]還元雰囲気の高温炉内に複数の同一径の円盤状基板からなる円盤状基板群をその中心穴に串刺し固定状態で配置し、串刺し固定状態の複数の円盤状基板群の中心軸を両端保持の状態で回転させ、各円盤状基板表面に炭化水素を連続的に均一に噴霧することにより各円盤状基板上で反応させ、カーボンナノチューブを成長させることによりカーボンナノチューブを連続的に製造することを特徴とするカーボンナノチューブ製造装置。
[2]回転する串刺し固定状態の複数の同一径の円盤状基板群の各円盤状基板表面を掻き取る掻き取り機構を高温炉内に設け、回転する各円盤状基板表面で反応させ、成長したカーボンナノチューブを掻き取ることにより高機能カーボンナノチューブを連続的に製造することを特徴とする[1]に記載のカーボンナノチューブ製造装置。
[3]高温炉内の温度は、炭化水素を連続的に均一に噴霧する状態で500〜800℃の範囲に設定することを特徴とする[1]若しくは[2]に記載のカーボンナノチューブ製造装置。
[4]還元雰囲気の高温炉内の各円盤状基板表面に噴霧する炭化水素は加熱したガス状態とし、高温炉内の温度を下げずに均一に噴霧することを特徴とする[1]至及[3]のいずれかに記載のカーボンナノチューブ製造装置。
[5]還元雰囲気の高温炉内の各円盤状基板表面に炭化水素及び水素を噴霧することにより各円盤状基板表面を活性化させることを特徴とする[1]至及[4]のいずれかに記載のカーボンナノチューブ製造装置。
[6]還元雰囲気の高温炉内の各円盤状基板表面に炭化水素及び水蒸気を噴霧することにより各円盤状基板表面を活性化させることを特徴とする[1]乃至[4]のいずれかに記載のカーボンナノチューブ製造装置。
[7]高温炉内に内蔵する中心軸に串刺し固定状態で配置する複数の同一径の円盤状基板群は、中心軸に串刺し固定状態のまま高温炉に取付け、取外しできる構造とし、高温炉内の温度を下げた状態で別の複数の円盤状基板群に交換できるようにしたことを特徴とする[1]乃至[6]のいずれかに記載のカーボンナノチューブ製造装置。
[8]還元雰囲気の高温炉内の下部にはカーボンナノチューブ排出用の上下2段のダブルダンパーを設置し、高温炉内の温度が一定で還元雰囲気にしたままカーボンナノチューブを高温炉外に払い落とすことができる構成であることを特徴とする[1]乃至[7]のいずれかに記載のカーボンナノチューブ製造装置。
[9]円盤状基板はハードディスク若しくは廃ハードディスクであることを特徴とする[1]乃至[8]のいずれかに記載のカーボンナノチューブ製造装置。
Claims (8)
- 還元雰囲気の高温炉と、
この高温炉内に配置されるとともに,金属触媒粒子を含有する複数の同一径の円盤状基板を串刺しして固定する回転可能な中心軸と、
前記高温炉の外周側に配置され,複数の前記円盤状基板を加熱するための高温加熱ジャケットと、
前記高温炉内に配置され,前記円盤状基板の両面に炭化水素を噴霧する複数の炭化水素噴射ノズルとを具備し、
前記中心軸を両端保持の状態で回転させ、各円盤状基板の表面に前記炭化水素噴射ノズルから炭化水素を連続的に均一に噴霧することにより各円盤状基板上で該円盤状基板の金属触媒粒子と反応させてカーボンナノチューブを成長させ、カーボンナノチューブを製造することを特徴とするカーボンナノチューブ製造装置。 - 回転する串刺し固定状態の複数の同一径の円盤状基板表面のカーボンナノチューブを掻き取る掻き取り機構を高温炉内に設け、回転する各円盤状基板表面で反応させ、成長したカーボンナノチューブを掻き取ることにより高機能カーボンナノチューブを連続的に製造することを特徴とするカーボンナノチューブ製造装置。
- 高温炉内の温度は、炭化水素を連続的に均一に噴霧する状態で500〜800℃の範囲に設定することを特徴とする請求項1若しくは2に記載のカーボンナノチューブ製造装置。
- 還元雰囲気の高温炉内の各円盤状基板表面に噴霧する炭化水素は加熱したガス状態とし、高温炉内の温度を下げずに均一に噴霧することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のカーボンナノチューブ製造装置。
- 還元雰囲気の高温炉内の各円盤状基板表面に炭化水素及び水素を噴霧することにより各円盤状基板表面を活性化させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のカーボンナノチューブ製造装置。
- 還元雰囲気の高温炉内の各円盤状基板表面に炭化水素及び水蒸気を噴霧することにより各円盤状基板表面を活性化させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のカーボンナノチューブ製造装置。
- さらに、前記高温炉の下部にカーボンナノチューブ排出ノズルを設けるとともに、このカーボンナノチューブ排出ノズルの下部にカーボンナノチューブ排出用の上下2段のダブルダンパーを設置し、高温炉内の温度が一定で還元雰囲気にしたままカーボンナノチューブを高温炉外に払い落とすようにしたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のカーボンナノチューブ製造装置。
- 円盤状基板はハードディスク若しくは廃ハードディスクであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のカーボンナノチューブ製造装置。
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