JP5112044B2 - カーボンナノチューブ製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、純度および安定性の高い高機能で繊維状のカーボンナノチューブを低コストで効率よく量産することができるカーボンナノチューブ製造装置に関する。
カーボンナノチューブの生成法には、例えばアーク放電法、レーザー蒸着法、化学気相成長法が挙げられる。
アーク放電法は、正負のグラファイト電極間にアーク放電を起こすことでグラファイトが蒸発し、陰極先端に凝縮したカーボンの堆積物の中にカーボンナノチューブ(以下、CNTと呼ぶ)が生成される方法(特許文献1)である。レーザー蒸着法は、高温に過熱した不活性ガス中に金属触媒を混合したグラファイト試料を入れ、レーザー照射することによりCNTを生成する方法(特許文献2)である。
CVD法には、反応炉の中に入れた基板にCNTを生成させる気相成長基板法(特許文献3)と、触媒金属と炭素源を一緒に高温の炉に流動させCNTを生成する流動気相法(特許文献4)の二つの方法がある。
前記基板法は図10に示すように行なわれる。図中の符番1は、外側に電気ヒータ2を配置した反応炉としての反応管である。この反応管1内には、触媒担持基板3に担持された触媒4が配置されている。こうした反応管1を用いてCNTを生成するときは、反応管1を加熱しながら原料(炭化水素)5を反応管内に流通させ、反応管内の触媒4上でCNT6を成長させる。反応後のガスは、排ガスとして反応管1から排出される。なお、符番7は炭化水素ガスを示す。
前記流動気相法は、図11に示すように、反応管1の一端側から原料5とともにキャリアガス8を供給することにより、CNT6を成長させる。
一般に、アーク放電法やレーザー蒸発法では結晶性の良いCNTが生成できるが、生成するCNTの量が少なく大量生成が難しいとされる。一方、気相成長基板法はバッジ処理であるので大量生産が難しい。また、流動気相法は温度の均一性が低く結晶性の良いCNTを生成するのが難しいとされている。さらに、流動気相法の発展型として、高温炉の中に、触媒兼用流動材で流動層を形成し、炭素原料を供給して繊維状のナノカーボンを生成する方法も提案されているが、炉内の温度の均一性が低く結晶性の良いCNTを生成するのが難しいと考えられる。
純度および安定性の高いCNTを低コストで効率よく量産することができるようになれば、CNTの特性を生かしたナノテクノロジー製品を低コストで大量に供給することが可能になる。
しかし、いずれのCNTを製造する装置においても、生成したCNTには触媒用金属粉が付着、混入しており、この為CNTの純度が落ち、その特性が十分発揮できないという問題がある。
特開2000−95509号公報 特開平10−273308号公報 特開2000−86217号公報 特開2003−342840号公報
本発明はこうした事情を考慮してなされたもので、炉内の温度が十分に均一になり、滞留時間も容易にコントロールして、純度および安定性の高い高機能のカーボンナノチューブを低コストで効率よく量産するカーボンナノチューブ製造装置を提供することを目的とする。
本発明に係るカーボンナノチューブ製造装置は、還元雰囲気の高温炉と、この高温炉内に配置されるとともに,金属触媒粒子を含有する複数の同一径の円盤状基板を串刺しして固定する回転可能な中心軸と、前記高温炉の外周側に配置され,複数の前記円盤状基板を加熱するための高温加熱ジャケットと、前記高温炉内に配置され,前記円盤状基板の両面に炭化水素を噴霧する複数の炭化水素噴射ノズルとを具備し、前記中心軸を両端保持の状態で回転させ、各円盤状基板の表面に前記炭化水素噴射ノズルから炭化水素を連続的に均一に噴霧することにより各円盤状基板上で該円盤状基板の金属触媒粒子と反応させてカーボンナノチューブを成長させ、カーボンナノチューブを製造することを特徴とする。
本発明によれば、炉内の温度が十分に均一になり、滞留時間も容易にコントロールできるので、純度および安定性の高い高機能のカーボンナノチューブを低コストで効率よく量産することができる。
以下、本発明のカーボンナノチューブ製造装置について更に詳しく説明する。
(1) 本発明のカーボンナノチューブ製造装置は、上述したように、還元雰囲気の高温炉内に複数の同一径の円盤状基板からなる円盤状基板群をその中心穴に串刺し固定状態で配置し、串刺し固定状態の複数の円盤状基板群の中心軸を両端保持の状態で回転させ、各円盤状基板表面に炭化水素を連続的に均一に噴霧することにより各円盤状基板上で反応させ、カーボンナノチューブを成長させることによりカーボンナノチューブを連続的に製造するものである。
(2) 上記(1)の発明において、前記円盤状基板群の各円盤状基板表面を掻き取る掻き取り機構を高温炉内に設け、回転する各円盤状基板表面で反応させ、成長したカーボンナノチューブを掻き取ることにより高機能カーボンナノチューブを連続的に製造することが好ましい。掻き取り機構は、回転する各円盤状基板の下側の両面に例えば板状に密着して設置されて、円盤状基板の両面に成長するカーボンナノチューブを一定速度で掻き取るようになっている。これにより、カーボンナノチューブ(CNT)を安定的に生成、回収することができる。
(3) 上記(1)又は(2)の発明において、高温炉内の温度は、炭化水素を連続的に均一に噴霧する状態で500〜800℃の範囲に設定することが好ましい。高温炉内の温度は高くすればカーボンナノチューブ(CNT)ができやすいが、エネルギー効率の点から温度は800℃を上限値とするのが好ましい。また、500℃未満ではCNTの生成が十分でないので、500℃を下限値とするのが好ましい。
(4) 上記(1)〜(3)の発明において、還元雰囲気の高温炉内の各円盤状基板表面に噴霧する炭化水素を加熱したガス状態とし、高温炉内の温度を下げずに均一に噴霧すること好ましい。ここで、炭化水素を加熱したガス状態で高温炉内に供給するには、例えば高温炉の外側の高温加熱ジャケット中に炭化水素供給配管を長い距離分配置したり、あるいは前記ジャケットに炭化水素用配管を巻きつけ、この配管中を炭化水素を通すことにより実現できる。こうした構成により、高温炉の加熱温度を下げることができ、CNT生成効率を高めた状態でCNTを連続的にかつ安定的に生成、回収することができる。
(5) 上記(1)〜(4)の発明において、還元雰囲気の高温炉内の各円盤状基板表面に炭化水素及び水素を噴霧することにより各円盤状基板表面を活性化させることが好ましい。このように、基板表面に炭化水素とともに水素を噴霧することにより、炭化水素だけ噴霧され高温状態で反応する場合よりも気相成長法により、より効率的にCNTを生成、成長することができる。
(6) 上記(1)〜(4)の発明において、還元雰囲気の高温炉内の各円盤状基板表面に炭化水素及び水蒸気を噴霧することにより各円盤状基板表面を活性化させることが好ましい。このように、基板表面に炭化水素とともに水蒸気を噴霧することにより、炭化水素だけ噴霧され高温状態で反応する場合よりも気相成長法により、より効率的にCNTを生成、成長することができる。
(7) 上記(1)〜(6)の発明において、高温炉内に内蔵する中心穴に串刺し固定状態で配置する複数の同一径の円盤状基板群は、中心穴に串刺し固定状態のまま高温炉に取付け、取外しできる構造とし、高温炉内の温度を下げた状態で別の複数の円盤状基板群に交換できるようにしたことが好ましい。こうした構成により、CNT生成効率が低下してきた時点で、高温炉の運転を停止し、高温炉内の温度を下げ、高温炉内を開放した後、円盤状基板群を固定状態のまま高温炉から取外し、新たな円盤状基板群をまた固定状態のまま高温炉に取換えることができる。
(8) 上記(1)〜(7)の発明において、還元雰囲気の高温炉内の下部にはカーボンナノチューブ排出用の上下2段のダブルダンパーを設置し、高温炉内の温度が一定で還元雰囲気にしたままCNTを高温炉外に払い落とすことができる構成であることが好ましい。こうした構成により、CNT払出しを安定的に確実に行うことができるコンパクトなCNT生成装置が得られる。
(9) 上記(1)〜(8)の発明において、円盤状基板はハードディスク若しくは廃ハードディスクであることが好ましい。
こうしたハードディスクを用いれば、新たに円盤状基板を製作する必要がなく、特に廃ハードディスクを利用すると、今後益々多く排出される不要となった電子機器の材料廃材を高機能カーボンであるCNTを製造するのに有効に再活用することが可能となる。また、ハードディスク或いは廃ハードディスクの製品規格はほぼ統一であるので、常に安定した純度および安定性の高い高機能のCNTを低コストで効率よく量産することができる。
次に、本発明の具体的な実施例を、図面を参照して説明する。なお、本実施例は下記に述べることに限定されない。
(実施例1)
本発明の実施例1に係るカーボンナノチューブ(CNT)製造装置について図1(A),(B)を参照して説明する。ここで、図1(A)は同製造装置の概略的な側面図、図1(B)は図1(A)のX矢視図である。
図中の符番11は、還元雰囲気のカーボンナノチューブ生成炉(高温炉)を示す。この高温炉11の軸方向には回転可能な中心軸12が配置され、この中心軸12に複数の同一径の円盤状基板13の中心穴13aを貫通するように串刺しされて固定されている。以下、これら複数の円盤状基板13を総称して円盤状基板群14と呼ぶ。高温炉11の外周側には、高温加熱ジャケット15が配置されている。高温炉11の下部側には、生成したCNTを排出するためのカーボンナノチューブ排出ノズル16が設けられている。高温炉11の内側には炭化水素供給ヘッダー17が配置され、この炭化水素供給ヘッダー17に炭化水素供給配管18が接続されている。炭化水素供給ヘッダー17の下部には、各円盤状基板13の両面に炭化水素を連続的にかつ常時均一に噴霧できるように複数の炭化水素噴射ノズル19が設けられている。
なお、設計上、各炭化水素噴射ノズル19から噴霧する炭化水素の流量がCNTの生成に最適となるように、炭化水素の噴霧流量を制御する為に炭化水素ヘッダー17への炭化水素供給配管18に流量計、流量調整バルブを設置したりすることは適宜実施する。
一般に、CNTの生成の際には、例えばニッケル,鉄(Fe),アルミナ(Al),ステンレス,クロム(Cr)等のCNT生成の核となる触媒粒子が必要である。本方式によれば、円盤状基板13に金属触媒粒子を含有しており、円盤状基盤13自体を構成する金属触媒粒子がCNT生成の核となりCNTが成長する。なお、図1では図示しないが、CNT生成、成長を促進させる為に必要に応じて金属触媒粒子を導入する。金属触媒粒子を導入する際は、例えば高温炉に触媒導入管を連結し、この触媒導入管を介して高温炉内に触媒を供給するようにする。
上記実施例1に係るCNT製造装置は、図1に示すように、還元雰囲気の高温炉11内に複数の同一径の円盤状基板群14を基板13の中心穴13aに串刺しし固定状態で配置し、串刺し固定状態の複数の円盤状基板群14の中心軸12を両端保持の状態で回転させ、各円盤状基板表面に炭化水素を連続的に均一に噴霧するように構成されている。
従って、各円盤状基板13上では基板を構成する触媒粒子が核となり噴霧された炭化水素と高温状態で反応し、気相成長法によりCNTが生成,成長する。円盤状基板群14は回転しており、各円盤状基板表面は均一に加熱されるとともに、炭化水素も均一に噴霧されることで、各円盤状基板表面で斑なく均一にCNTが生成,成長できる。これにより、CNTを連続的に製造することができる。
なお、上記実施例1において、高温炉外部は高温加熱ジャケット15によって内部に設置されている円盤状基板群14の基板13が均一に加熱される構成になっている。ここで、高温炉外部からの加熱方法は排熱を利用した熱風ジャケットに限らず、加熱ヒータ等にすることにより、カーボンナノチューブ製造装置全体の効率を高めることができる。
(実施例2)
本発明の実施例2に係るCNT製造装置について図2(A),(B)を参照して説明する。ここで、図2(A)は同製造装置の概略的な側面図、図2(B)は図2(A)のX矢視図である。但し、図1と同部材は同符番を付して説明を省略する。
図中の符番21は、円盤状基板群14の各円盤状基板表面を掻き取るCNT掻き取りバー(掻き取り機構)であり、高温炉11内に配置されている。掻き取りバー21は、回転する各円盤状基板の両面下側に板状に密着して設置され、円盤状基板13の両面に成長するCNTを掻き取るようになっている。
図2の場合も、図1と同様に各円盤状基板表面に炭化水素を連続的に均一に噴霧できるように、各円盤状基板の上部に炭化水素ヘッダー17を設置し、炭化水素ヘッダー17に設置した炭化水素噴射ノズル19から各円盤状基板両面に炭化水素を連続的に噴霧できるようにしている。
各円盤状基板13上では該基板13を構成する触媒粒子が核となり、噴霧された炭化水素と高温状態で反応し、気相成長法によりCNTが生成,成長する。円盤状基板群14は回転しており、各円盤状基板13の表面は均一に加熱されるとともに、炭化水素も均一に噴霧されることで、各円盤状基板表面で斑なく均一にCNTが生成、成長できる。これにより、CNTを連続的に製造することができる。高温炉11では、高温加熱ジャケット15によって内部に設置されている円盤状基板群14が均一に加熱される構成になっている。
実施例2に係るCNT製造装置は、図2に示すように、還元雰囲気の高温炉11内に複数の同一径の円盤状基板群14を基板13の中心穴13aに串刺しし固定状態で配置し、串刺し固定状態の複数の円盤状基板群14の中心軸12を両端保持の状態で回転させて各円盤状基板表面に炭化水素を連続的に均一に噴霧するとともに、CNT掻き取りバー21により各円盤状基板13の両面に成長するCNTを掻き取るように構成されている。従って、以下に述べる効果を有する。
即ち、上述したように、CNT掻き取りバー21は、回転する各円盤状基板の両面下側に板状に密着して設置されて、各円盤状基板13の両面の成長するCNTを掻き取るようになっている。また、高温炉内で円盤状基板群14は均一の速度で回転しており、各円盤状基板13の表面両面の成長するCNTを一定速度で掻き取ることができる。従って、CNTを連続的に安定的に生成、回収することができる。
なお、CNTを掻き取る機構としては、ここに示すCNT掻き取りバーの方式に限らず、CNTが安定的に掻き取れる方式を設計することもできることは言うまでもない。また、掻き取りバーの形状も図示された形状のものに限定されない。
(実施例3)
本発明の実施例3に係るCNT製造装置について図3(A),(B)を参照して説明する。ここで、図3(A)は同生成炉の概略的な側面図、図3(B)はX矢視図である。但し、図1,図2と同部材は同符番を付して説明を省略する。
実施例3のCNT製造装置は、実施例2記載の発明に対し、高温炉内の円盤状基板表面温度を、炭化水素を連続的に均一に噴霧する状態で500〜800℃の範囲に設定するようにしたことを特徴とし、その他の構成部材は図2の場合と同様である。
基板表面温度を上記のように設定したのは、次の理由による。即ち、高温炉の温度をなるべく低くし、高温炉を備えたCNT製造装置全体の効率を高めることができるのが良い。しかし、本発明者らは、これまでの試験研究より、高温炉の温度を800℃以上に高めなくても、500〜800℃の範囲に設定することで、最も効率的にCNTが生成することを検証している。
各円盤状基板13には炭化水素が均一に噴霧される為、これにより各円盤状基板13の温度が下がる。しかし、加熱ヒータの設定温度を800〜900℃程度の高めに設定することで、常に各円盤状基板表面温度を500〜800℃の範囲に保持することができる。
実施例3に係るCNT製造装置は、図3に示すように、還元雰囲気の高温炉11内に複数の同一径の円盤状基板群14を基板13の中心穴13aに串刺しし固定状態で配置し、串刺し固定状態の複数の円盤状基板群14の中心軸12を両端保持の状態で回転させて各円盤状基板表面に炭化水素を連続的に均一に噴霧するとともに、CNT掻き取りバー21により各円盤状基板13の両面に成長するCNTを掻き取り、更に円盤状基板表面に炭化水素を連続的に均一に噴霧する状態で高温炉11の温度を500〜800℃の範囲に設定するように構成されている。従って、以下に述べる効果を有する。
即ち、高温炉内で円盤状基板群14は均一の速度で回転しており、その回転速度と炭化水素の噴霧量により各円盤状基板表面温度は変化する。しかし、回転速度や噴霧量をCNT生成に最適な条件に設定するとともに、常に高温炉11の温度を500〜800℃の範囲に保持できるように加熱ヒータの設定温度を設定することにより、CNTを連続的に安定的に生成,回収することができる。
(実施例4)
本発明の実施例4に係るCNT製造装置について図4(A),(B)を参照して説明する。ここで、図4(A)は同製造装置の概略的な側面図、図4(B)はX矢視図である。但し、図1,図2と同部材は同符番を付して説明を省略する。
実施例4のCNT製造装置は、実施例3記載の発明に対し、還元雰囲気の高温炉内の各円盤状基板表面に噴霧する炭化水素を加熱したガス状態で供給できるようにし、各円盤状基板表面の温度を下げずに均一に噴霧するようにしたことを特徴とし、その他の構成部材は図3の場合と同様である。具体的には、噴霧する炭化水素を加熱したガス状態で炭化水素ガス噴射ノズル19に供給できるように、炭化水素供給配管41を高温加熱ジャケット15内に意図的に長い距離分配置し、供給する炭化水素の温度を高めるようにした。
実施例4に係るCNT製造装置は、図4に示すように、還元雰囲気の高温炉11内に複数の同一径の円盤状基板群14を基板13の中心穴13aに串刺しし固定状態で配置し、串刺し固定状態の複数の円盤状基板群14の中心軸12を両端保持の状態で回転させて各円盤状基板表面に炭化水素を連続的に均一に噴霧するとともに、CNT掻き取りバー21により各円盤状基板13の両面に成長するCNTを掻き取り、更に炭化水素供給配管41を高温加熱ジャケット15内に長い距離分配置して加熱した炭化水素を円盤状基板表面に供給できるようにし、更には円盤状基板表面に炭化水素を連続的に均一に噴霧する状態で基板表面を500〜800℃の範囲に設定するように構成されている。従って、以下に述べる効果を有する。
即ち、実施例4では、還元雰囲気の高温炉内の各円盤状基板表面に噴霧する炭化水素は加熱したガス状態で供給できるように炭化水素供給配管41を介して高温加熱ジャケット15を長い距離分通過させことにより、高温加熱ジャケット15を通過する間に加熱されガス状態まで加熱し、各円盤状基板表面の温度を下げずに均一に噴霧するようにしている。
このように、各円盤状基板13に噴霧する炭化水素を予め加熱し、ガス状態として炭化水素ヘッダー17に設置した炭化水素噴射ノズル19から各円盤状基板表面に連続的に噴霧することにより、各円盤状基板13の温度が下がることなく、各円盤状基板表面でのCNT生成反応が促進され、CNTの生成速度が速まり、生成効率が高まるだけでなく、加熱ヒータの設定温度を低めに設定しても各円盤状基板表面温度を500〜800℃の範囲に保持することができる。従って、高温炉11の加熱温度を下げることができ、CNT生成効率を高めた状態でCNTを連続的に安定的に生成、回収することができる。
なお、実施例4では、炭化水素供給配管内を加熱したガス状態の炭化水素を炭化水素ガス噴射ノズル側に供給する場合について述べたが、これに限らず、液の状態の炭化水素を炭化水素ガス噴射ノズルに送り、噴霧時にガス状態であればよい。
(実施例5)
本発明の実施例5に係るCNT製造装置について図5(A),(B)を参照して説明する。ここで、図5(A)は同製造装置の概略的な側面図、図5(B)はX矢視図である。但し、図1,図2,図4と同部材は同符番を付して説明を省略する。
実施例5のCNT製造装置は、実施例2記載の発明に対し、還元雰囲気の高温炉内の各円盤状基板表面に加熱した状態の炭化水素を噴霧するだけでなく、水素も噴霧することで各円盤状基板表面を活性化させるようにしたことを特徴とする。ここで、水素の量は、炭化水素に対し1〜5%である。また、炭化水素供給配管41は図4のように高温加熱ジャケット内に長い距離分設置するのではなく、図示しない別な加熱源を通すことにより炭化水素供給配管41を通る炭化水素を加熱したガス状態にしている。図5中の符番51は水素供給配管、符番52はこの水素供給配管に接続された水素供給ヘッダー、符番53はこの水素供給ヘッダー52に設けられた水素ガス噴射ノズルを示す。
即ち、図5では、各円盤状基板表面に炭化水素を連続的に均一に噴霧できる各円盤状基板13の上部の炭化水素供給ヘッダー17の横に、水素を連続的に均一に噴霧できる各円盤状基板13の上部の水素供給ヘッダー52を設置し、炭化水素ヘッダー17に設置した炭化水素噴射ノズル53から各円盤状基板表面に炭化水素を連続的に噴霧できるだけでなく、水素供給ヘッダー52に設置した水素噴射ノズル53から各円盤状基板表面に水素も連続的に噴霧できるようにしている。
実施例5に係るCNT生成炉は、図5に示すように、還元雰囲気の高温炉11内に複数の同一径の円盤状基板群14を基板13の中心穴13aに串刺しし固定状態で配置し、串刺し固定状態の複数の円盤状基板群14の中心軸12を両端保持の状態で回転させて各円盤状基板表面に炭化水素を連続的に均一に噴霧するとともに、CNT掻き取りバー21により各円盤状基板13の両面に成長するCNTを掻き取り、更に炭化水素供給配管41を配置して加熱した炭化水素を円盤状基板表面に供給できるようにするとともに、水素供給ヘッダー52より水素を各円盤状基板表面に供給できるようにし、更には円盤状基板表面に炭化水素を連続的に均一に噴霧する状態で基板表面を500〜800℃の範囲に設定するように構成されている。従って、以下に述べる効果を有する。
各円盤状基板上では該基板13を構成する触媒粒子が核となり炭化水素だけでなく水素も噴霧され高温状態で反応することで、炭化水素だけ噴霧され高温状態で反応する場合よりも、気相成長法によりより効率的にCNTが生成,成長する。また、円盤状基板群14は回転しており、各円盤状基板表面は均一に加熱されるとともに、炭化水素と水素が均一に噴霧されることで、各円盤状基板表面で斑なく均一にCNTが生成、成長できる。これにより、CNTを連続的に製造することができる。事実、炭化水素のみを噴霧する場合に比べて実施例5のように炭化水素及び水素を噴霧する場合、2〜5割程度CNTの生成率が上昇することが確認できた。
なお、実施例5では、炭化水素と水素を別々の噴射ノズルを用いて高温炉内の基板表面に噴射する場合について述べたが、これに限らず、1つの噴射ノズルから炭化水素と水素を噴射してもよい。
(実施例6)
本発明の実施例6に係るCNT製造装置について図6(A),(B)を参照して説明する。ここで、図6(A)は同製造装置の概略的な側面図、図6(B)は図6(A)のX矢視図である。但し、図1,図2,図4と同部材は同符番を付して説明を省略する。
実施例6のCNT製造装置は、実施例1〜5記載の発明に対し、還元雰囲気の高温炉内の各円盤状基板表面に炭化水素を噴霧するだけでなく水蒸気も噴霧することで各円盤状基板表面を活性化させるようにしたことを特徴とする。ここで、水蒸気の量は、炭化水素に対し1〜5%である。図6中の符番61は水蒸気供給配管、符番62はこの水蒸気供給配管に接続された水蒸気供給ヘッダー、符番63はこの水蒸気供給ヘッダー62に設けられた水蒸気噴射ノズルを示す。
即ち、図6では、各円盤状基板表面に炭化水素を連続的に均一に噴霧できる各円盤状基板13の上部の炭化水素供給ヘッダー17の横に、水蒸気を連続的に均一に噴霧できる各円盤状基板13の上部の水蒸気供給ヘッダー62を設置し、炭化水素供給ヘッダー17に設置した炭化水素噴射ノズル19から各円盤状基板表面に炭化水素を連続的に噴霧できるだけでなく、水蒸気供給ヘッダー62に設置した水蒸気噴射ノズル63から各円盤状基板表面に水蒸気も連続的に噴霧できるようにしている。
実施例6に係るCNT製造装置は、図6に示すように、還元雰囲気の高温炉11内に複数の同一径の円盤状基板群14を基板13の中心穴13aに串刺しし固定状態で配置し、串刺し固定状態の複数の円盤状基板群14の中心軸12を両端保持の状態で回転させて各円盤状基板表面に炭化水素を連続的に均一に噴霧するとともに、CNT掻き取りバー21により各円盤状基板13の両面に成長するCNTを掻き取り、更に炭化水素供給配管41を配置して加熱した炭化水素を円盤状基板表面に供給できるようにするとともに、水蒸気供給ヘッダー62より水蒸気を各円盤状基板表面に供給できるようにし、更には円盤状基板表面に炭化水素を連続的に均一に噴霧する状態で基板表面を500〜800℃の範囲に設定するように構成されている。従って、以下に述べる効果を有する。
各円盤状基板13上では基板13を構成する触媒粒子が核となり炭化水素だけでなく水蒸気も噴霧され高温状態で反応することで、炭化水素だけ噴霧され高温状態で反応する場合よりも、気相成長法によりより効率的にCNTが生成,成長する。円盤状基板群14は回転しており、各円盤状基板表面は均一に加熱されるとともに、炭化水素と水蒸気が均一に噴霧されることで、各円盤状基板表面で斑なく均一にCNTが生成,成長できる。これにより、CNTを連続的に製造することができる。事実、炭化水素のみを噴霧する場合に比べて実施例6のように炭化水素及び水蒸気を噴霧する場合、2〜5割程度CNTの生成率が上昇することが確認できた。
なお、実施例6では、炭化水素と水蒸気を別々の噴射ノズルを用いて高温炉内の基板表面に噴射する場合について述べたが、これに限らず、1つの噴射ノズルから炭化水素と水蒸気を噴射してもよい。
(実施例7)
本発明の実施例7に係るCNT製造装置について図7(A),(B)を参照して説明する。ここで、図7(A)は同製造装置の一部断面を含む概略的な側面図、図7(B)は図7(A)のX矢視図である。但し、図1,図2,図4,図6と同部材は同符番を付して説明を省略する。
実施例7のCNT製造装置は、実施例1〜6記載の発明に対し、高温炉内に内蔵する中心穴に串刺し固定状態で配置する複数の同一径の円盤状基板群14を、中心穴に串刺し固定状態のまま高温炉11に取付け,取外しできる構造とし、高温炉内の温度を下げた状態で別の複数の円盤状基板群14に交換できるようにしたことを特徴とする。前記高温炉11は、フランジ71a,71bを夫々有した半円筒状の高温炉部11a,11bを上下に突合せ、前記フランジ71a,71b間にシール材73を介した状態で複数のボルト72で両フランジ同士を固定したものである。なお、高温炉部11a,11bより高温炉11が構成されている。
即ち、図7では、円盤状基板群14は各円盤状基板13の中心穴に1本の中心軸12に円盤状基板13を等間隔で串刺しに固定し、この中心軸12を中心に各円盤状基板13がまとめて回転できる固定状態としたもので、各円盤状基板表面において同一条件でCNTをまとめて効率的に生成,成長できるという大きな特長がある。
ところで、各円盤状基板表面の触媒粒子を核に成長するが、次第に各円盤状基板表面の触媒粒子が減少していき、CNT生成効率が低下していく。本発明では、この円盤状基板群14を固定状態のまま高温炉11に取付け、取外しできる構造とし、高温炉内の温度を下げた状態で別の複数の円盤状基板群14に交換できるようにしたもので、高温炉11に簡単に取付け,取外しできるようにしたものである。
なお、高温炉11の内部は運転中、還元雰囲気を確保しなくてはならず、外部との気密性を十分確保しなければならない。実施例7の場合、図7に示すように、フランジ71aを有した高温炉部11a,フランジ71bを有した高温炉部11bを上下に分割し、取外す際はこのフランジ71a,71bのボルト72を緩めて高温炉部11a,11bを取外し、内部の円盤状基板群14を取外した後、新たな円盤状基板群をまた固定状態のまま高温炉11に取付け、このフランジ71a,71bのボルト72を締めて固定している。高温炉11内の外部との気密性を十分確保する為に、このフランジ71a,71b間のみならず、両端の軸部のシール構造等についても考慮すべきことは言うまでもない。
実施例7に係るCNT製造装置は、実施例6と比べ、図7に示すように、還元雰囲気の高温炉11内に円盤状基板群14を固定状態のまま高温炉11に取付け,取外しできるように構成されている。従って、以下に述べる効果を有する。
即ち、CNT生成効率が低下してきた時点で、高温炉11の運転を停止し、高温炉内の温度を下げ、高温炉内を開放し、円盤状基板群14を固定状態のまま高温炉11から取外し、新たな円盤状基板群をまた固定状態のまま高温炉に取換えることができる。
なお、実施例7では、高温炉が上下の高温炉部に分割され、ボルトの開け閉めにより円盤状基板群を中心軸で串刺しのまま取り外し、新たな円盤状基板群に交換する場合について述べたが、これに限らない。例えば、高温炉の中心軸の長手方向に沿う端部に串刺し状態の円盤状基板群を出し入れする為の窓を設け、この窓の開閉により取付け,取外しできる構成としてもよい。
(実施例8)
本発明の実施例8に係るCNT製造装置について図8(A),(B)を参照して説明する。ここで、図8(A)は同生成炉の一部断面を含む概略的な側面図、図8(B)は図8(A)のX矢視図である。但し、図1,図2,図4,図6,図7と同部材は同符番を付して説明を省略する。
実施例8のCNT製造装置炉は、実施例7比べ、還元雰囲気の高温炉内の下部にはカーボンナノチューブ排出用の上下2段のダブルダンパーを設置し、高温炉内の温度が一定で還元雰囲気にしたままCNTを高温炉外に払い落とすことができるようにしたことを特徴とする。図中の符番81はCNT排出ノズル16の下部に配置された上部ダンパー、符番82は下部ダンパー、符番83はカーボンナノチューブ(CNT)回収容器である。
即ち、図8では、CNT生成炉下部にはロータリーバルブ等を設置することで下部に落ちた粉塵を安定的に払い出すことは可能であるが、外部とのシール性能を高める為に、CNT排出ノズル16の下部に上部ダンパー81及び下部ダンパー82によるダブルダンパーを設置し、その下部にカーボンナノチューブ回収容器83等を設置して回収するようにする。
ダブルダンパーの動作は、次のとおりである。即ち、まず、上部ダンパー81、下部ダンパー82を全閉とした後、まず上部ダンパー81を開にし、上部ダンパー82と下部ダンパー83の間に粉塵を溜める。その後、上部ダンパー81を全閉、下部ダンパー82を開にすることにより、高温炉11内部とCNT回収容器83とを縁を切った状態でCNTを回収する。また、CNT回収容器83内の空気が高温炉11に混入しないよう、上部ダンパー81と下部ダンパー82の間に不活性ガスを間欠的に注入するようなことも設計,運用上逐次行い、安定的なCNT払出しが行えるようにする。
実施例8に係るCNT製造装置は、図7のような構成にする他、図8に示すように、生成炉と11の下部に上部ダンパー81及び下部ダンパー82によるダブルダンパーを設置し、その下部にカーボンナノチューブ回収容器83を設置してCNTを回収するように構成されている。従って、CNT払出しを安定的に確実に行うことができるコンパクトなCNT生成炉を提供することができる。
なお、実施例8では、図8においてロータリーバルブの設置を省略した場合について述べたが、ダブルダンパーの上側、或いは下側にロータリーバルブを設置することも可能である。また、高温炉の内部は運転中、還元雰囲気を確保しなくてはならず、外部との気密性を十分確保する為のシール構造等について考慮すべきことは言うまでもない。
(実施例9)
本発明の実施例9に係るCNT製造装置について図9(A),(B)を参照して説明する。ここで、図9(A)は同製造装置の一部断面を含む概略的な側面図、図9(B)は図9(A)のX矢視図である。但し、図1,図2,図4,図6,図7,図8と同部材は同符番を付して説明を省略する。
実施例9のCNT製造装置は、実施例1〜8記載の発明に対し、円盤状基板13としてハードディスク(或いは廃ハードディスク)を用いたことを特徴とする。ここで、ハードディスクは、磁性体を塗布した円盤に磁気ヘッドを用いて情報を記録、または読み出す、円盤がガラスやアルミニウム等固い素材で作られていることから硬い円盤の意味でハードディスクと呼ばれる。代表的な磁性体に酸化鉄,酸化クロム,コバルト,フェライトなどがある。硬質材料の円盤上に磁性粉を塗布あるいは蒸着したものがハードディスク装置というコンピュータの記憶装置に用いられる。図9中の符番91は、複数の円盤状ハードディスク92が配置されたハードディスク基板群である。
ハードディスク(或いは廃ハードディスク)には磁性粉を塗布あるいは蒸着されており、この磁性粉の材質にはCNT生成に必要な触媒となる金属が多く含まれており、しかもハードディスクの規格品は円盤状で一定の形状をしており、中心部に穴が開いており、円盤状の基板として十分な機能を有している。
一般に、CNTの生成の際には、CNT生成の核となる触媒粒子が必要である。本方式によれば、ハードディスク(或いは廃ハードディスク)にCNT生成に必要な金属触媒粒子を含有しており、ハードディスク(或いは廃ハードディスク)自体を構成する金属触媒粒子がCNT生成の核となりCNTが成長する。なお、図9では図示しないが、CNT生成、成長を促進させる為に必要に応じて金属触媒粒子を導入する。金属触媒粒子を導入する際は、例えば高温炉に触媒導入管を連結し、この触媒導入管を介して高温炉内に触媒を供給するようにする。
実施例9に係るCNT製造装置は、図9に示すように、実施例1〜8と比べ、円盤状基板群に対し複数の円盤状ハードディスク92からなるハードディスク基板群91を高温炉11内に配置した構成になっている。従って、新たに円盤状基板を製作する必要がなく、特に廃ハードディスクを利用すると今後益々多く排出される不要となった電子機器の材料廃材を高機能カーボンであるCNTを製造するのに有効に再活用することが可能となる。更に、ハードディスク或いは廃ハードディスクの製品規格はほぼ統一であるので、常に安定した純度および安定性の高い高機能のCNTを低コストで効率よく量産することができる。
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]還元雰囲気の高温炉内に複数の同一径の円盤状基板からなる円盤状基板群をその中心穴に串刺し固定状態で配置し、串刺し固定状態の複数の円盤状基板群の中心軸を両端保持の状態で回転させ、各円盤状基板表面に炭化水素を連続的に均一に噴霧することにより各円盤状基板上で反応させ、カーボンナノチューブを成長させることによりカーボンナノチューブを連続的に製造することを特徴とするカーボンナノチューブ製造装置。
[2]回転する串刺し固定状態の複数の同一径の円盤状基板群の各円盤状基板表面を掻き取る掻き取り機構を高温炉内に設け、回転する各円盤状基板表面で反応させ、成長したカーボンナノチューブを掻き取ることにより高機能カーボンナノチューブを連続的に製造することを特徴とする[1]に記載のカーボンナノチューブ製造装置。
[3]高温炉内の温度は、炭化水素を連続的に均一に噴霧する状態で500〜800℃の範囲に設定することを特徴とする[1]若しくは[2]に記載のカーボンナノチューブ製造装置。
[4]還元雰囲気の高温炉内の各円盤状基板表面に噴霧する炭化水素は加熱したガス状態とし、高温炉内の温度を下げずに均一に噴霧することを特徴とする[1]至及[3]のいずれかに記載のカーボンナノチューブ製造装置。
[5]還元雰囲気の高温炉内の各円盤状基板表面に炭化水素及び水素を噴霧することにより各円盤状基板表面を活性化させることを特徴とする[1]至及[4]のいずれかに記載のカーボンナノチューブ製造装置。
[6]還元雰囲気の高温炉内の各円盤状基板表面に炭化水素及び水蒸気を噴霧することにより各円盤状基板表面を活性化させることを特徴とする[1]乃至[4]のいずれかに記載のカーボンナノチューブ製造装置。
[7]高温炉内に内蔵する中心軸に串刺し固定状態で配置する複数の同一径の円盤状基板群は、中心軸に串刺し固定状態のまま高温炉に取付け、取外しできる構造とし、高温炉内の温度を下げた状態で別の複数の円盤状基板群に交換できるようにしたことを特徴とする[1]乃至[6]のいずれかに記載のカーボンナノチューブ製造装置。
[8]還元雰囲気の高温炉内の下部にはカーボンナノチューブ排出用の上下2段のダブルダンパーを設置し、高温炉内の温度が一定で還元雰囲気にしたままカーボンナノチューブを高温炉外に払い落とすことができる構成であることを特徴とする[1]乃至[7]のいずれかに記載のカーボンナノチューブ製造装置。
[9]円盤状基板はハードディスク若しくは廃ハードディスクであることを特徴とする[1]乃至[8]のいずれかに記載のカーボンナノチューブ製造装置。
本発明の実施例1に係るカーボンナノチューブ製造装置の概略図。 本発明の実施例2に係るカーボンナノチューブ製造装置の概略図。 本発明の実施例3に係るカーボンナノチューブ製造装置の概略図。 本発明の実施例4に係るカーボンナノチューブ製造装置の概略図。 本発明の実施例5に係るカーボンナノチューブ製造装置の概略図。 本発明の実施例6に係るカーボンナノチューブ製造装置の概略図。 本発明の実施例7に係るカーボンナノチューブ製造装置の概略図。 本発明の実施例8に係るカーボンナノチューブ製造装置の概略図。 本発明の実施例9に係るカーボンナノチューブ製造装置の概略図。 気相成長基板法の説明図。 流動気相法の説明図。
符号の説明
11…カーボンナノチューブ生成炉(高温炉)、12…中心軸、13…円盤状基板、14…円盤状基板群、15…高温加熱ジャケット、16…カーボンナノチューブ排出ノズル、17…炭化水素供給ヘッダー、18…炭化水素供給配管、19…炭化水素噴射ノズル、21…カーボンナノチューブ掻き取りバー、41…加熱したガス状態の炭化水素供給配管、51…水素供給配管、52…水素供給ヘッダー、53…水素ガス噴射ノズル、61…水蒸気供給配管、62…水蒸気供給ヘッダー、63…水蒸気噴射ノズル、71…フランジ、72…ボルト、73…シール材、81…上部ダンパー、82…下部ダンパー、83…カーボンナノチューブ回収容器、91…ハードディス基板群、92…ハードディスク基板。

Claims (8)

  1. 還元雰囲気の高温炉と、
    この高温炉内に配置されるとともに,金属触媒粒子を含有する複数の同一径の円盤状基板を串刺しして固定する回転可能な中心軸と、
    前記高温炉の外周側に配置され,複数の前記円盤状基板を加熱するための高温加熱ジャケットと、
    前記高温炉内に配置され,前記円盤状基板の両面に炭化水素を噴霧する複数の炭化水素噴射ノズルとを具備し、
    前記中心軸を両端保持の状態で回転させ、各円盤状基板の表面に前記炭化水素噴射ノズルから炭化水素を連続的に均一に噴霧することにより各円盤状基板上で該円盤状基板の金属触媒粒子と反応させてカーボンナノチューブを成長させ、カーボンナノチューブを製造することを特徴とするカーボンナノチューブ製造装置。
  2. 回転する串刺し固定状態の複数の同一径の円盤状基板表面のカーボンナノチューブを掻き取る掻き取り機構を高温炉内に設け、回転する各円盤状基板表面で反応させ、成長したカーボンナノチューブを掻き取ることにより高機能カーボンナノチューブを連続的に製造することを特徴とするカーボンナノチューブ製造装置。
  3. 高温炉内の温度は、炭化水素を連続的に均一に噴霧する状態で500〜800℃の範囲に設定することを特徴とする請求項1若しくは2に記載のカーボンナノチューブ製造装置。
  4. 還元雰囲気の高温炉内の各円盤状基板表面に噴霧する炭化水素は加熱したガス状態とし、高温炉内の温度を下げずに均一に噴霧することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のカーボンナノチューブ製造装置。
  5. 還元雰囲気の高温炉内の各円盤状基板表面に炭化水素及び水素を噴霧することにより各円盤状基板表面を活性化させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のカーボンナノチューブ製造装置。
  6. 還元雰囲気の高温炉内の各円盤状基板表面に炭化水素及び水蒸気を噴霧することにより各円盤状基板表面を活性化させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のカーボンナノチューブ製造装置。
  7. さらに、前記高温炉の下部にカーボンナノチューブ排出ノズルを設けるとともに、このカーボンナノチューブ排出ノズルの下部にカーボンナノチューブ排出用の上下2段のダブルダンパーを設置し、高温炉内の温度が一定で還元雰囲気にしたままカーボンナノチューブを高温炉外に払い落とすようにしたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のカーボンナノチューブ製造装置。
  8. 円盤状基板はハードディスク若しくは廃ハードディスクであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のカーボンナノチューブ製造装置。
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