JP2005185950A - ガス吸蔵材、ガス吸蔵装置、並びにカーボンナノチューブ及びその製造方法 - Google Patents

ガス吸蔵材、ガス吸蔵装置、並びにカーボンナノチューブ及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 カーボンナノチューブを利用して多量にガス貯蔵することが可能なガス吸蔵材を提供する。
【解決手段】 カーボンナノチューブ22を有し、カーボンナノチューブ22間の間隙Aが1〜10nmの範囲に制御されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ガスの貯蔵に好適なガス吸蔵材及びガス吸蔵装置、並びにこれらの構成に好適なカーボンナノチューブ及びその製造方法に関する。
水素ガスを貯蔵して使用しようとする場合、水素ガスを圧縮して高圧に若しくは液状にして充填したタンク、または水素を吸蔵する水素吸蔵合金や水素吸着材料が一般に利用されてきた。しかしながら、高圧タンクでは、大きいわりに壁厚が厚く内容積を大きくできないため水素充填量が少なく、液体水素とすると気化ロスがあるほか、液化に多大なエネルギーを要するため総合的なエネルギー効率の点で望ましくない。しかも、水素を高圧化、液化するには設備を別途整備する必要もある。また、水素吸蔵合金や水素吸着材料では、例えば電気自動車等の車両への搭載などを考慮すると、必ずしも充分な水素貯蔵密度を確保し得るとはいい難い。
上記の状況に対し、近年では水素ガスや天然ガス等のガス成分の貯蔵技術として、カーボンナノチューブの利用が期待されている。カーボンナノチューブの合成法としては、例えばアーク放電法やレーザー蒸着法などが知られているが、チューブ形状や大きさ、配向性、密度(生成間隔)などの生成制御を生産規模で実現する技術は確立されていない状況にあり、生成されたカーボンナノチューブの生成バラツキの存在がカーボンナノチューブを利用したガスの貯蔵技術の実用化への障壁ともなっていた。
すなわち、上記合成法のいずれによっても、カーボンナノチューブの径(チューブ径)や層数、長さ等の形状が大きくばらついてしまい、所望の形状で一定の配向性や密度(間隔)を有するように生成するのことは困難であった。また、アーク放電法ではカーボンナノチューブの生成と共に黒鉛やアモルファスカーボン等の非晶質状の煤が多量に生成するので、カーボンナノチューブから煤を分離するために複雑な精製を行なわなければならず、また、レーザー蒸着法ではレーザー出力に対する生産性が極めて低く、したがってカーボンナノチューブを大量に生産することは困難であった。
一方、カーボンナノチューブを大量に生成可能な技術として、触媒を用いて炭化水素ガスを熱分解することによりカーボンナノチューブを生成する熱分解法(CVD法)が提案されている(例えば、非特許文献1〜3参照)。このCVD法には、触媒を気相中に浮遊させる方法と、基板(Si基板やゼオライト等)上に触媒を塗布する方法の二種類の方法が知られている。しかし、前記CVD法の一つである、触媒を気相中に浮遊させる方法では、カーボンナノチューブの配向性を保ちながら生成することは不可能であり、また、基板上に触媒を塗布する方法では、カーボンナノチューブ生成時の温度条件や原料ガス濃度に敏感なため、大表面積の基板上に生成しようとする場合には均質な構造のカーボンナノチューブを生成することは困難である。
また、プラズマCVD法によってカーボンナノチューブを合成する技術がある(例えば、特許文献1参照)。これは、反応容器内に直流あるいは交流グロー放電によるプラズマを発生させることで基体上にカーボンナノチューブを形成するものである。しかし、電離イオン種やエネルギー、イオン密度等のプラズマパラメータを独立制御することは困難であり、プラズマ制御性に劣るばかりか、基板に存在する微小な突起部でもプラズマが集中してしまう性質があるため、均一なチューブ径や長さ、成長方向、成長間隔を有するカーボンナノチューブを安定的に生成することはできない。
上記以外に、SiC基板を直接加熱して大面積のカーボンナノチューブ膜を製造する方法に関する開示がある(例えば、特許文献2参照)。
以上のような従来の合成法により生成されたカーボンナノチューブは、一般に各チューブがバラバラで不均一であると共に不規則に並んだ構造を持つために、たとえ1本ごとでは高いガス吸蔵能を有していたとしても、複数本単位に結束して充填等しようとするとガス貯蔵に寄与しない隙間が多く存在してしまい、結果的に0.01〜0.3g/cc程度の嵩密度しか得られず、高いガス貯蔵量を確保することはできなかった。
また、従来よりガス成分をカーボンナノチューブのチューブ内部に吸着させて貯蔵できることは知られているが、ある程度のガス吸蔵能を得るには、触媒やアモルファス成分等の不純物を除去する精製処理や吸着サイトを確保するキャップ開放処理が必須とされる反面、特にキャップ開放処理は均一に行なうのが容易な作業ではない。また、カーボンナノチューブは通常数本から数十本でバンドルを形成してしまう性質があるため、このバンドルをなすチューブ間、即ちチューブ外側にガスの吸着サイトを確保することは困難であるが、これまで近隣のチューブ同士が所定の間隔を有するように制御されたバンドルを数億本から数兆本のオーダーで作製できる手段もなかったのが実情である。
特開平11−11917号公報 特開平10−265208号公報 Chem.Phys.Lett.260(1996)471 J.Phys.Chem.B 103(1999)6484 Chem.Phys.Lett.317(2000)83
以上のように、カーボンナノチューブを利用したガス貯蔵技術は、未だ単位体積当りの貯蔵量が不充分な水準にあり、貯蔵量の向上が課題となっている。ところが、これまでに知られている技術では、層構造や生成間隔、チューブ径等の構造を制御することによってガス貯蔵性能を向上させると共に、大量生成をも可能とし得る技術については確立されていないのが現状である。
本発明は、上記に鑑み成されたものであり、カーボンナノチューブを利用して多量にガス貯蔵することが可能なガス吸蔵材及びガス吸蔵装置、並びに、
前記ガス吸蔵材及びガス吸蔵装置に好適であり、特にチューブ生成間隔が制御されてガス貯蔵能に優れたカーボンナノチューブ、及び該カーボンナノチューブの大量生成が可能なカーボンナノチューブの製造方法、を提供することを目的とし、該目的を達成することを本発明の課題とする。
本発明は、ガス貯蔵量を向上させるには、単にカーボンナノチューブのチューブ径や形状等のみを制御するだけでは充分でなく、カーボンナノチューブ間の配列間隔を制御することが有用であること、カーボンナノチューブはチューブ間が広すぎたり或いは凝集してバンドル形成した際には間隔が狭すぎるためにチューブ外壁側に吸着サイトを得にくいが、所定範囲に配列間隔を制御したときに吸着サイトが得られること、カーボンナノチューブの生成制御により嵩密度が向上すること、等に基づいて達成されたものである。
上記目的を達成するために、第1の発明であるガス吸蔵材は、カーボンナノチューブを有し、カーボンナノチューブ間の間隙(以下、チューブ生成間隔ともいう)を1〜10nmに制御して構成したものである。チューブ生成間隔とは、あるカーボンナノチューブと他のカーボンナノチューブとの軸心間の距離であり、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて簡易に測定することができる。
第1の発明においては、カーボンナノチューブはチューブ同士の間隙を1〜10nmの範囲に制御して生成されるので、1本1本のカーボンナノチューブの間、すなわち近隣のチューブの外壁と外壁との間にガス成分の貯蔵に寄与できる吸着サイトを形成することができる。そして、好ましくはカーボンナノチューブ間にできた全ての間隙の30%以上が1〜10nmの範囲に制御されるので、ガス貯蔵効率の点で有利である。これにより、従来、カーボンナノチューブは各個体が無定形であり、サイズも不揃いのまま不規則に生成されてなることから、少なからずマクロ(数十nm程度)な空間が多く含まれることで達し得なかった、単位体積当りのガス貯蔵量を飛躍的に向上させることができる。
本発明に係るカーボンナノチューブは、アーク放電法やレーザ蒸発法、化学的蒸発法などによって合成することができる。例えば、所望の担体面に所望の触媒金属を予め設けておき、該触媒金属においてカーボンナノチューブを成長させることで合成できる。
そして特に、触媒金属の厚みを所望のチューブ生成間隔に応じて適宜選択することによって、チューブ生成間隙を1〜10nmの範囲に制御することができる。例えば薄い膜としたときにはチューブ生成間隔を小さくすることができる。好ましくは、触媒金属の厚みは1〜10nmであり、この範囲とすると上記間隙を有するカーボンナノチューブを最も好適に生成することができる。
上記したチューブ生成間隔は、カーボンナノチューブ間に存在する全ての間隙のうち30%以上が上記範囲にあることが好ましく、ガス貯蔵効率をより向上できる点でより好ましくは50%以上であり、特に好ましくは80%以上である。
本発明に係るカーボンナノチューブは、単層及び多層のいずれの層構造に構成されていてもよいが、好ましくは単層構造のカーボンナノチューブである。ガスの貯蔵量は、カーボンナノチューブの層構造の別に関わらず、チューブ間隙が上記範囲となるように構成されれば単位体積当りに貯蔵されるガス量を向上させ得るが、各チューブ形状を最も簡易な単層に構成することにより、コンパクトな構成が可能であり、単位体積当りのガス貯蔵量をより向上させることができる点で有利である。
カーボンナノチューブは、担体としての基板上に成長させて生成することができる。具体的には、所望の触媒金属を基板上に担持させておき、担持された触媒金属部分において成長させることで基板上に生成することができる。基板は、作製しようとするガス吸蔵材の形状や、ガス吸蔵材を内装するガス吸蔵装置の内部形状などに合わせて、円形、矩形、三角形、四角形、台形等から適宜選択することができる。例えば、基板形状が円形である場合、カーボンナノチューブが生成された円形のガス吸蔵材が得られ、これを複数枚作製して断面円形の筒状体に積層状態にして内装することで、コンパクトで高い嵩密度を有し、多量のガスを貯蔵可能なガス吸蔵装置を形成することができる。
カーボンナノチューブの構成は、チューブの外径を1〜5nmとし、チューブ生成間隔を1〜5nmとした形態が好適である。ガス貯蔵能の観点からみると、個々のカーボンナノチューブの径については外径が1〜5nmのときに、またチューブ生成間隔については1〜5nmのときに各々最も高いガス吸蔵効果が得られる。
第1の発明を構成するカーボンナノチューブ間の間隙には、ナノ粒子を更に設けることができる。チューブ外壁にナノ粒子を存在させることにより、高密度に凝縮させたときでもチューブとチューブとが接触することなく一定の間隙を保持でき、設計上予定された量のガス貯蔵能を確保することができる。
上記のナノ粒子には、フラーレン(C60、C72等)、FeやAu等の金属クラスター、等が含まれる。特にフラーレンは、カーボンナノチューブと組成が似ており、加熱等により容易に固定することが可能である。例えば、トルエン等の溶媒中にフラーレンを分散させておき、この中に生成されたカーボンナノチューブを放置する等によって容易にチューブ外壁面にフラーレンを付着させることができる。この際、予め5員環を酸化により孔を開けたポーラスフラーレンを用いるとより効果的である。このとき、ナノ粒子のサイズを適宜変えることでカーボンナノチューブ間の間隙を更に制御することができる。
前記ナノ粒子の粒子径としては、1〜10nmが好ましく、より好ましくは1〜5nmである。上記範囲の粒子径とすると、ガス吸蔵効率の点で効果的である。また、ナノ粒子の分散は例えば超音波処理やミキサー等により好適に行なうことができ、高分散されていることがガス貯蔵能や歩留まり等の点で望ましい。
カーボンナノチューブ間に設けられるナノ粒子の、カーボンナノチューブの全質量に対する量としては10質量%以下が好ましい。ナノ粒子の量を上記範囲とすることにより、より効果的にガス吸蔵効果を高めることができる。しかし、例えばフラーレンの量が10質量%を超えるときには、フラーレンが凝集することに起因して上記のガス吸蔵効果が得られないことがある。
第2の発明であるガス吸蔵装置は、上記した第1の発明であるガス吸蔵材を用いて構成したものである。既述のように、第1の発明であるガス吸蔵材は多量のガス貯蔵が可能であるため、これを備えたガス吸蔵装置は水素ガスや天然ガス等のガス貯蔵に優れ、軽量かつコンパクトでありながら高圧タンクや水素吸蔵合金等に代替可能な程度の貯蔵量を確保することができる。
第3の発明であるカーボンナノチューブの製造方法は、真空中、触媒金属を所望の厚みで担持しかつ所定の間隙を保持して巻回されると共に所定温度に加熱された触媒担持体に、原料ガスを供給してカーボンナノチューブを生成するように構成したものである。第3の発明は、上記のようにチューブ生成間隔に応じて触媒金属の厚みを適宜選択すると共に、触媒金属を担持した触媒担持体を所定の間隙を保持して巻回した状態(ロール形状)で加熱されるようにしたので、チューブ生成間隔が1〜10nmであるカーボンナノチューブを大量に生成することが可能であり、触媒担持体のサイズが炉のサイズに大きく制限されることもない。
触媒担持体は、例えば担体表面に触媒金属を担持して構成することができ、この触媒金属の担持部が原料ガスで飽和されると該担持部においてカーボンナノチューブが成長する。
従来、炉内径30cm、均熱長1mの炉では、触媒担持体サイズは20cm角程度であり、担持体間距離に0.5cmを要するため200枚程度、すなわち両面に生成しても約8m2程度しか同時にカーボンナノチューブの生成が行なえなかったのに対し、上記第3の発明の構成によるとチューブ生成間隔を上記範囲としつつ、触媒担持体の厚みが50μmの場合には500〜1000m2の領域に同時にカーボンナノチューブを生成することが可能となる。この場合、巻回されてなるロール形状のロール長さ方向を炉の均熱長とすることで好適に行なうことができる。
第3の発明では、触媒担持体のカーボンナノチューブが生成されるカーボンナノチューブ生成面の法線方向と略平行に電場を与えるようにすることができる。触媒担持体のカーボンナノチューブ生成面と略垂直に電場を与えるので、生成時に供給される原料ガスの流れを均一にでき、特にチューブ長の長いカーボンナノチューブを生成する場合でも均一長が得られ、該生成面の法線方向と略平行方向へのカーボンナノチューブの成長を促進することができる。また、後処理を均一に行ない得る点でも有用である。したがって、従来のようにカーボンナノチューブ長が10μm以上となるような場合にチューブ同士が凝集して生成中にガス拡散が阻害されて成長阻害を生じたり、バンドル形成したり、後処理時にチューブ間への間隙形成が困難となることもない。
また、第3の発明において、触媒担持体は触媒金属と該触媒金属を担持する板状担体とで構成すると共に、該板状担体には水に溶解性の基板を用いることができる。カーボンナノチューブの生成に用いる触媒担時体を特に板状担体を用いて構成するので、歩留りが高められ、また、担体として一般に用いられる金属基板ではなく水に溶解性の基板を用い、水(例えば温水)による基板除去が可能であるので、基板除去後もカーボンナノチューブをそのままの間隙を維持しつつ、後処理として基板除去のために行なわれる酸処理が不要となり、酸処理の際にカーボンナノチューブやチューブ間に設けたフラーレンの構造が崩れるのを回避することができ、歩留りの更なる向上の点で有用である。これにより、従来70〜80%程度であった歩留りを80〜100%にまで向上させることができる。また、水に溶解された基板成分は再利用することができる。
第4の発明であるカーボンナノチューブは、上記第3の発明であるカーボンナノチューブの製造方法により触媒担持体上に1〜10nmのチューブ生成間隔を有して生成されたものである。このカーボンナノチューブは、上記の第1及び第2の発明の構成に好適に用いられる。
本発明に係る被貯蔵ガスには、水素ガス、天然ガス等が含まれる。
本発明によれば、カーボンナノチューブを利用して多量にガス貯蔵することが可能なガス吸蔵材及びガス吸蔵装置を提供することができる。また更に、
前記ガス吸蔵材及びガス吸蔵装置に好適であり、特にチューブ生成間隔が制御されてガス貯蔵能に優れたカーボンナノチューブ、及び該カーボンナノチューブの大量生成が可能なカーボンナノチューブの製造方法を提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明のガス吸蔵装置の実施形態について詳細に説明すると共に、該説明を通じて本発明のガス吸蔵材並びにカーボンナノチューブ及びその製造方法の実施形態についても詳述する。なお、下記の実施形態において、被貯蔵ガスとして水素ガスを用いた場合を中心に説明する。但し、本発明においてはこれら実施形態に制限されるものではない。
(第1実施形態)
本発明のガス吸蔵装置の第1実施形態を図1〜図6を参照して説明する。本実施形態は、長尺状のアルミホイール基板の一方の面に触媒金属としてFeを担持して巻回された触媒担持基板を用いて作製されたガス吸蔵材を内装し、水素ガスを吸蔵できるようにしたものである。以下、本実施形態において水素ガス吸蔵装置という。
図1に示すように、本実施形態の水素ガス吸蔵装置1は、内部中空の円筒状タンク10と、所定の間隔を保持して巻回された状態で円筒状タンク10に内装された水素ガス吸蔵材20と、を備えている。
円筒状タンク10は、内部中空で断面円形の筒状に構成されており、別途作製された水素ガス吸蔵材20を内装可能であると共に、開口する側端を閉塞して密閉されるようになっている。また、円筒状タンク10の一端には閉塞されたタンク内部に水素ガスを供給するための図示しない供給口が設けられており、他端には水素ガスを取出すための図示しない取出口が設けられている。
円筒状タンク10は、鉄やステンレス等の金属製タンクやポリエステル類等の樹脂製タンクなどを適宜選択して構成することができ、形状としては円筒状以外に、断面が矩形や楕円、三角形、四角形、台形等の筒形状など場合により適宜選択した形状に構成することができる。また、筒内壁にはカーボンナノチューブを生成するようにしてもよく、この場合には予めカーボンナノチューブを生成した後に筒形状としてもよいし、筒形状のままカーボンナノチューブを生成するようにしてもよい。
水素ガス吸蔵材20は、渦状に巻回されたアルミホイール基板21とアルミホイール基板21のおよそ法線方向に成長した単層のカーボンナノチューブ22とで構成されている。図2に示すように、カーボンナノチューブ22はアルミホイール基板21の両方の側に1〜10nmの間隙Aを有して生成されており、生成されたカーボンナノチューブ間に存在する全ての間隙(チューブ生成間隔)Aの30%以上が上記範囲のチューブ生成間隔となるように構成されている。水素ガス吸蔵材20において、カーボンナノチューブ生成のために設けられた触媒金属は図示しないが、除去され又は存在する状態のいずれであってもよく、図3に示すように巻回されたときに所定の間隙を保持するための仕切り突起23が設けられたままであってもよい。
水素ガス吸蔵材20は、例えば図3に示すように、巻回されたときに接触しないように仕切り突起23を担体であるアルミホイール基板21に設けて構成された長尺状の触媒担持基板25を用いて、下記例のようにして好適に作製することができる。すなわち、
真空中、触媒金属であるFeを所望の厚み(例えば1〜10nm)で担持しかつ所定の間隙(例えば50μm)を保持して巻回されると共に所定温度以上に加熱された触媒担持基板25に、原料ガスを供給してカーボンナノチューブを生成すること(カーボンナノチューブ生成工程)により作製できる。更には、触媒担持工程や基板洗浄工程、後処理工程などの他の工程が適宜設けられる。
カーボンナノチューブ生成工程では、触媒担持基板25を真空の室に配置すると共にカーボンナノチューブの生成に適した所定温度に加熱された状態とし、該触媒担持基板25に原料ガス(炭化水素系ガス、アルコール系ガス、及び水素系ガス等)を供給する。供給にあたり触媒金属の厚みを変えることでチューブ生成間隔を所望範囲に制御することができ、また、触媒金属の大きさ(粒子径)を変える、あるいは生成されたカーボンナノチューブを更に1750〜1850℃の温度領域で加熱することによりチューブ径を制御することができる。また、原料ガスを例えばイオン銃等を用いてイオン化するなど、原料ガスの性状を生成しようとするカーボンナノチューブの層構造や径、長さ等の形状、配向性に合わせて制御することも有用である。
原料ガス供給時の触媒担持基板25の所定温度としては、400℃以上が好ましい。該所定温度が上記範囲であると、生成速度が確保でき、径や長さ、配向性の均一なカーボンナノチューブを安定的に生成することができる。特に好ましくは700℃〜1000℃であり、この範囲であると均質なカーボンナノチューブをより効率よく生成することができる。また、本工程における真空状態としては、一般に10-3〜10Pa程度が望ましい。
原料ガスには、炭化水素系ガスやアルコール系ガス(CH系ガス)、水素系ガス(H系ガス)が含まれる。具体的には、炭化水素系ガス及びアルコール系ガスから選択される少なくとも一種、あるいは炭化水素系ガス及びアルコール系ガスから選択される少なくとも一種と水素系ガスから選択される少なくとも一種との両方を(場合によりガス化して)用いることができる。前記炭化水素系ガスの炭化水素成分としては、炭素数1〜6の炭化水素(例えばメタン、エタン、アセチレン、ベンゼン等)が好適に挙げられ、前記アルコール系ガスとしては、例えばメタノール、エタノール等が好適に挙げられる。また、前記水素系ガスとしては、例えば水素ガス、アンモニアガス等が好適に挙げられる。CH系あるいはH系の原料が液相もしくは固相状態である場合には、予め気相とした後にイオン化して供給することができる。また、CH系ガスとH系ガスとの混合系の場合、その混合比(CH系:H系)は、1:1〜1:20(分圧比あるいは流量比)が好ましい。
上記のカーボンナノチューブ生成工程は、図3のように片側の面において短辺に略平行に短辺と略同一長の断面台形(例えば、台形上辺(どて幅)100μm、高さ50μm)の仕切り突起23が等間隔(例えば10mm間隔)に複数設けられ、仕切り突起23の高さに相当する間隙を有して巻回されたロール状のアルミホイール基板21を、図4に示すような軸心部にロット31を有する円柱状の導電性炉32の炉内に、図5に示すようにロット31がアルミホイール基板21のロール中心に位置するように装填した状態にして行なわれるようにすることで、カーボンナノチューブの大量生成が可能である。ロット31は、タングステン等の金属で構成された電極対の一方(他方は導電性炉32)をなすものであり、導電性炉32もタングステン等の金属を用いて一般に構成される。
仕切り突起は、巻回される担体が接触しないように設けられればよく、上記以外に三角錐や円錐等の錐体を複数設けたり、上記断面台形を断面三角形等の形状にしてに構成することもできる。
このとき、導電性炉32及びロット31は図示しない電圧印加手段と接続されており、導電性炉32とロット31との間で双方向に適宜電位を与えることが可能なようになっている。すなわち、アルミホイール基板21の法線方向と略平行に電場をかけることができる。この場合、ロット31側の電位を下げて導電性炉32からロット31に電位を与えたときにはアルミホイール基板21のロール中心側となる基板面(該面に付与されたFe部)においてカーボンナノチューブの基板面法線方向への成長を促進でき、導電性炉32側の電位を下げて逆に電位を与えたときにはロール中心側と逆側となる基板面(該面に付与されたFe部)においてカーボンナノチューブの基板面法線方向への成長を促進することができる。このように電位を与えた状態とすると共にさらに、上記の所定温度以上に加熱された触媒担持基板25に原料ガスが供給されると、前記Feの厚みに応じたチューブ生成間隔でカーボンナノチューブが生成される。
生成されるカーボンナノチューブの外径としては、1〜5nmの範囲であることが望ましい。本発明においては特に、1〜5nmの外径を有すると共にチューブ生成間隔が1〜5nmである形態に構成されることが、ガス貯蔵効率の点で特に好ましい。
触媒担持体(触媒担持基板)25は、長尺状のアルミホイール基板(担体)の表面に触媒金属としてFeが担持された上記構成以外に、下記の触媒金属及び担体の中から目的等に応じて適宜選択し組合せて構成することができる。触媒金属としては、Fe以外にPd、Co、Ni、W、Mo、Mn又はこれらの合金などが挙げられ、担体としては、Al以外にNi板、ステンレス板、Si、SiC、ゼオライト、活性炭(C)等、及びKClやNaClなどの水に溶解性の材料が挙げられる。また、担体は任意の形状に構成でき、好ましくは板状に構成される。また特に、酸処理など後処理として行なわれる基板除去処理やキャップ開放処理時の形状崩壊を回避でき、カーボンナノチューブ成形体を形成しやすい等の点から、水に溶解性の基板が好適である。また、水に溶解された後のKClやNaClなどの成分は再度容易にリサイクルすることも可能である。
カーボンナノチューブの生成においては、上記のカーボンナノチューブ生成工程の前工程に担体洗浄工程や触媒担持工程を、カーボンナノチューブ生成工程の後工程に後処理工程を更に設け、担体洗浄工程、触媒担持工程、カーボンナノチューブ生成工程、及び後処理工程を順次行なえるように構成することができる。
前記触媒担持工程では、担体に触媒金属を担持してカーボンナノチューブの生成に用いる触媒担持体を作製する。具体的な方法については特に制限はなく、例えば、アルミホイール基板21等の所望の担体の上に蒸着などによりFe等の所望の触媒金属を均一に微粒化して担持させることで触媒担持基板25(触媒担持体)とすることができる。本工程には更に、使用する担体(基板等)の表面を洗浄する洗浄工程を設けることもでき、例えば基板とする担体を真空にした電気炉中で加熱処理することにより洗浄を行なうことができる。
また上記のように、カーボンナノチューブ22が1〜10nmの間隙を有して生成された図2に示す水素ガス吸蔵材20では、図6に示すように、カーボンナノチューブ22の間隙にフラーレン24が均一に付着し、チューブ同士が接触することなく所定の間隔に保持されるように構成されている。この場合、カーボンナノチューブ生成工程後において、生成されたカーボンナノチューブの外壁面、すなわちチューブ間の間隙にナノ粒子を付与するための処理を行なうことで実現される。例えば、導電性炉32から取出されたロール状の触媒担持基板25をロール状のまま、ナノ粒子としてフラーレンが例えばトルエン中に超音波処理して高分散された分散液中に浸漬し、一定時間放置した後に取出すことによりカーボンナノチューブ間に均一にフラーレンを付与することができる。また、アルミホイール基板21に代えてNaCl等の水に溶解性の基板を用い、該基板を水で溶解除去した場合には、基板を除く以外は図6と同様の構造に保持されてなる水素ガス吸蔵材(成形体)を得ることができる。
フラーレン等のナノ粒子は、カーボンナノチューブの全質量に対して10質量%以下となる量が望ましく、この範囲でナノ粒子を付与することにより、ナノ粒子が付与されたカーボンナノチューブを圧縮成形してキャップ開放した場合に、カーボンナノチューブのみで得られる細孔容積(0.25〜0.5cc/g)を超える、0.55〜1.0cc/gの細孔容積を得ることができる。
また、上記の導電性炉32の炉内においてカーボンナノチューブを空気中で再び500〜600℃程度に加熱したり、あるいは塩酸、H22等を用いた酸処理などを行なうことができる。前者のように再加熱されると、チューブ端を開口(キャップオープン)できるほか、フラーレンが付与されているときは付着残存する水酸基の作用でカーボンナノチューブとフラーレンとの間により強固な結合が形成され、形状崩壊の抑制に効果的である。また、後者の酸処理によっても、チューブ端をカッティングしてキャップオープンする処理や、カーボンナノチューブの生成後に触媒金属の除去処理、付着したアモルファスカーボン等の煤を除去する処理、などを行なうことが可能である。
また、カーボンナノチューブ生成工程の後(更に必要に応じて前記ナノ粒子が付与された後)、生成されたカーボンナノチューブ(及びナノ粒子)を樹脂成分で固めるようにし、担体を(仕切り突起と共に)除去しさらに前記樹脂成分を燃焼又は溶解させて除去することで、チューブ生成間隔をそのまま保持してなるカーボンナノチューブ(及びナノ粒子)で構成された成形体、すなわちガス吸蔵材を得ることができる。
上記では、被貯蔵ガスに水素ガスを用いた例を中心に説明したが、メタンガス等の天然ガスを貯蔵する場合においても同様に行なうことができる。
(第2実施形態)
本発明のガス吸蔵装置の第2実施形態を図7を参照して説明する。本実施形態は、第1実施形態のガス吸蔵材を、円盤形に構成された触媒担持基板の両面にカーボンナノチューブを設けて構成し、その複数枚を積み重ねて設けるようにしたものである。なお、円筒状タンクや触媒、カーボンナノチューブ生成時の原料や条件等は第1実施形態と同様とすることができ、第1実施形態と同様の構成要素には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
図7に示すように、本実施形態は、円筒状タンク10と、法線方向が円筒状タンク10の軸心方向と略平行となるように重ねて設けられた複数の円盤形の水素ガス吸蔵材40と、を備えている。円筒状タンク10は、断面が矩形や楕円、三角形、台形等の中空筒体で構成するようにしてもよく、筒内壁にはカーボンナノチューブを生成するようにしてもよい。
水素ガス吸蔵材40は、直径が略円筒内径の円盤状のシリコン基板41と、シリコン基板41の両側の面において法線方向に成長した単層のカーボンナノチューブ22とで構成されている。カーボンナノチューブ22は、図7に示されるように、シリコン基板41の両方の面に1〜10nmの間隙を有して生成されており、生成されたカーボンナノチューブ間に存在する全ての間隙(チューブ生成間隔)の30%以上が上記範囲のチューブ生成間隔となるように構成されている。水素ガス吸蔵材40において、カーボンナノチューブ生成のために設けた触媒金属は図示しないが、除去され又は存在する状態のいずれであってもよい。
水素ガス吸蔵材40は、第1実施形態における導電性炉内にロットを設けず電位を与えるようにしなかったこと以外には、およそ第1実施形態と同様に作製されたものである。すなわち、真空中、Fe(触媒金属)が厚み3nmで担持され所定温度以上(400℃以上)に加熱された触媒担持基板に、アセチレンガス及びアンモニアガスを供給してカーボンナノチューブを生成すること(カーボンナノチューブ生成工程)により作製したものである。このとき炉内には、円盤状の触媒担持基板の複数枚が所定の間隙(例えば50μm)を有するようにして配置することができる。また、第1実施形態と同様の触媒担持工程や基板洗浄工程、後処理工程などの他の工程を適宜設けるようにすることができる。
本実施形態においても、被貯蔵ガスに水素ガスを用いた例を中心に説明したが、メタンガス等の天然ガスを貯蔵する場合においても同様に行なうことができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図8に示すように、シリコン基板51を搬送する搬送路が設けられ、その搬送路の搬送方向上流側から順に基板洗浄部(不図示)と触媒担持部10とカーボンナノチューブ生成部20と後処理部30とを設けて構成された装置を用意し、所望のシリコン基板に対して基板洗浄工程、触媒担持工程、カーボンナノチューブ生成工程、及び後処理工程が順次行なえるようになっている。
−基板洗浄工程−
まず、カーボンナノチューブ生成用の基板として、ガス吸蔵装置を構成する断面円形の円柱のタンク形状に合うように、厚さ500μm、φ4inchの円盤状のシリコン製基板(Si純度99.999999%)51を6枚用意した。このシリコン基板51を基板洗浄部に設けられた電気炉中に入れ、真空度1.0×10-3Paの雰囲気のもと10℃/minで800℃まで昇温し、5時間加熱処理して洗浄した。その後、30℃/minで20℃まで降温し、20℃に到達した後、次の触媒担持部10に搬送し、大気中で10分間経過した後に触媒担持工程を行なった。
−触媒担持工程−
触媒担持部10には、蒸着装置が設けられており、基板洗浄工程を経た6枚のシリコン基板51を蒸着装置に入れ、各シリコン基板の両面において、厚さが各々10Å、25Å、40Å、55Å、80Å、又は120Åとなるように、真空中でFeを蒸着処理した。
−カーボンナノチューブ生成工程−
カーボンナノチューブ生成部20は、原料ガスをシリコン基板51に対して照射可能に構成されたカーボンナノチューブ生成装置と、シリコン基板51を加熱するための加熱器とを実装し、搬送されたシリコン基板51と共に所望の真空状態を形成してカーボンナノチューブの生成が可能なように構成されている。
カーボンナノチューブ生成装置は、図9に示すように、原料ガスとしてエタンガス(CH系ガス)と水素ガス(H系ガス)とを混合した混合ガスとして照射できるようになっている。なお、原料ガスの照射は、両ガスを基板の同一領域に個々に照射するようにすることもできる。
前記触媒担持工程での蒸着完了後、Feが担持された複数枚のシリコン基板51をそのFe担持面に原料ガスの照射が可能な位置に配置し、図示しない真空ポンプを駆動させて真空引き(8×10-5Pa)を行なってカーボンナノチューブ生成部20内を8×10-5Paの真空状態とした。そして更に、加熱器を用いて20℃のシリコン基板を20℃/minで800〜900℃まで加熱し、加熱されたシリコン基板のFe担持面に対して30分間略垂直にエタンガス及び水素ガスを照射し、両面に外径が1〜3nmの単層カーボンナノチューブを成長させた。このときの各Fe厚に対するチューブ生成間隔は、各々1.5nm、2.4nm、3.7nm、5.5nm、7.6nm、12.0nmであった。また、カーボンナノチューブの外径(チューブ径)は順に1.0nm、2.3nm、4.5nm、6.0nm、10.0nm、13.0nmであった。そして、真空状態のまま10℃/minで20℃まで降温した。
そして、生成された各カーボンナノチューブについて、25MPa、室温の条件下で水素ガスを充填したときの吸蔵量(V/V0)を測定し、このV/V0値を水素吸蔵量の特性を評価する指標とした。測定した結果を下記表1に示す。
Figure 2005185950
上記表1に示すように、チューブ径は1〜5nm程度の範囲が、チューブ生成間隔は1〜10nm、特に1〜5nmが、水素ガスの貯蔵能を圧縮水素方式(214気圧相当)に比べて高め得る点で効果的であることを確認した。これまで、このような径ではガス吸蔵能が低いとされてきたが、高いガス貯蔵能を得ることができた。なお、水素ガス以外に、メタンガス等の天然ガスを用いた場合でも同様の領域が良好であった。
上記とは別に、トルエン10L(リットル)中に予め酸化して孔を開けた0.1gのフラーレンC60を超音波処理して高分散させた分散液を調製した。そしてこの分散液中に、上記より得た複数枚のシリコン基板に各々生成された径の異なるカーボンナノチューブを浸漬、乾燥させてカーボンナノチューブ間にフラーレンを付与(吸着)した。このとき、各カーボンナノチューブに吸着したフラーレンの質量は、小径側から順に、7.5質量%、6.0質量%、5.3質量%、6.2質量%、5.0質量%、5.0質量%であった。また或いは、予めピリジンにフラーレンC60を溶かしておいて水中に注ぎ、超音波処理によりピリジンを追い出すことにより、フラーレンC60を水に100mg/10Lまで浮かすようにすることも可能で、この溶液中にカーボンナノチューブを超音波分散させても行なえる。なお、上記においてフラーレンが凝集を起こすことはなかった。
次いで、30%王水(室温)に10時間浸漬処理し、Feを溶解させ、C濃度を高めると共に、カーボンナノチューブの一端を開口するキャップオープンを行なった。その後さらに、フラーレンの脱落防止のため、空気中で500〜600℃で加熱した。以上のようにして、本発明のカーボンナノチューブを有する水素ガス吸蔵材を作製した。
−ガス吸蔵装置作製工程−
上記のようにして作製された、同一のチューブ径及びチューブ生成間隔からなるカーボンナノチューブを有する円盤状のガス吸蔵材を、20cm×φ4inchの円筒状タンク内にその法線方向が円筒状タンクの軸心と略平行となるように積層状に100枚収容し(図7参照)、本発明の水素ガス吸蔵装置を得た。得られた水素ガス吸蔵装置は、ガス貯蔵効率に優れており、水素ガスを多量に貯蔵することができた。
(実施例2)
実施例1において、カーボンナノチューブ生成用の基板として用いたシリコン製基板をNaCl基板に代え、基板洗浄工程を行なわずに蒸着処理をすると共に、フラーレン付与の後に、王水への浸漬処理を行なわずにカーボンナノチューブ生成後のNaCl基板を80℃の水流で溶解除去し、その後に空気中で500〜600℃で加熱するようにしたこと以外、実施例1と同様にして、本発明のカーボンナノチューブを有する水素ガス吸蔵材(成形体)及び水素ガス吸蔵装置を作製した。本実施例においても、実施例1と同様の結果が得られ、ガス貯蔵効率に優れ、水素ガスを多量に貯蔵することが可能であった。
本発明の第1実施形態に係る水素ガス吸蔵装置を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る水素ガス吸蔵材を示す斜視図である。 第1実施形態において所定の間隙を有して巻回されたアルミニウム基板を示す斜視図である。 電位を与えることが可能な導電性炉の一例を示す斜視図である。 巻回されたアルミニウム基板が導電性炉に収容されているところを示す斜視図である。 カーボンナノチューブ間にフラーレンが付与されている状態を説明するための概念図である。 本発明の第2実施形態に係る水素ガス吸蔵装置を示す斜視図である。 カーボンナノチューブを生成しているところを説明するための概略工程図である。 カーボンナノチューブ生成装置を用いて原料ガスを混合して照射しているところを説明するための概念図である。
符号の説明
1…水素ガス吸蔵装置
20,40…水素ガス吸蔵材
21…アルミホイール基板
22…カーボンナノチューブ
24…フラーレン(ナノ粒子)
41,51…シリコン基板

Claims (13)

  1. カーボンナノチューブを有し、該カーボンナノチューブ間の間隙が1〜10nmであるガス吸蔵材。
  2. 前記間隙の少なくとも30%が1〜10nmである請求項1に記載のガス吸蔵材。
  3. 前記カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブである請求項1又は2に記載のガス吸蔵材。
  4. 前記カーボンナノチューブが基板上に生成されてなる請求項1〜3のいずれか1項に記載のガス吸蔵材。
  5. 前記カーボンナノチューブの外径が1〜5nmであり、前記間隙が1〜5nmである請求項1〜4のいずれか1項に記載のガス吸蔵材。
  6. 前記間隙にナノ粒子を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載のガス吸蔵材。
  7. 前記ナノ粒子はフラーレンである請求項6に記載のガス吸蔵材。
  8. 前記ナノ粒子の量は、前記カーボンナノチューブの全質量の10質量%以下である請求項6又は7に記載のガス吸蔵材。
  9. 請求項1〜8いずれか1項に記載のガス吸蔵材を備えたガス吸蔵装置。
  10. 真空中、触媒金属を所望の厚みで担持しかつ所定の間隙を保持して巻回されると共に所定温度以上に加熱された触媒担持体に、原料ガスを供給してカーボンナノチューブを生成するカーボンナノチューブの製造方法。
  11. 前記触媒担持体のカーボンナノチューブ生成面の法線方向と略平行に電場を与えるようにした請求項10に記載のカーボンナノチューブの製造方法。
  12. 前記触媒担持体が触媒金属を担持する板状担体を含み、前記板状担体が水に溶解性の基板である請求項10又は11に記載のカーボンナノチューブの製造方法。
  13. 請求項10〜12のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブの製造方法により得られたカーボンナノチューブ。
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JP2011505312A (ja) * 2007-10-30 2011-02-24 カナトゥ オイ 堆積物および堆積物を含む電子デバイス

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