JP2024055670A - カーボンナノチューブ回収装置およびカーボンナノチューブ製造装置ならびにカーボンナノチューブの回収方法 - Google Patents

カーボンナノチューブ回収装置およびカーボンナノチューブ製造装置ならびにカーボンナノチューブの回収方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2024055670000001
【課題】カーボンナノチューブの量産製造時において、所望量のカーボンナノチューブを製造するまでの時間を短縮することが可能なカーボンナノチューブ回収装置およびカーボンナノチューブの製造装置ならびにカーボンナノチューブの製造方法を提供する。
【解決手段】カーボンナノチューブ生成装置2で生成されたカーボンナノチューブを回収するカーボンナノチューブ回収装置3において、カーボンナノチューブを回収する回収室40を設け、回収室40は、ハウジング50と、ハウジング50の下方に設けられた貯蔵容器60と、を有し、ハウジング50は、カーボンナノチューブ生成装置2と通じる第1開口部51と、第1開口部51を開閉する開閉機構53と、貯蔵容器60と通じる第2開口部52と、を有し、そのハウジング50に対して貯蔵容器60を着脱自在に取り付ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、カーボンナノチューブを回収するカーボンナノチューブ回収装置およびそのカーボンナノチューブ回収装置を有するカーボンナノチューブ製造装置ならびにカーボンナノチューブの回収方法に関する。
カーボンナノチューブは、導電性、熱伝導性、機械的強度等の優れた特性を有することから、多くの分野で注目されている新素材である。カーボンナノチューブの製造装置として、特許文献1には、炭素を含む原料(炭素源)を熱分解させてカーボンナノチューブを生成する化学気相成長法(すなわちCVD法)を用いた製造装置が知られている。
また、特許文献2には、CVD法によるカーボンナノチューブの生成を行う反応炉の回収部内、又はその近傍に、カーボンナノチューブの回収装置を設けることが開示されている。特許文献2に記載の回収装置は、カーボンナノチューブを巻き取る巻取部材を回転させることでカーボンナノチューブをロール状に巻き取って巻回体を形成し、その巻回体を回収部に設けられた取り出し口から取り出してカーボンナノチューブを回収している。
特開2019-064918号公報 特開2004-190166号公報
特許文献2に記載のカーボンナノチューブの回収装置においては、カーボンナノチューブの巻回体が所定の径になった段階で回収部から巻回体を取り出している。そのため、カーボンナノチューブの巻回体を1つ製造する毎に、カーボンナノチューブの生成装置を停止し、かつ、製造された巻回体を回収するために反応炉と回収部を常温まで降温させる必要がある。また、カーボンナノチューブの生成を再開する際には、反応炉内の雰囲気温度をカーボンナノチューブの生成に適した温度まで昇温させる必要がある。
すなわち、特許文献2に記載のカーボンナノチューブの回収装置では、カーボンナノチューブを回収する都度、反応炉の降温と再昇温が必要となり、反応炉でカーボンナノチューブを生成できない時間が長くなる。このため、カーボンナノチューブを量産製造する場合には、所望量のカーボンナノチューブの製造が完了するまでに長い時間を要していた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、カーボンナノチューブの量産製造時において、所望量のカーボンナノチューブを製造するまでの時間を短縮することが可能なカーボンナノチューブ回収装置およびカーボンナノチューブの製造装置ならびにカーボンナノチューブの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために、カーボンナノチューブの生成装置と回収装置との間で雰囲気を遮断することによって、生成装置を降温させずにカーボンナノチューブを回収できることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記課題を解決する本発明の一態様を以下に開示する。
[1]カーボンナノチューブ生成装置で生成されたカーボンナノチューブを回収するカーボンナノチューブ回収装置であって、
前記カーボンナノチューブを回収する回収室を備え、
前記回収室は、
ハウジングと、
前記ハウジングの下方に設けられた貯蔵容器と、を有し、
前記ハウジングは、
前記カーボンナノチューブ生成装置と通じる第1開口部と、
前記第1開口部を開閉する開閉機構と、
前記貯蔵容器と通じる第2開口部と、を有し、
前記貯蔵容器は、前記ハウジングに対して着脱自在に取り付けられていることを特徴とする、カーボンナノチューブ回収装置。
[2]前記回収室は、ガスが供給されるガス供給口と、該回収室内に供給されたガスが排出される排気口と、を有することを特徴とする、[1]に記載のカーボンナノチューブ回収装置。
[3]前記ガス供給口は、前記ハウジングに設けられ、
前記排気口は、前記ガス供給口よりも下方に位置していることを特徴とする、[2]に記載のカーボンナノチューブ回収装置。
[4]前記排気口は、前記貯蔵容器に設けられていることを特徴とする、[3]に記載のカーボンナノチューブ回収装置。
[5]前記排気口に通じる排気ラインと、
前記排気ラインに設けられた酸素濃度計と、を備えることを特徴とする、[4]に記載のカーボンナノチューブ回収装置。
[6]前記回収室に不燃性ガスと空気のいずれかのガスを切り替えて供給するガス供給機構を備えていることを特徴とする、[2]~[5]のいずれかに記載のカーボンナノチューブ回収装置。
[7]前記貯蔵容器の内部に、該貯蔵容器に対して着脱自在に設置されたメッシュ状の回収カゴが設けられることを特徴とする、[1]~[6]のいずれかに記載のカーボンナノチューブ回収装置。
[8]前記貯蔵容器内に貯蔵された前記カーボンナノチューブを圧縮する圧縮機構を備えることを特徴とする、[1]~[7]のいずれかに記載のカーボンナノチューブ回収装置。
[9]カーボンナノチューブを生成する生成装置と、
[1]~[8]のいずれかに記載のカーボンナノチューブ回収装置と、を有することを特徴とする、カーボンナノチューブ製造装置。
[10]カーボンナノチューブ回収装置を用いたカーボンナノチューブの回収方法であって、
前記カーボンナノチューブ回収装置は、
前記カーボンナノチューブを回収する回収室を備え、
前記回収室は、
ハウジングと、
前記ハウジングの下方に設けられた貯蔵容器と、を有し、
カーボンナノチューブ生成装置で生成されたカーボンナノチューブを、前記ハウジングに設けられた、前記カーボンナノチューブ生成装置と通じる開口部を通過させて、前記貯蔵容器に貯蔵する貯蔵工程と、
前記開口部が閉口した状態で、前記ハウジングから前記貯蔵容器を取り外して、前記貯蔵容器内の前記カーボンナノチューブを回収する回収工程と、を有することを特徴とする、カーボンナノチューブ回収方法。
[11]前記回収工程において、前記ハウジングから前記貯蔵容器を取り外す前に、前記回収室内の雰囲気を不燃性ガスで置換することを特徴とする、[10]に記載のカーボンナノチューブ回収方法。
[12]前記回収室内の雰囲気を不燃性ガスで置換した後に、前記回収室内の雰囲気を空気で置換することを特徴とする、[11]に記載のカーボンナノチューブ回収方法。
[13]前記回収工程において、前記回収室から排出されたガスの酸素濃度を測定し、測定された酸素濃度に基づいて前記ハウジングから前記貯蔵容器を取り外すことを特徴とする、[12]に記載のカーボンナノチューブ回収方法。
[14]前記回収室内に供給されるガスの供給口よりも下方で排気を行うことを特徴とする、[11]~[13]のいずれかに記載のカーボンナノチューブ回収方法。
[15]前記回収室内に供給されるガスは、前記ハウジングに供給され、
前記貯蔵容器から排気を行うことを特徴とする、[10]~[14]のいずれかに記載のカーボンナノチューブ回収方法。
[16]前記貯蔵工程において、前記貯蔵容器の内部に設置されたメッシュ状の回収カゴに前記カーボンナノチューブを貯蔵し、
前記回収工程において、前記ハウジングから前記貯蔵容器を取り外した後に、前記カーボンナノチューブが貯蔵された前記回収カゴを、他の回収カゴと交換することを特徴とする、[10]~[15]のいずれかに記載のカーボンナノチューブ回収方法。
[17]前記貯蔵工程において、前記貯蔵容器内に貯蔵された前記カーボンナノチューブを圧縮することを特徴とする、[10]~[16]のいずれかに記載のカーボンナノチューブ回収方法。
本発明によれば、カーボンナノチューブの量産製造時において、所望量のカーボンナノチューブを製造するまでの時間を短縮することが可能なカーボンナノチューブ回収装置およびカーボンナノチューブの製造装置ならびにカーボンナノチューブの製造方法を提供できる。
第1実施形態に係るカーボンナノチューブ製造装置の概略構成を示す説明図である。 カーボンナノチューブの巻取構造を説明するための図である。 巻取部材が引抜位置に移動した状態を示す図である。 メッシュ状の回収カゴを説明するための図である。 カーボンナノチューブの回収方法を説明するための図である。 第2実施形態に係るカーボンナノチューブ製造装置の概略構成を示す説明図である。 カーボンナノチューブの回収方法を説明するための図である。 カーボンナノチューブの圧縮機構を説明するための図である。 反応炉が巻取室の側面部に設置されたカーボンナノチューブ製造装置の構成例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るカーボンナノチューブ(以下、「CNT」と称す)を製造するCNT製造装置1の概略構成を示す説明図である。なお、本明細書におけるCNTは、チューブ状の炭素同素体(典型的には、グラファイト構造の円筒型構造物)であり、いわゆる単層CNT、多層CNT、あるいはチューブ先端が角状のカーボンナノホーンを含むものである。
図1に示すように、CNT製造装置1は、CNTを生成する生成装置2と、CNT生成装置2の下端部に設けられたCNTを回収する回収装置3を有している。なお、図中の“X方向”は回収装置3の奥行き方向であり、“Y方向”は回収装置3の幅方向であり、“Z方向”は回収装置3の高さ方向である。各方向X~Zは互いに垂直な方向である。
<カーボンナノチューブ生成装置>
生成装置2の装置構成は、CNTを生成可能であれば特に限定されない。このため、生成装置2としては、例えば特許文献1や特許文献2のように炭素を含む原料ガスを熱分解させてCNTを生成する化学気相成長法(すなわちCVD法)を用いた装置を適用できる。
図1に例示された生成装置2は、反応炉21と、反応炉21の側方に設けられたヒータ22と、CNT生成のための原料を反応炉21に供給する原料供給口23を有している。
反応炉21の形状は限定されないが、例えば直管状(すなわち、軸が直線状に延びる形状)であることが好ましい。また、反応炉21の断面形状は、円形、楕円形、卵型、長円形等の丸みを帯びた形状、あるいは多角形状であってもよい。
ヒータ22の形状や加熱方式は、反応炉21をCNTの生成に適した温度に加熱可能であれば特に限定されない。ヒータ22は、反応炉21を例えば500℃~2000℃、好ましくは1000℃~1600℃に加熱可能であればよい。ヒータ22の具体例としては、反応炉21を500℃~2000℃に加熱可能なタングステンヒータまたは600~1600℃に加熱可能な炭化珪素ヒータ(SiCヒータ)がある。
原料供給口23には、炭素源となるガスや触媒金属または触媒金属化合物などの原料と共に、例えば水素ガスのようなキャリアガスも供給される。
<カーボンナノチューブ回収装置>
回収装置3は、生成装置2で生成されたCNTを巻き取るための巻取室30と、巻取室30で形成されたCNT巻回体Rを回収するための回収室40を備えている。
まず、図2を参照して巻取室30及びその周辺構造について説明する。
巻取室30の天面部には、生成装置2の反応炉21の下端に通じる開口部31が設けられている。反応炉21内で生成されたCNTは、キャリアガスとともに開口部31を通じて巻取室30内に運ばれる。
巻取室30の側面部には、CNTを巻き取るための巻取機構32が設けられている。この巻取機構32は、回転体33と、巻取部材34と、駆動部35を有している。
回転体33は、例えば円柱状または円筒状の部材であり、回転軸方向が水平方向(本実施形態ではX方向)に向いて配置されている。この回転体33は、巻取室30の側面部を貫くように設けられ、回転体33の一部は、巻取室30内に突出している。
巻取部材34は、回転体33の軸方向に延伸する部材であり、例えば円柱状または円筒状のローラーで構成される。巻取部材34の基端は、回転体33の先端(巻取室30側の端部)に取り付けられている。なお、巻取部材34の設置位置は、特に限定されず、開口部31を通過したCNTと接触可能な位置に設置されていればよい。
駆動部35は、巻取室30の外部に設けられている。駆動部35としては例えばモータなどが使用される。巻取部材34が取り付けられた回転体33は、その駆動部35に接続され、駆動部35によって回転体33が回転することで、巻取部材34も回転体33と一体となって回転する。回転体33の回転速度は、CNTの生成速度や所望のCNT巻回体Rの大きさに応じて適宜設定され、例えば0.01~500rpmに設定される。
巻取室30の外部には、巻取部材34に形成されたCNT巻回体Rを分離させる分離機構36も設けられている。分離機構36は、上記の回転体33、巻取部材34および駆動部35を巻取室30の内側から外側に向かう方向に移動させる機構である。換言すると、分離機構36は、巻取部材34を巻取室30から引き抜く方向に移動させる機構であり、この分離機構36によって巻取部材34の先端側から基端側に向かって、回転体33及び巻取部材34を移動させることができる。
本実施形態では、分離機構36の一例として、巻取室30の外部にシリンダ機構37が設けられている。巻取部材34は、そのシリンダ機構37の伸縮動作によって、図2に示すCNTを巻き取る位置(巻取位置)から、図3に示すCNT巻回体Rを巻取部材34から分離させる位置(引抜位置)の間を移動する。すなわち、巻取部材34は、巻取室30の側面部に対して接近または離隔する方向に移動可能である。
上記の分離機構36を有する回収装置3においては、巻取位置にある巻取部材34によってCNT巻回体Rを形成した後、巻取部材34を引抜位置まで後退させることで、CNT巻回体Rが巻取室30の側面部の内面に接触する。そして、その状態で、さらに巻取部材34を後退させることによって、CNT巻回体Rの内周面が巻取部材34で支持されない状態となる。これにより、CNT巻回体Rが巻取部材34から脱落し、CNT巻回体Rと巻取部材34が分離する。その後、巻取部材34が引抜位置から巻取位置に前進し、次のCNT巻回体Rを形成するためのCNTの巻き取りが開始される。
なお、CNT製造装置1において、CNTの巻取構造を設けることは必須ではない。巻取構造を設けない場合、CNT製造装置1は、例えば生成装置2の下端部に後述する回収室40が連結されることで構成される。
次に、再度図1を参照して回収室40及びその周辺構造について説明する。
図1に示すように、回収室40は、ハウジング50と、ハウジング50の下方に設けられた貯蔵容器60を有している。
ハウジング50の天面部には、巻取室30と通じる第1開口部51が設けられ、ハウジング50の底面部には、貯蔵容器60と通じる第2開口部52が設けられている。
第1開口部51は、巻取室30で形成されたCNT巻回体Rが通過可能な形状を有している。前述したように、巻取室30は、開口部31を介して生成装置2の反応炉21に通じているため、その巻取室30に通じるハウジング50の第1開口部51は、生成装置2と通じた開口部であると言い換えることができる。
第2開口部52は、第1開口部51と同様に、巻取室30で形成されたCNT巻回体Rが通過可能な形状を有している。
ハウジング50の内部には、第1開口部51を開閉する開閉機構として仕切弁53が設けられている。この仕切弁53によって、第1開口部51が開口した状態と閉口した状態を切り替えることができる。第1開口部51が開口した状態とは、巻取室30からハウジング50にCNTが通過可能な状態であり、第1開口部51が閉口した状態とは、巻取室30内の雰囲気とハウジング50内の雰囲気とが遮断された状態である。
仕切弁53は、平板状の弁体54と、弁体54を回動させる回動軸部55を備えている。回動軸部55は、第1開口部51の周縁近傍に設けられており、回動軸が水平方向(本実施形態ではY方向)に向くようにして固定されている。この回動軸部55に弁体54の一端が接続されていることによって、弁体54は、回動軸を中心として所定角度の範囲内で時計回り又は反時計回りに回転できる。
弁体54は、第1開口部51を覆うことが可能な形状を有しており、弁体54の、第1開口部51に対向する側の面には、図示しないシール材が設けられている。このため、弁体54が水平状態となるように回転した際には、そのシール材があることによって、巻取室30内の雰囲気とハウジング50内の雰囲気が遮断される。
また、第1開口部51の開閉機構の構成は、第1開口部51の開閉が切り替え可能であれば、上述した構成に限定されない。例えば図1の開閉機構は、ハウジング50内に仕切弁53を設け、弁体54を下方から上方に回転させて第1開口部51を閉口する構成であったが、巻取室30内に仕切弁(図示せず)を設け、その仕切弁の弁体(図示せず)を上方から下方に回転させて第1開口部51を閉口する構成であってもよい。あるいは、仕切弁53に代えて、水平方向にスライド可能な扉(図示せず)を第1開口部51の直上または直下に設けて、第1開口部51を閉口してもよい。
ただし、反応炉21から排出されるCNTは、巻取部材34で巻き取られずに落下する場合もあり、例えば巻取室30内の底面にCNTが付着することもある。この場合、巻取室30内に仕切弁を設けて弁体を上方から下方に回転させる構造では、弁体と第1開口部51との間にCNTが挟まれ、シール性に影響を与えることも考えられる。仮にシール性が低下した際には、弁体と第1開口部51との隙間に付着したCNTを除去するためのメンテナンス作業が必要となる。このような問題は、第1開口部51の開閉機構として水平方向にスライド可能な扉を設けた場合も同様に起こり得る。
したがって、シール性を高めると共にメンテナンス頻度を少なくする観点からは、図1に示したように、第1開口部51の開閉機構は、ハウジング50内に仕切弁53を設け、弁体54を下方から上方に向かって回転させる構造であることが好ましい。
ハウジング50の外部には、不燃性ガスの供給ライン56と、空気の供給ライン57が設けられている。これらの供給ライン56、57には、それぞれバルブ56a、57aが設けられている。各供給ライン56、57は、ガス供給管58に接続されていて、上記のバルブ56a、57aの開閉を切り替えることによって、ガス供給管58に不燃性ガスまたは空気が供給される。不燃性ガスの種類は特に限定されないが、窒素ガスを用いることが好ましい。
ハウジング50の側面部には、ガス供給管58が接続されるガス供給口59が形成されている。ハウジング50内には、そのガス供給口59を介して不燃性ガスまたは空気が供給される。
なお、上述した不燃性ガスの供給と停止の切り替え、および空気の供給と停止の切り替えが可能なガス供給機構においては、各ガスの切り替えが、作業者の手動操作によって実施されてもよいし、ガス供給機構の動作を制御する制御部(図示せず)によって自動的に実施されてもよい。
また、図示は省略されているが、ハウジング50の底面部には、生成装置2や巻取室30、ハウジング50等の自重を支えるための基台や柱状の脚等の支持部材が適宜設けられている。これによって、ハウジング50から貯蔵容器60が取り外された際もCNT製造装置1の姿勢が保たれる。
次に、回収室40が備える貯蔵容器60について説明する。
貯蔵容器60は、上面の一部が開口した容器であり、複数個のCNT巻回体Rを収容可能である。この貯蔵容器60には、ハウジング50の第1開口部51と第2開口部52を通過して落下したCNT巻回体Rが一時的に貯蔵される。
また、貯蔵容器60は、ハウジング50に対して着脱自在に取り付けられている。貯蔵容器60とハウジング50の固定方法は、作業者がハウジング50から貯蔵容器60を取り外し可能であれば特に限定されないが、例えば固定用のクランプを用いた固定方法などが適用される。
貯蔵容器60の上面部とハウジング50の底面部との間には、図示しないシール材が設けられている。貯蔵容器60がハウジング50に取り付けられた状態では、そのシール材が設けられていることによって、回収室40内の雰囲気がハウジング50と貯蔵容器60の隙間から外部に流出しないようになっている。
貯蔵容器60の外部には、回収室40内の雰囲気を排出する排気ライン61が設けられている。排気ライン61は、バルブ61aと、排気管61bを有しており、排気管61bは、貯蔵容器60の側面部に形成された排気口62に接続されている。ハウジング50内に供給されたガスは、この排気口62を介して排出される。貯蔵容器60の排気口62から排出されるガスは、後述するメッシュ状の回収カゴ64を用いることで、巻取部材34で巻き取られずに落下したCNTを捕集することができ、排ガスの清浄度を高めた環境に配慮した操業が可能となる。
なお、排気口62は、貯蔵容器60ではなく、例えばハウジング50に設けられてもよい。この場合、ハウジング50の排気口から排出されるガスの清浄度を高め、環境に配慮した操業を可能とするためには、ハウジング50の排気口にメッシュ状のフィルター部材(図示なし)を設け、巻取部材34で巻き取られずに落下したCNTを捕集することが好ましい。
ただし、排気口62は、ガス供給口59よりも下方に位置していることが好ましい。後述するように、ハウジング50から貯蔵容器60を取り外す際には、回収室40内の雰囲気をキャリアガスから不燃性ガスに置換する工程があるが、キャリアガスの比重が不燃性ガスの比重よりも軽い場合、キャリアガスがハウジング50内の上方に滞留し易い。
一方、排気口62がガス供給口59よりも下方に位置している場合には、ハウジング50内では、不燃性ガスが上方から下方に向かって流れるため、不燃性ガスによるキャリアガスの排出が容易になり、キャリアガス雰囲気の回収室40を不燃性ガス雰囲気に置換し易くなる。また、図1に示したように、排気口62が貯蔵容器60に設けられている場合には、貯蔵容器60内の雰囲気置換が容易となる。
排気ライン61には、排ガス中の酸素濃度を測定する酸素濃度計63を設けることが好ましい。この酸素濃度計63を用いることで、回収室40内の雰囲気がどのようなガスで構成されているか予測し易くなるため、後述する貯蔵容器60の取り外しや仕切弁53の再開放を適切なタイミングで行うことが可能となる。これにより、CNTの回収から生成再開までの過程で生じ得る余分な待機時間を省略できる。
図4に示すように、貯蔵容器60の内部には、CNT巻回体Rを貯蔵可能な回収カゴ64を設置することが好ましい。この回収カゴ64は、複数の開口部が形成されたメッシュ状のカゴであり、貯蔵容器60に対して着脱自在である。回収カゴ64の材料は、貯蔵容器60に落下したCNT巻回体Rが有する熱への耐熱性を有していれば特に限定されないが、例えば金属材料が用いられる。
回収カゴ64が設けられている場合には、ハウジング50から貯蔵容器60を取り外した際に、CNT巻回体Rが貯蔵された回収カゴ64を貯蔵容器60から取り出すことで容易にCNT巻回体Rを回収することができる。また、回収カゴ64が取り出された貯蔵容器60には、中身が空の状態の他の回収カゴを設置できるため、ハウジング50に対する貯蔵容器60の再取り付け時間を短縮できる。
なお、ハウジング50内に供給されたガスは、回収カゴ64がメッシュ状に形成されていることによって、回収カゴ64のメッシュを通過でき、排気口62からの排気は阻害されない。また、CNTの一部は、巻取部材34(図1)で巻き取られずに落下することもあるが、そのようなCNTは回収カゴ64によって捕集されるため、排気ライン61へのCNTの混入を抑制できる。すなわち、メッシュ状の回収カゴ64によって、排ガスの清浄度を高め、環境に配慮した操業が可能となる。
本実施形態に係るCNT製造装置1は以上のように構成されている。なお、CNT製造装置1を構成する各部材の材質は、本明細書で説明した作用効果の発現を阻害しない材質であれば特に限定されないが、例えばステンレス鋼、一般構造用圧延鋼材(SS材)が採用される。また、CNT製造装置1を構成する各部材のうち、CNTが接触し得る部材には、テフロン(登録商標)コーティングが施されてもよい。
(カーボンナノチューブ回収方法)
次に、回収装置3を用いたCNTの回収方法の一例について説明する。なお、以下で説明する各ガスの供給または停止や仕切弁53の開閉等の動作のうち、自動的に実施可能な動作については、制御部(図示せず)を介して自動的に実施してもよいし、作業者の手動によって実施してもよい。
まず、図5(a)に示すように、CNTを貯蔵容器60に貯蔵する貯蔵工程では、ハウジング50内の仕切弁53が開放され、第1開口部51は開口した状態にある。この工程では、ガス供給管58からのガス供給が停止し、排気管61bからの排気が行われているため、回収室40内の雰囲気は、生成装置2(図1)の反応炉21に供給されるキャリアガス雰囲気となっている。
このとき、巻取室30では、CNTを巻き取ることによるCNT巻回体Rの形成(図2)と、CNT巻回体Rの分離(図3)が行われる。ここで分離されたCNT巻回体Rは、巻取室30から第1開口部51と第2開口部52を通過して、貯蔵容器60に落下する。このようなCNTの巻き取りと分離が繰り返し行われることで、貯蔵容器60内にCNT巻回体Rが貯蔵される。
次に、図5(b)に示すように、CNTの貯蔵工程を所定の時間行うか、あるいは貯蔵容器60内に所定量のCNTが貯蔵された段階で、キャリアガスの供給と排気管61bからの排気を停止し、CNTの生成を停止する。その後、仕切弁53を閉じ、第1開口部51を閉口する。これにより、巻取室30内の雰囲気とハウジング50内の雰囲気とが遮断される。このとき、生成装置2のヒータ22(図1)は停止しておらず、反応炉21及び巻取室30内の雰囲気温度は、CNTの生成に適した温度に保持される。
次に、図5(c)に示すように、ガス供給管58から例えば窒素ガスなどの不燃性ガスを供給し、排気管61bからの排気を再開して、回収室40内の雰囲気を不燃性ガスに置換する。キャリアガスには可燃性ガスである水素ガスが含まれているため、このように回収室40内を不燃性ガスで置換することが好ましい。
次に、図5(d)に示すように、ガス供給管58から供給するガスを不燃性ガスから空気を切り替えて、回収室40内の雰囲気を空気に置換する。このとき、酸素濃度計63(図1)が設置されている場合には、例えば排ガス中の酸素濃度が所定値以上となったときに回収室40内が空気に置換されたと判断できる。
なお、回収室40に供給される上述の不燃性ガスと空気の温度は、常温(例えば20~25℃)でよい。
次に、図5(e)に示すように、回収室40内の雰囲気が空気に置換された後は、ガス供給管58からの空気の供給と、排気管61bからの排気を停止し、貯蔵容器60から排気管61bを取り外す。その後、ハウジング50から貯蔵容器60を取り外し、取り外した貯蔵容器60内のCNT巻回体Rを回収する。
この工程では、ハウジング50の下方からのハウジング50内の雰囲気の流出と、ハウジング50内への外気の流入が起こるが、ハウジング50内の雰囲気と巻取室30内の雰囲気は、仕切弁53によって遮断されている。このため、ハウジング50から巻取室30側への雰囲気の流入は起こらず、巻取室30内の雰囲気は、CNTの生成に適した温度に保持される。
次に、図5(f)に示すように、貯蔵容器60内のCNT巻回体Rを回収した後は、貯蔵容器60をハウジング50に再度取り付ける。ここでハウジング50に取り付ける貯蔵容器60は、例えば図5(e)で取り外した貯蔵容器60とは異なる空の状態の他の貯蔵容器、あるいは図4に示した回収カゴ64と交換された空の状態の他の回収カゴが設置された貯蔵容器である。
ハウジング50に貯蔵容器60を取り付けた後、貯蔵容器60に排気管61bを取り付けて、ガス供給管58からの不燃性ガスの供給と、排気管61bからの排気を再開し、回収室40内を不燃性ガス雰囲気に置換する。このとき、酸素濃度計63(図1)が設置されている場合には、例えば排ガス中の酸素濃度が所定値以下となったときに回収室40内が不燃性ガスに置換されたと判断できる。
そして、回収室40内が不燃性ガス雰囲気に置換された後に、仕切弁53を開き、生成装置2(図1)の反応炉21へのCNT生成用の原料とキャリアガスの供給を再開する。前述のように、この段階では反応炉21及び巻取室30内の雰囲気がCNTの生成に適した温度に保持されている。また、貯蔵容器60をハウジング50から取り外している間は、第1開口部51が閉口していたため、反応炉21及び巻取室30内の雰囲気には、外気が流入しない。
すなわち、反応炉21及び巻取室30内の雰囲気は、CNTの生成に適した状態にあり、CNT生成用の原料とキャリアガスが供給されたタイミングで、CNTの生成が再開される。
その後、図5(a)~図5(f)に示したCNTを巻き取って貯蔵する工程と回収工程とが繰り返し行われる。なお、図5(d)に示したハウジング50内を空気で置換する工程は省略してもよい。この場合には、回収室40内を不燃性ガス雰囲気としたまま、貯蔵容器60をハウジング50から取り外し、ハウジング50と貯蔵容器60内の不燃性ガスが外気で置換されるまで放置した後に、作業者によるCNTの回収を行う。
以上で説明した本実施形態に係るCNTの回収方法においては、巻取室30とハウジング50との間で雰囲気が遮断された状態で、CNT巻回体Rが貯蔵された貯蔵容器60をハウジング50から取り外すことができる。このため、CNTの回収中に、生成装置2の反応炉21内の雰囲気をCNTの生成に適した状態に保持することができる。
これによって、CNTの回収作業の完了後に従来必要であったCNT生成のための雰囲気置換工程や加熱工程を省略することができる。この結果、CNTの回収作業の完了からCNTの生成再開までの時間を短縮でき、所望量のCNTの製造が完了するまでの時間を短縮できる。
さらに、貯蔵容器60をハウジング50から取り外した際に、高温の反応炉21内に低温の外気が流入しないことによって、反応炉21の長寿命化が可能となる。この効果が得られる理由は以下の通りである。
例えば反応炉21が例えばセラミックで形成されている場合、高温の反応炉21に外気が流入すると、温度差による熱衝撃によって反応炉21が破損し得る。また例えば、反応炉21がカーボンで形成されている場合、高温の反応炉21に外気が流入すると、反応炉21のカーボンが急激に酸化して焼損し得る。
一方、本実施形態に係る回収装置3においては、貯蔵容器60を取り外した際には、ハウジング50の第1開口部51が閉口している。このため、高温の反応炉21内には低温の外気が流入しないため、上記のような問題が起こらず、反応炉21の長寿命化を実現できる。
(第2実施形態)
図6は、第2実施形態に係るCNT製造装置1の概略構成を示す説明図である。第2実施形態は、不燃性ガスの第1供給ライン56と、第1排気ライン61に加えて、不燃性ガスの第2供給ライン70と、第2排気ライン72が設けられている点で第1実施形態と異なっている。以下、第2実施形態に係る回収装置3について、より詳細に説明する。
図6に示すように、不燃性ガスの第2供給ライン70は、バルブ70aと、ガス供給管70bを有している。ガス供給管70bは、ハウジング50の側面下部に形成されたガス供給口71に接続されている。
第2排気ライン72は、バルブ72aと、排気管72bを有している。排気管72bは、ガス供給口71が形成されたハウジング50の側面部と対向する側面部に形成された排気口73に接続されている。排気口73は、ガス供給口71よりも高い位置に形成されている。
次に、本実施形態に係る回収装置3を用いた場合のCNTの回収方法の一例について図7を参照して説明する。なお、図7(a)~図7(d)の工程は、図5(a)~図5(d)の工程と同様であるため、説明を省略する。
図7(e)に示すように、貯蔵容器60を取り外す際には、ガス供給管58からの空気の供給と排気管61bからの排気を停止し、ガス供給管70bからの不燃性ガスの供給と排気管72bからの排気を開始する。この状態で貯蔵容器60をハウジング50から取り外し、貯蔵容器60内のCNT巻回体Rを回収する。
この工程において、貯蔵容器60をハウジング50から取り外した際には、ガス供給管70bから供給される不燃性ガスが主に排気管72bに向かって流れ、ハウジング50内には下方から上方に向かう気流が形成される。このため、例えばシール材の劣化によって巻取室30とハウジング50との間でシール不良が発生し、それによって巻取室30内のガスがハウジング50側に流出したとしても、その流出したガスを排気管72bから排出することができる。
貯蔵容器60内のCNT巻回体Rを回収した後は、図7(f)に示すように、ガス供給管70bからの不燃性ガスの供給と、排気管72bからの排気を停止し、貯蔵容器60を再度ハウジング50に取り付ける。その後、ガス供給管58からの不燃性ガスの供給と、排気管61bからの排気を再開する。
以上で説明したように、第2実施形態に係る回収装置3においては、貯蔵容器60をハウジング50から取り外す際に、シール材の劣化などの原因によって第1開口部51から巻取室30内のガスが流出しても、そのガスがハウジング50の外部に流出しないようにすることができる。
この効果を高める観点では、図6に示した不燃性ガスの第2供給ライン70に通じるガス供給口71は、第1開口部51よりも下方に形成されていることが好ましく、第2開口部52の近傍に形成されていることがさらに好ましい。これによって、ハウジング50内全体に上昇気流が形成され易くなり、巻取室30内からハウジング50内に流出したガスがハウジング50の下端から流出し難くなる。
また、上記の効果を高める観点では、第2排気ライン72に通じる排気口73は、第1開口部51近傍に形成されていることが好ましい。これにより、巻取室30からハウジング50内にガスが流出したとしても、そのガスがハウジング50の下方に向かって流れずに排気口73から排出され易くなる。
以上、第1~第2実施形態に係るCNTの回収装置3について説明した。
なお、回収装置3においては、図8で例示するように、CNTを圧縮するための圧縮機構80を設けてもよい。この圧縮機構80は、押圧部材としての押し板81と、押し板81に接続された駆動部82を有している。
押し板81は、鉛直方向に沿って切断した断面の形状が段差を有する形状であって、上段部81aと、下段部81bを有している。下段部81bは、貯蔵容器60の内寸(回収カゴ64が設置されている場合は回収カゴ64の内寸)よりも小さい外形を有している。駆動部82は、例えばモータやシリンダ等を組み合わせて構成されており、この駆動部82によって、押し板81を上昇または回転させることが可能である。
上記の構成を有した圧縮機構80においては、押し板81の下段部81bが第1開口部51の下方に存在する位置(図8の二点鎖線で示す位置)と、存在しない位置との間で、押し板81が回転可能である。換言すると、押し板81は、貯蔵容器60内のCNT巻回体Rを圧縮するための位置(圧縮位置)と、CNT巻回体Rの落下を阻害しない位置(退避位置)との間で回転可能である。
また、押し板81は、貯蔵容器60の内寸よりも小さな外形を有しているため、上段部81aがハウジング50内の底面近傍まで下降した際には、下段部81bは、貯蔵容器60内まで下降する。
この圧縮機構80を用いてCNTの回収を行う場合、CNTの生成および巻取中、押し板81は、基本的には退避位置で停止している。そして、例えばCNTの生成開始から所定時間が経過したとき、あるいは貯蔵容器60内に落下したCNT巻回体Rが貯蔵容器60の上端から溢れ出たときには、退避位置にある押し板81を圧縮位置まで回転させる。
そして、押し板81を下降させて、押し板81の下段部81bで貯蔵容器60内に貯蔵されたCNT巻回体Rを圧縮する。その後、押し板81を上昇させ、圧縮位置から退避位置まで回転させる。
上記の圧縮機構80を用いれば、貯蔵容器60内に貯蔵されたCNT巻回体RをCNTの生成中に圧縮できる。これにより、貯蔵容器60内におけるCNT巻回体Rの収容スペースが拡大し、CNTの生成を継続することができる。このため、CNTの回収を1回行うあたりのCNTの回収量が増加すると共に、CNTの回収工程の頻度も少なくできるため、CNTの製造時間をより長く確保することができる。
特に、CNTは軽量であるために自重では潰れず、また、CNTの性質上、CNT巻回体Rは、他のCNT巻回体Rの表面を転がり難く、貯蔵容器60内に貯蔵されるCNTは嵩張り易い。このため、圧縮機構80を設けることは有用である。
なお、以上で説明したCNT製造装置1においては、生成装置2が回収装置3の上方に配置されていたが、回収装置3の側方に配置されてもよい。例えば図9に示すように、生成装置2の反応炉21を回収装置3の巻取室30の側面部に取り付けてもよい。
図9に示した例における巻取部材34は、回転軸がY方向となるように配置され、反応炉21と通じる開口部31から排出されるCNTは、回転する巻取部材34によって巻き取られる。巻き取られて形成されたCNT巻回体Rは、図3に示した分離機構36と同様の分離機構によって巻取部材34が図9の紙面奥側に引き抜かれることで落下する。これによって、巻取室30からハウジング50にCNT巻回体Rが落下し、貯蔵容器60にCNT巻回体Rが貯蔵される。このように構成されたCNT製造装置1であっても、例えば図5または図7で説明したCNTの回収方法を実施することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば上記実施形態の構成要件は任意に組み合わせることができる。当該任意の組み合せからは、組み合わせにかかるそれぞれの構成要件についての作用及び効果が当然に得られるとともに、本明細書の記載から当業者には明らかな他の作用及び他の効果が得られる。
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、又は、上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
本発明は、カーボンナノチューブの回収装置および製造装置に適用することができる。
1 CNT製造装置(カーボンナノチューブ製造装置)
2 CNT生成装置(カーボンナノチューブ生成装置)
3 CNT回収装置(カーボンナノチューブ回収装置)
21 反応炉
22 ヒータ
23 原料供給口
30 巻取室
31 開口部
32 巻取機構
33 回転体
34 巻取部材
35 駆動部
36 分離機構
37 シリンダ機構
40 回収室
50 ハウジング
51 第1開口部
52 第2開口部
53 仕切弁
54 弁体
55 回動軸部
56 不燃性ガス供給ライン
56a バルブ
57 空気供給ライン
57a バルブ
58 ガス供給管
59 ガス供給口
60 貯蔵容器
61 排気ライン
61a バルブ
61b 排気管
62 排気口
63 酸素濃度計
64 回収カゴ
70 不燃性ガス供給ライン
70a バルブ
70b ガス供給管
71 ガス供給口
72 排気ライン
72a バルブ
72b 排気管
73 排気口
80 圧縮機構
81 押し板
82 駆動部
R CNT巻回体(カーボンナノチューブ巻回体)

Claims (17)

  1. カーボンナノチューブ生成装置で生成されたカーボンナノチューブを回収するカーボンナノチューブ回収装置であって、
    前記カーボンナノチューブを回収する回収室を備え、
    前記回収室は、
    ハウジングと、
    前記ハウジングの下方に設けられた貯蔵容器と、を有し、
    前記ハウジングは、
    前記カーボンナノチューブ生成装置と通じる第1開口部と、
    前記第1開口部を開閉する開閉機構と、
    前記貯蔵容器と通じる第2開口部と、を有し、
    前記貯蔵容器は、前記ハウジングに対して着脱自在に取り付けられていることを特徴とする、カーボンナノチューブ回収装置。
  2. 前記回収室は、ガスが供給されるガス供給口と、該回収室内に供給されたガスが排出される排気口と、を有することを特徴とする、請求項1に記載のカーボンナノチューブ回収装置。
  3. 前記ガス供給口は、前記ハウジングに設けられ、
    前記排気口は、前記ガス供給口よりも下方に位置していることを特徴とする、請求項2に記載のカーボンナノチューブ回収装置。
  4. 前記排気口は、前記貯蔵容器に設けられていることを特徴とする、請求項3に記載のカーボンナノチューブ回収装置。
  5. 前記排気口に通じる排気ラインと、
    前記排気ラインに設けられた酸素濃度計と、を備えることを特徴とする、請求項4に記載のカーボンナノチューブ回収装置。
  6. 前記回収室に不燃性ガスと空気のいずれかのガスを切り替えて供給するガス供給機構を備えていることを特徴とする、請求項2~5のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブ回収装置。
  7. 前記貯蔵容器の内部に、該貯蔵容器に対して着脱自在に設置されたメッシュ状の回収カゴが設けられることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブ回収装置。
  8. 前記貯蔵容器内に貯蔵された前記カーボンナノチューブを圧縮する圧縮機構を備えることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブ回収装置。
  9. カーボンナノチューブを生成する生成装置と、
    請求項1~5のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブ回収装置と、を有することを特徴とする、カーボンナノチューブ製造装置。
  10. カーボンナノチューブ回収装置を用いたカーボンナノチューブの回収方法であって、
    前記カーボンナノチューブ回収装置は、
    前記カーボンナノチューブを回収する回収室を備え、
    前記回収室は、
    ハウジングと、
    前記ハウジングの下方に設けられた貯蔵容器と、を有し、
    カーボンナノチューブ生成装置で生成されたカーボンナノチューブを、前記ハウジングに設けられた、前記カーボンナノチューブ生成装置と通じる開口部を通過させて、前記貯蔵容器に貯蔵する貯蔵工程と、
    前記開口部が閉口した状態で、前記ハウジングから前記貯蔵容器を取り外して、前記貯蔵容器内の前記カーボンナノチューブを回収する回収工程と、を有することを特徴とする、カーボンナノチューブ回収方法。
  11. 前記回収工程において、前記ハウジングから前記貯蔵容器を取り外す前に、前記回収室内の雰囲気を不燃性ガスで置換することを特徴とする、請求項10に記載のカーボンナノチューブ回収方法。
  12. 前記回収室内の雰囲気を不燃性ガスで置換した後に、前記回収室内の雰囲気を空気で置換することを特徴とする、請求項11に記載のカーボンナノチューブ回収方法。
  13. 前記回収工程において、前記回収室から排出されたガスの酸素濃度を測定し、測定された酸素濃度に基づいて前記ハウジングから前記貯蔵容器を取り外すことを特徴とする、請求項12に記載のカーボンナノチューブ回収方法。
  14. 前記回収室内に供給されるガスの供給口よりも下方で排気を行うことを特徴とする、請求項11~13のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブ回収方法。
  15. 前記回収室内に供給されるガスは、前記ハウジングに供給され、
    前記貯蔵容器から排気を行うことを特徴とする、請求項14に記載のカーボンナノチューブ回収方法。
  16. 前記貯蔵工程において、前記貯蔵容器の内部に設置されたメッシュ状の回収カゴに前記カーボンナノチューブを貯蔵し、
    前記回収工程において、前記ハウジングから前記貯蔵容器を取り外した後に、前記カーボンナノチューブが貯蔵された前記回収カゴを、他の回収カゴと交換することを特徴とする、請求項10~13のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブ回収方法。
  17. 前記貯蔵工程において、前記貯蔵容器内に貯蔵された前記カーボンナノチューブを圧縮することを特徴とする、請求項10~13のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブ回収方法。
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