JP5111990B2 - 錠前装置および施解錠方法 - Google Patents

錠前装置および施解錠方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5111990B2
JP5111990B2 JP2007256021A JP2007256021A JP5111990B2 JP 5111990 B2 JP5111990 B2 JP 5111990B2 JP 2007256021 A JP2007256021 A JP 2007256021A JP 2007256021 A JP2007256021 A JP 2007256021A JP 5111990 B2 JP5111990 B2 JP 5111990B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
locking
unlocking
state
doorway
hole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007256021A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009084873A (ja
Inventor
勉 石田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SOHGO SECURITY SERVICES CO.,LTD.
Original Assignee
SOHGO SECURITY SERVICES CO.,LTD.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SOHGO SECURITY SERVICES CO.,LTD. filed Critical SOHGO SECURITY SERVICES CO.,LTD.
Priority to JP2007256021A priority Critical patent/JP5111990B2/ja
Publication of JP2009084873A publication Critical patent/JP2009084873A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5111990B2 publication Critical patent/JP5111990B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Lock And Its Accessories (AREA)

Description

本発明は、出入口扉を施解錠する錠前装置および施解錠方法に関するものであり、特に、二つの施解錠部を備えた錠前装置および施解錠方法に関する。
近年、不正な侵入を防止する目的で、一つの出入口扉に主錠と補助錠の二つの施解錠部を備えた錠前装置を設置する所謂ワンドアツーロックを実施して、防犯性の向上を図る試みがなされている。すなわち、ワンドアツーロックを実施することで期待できる効果としては、主錠と補助錠とを設置することにより、各種非破壊不正解錠手段(ピッキング、サムターン回し等)における作業の手間・所要時間を2倍程度にすること、出入口扉や錠前装置の破壊を伴う不正開放手段(こじ開け、錠破り等)を物理的に困難にすること、及び、補助錠を設置することにより、不正解錠が困難であることに加えて、居住者の防犯意識が高いことを不正侵入者に感じさせて犯意を失わせるとともに、犯行に至らなくさせることが挙げられる。
従って、従来から、一つの出入口扉に主錠と補助錠の二つの施解錠部を備えた錠前装置が一般的に利用されている。例えば、室外側から施錠するときは一方のシリンダ錠を施錠すれば他のシリンダ錠も自動的に施錠できるが、解錠するときには夫々別個に解錠するようにした施錠装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、二つの電気錠のうち一方の電気錠を施錠した場合には、これと連動して他方の電気錠が施錠されるが、一方の電気錠を解錠した場合には、他方の電気錠はこの操作と連動せず施錠状態を維持する電気錠装置が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2005−315047号公報 特開2002−180712号公報
しかしながら、従来技術のように、出入口扉に二つの施解錠部を備えた錠前装置を設置した場合、不正侵入者による錠前装置の解錠が困難となるが、正規の利用者が入退館する際にも、二つの施解錠部それぞれに対する施解錠操作が必要となる。また、上記特許文献1および特許文献2の技術では、出入口扉の施錠を行う場合は一回の施錠操作で二つの施解錠部を施錠することが可能となるが、出入口扉の解錠を行う際には、二つの施解錠部を備えた錠前装置を解錠するための二回の解錠操作が必要になる。このため、出入口扉に単独の施解錠部を備えた錠前装置を設置している場合と比較すると解錠操作が二段階となるため、正規の利用者による操作が煩雑となり利便性が低下するという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、第1施解錠部と第2施解錠部とを連結することで、正規の利用者には一回の施解錠操作で出入口扉の施解錠を可能にして煩雑な施解錠操作を強要せず利便性を向上させるとともに、不正侵入者には解錠操作を困難にし、かつ出入口扉の不正開放に対する物理的耐性を高めることで防犯性を向上できる錠前装置および施解錠方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、出入口扉に設置され、前記出入口扉を開放不可能な施錠状態、前記出入口扉を開放可能な解錠状態、または前記解錠状態に移行可能な解錠可能状態にする錠前装置において、前記錠前装置に対向して出入口の壁面に設けられた第1孔部に挿脱可能であって、前記第1孔部に挿入した状態で保持されることによって前記出入口扉を前記施錠状態にし、前記出入口扉の前記第1孔部に対して移動可能な状態にされることによって前記出入口扉を前記解錠可能状態にする第1施解錠部と、前記錠前装置に対向して出入口の壁面に設けられた第2孔部に挿脱可能であって、前記第2孔部に挿入した状態で保持されることによって前記出入口扉を前記施錠状態にし、前記出入口扉の前記第2孔部に対して移動可能な状態にされることによって前記出入口扉を前記解錠可能状態にする第2施解錠部と、前記第1施解錠部と前記第2施解錠部とを連結する連結部材と、利用者から第1操作力を受付け、前記第1操作力を前記第1施解錠部に伝達することで前記第1施解錠部を移動させる開閉操作部と、所定条件の場合、前記第1操作力を前記第1施解錠部に伝達することで、前記第1施解錠部を前記第1孔部に移動させるとともに、前記第2施解錠部を第1施解錠部の移動に連動して前記第2孔部に移動させ、前記出入口扉を前記解錠可能状態から前記解錠状態にする伝達部と、を備え、前記伝達部は、前記開閉操作部に連結されており、前記第1施解錠部に係合することにより前記出入口扉を前記施錠状態または前記解錠可能状態とし、前記第1施解錠部に係合し、かつ前記第1操作力を前記第1施解錠部に伝達することで前記第1施解錠部を移動させ、前記第1施解錠部との係合を解除して前記第1操作力の前記第1施解錠部への伝達を不能にすることで前記第1施解錠部を移動不能にする係合部材を備えること、を特徴とする。
また、請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の錠前装置において、前記第2施解錠部は、複数設けられ、前記連結部材は、前記第1施解錠部と複数の第2施解錠部とを連結し、前記伝達部は、所定条件の場合、前記第1操作力を前記第1施解錠部に伝達することで、前記第1施解錠部を前記第1孔部に移動させるとともに、複数の第2施解錠部を第1施解錠部の移動に連動して前記第2孔部に移動させ、前記出入口扉を前記解錠可能状態から前記解錠状態にすることを特徴とする。
また、請求項にかかる発明は、請求項1または2に記載の錠前装置において、前記錠前装置は、前記出入口扉が設置された監視領域における異常事態の発生の有無を監視する警備装置と接続され、利用者から第2操作力を受付ける施解錠操作部と、前記出入口扉付近に設けられ、前記警備装置によって前記監視領域の異常が検知された場合に異常検知情報を通報する警備状態、または前記警備装置によって前記監視領域の異常が検知された場合に前記異常検知情報を通報しない警備解除状態の設定を受付ける操作部と、をさらに備え、前記係合部材は、前記所定条件として、前記施解錠操作部により前記第2操作力を受付け、かつ前記操作部により前記警備解除状態の設定を受付けた場合に、前記第1施解錠部に係合することを特徴とする。
また、請求項にかかる発明は、請求項に記載の錠前装置において、稼働可能な鉄心を有するソレノイドをさらに備え、前記伝達部は、前記第1施解錠部の近傍である一方の端部に第1突起部が形成され、前記第2操作力によって押圧されることで第1方向へ移動し、前記第1突起部が前記第1施解錠部の内部方向へ移動することで前記係合部材への押圧を解除し、第3操作力によって押圧されることで第1方向と逆方向である第2方向へ移動し、前記第1突起部が前記第1施解錠部の外部方向へ移動することで前記係合部材を押圧する可動部材と、前記ソレノイドに対する通電を制御し、前記操作部により前記警備状態から前記警備解除状態の設定を受付けた場合、前記ソレノイドを非通電にし、前記操作部により前記警備解除状態から前記警備状態の設定を受付けた場合、前記ソレノイドを通電する制御部と、一方の端部近傍で前記鉄心に連結され、他方の端部近傍に第2突起部が形成されており、前記ソレノイドへの非通電に連動して前記第2突起部が前記第1施解錠部の内部方向へ移動することで前記係合部材への押圧を解除し、前記ソレノイドへの通電に連動して前記第2突起部が前記第1施解錠部の外部方向へ移動することで前記係合部材を押圧する押圧部材と、をさらに備え、前記係合部材は、前記第1突起部が前記第2操作力により前記第1施解錠部の内部方向へ移動し、かつ前記第2突起部が前記ソレノイドの非通電により第1施解錠部の内部方向へ移動した場合に、前記第1施解錠部に係合することを特徴とする。
また、請求項にかかる発明は、請求項に記載の錠前装置において、前記係合部材を、前記第1施解錠部側の方向に付勢する弾性部材をさらに備え、前記係合部材は、前記可動部材および前記押圧部材からの押圧が解除された場合、前記弾性部材からの付勢力によって前記第1施解錠部に係合し、前記可動部材および前記押圧部材は、前記弾性部材からの付勢力に対抗して、前記係合部材を押圧し、前記係合部材と前記第1施解錠部との係合を解除することを特徴とする。
また、請求項にかかる発明は、請求項1〜のいずれか一つに記載の錠前装置において、施解錠機能を有さず、前記錠前装置に前記第2施解錠部が設置されており、かつ前記第2施解錠部を操作することを連想させる模造施解錠操作部をさらに備えることを特徴とする。
また、請求項にかかる発明は、出入口扉に設置され、前記出入口扉を開放不可能な施錠状態、前記出入口扉を開放可能な解錠状態、または前記解錠状態に移行可能な解錠可能状態にする錠前装置で実行される施解錠方法において、前記錠前装置に対向して出入口の壁面に設けられた第1孔部に挿脱可能な第1施解錠部により、前記第1孔部に挿入した状態で保持されることによって前記出入口扉を前記施錠状態にし、前記出入口扉の前記第1孔部に対して移動可能な状態にされることによって前記出入口扉を前記解錠可能状態にする第1施解錠工程と、前記錠前装置に対向して出入口の壁面に設けられた第2孔部に挿脱可能な第2施解錠部により、前記第2孔部に挿入した状態で保持されることによって前記出入口扉を前記施錠状態にし、前記出入口扉の前記第2孔部に対して移動可能な状態にされることによって前記出入口扉を前記解錠可能状態にする第2施解錠工程と、開閉操作部により、利用者から第1操作力を受付け、前記第1操作力を前記第1施解錠部に伝達することで前記第1施解錠部を移動させる開閉操作工程と、所定条件の場合、伝達部により前記第1操作力を前記第1施解錠部に伝達することで、前記第1施解錠部を前記第1孔部に移動させるとともに、連結部材により前記第1施解錠部と連結する前記第2施解錠部を第1施解錠部の移動に連動して前記第2孔部に移動させ、前記出入口扉を前記解錠可能状態から前記解錠状態にする伝達工程と、を含み、前記伝達工程は、前記開閉操作部に連結された前記伝達部により、前記第1施解錠部に係合することにより前記出入口扉を前記施錠状態または前記解錠可能状態とし、前記伝達部に備えられた係合部材により、前記第1施解錠部に係合し、かつ前記第1操作力を前記第1施解錠部に伝達することで前記第1施解錠部を移動させ、前記第1施解錠部との係合を解除して前記第1操作力の前記第1施解錠部への伝達を不能にすることで前記第1施解錠部を移動不能にすることを特徴とする。
また、請求項8にかかる発明は、出入口扉に設置され、前記出入口扉を開放不可能な施錠状態、前記出入口扉を開放可能な解錠状態、または前記解錠状態に移行可能な解錠可能状態にする錠前装置において、前記錠前装置に対向して出入口の壁面に設けられた第1孔部に挿脱可能であって、前記第1孔部に挿入した状態で保持されることによって前記出入口扉を前記施錠状態にし、前記出入口扉の前記第1孔部に対して移動可能な状態にされることによって前記出入口扉を前記解錠可能状態にする第1施解錠部と、前記錠前装置に対向して出入口の壁面に設けられた第2孔部に挿脱可能であって、前記第2孔部に挿入した状態で保持されることによって前記出入口扉を前記施錠状態にし、前記出入口扉の前記第2孔部に対して移動可能な状態にされることによって前記出入口扉を前記解錠可能状態にする第2施解錠部と、前記第1施解錠部と前記第2施解錠部とを連結する連結部材と、利用者から第1操作力を受付け、前記第1操作力を前記第1施解錠部に伝達することで前記第1施解錠部を移動させる開閉操作部と、所定条件の場合、前記第1操作力を前記第1施解錠部に伝達することで、前記第1施解錠部を前記第1孔部に移動させるとともに、前記第2施解錠部を第1施解錠部の移動に連動して前記第2孔部に移動させ、前記出入口扉を前記解錠可能状態から前記解錠状態にする伝達部と、を備え、前記第2施解錠部は、複数設けられ、前記連結部材は、前記第1施解錠部と複数の第2施解錠部とを連結し、前記伝達部は、所定条件の場合、前記第1操作力を前記第1施解錠部に伝達することで、前記第1施解錠部を前記第1孔部に移動させるとともに、複数の第2施解錠部を第1施解錠部の移動に連動して前記第2孔部に移動させ、前記出入口扉を前記解錠可能状態から前記解錠状態にすることを特徴とする。
また、請求項9にかかる発明は、出入口扉に設置され、前記出入口扉を開放不可能な施錠状態、前記出入口扉を開放可能な解錠状態、または前記解錠状態に移行可能な解錠可能状態にする錠前装置で実行される施解錠方法において、前記錠前装置に対向して出入口の壁面に設けられた第1孔部に挿脱可能な第1施解錠部により、前記第1孔部に挿入した状態で保持されることによって前記出入口扉を前記施錠状態にし、前記出入口扉の前記第1孔部に対して移動可能な状態にされることによって前記出入口扉を前記解錠可能状態にする第1施解錠工程と、前記錠前装置に対向して出入口の壁面に設けられた第2孔部に挿脱可能な第2施解錠部により、前記第2孔部に挿入した状態で保持されることによって前記出入口扉を前記施錠状態にし、前記出入口扉の前記第2孔部に対して移動可能な状態にされることによって前記出入口扉を前記解錠可能状態にする第2施解錠工程と、開閉操作部により、利用者から第1操作力を受付け、前記第1操作力を前記第1施解錠部に伝達することで前記第1施解錠部を移動させる開閉操作工程と、所定条件の場合、伝達部により前記第1操作力を前記第1施解錠部に伝達することで、前記第1施解錠部を前記第1孔部に移動させるとともに、連結部材により前記第1施解錠部と連結する前記第2施解錠部を第1施解錠部の移動に連動して前記第2孔部に移動させ、前記出入口扉を前記解錠可能状態から前記解錠状態にする伝達工程と、を含み、前記第2施解錠部は、複数設けられ、前記連結部材は、前記第1施解錠部と複数の第2施解錠部とを連結し、前記伝達工程は、所定条件の場合、前記伝達部により前記第1操作力を前記第1施解錠部に伝達することで、前記第1施解錠部を前記第1孔部に移動させるとともに、前記連結部材により前記第1施解錠部に連結する複数の第2施解錠部を第1施解錠部の移動に連動して前記第2孔部に移動させ、前記出入口扉を前記解錠可能状態から前記解錠状態にすることを特徴とする。
本発明によれば、第1施解錠部と第2施解錠部とを連結することで、正規の利用者には一回の施解錠操作で出入口扉の施解錠を可能にして煩雑な施解錠操作を強要せず利便性を向上させるとともに、不正侵入者には解錠操作を困難にし、かつ出入口扉の不正開放に対する物理的耐性を高めることで防犯性を向上できるという効果を奏する。
また、本発明によれば、第1施解錠部は、警備装置における警備状態または警備解除状態の設定と、施解錠操作部からの操作とに基づいて、施錠状態または解錠可能状態にするため、警備サービスを提供する警備会社等が第2施解錠部を解錠するための鍵を受領することが不要となり、鍵の管理負担や警備サービスの運用負担を低減することができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる錠前装置および施解錠方法の最良な実施の形態を詳細に説明する。以下の実施の形態においては、鍵を所持していない非関係者の入館(入室)を制限する目的で使用される主錠であるデッドロッキングラッチボルト10(詳細は後述)と、不正解錠・開放を困難にして不正侵入者の不正入館を抑止・防止する目的で使用される補助錠であるデッドロッキングラッチボルト110(詳細は後述)とを備えた錠前装置に本発明を適用した例である。すなわち、錠前装置を出入口扉に設置し、デッドロッキングラッチボルト10に本発明の第1施解錠部を、デッドロッキングラッチボルト110に本発明の第2施解錠部を適用したものである。但し、これに限定されるものではなく、複数の施解錠部を備えた錠前装置であれば、複数の施解錠部のうち第1の施解錠部をデッドロッキングラッチボルト10、第2の施解錠部をデッドロッキングラッチボルト110として本発明を適用することができる。
(実施の形態1)
本実施の形態にかかる錠前装置は、補助錠(デッドロッキングラッチボルト110)が主錠(デッドロッキングラッチボルト10)に連結しており、主錠の施解錠に連動して補助錠の施解錠が行われる。このため、本実施の形態にかかる錠前装置は、正規の利用者の入退館において別個に補助錠の施解錠操作が不要であって、不正侵入者により主錠に対して不正行為が行われた場合や正規の利用者が警備の解除を失念した場合には、主錠および補助錠ともに施錠状態を維持して不正侵入者による侵入を防止したり、正規の利用者に警備の解除を促すものである。
まず、主錠と補助錠の役割の違いについて説明する。上述したように、主錠は鍵を所持していない非関係者の入館(入室)を制限する目的で使用される。すなわち、主錠は、出入口扉を施錠しておくことで、善良な第三者に対して関係者以外は入室禁止である旨を伝えることができればよい。それに対して、補助錠は不正解錠・開放を困難にすることで、不正侵入者の不正入館を抑止・防止する目的で使用されることが本質的な機能である。
つまり、補助錠を設置する目的は以下の効果を期待したものである。第1に、主錠と併せることで、各種非破壊不正解錠手段(ピッキング、サムターン回し等)における作業の手間・所要時間を2倍程度にする。第2に、出入口扉や錠前装置の破壊を伴う不正開放手段(こじ開け、錠破り等)を物理的に困難にする。第3に、補助錠の設置により、不正解錠が困難であることに加えて、居住者の防犯意識が高いことを不正侵入者に感じさせて犯意を失わせるとともに犯行に至らなくするよう促す。すなわち、鍵を持っていない者を入館出来なくするだけであれば、主錠のみで充分であるが、不正解錠・開放を防止・抑制するためには、補助錠を設置することが有効である。
本実施の形態では、正規の利用者が入館する際には主錠に連動して解錠状態となり、不正解錠が試みられた場合や警備の解除を失念した場合には、主錠に連動して施錠状態を維持にする補助錠を備えた錠前装置について説明する。
図1〜4は、実施の形態1にかかる錠前装置を設置した出入口扉の全体を示す図である。図1〜4では、出入口扉4を部屋の外部から見た正面図である。出入口扉4には、上側にデッドロッキングラッチボルト110(補助錠)が配置され、下側にはデッドロッキングラッチボルト10(主錠)が配置された錠前装置100が設置されている。この出入口扉4の外部側には、デッドロッキングラッチボルト10を移動させて解錠するために、利用者が鍵を挿入して回動操作するシリンダ30aと、利用者が回動操作することで利用者からの操作力を受付けるレバーハンドル70aが設けられている。
図1〜4に示す出入口扉4が設置されている領域は、警備装置(後述)により監視(警備)されており、警備装置には、当該領域(監視領域)における警備の可否等を定めた警備モードが設定されている。
ここで、警備モードとは、監視領域において異常検知した際の通報先への通報の可否、または監視領域に対する報知の可否などを定めたモードであり、異常を検知したときの警備装置の動作を決定するモードである。警備モードは、通報の可否および通報先、監視領域への報知の有無などによって複数のモードが存在し、代表的な警備モードとしては、警備状態、警備解除状態がある。
警備状態とは、主に利用者(住人)が外出中、警備を必要とする場合に設定する警備モードであり、センサによって異常を検知したときに発せられる検知信号を警備装置が受信した場合に、監視センタに異常を知らせる警報(異常検知情報)を通報する状態である。なお、警備装置の設置されている監視領域において異常を検知したことを報知する場合もある。これは、侵入者を威嚇する目的や誤報である場合に警報解除操作を促す目的で報知するものである。
警備解除状態とは、主に利用者が在宅中、警備を必要としない場合に設定する警備モードであり、センサによって異常を検知したときに発せられる検知信号を警備装置が受信した場合でも、監視センタへの警報(異常検知情報)の通報を行わず、監視領域における異常があるとは判断しない状態である。これは、センサにより異常を検知(人の存在の検知、扉の開閉の検知)されても、在宅中の利用者を検知したものと判断するためである。
また、図1〜4に示す出入口扉4は、警備モードの設定と、利用者によるシリンダ30aや内部側に設けられたサムターン(不図示)の回動操作とに基づいて、本締まり施錠状態から空締まり施錠状態にしたり、空締まり施錠状態から本締まり施錠状態にするものである。
ここで、本締まり施錠状態(施錠状態)とは、出入口扉4に設けられたレバーハンドル70aを回動操作しても出入口扉4を開放不可能な状態をいう。また、空締まり施錠状態(解錠可能状態)とは、出入口扉4に設けられたレバーハンドル70aを回動操作すると、デッドロッキングラッチボルト10およびデッドロッキングラッチボルト110が出入口扉4の内部へ移動可能な状態をいう。なお、解錠状態とは、空締まり施錠状態において、出入口扉4に設けられたレバーハンドル70aを回動操作した場合であって、デッドロッキングラッチボルト10およびデッドロッキングラッチボルト110が出入口扉4の内部に挿入され、出入口扉4を押圧するだけで開放可能な状態をいう。各状態の詳細な構造については後述する。
図1は、警備モードが警備解除状態に設定され、かつシリンダ30aから回動操作が行われた場合であり、空締まり施錠状態となっている。この状態で、レバーハンドル70aを回動操作すると、デッドロッキングラッチボルト10が解錠状態になるとともに、デッドロッキングラッチボルト10に連結しているデッドロッキングラッチボルト110も同様に解錠状態になり、図2に示すように、出入口扉4が開放可能な状態となる。
また、警備モードが警備状態に設定されたままで警備解除状態に設定されず、かつシリンダ30aから回動操作が行われた場合は、本締まり施錠状態となる。この状態で、レバーハンドル70aを回動操作しても、デッドロッキングラッチボルト10およびデッドロッキングラッチボルト110は出入口扉4の内部に挿入されることはなく、図3に示すように、出入口扉4は開放不可能な状態となる。
また、警備モードが警備解除状態に設定され、かつシリンダ30aから回動操作が行われなかった場合は、本締まり施錠状態となる。この状態で、レバーハンドル70aを回動操作しても、上記と同様、デッドロッキングラッチボルト10およびデッドロッキングラッチボルト110は出入口扉4の内部に挿入されることはなく、図4に示すように、出入口扉4は開放不可能な状態となる。
つまり、警備解除状態への設定とシリンダ30aからの回動操作とが両方行われた場合にレバーハンドル70aを回動操作することで、主錠のデッドロッキングラッチボルト10と補助錠のデッドロッキングラッチボルト110を出入口扉4の内部に収納して、解錠状態にすることができる。
従って、警備解除状態に設定されないで、不正侵入者によって錠前装置に対する不正解錠などの不正行為がなされた場合には、デッドロッキングラッチボルト10とデッドロッキングラッチボルト110により出入口扉4が施錠状態となり、不正解錠を困難にして防犯性を向上することができる。また、警備解除状態の設定を失念してレバーハンドル70aの回動操作を行った正規の利用者に対して、その旨を気付かせて警備解除状態に設定することを促すことができる。
更に、レバーハンドル70aを回動操作することによって、連結した二つのデッドロッキングラッチボルト10およびデッドロッキングラッチボルト110における解錠状態と空締まり施錠状態との移行動作を行うことができるため、従来の主錠と補助錠とを備えた錠前装置と比較すると、正規の利用者は二回の施解錠操作を行わずに、一回の施解錠操作で出入口扉4の開放を可能にして煩雑な施解錠操作を強要せず利便性を向上させることができる。
図5は、実施の形態1にかかる錠前装置の構成を示す説明図である。図5に示すように、本実施の形態にかかる錠前装置100は、出入口扉に設置されたフロント1および錠前機構2とから主に構成されており、錠前機構2における上側に補助錠であるデッドロッキングラッチボルト110(第2施解錠部)が、下側に主錠であるデッドロッキングラッチボルト10(第1施解錠部)が配置されている。
錠前機構2には、制御部510と、外部給電部520と、操作部501とが接続されており、操作部501は、監視領域に設けられている警備装置500に接続されている。なお、フロント1と錠前機構2の詳細は後述する。
警備装置500は、出入口扉が設置されている監視領域を監視(警備)するものであり、監視領域において異常が発生した場合は、通報先である監視センタへ異常を検知した旨の異常検知情報の通報をするものである。そして、監視センタは、監視領域の警備装置から異常検知情報の通報を受信すると、待機中の警備員に対して異常が検知された監視領域へ向かう旨の指示を出すとともに、必要に応じて警察や消防など関係機関への通報を行うことになる。なお、本実施の形態では、錠前装置100は警備装置500と有線で接続されているが、無線通信により接続された構成としてもよい。
操作部501は、出入口扉付近の監視領域外に設置され、警備装置500の警備モードである警備状態または警備解除状態などの設定を受付けるものであり、例えばテンキーや、接触式または非接触式のカードリーダ、タッチパネル、指紋や虹彩や静脈等の生体情報読取装置等、各種警備モードの設定を受付けられるものであればよい。
制御部510は、ソレノイド90(後述)に対する通電を制御するものである。すなわち、制御部510は、操作部501により警備装置500の警備モードを警備状態にする設定を受付けた場合に、ソレノイド90を通電し、警備モードを警備解除状態にする設定を受付けた場合に、ソレノイド90を非通電にする。また、制御部510は、通常時は、監視領域等に供給される電力等を操作部501やソレノイド90等に供給するが、例えば、停電時等により電力が供給できない場合には、外部給電部520によって供給された電力を操作部501に供給し、警備状態に設定した場合、外部給電部520によって供給された電力をソレノイド90に供給して通電する。
なお、上記では、操作部501から警備モードの設定を受付け、制御部510により受け付けた警備モードによりソレノイド90を通電または非通電にしているが、最初に利用者IDの入力を受付けてもよい。すなわち、例えば、操作部501が、利用者に固有の利用者IDの入力を受付けると、制御部510が受付けた利用者IDが記憶部(不図示)等に予め定められた利用者IDか否かを照合することによって利用者認証を行う。そして、その利用者認証に成功した場合に、警備状態または警備解除状態の設定を受付け、ソレノイド90を通電または非通電するように構成する。
外部給電部520は、制御部510に対して独立して電力を供給するものであり、例えば、電池等が該当する。停電時等により制御部510に汎用の電源からの電力供給をうけられない場合には、制御部510には外部給電部520からの電力が供給され、これにより停電時にもソレノイド90に対する通電および非通電の制御が可能となる。
次に、フロント1と錠前機構2の詳細について説明する。図6は、実施の形態1にかかる錠前装置の詳細を示す説明図である。図6に示すように、本実施の形態にかかる錠前装置100は、フロント1と錠前機構2とにより構成されている。
フロント1は、デッドロッキングラッチボルト10およびデッドロッキングラッチボルト110と、トリガーヘッド85およびトリガーヘッド185とが出入する開口部(不図示)を有し、錠前機構2の側面を覆う板状の金属板である。また、フロント1の上部と下部には、錠前機構2を出入口扉に固定するためのねじ穴(不図示)が設けられている。錠前装置100を出入口扉に設置した場合は、錠前機構2が出入口扉に埋め込まれ、フロント1が出入口扉の側面に見える状態となる。
錠前機構2は、デッドロッキングラッチボルト10と、デッドロッキングラッチボルト110と、連結部材20と、手動操作部30と、スライダー40と、ロッキングレバー50と、コネクティングレバー60と、ハンドル部70と、ラッチホールド80と、ラッチホールド180と、トリガーヘッド85と、トリガーヘッド185と、ソレノイド90とを主に備えている。
デッドロッキングラッチボルト10は、先端部12と、軸部11と、ストッパー13とによって主に構成されており、錠前装置100に対向して出入口の壁面に設けられた不図示の孔部(第1孔部)に挿脱可能となっている。また、デッドロッキングラッチボルト10は、出入口扉を本締まり施錠状態にするデッドボルトの機能と、出入口扉を空締まり施錠状態にするラッチボルトの機能を兼ねており、上記両施錠状態、および出入口扉を解錠状態にすることが可能なボルトである。
ここで、本締まり施錠状態(施錠状態)とは、出入口扉に設けられたレバーハンドル70a(図1参照)を回動操作しても出入口扉を開放不可能な状態である。すなわち、フロント1の開口部を通過したデッドロッキングラッチボルト10の先端が、錠前装置100に対向して出入口の壁面に設けられた孔部(不図示)に挿入され、かつデッドロッキングラッチボルト10が孔部に保持され移動不能となった状態である。なお、図6のデッドロッキングラッチボルト10は、本締まり施錠状態となっている。
また、空締まり施錠状態(解錠可能状態)とは、出入口扉が風圧等で開放できないように仮締まりを行うことであり、出入口扉に設けられたレバーハンドル70aを回動操作すると、デッドロッキングラッチボルト10が移動可能な状態である。すなわち、デッドロッキングラッチボルト10の先端が、錠前装置100に対向して出入口の壁面に設けられた孔部(不図示)から、フロント1を通過して抜き出し可能な状態であって、出入口扉に設けられたレバーハンドル70aを回動操作すると、ハンドル部70(後述)を介して受けた利用者からの操作力(第1操作力)によって、デッドロッキングラッチボルト10が出入口の壁面の孔部からフロント1を通過してから抜き出され、出入口扉を開放できる状態である。
また、解錠状態とは、出入口扉に設けられたレバーハンドル70aを回動操作した場合であって、出入口扉を押圧するだけで開放可能な状態である。すなわち、レバーハンドル70aにより受付けた操作力をデッドロッキングラッチボルト10に伝達することで、デッドロッキングラッチボルト10を先端まで出入口扉の内部に移動させ、出入口扉を押圧するだけで開放できる状態である。
デッドロッキングラッチボルト10の軸部11は、内部が空洞となっており、上部と下部とが開放された金属性材料で形成されている。また、軸部11の一方の端面には、先端部12が接続されており、この先端部12は、施錠が行われるとフロント1の開口部(不図示)を通過して出入口の壁面の孔部に挿入される部分で、先端が略三角柱形状の金属性材料で形成されている。また、軸部11の他方の端面には、円柱形状の鉄心14が軸部11に対して移動可能に接続されている。鉄心14は、軸部11と接続されている端面と反対側の端面が錠前機構2の枠部に固定されており、デッドロッキングラッチボルト10がB方向に移動した場合、軸部11の内部に挿入されるものである。また、鉄心14の周囲にはバネ15が設けられており、デッドロッキングラッチボルト10は、バネ15により通常B方向と逆方向に付勢されている。
また、軸部11と先端部12との間にあるストッパー13は、バネ15により付勢されてB方向と逆方向に移動するデッドロッキングラッチボルト10を、ラッチホールド80の係止部83(後述)に当接することでデッドロッキングラッチボルト10を係止してその移動を止めるものである。これは、出入口扉が開放された状態から閉鎖される場合において、デッドロッキングラッチボルト10が出入口の壁面に当接することによる押圧力によってデッドロッキングラッチボルト10が錠前機構2の内部に挿入されるようにするため、先端部12の先端の略三角柱形状の部分のみフロント1から突出させた状態にするものである。
デッドロッキングラッチボルト110は、先端部112と、軸部111と、ストッパー113とによって主に構成されており、錠前装置100に対向して出入口の壁面に設けられた不図示の孔部(第2孔部)に挿脱可能となっている。また、デッドロッキングラッチボルト110は、デッドロッキングラッチボルト10と同様に、出入口扉を本締まり施錠状態にするデッドボルトの機能と、出入口扉を空締まり施錠状態にするラッチボルトの機能を兼ねており、上記両施錠状態、および出入口扉を解錠状態にすることが可能なボルトである。
ここで、本締まり施錠状態、空締まり施錠状態、および解錠状態については、デッドロッキングラッチボルト10と同様である。また、デッドロッキングラッチボルト110における先端部112と、軸部111と、ストッパー113、軸部111の端面に接続されている鉄心114、鉄心114の周囲のバネ115の構成および機能については、デッドロッキングラッチボルト10の先端部12と、軸部11と、ストッパー13、鉄心14、バネ15と同様であるため説明を省略する。
連結部材20は、板状の金属性材料で形成された部材であって、一方の端部をデッドロッキングラッチボルト10の軸部11の内部に固定され、他方の端部をデッドロッキングラッチボルト110の軸部111の内部に固定され、デッドロッキングラッチボルト10とデッドロッキングラッチボルト110とを連結している。従って、デッドロッキングラッチボルト10がB方向に移動した場合、デッドロッキングラッチボルト110はデッドロッキングラッチボルト10の移動に連動して同じくB方向に移動する。また、デッドロッキングラッチボルト10がB方向と逆方向に移動した場合、デッドロッキングラッチボルト110はデッドロッキングラッチボルト10の移動に連動して同じくB方向と逆方向に移動する。
手動操作部30は、出入口扉を本締まり施錠状態から空締まり施錠状態にしたり、空締まり施錠状態から本締まり施錠状態にするために、鍵を挿入して回動操作される監視領域の外部側に設けられたシリンダ30a(図1参照)や、つまみ部分を回動操作される監視領域の内部側に設けられたサムターン(不図示)が設けられている。そして、利用者が手動操作部30であるシリンダ30aまたはサムターンを回動操作すると、そのシリンダ30aまたはサムターンの回動に連動して、手動操作部30の内部に設けられた突部であるサムターンハブ31が図6におけるR1方向またはR1方向と逆方向に回動する。
ここで、手動操作部30からの操作力のうち、サムターンハブ31をR1方向へ回動操作する操作力(第2操作力)は、出入口扉を本締まり施錠状態から空締まり施錠状態にするものであって、サムターンハブ31をR1方向と逆方向へ回動操作する操作力(第3操作力)は、出入口扉を空締まり施錠状態から本締まり施錠状態にするものである。従って、R1方向は、出入口扉の本締まり施錠状態から空締まり施錠状態へのサムターンハブ31の回動方向となり、R1方向と逆方向は、出入口扉の空締まり施錠状態から本締まり施錠状態へのサムターンハブ31の施錠方向への回動方向となる。手動操作部30は、外出する利用者が外部側のシリンダ30aから錠前装置100の施解錠を行ったり、帰宅した利用者が内部側のサムターンから錠前装置100の施解錠を行うための回動操作に用いられる。
スライダー40は、手動操作部30の回動に連動して、図6における上方であるA方向、または図6における下方であるA方向と逆方向に移動するものであって、デッドロッキングラッチボルト10の軸部11の近傍の一方の端部に板状に突出した突起部48が形成されている。図7−1は、スライダーの正面図である。図7−2は、図7−1におけるV1側から見たスライダーの側面図である。スライダー40は、金属性材料で形成されており、図7−1、7−2に示すように略板状で、部位44a、部位44b、部位45a、部位45b、部位46a、および部位46bで略90度に屈曲した形状となっている。そして、部位44aおよび部位44bの下方の空間にデッドロッキングラッチボルト10が配置され、部位45a、部位45b、部位46a、および部位46bで囲まれた空間にデッドロッキングラッチボルト110が配置される。
また、スライダー40は、図7−1における右側に切欠き部42が設けられており、この切欠き部42が手動操作部30のサムターンハブ31に当接することにより押圧力を受けてスライダー40は移動する。具体的には、手動操作部30のR1方向の回動に連動してサムターンハブ31がR1方向に回動すると、サムターンハブ31が切欠き部42の傾斜部42aに当接して押圧し、スライダー40は上方に向かって押圧されてA方向へ移動する。また、手動操作部30のR1方向と逆方向の回動に連動してサムターンハブ31がR1方向と逆方向に回動すると、サムターンハブ31が切欠き部42の傾斜部42bに当接して押圧し、スライダー40は下方に向かって押圧されてA方向と逆方向へ移動する。なお、図6の錠前装置100では、スライダー40がA方向と逆方向へ移動した状態である。
また、スライダー40は、下方であるA方向と逆方向に移動すると、突起部48がコネクティングレバー60を押圧する。すなわち、スライダー40がA方向と逆方向へ移動することによって、突起部48もA方向と逆方向へ移動して、突起部48は、デッドロッキングラッチボルト10の外部方向(下方向)に移動してコネクティングレバー60を押圧する。一方、スライダー40は、上方であるA方向に移動すると、突起部48がコネクティングレバー60への押圧を解除する。すなわち、スライダー40がA方向へ移動することによって、突起部48もA方向へ移動して、突起部48は、デッドロッキングラッチボルト10の内部方向(上方向)に移動してコネクティングレバー60への押圧を解除する。なお、スライダー40は、コネクティングレバー60を押圧する場合、コネクティングレバー60をR3方向に回転させるバネ(不図示)による付勢力に対抗して押圧する。
また、スライダー40は、トリガーヘッド85に固定されているコ字状部材86(後述)に掛止するフック状の掛止部43が中央付近に設けられ、トリガーヘッド185に固定されているコ字状部材186(後述)に係止するフック状の係止部143が上部付近に設けられている。
ロッキングレバー50は、金属性材料で形成されている。ロッキングレバー50は、中央付近に孔部51が設けられており、この孔部51が、錠前機構2の枠部に固定された軸部52を貫通した状態で設置されている。そして、ロッキングレバー50は、ソレノイド90の通電または非通電に連動してE方向(上方向)またはE方向と逆方向(下方向)に移動する。また、ロッキングレバー50は、ソレノイド90側(左側)の端部近傍に設けられた連結部53によりソレノイド90の鉄心92(後述)と連結されており、右側の上部の端部近傍に板状に突出した突起部54が形成されている。図8−1は、ロッキングレバーの正面図である。図8−2は、図8−1におけるV2側から見たロッキングレバーの側面図である。図8−3は、ロッキングレバーの上面図である。図8−4は、ロッキングレバーの底面図である。ロッキングレバー50は、図8−1で示しているロッキングレバー50の左側に、上面および両側面に囲まれて下部が開放された空間が形成されている。つまり、図8−2で示す図8−1におけるV2側から見たロッキングレバー50を参照すると、下部が開放されたコの字状の内部に空間が形成されていることになる。
ロッキングレバー50は、ソレノイド90が非通電にされることで鉄心92がD方向と逆方向に移動すると、孔部51に貫通している軸部52にガイドされながら上方向であるE方向に移動する。一方、ロッキングレバー50は、ソレノイド90が通電されることで鉄心92がD方向に移動すると、軸部52にガイドされながら下方向であるE方向と逆方向に移動する。
また、ロッキングレバー50は、図8−1〜図8−4に示すように、ロッキングレバー50が下方向であるE方向と逆方向に移動すると、突起部54がコネクティングレバー60を押圧する。すなわち、ロッキングレバー50がE方向と逆方向に移動することによって、突起部54もE方向と逆方向へ移動して、突起部54は、デッドロッキングラッチボルト10の外部方向(下方向)に移動してコネクティングレバー60を押圧する。一方、ロッキングレバー50が上方向であるE方向に移動すると、突起部54がコネクティングレバー60への押圧を解除する。すなわち、ロッキングレバー50がE方向に移動することによって、突起部54もE方向へ移動して、突起部54は、デッドロッキングラッチボルト10の内部方向(上方向)に移動してコネクティングレバー60への押圧を解除する。なお、図6の錠前装置100は、ロッキングレバー50がE方向と反対方向に移動して、突起部54がデッドロッキングラッチボルト10の外部方向(下方向)へ移動した状態である。なお、ロッキングレバー50は、コネクティングレバー60を押圧する場合、コネクティングレバー60をR3方向に回転させるバネ(不図示)による付勢力に対抗して押圧する。
コネクティングレバー60は、ハンドル部70のハンドル受け部材71に回動可能に連結されている連結部61を軸にしてR3方向またはR3方向と逆方向に回動するものであって、ハンドル部70を介して受けた利用者からの操作力をデッドロッキングラッチボルト10に伝達することによってデッドロッキングラッチボルト10を移動させ出入口扉を解錠状態にする。図9は、コネクティングレバーの正面図である。コネクティングレバー60は、金属性材料で形成された板状の部材であり、連結部61の軸の周囲に設けられたバネ(不図示)により通常R3方向(デッドロッキングラッチボルト10側)に付勢されている。また、コネクティングレバー60は、デッドロッキングラッチボルト10の軸部11の端部に係合するように、窪んだ形状の係合部63が形成されている。
また、コネクティングレバー60は、スライダー40がA方向に移動して突起部48からの押圧が解除され、かつロッキングレバー50がE方向に移動して突起部54からの押圧が解除されると、バネによる付勢力によりR3方向に回動する。この場合、突起部48および突起部54がデッドロッキングラッチボルト10の内部方向(上方向)へ移動することで、デッドロッキングラッチボルト10の軸部11に空間が設けられる。そして、コネクティングレバー60は、R3方向に回動することでその空間に入り、係合部63が軸部11の端部の位置にくるまで回動し、係合部63がデッドロッキングラッチボルト10の軸部11に係合することになる。
一方、コネクティングレバー60は、スライダー40がA方向と逆方向に移動して突起部48により押圧され、かつロッキングレバー50がE方向と逆方向に移動して突起部54により押圧されると、バネによる付勢力に対抗してR3方向と逆方向に回動する。この場合、突起部48および突起部54がデッドロッキングラッチボルト10の外部方向(下方向)へ移動することで、デッドロッキングラッチボルト10の軸部11に設けられた空間が消滅していく。そして、コネクティングレバー60は、R3方向と逆方向に回動することでその空間から押し出され、コネクティングレバー60の全体がデッドロッキングラッチボルト10の軸部11から完全に出ることで、係合部63とデッドロッキングラッチボルト10の軸部11との係合を解除する。なお、図6の錠前装置100は、係合部63とデッドロッキングラッチボルト10との係合が解除された状態である。
コネクティングレバー60は、係合部63がデッドロッキングラッチボルト10の軸部11に係合した場合に、利用者によりレバーハンドルを回動操作されると、ハンドル部70から受付けた操作力をデッドロッキングラッチボルト10に伝達して、デッドロッキングラッチボルト10をB方向に移動させるとともに、デッドロッキングラッチボルト10に連結しているデッドロッキングラッチボルト110をB方向に移動させることで、出入口扉を解錠状態にする。また、コネクティングレバー60とデッドロッキングラッチボルト10とが係合部63で係合している状態とは、レバーハンドルからの回動操作を受付ければ出入口扉の開放可能となる状態であるため、空締まり施錠状態(解錠可能状態)となる。また、コネクティングレバー60は、係合部63とデッドロッキングラッチボルト10の軸部11との係合を解除することで、ハンドル部70から受付けた利用者からの操作力をデッドロッキングラッチボルト10に伝達不能にして、デッドロッキングラッチボルト10を移動不能にすると、出入口扉の開放が不可能な状態となるため、本締まり施錠状態となる。
ハンドル部70は、ハンドル受け部材71とレバーハンドル70a(図1参照)により構成されており、レバーハンドル70aは、ハンドル受け部材71に設けられた正方形のレバーハンドル孔72に差し込んで嵌合される。また、ハンドル受け部材71には、レバーハンドル孔72の周囲にバネ(不図示)が設けられており、バネの付勢力によりR4方向と逆方向に付勢されている。そして、空締まり施錠状態の出入口扉を開放するために、利用者からレバーハンドル70aをR4方向に回動する操作力を受付けた場合、ハンドル部70は、レバーハンドル孔72を軸としてR4方向に回動する。また、出入口扉を開放した後、利用者がレバーハンドル70aから手を離すと、ハンドル部70は、バネの付勢力によりR4方向と逆方向に回動し、図6の位置まで戻ることになる。そして、ハンドル部70は、利用者から受付けた操作力をデッドロッキングラッチボルト10に伝達することで、デッドロッキングラッチボルト10をB方向に移動させるとともに、デッドロッキングラッチボルト10に連結されたデッドロッキングラッチボルト110もB方向に移動させることになる。
ラッチホールド80は、出入口扉が開放された状態から閉鎖される場合において、デッドロッキングラッチボルト10の先端部12の先端の略三角柱形状の部分のみフロント1から突出させた状態にするために、B方向と逆方向に移動するデッドロッキングラッチボルト10のストッパー13を係止部83に係止させることでその移動を止めるものであり、錠前機構2の枠部に固定された支点81を軸にして回動可能となっている。また、ラッチホールド80は、支点81の周囲に設けられたバネ(不図示)により付勢されることでR5方向と逆方向に移動しており、図6ではトリガーヘッド85に当接することでその移動が係止されている。ラッチホールド80は、後述するコ字状部材86がC方向へ移動することでその端部87に突起82が押圧され、バネによる付勢力に対抗してR5方向に回動する。ラッチホールド80は、R5方向に回動した場合に係止部83によりデッドロッキングラッチボルト10の移動を止める。なお、図6の錠前装置100では、ラッチホールド80がR5方向と逆方向に移動した状態である。
ラッチホールド180は、デッドロッキングラッチボルト110の先端部112の先端の略三角柱形状の部分のみフロント1から突出させた状態にするために、B方向と逆方向に移動するデッドロッキングラッチボルト110のストッパー113を係止部183に係止させることでその移動を止めるものであり、係止部183、支点181、突起182などから形成された構成およびその機能は、ラッチホールド80と同様である。
トリガーヘッド85は、略三角柱形状の金属性材料で形成されており、出入口扉が開放されている際に、本締まり施錠状態にならないように、スライダー40の移動を阻止するものである。トリガーヘッド85のフロント1側と反対側の端部には、断面がコの字形状の金属性材料で形成されたコ字状部材86が固定されている。トリガーヘッド85は、コ字状部材86側に設けられたバネ(不図示)により通常C方向に付勢されているが、出入口扉が閉鎖されている場合は、出入口の壁面により押圧されてC方向と逆方向に押圧されている。そして、トリガーヘッド85は、出入口扉が開放されるとともに出入口の壁面からの押圧が解除されてC方向へ移動し、出入口扉が閉鎖されるとともに出入口の壁面に押圧されてC方向と逆方向に移動して、錠前機構2の内部に挿入される。コ字状部材86の上面には、孔部が形成されており、出入口扉が閉鎖されている状態、すなわちトリガーヘッド85が錠前機構2の内部に挿入されている場合に、その孔部をスライダー40の掛止部43が通過可能となっている。また、コ字状部材86は、トリガーヘッド85のC方向の移動に連動してC方向に移動した場合、端部87がラッチホールド80の突起82をC方向に押圧する。なお、図6の錠前装置100では、トリガーヘッド85がC方向と逆方向に移動した状態である。
トリガーヘッド185は、出入口扉が開放されている際に、本締まり施錠状態にならないように、スライダー40の移動を阻止するものであり、コ字状部材186が固定され、端部187などから形成された構成およびその機能は、トリガーヘッド85と同様である。
ソレノイド90は、電磁石の一種で、電磁誘導の作用によって、電気的エネルギーを機械的エネルギーに変換するものである。ソレノイド90は、ソレノイド本体91と、鉄心92と、バネ93とにより主に構成されている。そして、ソレノイド本体91には、孔部が設けられており、その孔部に鉄心92が挿入されており、孔部における鉄心92の奥側にバネ93が配置されている。鉄心92は、その上部を連結部53によりロッキングレバー50に連結されており、バネ93からの付勢力によりD方向と逆方向に移動する。
鉄心92は、操作部501により警備状態の設定を受付け、制御部510によりソレノイド90が通電されると、孔部に挿入する方向、すなわち図6におけるD方向に移動していき、連結部53をD方向へ移動させる。また、操作部501により警備解除状態の設定を受付け、制御部510によりソレノイド90が非通電にされると、バネ93の付勢力により、孔部から抜き出る方向、すなわち図6におけるD方向と逆方向に移動していき、連結部53をD方向と逆方向に移動させる。
本実施の形態の錠前装置100は、以上のような構成となっている。本実施の形態では、コネクティングレバー60がデッドロッキングラッチボルト10の軸部11に係合している場合は、デッドロッキングラッチボルト10を移動することができ、レバーハンドルを回動操作することにより出入口扉を解錠状態にすることができる。そして、そのコネクティングレバー60は、手動操作部30により受付けた操作力により、スライダー40の突起部48がデッドロッキングラッチボルト10の内部方向(上方向)へ移動し、かつ操作部501により警備解除状態の設定を受付けてソレノイド90が非通電にされたことによりロッキングレバー50の突起部54がデッドロッキングラッチボルト10の内部方向(上方向)へ移動した場合に、デッドロッキングラッチボルト10に係合する。
つまり、手動操作部30からの回動操作と、操作部501による警備解除状態の設定の受付けとが両方行われた場合のみ、デッドロッキングラッチボルト10およびデッドロッキングラッチボルト110を本締まり施錠状態から空締まり施錠状態(解錠可能状態)に移行することが可能である。従って、手動操作部30からの回動操作、もしくは操作部501による警備解除状態の設定の受付けのいずれも行われない場合、またはいずれかが行われた場合は、デッドロッキングラッチボルト10およびデッドロッキングラッチボルト110を本締まり施錠状態から空締まり施錠状態(解錠可能状態)に移行することはできない。
次に、錠前装置100の動作について説明する。図6に示す錠前装置100は、手動操作部30からの回動操作が行われておらず、かつ操作部501による警備解除状態の設定を受付けていない状態であり、本締まり施錠状態となっている。この状態の錠前装置100において、ハンドル部70を操作した場合の動作について、図6および図10を参照して説明する。図10は、図6に示す錠前装置においてハンドル部が操作された場合を示す図である。
図6に示す錠前装置100は、本締まり施錠状態となっているため、コネクティングレバー60の係合部63とデッドロッキングラッチボルト10の軸部11とは係合が解除された状態で離れている。この状態において、レバーハンドル孔72に嵌合しているレバーハンドルへの利用者からの操作力を受付けると、ハンドル部70がR4方向に回動し、ハンドル部70のハンドル受け部材71と連結部61で連結されているコネクティングレバー60が移動して、図10の錠前装置100の状態になる。
つまり、図6の錠前装置100の状態で、レバーハンドルへの利用者からの操作力を受付けても、コネクティングレバー60がデッドロッキングラッチボルト10の軸部11に係合されていないため、ハンドル部70およびコネクティングレバー60は、デッドロッキングラッチボルト10を移動させることなく空転してしまう。また、デッドロッキングラッチボルト10が移動されないため、連結部材20によりデッドロッキングラッチボルト10に連結されたデッドロッキングラッチボルト110も移動されることはない。従って、錠前装置100は、デッドロッキングラッチボルト10およびデッドロッキングラッチボルト110は移動不能な状態であるため、レバーハンドルを回動操作されても出入口扉は開放されない。
なお、この場合のコネクティングレバー60は、施解錠動作とは関係ないが、移動することによってロッキングレバー50の突起部54およびスライダー40の突起部48からの押圧が解除されるため、バネによりR3方向に多少回動する。
次に、図6に示す本締まり施錠状態の錠前装置100から、手動操作部30を回動操作することによりスライダー40が移動した場合の動作について、図6および図11を参照して説明する。図11は、実施の形態1にかかる手動操作部を回動操作した場合の錠前装置を示す図である。
図6に示す本締まり施錠状態の錠前装置100において、利用者から手動操作部30をR1方向へ回動する操作力を受付けると、手動操作部30に連動してサムターンハブ31がR1方向へ回動する。そして、サムターンハブ31が回動することでサムターンハブ31がスライダー40の傾斜部42aを上方に向かって押圧し、スライダー40が上方向(A方向)へ移動する。スライダー40がA方向へ移動すると、スライダー40の突起部48もA方向へ移動する。そうすると、突起部48がデッドロッキングラッチボルト10の内部方向(上方向)へ移動し、コネクティングレバー60への押圧を解除する。しかし、ロッキングレバー50の突起部54は移動しないため、コネクティングレバー60を押圧したままとなり、図11の錠前装置100の状態になる。
つまり、図6の錠前装置100の状態で、手動操作部30からの操作力を受付けるとスライダー40の突起部48は上方向に移動するが、ロッキングレバー50の突起部54は移動しないため、コネクティングレバー60の係合部63がデッドロッキングラッチボルト10の軸部11に係合されず、錠前装置100は本締まり施錠状態のままとなる。
次に、図11に示す本締まり施錠状態の錠前装置100において、ハンドル部70を操作した場合の動作について、図11および図12を参照して説明する。図12は、図11に示す錠前装置においてハンドル部が操作された場合を示す図である。
図11に示す錠前装置100は、本締まり施錠状態となっているため、コネクティングレバー60の係合部63とデッドロッキングラッチボルト10の軸部11とは係合が解除された状態で離れている。この状態において、レバーハンドル孔72に嵌合しているレバーハンドルへの利用者からの操作力を受付けると、ハンドル部70がR4方向に回動し、ハンドル部70のハンドル受け部材71と連結部61で連結されているコネクティングレバー60が移動して、図12の錠前装置100の状態になる。
つまり、図11の錠前装置100の状態で、レバーハンドルへの利用者からの操作力を受付けても、コネクティングレバー60がデッドロッキングラッチボルト10の軸部11に係合されていないため、ハンドル部70およびコネクティングレバー60は、デッドロッキングラッチボルト10を移動させることなく空転してしまう。また、デッドロッキングラッチボルト10が移動されないため、連結部材20によりデッドロッキングラッチボルト10に連結されたデッドロッキングラッチボルト110も移動されることはない。従って、錠前装置100は、デッドロッキングラッチボルト10およびデッドロッキングラッチボルト110が移動不能な状態であるため、レバーハンドルを回動操作されても出入口扉は開放されない。
このように、手動操作部30からの回動操作を受付けた場合でも、操作部501による警備解除状態の設定を受付けなかった場合は、コネクティングレバー60がデッドロッキングラッチボルト10の軸部11に係合することがないため、デッドロッキングラッチボルト10は移動せず、デッドロッキングラッチボルト10に連結されたデッドロッキングラッチボルト110も移動しない。従って、本締まり施錠状態のままとなる。
次に、図6に示す本締まり施錠状態の錠前装置100から、操作部501により警備解除状態の設定を受付けた場合の動作について、図6および図13を参照して説明する。図13は、実施の形態1にかかる操作部により警備解除状態の設定を受付けた場合の錠前装置を示す図である。
図6に示す本締まり施錠状態の錠前装置100において、操作部501により、利用者からの警備解除状態の設定を受付けると、ソレノイド90が非通電にされ、バネ93の付勢力により鉄心92がD方向と逆方向へ移動する。鉄心92がD方向と逆方向へ移動すると、鉄心92に連結されている連結部53がD方向と逆方向に引っ張られて、ロッキングレバー50がE方向に移動する。ロッキングレバー50がE方向に移動すると、突起部54がデッドロッキングラッチボルト10の内部方向(上方向)へ移動し、コネクティングレバー60への押圧を解除する。しかし、スライダー40の突起部48は移動しないため、コネクティングレバー60を押圧したままとなり、図13の錠前装置100の状態になる。
つまり、図6の錠前装置100の状態で、操作部501により警備解除状態の設定を受付けると、ロッキングレバー50の突起部54は上方向に移動するが、スライダー40の突起部48は移動しないため、コネクティングレバー60の係合部63がデッドロッキングラッチボルト10の軸部11に係合されず、錠前装置100は本締まり施錠状態のままとなる。
次に、図13に示す本締まり施錠状態の錠前装置100において、ハンドル部70を操作した場合の動作について、図13および図14を参照して説明する。図14は、図13に示す錠前装置においてハンドル部が操作された場合を示す図である。
図13に示す錠前装置100は、本締まり施錠状態となっているため、コネクティングレバー60の係合部63とデッドロッキングラッチボルト10の軸部11とは係合が解除された状態で離れている。この状態において、レバーハンドル孔72に嵌合しているレバーハンドルへの利用者からの操作力を受付けると、ハンドル部70がR4方向に回動し、ハンドル部70のハンドル受け部材71と連結部61で連結されているコネクティングレバー60が移動して、図14の錠前装置100の状態になる。
つまり、図13の錠前装置100の状態で、レバーハンドルへの利用者からの操作力を受付けても、コネクティングレバー60がデッドロッキングラッチボルト10の軸部11に係合されていないため、ハンドル部70およびコネクティングレバー60は、デッドロッキングラッチボルト10を移動させることなく空転してしまう。また、デッドロッキングラッチボルト10が移動されないため、連結部材20によりデッドロッキングラッチボルト10に連結されたデッドロッキングラッチボルト110も移動されることはない。従って、錠前装置100は、デッドロッキングラッチボルト10およびデッドロッキングラッチボルト110が移動不能な状態であるため、レバーハンドルを回動操作されても出入口扉は開放されない。
このように、操作部501により警備解除状態の設定を受付けた場合でも、手動操作部30からの回動操作を受付けなかった場合は、コネクティングレバー60がデッドロッキングラッチボルト10の軸部11に係合することがないため、デッドロッキングラッチボルト10は移動せず、デッドロッキングラッチボルト10に連結されたデッドロッキングラッチボルト110も移動しない。従って、本締まり施錠状態のままとなる。
次に、図6に示す本締まり施錠状態の錠前装置100から、手動操作部30を回動操作することによりスライダー40が移動し、操作部501により警備解除状態の設定を受付けたことによりロッキングレバー50が移動した場合の動作について、図6および図15を参照して説明する。図15は、実施の形態1にかかる手動操作部を回動操作し、かつ操作部により警備解除状態の設定を受付けた場合の錠前装置を示す図である。
図6に示す本締まり施錠状態の錠前装置100において、利用者から手動操作部30をR1方向へ回動する操作力を受付けると、手動操作部30に連動してサムターンハブ31がR1方向へ回動する。そして、サムターンハブ31が回動することでサムターンハブ31がスライダー40の傾斜部42aを上方に向かって押圧し、スライダー40が上方向(A方向)へ移動する。スライダー40がA方向へ移動すると、スライダー40の突起部48もA方向へ移動する。そうすると、突起部48がデッドロッキングラッチボルト10の内部方向(上方向)へ移動し、コネクティングレバー60への押圧を解除する。
また、図6に示す本締まり施錠状態の錠前装置100において、操作部501により、利用者からの警備解除状態の設定を受付けると、ソレノイド90が非通電にされ、バネ93の付勢力により鉄心92がD方向と逆方向へ移動する。鉄心92がD方向と逆方向へ移動すると、鉄心92に連結されている連結部53がD方向と逆方向に引っ張られて、ロッキングレバー50がE方向に移動する。ロッキングレバー50がE方向に移動すると、突起部54がデッドロッキングラッチボルト10の内部方向(上方向)へ移動し、コネクティングレバー60への押圧を解除する。
そして、コネクティングレバー60は、スライダー40の突起部48およびロッキングレバー50の突起部54からの押圧が解除されると、バネ(付図示)の付勢力によりR3方向に回動し、係合部63がデッドロッキングラッチボルト10の軸部11に係合して、図15に示すように、錠前装置100が空締まり施錠状態になる。
つまり、図6の錠前装置100の状態で、手動操作部30からの操作力を受付け、かつ操作部501により警備解除状態の設定を受付けると、スライダー40の突起部48が上方向に移動するとともに、ロッキングレバー50の突起部54も上方向に移動するため、コネクティングレバー60の係合部63がデッドロッキングラッチボルト10の軸部11に係合され、錠前装置100は空締まり施錠状態となる。
次に、図15に示す空締まり施錠状態の錠前装置100において、ハンドル部70を操作した場合の動作について、図15および図16を参照して説明する。図16は、図15に示す錠前装置においてハンドル部が操作された場合を示す図である。
図15に示す錠前装置100は、空締まり施錠状態となっており、コネクティングレバー60の係合部63とデッドロッキングラッチボルト10の軸部11とが係合された状態となっている。この状態において、レバーハンドルへの利用者からの操作力を受付けると、ハンドル部70がR4方向に回動し、ハンドル部70とコネクティングレバー60は連結部61で連結されているため、コネクティングレバー60がB方向に移動する。コネクティングレバー60がB方向へ移動することで、軸部11によって係合部63に係合されているデッドロッキングラッチボルト10がバネ15の付勢力に対抗してB方向へ移動して、先端部12が錠前機構2の内部に挿入されていく。また、デッドロッキングラッチボルト10が移動すると、連結部材20によりデッドロッキングラッチボルト10に連結されたデッドロッキングラッチボルト110も、バネ115の付勢力に対抗して、デッドロッキングラッチボルト10のB方向への移動に連動して同じくB方向に移動する。そして、デッドロッキングラッチボルト10の先端部12およびデッドロッキングラッチボルト110の先端部112が完全に錠前機構2の内部に挿入されるまで移動すると、図16に示すように、フロント1からデッドロッキングラッチボルト10およびデッドロッキングラッチボルト110が突出されない状態になり、出入口扉の開放が可能となる。
このように、手動操作部30からの回動操作を受付け、かつ操作部501により警備解除状態の設定を受付けた場合は、コネクティングレバー60の係合部63がデッドロッキングラッチボルト10の軸部11に係合するため、ハンドル部70からの回動操作によってデッドロッキングラッチボルト10は移動し、さらにデッドロッキングラッチボルト10に連結されたデッドロッキングラッチボルト110も移動する。従って、空締まり施錠状態から解錠状態となる。
なお、図16に示す錠前装置100において、出入口扉が開放される際、出入口の壁面からの押圧が解除されたトリガーヘッド85がバネの付勢力によりC方向へ移動するとともに、トリガーヘッド85に固定されているコ字状部材86もC方向へ移動する。コ字状部材86がC方向へ移動すると、端部87がラッチホールド80の突起82をC方向に押圧して、ラッチホールド80はR5方向に回動する。また、図16に示す錠前装置100において、出入口扉が開放される際、出入口の壁面からの押圧が解除されたトリガーヘッド185がバネの付勢力によりC方向へ移動するとともに、トリガーヘッド185に固定されているコ字状部材186もC方向へ移動する。コ字状部材186がC方向へ移動すると、端部187がラッチホールド180の突起182をC方向に押圧して、ラッチホールド180はR5方向に回動する。
そして、出入口扉が開放された後に利用者がレバーハンドルから手を離すと、ハンドル部70はバネの付勢力によりR4方向と逆方向に回動し、ハンドル部70と連結部61で連結されているコネクティングレバー60もB方向と逆方向に移動する。コネクティングレバー60がB方向と逆方向に移動することによって、係合部63に軸部11で係合されてB方向へ移動していたデッドロッキングラッチボルト10と、デッドロッキングラッチボルト10に連結されているデッドロッキングラッチボルト110とが、バネ15の付勢力によりB方向と逆方向に移動する。
このとき、ハンドル部70は、R4方向と逆方向に回動して、図15における空締まり施錠状態のハンドル部70の位置まで戻るが、デッドロッキングラッチボルト10およびデッドロッキングラッチボルト110は、図15における空締まり施錠状態まで戻らない。
これは、デッドロッキングラッチボルト10がバネ15により付勢されてB方向と逆方向に移動している途中で、ストッパー13がR5方向に回動したラッチホールド80の係止部83に当接することで係止され、図15における空締まり施錠状態におけるデッドロッキングラッチボルト10の位置までは戻らず、デッドロッキングラッチボルト10の先端部12の先端の略三角柱形状の部分のみフロント1から突出させた状態となる。また、同じく、デッドロッキングラッチボルト110がバネ115により付勢されてB方向と逆方向に移動している途中で、ストッパー113がR5方向に回動したラッチホールド180の係止部183に当接することで係止され、図15における空締まり施錠状態におけるデッドロッキングラッチボルト110の位置までは戻らず、デッドロッキングラッチボルト110の先端部112の先端の略三角柱形状の部分のみフロント1から突出させた状態となる。
これにより、レバーハンドルからの操作力を受付けなくとも、出入口扉が閉鎖される場合の出入口の壁面から略三角柱形状の部分への押圧力により、デッドロッキングラッチボルト10およびデッドロッキングラッチボルト110が一旦錠前機構2に挿入されて出入口扉が閉鎖されることになる。
また、出入口扉が閉鎖される際、出入口の壁面から押圧されてトリガーヘッド85がバネの付勢力に対抗してC方向と逆方向へ移動するとともに、トリガーヘッド85に固定されているコ字状部材86もC方向と逆方向へ移動する。コ字状部材86がC方向と逆方向へ移動すると、端部87によるラッチホールド80の突起82へのC方向の押圧が解除されて、ラッチホールド80はバネの付勢力によりR5方向と逆方向に回動する。また、出入口扉が閉鎖される際、出入口の壁面から押圧されてトリガーヘッド185がバネの付勢力に対抗してC方向と逆方向へ移動するとともに、トリガーヘッド185に固定されているコ字状部材186もC方向と逆方向へ移動する。コ字状部材186がC方向と逆方向へ移動すると、端部187によるラッチホールド180の突起182へのC方向の押圧が解除されて、ラッチホールド180はバネの付勢力によりR5方向と逆方向に回動する。
そして、出入口の壁面からの押圧力により一旦錠前機構2に挿入されたデッドロッキングラッチボルト10は、バネ15の付勢力によりB方向と逆方向に移動して、ラッチホールド80がR5方向と逆方向へ回動したためにストッパー13が係止部83に係止されることなく、出入口の壁面の孔部に先端部12が挿入される。また、出入口の壁面からの押圧力により一旦錠前機構2に挿入されたデッドロッキングラッチボルト110は、バネ115の付勢力によりB方向と逆方向に移動して、ラッチホールド180がR5方向と逆方向へ回動したためにストッパー113が係止部183に係止されることなく、出入口の壁面の孔部に先端部112が挿入され、錠前装置100は空締まり施錠状態となる。
このように、実施の形態1の錠前装置100におけるデッドロッキングラッチボルト110(補助錠)では、連結部材20によりデッドロッキングラッチボルト10(主錠)に連結されている。そして、錠前装置100が空締まり施錠状態の場合に、レバーハンドル70aを回動操作すると、デッドロッキングラッチボルト10の移動に連動してデッドロッキングラッチボルト110も移動して、錠前装置100を空締まり施錠状態(解錠可能状態)から解錠状態にする。従って、正規の利用者が入退館する場合には、主錠に対する操作のみで出入口扉を施錠状態にできるため、一回の施解錠操作で出入口扉の施解錠を可能にして煩雑な施解錠操作を強要せず利便性を向上させることができる。また、不正侵入者による不正解錠などの不正行為が行われた場合は、デッドロッキングラッチボルト10(主錠)とデッドロッキングラッチボルト110(補助錠)とにより出入口扉を施錠状態にするため、不正侵入者には解錠操作を困難にし、かつ出入口扉の不正開放に対する物理的耐性を高めることで防犯性を向上できる。また、正規の利用者が警備解除状態に設定することなく、鍵による手動操作部30からの解錠を試みても出入口扉が開放されず、正規の利用者に警備の解除の失念を気付かせることができるとともに、警備の解除の失念による監視センタ等への誤報も軽減することができる。
また、錠前装置100は、警備装置500における警備状態または警備解除状態の設定に従って、デッドロッキングラッチボルト10およびデッドロッキングラッチボルト110を移動させて施解錠を行うことが可能であるため、警備サービスを提供する警備会社等がデッドロッキングラッチボルト110(補助錠)の鍵を受領することが不要となり、鍵の管理負担や警備サービスの運用負担を低減することができる。
(実施の形態1の変形例)
実施の形態1の錠前装置100は、デッドロッキングラッチボルト10(主錠)に連動してデッドロッキングラッチボルト110(補助錠)が移動する構成となっており、デッドロッキングラッチボルト110(補助錠)が出入口扉の内部に設置されていた。従って、実施の形態1では、補助錠が設けられていることが外部側からはわからない。そこで、本実施の形態では、さらに、実施の形態1の錠前装置に、デッドロッキングラッチボルト110(補助錠)が設置されていることを不正な第三者に連想させる模造のシリンダ(ダミーシリンダ)を出入口扉4に設置したものである。
図17は、実施の形態1の変形例にかかる補助錠と主錠とを設置した出入口扉の全体を示す図である。図17は、出入口扉4を部屋の外部から見た正面図であり、デッドロッキングラッチボルト10(主錠)とデッドロッキングラッチボルト110(補助錠)とを備えた錠前装置100が出入口扉4の内部に設けられている。そして、デッドロッキングラッチボルト110が内部に設置されている位置に対応する出入口扉4の外側にダミーシリンダ200が設けられている。図18は、電気的に施解錠操作を行う補助錠が設置されていることを連想させる描画を施したダミーシリンダの一例を示す図である。なお、デッドロッキングラッチボルト10(主錠)およびデッドロッキングラッチボルト110(補助錠)の構成、機能、および施解錠動作については、実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
ダミーシリンダ200は、出入口扉4に二つ目の錠前機構(補助錠)が設置されていることを連想させるものであり、実際の施解錠の機能は有していない。すなわち、ダミーシリンダ200は、主錠だけでなく補助錠が設置されていることを連想させる。また、ダミーシリンダ200には、図18に示すように、IC(Integrated Circuit)タグなどを所持する手が描かれた描画201を施し、このダミーシリンダ200にICタグなどを近づけることによって、非接触で電気的に施解錠操作を行うことを連想させるように構成してもよい。
このように、実施の形態1の変形例では、出入口扉4に描画201を施したダミーシリンダ200を設けることで、外部から侵入しようとする不正侵入者に、出入口扉4には二つ目の錠前機構である補助錠(デッドロッキングラッチボルト110)が設置されていることを視覚的に連想させることができる。従って、二つ目の錠前機構である電気錠を連想させる補助錠の設置により、不正解錠が困難であることに加え居住者の防犯意識が高いことを不正侵入者に感じさせて犯意を失わせ犯行に及ぶことに至らなくさせるよう促すことができる。
実施の形態1にかかる錠前装置を設置した出入口扉の全体を示す図である。 実施の形態1にかかる錠前装置を設置した出入口扉の全体を示す図である。 実施の形態1にかかる錠前装置を設置した出入口扉の全体を示す図である。 実施の形態1にかかる錠前装置を設置した出入口扉の全体を示す図である。 実施の形態1にかかる錠前装置の構成を示す説明図である。 実施の形態1にかかる錠前装置の詳細を示す説明図である。 スライダーの正面図である。 図7−1におけるV1側から見たスライダーの側面図である。 ロッキングレバーの正面図である。 図8−1におけるV2側から見たロッキングレバーの側面図である。 ロッキングレバーの上面図である。 ロッキングレバーの底面図である。 コネクティングレバーの正面図である。 図6に示す錠前装置においてハンドル部が操作された場合を示す図である。 実施の形態1にかかる手動操作部を回動操作した場合の錠前装置を示す図である。 図11に示す錠前装置においてハンドル部が操作された場合を示す図である。 実施の形態1にかかる操作部により警備解除状態の設定を受付けた場合の錠前装置を示す図である。 図13に示す錠前装置においてハンドル部が操作された場合を示す図である。 実施の形態1にかかる手動操作部を回動操作し、かつ操作部により警備解除状態の設定を受付けた場合の錠前装置を示す図である。 図15に示す錠前装置においてハンドル部が操作された場合を示す図である。 実施の形態1の変形例にかかる補助錠と主錠とを設置した出入口扉の全体を示す図である。 電気的に施解錠操作を行う補助錠が設置されていることを連想させる描画を施したダミーシリンダの一例を示す図である。
符号の説明
100 錠前装置
1 フロント
2 錠前機構
10,110 デッドロッキングラッチボルト
11,111 軸部
12,112 先端部
13,113 ストッパー
14,114 鉄心
15,115 バネ
20 連結部材
30 手動操作部
30a シリンダ
31 サムターンハブ
40 スライダー
42 切欠き部
42a,42b 傾斜部
43,143 掛止部
44a,44b,45a,45b,46a,46b 部位
48 突起部
50 ロッキングレバー
51 孔部
52 軸部
53 連結部
54 突起部
60 コネクティングレバー
61 連結部
63 係合部
70 ハンドル部
70a レバーハンドル
71 ハンドル受け部材
72 レバーハンドル孔
80,180 ラッチホールド
81,181 支点
82,182 突起
83,183 係止部
85,185 トリガーヘッド
86,186 コ字状部材
87,187 端部
90 ソレノイド
91 ソレノイド本体
92 鉄心
93 バネ
200 ダミーシリンダ
201 描画
500 警備装置
501 操作部
510 制御部
520 外部給電部

Claims (9)

  1. 出入口扉に設置され、前記出入口扉を開放不可能な施錠状態、前記出入口扉を開放可能な解錠状態、または前記解錠状態に移行可能な解錠可能状態にする錠前装置において、
    前記錠前装置に対向して出入口の壁面に設けられた第1孔部に挿脱可能であって、前記第1孔部に挿入した状態で保持されることによって前記出入口扉を前記施錠状態にし、前記出入口扉の前記第1孔部に対して移動可能な状態にされることによって前記出入口扉を前記解錠可能状態にする第1施解錠部と、
    前記錠前装置に対向して出入口の壁面に設けられた第2孔部に挿脱可能であって、前記第2孔部に挿入した状態で保持されることによって前記出入口扉を前記施錠状態にし、前記出入口扉の前記第2孔部に対して移動可能な状態にされることによって前記出入口扉を前記解錠可能状態にする第2施解錠部と、
    前記第1施解錠部と前記第2施解錠部とを連結する連結部材と、
    利用者から第1操作力を受付け、前記第1操作力を前記第1施解錠部に伝達することで前記第1施解錠部を移動させる開閉操作部と、
    所定条件の場合、前記第1操作力を前記第1施解錠部に伝達することで、前記第1施解錠部を前記第1孔部に移動させるとともに、前記第2施解錠部を第1施解錠部の移動に連動して前記第2孔部に移動させ、前記出入口扉を前記解錠可能状態から前記解錠状態にする伝達部と、
    を備え
    前記伝達部は、
    前記開閉操作部に連結されており、前記第1施解錠部に係合することにより前記出入口扉を前記施錠状態または前記解錠可能状態とし、前記第1施解錠部に係合し、かつ前記第1操作力を前記第1施解錠部に伝達することで前記第1施解錠部を移動させ、前記第1施解錠部との係合を解除して前記第1操作力の前記第1施解錠部への伝達を不能にすることで前記第1施解錠部を移動不能にする係合部材を備えること、を特徴とする錠前装置。
  2. 前記第2施解錠部は、複数設けられ、
    前記連結部材は、前記第1施解錠部と複数の第2施解錠部とを連結し、
    前記伝達部は、所定条件の場合、前記第1操作力を前記第1施解錠部に伝達することで、前記第1施解錠部を前記第1孔部に移動させるとともに、複数の第2施解錠部を第1施解錠部の移動に連動して前記第2孔部に移動させ、前記出入口扉を前記解錠可能状態から前記解錠状態にすることを特徴とする請求項1に記載の錠前装置。
  3. 前記錠前装置は、前記出入口扉が設置された監視領域における異常事態の発生の有無を監視する警備装置と接続され、
    利用者から第2操作力を受付ける施解錠操作部と、
    前記出入口扉付近に設けられ、前記警備装置によって前記監視領域の異常が検知された場合に異常検知情報を通報する警備状態、または前記警備装置によって前記監視領域の異常が検知された場合に前記異常検知情報を通報しない警備解除状態の設定を受付ける操作部と、をさらに備え、
    前記係合部材は、前記所定条件として、前記施解錠操作部により前記第2操作力を受付け、かつ前記操作部により前記警備解除状態の設定を受付けた場合に、前記第1施解錠部に係合することを特徴とする請求項1または2に記載の錠前装置。
  4. 稼働可能な鉄心を有するソレノイドをさらに備え、
    前記伝達部は、
    前記第1施解錠部の近傍である一方の端部に第1突起部が形成され、前記第2操作力によって押圧されることで第1方向へ移動し、前記第1突起部が前記第1施解錠部の内部方向へ移動することで前記係合部材への押圧を解除し、第3操作力によって押圧されることで第1方向と逆方向である第2方向へ移動し、前記第1突起部が前記第1施解錠部の外部方向へ移動することで前記係合部材を押圧する可動部材と、
    前記ソレノイドに対する通電を制御し、前記操作部により前記警備状態から前記警備解除状態の設定を受付けた場合、前記ソレノイドを非通電にし、前記操作部により前記警備解除状態から前記警備状態の設定を受付けた場合、前記ソレノイドを通電する制御部と、
    一方の端部近傍で前記鉄心に連結され、他方の端部近傍に第2突起部が形成されており、前記ソレノイドへの非通電に連動して前記第2突起部が前記第1施解錠部の内部方向へ移動することで前記係合部材への押圧を解除し、前記ソレノイドへの通電に連動して前記第2突起部が前記第1施解錠部の外部方向へ移動することで前記係合部材を押圧する押圧部材と、をさらに備え、
    前記係合部材は、前記第1突起部が前記第2操作力により前記第1施解錠部の内部方向へ移動し、かつ前記第2突起部が前記ソレノイドの非通電により第1施解錠部の内部方向へ移動した場合に、前記第1施解錠部に係合することを特徴とする請求項に記載の錠前装置。
  5. 前記係合部材を、前記第1施解錠部側の方向に付勢する弾性部材をさらに備え、
    前記係合部材は、前記可動部材および前記押圧部材からの押圧が解除された場合、前記弾性部材からの付勢力によって前記第1施解錠部に係合し、
    前記可動部材および前記押圧部材は、前記弾性部材からの付勢力に対抗して、前記係合部材を押圧し、前記係合部材と前記第1施解錠部との係合を解除することを特徴とする請求項に記載の錠前装置。
  6. 施解錠機能を有さず、前記錠前装置に前記第2施解錠部が設置されており、かつ前記第2施解錠部を操作することを連想させる模造施解錠操作部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の錠前装置。
  7. 出入口扉に設置され、前記出入口扉を開放不可能な施錠状態、前記出入口扉を開放可能な解錠状態、または前記解錠状態に移行可能な解錠可能状態にする錠前装置で実行される施解錠方法において、
    前記錠前装置に対向して出入口の壁面に設けられた第1孔部に挿脱可能な第1施解錠部により、前記第1孔部に挿入した状態で保持されることによって前記出入口扉を前記施錠状態にし、前記出入口扉の前記第1孔部に対して移動可能な状態にされることによって前記出入口扉を前記解錠可能状態にする第1施解錠工程と、
    前記錠前装置に対向して出入口の壁面に設けられた第2孔部に挿脱可能な第2施解錠部により、前記第2孔部に挿入した状態で保持されることによって前記出入口扉を前記施錠状態にし、前記出入口扉の前記第2孔部に対して移動可能な状態にされることによって前記出入口扉を前記解錠可能状態にする第2施解錠工程と、
    開閉操作部により、利用者から第1操作力を受付け、前記第1操作力を前記第1施解錠部に伝達することで前記第1施解錠部を移動させる開閉操作工程と、
    所定条件の場合、伝達部により前記第1操作力を前記第1施解錠部に伝達することで、前記第1施解錠部を前記第1孔部に移動させるとともに、連結部材により前記第1施解錠部と連結する前記第2施解錠部を第1施解錠部の移動に連動して前記第2孔部に移動させ、前記出入口扉を前記解錠可能状態から前記解錠状態にする伝達工程と、
    を含み、
    前記伝達工程は、前記開閉操作部に連結された前記伝達部により、前記第1施解錠部に係合することにより前記出入口扉を前記施錠状態または前記解錠可能状態とし、前記伝達部に備えられた係合部材により、前記第1施解錠部に係合し、かつ前記第1操作力を前記第1施解錠部に伝達することで前記第1施解錠部を移動させ、前記第1施解錠部との係合を解除して前記第1操作力の前記第1施解錠部への伝達を不能にすることで前記第1施解錠部を移動不能にすることを特徴とする施解錠方法。
  8. 出入口扉に設置され、前記出入口扉を開放不可能な施錠状態、前記出入口扉を開放可能な解錠状態、または前記解錠状態に移行可能な解錠可能状態にする錠前装置において、
    前記錠前装置に対向して出入口の壁面に設けられた第1孔部に挿脱可能であって、前記第1孔部に挿入した状態で保持されることによって前記出入口扉を前記施錠状態にし、前記出入口扉の前記第1孔部に対して移動可能な状態にされることによって前記出入口扉を前記解錠可能状態にする第1施解錠部と、
    前記錠前装置に対向して出入口の壁面に設けられた第2孔部に挿脱可能であって、前記第2孔部に挿入した状態で保持されることによって前記出入口扉を前記施錠状態にし、前記出入口扉の前記第2孔部に対して移動可能な状態にされることによって前記出入口扉を前記解錠可能状態にする第2施解錠部と、
    前記第1施解錠部と前記第2施解錠部とを連結する連結部材と、
    利用者から第1操作力を受付け、前記第1操作力を前記第1施解錠部に伝達することで前記第1施解錠部を移動させる開閉操作部と、
    所定条件の場合、前記第1操作力を前記第1施解錠部に伝達することで、前記第1施解錠部を前記第1孔部に移動させるとともに、前記第2施解錠部を第1施解錠部の移動に連動して前記第2孔部に移動させ、前記出入口扉を前記解錠可能状態から前記解錠状態にする伝達部と、
    を備え、
    前記第2施解錠部は、複数設けられ、
    前記連結部材は、前記第1施解錠部と複数の第2施解錠部とを連結し、
    前記伝達部は、所定条件の場合、前記第1操作力を前記第1施解錠部に伝達することで、前記第1施解錠部を前記第1孔部に移動させるとともに、複数の第2施解錠部を第1施解錠部の移動に連動して前記第2孔部に移動させ、前記出入口扉を前記解錠可能状態から前記解錠状態にすることを特徴とする錠前装置。
  9. 出入口扉に設置され、前記出入口扉を開放不可能な施錠状態、前記出入口扉を開放可能な解錠状態、または前記解錠状態に移行可能な解錠可能状態にする錠前装置で実行される施解錠方法において、
    前記錠前装置に対向して出入口の壁面に設けられた第1孔部に挿脱可能な第1施解錠部により、前記第1孔部に挿入した状態で保持されることによって前記出入口扉を前記施錠状態にし、前記出入口扉の前記第1孔部に対して移動可能な状態にされることによって前記出入口扉を前記解錠可能状態にする第1施解錠工程と、
    前記錠前装置に対向して出入口の壁面に設けられた第2孔部に挿脱可能な第2施解錠部により、前記第2孔部に挿入した状態で保持されることによって前記出入口扉を前記施錠状態にし、前記出入口扉の前記第2孔部に対して移動可能な状態にされることによって前記出入口扉を前記解錠可能状態にする第2施解錠工程と、
    開閉操作部により、利用者から第1操作力を受付け、前記第1操作力を前記第1施解錠部に伝達することで前記第1施解錠部を移動させる開閉操作工程と、
    所定条件の場合、伝達部により前記第1操作力を前記第1施解錠部に伝達することで、前記第1施解錠部を前記第1孔部に移動させるとともに、連結部材により前記第1施解錠部と連結する前記第2施解錠部を第1施解錠部の移動に連動して前記第2孔部に移動させ、前記出入口扉を前記解錠可能状態から前記解錠状態にする伝達工程と、
    を含み、
    前記第2施解錠部は、複数設けられ、
    前記連結部材は、前記第1施解錠部と複数の第2施解錠部とを連結し、
    前記伝達工程は、所定条件の場合、前記伝達部により前記第1操作力を前記第1施解錠部に伝達することで、前記第1施解錠部を前記第1孔部に移動させるとともに、前記連結部材により前記第1施解錠部に連結する複数の第2施解錠部を第1施解錠部の移動に連動して前記第2孔部に移動させ、前記出入口扉を前記解錠可能状態から前記解錠状態にすることを特徴とする施解錠方法。
JP2007256021A 2007-09-28 2007-09-28 錠前装置および施解錠方法 Active JP5111990B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007256021A JP5111990B2 (ja) 2007-09-28 2007-09-28 錠前装置および施解錠方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007256021A JP5111990B2 (ja) 2007-09-28 2007-09-28 錠前装置および施解錠方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009084873A JP2009084873A (ja) 2009-04-23
JP5111990B2 true JP5111990B2 (ja) 2013-01-09

Family

ID=40658641

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007256021A Active JP5111990B2 (ja) 2007-09-28 2007-09-28 錠前装置および施解錠方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5111990B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103132788A (zh) * 2013-03-08 2013-06-05 苏州万盛亿五金锁具有限公司 一种门锁

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5550946B2 (ja) * 2009-06-26 2014-07-16 日本製紙株式会社 印刷用塗工紙
CN112709501B (zh) * 2020-12-02 2022-05-13 杭州萤石软件有限公司 电子锁

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5965164U (ja) * 1982-10-26 1984-05-01 美和ロツク工業株式会社 扉錠における施解錠装置
JP2002266531A (ja) * 2001-12-21 2002-09-18 Mikio Kuzuu ダミー錠
JP2005240405A (ja) * 2004-02-26 2005-09-08 Miwa Lock Co Ltd 錠前の二重施錠機構

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103132788A (zh) * 2013-03-08 2013-06-05 苏州万盛亿五金锁具有限公司 一种门锁
CN103132788B (zh) * 2013-03-08 2015-10-21 苏州万盛亿五金锁具有限公司 一种门锁

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009084873A (ja) 2009-04-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6225903B1 (en) Alarm system armed and disarmed by a deadbolt on a door
US7236085B1 (en) Lock with remotely activated lockout feature
CN101683833B (zh) 用于车载副钥匙的钥匙槽装置
CN101174352A (zh) 用于安全系统的无源解除收发器
EP1933282B1 (en) Wireless control of security system with key-operated key fob
US8633799B1 (en) Lock with remotely activated lockout feature
GB2494229A (en) A fastening device with remote monitoring
CN107810160A (zh) 具有授权装置的解锁钥匙
WO2007095686A1 (en) Door locking/unlocking unit
JP5258250B2 (ja) 錠前装置および施解錠方法
JPH02155095A (ja) ドアデッドボルトインタロック式安全システム
JP5111990B2 (ja) 錠前装置および施解錠方法
EP1845053B1 (en) Landing door device of elevator
JP5171682B2 (ja) 施解錠システムおよび施解錠方法
JP5000998B2 (ja) 錠前装置および施解錠方法
WO2010022457A1 (en) A safe secure lock
JP4913413B2 (ja) 施錠装置および施錠方法
JP4897353B2 (ja) 錠前装置および施解錠方法
JPH0751873B2 (ja) 機械警備システムに連動する金庫扉開閉制御システム
JP5279431B2 (ja) 錠前装置および施解錠方法
US20200011091A1 (en) Magnetic anti-theft device
US20220412122A1 (en) Actuating handle and device for securing against break-ins
CN211115452U (zh) 一种智能防尾随联动互锁安全门控制装置
JP4261960B2 (ja) 防犯装置
KR100858587B1 (ko) 엘리베이터의 승강장 도어 장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100924

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120423

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120508

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120709

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120918

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121010

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151019

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5111990

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250