JP5111530B2 - 電気素子内蔵配線基板の製法 - Google Patents

電気素子内蔵配線基板の製法 Download PDF

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本発明は、例えば、多層配線基板および半導体素子収納用パッケージなどに適し、特に、絶縁基板内部に電気素子が内蔵されている電気素子内蔵配線基板の製法に関するものである。
近年、電子機器の高性能化および小型化の要求に伴い、回路部品の高密度、高機能化に対応した配線基板が要求されている。このような配線基板としては、少なくとも有機樹脂を含有する絶縁層を複数積層して形成された絶縁基板の表面および/または内部に、複数の配線回路層と、これらの配線回路層を絶縁層の厚み方向に接続するビアホール導体が形成されたものが知られており、さらに、この配線基板の内部に積層コンデンサや半導体素子等の電気素子が半田や導電性接着剤等の接合剤により接続されている。
しかしながら、上記のような電気素子内蔵配線基板では、配線基板に内蔵される積層コンデンサや半導体素子等の電気素子が導電性接着剤により接続され加熱加圧されることから、内蔵される電気素子の端子電極の間隔を狭くした場合に、この端子電極に塗布された導電性接着剤が変形して広がり、近接する端子電極間に架橋して配線回路層が短絡するという問題があった。
また、配線基板の小型高密度化による配線回路層の細線化とビアホールの小径化および積層コンデンサ等の電気素子の小型化に伴う端子電極の小型化と端子電極の狭ピッチ化のために、端子電極と、配線基板に形成されたビアホール導体や配線回路層とは、接続部の小面積化や接続位置のずれにより接続が困難となり、配線基板の電気抵抗の増加やインピーダンス整合ができなくなるという問題があった。
また、配線基板に形成されるビアホールの小径化やビアホール数の増加に伴う加工時間の増大や、ビアホール加工時に発生する加工屑の除去工程の増加のために、製造コスト高になるという問題があった。
従って、本発明は、電気素子の端子電極と配線基板の配線回路層やビアホール導体と、ビアホールを加工することなく電気的接続を改善できる電気素子内蔵配線基板の製法を提供することを目的とする。
本発明の電気素子内蔵配線基板の製法は、少なくとも一方主面に突起状の端子電極が形成された電気素子を準備する工程と、未硬化または半硬化の熱硬化性樹脂を含有する複数の絶縁シートを準備する工程と、未硬化または半硬化の熱硬化性樹脂および導電性粒子を含有する、該導電性粒子の割合が5〜30体積%である導電性粒子分散絶縁シートを準備
する工程と、前記複数の絶縁シートの層間に、前記導電性粒子分散絶縁シートを少なくとも1層積層するとともに、前記絶縁シートと前記導電性粒子分散絶縁シートとの層間の所定位置に前記電気素子を載置した仮積層体を作製する工程と、前記仮積層体を加熱加圧して、前記絶縁シートおよび前記導電性粒子分散絶縁シート中に含まれる前記熱硬化性樹脂を硬化するとともに、前記電気素子に形成された前記端子電極の延長方向に前記導電性粒子を含む凝縮部を形成する工程と、を具備する製法である。
本発明の一形態にかかる電気素子内蔵配線基板の製法では、電気素子が、導電性粒子により形成された凝縮部を介して、配線基板側のビアホール導体および/または配線回路層と電気的に接続されることにより、半田や導電性接着剤等の接合剤を用いることなしに接続できることから、加熱加圧時に接合剤の変形や広がりが抑制され、電気素子と、配線基板内部の配線回路層やビアホール導体との接続性を高めることができる。
本発明の一形態にかかる電気素子内蔵配線基板の製法により作製された電気素子内蔵配線基板の概略断面図である。 内蔵される電気素子の斜視図である。 本発明の一形態にかかる電気素子内蔵配線基板の製法を説明するための工程図である。
(構造)
本発明の電気素子内蔵配線基板の一形態について、図1の概略断面図をもとに詳細に説明する。本発明の配線基板Aは、少なくとも有機樹脂を含有する絶縁層1、3、5を積層した絶縁基板7を備えているが、絶縁層1、3の間に位置する絶縁層5には導電性粒子19が含まれている。また、絶縁基板7の両表面に配線回路層8、9が形成され、さらに、これらの絶縁層1、3には、厚み方向にビアホール導体11が形成されており、このビアホール導体11は、絶縁基板7の、表面の配線回路層8、9と内部の配線回路層13、15とを電気的に接続している。
また、配線回路層13、15には絶縁層5側に突起25が形成されており、この突起25による絶縁層5中の導電性粒子19の押し込みにより、導電性粒子19により構成された凝縮ビア23が形成され、配線基板A内部の配線回路層13、15間および配線回路層8、9間をビアホール導体を形成することなしに接続されている。
また、この凝縮ビア23に当接する突起25の高さは、凝縮ビア23変形を抑え且つ導電性を高めるために、絶縁層5の厚みの50〜95%、特に、50〜70%が望ましい。
また、絶縁層1と導電性粒子19を含む絶縁層5の間には、電気素子17が埋設され、この電気素子17は絶縁層5の内部に形成された導電性粒子19によりなる凝縮部21を介して絶縁層5の上面側の配線回路層15に接続されている。
このようにして導電性粒子19から構成された凝縮部21により接続された電気素子17を備える電気素子内蔵配線基板が構成されている。
そして、絶縁層5内の凝縮部21を形成している導電性粒子19は、導電性粒子19の不足による導通不良や、一方、導電性粒子19の過剰量による短絡を防止し、低い電気抵抗を有する接続部を形成するという理由から体積分率で5〜30体積%の割合で含有することが望ましい。特に、電気抵抗を下げ、インピーダンス整合を安定化させるという理由から、絶縁層5中の導電性粒子19の量は10〜25体積%であることがより望ましい。
また、凝縮部21を形成する導電性粒子19が、Ag、Cu、NiおよびAuから選ばれる1種あるいはこれらの合金からなることが望ましい。このように低抵抗の金属を用いることによって導電性粒子19により形成された凝縮部21の電気抵抗を低く抑えることができる。特に、導電率が高く、廉価という理由からCuが好適に用いられる。さらに、耐マイグレーション性を高めるという理由からAg−Cu合金を用いることができる。
また、凝縮部21を形成している導電性粒子19の形状は、導電性粒子19同士の接触点において絶縁層5に含まれる熱硬化性樹脂を排除し易く、凝縮部21の電気的接続性を高められるといという理由から球状あるいは略球状粒子であることが望ましい。尚、このように球状あるいは略球状粒子からなる導電性粒子19は均一な粒径であることが望ましいが、凝縮部21の充填密度を高めるという理由から粒度分布を有していることがより望ましい。
そして、導電性粒子19の平均粒径は絶縁層厚みよりも小さく、10μm以下であることが、絶縁層5の任意の場所における凝縮部21の大きさを均一にするという理由から望ましく、特に、電気抵抗を均一にするという理由から導電性粒子19の平均粒径は1〜5μmであることが望ましい。
電気素子17は、例えば、図2に示すように、複数の内部電極層30a、30bと複数の誘電体層31a、31bとを交互に積層してなる電気素子本体32と、この電気素子本体32の4角端部にそれぞれ設けられた4個の端子電極27a、27b、29a、29bとから構成されており、内部電極層30aは端子電極27a、27bと、一方、内部電極層30aとは交互に積層されている内部電極層30bは、端子電極29a、29bと接続されている。
尚、上記のように、端子電極27a、27b、29a、29bが電気素子本体32の端面から主面にかけて形成されている構造であれば、端子電極27a、27b、29a、29bの数および間隔は任意に変更することができる。
そして、この例では、内蔵される電気素子17は1個であるが、本発明の配線基板Aでは、複数の電気素子17を内蔵することもできる。
そして、この電気素子17の端部に形成された端子電極27a、27b、29a、29
bは、絶縁層5の内部の導電性粒子19により形成される凝縮部21を端子電極27a、27b、29a、29bの直下に形成するという理由から、電気素子17の主面方向に突起状に形成されていることが望ましく、さらに、この突起状に形成された端子電極27a、27b、29a、29bの頂部33は導電性粒子19を絶縁層5の厚み方向に均一に押し込むことができるという理由から、電気素子17の主面に平行に平坦化されていることが望ましい。
また、電気素子17の厚みは絶縁層厚みの50〜95%であることが、配線基板Aの内部に内蔵される電気素子17が絶縁層の厚みに比較して薄くすることにより、絶縁層5ならびに絶縁層1、3の変形を抑制し、配線基板A内部での電気素子17の位置ずれを防止できるという理由から望ましい。さらに、絶縁層5の厚みに対するこの電気素子17の厚みは60〜80%が望ましい。
また、端子電極27a、27b、29a、29bの突起の高さは、絶縁層厚みの20〜65%であることが、導電性粒子19の強制的な押し込みを強くし、凝縮部21の密度をさらに高くでき、この凝縮部21の電気抵抗を低下させ、電気素子17と配線基板Aとの電気的接続性を高めることができるという理由から望ましい。そして、端子電極27a、27b、29a、29bの高さは、特には、30〜50%が望ましい。
また、電気素子17に形成される端子電極27a、27b、29a、29bに関し、最も近接する端子電極間距離(近接する端子電極の周縁部同士の間隔)が400μm以下であることが望ましい。このように導電性粒子19から形成される凝縮部21により配線基板Aに内蔵される電気素子17が接続されるような接合の場合に、電気素子17と、配線基板Aの配線回路層13、15やビアホール導体11間に、あらためてボリュームのある半田や導電性接着剤等の接合剤を付与する必要がないことから好適に用いることができ、特に、端子電極間距離は50〜350μmであることがこの端子電極間の絶縁性を確保できるという理由から望ましい。
また、この電気素子内蔵配線基板Bに内蔵される電気素子17は、小型化および高容量化を同時に満たす電気素子17を形成することができるという理由から、チップ部品が好適に用いられ、特に、図2に示したような積層コンデンサからなることが望ましいが、この他、チップ抵抗やチップインダクタも好適に用いることができる。尚、積層コンデンサは、BaTiO3を主成分とするセラミック誘電体層とNi、Cu等の卑金属あるいはA
g、Pd等の貴金属からなる内部電極とが交互に積層され形成されている。
また、積層コンデンサを複数個並列回路にて内蔵することもでき、その場合には、静電容量の向上とともに、インダクタンスの低減を図ることができる。複数個内蔵する場合には、静電容量の異なる積層コンデンサを内蔵することもでき、さらには、積層コンデンサ以外のチップ部品を同時に内蔵することもできる。
(材料)
本発明の配線基板Aにおける絶縁基板7の材質としては、上記のような電気素子内蔵構造が形成可能であれば、いわゆる焼結体からなるセラミック系絶縁材料、または絶縁成分として、少なくとも有機樹脂を含有する有機系絶縁材料のいずれであってもよいが、予め形成された複数の電極を具備する電気素子17を基板内部に埋設した構造を形成する上では、焼成工程を必要としない有機樹脂を含有するもの、特に無機フィラーと有機樹脂からなる絶縁材料が望ましい。
また、配線基板Aにおける絶縁基板7のうち絶縁層1、3は熱硬化性樹脂と無機フィラーとの複合体によって構成されている。無機フィラーは、例えば、SiO2、Al23
AlN、SiCの群から選ばれる少なくとも1種を好適に用いることができる。
無機フィラーとして、SiO2を用いた場合は絶縁層1、3の比誘電率を小さくするこ
とができる。また、無機フィラーとして、Al23を用いた場合には配線基板Aの熱伝導率を高めることができる。特に、電子機器の小型化、高性能化を目的として、高速伝送を行うためには、低誘電率のSiO2を用いることが望ましい。
そして、上記の絶縁層1、3に含まれる熱硬化性樹脂としては、ポリフェニレンエーテル(APPE)系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂およびシアネート系樹脂の群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。この中でAPPE樹脂は比誘電率が低く、誘電損失が低く、吸水率が低く、さらに、ガラス転移点が高いために、高耐熱性であることから、特に好ましい。さらに、混合物はフィラーとのぬれ性を改善するために、分散剤やカップリング剤を含んでもよい。
尚、熱硬化性樹脂と無機フィラーとの複合材料においては、有機樹脂:無機フィラーとは、体積比率で50:50〜95:5の比率で複合化されることが望ましい。また、無機フィラーの表面は有機樹脂との塗れを良くするために、カップリング処理されていても良い。
さらに、熱硬化性樹脂と無機フィラーとの複合材によって絶縁層1、3を形成すれば、絶縁シートの熱的安定性とともに機械的強度を高めることができる。また、通常のガラス−エポキシ基板等に比較して、フィラーが繊維状ではないことから、フィラーと有機樹脂との界面が孤立している形態をとることができ、マイグレーションが進展しにくくなり絶縁信頼性を高めることができる。
一方、導電性粒子19と熱硬化性樹脂との複合体から構成されている絶縁層5では、導電性粒子19は、Ag、Cu、NiおよびAuから選ばれる1種あるいはこれらの合金からなることが望ましいが、絶縁層5を構成する導電性粒子19の割合は有機樹脂に対して5〜30体積%、特に10〜25体積%であることが望ましい。導電性粒子19の割合を上記の範囲に限定したのは、導電性粒子19の含有率が5%よりも低いと、電気素子17と配線間の導電性粒子19が十分に凝縮されず、導通するためのパスが確保できなくなるためである。一方導電性粒子19の含有率が30体積%を超えると、凝縮部21以外の配線間においても導電性粒子19のパスが発生し、もしくは信頼性に耐えうる絶縁性が確保できずに上下配線間において短絡してしまうからである。
尚、絶縁層5の用いる有機樹脂は、硬化温度を同じにし、また、硬化時の収縮挙動を一致させるという理由から、絶縁層1、3に用いる熱硬化性樹脂と同じ樹脂を用いることが望ましい。
また、本発明の配線基板Aの配線回路層8、9、13、15を形成する金属箔として、高い導電率を有し、且つ微細加工が容易でしかも比較的安価な銅が好適に用いられる。
また、絶縁層1、3に形成したビアホール導体11に形成する導体ペーストとしては、金属成分として、銅、銀、アルミニウムおよび金の群から選ばれる少なくとも1種又は2種以上、特に銅粉末、銀粉末を被覆した銅粉末、銅−銀合金粉末などの銅含有粉末、あるいはこの粉末に、Sn粉末や、Sn−Ag−Cu−Biなどの錫合金粉末を添加したものが使用され、特に、銅含有粉末に対して、錫含有粉末を添加することによって、製造工程における加熱硬化時に、錫含有粉末が溶融することから、ビアホール導体11と、配線回路層8、9、13、15とを容易に接続することができるとともに、Cu3Snあるいは
Cu6Sn5からなる耐熱性に優れた金属間化合物を生成させ、強固に接続することができ
る。
(製法)
次に、電気素子内蔵配線基板を作製する方法について図3の工程図をもとに説明する。
絶縁層1、3となる絶縁シート41、43は、イミド樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、エポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂と、SiO2、Al23などの不定形の無機フ
ィラーとの混合材料から作製される(a)。
一方、絶縁層5となる導電性粒子分散絶縁シート45は、絶縁シート41、43に用いるものと同様のポリフェニレンエーテル系樹脂、エポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂と、Ag、Cu、NiおよびAuなどの導電性粒子19のうち少なくとも1種の導電性粒子19とを混合して形成する。(a)。
次に、絶縁層1、3となる絶縁シート41、43に炭酸ガスレーザやパンチングなどを用いてビアホール47を形成する(b)。
次に、絶縁シート41、43に形成されたビアホール47に、Cu粉末を含有する導電性ペーストを充填して、ビアホール導体49を形成する(c)。
その後、この絶縁シート41、43および導電性粒子分散絶縁シート45の表面に、電気素子17を配置させ、その上面側に配線回路パターン51を形成して配線回路シート55ならびに導電性粒子を含む導電部形成配線回路シート57を形成する(d)。
これらの配線回路パターン51は、例えば、銅箔、Al箔などの金属箔を絶縁シート41、43の表面に転写した後、レジスト塗布、露光、現像、エッチング、レジスト除去の工程によって、所定の配線回路パターン51を形成する方法、または、予め、可とう性フィルムの表面に前記絶縁シート41、43の表面に転写する方法がある。このうち、後者の方法は、絶縁シート41、43がエッチング液などにさらされることがなく、絶縁シートが劣化することがない点で後者の方が好適である。
次に、上記複数の配線回路シート55と導電部形成配線回路シート57ならびに電気素子17を用いて、図3(e)に示すような方法により電気素子17が内蔵された積層体59を作製する。
まず、最下層に配線回路シート55を置き、次に、この配線回路シート55の上面側に導電部形成配線回路シート57を積層する。そして、この導電部形成配線回路シート57の上面側に電気素子17を載置する。この場合、電気素子17の一方主面端部に形成された端子電極27a、27b、29a、29bが導電部形成配線回路シート57側に向き、且つ配線回路シート55の上面に形成された配線回路パターン51における所定の接続部の直上に当接するように置かれる。
次に、この電気素子17の上面側に、再び、配線回路シート55を積層し、仮積層体を形成する。この場合、Bステージ状態の絶縁シート41、43および導電性粒子分散シート45を70〜200℃に加熱しながら電気素子17が絶縁シート表面に埋設できる程度の圧力を印加する。この電気素子17を埋設するための圧力としては、1kg/cm2
上、特に2〜20kg/cm2の範囲が望ましい。
このように、仮積層体を前記絶縁シート41、43ならびに導電性粒子分散絶縁シート45中の熱硬化性樹脂が硬化する温度よりも、低い温度で予め予備的に加熱加圧を行い、
電気素子17の端子電極27a、27b、29a、29bの直下に導電性粒子分散絶縁シート45の内部の導電性粒子19からなる凝縮部21を形成し、この次に、熱硬化性樹脂が硬化する温度において本硬化を行うことにより、内蔵した電気素子17と絶縁層1、3に形成された配線回路層8、9、13、15との間の凝縮部21の密度を高めるとともに、絶縁層1、3表面との接着を強固にし、硬化過程における配線基板Aの変形を抑えることができ、このようにして電気素子内蔵配線基板を作製することができる。
(作用)
以上のように構成された電気素子内蔵配線基板では、複数の絶縁層1、3の間に積層された絶縁層5が導電性粒子19を含有し、電気素子17が、導電性粒子19により構成された凝縮部21を介して、配線基板A側のビアホール導体11および/または配線回路層8、9、13、15と電気的に接続されることにより、配線基板Aの配線回路層8、9、13、15やビアホール導体11と、電気素子17の端子電極27a、27b、29a、29bとを、半田や導電性接着剤等の接合剤を用いることなしに接続できることから、加熱加圧時に接合剤の変形や広がりが抑制され、電気素子17と、配線基板A内部の配線回路層8、9、13、15やビアホール導体11との接続性を高めることができる。
また、端子電極27a、27b、29a、29bの位置に確実に導電性粒子19を含む凝縮部21を形成できることから、配線基板A内部の配線回路層8、9、13、15やビアホール導体11と、電気素子17の端子電極27a、27b、29a、29bとの位置のずれを無くして接続でき、配線基板Aの電気抵抗の増加を抑制し、インピーダンス整合を高めることができる。
さらには、ビアホール加工の工程を削減できることから、製造コストを低減できる。
先ず、内蔵する電気素子として、例えば、セラミックコンデンサを次のように作製した。BaTiO3系の複数のセラミック誘電体シートの表面に、Niの金属ペーストを用い
て内部電極パターンをスクリーン印刷した。その後、それらのシートを温度55℃、圧力1500Pa下で積層密着させ、グリーンの状態でカッターを用いて切断した後、還元雰囲気1250℃の温度において焼成して積層コンデンサを作製した。なお、コンデンサの端面から内部電極が露出していることを確認した。
また、一部のコンデンサ素体の内部電極が露出した端面に、Cu/Niのペーストを外部電極形成部に塗布して温度850℃で焼付け、コンデンサの端面に、表1に示す条件の突起状の端子電極を形成した。なお、この積層コンデンサは、その寸法が1.6mm×1.6mm×0.2mm、静電容量が10nF、自己インダクタンスが80pHのものとした。即ち、内蔵する積層コンデンサの本体厚みは0.2mmおよび端子電極間隔は50μm、150μmとした。
次に、上記の積層コンデンサを内蔵した配線基板を以下のようにして作製した。
先ず、A−PPE樹脂に対し、不定形のSiO2粉末を所定量の割合となるように、ワ
ニス状態の樹脂とを混合し、ドクターブレード法により、厚さ120μmの複数の絶縁シートを作製した。
次に、A−PPE樹脂とCu粉末からなる導電性粒子を混合して、無機フィラーを含む絶縁シートと同じ成形方法により、厚み500μmの導電性粒子を含む絶縁シートを作製した。絶縁層中の導電性粒子の割合は5〜35体積%とした。また、ここで用いた導電性粒子の平均粒径は5〜10μmのものを用いた。
次に、これらの絶縁シートに、炭酸ガスレーザにより、ビアホール(直径0.1mm)を形成し、そのビアホールに、Cu粉末を含有する導電性ペーストを充填してビアホール導体を形成した。
次に、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂からなる転写シートの表面に接着剤を塗布し、厚さ12μm、表面粗さ0.8μmの銅箔を一面に接着した。そして、ドライフィルムレジストを貼り、露光、現像を行った後、これを塩化第二鉄溶液を用いたスプレー式エッチング装置を用いて、非パターン部をエッチング除去して、銅箔からなる配線回路パターンを形成した転写シートを作製した。
その後、この転写シートの配線回路パターン側を130℃、20kg/cm2の条件で
圧着して絶縁シートの表面に配線回路パターンが形成された配線回路シートを作製した。
次に、上記複数の配線回路シートおよび電気素子を用いて、電気素子が1個内蔵された積層体を作製した。
まず、最下層に無機フィラーを含む配線回路シートを置き、次に、この無機フィラーを含む配線回路シートの上面側に導電性粒子を含む導電部形成配線回路シートを積層した。
次に、この導電性粒子を含む導電部形成配線回路シートの上面側に電気素子17を載置した。この場合、電気素子の一方主面端部に形成された端子電極が導電性粒子を含む導電部形成配線回路シート側に向き、且つ配線回路シートの上面に形成された配線回路パターンにおける所定の接続部の直上に当接するように置いた。
次に、導電性粒子を含む導電部形成配線回路シートの上面側に置かれたこの電気素子の上面側に、再び、無機フィラーを含む配線回路シートを積層し、仮積層体を形成した。
そして、この仮積層体を温度130℃、圧力20kg/cm2の条件で加熱加圧を行い
、電気素子17を導電性粒子を含む導電部形成配線回路シートの表面に埋設し、次に、温度200℃、圧力20kg/cm2の条件で本硬化を行い電気素子内蔵配線基板を作製し
た。このとき導電性粒子19による凝縮部21が形成された絶縁層5の厚みは、硬化後に400μmに変化していた。
比較例として、絶縁基板を構成する絶縁層の全層を熱硬化性樹脂と無機フィラーとを混合して作製した絶縁シートを用い、この絶縁シートのビアホール導体および配線回路層を形成し、電気素子を導電性接着剤を用いて接続した試料を作製した。そして、作製した電気素子内蔵配線基板に対して、以下の検討を行った。
インピーダンスアナライザを用いて、周波数1.0MHz〜1.8GHzにおいて、インピーダンスの周波数特性を測定し、同時に、1MHzでのコンデンサの静電容量を測定し、そして、f0=1/(2π(L/C)1/2)(式中、f0:共振周波数(Hz)、C:
静電容量(F)、L:インダクタンス(H))に基づいて、共振周波数からインダクタンスを計算で求めた(L(室温))。また、作製した電気素子内蔵配線基板を−45〜125℃の間の温度サイクルテストを100回行い、試験後の配線基板のインダクタンスおよび絶縁抵抗の変化率を評価した。絶縁抵抗は絶縁抵抗計を用いて、印加電圧10V、印加時間1分後の値を測定した。これらの結果を表1に記載した。試料数は各評価項目において、n=10とした。
Figure 0005111530
表1の結果から明らかなように、絶縁層中に導電性粒子から構成される凝縮部を形成した試料No.3〜18では、静電容量が10nF以上、共振周波数が77MHz以上、およびこれらに値から求めたインダクタンスが140pH以下の値を示し、さらに、TCT試験においても、一部の試料にTCT試験後に膨れが見られたものの、インダクタンスの変化率がいずれも10%以下であった。
また、導電性粒子の含有量を10〜25体積%とした、試料No.3、5〜18では、TCT試験後のインダクタンスの変化率が10%以下となり良好な特性を示した。
特に、導電性粒子の含有量を20〜30体積%、電気素子の厚みと絶縁層の厚みの比を60〜80%とした試料No.7〜9、11、12、および17では、静電容量が10nF以上、インダクタンスが110pH以下、TCT試験でのインダクタンスの変化率が6%以下、また、TCT試験での絶縁抵抗の変化率が5%以下と小さくなり、配線基板内に内蔵された電気素子と配線回路層との接続が良好であることが判った。
一方、電気素子を導電性接着剤を用いて接合した試料のうち、電気素子の間隔を150μmとした試料No.2では、静電容量が得られたが、TCT試験後の絶縁抵抗の増加が大きかった。そして、端子電極の間隔を50μmとしたものは、試料作製後にショートが発生した。
A・・・・・・・・・・・・・・・・配線基板
1、3、5・・・・・・・・・・・・絶縁層
7・・・・・・・・・・・・・・・・絶縁基板
8、9、13、15・・・・・・・・配線回路層
11、49・・・・・・・・・・・・ビアホール導体
17・・・・・・・・・・・・・・・電気素子
19・・・・・・・・・・・・・・・導電性粒子
21・・・・・・・・・・・・・・・凝縮部
23・・・・・・・・・・・・・・・凝縮ビア
27a、27b、29a、29b・・端子電極
41、43・・・・・・・・・・・・絶縁シート
45・・・・・・・・・・・・・・・導電性粒子分散絶縁シート
47・・・・・・・・・・・・・・・ビアホール
49・・・・・・・・・・・・・・・ビアホール導体
51・・・・・・・・・・・・・・・配線回路パターン
55・・・・・・・・・・・・・・・配線回路シート
57・・・・・・・・・・・・・・・導電部形成配線回路シート
59・・・・・・・・・・・・・・・積層体

Claims (4)

  1. 少なくとも一方主面に突起状の端子電極が形成された電気素子を準備する工程と、
    未硬化または半硬化の熱硬化性樹脂を含有する複数の絶縁シートを準備する工程と、
    未硬化または半硬化の熱硬化性樹脂および導電性粒子を含有する、該導電性粒子の割合が5〜30体積%である導電性粒子分散絶縁シートを準備する工程と、
    前記複数の絶縁シートの層間に、前記導電性粒子分散絶縁シートを少なくとも1層積層するとともに、前記絶縁シートと前記導電性粒子分散絶縁シートとの層間の所定位置に前記電気素子を載置した仮積層体を作製する工程と、
    前記仮積層体を加熱加圧して、前記絶縁シートおよび前記導電性粒子分散絶縁シート中に含まれる前記熱硬化性樹脂を硬化するとともに、前記電気素子に形成された前記端子電極の延長方向に前記導電性粒子を含む凝縮部を形成する工程と、
    を具備することを特徴とする電気素子内蔵配線基板の製法。
  2. 前記導電性粒子が、Ag、Cu、NiおよびAuから選ばれる1種あるいはこれらの合金からなることを特徴とする請求項1に記載の電気素子内蔵配線基板の製法。
  3. 前記電気素子が複数の端子電極を有し、該端子電極の最近接する端子電極間距離が400μm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気素子内蔵配線基板の製法。
  4. 前記電気素子が内部電極層と誘電体層とを交互に積層して形成された積層コンデンサであることを特徴とする請求項1乃至請求項のうちいずれか記載の電気素子内蔵配線基板の製法。
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