JP5109919B2 - 空調機システム - Google Patents

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Description

本発明は、複数の空気調和機が連携して制御される空調機システムに係わり、より詳細には、システム内で発生する機器のエラー報知に関する。
従来、空調機システムとしては図7に示すビル空調遠隔管理システムが開示されている。
このビル空調遠隔管理システムは、情報収集センター20を運営する事業者が、所定の外部通信機能を有する空調設備44を配備しているビル40のオーナーや空調設備44の使用者に対して様々なサービスを提供するためのシステムである。
ビル空調遠隔管理システムは、情報収集センター20内のサーバコンピュータ21と、そのサーバコンピュータ21に対して定期的に所定のデータ送信を行う複数の空調設備44の設備管理装置43とから構成されている。また、ビル40において空調設備44の故障が発生したときにサービスエンジニアをビル40へと派遣するサービスセンター30は、そのサービスセンター30が受け持つ複数のビル40に関する空調設備44の異常監視を行うための監視コンピュータ31を、情報収集センター20内のサーバコンピュータ21に接続させる。
各ビル40に配備されている空調設備44は、複数の室内機42および室外機41を備えるマルチ空調設備である。また、本システムに参加するビル40の空調設備44は、必要なデータを外部へと送信する機能を持った設備管理装置43を有している。それぞれのビル40の設備管理装置43は、空調設備44の各機器の運転モードや温度情報などの監視データを定期的に(例えば1時間に1回)情報収集センター20のサーバコンピュータ21に送信するとともに、異常等が発生した場合には即座に必要な監視データをサーバコンピュータ21と監視コンピュータ31へ送信する。
また、設備管理装置43は、ビル40の管理者やオーナーの指令により空調制御を行ったり、ビル40の管理者などに対して各空調機器の状態の監視データを提供したりする役割を果たす。例えば室内機42や室外機41が故障した場合、その故障情報が通信データとして送出され、このデータは設備管理装置43を介して情報収集センター20のサーバコンピュータ21と監視コンピュータ31とに送信される。従って、この故障情報を受信したサービスセンター30は、素早くサービスマンを該当するビル40へ修理のために出動指令を行うことが可能になっている(例えば、特許文献1参照。)。
一般的にはここで説明したように、すべてのビル40の空調設備44がサービスセンター30の監視コンピュータ31に接続されている訳でなく、サービス費用の関係から、サービス事業者とメンテ契約をしない場合もある。この場合、ビル40内に設置された設備管理装置43に表示される故障情報をビル管理者が監視し、必要な場合のみサービスセンター30へ修理を依頼する場合がある。さらに、小さなビルなどの場合、ビル管理者自体がいない場合もある。この場合は、空調設備44を使用するユーザーが直接、サービス事業者とメンテ契約をする場合が有るし、メンテ契約をせずに必要な場合のみユーザーが直接サービスセンター30へ修理を依頼する場合もある。
このように、空調機システムといってもさまざまな管理形態がある。一方、空調機システムで発生する故障・障害・エラーとしても、エアフィルタの清掃時機の到来を報知する軽微なものから、冷媒漏れや全室外機の運転停止、過電流といった深刻なレベルのものなど様々なものがあり、これらのエラー情報が各機器から空調機システム内へ送信されている。また、これらのエラー情報は重要な情報を含んでいるため、表示が可能な機器、例えば、室内機42や設備管理装置43にもできるだけ表示させるようにしている。
しかしながら、前述したように空調機システムの運用形態は様々であり、運用形態によっては、表示可能な機器にエラー情報の表示を行うことで、この表示を見たユーザーに対して無用な混乱を招く虞があった。
例えば、ビル管理者が常駐している空調機システムの場合、機器の老朽化による部品寿命の到来等は設備管理装置43で常に監視して対処するため、このような情報は室内機を使用するユーザーには直接関係ない情報であるが、室内機のリモコンなどに表示されるため、ユーザーの混乱を招く場合があった。特に、室内機のリモコンや簡易的な集中リモコンなどではコストの関係で表示素子として8セグメントの数字表示素子が使用され、故障の情報としてエラーコードを表示する場合が多い。
このようなエラーコードは、数字と8セグメントの表示素子を組み合わせた簡易アルファベットとで表示可能であるが、このエラーコードだけで故障の内容を把握することは困難であり、その理解にはエラーコードと故障内容との対応表が必要であるが、通常、用いられることが少ないために対応表が紛失し、結果的にリモコンの故障と勘違いすることもあった。
また、ホテルの客室に設置された室内機の場合、エアフィルタの清掃時機の到来などは客室を利用する客から見れば全く関係のないものであり、このエアフィルタの清掃時機の到来のエラーコードを見た客が混乱してしまう等の問題があった。
さらに、サービスセンタで空調機システムの異常を監視する監視者にとっては、エアフィルタの清掃時機の到来などはサービスの対象にならないため、監視コンピュータにエラーコードが表示されても故意に無視する必要があり、重要なエラーか軽微なエラーかを常に判断する必要があった。
特開2004−29904号公報(第5−7頁、図1)
本発明は以上述べた問題点を解決し、複数の室内機や室外機が備えられた空調機システムにおいて、サービスの運用形態に対応して、必要なエラー表示を必要な人にのみ表示させることを目的とする。
本発明は上述の課題を解決するため、室内機と、室外機と、同室内機と同室外機とを管理すると共に、前記室内機や前記室外機のエラー状態を表示する管理装置とを備え、これらの機器が相互に通信接続され、エラー状態を表示する表示手段を前記室内機と前記室外機との少なくともいずれか一方に備えた空調機システムであって、
前記室内機や前記室外機は、自機で発生した障害に対応する故障レベルと前記障害の内容とを含むエラー情報を、前記空調機システム内の機器に送信するエラー送信手段を備え、
前記室内機や前記室外機や前記管理装置のうち少なくとも1つの機器は、自機で発生した前記エラー情報、もしくは、前記空調機システム内の機器から送信される前記エラー情報の前記表示手段での表示可否を、これらの前記エラー情報の故障レベルに対応して決定する表示判定手段を備え、
前記表示判定手段は、前記故障レベルと共に、前記空調機システムのサービス業務での運用パターンに対応して、前記表示可否を決定するものであって、
前記運用パターンは、前記室内機を使用するユーザーと、前記管理装置を介して前記室内機や前記室外機を管理する管理者と、前記室内機や前記室外機や前記管理装置のサービス業務を行うサービス授業者との前記サービス業務内容の適用範囲により、予め決定されていることを特徴とする。
以上の手段を用いることにより、本発明による空調機システムによれば、
請求項1に係る発明は、
空調機システム内の機器に表示判定手段を備えているため故障レベルに対応して、必要な機器必要なエラー表示を行わせることができるため、不要な人がエラー表示を見て無用な混乱をすることがない。
また、空調機システム内の機器に表示判定手段を備えているため、サービス業務での運用パターンに対応して、必要な機器に必要なエラー表示を行わせせるkとができるため、不要な人がエラー表示を見て無用な混乱をすることがない。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に基づいた実施例として詳細に説明する。
図1は本発明による空調機システムを説明するブロック図である。
この空調機システムはホテル1内に設置された空調グループ2と、空調グループ3と、これらと通信線7で接続されると共に、各々の空調グループを管理する管理装置4と、この管理装置4とネットワーク6を介して接続されたサービスセンタ5内のサービス装置5aとで構成されている。なお、空調機システムは複数の空調関連機器が有機的に通信回線で接続されたものを示すため、室外機や室内機や集中リモコン、管理装置4などのいずれか2つ以上が通信可能なものを空調システムと呼称する。
空調グループ2と空調グループ3とは同じ構成であるため、ここでは空調グループ2を説明する。なお、冷媒の配管については本発明と直接関係ないため図示と説明とを省略する。
空調グループ2は、表示部11bを備えた室内機リモコン11aを接続した室内機11と、表示部12bを備えた室内機リモコン12aを接続した室内機12と、表示部13bを備えた室内機リモコン13aを接続した室内機13と、表示部14aと操作部14bとを備えた集中リモコン14と、親室外機15と、これに接続された子室外機16とを備えており、以上の各機器は通信線7を介して相互に通信できるようになっている。
なお、この実施例では室内機と室内機リモコンとを区別しているが、室内機リモコンは室内機の一部として機能しており、特に指定のない限り『室内機』とはこの2つを合わせたものを示す。また、各空調グループ内の集中リモコン14を除いた機器を空調機器17と呼称する。また、以上説明した各表示部がエラーを表示する表示手段となる。なお、図示しないが、室内機の本体に表示部が設けられる場合もあり、室内機リモコンやこの室内機の表示部を表示手段と呼称する。
このように各機器が通信線7と管理装置4を介してサービス装置5aと通信可能に接続されているため、室内機リモコン11aを操作して室内機11や親室外機15を制御するだけでなく、管理装置4や集中リモコン14から室内機11〜室内機13、親室外機15や子室外機16を制御したり、逆に各機器の故障情報を含む各機器の状態をそれぞれ他の機器、例えば室内機リモコン11aの表示部11bや、室内機リモコン12aの表示部12bや、室内機リモコン13aの表示部13bや、集中リモコン14の表示部14aなどに表示させるようにしている。
また、室内機11や親室外機15の障害内容もエラーコードとして、これらの表示部に表示される。また、空調グループ内の各機器はマイコンが搭載されている。さらに、管理装置4やサービス装置5aはCPUを備えたパソコンやサーバであり、これらのマイコンやCPUが各機器内のプログラムを実行することで各種の処理を行い、種々の機能や手段を実現する構成になっている。
従って、後述する各機器毎の処理説明フローチャートにおける『表示判定手段』や『エラー送信手段』の各機能は、これらのマイコンやCPUが処理手順に従って所定のプログラムステップを実行することで実現される。
また、集中リモコン14は空調機器17を制御、監視する機能を有しており、管理装置4の機能に近い機能を持っている。従って、システムの構成上、管理装置4がない場合は集中リモコン14が管理装置4の代替として機能する。従って、この実施例1や後述する実施例2では、管理装置4が存在する仮定で説明するが、これに限るものでなく、管理装置4の処理を集中リモコン14が行うようにしてもよい。つまりこれらの機器は『管理装置』の範疇に入る。
次に、以上説明した空調機システムのサービスに関する運用パターンについて説明する。図3はこの運用パターン内容を示す一覧表であり、空調機システムの運用者は運用パターンA〜運用パターンDのいずれかの形態でサービスを行うようになっている。
図3において横の項目は左から順に、運用パターン、サービス事業者、ビル管理者、ユーザー(利用者)となっている。なお、表中の『○』はサービス業務に関わることを示し、『−』はサービスに関わるものが無いことを示す。また、ユーザーは全ての運用パターンに関わることになる。
運用パターンAはサービス事業者、ビル管理者共にサービス業務に関わっており、なおかつ、サービス契約がサービス事業者と交わされている場合である。この場合、ビル管理者は管理装置4を監視して各空調機器からの故障情報(エラーコード)を監視している。同時にサービス事業者はサービス装置5aを監視して各空調機器からの故障情報(エラーコード)を監視している。従って、各空調機器に異常があった場合はすぐに対応が可能である。
運用パターンBはビル管理者のみがサービス業務に関わっており、また、サービス契約がおこなわれていない場合である。この場合、ビル管理者は管理装置4を監視して各空調機器からの故障情報(エラーコード)を監視している。各空調機器に異常があった場合は、ビル管理者がサービス事業者に対して修理の依頼を行う。
運用パターンCはユーザーのみがサービス業務に関わっており、また、サービス契約がおこなわれていない場合である。この場合、ユーザーは室内機リモコン11a〜13aや集中リモコン14を監視して各空調機器からの故障情報(エラーコード)を監視している。各空調機器に異常があった場合は、ユーザーがサービス事業者に対して修理の依頼を行う。
運用パターンDはサービス事業者とユーザーのみがサービス業務に関わっており、なおかつ、サービス契約がサービス事業者と交わされている場合である。この場合、サービス事業者はサービス装置5aを監視して各空調機器からの故障情報(エラーコード)を監視している。従って、各空調機器に異常があった場合はすぐに対応が可能である。
このように運用パターンが区分けされるためサービス業務に関して、運用パターンAではサービス事業者の責任が一番重く、ユーザーの責任が最も軽い。また、運用パターンBではビル管理者の責任が重く、ユーザーの責任は軽い。また、運用パターンCでは全責任がユーザーにかかっている。また、運用パターンDではサービス事業者の責任が重く、ユーザーの責任が軽い。つまり、それぞれの責任の大きさに対応してそれぞれの故障に対応しなければならい。
それぞれの故障に対応するために必要となるのが、故障のレベル区分けである。例えば、運用パターンAのようにビル管理者やサービス事業者がいるのに、重大な故障に対してユーザーがサービス業務を行う必要はないし、逆に、エアフィルタの清掃時機の到来を警告するエラーに対してサービス事業者がサービス業務を行う必要はない。つまり、障害レベルに対応してサービス業務を行うべき適切な人や事業者のみにエラーを通知すればよい。
このため、本発明による空調機システムでは、図4に示すようにエラーコードを区分けしている。図4は各空調機器から送信されるエラーコードとその内容を説明する表である。
エラーコードは2桁の数値から構成されており、上位桁は故障レベルを、下位桁はエラー内容を分類するものである。つまり、このシステムでは故障レベルを0〜3に区分し、エラー内容を1〜4に割り当てている。故障レベルは数値が大きいほど故障が重大であることを表している。
図2は前述したエラーコードと運用パターンとを組み合わせたエラーコードテーブルである。なお、この図2で右側の備考欄はサービス業務を行う管理者が行う業務の代表例を記載したものであり、実際のテーブルのデータには含まれない。
図2のエラーコードテーブルの項目は左から、故障レベル、エラーコードとエラー内容、運転状態、運用パターン、対応者及び報知機器となっており、対応者及び報知機器の項目はさらに、サービス事業者、ビル管理者、ユーザーの項目に別れている。なお、サービス事業者はサービス装置5aで、ビル管理者は管理装置4や集中リモコン14で、ユーザーは空調機器17、つまり、複数の室内機リモコンでエラーを認識するようになっている。
故障レベルは前述したエラーコードの上位桁であり、0〜3に区分けされており、0が故障レベルで最も軽く、3が故障レベルで最も重い。また、エラーコードは前述の通りであるが、各故障レベル毎に区分けされている。運転状態は空調機器17の状態を示しており、障害レベルに対応して障害の軽いほうから、正常運転、継続運転(監視)、継続運転(リカバリ)、停止、の処理に分類されている。次に各運転状態について説明する。
『正常運転』では、基本的に障害がない通常の運転を表している。ただし、エラーコード『01:フィルタ清掃時機到来』はここに含まれる。このエラーは障害でなく、一般ユーザーがメンテすべき内容のため、警告の意味合いがある。
『継続運転(監視)』は、今すぐ問題とならないが、近い将来に故障や不具合が発生する故障予知を報知するものであり、運転は継続してもかまわないが、部品の手配準備と監視とを行うように推奨するものである。
『継続運転(リカバリ)』は、重大な障害が発生したが、リカバリや障害原因の消滅により運転が可能である状態を示す。例えば、通常、室外機内には複数の圧縮機を備えており、このうちの1つが故障により停止したが、他の圧縮機を稼働することで当面はカバーできる状態とか、圧縮機を駆動するインバータの負荷電流が一時的に超過して圧縮機が停止したが、負荷電流が平常に戻ったので運転を再開したなどの状態である。また、1つの空調グループ内に2台以上の室外機が備えられている場合、1台の室外機がダウンしても他の室外機で代替できる場合なども含んでいる。
『停止』は冷媒漏れ、膨張弁や四方弁などの故障、全ての室外機がダウン、圧縮機を駆動するインバータの負荷電流が継続的に超過し、保護回路が働きっぱなしなど、回復が不可能で、かつ、空調機システムを運転できない状態を示す。
このようなエラーや運転状態となった時、どの管理者(対応者)に、どの機器を介してこのエラー情報を知らせるのかを規定したものが『運用パターン』と『対応者及び報知機器』の項目である。この項目は各故障レベル毎に運用パターンが区分けされており、この故障レベルと運用パターンを縦軸に、サービス装置と管理装置と空調機器とを横軸にしたマトリクス上で、該当するエラーを○:表示する、×:表示しないを規定している。なお、○/×は予めどちらにするか、各機器の設定機能で設定可能となっており、設置場所の状況に対応してきめ細やかな設定が可能となっている。
図2において、故障レベル0においては、エラーコード01:フィルタ清掃時機到来は、前述したように警告であり、運用パターンCとDではビル管理者もいないため、室内機リモコンや集中リモコン14の表示部にエラーを表示する。これを見たユーザーはエアフィルタの清掃を行う。一方、運用パターンAとBではビル管理者がいるため、管理装置4の表示部4aにエラーを表示するが、室内機には表示しない。なお、故障レベル:0ではサービス事業者がいたとしても、このエラーをサービス装置5aの表示部5bには表示しない。
故障レベル1においては、ユーザーやビル管理者が部品寿命の接近を知ることができても対応できないので、運用パターンに関わらずに管理装置4や集中リモコン14や室内機でエラー表示を行わない。一方、サービス事業者がいる場合は、事前の交換部品手配や事前の部品交換日程作成など、この情報を有効に活用できるため、サービス装置5aでこの情報を表示させるようにしている。
故障レベル2においては、故障個所を他の装置でリカバリでき、とりあえず空調機システムが運用可能な状態であるが、故障個所を速やかに修理する必要があるため、関連する全ての機器、つまり、室内機と集中リモコン14と管理装置4とサービス装置5aとにエラーを表示させる。ただし、運用パターンA,Bについては、ビル管理者がいるため、このサービス対応をビル管理者に任せる場合は、予め室内機の設定で、レベル2の故障を表示しないようにすることもできる。
故障レベル3においては、重大な障害発生であるため、関連する全ての機器、つまり、室内機と集中リモコン14と管理装置4とサービス装置5aとにエラーを表示させる。このようにすれば、ビル管理者かユーザーかいずれか早い方が故障を発見できるし、万が一、サービス事業者がこのエラーを見逃していたとしても、ビル管理者がサービス事業者に対して修理の要請を行うことができる。
次に以上説明した処理を行うための処理方法を図5のフローチャートを用いて説明する。図5(1)は室内機11〜13と集中リモコン14と管理装置4との処理を、図5(2)は室外機15、16の処理を、図5(3)はサービス装置5aの処理をそれぞれ示す。また、図5において、STはステップを表し、これに続く数字はステップ番号を示す。また、図5中の『Y』はYesを、『N』はNoを示している。なお、処理の条件として、このルーチンを実行する各機器には、図2のエラーコードテーブルが格納され、図3の運用パターンのいずれか1つが予め設定されているものとする。
図5(1)において室内機11〜13又は集中リモコン14や管理装置4は、通信線7を介して受信したデータに自機以外の他の機器、例えば子室外機16が送信したエラー通知(エラーコード)があるか確認する(ST1)。なお、エラー通知は同報一斉送信で行われるため、空調グループ2内のエラー通知であっても、空調グループ3へも送信される。もし、他の空調グループのエラー表示をする必要がないのなら、他の空調グループのエラー通知は読み捨てにすればよい。
次に、エラー通知がある場合(ST1−Y)、受信したエラー通知(エラーコード)によるエラーレベルと、自機に設定された運用パターンの種別とにより、エラーコードテーブルを参照して、受信したエラーコードを表示すべきか否かを決定する(ST2)。なお、このST2のステップを実行することで表示判定手段の機能が実現される。つまり、表示判定手段は前述したように、機器内蔵され、このルーチンを実行するマイコンやCPUと、ST2のステップと対応するプログラムとで構成される。
次に自機で表示すべきエラーコードか確認し(ST3)、自機で表示すべきエラーコードでなければ(ST3−N)、ST1へジャンプする。自機で表示すべきエラーコードであれば(ST3−Y)、自機の表示部で受信したエラーコードを表示し(ST4)、ST1へジャンプする。
一方、他の機器が送信したエラー通知がない場合(ST1−N)、自機内でのエラーがあるか確認する(ST5)。自機内でのエラーが無い場合(ST5−N)、ST1へジャンプする。自機内でのエラーが有る場合(ST5−Y)、発生したエラーに対応して処理を行い(ST6)、次に他の機器へこのエラーをエラー情報( エラーコード) として送信する(ST7)。そして、ST2へジャンプする。なお、管理装置4の場合は、エラーコードを送信する他の機器に、複数の室内機や集中リモコン14だけでなくサービス装置5aを含んでいる。また、ST7のステップと対応するプログラムと、機器内蔵され、このルーチンを実行するマイコンやCPUとでエラー送信手段が構成される。
図5(2)において室外機15、16は、自機内でのエラーがあるか確認する(ST10)。自機内でのエラーが無い場合(ST10−N)、ST10へジャンプする。自機内でのエラーが有る場合(ST10−Y)、発生したエラーに対応して処理を行い(ST11)、次に他の機器へこのエラーを他エラー情報( エラーコード) として送信する(ST12)。そして、ST10へジャンプする。なお、ST12のステップと対応するプログラムと、機器内蔵され、このルーチンを実行するマイコンやCPUとでエラー送信手段が構成される。
図5(3)においてサービス装置5aは、ネットワーク6を介して受信したデータに管理装置4が送信したエラー通知があるか確認する(ST20)。エラー通知がある場合(ST20−Y)、エラーコードの発信元を確認する(ST21)。サービス装置5aにはひとつのビルだけでなく、他のビルに設けられた空調機システムとも通信接続されており、各空調機システムの構成やサービス形態がそれぞれ異なるため、まず最初に、エラー通知と共に送信される各空調機システムの識別コードを確認する。
次に、識別した識別コードと対応し、予めサービス装置5aに記憶されている運用パターンを抽出し、受信したエラー通知による故障レベルと、抽出した運用パターンの種別とにより、エラーコードテーブルを参照して、受信したエラーコードを表示すべきか否かを決定する(ST23)。なお、このST23のステップと対応するプログラムと、機器内蔵され、このルーチンを実行するマイコンやCPUとで表示判定手段が構成される。
次に自機で表示すべきエラーコードか確認し(ST24)、自機で表示すべきエラーコードでなければ(ST24−N)、ST20へジャンプする。自機で表示すべきエラーコードであれば(ST24−Y)、自機の表示部つまり、サービス装置5aの表示部5bで受信したエラーコードを表示し(ST25)、ST20へジャンプする。
以上説明したように、空調機システム内の機器に表示判定手段を備えているため故障レベルに対応して、必要な機器に必要なエラー表示を行わせることができるため、エラー表示を見た人が無用な混乱をすることがない。
また、空調機システム内の機器に表示判定手段を備えているためサービス業務での運用パターンに対応して、必要な機器に必要なエラー表示を行わせることができるめ、不要な人がエラー表示を見て無用な混乱をすることがない。
さらに、空調機システムに接続されたサービス装置5aに表示判定手段を備えているため故障レベルに対応して、必要な機器に必要なエラー表示を行わせることができるため、サービス装置に表示されるエラー表示を判断するサービスマンの業務を簡略化できる。
次に別の実施例を図6のフローチャートを用いて説明する。
実施例1との違いは、エラー情報を管理装置4に集約し、この管理装置4でエラーを表示する各機器へのエラー情報送信の可否を一括して決定することである。そして、管理装置4からエラーを表示すべき機器へエラーコードを送信し、これを受信した機器は無条件にこのエラーコードを表示する。
図6(1)は室内機11〜13の処理を、図6(2)は管理装置4の処理を、図6(3)はサービス装置5aの処理を、図6(4)は室外機15、16の処理をそれぞれ示す。
ただし、空調機システム内に管理装置4が存在しない場合はこの処理を集中リモコン14が実行する。
また、図6において、STはステップを表し、これに続く数字はステップ番号を示す。また、図6中の『Y』はYesを、『N』はNoを示している。
なお、処理の条件として、このルーチンを実行する各機器には、図2のエラーコードテーブルが格納され、図3の運用パターンのいずれか1つが予め設定されているものとする。
図6(1)において室内機11〜13又は集中リモコン14は、通信線7を介して受信したデータに管理機器4が送信した自機宛のエラー通知があるか確認する(ST30)。エラー通知がある場合(ST30−Y)、自機の表示部で受信したエラーコードを表示し(ST31)、ST30へジャンプする。
一方、管理機器4が送信した自機宛のエラー通知がない場合(ST30−N)、自機内でのエラーがあるか確認する(ST32)。自機内でのエラーが無い場合(ST32−N)、ST30へジャンプする。自機内でのエラーが有る場合(ST32−Y)、発生したエラーに対応して処理を行い(ST33)、次に管理機器4へこのエラー情報( エラーコード) を送信する(ST34)。そして、ST30へジャンプする。ここで、ST34のステップと対応するプログラムと、機器内蔵され、このルーチンを実行するマイコンやCPUとでエラー送信手段が構成される。
図6(2)において管理装置4は、通信線7を介して受信したデータに空調機システム内の機器が送信したエラー通知があるか確認する(ST40)。空調機システム内の機器が送信したエラー通知がない場合(ST40−N)、ST40へジャンプする。一方、空調機システム内の機器が送信したエラー通知がある場合(ST40−Y)、受信したエラー通知による故障レベルと、各機器毎に設定された運用パターンの種別とにより、エラーコードテーブルを参照して、受信したエラーコードを表示すべき機器(室内機や集中リモコン14やサービス装置5a)を決定する(ST41)。なお、このST41のステップと対応するプログラムと、機器内蔵され、このルーチンを実行するマイコンやCPUとで表示判定手段が構成される。
次に自機、つまり、管理装置4で表示すべきエラーコードか確認し(ST42)、自機で表示すべきエラーコードであれば(ST42−Y)、管理装置4の表示部4aに受信したエラーコードを表示し(ST43)、次に、他の機器でも表示すべきエラーか確認し(ST44)、他の機器でも表示すべきエラーでなければ(ST44−N)、ST40へジャンプする。他の機器でも表示すべきエラーであれば(ST44−Y)、表示すべき対象の機器へエラーコードを送信する(ST45)。そして、ST40へジャンプする。
一方、自機で表示すべきエラーコードでなければ(ST42−N)、ST45へジャンプする。
図6(3)においてサービス装置5aは、管理装置4が送信し、ネットワーク6を介して受信したデータにエラー通知があるか確認する(ST50)。エラー通知がない場合(ST50−N)、ST50へジャンプする。一方、エラー通知がある場合(ST50−Y)、エラーコードの発信元を確認する(ST51)。
サービス装置5aにはひとつのビルだけでなく、他のビルに設けられた空調機システムとも通信接続されており、各空調機システムの構成やサービス形態がそれぞれ異なるため、まず最初に、エラー通知と共に送信される各空調機システムの発信元を識別コードで確認する。次に、自機の表示部つまり、サービス装置5aの表示部5bで受信したエラーコードを表示し(ST52)、ST50へジャンプする。
図6(4)において室外機15、16は、自機内でのエラーがあるか確認する(ST60)。自機内でのエラーが無い場合(ST60−N)、ST60へジャンプする。自機内でのエラーが有る場合(ST60−Y)、発生したエラーに対応して処理を行い(ST61)、次に管理装置4へこのエラーをエラー情報( エラーコード) として送信する(ST62)。そして、ST60へジャンプする。なおST62のステップと対応するプログラムと、機器内蔵され、このルーチンを実行するマイコンやCPUとでエラー送信手段が構成される。
このように管理装置4に、一旦、各空調機器からのエラーコードを集約し、管理装置4やサービス装置5a内で表示/非表示を判断し、この結果に従って各空調機器を選択してエラーコードを送信するようにしてもよい。これにより、エラー報知に関して、より柔軟な運用が可能となる。なお、管理装置4の代わりにサービス装置5aにエラーコードを集約、再送信するようにしてもよい。
このように1つの装置にエラーを集約し、判断することで、故障レベルやサービス形態が変更となっても、管理装置の処理内容変更だけで済むため、システム変更を簡略化できる。また、エラー表示を柔軟に表示することができる。
例えば、ホテルの客室の室内機において、客が宿泊中は、勿論、フィルタ清掃時機到来のエラーを表示しないが、客がチェックアウトした後、客室の清掃を行う場合にエアフィルタの清掃を同時に行うと都合がよい。この実施例1の場合にはビル管理者が客のチェックアウトとこのフィルタ清掃時機到来のエラーとを両方監視して、該当する客室清掃員に連絡しなければならないが、客室が多い場合は非常に大変な作業になる。
このような場合、ホテルの宿泊システムとリンクさせ、チェックアウト、つまり、ある客室が空いた状態と、この客室に対応した室内機からのフィルタ清掃時機到来のエラー受信との論理積演算を管理装置4で実施し、両方の条件が揃った時にのみこのエラーを該当する室内機へ送信するようにすればよい。このようにすると、フィルタ清掃時機到来のエラーが発生し、かつ、空室の時のみ室内機でフィルタ清掃時機到来のエラーが表示されるため、このエラーを清掃員が確認でき、客室清掃とエアフィルタの清掃とを同時に、また、確実に行うことができる。
本発明による空調機システムの実施例を示すシステムブロック図である。 本発明による空調機システムで使用するエラーコードテーブルの説明図である。 本発明による空調機システムの運用パターンを説明する説明図である。 本発明による空調機システムのエラーコードを説明する説明図である。 本発明による空調機システムのエラー表示処理を説明するフローチャートである。 本発明による空調機システムの別のエラー表示処理を説明するフローチャートである。 従来の空調機システムを示すシステムブロック図である。
符号の説明
1 ホテル(ビル)
2 空調グループ
3 空調グループ
4 管理装置
4a 表示部(表示手段)
5 サービスセンタ
5a サービス装置
5b 表示部(表示手段)
6 ネットワーク
7 通信線
11 室内機
11a 室内機リモコン
11b 表示部(表示手段)
12 室内機
12a 室内機リモコン
12b 表示部(表示手段)
13 室内機
13a 室内機リモコン
13b 表示部(表示手段)
14 集中リモコン
14a 表示部(表示手段)
14b 操作部
15 親室外機
16 子室外機
17 空調機器

Claims (1)

  1. 室内機と、室外機と、同室内機と同室外機とを管理すると共に、前記室内機や前記室外機のエラー状態を表示する管理装置とを備え、これらの機器が相互に通信接続され、エラー状態を表示する表示手段を前記室内機と前記室外機との少なくともいずれか一方に備えた空調機システムであって、
    前記室内機や前記室外機は、自機で発生した障害に対応する故障レベルと前記障害の内容とを含むエラー情報を、前記空調機システム内の機器に送信するエラー送信手段を備え、
    前記室内機や前記室外機や前記管理装置のうち少なくとも1つの機器は、自機で発生した前記エラー情報、もしくは、前記空調機システム内の機器から送信される前記エラー情報の前記表示手段での表示可否を、これらの前記エラー情報の故障レベルに対応して決定する表示判定手段を備え、
    前記表示判定手段は、前記故障レベルと共に、前記空調機システムのサービス業務での運用パターンに対応して、前記表示可否を決定するものであって、
    前記運用パターンは、前記室内機を使用するユーザーと、前記管理装置を介して前記室内機や前記室外機を管理する管理者と、前記室内機や前記室外機や前記管理装置のサービス業務を行うサービス授業者との前記サービス業務内容の適用範囲により、予め決定されていることを特徴とする空調機システム。
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