JP5106805B2 - 浴室ユニット - Google Patents

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本発明は、浴室内から浴室外へと出入りする出入口を備えた浴室ユニットに関する。
従来から、浴室ユニットの窓開口と住宅の窓サッシとは、浴室ユニットの組立部品として付属される窓接続枠で接続している。窓は浴槽の上方に配置されることが多いが、住宅に開放感を求める要求に対し、脱衣室や洗面室から浴室に出入りするドアの他に、住宅外部への出入りが可能なドアや窓を設けることもある。
前記ドアや窓から出入りする場合、窓接続枠の下枠は出入りの度に踏まれることになり、本来の窓接続枠とは異なる性能が要求される。
図1は、従来用いられている浴室ユニットの部分断面図である。
浴室ユニット11は、脱衣室と浴室とを出入りする出入口の他に、テラス等への出入りを行う窓出入口12を有している。この窓出入口は、壁パネル13の一部を切り欠いて、枠体及び窓を嵌め込んだものであり、枠体を固定する接続枠下枠2を壁パネル13よりも外側へと突出させたことで、浴室内を広くしている。
図2は、従来用いられている別の浴室ユニットの部分断面図である。
この例では、補強材6の上方に配置する天板4を浴室内へと下る傾斜面としており、天板4の上に水たまりを形成しにくくしている。
特開2002−38733
しかしながら、図1に記載した浴室ユニットは、接続枠下枠2が、水平に配置されており、水たまりができやすく、傾斜をつけようと思っても、接続枠下枠2と補強材6とが全面接着してあり、補強材6そのものを傾斜付にする必要があった。その為、困難な作業となり、強度も不足してしまう。
また、図2に記載する浴室ユニットは、出入口枠体1に天板を挿入して固定することから、天板4の厚み分だけ接続枠下枠2裏面の補強材6が薄くなり、強度が不足する。
本発明は、天板が傾斜を有し、十分な強度を有する、脱衣室との間以外で出入可能な出入口を備えた浴室ユニットを提供する
本発明は、以下のものに関する。
(1)浴室内から浴室外へと出入りする出入口と、この出入口よりも浴室側に配置した下枠と、この下枠上に固定した天板挿入片と、この天板挿入片に挿入固定される天板とを備え、前記天板挿入片が、前記下枠上面に接する固定面と、前記出入口枠体に沿って水平方向に延在し前記固定面との間に前記天板の一端側を挿入した挿入片とを備え、前記固定面の一端部を前記下枠と前記出入口枠体との間に挟持した状態でこれらを貫通して下枠にねじ込まれた固定ねじにより下枠に取り付けられ、前記天板挿入片の垂直面を貫通して前記天板の端面にねじ込まれた天板固定用ネジにより前記天板が天板挿入片に取り付けられた浴室ユニット。
(2)項(1)において、天板と下枠との間に、スペーサを配置した浴室ユニット。
(3)項(2)において、スペーサが、その厚みの差により天板を浴室内側へと下り傾斜させる浴室ユニット。
(4)項(1)乃至(3)の何れかにおいて、天板が、天板挿入片に挿入する部分を切断した後に、天板挿入片へと挿入される浴室ユニット。
(5)項(1)乃至(4)の何れかにおいて、下枠が、その上面を水平配置される浴室ユニット。
(6)項(1)乃至(5)の何れかにおいて、天板と下枠との浴室側端部が、下枠よりも天板をより多く浴室側へと突出させた浴室ユニット。
(7)項(1)乃至(6)の何れかにおいて、天板と下枠との間に隙間を設けた浴室ユニット。



本願発明によれば、下枠上に固定した天板挿入片により、天板を強固に固定することができ、天板と下枠との間にスペーサを配置することで、天板の高さを容易に調整でき、傾斜を設けることもできる。
天板挿入片への挿入部分を切断部分とした天板は、各種様々な大きさがある浴室ユニットにおいて、天板を共用化することができ、施工現場での切断時に、多少切断形状がいびつであっても、切断箇所が使用者からみえることがなく、美観を損ねることがない。
天板挿入片が、下枠と、出入口の枠体との間に挟持された場合は、下枠の固定時に天板挿入片を一度に固定することができ、施工をより短時間に、容易に行うことができる。
また、天板が、天板挿入片の外側よりネジ固定される場合は、施工空間を十分に確保することができ、強度を増すと共に、施工時間を短縮することができる。
下枠が、その上面を水平配置された場合は、補強材が入れやすくなり、窓接続枠自体の組立性が良くなる。
天板と下枠との浴室側端部が、下枠よりも天板をより多く浴室側へと突出させた場合は、天板と下枠の隙間に充填したシリコンコーキングや、天板の反りが発生し下枠との隙間が不均一になった場合でも目立ちにくくなる。
天板と下枠との間に隙間を設けた場合は、天板と下枠との先端部の隙間にシリコンコーキング代を確保することができる。
本発明にて述べる出入口は、浴室内から浴室外へと出入りできるものであるが、浴室と脱衣室との間を出入りする出入口以外のものを意味する。
より具体的には、浴室内と、テラス・ベランダ・庭等に出入りするものである。
本発明にて述べる下枠は、出入口よりも浴室側となるように配置されたものであれば特に制限されるものではなく、特に、耐荷重、耐候性に良好なものを使用することが好ましい。具体的には、AAS(アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン共重合体樹脂)等を好適に用いることができる。
下枠の成形方法は、特に限定されるものではないが、枠の長さを自由に変更できることから、押出成形とすることが好ましい。
また、天板は、施工現場にて切断し、長さ調整を行う場合、切断面を天板挿入片へと挿入することが好ましく、このようにすることで、切断面を使用者に見せることがなくなる。
更に、天板は、天板挿入片への挿入接着のみばかりでなく、ネジ固定をすることが好ましく、この場合、天板挿入片の外側(天板の挿入方向とは逆向き)よりネジ固定することができる。
本発明にて述べる天板挿入片は、先に述べた下枠上に固定されるものであり、天板を挿入固定できるものであれば特に制限されるものではない。
より具体的には、下枠への固定面と、この固定面より突出させた挿入片とを備えたものを使用することができ、挿入片として、断面コ字形のものを使用することができる。
天板挿入片の材質は、特に制限されるものではないが、アルミニウム、ステンレス、樹脂成形品等を使用することができ、特にアルミニウムは、サッシ等によく用いられて違和感が少なく、容易に孔加工を行えることから好ましい。
天板挿入片は、下枠の上に固定されるが、下枠と出入口の枠体との間に挟持されることが好ましく、下枠、天板挿入片、出入口の枠体の順番で積層したものは、一括でネジ固定することができる。
本発明にて述べるスペーサは、天板と下枠との間に配置されるものであり、天板の高さ調整を行うことができるものであれば特に制限されるものではない。
また、高さの異なる複数のスペーサを用いるか、断面くさび型のスペーサを用いる事により、天板を浴室内側へ下り傾斜させることが好ましく、傾斜をつけることにより、天板上に水たまりができにくくなる。
天板と下枠との浴室側端部は、下枠よりも天板を、より多く突出させることが好ましい。
これは、天板と下枠との間にスペーサを配置した際に生じる隙間を、使用者の目から隠し、美観を向上させるために行われる。
また、天板に反りがあった場合下枠との隙間部が不均一になりやすいが、その際でも隙間が見えにくい為、美観を損ねることがない。
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。
図3は、本発明の1実施例である浴室ユニットの概略斜視図である。浴室ユニット14は、その内部に浴槽15を備え、脱衣室との出入りを脱衣室出入口16より行う。
浴室ユニット14は、脱衣室出入口16以外に、テラスへの出入りを行う出入口17を有しており、出入口枠体1は、洗い場18よりも一段高くなっている天板4を通りテラスへの出入りを行える。
図4は、図3に示す出入口枠体の拡大断面図である。
出入口枠体1は、窓台5の上に載置固定され、出入口枠体1と洗い場18との間を天板4にて掛け渡している。天板4は、天板4の上に使用者の全体重がかかることから、補強材6の上に接続枠下枠2を配置し、スペーサ7、8を介して設置され、一側面を天板挿入片3へと挿入して固定される。
尚、接続枠下枠2の上面に天板4を取り付けることによって、窓台5と出入口枠体1の間に空間を設けられ、補強材6を取り付けることができる。本実施例では、出入口枠体1に対して、接続枠下枠2を挿入し、天板4を挿入していないので、補強材6の厚みを厚くすることができ、窓の下端を上げる必用もない。
図5は、図4に示す天板周囲の拡大詳細図である。
接続枠下枠2と天板4との間には、長尺のスペーサを2本配置してあり、出入口枠体1に近い方に厚みの大きなスペーサ7を、洗い場18に近い方に厚みの小さなスペーサ8を挟持させ、天板4の上面を洗い場18の方向へと下り傾斜するようにしてある。
天板4は、使用者に直接触れる洗い場側の端面に面取りを行って丸みをつけているが、これと対向する端面は、面取りを行っていない。これは、洗い場18から出入口枠体1迄の距離が、施工現場毎に異なることから、天板を施工現場にて切断するためであり、この切断した面を、天板挿入片3へと挿入して、直接使用者に触れないようにしている。
図6は図5に示す天板挿入片周囲の拡大詳細図、図7は図5に示す天板挿入片周囲の拡大斜視図である。
天板挿入片3は、接続枠下枠2と直接接する固定面19と、天板4を挿入する挿入片20とを備えている。挿入片2の挿入開口高さは、天板4の厚みよりも大きくしてあり、スペーサ7を配置しても十分に天板4を挿入可能としてある。
天板4の固定は、天板固定用ネジ9を、天板挿入片3を介してねじ込み行われ、その後、挿入片20と天板4との間にシリコンコーキングを行う。
天板挿入片3の固定は、固定面19の一端部が、接続枠下枠2と出入口枠体1との間に挟持されるようにし、固定ネジ21にて、接続枠下枠2、天板挿入片3、出入口枠体1を一括固定する。
図8は、図5に示す天板挿入片周囲をテラス側より見た斜視図である。
天板固定用ネジ9は、先に説明したように、天板挿入片3を介して行われるが、この作業は、図示を省略するテラス側より容易に行うことができ、浴室内からはネジ頭が見えないようになっている。
また、天板固定用ネジ9は、垂直面に対してねじ込まれるために、突出するネジ頭を使用者が踏むこともない。
図9は、図5に示す天板の浴室側端部の拡大詳細図である。
天板4の浴室側端部は、接続枠下枠2の浴室側端部に比べ、より多く浴室側に突出させている。これは、スペーサ8を介在させた際に生じる、天板4と接続枠下枠2との隙間を、使用者から隠すことで美観を向上させている。この隙間は、シリコンコーキング10により埋められるが、隙間の幅が多少均一でなくても、これが使用者の目に触れることはない。
図10は、図9に示すものの別の実施例を示す、天板の浴室側端部の拡大詳細図である。
本実施例では、天板4の浴室側端部が、フランジとして垂下壁を備えており、この垂下壁により接続枠下枠2を使用者より隠している。
従来例を示す浴室ユニットの部分断面図である。 他の従来例を示す浴室ユニットの部分断面図である。 本発明の1実施例を示す浴室ユニットの概略斜視図である。 図3に示す出入口枠体の拡大斜視図である。 図4に示す天板周囲の拡大詳細図である。 図5に示す天板挿入片周囲の拡大詳細図である。 図5に示す天板挿入片周囲の拡大斜視図である。 図5に示す天板挿入片周囲をテラス側より見た斜視図である。 図5に示す天板の浴室側端部の拡大詳細図であり、(a)は詰め物前、(b)は詰め物後を示す。 本発明の別の実施例を示す天板端部の拡大詳細図である。
符号の説明
1…出入口枠体、2…接続枠下枠、3…天板挿入片、4…天板、5…窓台、6…補強材、7…スペーサ(厚大)、8…スペーサ(厚小)、9…天板固定用ネジ、10…シリコンコーキング、11…浴室ユニット、12…窓出入口、13…壁パネル、14…浴室ユニット、15…浴槽、16…脱衣室出入口、17…出入口、18…洗い場、19…固定面、20…挿入片、21…固定ネジ

Claims (7)

  1. 浴室内から浴室外へと出入りする出入口と、この出入口よりも浴室側に配置した下枠と、この下枠上に固定した天板挿入片と、この天板挿入片に挿入固定される天板とを備え、
    前記天板挿入片が、前記下枠上面に接する固定面と、前記出入口枠体に沿って水平方向に延在し前記固定面との間に前記天板の一端側を挿入した挿入片とを備え、前記固定面の一端部を前記下枠と前記出入口枠体との間に挟持した状態でこれらを貫通して下枠にねじ込まれた固定ねじにより下枠に取り付けられ、前記天板挿入片の垂直面を貫通して前記天板の端面にねじ込まれた天板固定用ネジにより前記天板が天板挿入片に取り付けられた浴室ユニット。
  2. 請求項1において、天板と下枠との間に、スペーサを配置した浴室ユニット。
  3. 請求項2において、スペーサが、その厚みの差により天板を浴室内側へと下り傾斜させる浴室ユニット。
  4. 請求項1乃至3の何れかにおいて、天板が、天板挿入片に挿入する部分を切断した後に、天板挿入片へと挿入される浴室ユニット。
  5. 請求項1乃至の何れかにおいて、下枠が、その上面を水平配置される浴室ユニット。
  6. 請求項1乃至の何れかにおいて、天板と下枠との浴室側端部が、下枠よりも天板をより多く浴室側へと突出させた浴室ユニット。
  7. 請求項1乃至の何れかにおいて、天板と下枠との間に隙間を設けた浴室ユニット。
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