以下、本発明に係る光信号伝送装置を搭載した回転装置の各実施の形態について、図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における回転装置100の構成を示す断面図である。
図1に示すように、回転装置100は、天井等に固定された固定ベース1aと、例えばカメラ(撮像手段)が取り付けられた回転ベース1bとを有している。回転ベース1bは、後述する軸受5を介して、例えば鉛直方向の回転軸Rを中心として回転可能に、固定ベース1aに支持されている。ここでは、固定ベース1aとこれに搭載された各構成部品とを合わせて「固定部」と称し、回転ベース1bとこれに搭載された各構成部品とを合わせて「回転部」と称する。
固定ベース1a及び回転ベース1bには、電力を伝送するトランス用の固定側のコア2aと回転側のコア2bとがそれぞれ固定されている。コア2a,2bは、それぞれの中心軸が、回転装置100の回転軸R(すなわち回転ベース1bの回転中心)と同一になるように、それぞれベース1a,1bに固定されている。コア2a,2bの内側には、電力伝送用の巻き線が巻かれた固定側のボビン21a及び回転側のボビン21bがそれぞれ収納されている。
回転装置100の回転軸R上には、回転部に取り付けられたカメラ(図示せず)からの画像信号を固定部に伝送するための、固定側の光素子3a及び回転側の光素子3bが配置されている。回転側の光素子3bは、上記カメラの画像信号を光(光信号)として発する発光素子であり、固定側の光素子3aは、回転側の光素子3bから発せられた光を受光する受光素子である。各光素子3a,3bは、各ベース1a,1bにそれぞれ固定された固定側の電子基板9a及び回転側の電子基板9bに半田接続等により電気的に接続されると共に、各電子基板9a,9bに機械的に固定されている。
固定側の電子基板9aには、上記カメラ(図示せず)を制御する制御信号を固定側から送信するための発光素子4aが半田接続等により電気的に接続され、且つ機械的に固定されている。発光素子4aは、例えば近赤外の発光ダイオード等で構成されている。また、回転側の電子基板9bには、発光素子4aから発せられた光を受光する受光素子4bが半田接続等により電気的に接続され、且つ機械的に固定されている。
発光素子4aから発せられた光を受光素子4bに導くため、固定ベース1aには、固定側のコア2aの外周に沿って、光を透過する環状部材である導光リング6が配設されている。発光素子4aから発せられた光は、この導光リング6を介して受光素子4bに導かれ、受光素子4bに受光される。これにより、図示しないカメラを制御するための制御信号が、固定部から回転部に伝送される。
固定ベース1aの外周には、軸受5の内輪5aが固定されている。一方、回転ベース1bには、内輪5aを外側から囲むように、外輪5bが固定されている。外輪5bは、玉51を介して、内輪5aと接している。外輪5bの内側には、玉51に与圧を与えるための与圧リング52が配設されている。予圧リング52は、この与圧リング52と回転ベース1bとの間に配設されたOリング53の弾性力により玉51に与圧を付与している。
次に、回転部に搭載されたカメラの画像信号を伝送するための光素子3a,3bについて説明する。
カメラからの画像信号は、監視用カメラの場合は常時伝送されるため、データの切断等があると映像画像が欠けることとなる。また、データ数が多いため、データ転送速度が速い(例えば300Mbps程度)ことが必要である。そのため、高精細カメラの映像の伝送においては、高いS/N比が要求され、通信エラー等に配慮する必要がある。
このような性能を確保するためには、発光側の光素子3b(回転側)として、データの伝送レートの高い高速の発光ダイオードやレーザダイオード等を用いることが望ましい。
光素子3a,3b間の信号伝送は、導光リング6等を介したものではなく、より直接的な信号伝送であることが望ましい。例えば、発光側の光素子3bの出射光の光軸が発光面30bに対して傾いていることにより、受光側の光素子3aで光信号を受光することが難しい場合、また、光素子3bの出射光の広がり角度が大きいことにより、受光側の光素子3aでの光強度が低くなって通信エラーの確率が高くなる場合などであっても、アクリル、ポリカーボネート、ガラス等で作製された円筒形状の導光体をコア2a,2bの中心穴20a,20b内に設けることにより、光の減衰を最小限に抑えることができる。従って、回転装置100における光素子3a,3bの最良の配置は、光素子3a,3bが共に回転軸R上に位置し、光素子3bから発せられた光が光素子3aにより直接受光されるような配置である。
光素子3a,3bを上述のように回転軸R上に配置するためには、後述するトランス用のコア2a,2bの中心に、回転軸Rと同軸の穴20a,20bを設ける必要がある。図1に示すように、光素子3aの受光面30aは、コア2aの固定ベース1a側の端面201とほぼ同一面となるように配置されている。また、光素子3bの発光面30bは、コア2bの回転ベース1b側の端面202とほぼ同一面となるように配置されている。これは、発光側の光素子3bから発せられた光が、コア2a,2bの穴20a,20bの外部に漏れないようにし、また、外部からの不要光が穴20a,20bに入射しないようにするためである。
さらに、上述した性能を向上させ、また回転装置100を薄型化(低背化)するためには、コア2a,2bの穴20a,20bの中に、光素子3a,3bを挿入するよう構成してもよい。但し、この場合には、コア2a,2bの穴20a,20bの大きさを、図1に示した例よりも大きくする必要がある。
次に、カメラを制御するための制御信号を伝送する光信号伝送装置としての、発光素子4a、受光素子4b及び導光リング6について説明する。発光素子4a及び導光リング6は、固定ベース1aに搭載されている。発光素子4aから発せられたカメラを駆動するための制御信号は、導光リング6の内部を伝達され、回転ベース1bに配設された受光素子4bに伝送される。
図2は、導光リング6の構成を示す斜視図である。導光リング6は、上述した回転軸Rを中心とした環状の部材であり、アクリル又はポリカーボネート等の透明樹脂で構成されている。なお、導光リング6をガラスで構成することもできるが、上記のアクリル等を用いた場合よりもコストが高くなる。ここでは、導光リング6の固定ベース1a側の面を「上面」とし、回転ベース1b側の面を「下面」として説明する。
導光リング6において、回転軸Rに対して対称な2か所には、それぞれ入光部61が形成されている。入光部61は、導光リング6の上面に開口する略円筒状の穴であり、発光素子4aが装着される部分である。発光素子4aは、例えば弾丸形状の発光ダイオードであり、各入光部61は、発光素子4aの外形に沿う円筒状の穴の形状を有している。入光部61が発光素子4aの外周面を覆う形状を有していることにより、発光素子4aから発せられた光が導光リング6の外部に漏れることが防止され、発光素子4aの光が効率よく受光素子4bに導かれる。
なお、導光リング6において、入光部61を挟んだ両側の部分61aは、導光リング6の他の部分よりも高さが高く(すなわち回転軸R方向の寸法が大きく)形成されており、固定ベース1aへの取り付けのためのネジ穴61bが形成されている。
導光リング6において、各入光部61の直下に位置する部分には、V字形状の切り欠きであるプリズム部62が形成されている。また、導光リング6において、2つの入光部61の間に環状(半円状)に延在する2つの部分を、それぞれリング形状部63とする。リング形状部63は、回転軸R方向に略直交する上面(固定ベース1a側の面)と下面(回転ベース1b側の面)とを有している。リング形状部63の上面には、多数のV字形状の凹凸部64が連続的に形成されている。一方、リング形状部63の下面は、凹凸のない平滑面65として構成されている。
発光素子4aから発せられた光は、導光リング6の入光部61から入射して下方に進行し、V字形状のプリズム部62の反射面62bにより反射され、進行方向が略90度変化してリング形状部63の内部を進行(伝播)する。リング形状部63の内部では、光が、平滑面65及び凹凸部64により反射され、さらに平滑面65を透過して導光リング6の外部に出射される。
すなわち、導光リング6がアクリルで構成されている場合、屈折率nは約1.49となり、空気の屈折率を1とすると、全反射角すなわち臨界角θ(=sin−1(1/n))は約42.2度となる。導光リング6(リング形状部63)内を略円周方向に進行する光は、最初に平滑面65に入射する際の入射角(入射光と平滑面65の法線とのなす角)が臨界角θ(42.2度)よりも大きいため全反射されるが、凹凸部64の傾斜面で反射されることにより、徐々に平滑面65に対する入射角が小さくなり、当該入射角が臨界角θよりも小さくなったところで、平滑面65を透過して導光リング6の外部に出射される。
なお、導光リング6がポリカーボネートで構成されている場合、屈折率nは1.58であるため、臨界角θ(=sin−1(1/n))は約39.3度となる。また、導光リング6がガラスで構成されている場合、屈折率nは1.523〜1.9であるため、臨界角θは約31.8〜41.1度となる。いずれの場合も、上述した原理により、発光素子4aから発せられ、導光リング6内を伝播した光が、平滑面65を透過して導光リング6の外部に出射される。
このように導光リング6の外部に出射された光は、平滑面65と対向する位置に配設されている受光素子4b(図1)により受光される。これにより、発光素子4aから発せられた光信号は、受光素子4bに伝送される。
なお、リング形状部63の上面の凹凸部64のうち、発光素子4a(入光部61)の位置から回転軸Rを中心として略90度の位置には、V字形状の切り欠き部66が形成されている。この切り欠き部66は、他の凹凸部64のよりも大きく凹状に切り欠かれた部分である。切り欠き部66は、後述する固定側のトランス用2aのボビン21aに巻かれた巻き線29aとの干渉を避けるためのものであるが、同時に、リング形状部63内を伝播してきた光の大部分をこの切り欠き部66で反射して平滑面65から導光リング6外に出射する機能も有している。これにより、2つの発光素子4aから発せられた光信号が、リング形状部63内で重なり合わないようにし、光信号の干渉による信号波形の劣化を抑えることができる。
図2に示したように、発光素子4aの光軸が、導光リング6の回転軸Rに対して平行であるため、発光素子4aを、固定ベース1aに固定された電子基板9aに容易に実装することができ、その結果、回転装置100を小型化し、構造を簡単にすることができる。また、リング形状部63に形成された凹凸部64は、発光素子4a側(図2における上側)に形成されているため、受光素子4bは、リング形状部63の下側の平滑面65に対向配置すればよい。そのため、受光素子4bを、回転ベース1bに固定された電子基板9bに容易に実装することができ、その結果、回転装置100を小型化し、構造を簡単にすることができる。
次に、電力伝送用のトランスについて説明する。図1に示すように、トランスは、コア2a,2bと、巻き線29a,29b(図2)(巻き線29bは図示を省略)が巻かれたボビン21a,21bとにより構成されている。
図3は、固定側のトランスの構成を示す分解斜視図である。なお、図3では、回転側が上に、固定側が下に示されている(すなわち、図1及び図2とは、上下が逆に示されている)。固定側のトランスを構成するコア2aは、カップ形状の外枠27aと、外枠27aの内側に形成された中空の軸28aとにより構成されている。コア2aは、フェライト等の透磁率の高い材料で形成されている。
ボビン21aは、回転軸R方向の両端に円板状のフランジ22aを有し、両フランジ22aの間に巻き線29aが巻き付けられる構造を有している。ボビン21aのこの構造により、巻き線29aを容易に巻き付けることができる。ボビン21aの材料としては、絶縁性と、巻き線29aの発熱に耐える耐熱性とを有し、小型化のために薄肉成形できる材料が適している。このような材料としては、例えば液晶ポリマー等が考えられる。
ボビン21aには、回転軸Rと垂直な方向に延在する腕部23aが形成されている。この腕部23aには、固定側の電流供給用回路等(図示せず)に接続される複数の端子24aが設けられている。ボビン21aに巻かれた巻き線29aの両端は、腕部23aに設けられた溝部25aに沿って引き回され、さらに、端子24aに巻き付けられることで、端子24aに電気的に接続され、且つ機械的に固定されている。巻き線29aは、一端が端子24aの一つに固定された状態で、ボビン21aに巻かれ、他端が別の端子24aに固定されている。
巻き線29aは、ボビン21aと腕部23aとの間で直線的に張られているが、導光リング6が切り欠き部66(図2)を有しているため、導光リング6と巻き線29aとの干渉が回避される。なお、切り欠き部66は、導光リング6内を伝播してきた光を反射して導光リング6の外部に出射するため、2つの発光素子4aが導光リング6の円周方向に略180度の位置に配置されている。導光リング6と巻き線29aの配置によっては、切り欠き部66を設けずに両者の干渉を回避できる場合もある。そのような場合には、発光素子4aを一つだけ設ければよく、また、切り欠き部66を導光リング6において発光素子4aから略180度の位置に一つだけ形成すればよい。この場合の切り欠き部66は、発光素子4aから導光リング6内を互いに逆方向に半周した光同士の重なり合いを防止するためのものである。
コア2aは、接着剤により固定ベース1aに固定される。図4は、固定ベース1aにおけるコア2aの接着部分を示す斜視図である。なお、図4では、回転側が上に、固定側が下に示されている(すなわち、図1及び図2とは、上下が逆に示されている)。ベース1aには、接着剤が塗布される円周状の接着剤塗布部12aが設けられている。接着剤を接着剤塗布部12aに塗布し、コア2aの上面(固定ベース1a側の面)を接着固定する。
接着剤の塗布量が多いには、接着剤塗布部12aの内周側と外周側にそれぞれ設けられた溝13aにより余分な接着剤を溜め、接着剤塗布部12a以外に接着剤が流れないようにしている。
固定ベース1aの接着剤塗布部12aには、コア2aが当接する円板状の3箇所の当接基準面11aが突出形成されている。図1に示した固定側のコア2aと回転側のコア2bとの隙間は0.3mm〜0.5mm程度である。この隙間を(調整でなく)各部品の精度の積み重ねにより決定する構成を採用しているため、コア2aをベース1aに接着固定する際の回転軸R方向の位置決めは、接着剤の厚みばらつきを含まないことが好ましい。そこで、ベース1aに、接着剤塗布部12aとは別に当接基準面11aを設け、この当接基準面11aにコア2aの面を当接させることで、コア2aの当該ベース1aに対する回転軸R方向の位置を決定している。
コア2bを含む回転側のトランスは、コア2aを含む固定側のトランスと、ほぼ上下対称な基本構成を有している。また、コア2bの端子(図3の端子24aに対応するもの)は、回転ベース1bに取り付けられたカメラ等に接続されている。固定側のトランスが一次トランスとなり、回転側のトランスが二次トランスとなることで、固定ベース1aに設けられた電流供給用回路等から、回転ベース1bに設けられたカメラ等に電力を伝送することができる。
図1に示したように、コア2a,2bの中心には、光素子3a,3b間での光伝送のための穴20a,20bが形成されている。例えば、この穴20a,20bの内側に、上述したカメラの制御信号用の導光リング6を配設することも考えられる。しかしながら、この場合、コア2a,2bの穴20a,20bの内径を大きくする必要がある。コア2a,2bの穴20a,20bの内径を大きくすると、ボビン21a,21bも大きくなり、その結果、(巻き線29a,29bの巻き数を同じとしても)巻き線29a,29bの長さが長くなるため、巻き線抵抗が増加し、導通損失の増加により効率を低下させることとなる。また、穴20a,20bの内径が大きくなることでコア2a,2bの外径も大きくなり、その結果、部品精度が出し難くなり、上述したコア2aとコア2bとの隙間の精度を部品精度によって確保することが難しくなる。以上のことから、コア2a,2bの穴20a,20bは、光素子3a,3bの間のカメラの画像伝送のみに使用し、その穴径は最小とし、カメラの制御信号の伝送は、コア2aの外周に配設した導光リング6を介して行うことが最適であることが分かる。
トランスは、電力を非接触で伝送するために用いられるが、電力以外に例えばカメラの制御信号を併せて伝送することが考えられる。この場合、低周波数の電力伝送用のキャリア信号に、高周波の制御信号を重畳させた波形を、トランスを通して伝送し、二次側でローパスフィルタをかけるなどして制御信号だけ取り出す方法が考えられる。しかしながら、電力伝送用のキャリア信号にも高周波成分が含まれている場合があり、制御信号を分離するための回路構成が複雑になるという欠点がある。そのため、カメラの制御信号の伝送は、上述した発光素子4a,受光素子4b及び導光リング6を介して行うことが最適であることが分かる。
次に、軸受5について説明する。図1に示した軸受は、玉51と外輪5bとが1点で接触し、玉51と内輪5aとが2点で接触し、玉51と与圧リング52とが1点で接触する、4点接触軸受である。4点接触軸受は、ラジアル方向及びスラスト方向の荷重を支持し、軸受の内輪と外輪に作用するモーメント荷重を支持することができる。玉が2点で接触する単列深溝軸受で構成することも可能であるが、軸受が2列必要となり構成が複雑になる。4点接触軸受を採用することにより、回転装置100の小型化及び薄型化(低背化)を実現することができる。
玉51は、通常ステンレス製のものを用いるが、フェノール樹脂、PPS(ポリフェニルサルファイド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等の樹脂材料で構成されていてもよい。内輪5a、外輪5b及び与圧リング52は、ステンレス等の金属で構成してもよいが、軽量化と加工性を考慮してPOM(ポリアセタール)等の自己潤滑性を有する樹脂材料で構成することが好ましい。
与圧リング52は、ベース1bとの間に配設されたOリング53の弾性力により、回転軸R方向に玉51を押圧している。これにより、与圧リング52は、その全周に亘って玉51に均一な圧力を加えることができる。また、Oリング53の代わりにウエーブワッシャなどの金属製、樹脂製のバネ性のある部品を用いても、同様の効果を得ることができる。
与圧リング52と外輪5bとの当接面で摩擦力が発生すると、Oリング53による押し付け力(与圧)にばらつきが生じるため、与圧リング52と外輪5bとの間には隙間を設けることが好ましい。隙間としては、0.05mm〜0.1mm程度が好ましい。
外輪5bの外周面54bには、外輪5bを回転させるためのギアが形成されており、モータ7のモータギア71に係合している。モータ7が回転すると、モータギア71及び外周面54bのギアを介して外輪5bに回転が伝達され、外輪5bが取り付けられた回転ベース1b(及び回転部)が回転軸Rを中心として回転する。
外周面54bのギアとしては、平歯ギア、ウォームギアのホイールが考えられる。平歯ギアを採用した場合、ギアの構成が簡素化できる利点はあるが、モータ7の軸が回転軸Rと平行になり、モータ7を含めた回転装置100全体を薄型化(低背化)することが難しくなる。これに対し、ウォームギアを採用した場合、モータ7の軸を回転軸Rに垂直に配置できるため、モータ7を含めた回転装置100全体を薄型化することができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、凹凸部64と平滑面65とを有する導光リング6を設け、発光素子4aから発せられた光を導光リング6の内部で反射し、さらに透過させて受光素子4bに導くように構成したため、回転部がどの回転位置にあっても、導光リング6を介して受光素子4bが光を受光することができる。さらに、導光リング6に対する発光素子4a及び受光素子4bの配置を柔軟に選択することができるため、設計裕度が大きく、回転装置100の小型化・薄型化を実現することができる。
特に、回転軸R上にカメラの画像信号を伝送するための光素子3a,3bを配置し、その外周側に電力を伝送するためのトランスを配置し、その外周側にカメラの制御信号を伝送するための光信号伝送装置(発光素子4a、受光素子4b及び導光リング6)を配置し、その外周側に軸受5を配置することにより、回転装置100を最も薄型化(低背化)し、小型化することが可能になると共に、各信号や電力の特性に応じた伝送が可能となる。
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2について説明する。上述した実施の形態1では、軸受の外輪5bの外周面54bにモータ7に係合するギアを形成していたが、この実施の形態2では、軸受の内輪5aにギアを形成している。
図5は、本実施の形態における回転装置200の構成を示す断面図である。図5において、実施の形態1で説明した回転装置100の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付す。
回転装置200は、実施の形態1の回転装置100の回転側と固定側とを入れ替えた構成を有している。そのため、実施の形態1の回転装置100で回転ベース1bに取り付けられていた外輪5b及び与圧リング52は、本実施の形態の回転装置200では固定ベース1aに取り付けられている。また、実施の形態1の回転装置100で固定ベース1aに取り付けられていた内輪5aは、本実施の形態の回転装置200では回転ベース1bに取り付けられている。
回転装置200の内輪5aの外周面53aには、モータ7のモータギア71に係合するギアが形成されている。このギアは、平歯ギアであってもよいが、ウォームギアであることがより好ましい。モータ7の駆動力は、モータギア71及び内輪5aの外周面53aのギアを介して回転ベース1bに伝達され、回転ベース1bが回転する。
本実施の形態によれば、ギアが形成された内輪5aが、実施の形態1の回転装置100においてギアが形成された外輪5b(図1)よりも外径が小さいため、ギアを小径に形成することができ、さらに、モータ7を回転軸Rに近い位置に配置することができる。そのため、回転装置200は、実施の形態1の回転装置100(図1)に比べて小径に構成することができる。
実施の形態3.
次に、本発明の実施の形態3について説明する。この実施の形態3は、導光リング6の形状において、上述した実施の形態1及び2とは異なるものである。
図6Aは、本実施の形態における導光リング6の構成を示す斜視図である。実施の形態1または2で説明した導光リング6の構成要素と同一の構成要素には、同一符号を付す。
実施の形態1及び2では、発光素子4aの光軸が回転軸Rに対して平行になるように、発光素子4aが配設されていた。これに対し、本実施の形態では、発光素子4aの光軸が回転軸Rに対して垂直になるように、導光リング6に対して発光素子4aが配設されている。より具体的には、発光素子4aの光軸が、導光リング6の略接線方向と平行になるような配置が採用されている。
そのため、導光リング6は、円周状のリング形状部63と、このリング形状部63の一か所から当該円周の接線方向に延在するように設けられた例えばロッド状の入光部61とを備えて構成されている。発光素子4aは、入光部61の端面に対向配置されており、発光素子4aから出射された光が、入光部61を経てリング形状部63に導かれるようになっている。なお、図6Aでは、理解を容易にするため、発光素子4aと入光部61とが離間して示されているが、実際には、発光素子4aの先端部が入光部61の端面に接するように配設されている。
入光部61を経てリング形状部63に入射した光(光信号)は、リング形状部63の内部で反射されながらリング形状部63内を進行する。リング形状部63に沿って進行する光は、回転側の面(下面)に形成された平滑面65とリング形状部63の固定側の面(上面)に形成された凹凸部64とにより反射され、平滑面65への入射角が実施の形態1で説明した臨界角θ以下になったところで、平滑面65を透過して導光リング6の外部に出射される。リング形状部63の平滑面65に対面する位置に、受光素子4bが配置されており、導光リング6から外部に出射された光信号を受光する。
図6Aにおいて、光(光信号)は入光部61から入射し、入光部61とリング形状部63との交わった部分を介してリング形状部63に入る。その後、図6Aにおける上方から見て時計回りに光が進行(伝播)し、入光部61とリング形状部63との交わる部分に再び戻ってくる。
図6Aに示すように、導光リング6の凹凸部64において、光(光信号)が入光部61とリング形状部63との交わる部分に戻る直前の位置に切り欠き部66を形成することにより、実施の形態1で説明したように光信号の重なり合いによる信号波形の劣化を防ぐことができる。この場合、光は図中時計回りの一方向からしか到達しないため、図2で示した左右対称のV字形状である必要はない。例えば、入光部61とリング形状部63との交わる部分側の面66aを、光軸Rを含む平面で構成することもできる。
また、光信号の重なり合いを防止するという目的であれば、切り欠き部66を、図6Bに示したような矩形状に形成してもよい。但し、上記の図6Aに示した切り欠き部66のように、光を受光素子4b側に出射するプリズム形状を併せ持っている方がより好ましい。光信号の重なり合いを確実に防止すると共に、光信号を効率よく受光素子4bに伝送できるためである。
本実施の形態によれば、発光素子4aが、その光軸が回転軸Rに垂直になるように配設されるため、導光リング6の厚み(高さ)の範囲内に発光素子4aを配置することができる。その結果、導光リング6を含む光伝送装置の厚み(回転軸R方向の寸法)を薄くすることができる。
実施の形態4.
次に、本発明の実施の形態4について説明する。上述した実施の形態3では、発光素子4aが、導光リング6の厚みの範囲内に配置されていたが、この実施の形態4では、受光素子4bを導光リング6の外周面に対向させ、これにより受光素子4bを導光リング6の厚みの範囲内に配置している。
図7は、本実施の形態4における導光リング6の構造を示す斜視図である。図8(A)及び(B)は、それぞれ導光リング6の構造を示す平面図及び側面図である。図8(C)は、図8(A)における線分A−Aに沿った断面図である。実施の形態1及び2で説明した導光リング6の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付す。
図7に示すように、本実施の形態では、受光素子4bが、導光リング6の外周面67に対向する位置に配設されている。導光リング6の外周面67は、凹凸を有さない平滑な円筒面である。
一方、発光素子4aは、光軸が回転軸Rと平行になるように配置されている。導光リング6の図中上面(固定ベース1a側の面)には、発光素子4aに対向する入光部61が形成されている。発光素子4aから発せられた光信号は、発光素子4aを経て動向リング6のリング形状部63に入射する。
発光素子4aの入光部61の下側に形成されたV字形状のプリズム部62は、発光素子4aから発せられた光の一部を半径方向に反射する反射面62a(図8(C))と、発光素子4aから発せられた光の一部を円周方向に反射する反射面62b(図8(B))とを有している。すなわち、上述した各実施の形態とは異なり、発光素子4aから導光リング6に入射した光が、半径方向にも反射されるようになっている。
図8(D)は、発光素子4aから発せられた光の一部を半径方向(ここでは外周側)に反射する反射面62aの傾斜の一例を示す模式図である。反射面62aは、発光素子4aからの光を反射面62aで全反射するような傾斜を有している。すなわち、導光リング6がアクリルにより形成されている場合には、発光素子4aからの光の反射面62aに対する入射角α(入射光と反射面62aの法線Cとのなす角)が42.2度以上になるような傾斜βを有している。
本実施の形態の導光リング6では、内周面に凹凸部64が形成されている。そのため、リング形状部63の内部を進行する光(光信号)は、外周面67と凹凸部64とにより反射され、さらに外周面67を透過して導光リング6の外部に出射される。導光リング6の外部に出射された光は、外周面67に対向配置された受光素子4bに受光される。
なお、図7及び図8には図示されていないが、導光リング6の凹凸面64において、入光部61から約180度の位置に切り欠き部66(図2)を形成することにより、実施の形態1で説明したように光信号の重なり合いを防ぐことができる。
本実施の形態によれば、導光リング6の厚み(高さ)の範囲内に受光素子4bを配置することができる。この構成は、固定部と回転部とが半径方向に対向し合う位置に導光リング6を配置する場合に、特に有効である。
実施の形態5.
次に、本発明の実施の形態5について説明する。上述した実施の形態1では、発光素子4aから発せられた光がV字形状のプリズム部62(図2)で反射されてリング形状部63内を伝播している。これに対し、この実施の形態5では、プリズム部62の形状がV字形状ではなく、台形状である。
図9は、本実施の形態5における導光リング6の構造を示す斜視図であり、図10Aは、導光リング6のプリズム部62における光の反射及び透過の状態を示す図である。実施の形態1及び2で説明した導光リング6の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付す。
実施の形態1で説明したV字形状のプリズム部62(図2)の場合は、発光素子4aから発せられた光がプリズム部62の反射面62bで全て反射されてリング形状部63内を伝播する。そのため、受光素子4bがプリズム部62に対向しているとき(すなわち、プリズム部62を挟んで受光素子4bと発光素子4aとが対向しているとき)には、受光素子4bに光が到達しないことになる。
一方、受光素子4bは、リング形状部63に対して、回転軸Rを中心としたどの回転位置にあっても光を受光できることが求められる。このようにすれば、回転部に取り付けられたカメラ(図示せず)がどの方向を撮影している場合でも、天井等に取り付けられた固定部から回転部のカメラに制御信号を非接触で送ることができるからである。
そこで、本実施の形態では、図9に示すように、プリズム部62の形状をV字形状ではなく台形状としている。このように構成すれば、図10Aに示すように、発光素子4aから発せられた光が、プリズム部62の発光素子4a側の面領域である平坦部62cを透過し、受光素子4b側に出射される。これは、平坦部62cの法線Cと入射光とのなす角(入射角α)が0となって、臨界角42.2度(導光リング6の材料がアクリルの場合)より小さくなるため、実施の形態4で説明したように、入射光が平坦部62cで反射されずに透過することによる。その結果、受光素子4bが平坦部62cに対向している場合でも、受光素子4bによって光を受光することができる。
なお、図10Aに示した平坦部62cの代わりに、例えばR形状のような曲面を設けた場合でも、入射角αが42.2度より小さければ、同様の効果を得ることができる。図10Bは、プリズム部62の先端をR形状(R形状部62d)とした場合の光の反射及び透過の状態を示している。
図10Aに示した台形状のプリズム部62の場合には、発光素子4aから発せられた光は、平坦部62cにおいて僅かに広がるように屈折するものの、ほぼ直進するため、プリズム部62の近傍に位置する受光素子4bに光を到達させることができる。一方、図10Bに示したR形状部62dを有するプリズム部62の場合には、発光素子4aから発せられた光が、R形状部62dにおいて上記の平坦部62c(図10A)よりも広がるように屈折するため、台形状のプリズム部62を用いた場合よりも広い領域に光が及ぶことが分かる。
以上説明したように、本実施の形態5によれば、受光素子4bは、リング形状部63に対し、回転軸Rを中心としたどの回転位置にあっても光(光信号)を受光することができる。そのため、例えば回転部にカメラを取り付けた場合には、カメラがどの方向を撮影している場合であっても、固定部から可動部のカメラに対して制御信号を非接触で送信することができる。
なお、上述した実施の形態1では、図2に示したように、リング形状部63の凹凸面64は、二等辺三角形の2辺に相当する2面を有する凸部を円周方向に配列した形状を有していた。これに対し、本実施の形態では、図9に示すように、リング形状部63の凹凸面64は、直角三角形の2辺に相当する鉛直面64bと斜面64aとを有する凸部を、リング形状部63の円周方向に配列した形状を有している。これにより、光の反射に寄与する反射面(斜面64a)の面積が大きくなって、受光素子4bの配置面(回転軸Rに垂直な面)に対する投影面の面積が大きくなる一方、反射に寄与しない面(鉛直面64b)の投影面の面積が小さくなる。その結果、受光素子4bへの入射光量が増加するという効果を得ることができる。
実施の形態6.
次に、本発明の実施の形態6について説明する。上述した実施の形態1では、発光素子4aを装着する入光部61の底面部が平坦面であった。これに対し、この実施の形態6では、入光部61の底面部が曲面形状又は円錐台形状を有している。
図11Aは、上述した実施の形態1における入光部61(図2)を、実施の形態5の導光リング6(プリズム部62が台形状)に適用したものを示す図である。図11B及び図11Cは、この実施の形態6における導光リング6の入光部61の構成を示す図である。実施の形態1で説明した導光リング6の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付す。
実施の形態1の発光素子4aを装着する入光部61の形状は、図11Aに示すように、円筒状であり、その側面(円筒面)61dは発光素子4aの光軸と平行である。また入光部61の底面部61cは平坦面である。この場合、発光素子4aから発せられ、側面61dを透過する光は、図11Aに光路Aで示すように、発光素子4aの光軸とのなす角が大きくなる方向に屈折する。このように屈折した光は、プリズム部62の周辺には到達しないため、受光素子4bで受光する光量(光強度)が低下する。
これに対し、この実施の形態6では、図11Bに示すように、入光部61bの底面部を曲面部61eとすることで、光の屈折を抑えている。発光素子4aから発せられた光が曲面部61eに入射する際、当該曲面に対してほぼ垂直に入射するため、屈折が小さく、ほぼ直進する。また、図11Aでは側面61dに入射していた光のうち一定の割合の光が、曲面部61eに入射するようになる。そのため、プリズム部62の周辺に到達する光量が増加し、その結果、受光素子4bで受光する光量(光強度)の低下が抑えられる。
図11Cは、この実施の形態6の他の構成例を示す図である。図11Cに示す構成例では、入光部61の底面部を円錐台部61fとしている。この構成によれば、発光素子4aから発せられた光は、円錐台部61fの傾斜面に対してほぼ垂直に入射するため屈折が小さく、ほぼ直進する。そのため、図11Bを参照して説明した曲面部61eと同等の効果を得ることができる。なお、底面が平坦な円錐台部61fを採用した理由は、プリズム部62の平坦面62cに対向する部分を平坦面とすることで、発光素子4aから発せられた光を直進(透過)させ、プリズム部62の平坦面62cを介して受光素子4bに到達させるためである。これにより、受光素子4bで受光する光量(光強度)の低下が抑えられる。
なお、図示は省略するが、入光部61の底面部を円錐形状(すなわち、図11Cに示した円錐台部61fの平坦面がない形状)としてもよい。
図12A、図12B及び図12Cは、発光素子4aから発せられた光の、受光素子4bの配置面(回転軸Rに垂直な面)における光強度分布を示す図である。図12Aは、実施の形態1で説明した導光リング6を用いた場合の光強度分布を示し、図12Bは、入光部61の底面部を円錐台部61fとし、プリズム部62の形状を台形状とした場合(図11C)の光強度分布を示す。図12Cは、入光部61の底面部を円錐台部61fとし、プリズム部62の先端をR形状(図10B参照)とした場合の光強度分布を示す。
図12Aから、実施の形態1で説明した導光リング6を用いた場合、発光素子4aの位置での光強度が低く、プリズム部62(図12Aでは発光素子位置と重なっている)の周辺での光強度が低いことが分かる。一方、図12Bから、図11Cの構成を採用した場合、発光素子4aの位置での光強度が高くなり、プリズム部62(図12Bでは発光素子位置と重なっている)周辺での光強度が高くなっていることが分かる。また、図12Cから、プリズム部62の先端をR形状とした場合も、図12Bとほぼ同等の光強度分布が得られることが分かる。
このように、本実施の形態6によれば、入光部61の底面部を曲面形状、円錐台形状又は円錐形状とすることにより、受光素子4bで受光する光強度の低下を抑制することができる。
実施の形態7.
次に、本発明の実施の形態7について説明する。上述した実施の形態1乃至6では、導光リング6の受光素子4b側の面(発光素子4aから発せられた光が受光素子4bに向けて出射される平滑面65)には、凹凸部が設けられていなかった。これに対し、この実施の形態7では、導光リング6の受光素子4b側の平滑面65の一部に、凹凸部を設けている。
図13は、本実施の形態7における導光リング6の構造を示す斜視図である。実施の形態1乃至6で説明した導光リング6の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付す。
実施の形態6で説明した図12B及び図12Cでは、図12A(実施の形態1)と比較して、プリズム部62(発光素子位置と重なっている)の周辺での光強度は改善しているものの、発光素子4aから回転軸Rを中心として45度の位置で、光強度の低下が見られる。
そこで、本実施の形態7では、導光リング6の受光素子4b側の平滑面65における、上記の光強度が低下している位置に対応する位置に、例えばV字形状のプリズム部65aを設けている。平滑面65にプリズム部65aを設けることで、平滑面65で全反射されながらリング形状部63内を伝播する光の一部を、プリズム部65aから外部に出射することができ、これにより、プリズム部65aの周辺の光強度を増加させることができる。
図14は、平滑面65に形成されたプリズム部65aでの光の反射及び透過の状態を示す図である。リング形状部63の内部で反射されながら円周方向に伝播してきた光は、プリズム部65aに入射して進行方向が変化し、受光素子4b側に位置する平滑面65から外部に出射される。光Aは、プリズム部65aで進行方向が変化し、凹凸面64の斜面64aで反射されたのち、平滑面65から外部に出射される。光Bは、プリズム部65aのプリズム面の法線と入射光とのなす角度が臨界角42.2度(導光リング6の材料がアクリルの場合)より小さくなるため、実施の形態4で説明したように、プリズム部65aのプリズム面で反射されずに、そのまま透過して導光リング6の外部に放出される。そのため、光強度の低下が見られた位置にプリズム部65aを設けることにより、導光リング6の受光素子4b側における光強度を全体的に改善することができる。
プリズム部64aの形状は、図14に示した三角形状(V字状)に限らず、矩形状、円筒形状等、光の進行方向を変化させて導光リング6の外部に出射できる形状であれば、同様の効果を得ることができる。
図15は、導光リング6の平滑面65に、凸形状の矩形状プリズム部65aを設けた構成例を示す図である。図15に示した構成例においても、図14の場合と同様に、発光素子4aから発せられてリング形状部63内を伝播した光が、凸形状の矩形状プリズム部65aに入射して進行方向が変化し、平滑面65から外部に出射される。すなわち、平滑面65(プリズム部65aが設けられていない領域)に入射した光Bは、当該平滑面65で全反射されるが、プリズム部65aに入射した光Aは、図14の場合と同様に、プリズム部65aの面で反射されずに、そのまま透過して導光リング6の外部に出射される。
図16は、図13に示した三角形状のプリズム部65aを導光リング6の4箇所に設けた場合の、受光素子4bの配置面(回転軸Rに直交する面)における光強度分布を示す図である。プリズム部65aは、回転軸Rを中心として180度の間隔を開けて配置された2つの発光素子4aに対して45度ずつシフトした4か所(プリズム追加位置)にそれぞれ配置されている。
図16から、図12A〜図12Cでは光強度の低下が見られた位置(発光素子4aから45度シフトした位置)において、光強度が高くなっていることが分かる。
以上説明したように、本実施の形態7によれば、受光素子4bが、リング形状部63に対し、回転軸Rを中心としたどの回転位置にあっても光を受光することができ、また十分な光強度が確保される。従って、例えば回転部にカメラを取り付けた場合には、カメラがどの方向(回転位置)を撮影している場合であっても、固定部から可動部のカメラに対して制御信号を非接触で送信することができる。
なお、上述した各実施の形態では、導光リング6の凹凸部64で反射された光が平滑面65を透過して導光リング6の外部に出射される構成について説明したが、平滑面65で反射された光が(凹凸部64に対して臨界角よりも小さい入射角で入射して)凹凸部64を透過して導光リング6の外部に出射されるよう構成しても、同様の効果を得ることができる。この場合には、例えば、各実施の形態で説明した凹凸部64と平滑面65(外周面67)との位置関係を逆にすればよい。
また、上述した各実施の形態における回転装置は、回転部にカメラを備えた監視カメラ装置に限らず、固定部と回転部との間で信号等の伝送が必要な装置において利用することができる。
1a,1b ベース、 11a 当接基準面、 12a 接着剤塗布部、 13a 溝、 2a,2b コア、 21a,21b ボビン、 22a フランジ、 23a 腕部、 24a 端子、 25a 凹部、 27a 外枠、 28a 軸、 29a,29b 巻き線、 3a,3b 光素子、 4a 発光素子、 4b 受光素子、 5a 内輪、 5b 外輪、 52 与圧リング、 53 Oリング、 54b 外周面、 6 導光リング、 61 入光部、 62 プリズム部、 61c 底面部、 61e 曲面部、 61f 円錐台部、 62c 平坦部、 62d R形状部、 63 リング形状部、 64 凹凸部、 65 平滑面、 65a プリズム部、 66 切り欠き部、 67 外周面、 7 モータ、 9a,9b 電子基板、 100,200 回転装置。