JP5105716B2 - 粘度調整剤 - Google Patents

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本発明は、飲食品に添加して素早く粘度を発現できる飲食品用粘度調整剤に関わり、水にもダマにならずに分散・溶解し、特に従来品では素早く溶解し粘度発現するのが困難であった飲食品、例えば飲食品100gあたり70mg以上のミネラル成分を含んだ飲食品にも少量添加して粘性を発現させる用途に適した粘度調整剤に関する。
キサンタンガムは冷水可溶性で、得られた溶液は強いシュードプラスチック粘性を示す。この溶液はゲルに似た弱いネットワークを形成していると考えられ、そのため比較的低粘度で不溶性固形分や油脂の分散・乳化安定性に非常に優れている。また、耐熱・耐酸・耐凍結性に優れている。各種耐性が高いためキサンタンガムは食品・化粧品・薬品等様々な業界で使用されている。
キサンタンガムを効果的に使用するためには、まず完全に水和させることが必要であり完全に水和して初めて粘度が発現する。一般消費者等がキサンタンガムを食品等に使用する際には、キサンタンガムの表面だけが溶解し、内部は粉末の状態で残る、いわゆる“ダマ”の状態になりやすく、ダマになったキサンタンガムは水和が不完全で、その機能を発揮できない状態になりやすい。またキサンタンガムを水和した際に粘度の発現する速度は、キサンタンガムの粒径が細かくなるほど速く、粒径が大きくなるほど遅くなる傾向になる。また、粒径が小さいキサンタンガムは表面積が広くなり、水に分散させる際顕著にダマになり易い性質となるため完全に水和させるためには分散溶解するための器具等が必要になる。
また、キサンタンガムは溶解する目的物のミネラル含量によって到達粘度、溶解性が変化することが知られている。例えば、100gあたり70mg以上のミネラル成分が含まれる飲食品にはキサンタンガムは溶解しにくいという欠点がある。このような食品ではキサンタンガムは水和が抑制されることにより微小な溶け残りが発生したり、粘度が発現しにくい等の問題が生じる。この現象は撹拌装置を使用し強撹拌条件で分散・溶解した場合でも発生する現象であり、撹拌装置を持たない一般消費者がキサンタンガムを分散・溶解する場合には、さらに確実な溶解は困難となる。
一般消費者が飲食品に粘性を付与しようとした場合には、撹拌装置が無くても簡単に分散・溶解できるように顆粒状に加工した粘度調整剤が使用されている。粘度調整剤は一般消費者が使用してもダマになりにくく簡単に溶解できるように、原料として平均粒子径100μm〜140μm程度の粒子サイズの大きいキサンタンガムが使用され、デキストリン等を加えて造粒加工することにより顆粒状に調整されたものが主に使用されている状況である。このように原料キサンタンガムと加工方法の組合せにより粘度調整剤は、ミネラル含量が少ない水やお茶等に添加・溶解する際にダマにならずに溶解し素早く粘度が発現する性質になっている。
特に、咀嚼・嚥下困難となった患者には、撹拌装置を使用せずに簡単に溶解する粘度調整剤が求められ、水やお茶だけでなく全ての食品に粘度をつける必要がある。そのため、水やお茶以外の食品、例えば牛乳、オレンジジュース、味噌汁、ミネラルバランス飲料、流動食等の目的物に溶解しようとした場合には通常の平均粒子径のキサンタンガムを原料とした顆粒品では、水和速度が遅くなり、実際に患者が目的物の粘度を調整する際の撹拌・溶解時間が長くなることとなる。また粘度発現が遅いことから目的物の粘度調製が困難となり、撹拌しても粘度がでてこないことから粘度調整剤を追加で投入し、ダマが発生してしまう場合や溶解後時間が経過すると粘度が高くなりすぎる現象が発生することとなる。
また、経口摂取が不能となった患者の栄養投与には鼻腔を経由して胃にチューブを挿入する経鼻胃管による栄養投与が行われてきた。近年の医療技術の進歩に伴い、新たな経管栄養投与法として胃瘻から栄養を投与する方法が行われている。実際には、液状の流動食を瘻孔からシリンジ等で注入することになるが、通常の流動食には粘度が付与されていないため、下痢をしたり胃食道を逆流する問題が発生する。その際には、流動食に粘度を付与したりゲル化させる方法で、下痢や胃食道逆流を防止するが、流動食はミネラル成分が多量に含まれているため、通常の平均粒子径のキサンタンガムを使用した顆粒では、粒子の大きさが災いし溶解することができないため、安定した粘度を付与するのは困難となる。本発明の粘度調整剤は、流動食にも溶解可能で、素早く粘度を付与することが可能となり胃瘻患者の栄養投与にも好適である。
このようにミネラル含量として食品100gあたり70mg以上含んでいる飲食品に溶解する際には原料キサンタンガム粒子の大きさや顆粒状態が災いし目的物の粘度発現が遅くなってしまう現象が生じていた。そのため、調理される方の手間がかかり、また粘度の安定に時間を要することから、ダマを作らずに分散しミネラル含量として食品100gあたり70mg以上含んだ飲食品でも素早く粘度発現する組成物が求められていた。
従来、粉末状又は顆粒状の糊料として水への分散性、溶解性、粘度発現性を改善する技術(例えば特許文献1)が発表されている。また、粘性の発現性を向上するために、キサンタンガムの粒度を設定した技術(例えば特許文献2)も発表されているが、平均粒子径約100μm程度のキサンタンガムが用いられているにすぎず、一般的に使用されている粒子サイズの製品を示すものである。
特開2001−275584 特開2000−270792(P3−0012)
従って、従来溶解粘度発現するのが困難であった飲食品、例えばミネラル含量として100gあたり70mg以上含んだ飲食品でも速やかに粘度発現する組成物が求められている。特に咀嚼・嚥下困難者の介護食や訓練食に粘性を与える粘度調整剤として、そのような特性が強く求められる。本発明は、ミネラル含量として100gあたり70mg以上含んだ飲食品に少量添加し、従来の平均粒子径が100μm以上のキサンタンガムを原料とした顆粒製品では成し得なかった時間で速やかに粘性を発現する事が可能な食品用粘度調整剤を提供する事を目的とする。
本発明者らは、このような状況に鑑み粘度発現性の向上及び溶解性の改善に鋭意検討を行なった結果、粒子サイズの細かいキサンタンガムを原料とした顆粒を用いた場合に粘度発現性が著しく向上することを見出し、本発明を完成させた。粘度調製剤は、簡単に確実に分散・溶解させる必要性があり平均粒子径100〜140μm程度の通常粒子サイズキサンタンガムが使用されている。このサイズの粒子径のキサンタンガムを原料とした顆粒では水やお茶等のミネラル成分の低い目的物への溶解・粘度発現は速やかに進行するがミネラル成分として100gあたり70mg以上含んだ飲食品での溶解・粘度発現速度は著しく遅くなる傾向にある。今回の発明では、平均粒子径80μm以下の細かい微粉タイプのキサンタンガムを原料とし顆粒化することで従来粘度発現の遅かった飲食品でも粘度発現速度を著しく向上させることを見出した技術に関する。
平均粒子径80μm以下のキサンタンガムを含み、デキストリン等と組み合わせて顆粒化することで得られるキサンタン顆粒は、ミネラル含量として100gあたり70mg以上含んだ飲食品でも素早く粘度発現することが可能となる。
本発明は、飲食品であれば使用できるものであるが、従来の粘度調整剤では粘度発現させるのが困難であったミネラル成分として100gあたり70mg以上含んだ飲食品に適している。特に、咀嚼・嚥下困難者の介護食や訓練食に粘性を与える粘度調整剤として好適であり、さらには、経管栄養投与法として胃瘻から栄養を投与する方法が行われている患者にも、流動食の粘度を簡単に調整できる点で好適である。対象となる飲食品に含まれるミネラル成分含量は、特に限定するものではないが飲食品100gあたり70mg以上。より好ましくは飲食品100gあたり100mg以上。さらに好ましくは飲食品100gあたり200mg以上含有する飲食品が好適である。
本発明における平均粒子径について述べる。キサンタンガム等の粉体の粒子群は径の不均一な多くの粒子から構成されていると考えられ、その粒子群を代表させる粒子径を考えるとき、その粒子径が平均粒子径と呼ばれている。本発明における平均粒子径の測定方法は、特に限定するものではないがレーザー回折式粒度分布測定装置を使用し、平均粒子径はメジアン径(中央値:累積分布の50%粒子径)で表わすことができる。すなわち平均粒子径80μm以下とは、測定したキサンタンガム粉末粒子の割合(%)を細かい粉末から順番に加算していき、粉末粒子全体の50%に到達した際の粒子径が80μm以下である粉末を意味する。
本発明における目開き75μmの篩を通過する割合の測定方法は、目開き75μmの篩上で30秒間振動させた際に篩を通過する割合のことを意味する。篩を通過する粉末の割合は、特に限定するものではないが通常30%以上、粘度発現性が向上する点からより好ましくは40%以上であり、粘度発現性がさらに向上する点から50%以上が望ましい。
本発明におけるキサンタンガムは、微生物キサントモナス・キャンペストリス(Xanthomonas campestris)がブドウ糖等を発酵して、その菌体外に蓄積した多糖類を精製し粉砕した天然のガム質である。通常、粉末に加工する際に平均粒径約100から140μm程度に調製されるが今回使用するのはさらに微粉に粉砕した平均粒径80μm以下の細かい微粉タイプのキサンタンガム粉末であり、粘度発現性が向上する点から平均粒径60μm以下が好ましく、さらには40μm以下のキサンタンガム粉末が粘度発現性向上の点から好ましい。
本発明における顆粒粉末の調整方法は、キサンタンガム粉末(平均粒子径80μm以下、好ましくは60μm以下、さらに好ましくは40μm以下)を単独またはキサンタンガムの分散を向上する粉末基材と混合して用いる。ここで粉末基材としては特に限定するものではないがデキストリン、グルコース、フラクトース、ショ糖、乳糖、マルトース、パラチノース、グアーガム酵素分解物があげられるが、分散性の点からデキストリン、グアーガム酵素分解物が好ましい。さらに好ましくはデキストリンであり、特に限定するものではないが、使用されるデキストリンはDE=3から30が望ましく、さらにはDE=5から25が分散性の点から望ましい。
粉末基材とキサンタンガム粉末の含量については、キサンタンガム粉末単独でも問題ないが、分散性向上の点からキサンタンガム粉末1部に対し粉末基材を0.5部以上混合することが好ましい。さらに好ましくは、キサンタンガム粉末1部に対し粉末基材を1部以上混合することが好ましい。顆粒化工程は粉体を流動した状態でバインダー溶液を噴霧し粉体同士を結合させる処理のことをいい、特に限定するものではないが流動層造粒装置等を使用して顆粒化する方法があげられる。容量100mlのメスシリンダー100mlの線まで振動を与えずに顆粒を投入した際に要する粉末の重量が30g以下(かさ比重として0.3g/ml以下)に加工するのが望ましい。さらに好ましくは、25g以下(かさ比重0.25g/ml以下)に加工することが目的物への分散・溶解性向上の点から望ましい。また、顆粒の疎充填と密充填のかさ密度の差から得られるかさべり度で表わされる圧縮度は特に限定するものではないが、顆粒の流動性の点から10〜50%が望ましく、さらに好ましくは15〜40%であることが望ましい。
本発明におけるミネラル成分とは、特に限定するものではないが、食品中に含まれる成分として原子吸光光度法で測定されるミネラル成分のことをいう。特に限定するものではないが1価のミネラル成分としてナトリウム、カリウム、2価のミネラル成分としてカルシウム、マグネシウムがあげられる。ミネラル成分含量とは、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムの合計を算出し含量とした。
本発明の素早く粘度が発現する状態とは、撹拌する器具を使用しなくても手撹拌で充分に溶解し粘度が発現する状態をいう。本発明の粘度調整剤は、通常の飲食品であれば使用できるものであるが、特に咀嚼・嚥下困難となった患者はそのような機能を求められることになる。すなわち本食品用粘度調整剤は、家庭や病院のベッドサイドで使用されることが想定され機械を使用することなく分散・溶解する機能が求められている。手撹拌で溶解した場合も充分に溶解するが、手での溶解による誤差を極力減らすために、手での撹拌と同等の溶解条件として低回転ディスパー(特殊機化工業製)で600rpmで撹拌している目的物中に投入し30秒間混合する方法を設定し分散・溶解試験を行った。素早く粘度の発現する状態としては、目的物99部を600rpmで撹拌中にキサンタンガム1部を投入し30秒間混合溶解し、2分後の粘度がピーク粘度の30%以上発現する状態を表わす。ピーク粘度とは、キサンタンガムを目的物に充分に分散・溶解した際に発現する粘度をいい、目的物99部を高速回転ディスパーで2,000rpmで撹拌中にキサンタンガム1部を投入し10分間撹拌・溶解後の粘度を測定、ピーク粘度とした。
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
本発明の実施例、比較例では平均粒子径の異なるキサンタンガム粉末(平均粒子径36μm(目開き75μmの篩を通過する割合65.6%)、平均粒子径57μm(目開き75μmの篩を通過する割合40.3%)、平均粒子径78μm(目開き75μmの篩を通過する割合30.2%)、平均粒子径112μm(目開き75μmの篩を通過する割合19.8%)を使用し、顆粒化することで各試験区同等のかさ比重に調整したサンプルを試験例に使用した。平均粒子径112μmの比較例1を一般的に通常使用されているキサンタンガムとして選択した。
実施例1
<バインダー溶液の調製>デキストリン(DE=10)10gを水40gに溶解しバインダー溶液を調製した。
<造粒工程>平均粒子径36μmキサンタンガム70gとデキストリン(DE=10)130gを混合した。混合した粉末を流動層造粒装置(株式会社パウレック社製マルチプレックス)でバインダー溶液50gを噴霧し造粒・顆粒化を行った。造粒終了後増粘剤組成物205gを得た。容量100mlの容器にすりきり1杯組成物を充填し、充填された顆粒の重量を測定した。顆粒の重量は23gであり、かさ比重は0.23g/ml(圧縮度30.3%)であった。
実施例2
実施例1で用いた平均粒子径36μmキサンタンガムを平均粒子径57μmキサンタンガムに変更し同様の顆粒を調製した。
<バインダー溶液の調製>デキストリン(DE=10)10gを水40gに溶解しバインダー溶液を調製した。
<造粒工程>平均粒子計57μmキサンタンガム70gとデキストリン(DE=10)130gを混合した。混合した粉末を流動層造粒装置(株式会社パウレック社製マルチプレックス)でバインダー溶液50gを噴霧し造粒・顆粒化を行った。造粒終了後増粘剤組成物206gを得た。容量100mlの容器にすりきり1杯組成物を充填し、充填された顆粒の重量を測定した。顆粒の重量は22gであり、かさ比重は0.22g/ml(圧縮度31.3%)であった。
実施例3
実施例1で用いた平均粒子径36μmキサンタンガムを平均粒子径78μmキサンタンガムに変更し同様の顆粒を調製した。
<バインダー溶液の調製>デキストリン(DE=10)10gを水40gに溶解しバインダー溶液を調製した。
<造粒工程>平均粒子計78μmキサンタンガム70gとデキストリン(DE=10)130gを混合した。混合した粉末を流動層造粒装置(株式会社パウレック社製マルチプレックス)でバインダー溶液50gを噴霧し造粒・顆粒化を行った。造粒終了後増粘剤組成物206gを得た。容量100mlの容器にすりきり1杯組成物を充填し、充填された顆粒の重量を測定した。顆粒の重量は23gであり、かさ比重は0.23g/ml(圧縮度30.3%)であった。
比較例1
実施例1で用いた平均粒子径36μmキサンタンガムを平均粒子径112μmキサンタンガムに変更し同様の顆粒を調製した。
<バインダー溶液の調製>デキストリン(DE=10)10gを水40gに溶解しバインダー溶液を調製した。
<造粒工程>平均粒子径112μmキサンタンガム70gとデキストリン(DE=10)130gを混合した。混合した粉末を流動層造粒装置(株式会社パウレック社製マルチプレックス)でバインダー溶液50gを噴霧し造粒・顆粒化を行った。造粒終了後増粘剤組成物206gを得た。容量100mlの容器にすりきり1杯組成物を充填し、充填された顆粒の重量を測定した。顆粒の重量は23gであり、かさ比重は0.23g/ml(圧縮度33.3%)であった。
比較例2
分散性を比較するために、実施例1と同原料の平均粒子径36μmキサンタンガムを使用した。実施例1と同配合で平均粒子径36μmキサンタンガム70g、デキストリン(DE=10)130gにバインダー用のデキストリン(DE=10)10gを加え粉体混合し比較例2を調製した。得られた粉末は210gであった。
比較例3
分散性を比較するために、実施例2と同原料の平均粒子径57μmキサンタンガムを使用した。実施例1と同配合で平均粒子径57μmキサンタンガム70g、デキストリン(DE=10)130gにバインダー用のデキストリン(DE=10)10gを加え粉体混合し比較例3を調製した。得られた粉末は210gであった。
比較例4
分散性を比較するために、実施例3と同原料の平均粒子径78μmキサンタンガムを使用した。実施例1と同配合で平均粒子径78μmキサンタンガム70g、デキストリン(DE=10)130gにバインダー用のデキストリン(DE=10)10gを加え粉体混合し比較例4を調製した。得られた粉末は210gであった。
比較例5
分散性を比較するために、比較例1と同原料の平均粒子径112μmキサンタンガムを使用した。実施例1と同配合で平均粒子径112μmキサンタンガム70g、デキストリン(DE=10)130gにバインダー用のデキストリン(DE=10)10gを加え粉体混合し比較例5を調製した。得られた粉末は210gであった。
試験例1
ミネラル含量の高い飲食品として牛乳、オレンジジュース、味噌汁、ミネラルバランス飲料、流動食を選択した。選択した飲食品を原子吸光光度法でナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム含量を測定し、測定結果を表1に示した。また、それらの飲食品に実施例1、実施例2、実施例3、及び比較例1の各顆粒を分散・溶解し分散終了2分後の粘度と10分後の粘度(ピーク粘度)を測定した。
Figure 0005105716
具体的には、低回転ディスパー(特殊機化工業製)を使用し、600rpmのゆっくりとした撹拌条件で分散し粘度発現性の測定を行った。目的物には牛乳、オレンジジュース、味噌汁、ミネラルバランス飲料、流動食を使用し、各々97gに対して、実施例1から3及び比較例1で得られた顆粒3gを600rpmで撹拌中に一気に投入し30秒間保持した。投入後2分経過時点の粘度をB形粘度計(東京計器製:回転速度12rpm、30秒後、No.3ローター)で粘度を測定した。ピーク粘度に対する実施例1から3および比較例1の粘度発現割合を算出し%で記載した。また、それぞれの目的物での粘度測定結果と粘度発現性の割合を表2から表6に記載した。また、実施例1から実施例3と比較例1の粘度測定結果グラフを、図1から図5に記載した。
Figure 0005105716
Figure 0005105716
Figure 0005105716
Figure 0005105716
Figure 0005105716
試験例2
分散性を比較するために、試験例1で行った粘度発現性試験に加え、実施例1から3、比較例1から5を試験例1と同じ条件でオレンジジュースに分散・溶解した直後のダマの出来具合を○:ダマの発生はなく速やかに分散・溶解し粘度発現する△:少量のダマは発生するが分散・溶解し粘度発現する×:投入したほとんどの粘度調整剤がダマになり粘度はほとんどでないの3点で評価を行った。評価結果と測定粘度を表7に記載した。
Figure 0005105716
実施例1から3及び比較例1の粘度発現性とピーク粘度との割合を比較した結果、実施例1では全ての目的物でピーク粘度に対し80%以上粘度発現していることが確認された。比較例ではミネラル含量の低いミネラルバランス飲料でかろうじて27.9%発現することが確認されたが、ミネラル含量が高くなると、粘度発現性が抑制される結果となった。この傾向は、キサンタンガムの平均粒子径がより小さくなり、また目開き75μmの篩を通過する量が増すことで、より粘度発現性が向上する結果であった。
試験例2で顆粒化した実施例1、実施例2、実施例3および比較例1と、粉体混合のみである比較例2、比較例3、比較例4、比較例5の分散・溶解性を確認した結果、顆粒化した場合には分散・溶解性は良好であった。顆粒化していない比較例2から5では従来サイズのキサンタンガムである比較例5でかろうじて少量分散し粘度発現するが、微粉キサンタンガムである比較例2、比較例3、比較例4では投入した瞬間にダマが発生し撹拌終了後もはっきりと確認できるダマが多数発生することとなった。
実施例1、実施例2、実施例3は従来粘度発現が遅かった飲食品100gあたりのミネラル含量が70mg以上の系である牛乳、オレンジジュース、味噌汁、ミネラルバランス飲料、流動食に弱い撹拌条件でも分散し、従来技術と比較しあきらかに粘度発現性が向上していることが確認された。
本発明は、粘度発現性が優れ従来特に粘度発現が遅いとされていた流動食・オレンジジュース・牛乳に弱い撹拌条件でも分散・溶解し粘度調製にかかる時間を著しく短縮したことに加え、従来熟練を要した溶解作業を、家庭等で特別の技術、設備を必要とせずに溶解できる事を可能にした発明である。
牛乳でのピーク粘度との粘度発現割合の図である。 オレンジジュースでのピーク粘度との粘度発現割合の図である。 味噌汁でのピーク粘度との粘度発現割合の図である。 ミネラルバランス飲料でのピーク粘度との粘度発現割合の図である。 流動食でのピーク粘度との粘度発現割合の図である。

Claims (3)

  1. 平均粒子径60μm以下のキサンタンガム粉末を原料とするキサンタンガム顆粒を含有することを特徴とする飲食品用粘度調整剤であって、飲食品97gを600rpmで攪拌中にキサンタンガム顆粒3gを投入し、投入後2分経過時点の粘度が、投入10分後のピーク粘度の30%以上であることを特徴とする飲食品用粘度調整剤。
  2. 請求項1記載の粘度調整剤が100gあたりミネラル成分を70mg以上含む飲食品に溶解して、粘度を発現することを特徴とする飲食品用粘度調整剤。
  3. 請求項1又は2記載の粘度調整剤が咀嚼・嚥下困難患者または胃瘻患者向け飲食品用粘度調整剤であることを特徴とする飲食品用粘度調整剤。
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