JP5103776B2 - 燃料電池システム及びその運転方法 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池システム及びその運転方法に関するものである。
従来、燃料電池は発電効率が高く、有害物質を排出しないので、産業用、家庭用の発電装置として、又は、人工衛星や宇宙船などの動力源として実用化されてきたが、近年は、乗用車、バス、トラック、乗用カート、荷物用カート等の車両用の動力源として開発が進んでいる。そして、前記燃料電池は、アルカリ水溶液型(AFC)、リン酸型(PAFC)、溶融炭酸塩型(MCFC)、固体酸化物型(SOFC)、直接型メタノール(DMFC)等のものであってもよいが、固体高分子型燃料電池(PEMFC)が一般的である。
この場合、固体高分子電解質膜を2枚のガス拡散電極で挟み、一体化させて接合する。そして、該ガス拡散電極の一方を燃料極(アノード極)とし、その表面に燃料としての水素ガスを供給すると、水素が水素イオン(プロトン)と電子とに分解され、水素イオンが固体高分子電解質膜を透過する。また、前記ガス拡散電極の他方を酸素極(カソード極)とし、その表面に酸化剤としての空気を供給すると、空気中の酸素と、前記水素イオン及び電子とが結合して、水が生成される。このような電気化学反応によって起電力が生じるようになっている。
ところで、車両用のシステムの場合、車両は交差点での信号待ちや渋滞のために頻繁に停止するので、車輪を回転させる必要がないときが多い。このようなときに、動力源の運転を継続することは不経済であるので、車両が交差点等で停止すると動力源を停止させるシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特許第3515182号公報
しかしながら、前記従来のシステムにおいては、動力源がエンジンであるので、動力源の起動及び停止が容易である。また、補機を作動させるために必要なエネルギ消費量も少ない。これに対して、燃料電池を動力源とするシステムにおいては、燃料電池の発電能力と比較して、補機を作動させるために必要なエネルギ消費量が多く、しかも、燃料電池を起動させる際には事前に補機を作動させておく必要があるので、起動及び停止を繰り返すと、多量のエネルギが消費されてしまう。
本発明は、前記従来のシステムの問題点を解決して、車両が一時停止すると燃料電池を一時停止モードにし、燃料電池スタックが搭載された車両の位置情報に基づき、短時間の内に車両が再び一時停止することを予測すると、燃料電池を一時停止モードに保持するようにして、燃料電池の起動及び停止の繰り返しを回避し、エネルギ消費量を低減することができる燃料電池システム及びその運転方法を提供することを目的とする。
そのために、本発明の燃料電池システムにおいては、電解質層を燃料極と酸素極とで挟持した燃料電池が、前記燃料極に沿って燃料ガス流路が形成されたセパレータを挟んで積層されている燃料電池スタックと、前記燃料電池に遮(しゃ)断可能に接続された車両駆動モータと、該車両駆動モータに対して前記燃料電池と並列に接続された蓄電手段と、前記燃料電池スタックが搭載された車両の位置情報を取得するナビゲーション手段と、前記車両が一時停止すると、前記燃料ガス流路への燃料ガスの供給を停止して前記燃料電池を一時停止モードにし、前記車両の位置情報に基づき、短時間の内に前記車両が再び一時停止することを予測すると、前記燃料電池を一時停止モードに保持する制御手段とを有し、該制御手段は、一時停止モードに保持した前記燃料電池の燃料ガス流路内の燃料ガスの圧力が所定値以下となった場合、又は、前記燃料電池を一時停止モードにしてから所定時間が経過した場合には、前記燃料ガス流路内に残留する燃料ガスを排出し、外気を導入して、前記燃料ガス流路内を空気で置換する。
本発明の他の燃料電池システムにおいては、さらに、前記制御手段は、前記燃料電池を一時停止モードに保持する間、前記蓄電手段からの電流を車両駆動モータに供給させる。
本発明の更に他の燃料電池システムにおいては、さらに、前記ナビゲーション手段は更に交通情報を取得し、前記制御手段は、前記車両の位置情報及び交通情報に基づき、短時間の内に前記車両が再び一時停止することを予測する。
本発明の更に他の燃料電池システムにおいては、さらに、前記一時停止モードの保持を選択する選択手段を更に有し、前記制御手段は、前記選択手段によって一時停止モードの保持が選択されると、前記燃料電池を一時停止モードに保持する。
本発明の燃料電池システムの運転方法においては、車両駆動モータに対して燃料電池及び蓄電手段から電流を供給することができる燃料電池システムの運転方法であって、車両が一時停止すると前記燃料電池への燃料ガスの供給を停止する一時停止モードにし、前記車両の位置情報に基づき、短時間の内に前記車両が再び一時停止することを予測すると、前記燃料電池を一時停止モードに保持するとともに、一時停止モードにした前記燃料電池の燃料ガス流路内の燃料ガスの圧力が所定値以下となった場合、又は、前記燃料電池を一時停止モードにしてから所定時間が経過した場合には、前記燃料ガス流路内に残留する燃料ガスを排出し、外気を導入して、前記燃料ガス流路内を空気で置換する
本発明によれば、燃料電池システムにおいては、電解質層を燃料極と酸素極とで挟持した燃料電池が、前記燃料極に沿って燃料ガス流路が形成されたセパレータを挟んで積層されている燃料電池スタックと、前記燃料電池に遮断可能に接続された車両駆動モータと、該車両駆動モータに対して前記燃料電池と並列に接続された蓄電手段と、前記燃料電池スタックが搭載された車両の位置情報を取得するナビゲーション手段と、前記車両が一時停止すると、前記燃料ガス流路への燃料ガスの供給を停止して前記燃料電池を一時停止モードにし、前記車両の位置情報に基づき、短時間の内に前記車両が再び一時停止することを予測すると、前記燃料電池を一時停止モードに保持する制御手段とを有し、該制御手段は、一時停止モードにした前記燃料電池の燃料ガス流路内の燃料ガスの圧力が所定値以下となった場合、又は、前記燃料電池を一時停止モードにしてから所定時間が経過した場合には、前記燃料ガス流路内に残留する燃料ガスを排出し、外気を導入して、前記燃料ガス流路内を空気で置換する。
この場合、例えば、渋滞区間や、交通信号灯器が狭い間隔で設置されている区間のように、車両が一時停止を頻繁に繰り返す区間を走行しているときに、燃料電池の起動及び停止の繰り返しを回避し、エネルギ消費量を低減することができる。
他の燃料電池システムにおいては、さらに、前記制御手段は、前記燃料電池を一時停止モードに保持する間、前記蓄電手段からの電流を車両駆動モータに供給させる。
この場合、燃料電池を一時停止モードに保持していても、車両を通常通りに走行させることができる。
更に他の燃料電池システムにおいては、さらに、前記ナビゲーション手段は更に交通情報を取得し、前記制御手段は、前記車両の位置情報及び交通情報に基づき、短時間の内に前記車両が再び一時停止することを予測する。
この場合、渋滞等に関する交通情報を考慮するので、より高い精度で車両の一時停止を予測することができる。
更に他の燃料電池システムにおいては、さらに、前記一時停止モードの保持を選択する選択手段を更に有し、前記制御手段は、前記選択手段によって一時停止モードの保持が選択されると、前記燃料電池を一時停止モードに保持する。
この場合、車両の運転者の意思に基づいて、燃料電池システムを一時停止モードに保持することができる。
燃料電池システムの運転方法においては、車両駆動モータに対して燃料電池及び蓄電手段から電流を供給することができる車両用燃料電池システムの運転方法であって、車両が一時停止すると前記燃料電池への燃料ガスの供給を停止する一時停止モードにし、前記車両の位置情報に基づき、短時間の内に前記車両が再び一時停止することを予測すると、前記燃料電池を一時停止モードに保持するとともに、一時停止モードにした前記燃料電池の燃料ガス流路内の燃料ガスの圧力が所定値以下となった場合、又は、前記燃料電池を一時停止モードにしてから所定時間が経過した場合には、前記燃料ガス流路内に残留する燃料ガスを排出し、外気を導入して、前記燃料ガス流路内を空気で置換する
この場合、車両が一時停止を頻繁に繰り返す区間を走行しているときに、燃料電池の起動及び停止の繰り返しを回避し、エネルギ消費量を低減することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態における燃料電池システムの構成を示す図、図2は本発明の実施の形態における燃料電池システムの電気系統の構成を示す図である。
図において、20は、本実施の形態における燃料電池システムの燃料電池(FC)としての燃料電池スタックであり、乗用車、バス、トラック、乗用カート、荷物用カート等の車両用の動力源として使用される。ここで、前記車両は、照明装置、ラジオ、パワーウィンドウ等の車両の停車中にも使用される電気を消費する補機を多数備えており、また、走行パターンが多様であり動力源に要求される出力範囲が極めて広いので、動力源としての燃料電池スタック20と蓄電手段としてのキャパシタ11とを併用して使用する。
そして、燃料電池スタック20は、アルカリ水溶液型、リン酸型、溶融炭酸塩型、固体酸化物型、直接型メタノール等のものであってもよいが、固体高分子型燃料電池であることが望ましい。
なお、更に望ましくは、水素ガスを燃料ガス、すなわち、アノードガスとし、酸素又は空気を酸化剤、すなわち、カソードガスとするPEMFC(Proton Exchange Membrane Fuel Cell)型燃料電池、又は、PEM(Proton Exchange Membrane)型燃料電池と呼ばれるものである。ここで、該PEM型燃料電池は、一般的に、プロトン等のイオンを透過する電解質層としての固体高分子電解質膜の両側に触媒、電極及びセパレータを結合した燃料電池としてのセル(Fuel Cell)を複数及び直列に結合したスタック(Stack)から成る。
本実施の形態において、燃料電池スタック20は、図示されない複数のセルモジュールを有する。該セルモジュールは、燃料電池としての単位セル(MEA:Membrane Electrode Assembly)と、該単位セル同士を電気的に接続するとともに、単位セルに導入される、アノードガスとしての水素ガスの流路と空気の流路とを分離するセパレータとを1セットとして、板厚方向に複数のセットを重ねて構成されている。なお、セルモジュールは、単位セル同士が所定の間隙(げき)を隔てて配設されるように、単位セルとセパレータとが、多段に重ねられて積層されている。
そして、単位セルは、電解質層としての固体高分子電解質膜の側に設けられた酸素極としての空気極及び他側に設けられた燃料極とで構成されている。前記空気極は、反応ガスを拡散しながら透過する導電性材料から成る電極拡散層と、該電極拡散層上に形成され、固体高分子電解質膜と接触させて支持される触媒層とから成る。また、単位セルの空気極側の電極拡散層に接触して集電するとともに、空気と水との混合流を透過する多数の開口が形成された網状の集電体としての空気極側コレクタと、単位セルの燃料極側の電極拡散層に接触して、同じく電流を外部に導出するための網状の集電体としての燃料極側コレクタとを有する。
前記単位セルにおいては、水が移動する。この場合、燃料極側コレクタの燃料室内に燃料ガス、すなわち、アノードガスとしての水素ガスを供給すると、水素が水素イオンと電子とに分解され、水素イオンがプロトン同伴水を伴って、固体高分子電解質膜を透過する。また、前記空気極をカソード極とし、空気流路としての酸素室内に酸化剤、すなわち、カソードガスとしての空気を供給すると、空気中の酸素と、前記水素イオン及び電子とが結合して、水が生成される。なお、水分が逆拡散水として固体高分子電解質膜を透過し、燃料極側コレクタの燃料室内に移動する。ここで、逆拡散水とは、空気流路としての酸素室において生成される水が固体高分子電解質膜内に拡散し、該固体高分子電解質膜内を前記水素イオンと逆方向に透過して燃料室にまで浸透したものである。
図1には、燃料電池スタック20に燃料ガスとしての水素ガスを供給する装置、及び、酸化剤としての空気を供給する装置が示されている。なお、図示されない改質装置によってメタノール、ガソリン等を改質して取り出した燃料である水素ガスを燃料電池スタック20に直接供給することもできるが、車両の高負荷運転時にも安定して十分な量の水素ガスを供給することができるようにするためには、燃料貯蔵手段73に貯蔵した水素ガスを供給することが望ましい。これにより、該水素ガスがほぼ一定の圧力で、常に、十分に供給されるので、前記燃料電池スタック20は車両の負荷の変動に遅れることなく追随して、必要な電流を供給することができる。この場合、前記燃料電池スタック20の出力インピーダンスは極めて低く、0に近似することが可能である。
水素ガスは、水素吸蔵合金を収納した容器、デカリンのような水素吸蔵液体を収納した容器、水素ガスボンベ等の燃料貯蔵手段73から、燃料供給管路としての第1燃料供給管路21、及び、該第1燃料供給管路21に接続された燃料供給管路としての第2燃料供給管路33を通って、燃料電池スタック20の燃料ガス流路の入口に供給される。そして、前記第1燃料供給管路21には、燃料貯蔵手段元開閉弁としての水素元弁24、圧力センサ27、燃料圧力調整弁25及び燃料供給電磁弁としての水素供給弁26が配設される。また、燃料圧力調整弁25をバイパスするバイパス管路には、バイパス弁としての水素高圧供給弁29が配設されている。さらに、前記第2燃料供給管路33には安全弁33aが配設される。なお、前記圧力センサ27、燃料圧力調整弁25及び水素供給弁26の数は任意に設定することができる。また、前記燃料貯蔵手段73は、十分に大きな容量を有し、常に、十分に高い圧力の水素ガスを供給することができる能力を有するものである。
そして、燃料電池スタック20の燃料ガス流路の出口から未反応成分として排出される水素ガスは、第1燃料排出管路31を通って燃料電池スタック20外に排出される。前記第1燃料排出管路31には、回収容器としての水回収ドレインタンク60が配設されている。そして、該水回収ドレインタンク60には水と分離された水素ガスを排出する第2燃料排出管路30が接続され、該第2燃料排出管路30にはポンプとしての吸引循環ポンプ36が配設されている。また、前記第2燃料排出管路30には水素循環電磁弁34が配設されている。また、前記第2燃料排出管路30における水回収ドレインタンク60と反対側の端部は、第2燃料供給管路33に接続されている。これにより、燃料電池スタック20外に排出された水素ガスを回収し、燃料電池スタック20の燃料ガス流路に供給して再利用することができる。
また、前記水回収ドレインタンク60には、第3燃料排出管路56が接続され、該第3燃料排出管路56には水素排気電磁弁62が配設され、燃料電池スタック20の起動時に燃料ガス流路から排出される水素ガスを大気中に排出することができるようになっている。なお、第3燃料排出管路56の出口端は排気マニホールド71に接続され、排出された水素を空気で希釈させる。
さらに、前記第2燃料排出管路30における吸引循環ポンプ36と水素循環電磁弁34との間には、他端が前記第3燃料排出管路56に接続された第4燃料排出管路56aが接続されている。そして、該第4燃料排出管路56aには、燃料電池スタック20内を減圧する際に開となる減圧水素排出弁62aが配設されている。また、前記第2燃料排出管路30には、外気導入電磁弁35及びエアフィルタ37が接続され、燃料電池スタック20の停止時に外気を導入することができるようになっている。
ここで、前記燃料圧力調整弁25は、バタフライバルブ、レギュレータバルブ、ダイヤフラム式バルブ、マスフローコントローラ、シーケンスバルブ等のものであるが、前記燃料圧力調整弁25の出口から流出する水素ガスの圧力をあらかじめ設定した圧力に調整することができるものであれば、いかなる種類のものであってもよい。なお、前記圧力の調整は、手動によってなされてもよいが、電気モータ、パルスモータ、電磁石等から成るアクチュエータによってなされることが望ましい。
また、前記水素供給弁26、水素高圧供給弁29、水素循環電磁弁34、水素排気電磁弁62、減圧水素排出弁62a及び外気導入電磁弁35は、いわゆる、ON−OFF式のものであり、電気モータ、パルスモータ、電磁石等から成るアクチュエータによって作動させられる。なお、前記水素元弁24は手動によって、又は、自動的に作動させられる。さらに、前記吸引循環ポンプ36は、水素ガスとともに逆拡散水を強制的に排出し、燃料ガス流路内を負圧の状態にすることができるポンプであれば、いかなる種類のものであってもよい。
一方、酸化剤としての空気は、エアフィルタ75aを通って、酸化剤供給源としての空気供給ファン75に吸引され、該空気供給ファン75から、空気供給管路77及び吸気マニホールド74を通って、燃料電池スタック20の酸素室、すなわち、空気流路に供給される。この場合、供給される空気の圧力は大気圧程度の常圧である。なお、前記空気供給ファン75は、空気を吸引して吐出することができるものであれば、いかなる種類のものであってもよい。また、前記エアフィルタ75aは、空気に含まれる塵埃(じんあい)、不純物等を除去することができるものであれば、いかなる種類のものであってもよい。なお、酸化剤として、空気に代えて酸素を使用することもできる。そして、空気流路から排出される空気は、マニホールドとしての排気マニホールド71、凝縮器72、出口側排気マニホールド22及び排気口22aを通って大気中へ排出される。なお、排気マニホールド71には燃料電池スタック20から排出された直後の空気の温度を検出するスタック排気温度検出器23bが配設され、出口側排気マニホールド22には凝縮器72から排出された直後の空気の温度を検出する凝縮器排気温度検出器23aが配設されている。さらに、燃料電池スタック20には燃料電池電圧を計測する電圧計59が配設されている。
また、前記空気供給管路77には、空気流路に供給される空気中に水をスプレーして供給し、燃料電池スタック20の酸素極としての空気極を湿潤な状態に維持するための水供給ノズル76が配設される。なお、スプレーされた水によって前記空気極及び燃料極を冷却することもできる。さらに、前記排気マニホールド71の端部に配設された凝縮器72は、前記燃料電池スタック20から排出される空気中の水分を凝縮して除去するためのものであり、前記凝縮器72によって凝縮された水は凝縮水排出管路79を通って水タンク52に回収される。なお、前記凝縮水排出管路79には排水ポンプ51が配設され、前記水タンク52にはレベルゲージ(水位計)52aが配設されている。
そして、前記水タンク52内の水は、給水管路53を通って水供給ノズル76に供給される。なお、前記給水管路53には、給水ポンプ54及び水フィルタ55が配設されている。ここで、前記排水ポンプ51及び給水ポンプ54は、水を吸引して吐出することができるポンプであれば、いかなる種類のものであってもよい。また、前記水フィルタ55は、水に含まれる塵埃、不純物等を除去することができるものであれば、いかなる種類のものであってもよい。前記凝縮水排出管路79、排水ポンプ51、水タンク52、給水ポンプ54、水フィルタ55及び給水管路53は、水循環システムとして機能する。
なお、本実施の形態において、燃料電池システムは制御手段として、図示されないFCコントローラを有する。該FCコントローラは、CPU、MPU等の演算手段、磁気ディスク、半導体メモリ等の記憶手段、入出力インターフェイス等を備え、各種のセンサから燃料電池スタック20の燃料ガス流路及び空気流路に供給される水素、酸素、空気等の流量、温度、出力電圧等を検出して、前記水素元弁24、燃料圧力調整弁25、水素供給弁26、水素高圧供給弁29、水素循環電磁弁34、水素排気電磁弁62、減圧水素排出弁62a、外気導入電磁弁35等の各種の弁、吸引循環ポンプ36、排水ポンプ51、給水ポンプ54、空気供給ファン75等を駆動するための各種モータ等の動作を制御する。
ここで、燃料電池スタック20は、図2に示されるような電気回路によって、負荷や蓄電手段としてのキャパシタ11に接続されている。図2において、20aは燃料電池スタック20から供給される電流を導通又は遮断するためのスイッチング装置としての燃料電池接続リレースイッチであり、11aはキャパシタ11から供給される電流又はキャパシタ11へ供給される電流を導通又は遮断するためのスイッチング装置としてのキャパシタ接続リレースイッチである。なお、前記燃料電池接続リレースイッチ20a及びキャパシタ接続リレースイッチ11aは、燃料電池スタック20の運転時には、ONになっており、電気回路を接続して、燃料電池スタック20及びキャパシタ11からの電流を導通することができるようになっている。
また、前記キャパシタ11は、例えば、電気二重層キャパシタのようなキャパシタ(コンデンサ)である。なお、キャパシタ11に代えて二次電池を使用することもできる。このような二次電池は、例えば、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、ナトリウム硫黄電池等の、いわゆる、バッテリ(蓄電池)であってもよいし、フライホイール、超伝導コイル、蓄圧器等のように、エネルギを電気的に蓄積し放出する機能を有するものであれば、いかなる形態のものであってもよい。さらに、これらの中のいずれかを単独で使用してもよいし、複数のものを組み合わせて使用してもよい。
そして、12はFC出力制御コントローラであり、スイッチング及び変圧機能を備え、燃料電池スタック20及びキャパシタ11とモータ制御コントローラ14との接続及び遮断を行い、燃料電池スタック20及びキャパシタ11から負荷に供給される電流を制御する。また、キャパシタ11を充電するために該キャパシタ11に供給される電流も制御する。
また、13は負荷である車両駆動モータとしてのモータであり、モータ制御コントローラ14を介してFC出力制御コントローラ12に接続され、燃料電池スタック20及びキャパシタ11からの電流を供給されることによって駆動力を発生し、車両の車輪15を回転させる。なお、前記モータ制御コントローラ14は、モータ13に供給する電流を制御することによってモータ13の動作を制御する制御装置であり、前記燃料電池スタック20又はキャパシタ11からの直流電流を交流電流に変換してモータ13に供給するインバータ回路を含むものである。なお、前記モータ13は、発電機としても機能するものであり、車両の減速運転時には回生電流を発生して、キャパシタ11に供給する。この場合、前記モータ13は、車輪15にブレーキをかける、すなわち、車両の制動装置(ブレーキ)として機能する。
さらに、FC出力制御コントローラ12から電流が供給される負荷には、水素元弁24、燃料圧力調整弁25、水素供給弁26、水素高圧供給弁29、水素循環電磁弁34、水素排気電磁弁62、減圧水素排出弁62a、外気導入電磁弁35等の各種の弁、吸引循環ポンプ36、排水ポンプ51、給水ポンプ54、空気供給ファン75等を駆動するための各種モータ、照明装置、ラジオ、パワーウィンドウ等の各種補機も含まれる。
本実施の形態における燃料電池システムにおいては、キャパシタ11が負荷に対して前記燃料電池スタック20と並列に接続されて電流を供給するようになっているので、例えば、車両の停止時に前記燃料電池スタック20が停止した場合や、坂道等の高負荷運転時に燃料電池スタック20からの電流だけでは要求電流に満たない場合等には、前記キャパシタ11から負荷に電流が供給される。前記燃料電池スタック20の出力とキャパシタ11の出力との割合は、0〜100〔%〕の間で制御することができる。すなわち、燃料電池スタック20とキャパシタ11とのハイブリッドであると言える。また、前記キャパシタ11の蓄電量が減少した場合には、モータ13の発生する回生電流に加えて、燃料電池スタック20からの電流をキャパシタ11に供給する。
また、図2における16は、車両全体の制御を行う制御手段としてのEV(Electric Vehicle)制御コントローラであり、CPU、MPU等の演算手段、磁気ディスク、半導体メモリ等の記憶手段、入出力インターフェイス等を備え、前記FCコントローラ、FC出力制御コントローラ12及びモータ制御コントローラ14の動作を制御する。本実施の形態においては、FCコントローラ、FC出力制御コントローラ12、モータ制御コントローラ14及びEV制御コントローラ16が燃料電池システムの制御手段として機能する。そして、EV制御コントローラ16には、イグニッションスイッチ18が接続されている。該イグニッションスイッチ18は、車両の運転者が操作するスイッチであり、例えば、図示されないキー挿入スロットに挿入されたキーを回転させ、回転位置をONにするとEV制御コントローラ16はシステムの起動命令を出力し、回転位置をOFFにするとEV制御コントローラ16はシステムの停止命令を出力する。
さらに、17は、EV制御コントローラ16に接続されたナビゲーション手段としてのナビゲーションシステムである。該ナビゲーションシステム17は、通常の車両用ナビゲーション装置と同様に、GPS(Global Positioning System)レシーバ等を含む現在位置検出手段、道路地図、住宅地図、建造物形状地図等の地図データ、交差点データ、ノードデータ、道路データ、写真データ、登録地点データ、目的地点データ、案内道路データ等のデータを格納するデータベース、渋滞情報等の道路情報、交通事故情報、駐車場等の各種施設の位置情報等の各種情報を受信する通信手段を備え、車両の位置情報、車両周辺の地図情報、交通情報等をEV制御コントローラ16に送信する。
次に、前記構成の燃料電池システムの動作について説明する。まず、停止状態から起動する起動運転における動作について説明する。
図3は本実施の形態における燃料電池システムを停止状態から起動する動作を示すフローチャートである。
まず、車両の運転者がイグニッションスイッチ18のキー挿入スロットに挿入されたキーを回転させ、回転位置をONにすると、イグニッションONとなり(ステップS1)、EV制御コントローラ16からFCコントローラにシステムの起動命令が伝えられ、燃料電池システムを起動する動作が開始される。なお、起動前の状態において、吸引循環ポンプ36、排水ポンプ51、給水ポンプ54及び空気供給ファン75はOFF、すなわち、停止し、水素元弁24、水素供給弁26、水素高圧供給弁29、水素循環電磁弁34、水素排気電磁弁62及び減圧水素排出弁62aは閉じている。また、燃料電池スタック20の燃料ガス流路内には、水素ガスの置換ガスとしての空気が充満している。
そして、前記FCコントローラは、まず、空気供給ファン75をONにして作動させ(ステップS2)、燃料電池スタック20の空気流路に空気を供給する。そして、給水ポンプ54をONにして作動させ(ステップS3)、排水ポンプ51をONにして作動させ(ステップS4)、空気流路に供給される空気中に水をスプレーして供給する。続いて、水素排気電磁弁62を開き(ステップS5)、減圧水素排出弁62aを開き(ステップS6)、吸引循環ポンプ36をONにして作動させ(ステップS7)、燃料電池スタック20の燃料ガス流路内の空気を排出する。
続いて、前記FCコントローラは、水素元弁24を開き(ステップS8)、水素高圧供給弁29を開き(ステップS9)、2次水素圧力が所定値を超えたか否かの判断を繰り返し(ステップS10)、圧力を監視する。そして、2次水素圧力が所定値を超えると、水素供給弁26を開き(ステップS11)、所定時間経過するまで待機する(ステップS12)。そして、所定時間経過すると、水素高圧供給弁29を閉じ(ステップS13)、更に所定時間経過するまで待機する(ステップS14)。
続いて、所定時間経過すると、燃料電池スタック20の燃料ガス流路内からの空気の排出が完了して、燃料ガス流路内に水素ガスが充満したと判断することができるので、前記FCコントローラは、水素排気電磁弁62を閉じ(ステップS15)、減圧水素排出弁62aを閉じ(ステップS16)、3次水素圧力が所定値を超えたか否かを判断する(ステップS17)。そして、3次水素圧力が所定値を超えると、水素循環電磁弁34を開き(ステップS18)、燃料電池スタック20外に排出された水素ガスを回収し、燃料電池スタック20の燃料ガス流路に供給して再利用する。なお、3次水素圧力が所定値を超えない場合には、異常が発生したと判断することができるので、前記FCコントローラは、システムを異常停止させる(ステップS21)。
また、前記FCコントローラは、水素循環電磁弁34を開いた後、燃料電池電圧が所定値を超えたか否かを判断する(ステップS19)。そして、燃料電池電圧が所定値を超えると、定常運転の処理に移行し(ステップS20)、起動運転の処理を終了する。なお、燃料電池電圧が所定値を超えない場合には、異常が発生したと判断することができるので、前記FCコントローラは、システムを異常停止させる(ステップS22)。
次に、燃料電池システムを一時停止状態から起動する起動運転における動作について説明する。
図4は本実施の形態における燃料電池システムを一時停止状態から起動する動作を示すフローチャートである。
燃料電池システムが一時停止状態になっているときは、燃料貯蔵手段73からの水素ガスの供給は停止されているが、燃料電池スタック20の燃料ガス流路内には水素ガスが封印された状態で残留している。
そして、燃料電池システムを一時停止状態から起動するためのシステム起動指令を受けると(ステップS31)、FCコントローラは、空気供給ファン75をONにして作動させ(ステップS32)、燃料電池スタック20の空気流路に空気を供給する。そして、給水ポンプ54をONにして作動させ(ステップS33)、排水ポンプ51をONにして作動させ(ステップS34)、空気流路に供給される空気中に水をスプレーして供給する。
続いて、前記FCコントローラは、水素循環電磁弁34を開き(ステップS35)、吸引循環ポンプ36をONにして作動させ(ステップS36)、水素ガスを循環させる。そして、水素元弁24を開き(ステップS37)、水素供給弁26を開き(ステップS38)、燃料貯蔵手段73からの水素ガスの供給を再開する。
続いて、前記FCコントローラは、燃料電池電圧が所定値を超えたか否かを判断する(ステップS39)。そして、燃料電池電圧が所定値を超えると、定常運転の処理に移行し(ステップS40)、一時停止状態からの起動運転の処理を終了する。なお、燃料電池電圧が所定値を超えない場合には、異常が発生したと判断することができるので、前記FCコントローラは、システムを異常停止させる(ステップS41)。
次に、燃料電池システムの運転を停止する動作について説明する。
図5は本実施の形態における燃料電池システムを停止する動作を示すフローチャートである。
まず、車両の運転者がイグニッションスイッチ18のキー挿入スロットに挿入されたキーを回転させ、回転位置をOFFにすると、イグニッションOFFとなり(ステップS51)、FCコントローラにシステムの停止命令が伝えられ、燃料電池システムを停止する動作が開始される。
そして、前記FCコントローラは、まず、燃料電池接続リレースイッチ20aをOFFにして(ステップS52)、燃料電池スタック20から供給される電流を遮断する。そして、水素元弁24を閉じ(ステップS53)、水素供給弁26を閉じて(ステップS54)、燃料貯蔵手段73からの水素ガスの供給を停止させる。続いて、前記FCコントローラは、水素循環電磁弁34を閉じ(ステップS55)、水素排気電磁弁62を開き(ステップS56)、減圧水素排出弁62aを開き(ステップS57)、燃料電池スタック20の燃料ガス流路内の水素ガスを排出する。そして、所定時間経過するまで待機し(ステップS58)、所定時間経過すると、水素排気電磁弁62を閉じ(ステップS59)、3次水素圧力が所定値以下となったか否かの判断を繰り返し(ステップS60)、圧力を監視する。
続いて、3次水素圧力が所定値以下となると、前記FCコントローラは、給水ポンプ54をOFFにして停止させ(ステップS61)、排水ポンプ51をOFFにして停止させる(ステップS62)。そして、外気導入電磁弁35を開いて(ステップS63)、燃料電池スタック20の燃料ガス流路内に外気を導入し、燃料電池電圧が所定値以下となったか否かの判断を繰り返し(ステップS64)、燃料電池電圧を監視する。そして、燃料電池電圧が所定値以下となると、燃料電池の全補機をOFFにし(ステップS65)、停止状態に移行して(ステップS66)、燃料電池システムを停止させる処理を終了する。
次に、燃料電池システムの一時停止モードの動作について説明する。
図6は本実施の形態における燃料電池システムの一時停止モードの動作を示すフローチャートである。
図6に示すように、一時停止モードは、燃料電池システムのFCコントローラのメモリ(図示せず)に内蔵されたプログラムの一つであり、以下に示す順で補機を制御する。
まず、燃料電池システムを一時停止状態にするためのシステム起動指令を受けると(ステップS71)、FCコントローラは、まず、燃料電池接続リレースイッチ20aをOFFにし(ステップS72)、燃料電池の全補機をOFFにして(ステップS73)、燃料ガス流路内の空気混合を監視する(ステップS74)。この場合、例えば、燃料ガス流路内の水素ガスの圧力が所定値以下となったか否か、経過時間が所定時間を超えたか否か等の判断を繰り返して監視する。
例えば、車両が交差点等で短時間停止する場合、水素ガスの消費量を抑制するために、燃料電池システムを一時停止状態にするようになっている。一時停止状態においては、起動が容易なように、燃料電池スタック20の燃料ガス流路内に残留する水素ガスを排出せず、燃料ガス流路内に水素ガスを封印する。しかし、時間の経過とともに、水素ガスの圧力が低下し、空気が燃料ガス流路内に進入する。そして、燃料ガス流路内において水素と酸素が混合状態となると、電位シフトが発生して燃料極が劣化してしまう。そこで、燃料ガス流路内の水素ガスの圧力が所定値以下となったり、経過時間が所定時間を超えたりして、電位シフトが発生することがないように監視する必要がある。なお、燃料ガス流路内の水素ガスの圧力が所定値以下となったり、経過時間が所定時間を超えたりした場合には、図5において説明した燃料電池システムを停止する動作と同様に、燃料ガス流路内に残留する水素ガスを排出し、外気を導入して、燃料ガス流路内を空気で置換する。
次に、燃料電池システムの定常運転における動作について説明する。
図7は本実施の形態における燃料電池システムの定常運転の動作を示すフローチャートである。
まず、EV制御コントローラ16は、運転者が操作するアクセルの開度及び車両の速度から、モータ13に要求されているトルク、すなわち、モータ要求トルクを計算する(ステップS81)。続いて、前記EV制御コントローラ16は、計算されたモータ要求トルクに基づいて、モータ13の消費電力を計算する(ステップS82)。
そして、前記EV制御コントローラ16は、ナビゲーションシステム17から車両の位置情報、車両周辺の道路の渋滞情報等を受信し(ステップS83)し、車両の停車位置を推定する(ステップS84)。この場合、前記EV制御コントローラ16は、車両の現在位置、平均速度、渋滞情報、進行方向前方に設置されている交通信号灯器の位置等の情報に基づいて、前記停車位置を推定する。例えば、進行方向前方に渋滞区間があるときには、該渋滞区間で停車する可能性が高く、また、交通信号灯器が設置されている交差点でも停車する可能性が高いので、前記渋滞区間、交差点等を停車位置として推定することができる。
続いて、前記EV制御コントローラ16は、燃料電池スタック20及びキャパシタ11の出力値を計算する(ステップS85)。この場合、前記EV制御コントローラ16は、次の停車位置、キャパシタ11の残存電気容量、燃料電池スタック20の効率、車両の加速度等に基づいて、燃料電池スタック20及びキャパシタ11の出力を計算する。
続いて、前記EV制御コントローラ16は、燃料電池スタック20の出力値が0〔kW〕を超えているか否かを判断する(ステップS86)。そして、燃料電池スタック20の出力値が0〔kW〕を超えている場合、前記EV制御コントローラ16は、燃料電池システム出力指令を出し(ステップS87)、燃料電池システムが定常運転を行っているか否かを判断する(ステップS88)。
ここで、燃料電池システムが定常運転を行っている場合、前記EV制御コントローラ16は、FC出力制御コントローラ12に対して、燃料電池スタック20及びキャパシタ11の出力値指令を出す(ステップS89)。すると、前記FC出力制御コントローラ12は、EV制御コントローラ16から受けた出力値指令に従って、燃料電池スタック20及びキャパシタ11からモータ制御コントローラ14を介してモータ13に供給される電流を制御する。そして、EV制御コントローラ16は、再びモータ要求トルクを計算し、前述の動作を繰り返す。
一方、燃料電池スタック20の出力値が0〔kW〕を超えているか否かを判断して、燃料電池スタック20の出力値が0〔kW〕を超えていない場合、すなわち、燃料電池スタック20の出力値が0〔kW〕である場合、前記EV制御コントローラ16は、FCコントローラに対して燃料電池システム一時停止指令を出す(ステップS90)。
燃料電池スタック20の出力値が0〔kW〕である場合とは、例えば、車両が交差点等で短時間停止している場合のように、モータ13の消費電力がゼロであるか又は微小である場合である。このような場合、EV制御コントローラ16は、燃料電池スタック20の出力値を0〔kW〕とする。また、推定された次の停車位置が近距離にある場合、キャパシタ11の残存電気容量が十分に多く、車両の加速度が低いと予測され、燃料電池システムの再起動が必要となり効率が低くなるときには、燃料電池スタック20の出力値を0〔kW〕とする。すなわち、一時停止モードを継続する。
燃料電池システムにおいては、補機が消費する電力の燃料電池スタック20が発生する電力に対する割合が比較的大きい。しかも、燃料電池システムを再起動させるためには、燃料電池スタック20が電力を発生する前に、吸引循環ポンプ36、排水ポンプ51、給水ポンプ54、空気供給ファン75等の補機を作動させておく必要があるので、多量の電力を消費する。そのため、高い頻度で一時停止モードからの再起動を繰り返すと、燃料電池システムの効率が大きく低下してしまう。そこで、本実施の形態においては、推定された次の停車位置が近距離にある場合のように、短時間のうちに再び一時停止モードとなることが予測される場合には、一時停止モードを継続するようになっている。そして、一時停止モードを継続している間は、キャパシタ11のみからの電流をモータ13に供給する。なお、キャパシタ11の残存電気容量が十分でなく、車両の加速度が高くモータ13の消費電力が大きいと予測される場合には、燃料電池システムを再起動させ、燃料電池スタック20からも電流をモータ13に供給する。
また、燃料電池システム出力指令を出した後に燃料電池システムが定常運転を行っているか否かを判断して、燃料電池システムが定常運転を行っていない場合、すなわち、燃料電池システムが一時停止モードにある場合には、前記EV制御コントローラ16は、FCコントローラに対して燃料電池システム起動運転指令を出す(ステップS91)。これにより、図4に示されるような燃料電池システムを一時停止状態から起動する動作が行われ、燃料電池システムは再起動する。
このように、本実施の形態においては、車両が一時停止すると、燃料ガス流路への燃料ガスの供給を停止して燃料電池システムを一時停止モードにし、ナビゲーションシステム17から取得した車両の位置情報に基づき、短時間の内に車両が再び一時停止することを予測すると、燃料電池システムを一時停止モードに保持するようになっている。なお、燃料電池システムを一時停止モードに保持している間であっても、キャパシタ11からモータ13に電流が供給されるので、車両を走行させることができる。そのため、例えば、渋滞区間や、交通信号灯器が狭い間隔で設置されている区間のように、車両が一時停止を頻繁に繰り返す区間を走行している場合、燃料電池の起動及び停止の繰り返しを回避し、エネルギ消費量を低減することができる。
なお、本実施の形態においては、EV制御コントローラ16が自動的に判断して燃料電池システムを一時停止モードに保持する場合についてのみ説明したが、車両の運転者の判断によって、燃料電池システムを一時停止モードに保持するようにしてもよい。この場合、一時停止モードの保持を選択することができる選択手段を配設し、該選択手段を運転者が操作して一時停止モードの保持を選択すると、EV制御コントローラ16が燃料電池システムを一時停止モードに保持するようにする。これにより、車両の運転者の意思に基づいて、燃料電池システムを一時停止モードに保持することができる。
また、本実施の形態にあっては、制御手段を、FCコントローラ、FC出力制御コントローラ12、モータ制御コントローラ14及びEV制御コントローラ16で構成したが、これらのコントローラの制御を一つの制御装置によって制御させたり、これらのコントローラの制御内容を任意に割り振って制御させても良いことは言うまでもない。
さらに、本実施の形態では、車両の停車位置の推定を、車両の現在位置、平均速度、渋滞情報、進行方向前方に設置されている交通信号灯器の位置等の情報に基づいてEV制御コントローラによって行う場合について説明したが、すべてナビゲーションシステム側で行ったり、一部をナビゲーションシステム側で計算させ、EV制御コントローラとの計算結果とを合わせて推定するなど、適宜情報を割り振って計算させても良い。
また、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明の実施の形態における燃料電池システムの構成を示す図である。 本発明の実施の形態における燃料電池システムの電気系統の構成を示す図である。 本実施の形態における燃料電池システムを停止状態から起動する動作を示すフローチャートである。 本実施の形態における燃料電池システムを一時停止状態から起動する動作を示すフローチャートである。 本実施の形態における燃料電池システムを停止する動作を示すフローチャートである。 本実施の形態における燃料電池システムの一時停止モードの動作を示すフローチャートである。 本実施の形態における燃料電池システムの定常運転の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
11 キャパシタ
12 FC出力制御コントローラ
13 モータ
14 モータ制御コントローラ
16 EV制御コントローラ
17 ナビゲーションシステム
20 燃料電池スタック

Claims (5)

  1. 電解質層を燃料極と酸素極とで挟持した燃料電池が、前記燃料極に沿って燃料ガス流路が形成されたセパレータを挟んで積層されている燃料電池スタックと、
    前記燃料電池に遮断可能に接続された車両駆動モータと、
    該車両駆動モータに対して前記燃料電池と並列に接続された蓄電手段と、
    前記燃料電池スタックが搭載された車両の位置情報を取得するナビゲーション手段と、
    前記車両が一時停止すると、前記燃料ガス流路への燃料ガスの供給を停止して前記燃料電池を一時停止モードにし、前記車両の位置情報に基づき、短時間の内に前記車両が再び一時停止することを予測すると、前記燃料電池を一時停止モードに保持する制御手段とを有し、
    該制御手段は、一時停止モードにした前記燃料電池の燃料ガス流路内の燃料ガスの圧力が所定値以下となった場合、又は、前記燃料電池を一時停止モードにしてから所定時間が経過した場合には、前記燃料ガス流路内に残留する燃料ガスを排出し、外気を導入して、前記燃料ガス流路内を空気で置換することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記制御手段は、前記燃料電池を一時停止モードに保持する間、前記蓄電手段からの電流を車両駆動モータに供給させる請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記ナビゲーション手段は更に交通情報を取得し、
    前記制御手段は、前記車両の位置情報及び交通情報に基づき、短時間の内に前記車両が再び一時停止することを予測する請求項1に記載の燃料電池システム。
  4. 前記一時停止モードの保持を選択する選択手段を更に有し、
    前記制御手段は、前記選択手段によって一時停止モードの保持が選択されると、前記燃料電池を一時停止モードに保持する請求項1に記載の燃料電池システム。
  5. 車両駆動モータに対して燃料電池及び蓄電手段から電流を供給することができる燃料電池システムの運転方法であって、
    車両が一時停止すると前記燃料電池への燃料ガスの供給を停止する一時停止モードにし、前記車両の位置情報に基づき、短時間の内に前記車両が再び一時停止することを予測すると、前記燃料電池を一時停止モードに保持するとともに、
    一時停止モードにした前記燃料電池の燃料ガス流路内の燃料ガスの圧力が所定値以下となった場合、又は、前記燃料電池を一時停止モードにしてから所定時間が経過した場合には、前記燃料ガス流路内に残留する燃料ガスを排出し、外気を導入して、前記燃料ガス流路内を空気で置換することを特徴とする燃料電池システムの運転方法。
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