次に、発明を実施するための最良の形態を説明する。図1は第一実施例にかかるモアトラクタを示した概略側面断面図、図2は第一実施例にかかるダクト及びオイルクーラを示した概略平面断面図、図3はモアトラクタ(外部油圧機器有り)に適用されるHSTの油圧回路を示した図、図4はモアトラクタ(外部油圧機器無し)に適用されるHSTの油圧回路を示した図である。
図5は(a)第一実施例にかかるオイルクーラを示した平面図(b)同じく右側面図(c)同じく左側面図(d)同じく正面図(e)同じく背面図、図6は図5におけるA―A’端面図、図7はスリット及びファンを示した正面図、図8は第二実施例にかかるモアトラクタを示した概略側面断面図である。
図9は第二実施例にかかるダクト及びオイルクーラを示した概略平面断面図、図10は(a)第二実施例にかかるオイルクーラを示した平面図(b)同じく底面図(c)同じく右側面図(d)同じく左側面図(e)同じく正面図(f)同じく背面図、図11は図10におけるA―A’端面図である。なお、以下の説明では、モアトラクタの前進方向を「前方」、後進方向を「後方」、前進左方向を「左方」、前進右方向を「右方」として説明する。
まず、第一実施例のモアトラクタ101について説明する。図1に示すように、モアトラクタ101は、機体(シャーシ)102上の前部には、フロントカバー103が配設されており、フロントカバー103の後方には、ステップ104が配設されており、ステップ104の後方には、リアカバー105が配設されており、リアカバー105上には、座席106が配設されている。
そして、機体102上の前部には、エンジン116が配設されており、エンジン116は、フロントカバー103によって被覆されている。エンジン116は、防振ゴム等を介して機体102に防振支持されている。エンジン116には、エンジン出力軸116aが下方に突出されており、エンジン出力軸116a上には、下端に第二出力プーリ116c、第二出力プーリ116cの上方に第一出力プーリ116bが固設されている。
また、機体102の前下部には、前車軸駆動装置107が支持されている。前車軸駆動装置107は、前車軸ハウジング108に、左右一対の前車軸109・109が軸支されており、前車軸109・109の端部(外端)には、左右一対の前輪110・110が設けられている。フロントカバー103の上部には、前輪110・110を操舵するためのステアリングハンドル111が配設されている。
そして、機体102の後下部には、後車軸駆動装置112が支持されている。前車軸駆動装置112は、後車軸ハウジング113に、左右一対の後車軸114・114が軸支されており、後車軸114・114の端部(外端)には、左右一対の後輪115・115が設けられている。
また、機体102上の前後中央付近には、油圧ポンプ117が配設されており、油圧ポンプ117は、上下面が開放された筒状部材であるシュラウド118によって囲繞されている。油圧ポンプ117には、ポンプ入力軸117aが下方に突出されており、ポンプ入力軸117a上には、下端にファン125、ファン125の上方に第一入力プーリ117bが固設されている。エンジン116の稼動中はファン125が回転し、シュラウド118の上方開口から空気を導入してシュラウド118内を下向きに噴出させて効率良くポンプ117を冷却する。なお、図示はしないがシュラウド118には油圧ポンプの制御アームや後述の油圧モータに対する配管を通すための穴が開けられている。
そして、前輪110・110と、後輪115・115との間のフレームには、モア119が昇降可能に懸架されている。モア119は、左右一対のブレード120・120を有し、ブレード120・120は、モアデッキ121によって被覆されている。モアデッキ121の後部には、モア119で刈り取られた刈芝が搬送されるダクト122が接続されており、ダクト122の後部には、ダクト122により搬送された刈芝が集草される集草容器123が接続されており、モアデッキ121と集草容器123とは、ダクト122を介して連通されている。このダクト122は、石等の衝突による破損を避けるために板金製とされる。モアデッキ121の上方には、PTOクラッチ124が設けられており、PTOクラッチ124の出力側には、ブレード入力軸120aが下方に突出されブレード120が連結される。PTOクラッチ124の入力側には、第二入力プーリ120bが固設されている。
なお、詳しくは後述するが、図3に示すように、前車軸駆動装置107の前車軸ハウジング108内には、前車軸109・109を別々に駆動するための前油圧モータ129、130が内装されており、後車軸駆動装置112の後車軸ハウジング113内には、後車軸114・114を駆動するための後油圧モータ131が内装されている。そして、油圧ポンプ117及び前油圧モータ129、130、後油圧モータ131により、油圧式無段変速装置(以下、「HST」という。)が構成されている。HSTは、油圧ポンプ1個に対して油圧モータ1個で構成するのが通例であるが、本実施例のHSTでは油圧四輪駆動を構成するために少なくとも、もうひとつの油圧モータを採用している。このため、負荷が大きく、HST内を循環する作動油の油温上昇が激しいが、オイルクーラを備えればHSTの作動効率低下を大幅に抑制できる。そこで、前記ダクト122の上面には、HST内を循環する作動油を冷却するためのオイルクーラ170が配設されている。
そして、エンジン出力軸116aの第一出力プーリ116bと、ポンプ入力軸117aの第一入力プーリ117bとには、第一ベルト126が巻回されている。シュラウド118の前面には、第一ベルト126が挿通される開口部118aが形成されている。また、エンジン出力軸116aの第二出力プーリ116cと、ブレード入力軸120aの第二入力プーリ120bとには、第二ベルト127が巻回されている。
このような構成により、エンジン116からの動力は、エンジン出力軸116a、第二出力プーリ116c、第二ベルト127、第二入力プーリ120bを経て、ブレード入力軸120aに伝達され、PTOクラッチ124を介して、ブレード120・120が動力を入断自在に回転駆動される。ブレード120・120は互いに、モアトラクタ101の機体内方に回転駆動され、ダクト122の内部には、刈芝を搬送するための空気流(図1及び図2に示す矢印方向)が発生する。また、エンジン116からの動力は、エンジン出力軸116a、第一出力プーリ116b、第一ベルト126、第一入力プーリ117bを経て、ポンプ入力軸117aに伝達され、油圧ポンプ117が駆動される。
また、エンジン116からの動力がポンプ入力軸117aに伝達され、油圧ポンプ117が駆動されるのに伴い、ファン125が回転駆動される。前述のように、油圧ポンプ117は、上下面が開放された筒状部材であるシュラウド118によって囲繞されている。これにより、エンジン116の稼動中はファン125が回転駆動されることにより、シュラウド118の上面から外気が導入され、下面に抜ける空気の流れを確保することができるため、油圧ポンプ117の冷却効率が向上され、その結果としてHST内を循環する作動油の温度低下が図れる。
また、図1及び図7に示すように、リアカバー105の側面(右側面)には、通風口となるスリット164が形成されており、また、リアカバー105の内側であって、オイルクーラ170、リザーバタンク144等の近傍には、送風手段となる電動ファン165が取り付けられている(図7参照)。これにより、電動ファン165が回転駆動されることにより、スリット164から外気が導入され、空気の流れ(図7に示す矢印方向)が発生するため、オイルクーラ170、リザーバタンク144の冷却効率が向上され、その結果としてHST内を循環する作動油の温度低下が図れる。
次に、HSTの油圧回路について説明する。図3に示すように、HSTの油圧回路は、ハウジング128に、ポート128a、128bが設けられており、前車軸駆動装置107の前車軸ハウジング108に、ポート108a、108bが設けられており、後車軸駆動装置112の後車軸ハウジング113に、ポート113a、113bが設けられている。そして、ポート128aとポート113aとの間には、油圧パイプ132が介設されており、ポート113bとポート108aとの間には、油圧パイプ133が介設されており、ポート128bとポート108bとの間には、油圧パイプ134が介設されている。
ハウジング128内には、油圧ポンプ117が内装されており、油圧ポンプ117とポート128aとの間には、油路135が介設されており、油圧ポンプ117とポート128bとの間には、油路136が介設されている。
前車軸駆動装置107の前車軸ハウジング108内には、前車軸109・109を別々に駆動するための前油圧モータ129、130が内装されており、前油圧モータ129は、固定容積型の油圧モータ、前油圧モータ130は、可変容積型の油圧モータとされている。そして、ポート108aからは、前油圧モータ129、130に向けて油路137が延設され、ポート108bからは、前油圧モータ129、130に向けて油路138が延設されている。油路137は、油路137a、137bに分岐され、油路137aは、前油圧モータ129に接続され、油路137bは、前油圧モータ130に接続されている。油路138は、油路138a、138bに分岐され、油路138aは、前油圧モータ129に接続され、油路138bは、前油圧モータ130に接続されている。
後車軸駆動装置112の後車軸ハウジング113内には、後車軸114・114を駆動するための後油圧モータ131が内装されており、後油圧モータ131とポート113aとの間には、油路139が介設されており、後油圧モータ131とポート113bとの間には、油路140が介設されている。
HSTの油圧回路は、後車軸駆動装置112の後油圧モータ131と、前車軸駆動装置107の前油圧モータ129、130とが、油圧ポンプ117に対して互いに直列状に接続されている。また、前車軸駆動装置107の前油圧モータ129、130は、油圧ポンプ117に対して互いに並列状に接続されており、運転状態(操舵)や地面からの負荷条件等に応じて差動される。
このような構成により、モアトラクタ101の前進時には、油圧ポンプ117より吐出された圧油は、油路135、ポート128a、油圧パイプ132、ポート113a、油路139、後油圧モータ131、油路140、ポート113b、油圧パイプ133、ポート108a、油路137(油路137a、137b)、前油圧モータ129、130、油路138(油路138a、138b)、ポート108b、油圧パイプ134、ポート128b、油路136を経て、油圧ポンプ117に戻る。即ち、モアトラクタ101の前進時には、油圧ポンプ117からの圧油は、後車軸駆動装置112の後油圧モータ131に供給された後に、前車軸駆動装置107の前油圧モータ129、130に供給され油圧四輪駆動となる。
一方、モアトラクタ101の後進時には、前進時とは逆のルートで圧油がHSTの油圧回路を循環される。即ち、モアトラクタ101の後進時には、油圧ポンプ117からの圧油は、前車軸駆動装置107の前油圧モータ129、130に供給された後に、後車軸駆動装置112の後油圧モータ131に供給される。
また、ハウジング128、前車軸駆動装置107の前車軸ハウジング108及び後車軸駆動装置112の後車軸ハウジング113の内部は、油溜まりとされており、油溜まり内で温度変化に伴う膨張・収縮した油の体積変化をリザーバタンク144にて吸収するように構成されている。具体的には、ハウジング128には、ドレンポート128cが設けられており、前車軸ハウジング108には、ドレンポート108cが設けられており、後車軸ハウジング113には、ドレンポート113cが設けられている。そして、リザーバタンク144と、ドレンポート108c、ドレンポート113c、ドレンポート128cとの間には、それぞれドレンパイプ141、ドレンパイプ142、ドレンパイプ143が介設されている。
そして、ハウジング128内には、HSTの油圧回路から漏れ出した油を補充するためのチャージポンプ145が内装されている。チャージポンプ145は、油圧ポンプ117のポンプ入力軸117aに接続されており、油圧ポンプ117とともに駆動される。また、ハウジング128には、ポート128d、128e、128fが設けられており、ポート128dとリザーバタンク144との間には、油圧パイプ146が介設されており、油圧パイプ146の吸入部には、オイルフィルタ153が設けられている。
また、チャージポンプ145とポート128dとの間には、吸入油路150が介設されており、チャージポンプ145とポート128eとの間には、チャージ油路151が介設されている。そして、ポート128eからは、油圧パイプ147が延設され、パワーステアリング等の外部油圧機器154に接続されており、外部油圧機器154からは、油圧パイプ148が延設され、オイルクーラ170に接続されており、オイルクーラ170からは、油圧パイプ149が延設され、ポート128fに接続されている。油圧パイプ149には、オイルフィルタ155が介設されており、ポート128fからは、チャージ油路152が延設されている。
そして、チャージ油路152は、チャージ油路152a、152bに分岐され、チャージ油路152aは、油路135に接続され、チャージ油路152bは、油路136に接続されている。チャージ油路152a、152bには、それぞれチェックバルブ156が介設されている。
このような構成により、チャージポンプ145により、リザーバタンク144からオイルフィルタ153、油圧パイプ146を介して油が吸入されて、圧油が吐出される。チャージポンプ145より吐出された圧油は、チャージ油路151、ポート128e、油圧パイプ147、パワーステアリング等の外部油圧機器154、油圧パイプ148、オイルクーラ170、油圧パイプ149(オイルフィルタ155)、ポート128fを経て、チャージ油路152に至り、チャージ油路152a(チェックバルブ156)またはチャージ油路152b(チェックバルブ156)を介して、油路135、136の内、負圧側となっている方の油路に圧油が供給される。
そして、チャージ油路152には、低圧リリーフバルブ157が介設されチャージ圧力を規定して、過剰な圧油が低圧リリーフバルブ157を介して吸込油路150に戻される。また、チャージ油路151とチャージ油路152との間には、外部油圧機器154の作動圧力を規定する高圧リリーフバルブ158が介設されており、チャージ油路151から外部油圧機器154への過剰な圧油が、高圧リリーフバルブ158を介してチャージ油路152に迂回される。
また、油路136に接続されたチャージ油路152bには、チェックバルブ156を迂回するようにオリフィス159が介設されており、モアトラクタ101の後進時に油路136の圧油がチェックバルブ156の上流側に戻される。これにより、油圧ポンプ117の可動斜板117cが後進側低速域(中立位置近傍)にあっても、油路136内の油圧は、油圧モータ129、130、131を駆動するに至らず、HSTの中立域が後進側低速域まで拡張される。
そして、チェックバルブ156・156間のチャージ油路152a、152bには、モアトラクタ101の坂道駐車時における油圧回路からの油漏れ分を補充するためのオリフィス160が接続されており、油路135、136のいずれかが負圧になった際に、ハウジング128内の油溜まりから油が吸入される。
また、油路135と油路136との間には、バイパスバルブ161が介設されており、バイパスバルブ161は、通常は閉弁されており、車両牽引時に開弁されると、油路135、136より、ハウジング128内の油溜まりに油が戻される。これにより、モアトラクタ101の牽引時に、前輪110・110、後輪115・115に対して油圧モータ129、130、131が抵抗の少ない状態で空転可能とされる。
そして、油路137には、回路外から油を導入して負圧を防止するためのチェックバルブ162が介設されており、前車軸駆動装置107において、前車軸ハウジング108の油溜まりから前進時に前油圧モータ129、130の吸入側油路に油を導入すべく、チェックバルブ162が油路137に接続されている。なお、チェックバルブ162と油路137との間には、オイルフィルタ163が介設されている。
なお、図3に示すHSTの油圧回路は、パワーステアリング等の外部油圧機器154を備えるモアトラクタに適用されるHSTの油圧回路であるが、外部油圧機器を備えないモアトラクタに適用されるHSTの油圧回路は、図4に示す構成となる。外部油圧機器を備えないモアトラクタに適用されるHSTの油圧回路(図4)は、外部油圧機器154を備えるモアトラクタに適用されるHSTの油圧回路(図3)と次の点で異なる。具体的には、図4に示すHSTの油圧回路においては、油圧パイプ148、外部油圧機器154、高圧リリーフバルブ158が介設されておらず、オイルクーラ170と油圧パイプ148とが接続されている。
次に、オイルクーラ170の放熱手段としてのダクト122について説明する。前述のように、オイルクーラ170は、ダクト122の上面に配設されている。
具体的には、図5及び図6に示すように、オイルクーラ170は、油圧パイプがダクト122の幅方向(左右方向)の一端から他端に向かって延設され、端部でU字状に屈曲されて逆方向に延設され、平面視において蛇行状に形成されている(図5(a)参照)。オイルクーラ170は、一面(底面)が平らに形成され、この一面(底面)をダクト122の外周壁面に接触させるようにして、ダクト122の上面に取り付けられている。
そして、オイルクーラ170は、上流側端部170aと油圧パイプ148(147)とが接続され、下流側端部170bと油圧パイプ149とが接続されている(図3、図4、び図5参照)。即ち、チャージポンプ145より吐出された圧油は、油圧パイプ148(147)から上流側端部170aに導入され、オイルクーラ170の油圧パイプ内を通過して、下流側端部170bから油圧パイプ149に導出される(図5に示す矢印方向)。
ここで、ダクト122の表面積は、オイルクーラ170単体での放熱面積に比べて非常に大きく、オイルクーラ170の放熱部を接触させることでダクト122からも積極的な放熱を図ることができる。また、前述のように、ダクト122の内部には、ブレード120・120の回転駆動に伴い、刈芝を搬送するための空気流(図1及び図2に示す矢印方向)が発生しているため、ダクト122自体が強制冷却されている。
このような構成により、オイルクーラ170をダクト122の外周壁の上面に取り付けて、ダクト122に接触させることにより、オイルクーラ170の熱がダクト122を介して放熱され、オイルクーラ170の冷却効率が向上されるとともに、オイルクーラ170は、ダクト122の外側でかつ上面に設置しているから、走行作業中に巻き上げられる塵埃や刈芝等がオイルクーラ170にかかり難い。
次に、第二実施例のモアトラクタ201について説明する。なお、図8から図11に示した第一実施例と同一符号の部材は、第一実施例と略同一の構成であるため、詳細な説明は省略する。
図8に示すように、モアデッキ121の後部には、モア219で刈り取られた刈芝が搬送されるダクト222の前部を構成するオイルクーラ270が接続されており、オイルクーラ270の後部には、ダクト222の後部を構成する後部ダクト222aが接続されており、後部ダクト222aの後部には、ダクト222により搬送された刈芝が集草される集草容器123が接続されており、モアデッキ121と集草容器123とは、オイルクーラ270及びダクト222を介して連通されている。
オイルクーラ270は、油圧パイプ271と、筒部材272とを備えてなり、図10及び図11に示すようように、オイルクーラ270は、油圧パイプ271が筒部材272の外周壁に接触させるように巻回して取り付けられている。具体的には、図10及び図11に示すように、オイルクーラ270は、油圧パイプ271が筒部材272の幅方向(左右方向)の一端から他端に向かって延設され、端部でU字状に屈曲されて逆方向に延設され、平面視において蛇行状に形成されており、油圧パイプ271は、筒部材272の外周壁(平面、右側面、底面、左側面)に巻回されている。
そして、ダクト222は、ダクト222の前部を構成するオイルクーラ270と、後部を構成する後部ダクト222aとからなり、モアデッキ121の後部にオイルクーラ270の筒部材272が接続されており、筒部材272の後部に後部ダクト222aが着脱可能に設けられている。具体的には、図8及び図9に示すように、筒部材272の前部の径は、モアデッキ121の後部の径よりも若干大きく形成されてモアデッキ121の後部に筒部材272の前部が嵌合されて接続されており、筒部材272の後部の径は、後部ダクト222aの前部の径よりも若干小さく形成されて、筒部材272の後部に後部ダクト222aの前部が嵌合されて着脱可能とされている。
また、オイルクーラ270は、上流側端部270aと油圧パイプ148(147)とが接続され、下流側端部270bと油圧パイプ149とが接続されている(図3、図4、図10参照)。即ち、チャージポンプ145より吐出された圧油は、油圧パイプ148(147)から上流側端部270aに導入され、オイルクーラ270の油圧パイプ271内を通過して、下流側端部270bから油圧パイプ149に導出される(図10に示す矢印方向)。
ここで、後部ダクト222aの表面積は、オイルクーラ270単体での放熱面積に比べて非常に大きく、オイルクーラ270の放熱部を接触させることで後部ダクト222aからも積極的な放熱を図ることができる。また、前述のように、後部ダクト222aの内部には、ブレード120・120の回転駆動に伴い、刈芝を搬送するための空気流(図8及び図9に示す矢印方向)が発生しているため、後部ダクト222a自体が強制冷却されている。
このような構成により、オイルクーラ270の油圧パイプ271を筒部材272の外周壁に巻回して取り付けて、筒部材272を後部ダクト222aに接続させることにより、オイルクーラ270と後部ダクト222aとの接触面積(油圧パイプ271と後部ダクト222aに接続されている筒部材272との接触面積)が増加されるため、さらにオイルクーラ270の熱が後部ダクト222aを介して放熱され、オイルクーラ270の冷却効率が向上される。また、オイルクーラ270をダクト222の一部(前部)とすることにより、オイルクーラ270の冷却効率が向上されるとともに、後部ダクト222aを取り外すことにより、ダクト222内の刈芝の除去作業等のメンテナンスが容易である。
なお、実施の形態は上記に限定されるものではなく、例えば次のように変更してもよい。
モアトラクタ101(201)は、集草容器123を備えるものであるが、集草容器123を備えるものに限定するものではない。
また、オイルクーラ170をダクト122の外周壁に取り付けるものであるが、オイルクーラ170以外の機器、例えば、油圧パイプ、リザーバタンク144等を、ダクト122に取り付ける構成も可能である。これにより、油圧パイプ、リザーバタンク144等の熱がダクト122を介して放熱され、油圧パイプ、リザーバタンク144等の冷却効率が向上される。
また、オイルクーラ170は、一面(底面)が平らに形成され、この一面(底面)をダクト122に接触させるようにして、ダクト122の上面に取り付けるものであるが、ダクト122の外周壁にオイルクーラ170が嵌合する凹部を形成し、この凹部にオイルクーラ170を配設する構成も可能である。
また、オイルクーラ170は、ダクト122の上面に取り付けられているものであるが、ダクト122の上面以外の外周壁に取り付ける構成も可能である。
また、オイルクーラ170(270)の油圧パイプは、蛇行状に形成されているものであるが、蛇行状に限定するものではない。
また、オイルクーラ270は、油圧パイプ271が筒部材272に巻回されているものであるが、油圧パイプ271をダクト222の外周壁に直接巻回して取り付ける構成(換言すると、ダクト122にオイルクーラ170の油圧パイプを巻回して取り付ける構成)も可能である。
また、オイルクーラ270は、筒部材272の後部の径が、ダクト222の前部の径よりも若干小さく形成されて、筒部材272の後部にダクト222の前部が嵌合されて着脱可能とされているが、反対に、筒部材272の後部の径が、ダクト222の前部の径よりも若干大きく形成されて、筒部材272の後部にダクト222の前部が嵌合されて着脱可能とされる構成も可能である。また、筒部材272とダクト222との接続は、嵌合によるものに限定するものではない。