JP5103450B2 - Ledユニット及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、LED実装基板がインサート成形されてなるLEDユニット及びその製造方法に関するものであり、詳しくは、基板に光源となるLEDが実装されてなるLED実装基板をインサート成形により樹脂封止したLEDユニット及びその製造方法に関する。
電子部品あるいは回路部品等の各種部品を実装した基板(部品実装基板)を水、湿気や塵埃等の周囲環境や機械的摩擦から保護する方法として、部品実装基板を樹脂封止して部品実装基板全体を樹脂で覆う方法がある。その具体的な方法としては、量産に対する生産性を考慮してインサート成形により行われる場合が多い。
その一例として、以下のような成形用金型を用いたインサート射出成形方法が提案されている。それは図13(a)のように、上側金型60と下側金型61により水平分割されるキャビティ62が形成され、上側金型60及び下側金型61の夫々にはキャビティ62の鉛直上方向に出入りする複数本の上側保持ピン63及び下側保持ピン64が設けられている。
そして、このような構成のインサート射出成形用金型において、キャビティ62内に突出した上側保持ピン63と下側保持ピン64の保持圧力で電子基板65をキャビティ62内の中央部に保持し、型締めされたキャビティ62内に一次射出による溶融樹脂66aを充填する。
溶融樹脂66aがある程度固化した状態で上側保持ピン63及び下側保持ピン64をキャビティ62内から後退させ、図13(b)のように、上側保持ピン63及び下側保持ピン64の後退後に残ったピン跡の空間63a、64aに二次射出による溶融樹脂66bを充填して空間63a、64aを埋め、硬化させる。
型開き後、金型から取り出した成形品は図13(c)のような、全周が成形樹脂66a、66bで被覆されてなる電子基板65が得られる(例えば、特許文献1参照。)。
また、引用文献2に従来技術として説明されているように、上金型70と下金型71により形成されたキャビティ72内に下金型71の底面から突出する下金型端子保持部73を有し、電気回路部と外部接続端子部を備えた金属端子材74を下金型端子保持部73で保持した状態でキャビティ72内に溶融樹脂75を充填して硬化させる(図14(a)参照)。
型開き後、金型から取り出した成形品は図14(b)のような、下金型端子保持部を引き抜いた跡の孔76を通して金属端子材74が露出した状態のインサート樹脂成形回路基板が得られる。
従って、露出した金属端子材の絶縁を確保するためには、例えばインサート成形工程の前に絶縁処理工程を設けて予め金属端子材に絶縁処理を施しておく必要がある(例えば、特許文献2参照。)。
特開2004−58442号公報 特開2000−25069号公報
ところで、上記前者のインサート射出成形により電子基板を樹脂封止する方向は、一次射出成形と二次射出成形の2回の成形工程が必要であり、それに伴い樹脂の充填工程及び硬化工程に費やされる時間が長くなって生産効率の低下を招くことになる。
また、後者のインサート樹脂成形回路基板の製造方法は、金属端子材に絶縁処理を施すにあたって、絶縁処理装置が必要であると共に絶縁処理に費やす時間が必要となり、設備費の高騰と生産効率の低下を招くことになる。
そこで、本発明は上記問題に鑑みて創案なされたもので、その目的とするところは、基板にLEDを実装したLED実装基板が樹脂封止されてなるLEDユニットを生産効率よく且つ安価に製造する方法及びそれによって製造された信頼性の高いLEDユニットを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載された発明は、基板上にLEDが実装されると共に同様に基板上に配置された保護カバーが前記LEDを覆うように密閉し、前記基板の前記LEDが実装された側と反対側の面に接着剤付き樹脂フィルムからなる保護シートが貼着してなるLED実装基板のほぼ全体を封止樹脂で覆ったLEDユニットであって、前記LEDユニットは前記基板の前記LEDが実装された側の前記封止樹脂に該封止樹脂を貫通し前記保護カバーの、前記LEDの前方に位置する領域を底面とする凹部が形成され、且つ前記基板の前記LEDが実装された側と反対側の前記封止樹脂に該封止樹脂を貫通し前記保護シートを底面とする孔部が形成されていることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項2に記載された発明は、請求項1において、前記保護シートは前記基板の略全面に貼着されていることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項3に記載された発明は、請求項1または請求項2のいずれか1項において、前記樹脂フィルムはポリエステル又は塩化ビニールのいずれかからなることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項4に記載された発明は、基板上にLEDを実装すると共に前記LEDを覆って密閉するように前記基板上に保護カバーを配置し、前記基板の前記LEDが実装された側と反対側の面に接着剤付き樹脂フィルムからなる保護シートを貼着してLED実装基板を作製する第1の工程と、前記LED実装基板を下金型と上金型により形成されたキャビティ内にセットする第2の工程と、前記キャビティ内に成形樹脂を注入して前記LED実装基板をインサート成形する第3の工程と、前記下金型と上金型から成形品を取り出す第4の工程とを有し、前記第2の工程は、前記基板に貼着された保護シートに前記下金型から前記キャビティ内に突出した基板保持部の先端が当接し、且つ前記基板に配置された前記保護カバーに前記上金型から前記キャビティ内に突出する保護カバー保持部の上面が当接することによって、前記LED実装基板が前記キヤビティ内に固定されることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項5に記載された発明は、請求項4において、前記基板保持部の先端は、前記基板の略中心となる位置、及び/又は、前記保護カバーが前記基板に接触する位置の、前記基板を挟んだ反対側の位置に位置することを特徴とするものである。
また、本発明の請求項6に記載された発明は、請求項4または請求項5のいずれか1項において、前記保護シートの大きさは前記基板保持部の先端の大きさよりも大きく、前記先端の全面が前記保護シートに当接していることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項7に記載された発明は、請求項6において、前記保護シートは前記基板の略全面に貼着されていることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項8に記載された発明は、請求項4から請求項7のいずれか1項において、前記樹脂フィルムはポリエステル又は塩化ビニールのいずれかからなることを特徴とするものである。
LED実装基板をインサート成形によって封止樹脂で覆うに当たり、基板の、LEDが実装された側と反対側の面に粘着剤付き樹脂フィルムからなる保護シートを貼着し、下金型と上金型で形成されたキャビティ内にLED実装基板をセットした際に下金型からキャビティ内に突出した基板保持部の先端が保護シートに当接するようにした。そのため、インサート成形後の成形品には、基板保持部の抜き跡によって封止樹脂に該封止樹脂を貫通し保護シートを底面とする孔部が形成される。
この保護シートは基板に対して簡単に貼着できるため作業効率が良好で生産性の向上に繋がると共に保護シートを挟んで基板と封止樹脂との接着性を高めることができる。また、孔部の底面に保護シートが位置して基板が直接外部環境に晒されるのを防止している。そのため、孔部から侵入した水、湿気や塵埃等が直接基板に付着するのが防止されてLEDユニットの信頼性の向上を図ることができる。
本発明の実施形態に係るLEDユニットの断面図である。 図1のA方向からの矢斜視図である。 図1のB方向からの矢斜視図である。 LEDユニットの製造方法を説明する製造工程図である。 LEDユニットの部分拡大図である。 LEDユニットの説明図である。 同じく、LEDユニットの説明図である。 同じく、LEDユニットの説明図である。 同じく、LEDユニットの説明図である。 同じく、LEDユニットの説明図である。 同じく、LEDユニットの説明図である。 本発明の他の実施形態に係る説明図である。 従来例の説明図である。 同じく、従来例の説明図である。
以下、この発明の好適な実施形態例を図1〜図12を参照しながら、詳細に説明する(同一部分については同じ符号を付す)。尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの実施形態に限られるものではない。
図1は本発明の実施形態に係るLEDユニット1の断面図、図2は図1のA方向からの矢斜視図、図3は図1のB方向からの矢斜視図である。LEDユニット1は基板2上にLED3が実装され、このLED3を、同様に基板2上に配置された保護カバー4で覆って密閉し、基板2のLED3が実装された側と反対側の面に保護シート6が貼着され、保護シート6を含む基板2及び保護カバー4の夫々の一部を除くほぼその全体が樹脂5で封止された構成とされている。
なお、LED3、LED3が実装された基板2、基板2上に配置されてLED3を密閉する保護カバー4及び基板2のLED3が実装された側と反対側の面に貼着された保護シート6からなる構成を、以下LED実装基板30と呼称する。
LED実装基板30を構成する基板2は、基材の主材料を樹脂としたフェノール基板、紙エポキシ基板、ガラスエポキシ基板、アルミナを主材料とするセラミック基板、AlあるいはCuを主材料とし絶縁処理が施された金属基板等が用いられ、いずれの基板も、基板の一方の面又は両面には導体パターンが形成される。特に金属基板の場合は金属面上に設けられた絶縁層を介して導体パターンが形成される。
LED3は、図示していないが、ハウジング内に発光原となるLED素子を収容し、同様にハウジング内に充填された樹脂で封止された構成とされ、所謂表面実装型LEDと称されるものである。封止樹脂は透光性樹脂に蛍光体が分散されており、LED素子の光源色とは異なる色調の光を照射するものとなっている。
例えば、LED素子を青色光を発する青色LEDとし、蛍光体を青色光に励起されて青色の補色となる黄色光に波長変換する黄色蛍光体を用いることにより、LED素子から発せられた青色光の一部が蛍光体を励起することによって波長変換された黄色光と、LED素子から発せられた青色光の一部との加法混色によって白色光を得ることができる。
あるいは、LED素子を同様に青色光を発する青色LEDとし、蛍光体を青色光に励起されて緑色光及び赤色光にそれぞれ波長変換する緑色蛍光体及び赤色蛍光体の2種類の蛍光体を混合したものを用いることにより、LED素子から発せられた青色光の一部が蛍光体を励起することによって波長変換された緑色光及び赤色光と、LED素子から発せられた青色光の一部との加法混色によって白色光をえることができる。
保護カバー4は、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリカーボネート樹脂等の透明樹脂で形成され、一端を開口4aとし底部4cの外面4dを平坦面とする筒状を呈している。
図4は上記構成のLEDユニットの製造方法を示している。以下図4の製造工程を参照して本発明の、LED実装基板のインサート成形方法を説明する。
まず、予め上述した基板2、LED3、保護カバー4及び保護シート6を準備する。そして(a)の工程において、基板2上に光源となるLED3を載置し、LED3の電極と基板2の導体パターンを半田やAgペースト等の導電性接合部材で接合してLED3を基板2上に実装すると共にLED3の電極と基板2の導体パターンの電気的接続を図る。その後、保護カバー4をLED3に覆い被せるように基板2上に載置し、保護カバー4の開口端部4bを基板2に接着してLED3を収容した保護カバー4内を密閉し、基板2のLED3が実装された側と反対側の面に保護シート6を貼着してLED実装基板30を形成する。
次に、(b)の工程において、基板2の略中心位置に、LED3が実装された側と反対側の面に、粘着剤付きのポリエステルフィルムあるいは塩化ビニールフィルムからなる保護シート6を貼着する。保護シート6の貼着位置は、後工程の、下金型7にLED実装基板30をセットした状態において、LED実装基板30を保持する基板保持部7aが該LED実装基板30に当接する位置及びその近傍をカバーするような位置とする。
次に、(c)の工程において、下金型7のキャビティ部8内にLED実装基板30をセットする。この場合、キャビティ部8内にはキャビティ部8の底面から突出する基板保持部7aが基板の略中心位置に対応する位置に位置しており、基板保持部7aの先端7bが基板2に貼着された、少なくとも基板保持部7aの先端7bの大きさよりも大きい保護シート6に当接した状態でLED実装基板30が下金型7のキャビティ部8内に保持される。
次に、(d)の工程において、キャビティ部10を有する上金型9を下金型7側に移動して上下金型9、7の型締めを行う。この場合、上金型9はキャビティ部10の底面にキャビティ部10側に向かって突出する、上面9bを平坦面とする段差部からなる保護カバー保持部9aが設けられており、保護カバー保持部9aの上面9bと保護カバー4の底部4c外面4dが面接触した状態に保持されている。
つまり、LED実装基板30は下金型7の基板保持部7aと上金型9の保護カバー保持部9aによって、下金型7と上金型9で形成されるキャビティ11内に保持される。
次に、(e)の工程において、下金型7と上金型9の境界に形成されたゲートランナ12を通してキャビティ11内に不透明な成形樹脂5を注入し、冷却して固化する。
次に、(f)の工程において、上金型を下金型から分離して型開きを行い、下金型に残った成形品13をゲートランナ部14と共に下金型から取り出す。
最後に、(g)の工程において、成形品13とゲートランナ部14を切り離して、LED実装基板30がインサート成形によって樹脂5封止されてなるLEDユニット1が完成する。
上述の製造工程の説明で分かるように、上金型9と下金型7の型締め状態において、成形樹脂注入前のキャビティ11内には、上金型9の保護カバー保持部9aと下金型7の基板保持部7aによって上下方向から挟持されたLED実装基板30が位置しており、LED実装基板30の上側は保護カバー4の底部4c外面4dに面接触した上金型9の保護カバー保持部9aの上面9b、下側は基板2に当接した下金型7の基板保持部7aの先端7bで保持されている。
この状態でキャビティ11内に成形樹脂5を注入して充填すると、上面9bが保護カバー4の底部4c外面4dと面接触する、上金型9の保護カバー保持部9a、及び、先端7bが基板2と当接する、下金型7の基板保持部7aには成形樹脂が供給されない。
そのため、インサート成形後のLEDユニットは図1〜図3に示すように、LED実装基板30を封止する成形樹脂5に、上金型9の保護カバー保持部9a及び下金型7の基板保持部7aの夫々の抜き跡による2箇所の抜孔15、16が形成され、抜孔15を通して保護カバー4の底部4c外面4dが外部に露出すると共に抜孔16を通して基板2に貼着された、粘着剤6a付き樹脂フィルム6bからなる保護シート6が外部に露出した状態となっている(図5参照)。
そのうち、抜孔15を通して外部に露出した保護カバー4の底部4c外面4dは、LED3から発せられた光の外部に対する光出射面として機能し、抜孔16を通して外部に露出した保護シート6は、抜孔16から侵入した水、湿気や塵埃等が直接基板2に付着するのを防止する機能を果たす。
そのために、インサート成形前に基板の露出面となる領域に予め保護シートを貼着して、基板が直接外部環境に晒されることがないように対策を施すものである。
上記構成のLEDユニット1は、LED3から発せられた光は、保護カバー4内を伝搬されて保護カバー4の底部4cの外面4dの、封止樹脂5で覆われることなく外部に露出している領域を透過し、封止樹脂5の抜孔15を通って外部に照射される。
ところで、インサート成形されたLED実装基板の露出部を外部環境から保護する手法は、上記実施形態にあるように保護シートの貼着による方法以外に、上記背景技術で紹介したように露出部に通じる空間(抜孔)を更に樹脂で埋める方法、あるいは露出部に通じる空間(抜孔)を通じて露出面に絶縁処理を施す方法等が挙げられる。
しかしながら、本発明の保護シートを貼着する方法が、簡単でありながら確実な保護機能が得られるために廉価な製造コストで且つ高い生産効率が実現できるのに対し、背景技術で紹介した方法のうち、露出部に通じる空間(抜孔)を更に樹脂で埋める方法は、2回の成形工程が必要であり、それに伴い樹脂の充填工程及び硬化工程に費やされる時間が長くなって生産効率の低下を招くことになり、露出部に通じる空間(抜孔)を通じて露出面に絶縁処理を施す方法は、絶縁処理装置が必要であると共に絶縁処理に費やす時間が必要となり、設備費の高騰と生産効率の低下を招くことになる。
従って、本発明のLEDユニットの製造方法は、製造コスト及び生産効率の面から他の方法よりも優れた効果を奏するものである。
なお、上述の実施形態においては、下金型に設ける基板保持部を基板の略中心位置に対応する1箇所としたが、必ずしもこれに限られるものではなく、複数箇所設けてもかまわない。但しその場合は、LED実装基板を均等に保持するために、基板保持部を基板の略中心を中心とする円上の一定間隔の位置に設けることが好ましい。且つ、LED実装基板の保持時(型締め時)に基板の両面から同一位置に力が加わるように、基板保持部を保護カバーの開口端部に対応する位置に設けることが好ましい。基板保持部を複数箇所設ける場合は基板の略中心部には基板保持部を設けても設けなくてもよい。
同時に、基板に貼着する保護シートは、各基板保持部に対応する位置に夫々独立して貼着する場合と、全ての基板保持部をカバーするような1枚の保護シートを貼着する場合が可能である。
図6〜図10は、下金型における基板保持部の配置及びLED実装基板に対する保護シートの貼着位置の具体例を示している。
図6の例は、型締め時において、下金型の、LED実装基板の略中心に対応する位置となる1箇所に基板保持部を設けることにより、LEDユニット1を基板2の略中心の位置に形成された抜孔16に対応する位置に保護シート6を貼着した構成としたものである。
図7及び図8の例は、型締め時において、下金型の、LED実装基板の略中心に対応する位置を中心Oとする円上の一定間隔aの位置で且つ保護カバーの開口端部に対応する位置となる2箇所に基板保持部を設け、そのうち図7のLEDユニット1は該LEDユニット1を基板の略中心に対応する位置を中心Oとする円上の一定間隔aの位置に形成された2箇所の抜孔16に対応する位置に夫々独立して保護シート6を貼着した構成とし、図8のLEDユニット1は該LEDユニット1を2箇所の抜孔16に対応するような1枚の保護シート6を貼着した構成としたものである。
図9及び図10の例は、型締め時において、下金型の、LED実装基板の略中心に対応する位置を中心Oとする円上の一定間隔bの位置で且つ保護カバーの開口端部に対応する位置となる3箇所に基板保持部を設け、そのうち図9のLEDユニット1は該LEDユニット1を基板の略中心に対応する位置を中心Oとする円上の一定間隔bの位置に形成された3箇所の抜孔16に対応する位置に夫々独立して保護シート6を貼着した構成とし、図10のLEDユニット1は該LEDユニット1を3箇所の抜孔16に対応するような1枚の保護シート6を貼着した構成としたものである。
なお、保護シートは上述の外部環境の影響を防止する機能の他に、基板と封止樹脂(成形樹脂)との接着性を高める機能も有している。つまり、基板と封止樹脂との接着性が低い場合、基板と封止樹脂との間に保護シートを挟むことにより、基板と保護シートとの間、及び保護シートと封止樹脂との間の高い接着性によって、保護シートを介した基板と封止樹脂との接着性を高めることが可能となる。
従って、保護シートに基板と封止樹脂との間の高い接着性を求める場合は、図11のように、基板2の抜孔16以外の領域にも広く保護シート6を貼着する必要がある。そのためには、下金型に設けられている基板保持部の箇所数にかかわらず基板の広範囲の領域に保護シートを貼着することが有効となる。このことは、貼着する保護シートが1枚で目的を達することになり、そのことによって保護シートを貼着する手間が削減されて生産性の向上に繋がる。
また、接着剤付き樹脂フィルムからなる保護シートは、上金型と下金型の型締め時に下金型の基板保持部によって樹脂フィルム及び接着剤に破損が生じても、基板保持部の外周部の接着剤が水分の浸入を防止することができる。
なお、保護シートは必ずしも上述した粘着剤付きフィルムの構成に限られるものではなく、粘着剤を塗布しないフィルムのみのものも使用可能である。その場合、保護シートは基板に対する接着性がないため、図12のように、基板2の複数箇所に保護シート17の仮固定用の係止孔2aを設ける共に保護シート17に前記基板2の保護シート仮固定用係止孔2aに挿入するような形状からなる係止部17aを設ける。
そして、基板2の係止孔2aに保護シート17の係止部17aを挿入することによって基板2に保護シート17を仮固定し、これを下金型7のキャビティ部8内にセットした後、キャビティ部10を有する上金型9とで型締めを行いキャビティ11内に成形樹脂5を充填してインサート成形を行う。
保護シートを構成する、粘着剤を塗布しないフィルムは粘着剤付きフィルムと同種のものが使用可能であり、ポリエステルフィルムあるいは塩化ビニールフィルムが用いられる。粘着剤を塗布しないフィルムは基板との接着性は低いが、基板に対する仮固定作業が簡単であるため作業効率の向上が期待できる。
1 LEDユニット
2 基板
2a 係止孔
3 LED
4 保護カバー
4a 開口
4b 開口端部
4c 底部
4d 外面
5 樹脂
6 保護シート
7 下金型
7a 基板保持部
7b 先端
8 キャビティ部
9 上金型
9a 保護カバー保持部
9b 上面
10 キャビティ部
11 キャビティ
12 ゲートランナ
13 成形品
14 ゲートランナ部
15 抜穴
16 抜穴
17 保護シート
17a 係止部
30 LED実装基板

Claims (8)

  1. 基板上にLEDが実装されると共に同様に基板上に配置された保護カバーが前記LEDを覆うように密閉し、前記基板の前記LEDが実装された側と反対側の面に接着剤付き樹脂フィルムからなる保護シートが貼着してなるLED実装基板のほぼ全体を封止樹脂で覆ったLEDユニットであって、
    前記LEDユニットは前記基板の前記LEDが実装された側の前記封止樹脂に該封止樹脂を貫通し前記保護カバーの、前記LEDの前方に位置する領域を底面とする凹部が形成され、且つ前記基板の前記LEDが実装された側と反対側の前記封止樹脂に該封止樹脂を貫通し前記保護シートを底面とする孔部が形成されていることを特徴とするLEDユニット。
  2. 前記保護シートは前記基板の略全面に貼着されていることを特徴とする請求項1に記載のLEDユニット。
  3. 前記樹脂フィルムはポリエステル又は塩化ビニールのいずれかからなることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載のLEDユニット。
  4. 基板上にLEDを実装すると共に前記LEDを覆って密閉するように前記基板上に保護カバーを配置し、前記基板の前記LEDが実装された側と反対側の面に接着剤付き樹脂フィルムからなる保護シートを貼着してLED実装基板を作製する第1の工程と、
    前記LED実装基板を下金型と上金型により形成されたキャビティ内にセットする第2の工程と、
    前記キャビティ内に成形樹脂を注入して前記LED実装基板をインサート成形する第3の工程と、
    前記下金型と上金型から成形品を取り出す第4の工程とを有し、
    前記第2の工程は、前記基板に貼着された保護シートに前記下金型から前記キャビティ内に突出した基板保持部の先端が当接し、且つ前記基板に配置された前記保護カバーに前記上金型から前記キャビティ内に突出する保護カバー保持部の上面が当接することによって、前記LED実装基板が前記キヤビティ内に固定されることを特徴とするLEDユニットの製造方法。
  5. 前記基板保持部の先端は、前記基板の略中心となる位置、及び/又は、前記保護カバーが前記基板に接触する位置の、前記基板を挟んだ反対側の位置に位置することを特徴とする請求項4に記載のLEDユニットの製造方法。
  6. 前記保護シートの大きさは前記基板保持部の先端の大きさよりも大きく、前記先端の全面が前記保護シートに当接していることを特徴とする請求項4または請求項5のいずれか1項に記載のLEDユニットの製造方法。
  7. 前記保護シートは前記基板の略全面に貼着されていることを特徴とする請求項6に記載のLEDユニットの製造方法。
  8. 前記樹脂フィルムはポリエステル又は塩化ビニールのいずれかからなることを特徴とする請求項4から請求項7のいずれか1項に記載のLEDユニットの製造方法。
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