JP2001217464A - 発光表示装置およびその製法 - Google Patents

発光表示装置およびその製法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 絶縁基板を用いて表面実装型の発光表示装置
としながら、回路基板などにハンダ付けするための電極
端子部に樹脂などが付着しにくい構造の発光表示装置お
よびその製法を提供する。 【解決手段】 たとえば数字の各セグメントなどの表示
画像の一部をそれぞれ構成する複数の発光部を形成し得
るように配線パターン11が形成された基板1上に、前
記複数の発光部をそれぞれ区画し、その複数の発光部上
が導光部32となり、隣接する発光部間で相互に遮光す
るように、遮光壁部3が基板1と接着して設けられてい
る。そして、その導光部32内のそれぞれの配線パター
ン11上にLEDチップ2がボンディングされている。
この導光部32内および遮光壁3の外周部に透光性樹脂
パッケージ4が、たとえばトランスファモールドによる
一体成形により形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば自動販売
機の金額表示などに用いられる、LEDチップなどの発
光素子を用いて、7セグメントやドットマトリクス構造
の数字や文字などのキャラクタを表示する発光表示装置
およびその製法に関する。さらに詳しくは、表面実装を
することができるように、電極端子が形成された基板に
発光部を形成しながら、回路基板などとハンダ付けする
電極端子に樹脂などが付着せず実装しやすい構造の発光
表示装置およびその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の7セグメント構造の発光表示装置
は、たとえば図3に示されるような構造になっている。
すなわち、ケース3に7セグメントを構成する導光部が
形成され、各セグメントごとに図示しない発光素子(以
下、LEDチップという)がリードにダイボンディング
およびワイヤボンディングされてその導光部内に透光性
樹脂4が充填されることにより形成されている。LED
チップは、陽極と陰極とを有し、各セグメントごとに2
本のリードが必要となるが、陽極か陰極の一方のリード
は、各セグメントで共通にすることができ、1桁の数字
に対してリードとしては8〜10本で形成され(小数点
の表示用もある)、たとえば数字の横側から導出されて
いる。
【0003】この数字などを表示する発光表示装置は、
同じものを横に数個並べて桁数の多い表示がなされる。
そのため、横には隙間なく並べる必要があり、前述の横
方向に導出されているリードの先端を外側に折り曲げ
る、いわゆるガルウィング形状にして表面実装をするこ
とができない。そのため、この種の発光表示装置は、図
3に示されるように、各リードがストレートに延ばさ
れ、回路基板などに設けられるスルーホールに差し込ん
でハンダ付けすることにより、電気的接続と固定がなさ
れるリードディップ形状になっている。この際、ケース
3の4隅に脚部31が設けられ、高さの位置決めがなさ
れている。そのため、自動機による自動装着とリフロー
ハンダによる実装をすることができず、組立工数がかか
る。
【0004】一方、表面実装をすることができるタイプ
として、たとえば特開平11−135839号公報に示
されるように、リードフレームを使用しないで、絶縁基
板上にLEDチップを搭載する構造が開示されている。
すなわち、図4にその斜視図および断面図が示されるよ
うに、複数のLEDチップ62が搭載された絶縁基板6
1と表面に表示パターン(セグメントなどの表示画像の
一部をそれぞれ構成する部分)を有する表示板63とが
透光性で熱硬化性の充填樹脂64を用いて接着されるこ
とにより形成されている。なお、図4において、65は
電極端子部でスルーホールの内面に金メッキなどの導電
体パターン66が形成されている。また、67は、前述
の透光性樹脂が表示板63の外面を覆うように形成され
た被覆体であり、68は、絶縁基板61に設けられたス
ルーホールで、その一部に透光性の充填樹脂64が流れ
込んでいる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述のような絶縁基板
を用いた面実装型の発光表示装置では、電極端子部65
に樹脂などが付着しないで清浄になっていないと、回路
基板などへのリフローなどによるハンダ付けの信頼性が
得られない。しかし、図4に示されるような構造では、
絶縁基板61と表示板63とを液状の透光性樹脂64を
用いて接着する構造になっており、その樹脂が導電体パ
ターンの間隙を通って流れ出し、電極端子部65にも流
れて付着するという問題がある。このような液状樹脂を
充填して表示板63を接着しながら、被覆体67を形成
する構造では、樹脂が染み出しやすく、その樹脂をいか
に電極端子部に付着させなくするかが課題となってい
る。
【0006】本発明は、このような問題を解決するため
になされたもので、絶縁基板を用いて表面実装型の発光
表示装置としながら、回路基板などにハンダ付けするた
めの電極端子部に樹脂などが付着しにくい構造の発光表
示装置およびその製法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による発光表示装
置は、表示画像の一部をそれぞれ構成する複数の発光部
を形成し得るように配線パターンが形成された基板と、
前記複数の発光部をそれぞれ区画し、該複数の発光部上
が導光部となり、隣接する発光部間で相互に遮光するよ
うに、前記基板上に接着して設けられる遮光壁と、該導
光部内のそれぞれの前記配線パターン上にボンディング
される発光素子と、前記導光部内および前記遮光壁の外
周に一体成形される透光性樹脂パッケージとからなって
いる。
【0008】ここに表示画像とは、数字や文字、キャラ
クタなどの表示状態を変化させ得る画像を意味し、表示
画像の一部とは、たとえば数字を7セグメントにより表
示する場合の1セグメントなどを意味する。
【0009】この構造にすることによって、パターンが
形成された絶縁基板上の各発光部を独立した導光部とす
る遮光壁が、たとえば射出成形などにより絶縁基板と接
着して設けられているため、遮光壁(反射ケース)と基
板とを樹脂により一体化する必要がなく、導光部のみに
透光性樹脂が充填されればよい。そのため、トランスフ
ァモールドやインジェクションモールドのように、金型
によりしっかりと遮光壁周囲を囲んで、たとえば透光性
の熱硬化性樹脂などにより一体に透光性樹脂パッケージ
を形成することができる。この場合、基板は金型により
しっかりと挟み込まれているため、配線パターン上に樹
脂が流れ出すことは起こり得ず、清浄な電極端子部を維
持することができる。
【0010】なお、前記透光性樹脂パッケージの表示面
側の厚さは、成形時の樹脂流れが可能で、かつ、前記各
発光部間の光の漏れが視認特性に影響のない程度の厚さ
に形成されている。
【0011】本発明による発光表示装置の製法は、
(a)表示画像の一部をそれぞれ構成する複数の発光部
を形成し得るように配線パターンを設けた基板を形成す
る工程と、(b)前記複数の発光部をそれぞれ内包し得
る導光部を設けると共に、隣接する発光部間を遮光する
遮光壁を前記基板上に形成する工程と、(c)前記導光
部内の配線パターン上に発光素子をダイボンディングお
よびワイヤボンディングする工程と、(d)透光性樹脂
を前記導光部内に充填すると共に、前記遮光壁の外周部
に被覆するように、モールド成形によりパッケージを形
成する工程、とを有することを特徴とする。
【0012】ここにモールド成形とは、たとえばトラン
スファモールドまたはインジェクションモールドのよう
に金型の空洞内に樹脂を注入して成形する方法を意味す
る。
【0013】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の発光表示装置お
よびその製法について、図面を参照しながら説明をす
る。本発明による発光表示装置は、その一実施形態の斜
視および断面の説明図が図1に示されるように、たとえ
ば数字の各セグメントなどの表示画像の一部をそれぞれ
構成する複数の発光部を形成し得るように配線パターン
11が基板1に形成されている。その基板1上に、前記
複数の発光部をそれぞれ区画し、その複数の発光部上が
導光部32となり、隣接する発光部間で相互に遮光する
ように、遮光壁3が基板1と接着して設けられている。
そして、その導光部32内のそれぞれの配線パターン1
1上に発光素子(LEDチップ)2がボンディングされ
ている。この導光部32内および遮光壁3の外周部に透
光性樹脂パッケージ4が、たとえばトランスファモール
ドによる一体成形により形成されている。
【0014】基板1は、たとえばガラスエポキシなどか
らなるプリント基板などが用いられる。耐熱性で絶縁性
があり、その表面に配線パターンを形成することができ
るものであればよい。立体的形状にする必要は余りない
が、絶縁性のプラスティック成形品に配線パターンが形
成されたMID(Molded Interconect Device)を用い
れば、配線パターンを有しながら、基板の形状を立体的
に自由な形状にすることができる。
【0015】配線パターン11は、印刷法、または蒸着
とパターニングによる方法などを用いて、たとえばリー
ドフレームにより製造する場合のリードフレームの形状
と同様のパターンに形成され、表示画像の一部である、
たとえば7セグメントの各セグメントの位置に発光部が
形成されるようにパターニングされている。また、その
配線パターン11の端部は、それぞれ基板1の側面また
はスルーホールを経て基板1の裏面に導出され、電気的
に接続された電極端子12が形成されている。すなわ
ち、回路基板などに実装する場合、この電極端子12部
でハンダ付けされることにより、表面実装をすることが
できる構造になっている。この基板1の側面への導電体
膜の形成は、大きな基板の状態で形成する場合には、大
きな基板の、各表示装置の境界部にスルーホールを形成
してその内面に導電体を付着させ、その境界部で切断す
ることにより形成することもできる。
【0016】この各セグメントを構成する各発光部の周
囲に遮光壁3が形成されるように、たとえば金型で挟み
つけて、樹脂を注入する射出成形により基板1上に直接
遮光壁3を形成する。このように射出成形により形成す
ることにより、基板1上に直接接着して設けられる。し
かし、予め各発光部を囲んで、導光部が設けられるよう
に遮光壁3を形成しておき、その遮光壁3を接着剤など
により基板1上に接着する方法を用いてもよい。要は、
透光性樹脂4により基板1との接着をしなくてもよいよ
うに、基板1上に直接遮光壁部3が予め接着されておれ
ばよい。この遮光壁3は、たとえば液晶ポリマー、ポリ
カーボネート、ABSなどの耐熱性の熱可塑性樹脂によ
り形成される。そして、その表示面側には、見栄えをよ
くするため、黒色塗装が施されている。
【0017】この遮光壁3により囲まれた導光部32内
の配線パターン11上にLEDチップ2をダイボンディ
ングし、さらに他方の電極を金線21などのワイヤによ
り接続するワイヤボンディングがなされることにより、
各セグメントごとに発光部が形成されている。この発光
部の形成は、従来と同様に行われる。
【0018】この遮光壁3により形成される導光部32
内に充填されると共に、遮光壁3の周囲を樹脂が流れる
程度の厚さに被覆できるような形状の空洞が形成され
た、たとえばトランスファモールド金型の上型と下型と
により、前述のLEDチップ2がボンディングされた基
板1を挟み込み、たとえば透光性の熱硬化性エポキシ樹
脂などを、金型の空洞内に流し込んで硬化させることに
より、透光性樹脂パッケージ4が形成されている。この
透光性樹脂パッケージ4の形成は、トランスファモール
ドにより行うことが、仕上り状態と信頼性の点から好ま
しい。しかし、インジェクションモールドによっても、
同様に樹脂が漏れ出すことなく透光性樹脂パッケージ4
が形成される。この透光性樹脂は、透明である必要はな
く、LEDチップ2で発光する光を透過させればよく、
たとえば赤色発光のLEDチップ2であれば赤色の染料
が混入された樹脂でも、赤色の光を遮ることはなく、表
示しないときに外部から見ても赤色の表示装置であるこ
とがすぐ分り、好都合である。
【0019】この透光性樹脂パッケージ4は、本来導光
部32内に樹脂が充填されておればよく、遮光壁3の外
周部には設けられなくてもよいのであるが、基板1の裏
面から樹脂を流し込むことができないため、表面側およ
び側壁部に樹脂が流れる程度の最小限の厚さにパッケー
ジ4の層が形成されている。そのため、パッケージ4の
外周部の遮光壁3との肉厚はできるだけ薄い方が好まし
く、とくに表面側の樹脂層が厚すぎると、各セグメント
を構成する導光部32間でパッケージ4の表面層を介し
て光の漏れが発生し、表示特性が低下するので、たとえ
ば0.5mm程度以下に形成されることが好ましい。
【0020】この発光表示装置を製造するには、図2
(a)に示されるように、まず、たとえばプリント基板
1などに、7セグメントのそれぞれを構成する複数の発
光部を形成し得るように配線パターン11、およびその
端部を基板1の裏面に導出させ電極端子12を形成する
ことにより、配線パターン11が形成された基板1を準
備する。つぎに、図2(b)に示されるように、たとえ
ば射出成形により、各発光部間を遮光し、各発光部上に
導光部が形成されるように遮光壁3を形成する。この遮
光壁3の表示面側には、黒色塗装を施しておく。そし
て、図2(c)に示されるように、各導光部32内の配
線パターン11上にLEDチップ2をダイボンディング
し、さらに金線21などによりワイヤボンディングをす
る。
【0021】つぎに、LEDチップ2がボンディングさ
れた基板1を、あらかじめ透光性樹脂パッケージ4の形
状に空洞が形成されたトランスファモールド金型にセッ
ティングして、透光性のエポキシ樹脂などを金型の空洞
内に注入し、硬化させることにより、図1に示されるよ
うに、導光部32内に透光性樹脂が充填されると共に、
遮光壁3の周囲にも透光性樹脂により被覆されたパッケ
ージ4が形成される。
【0022】本発明の発光表示装置によれば、絶縁性の
基板を用い、その基板に設けられた電極端子により回路
基板などに表面実装することができる構造でありなが
ら、各セグメントなどの発光部を区画する遮光壁は、予
め基板と接着されているため、トランスファモールドや
インジェクションモールドにより2次モールドをするこ
とができ、導光部32に透光性樹脂を充填することがで
きる。このトランスファモールドやインジェクションモ
ールドは、金型により基板を両面から挟みつけて樹脂の
注入を行うため、樹脂が金型から漏れ出すことはなく、
電極端子12部の方に樹脂が流れ出して付着するという
ことはない。その結果、表面実装により非常に簡単にハ
ンダ付けを行うことができながら、電極端子部に樹脂が
付着して、実装時のハンダ付けの信頼性を低下させるこ
とがなく、確実にハンダ付けをすることができると共
に、非常に簡単に実装することができる。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、絶縁基板を用いて、表
面実装型の発光表示装置を構成する場合でも、表示画像
の一部を構成する発光部同士の遮光に、基板と接着した
遮光壁を用いているため、透光性樹脂により接着する必
要がなく、トランスファモールドなどによる一体成形で
導光部に透光性樹脂を充填することができる。その結
果、樹脂漏れが生ずることなく、ハンダ付けなどの信頼
性が非常に優れた、表面実装型の発光表示装置が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による発光表示装置の一実施形態を説明
する図である。
【図2】図1に示される表示装置の製造工程を示す説明
図である。
【図3】従来の発光表示装置のリードフレームを用いた
例を説明する斜視図である。
【図4】従来の発光表示装置の絶縁基板を用いた例を説
明する図である。
【符号の説明】
1 基板 2 LEDチップ 3 遮光壁 4 透光性樹脂パッケージ 12 電極端子 32 導光部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表示画像の一部をそれぞれ構成する複数
    の発光部を形成し得るように配線パターンが形成された
    基板と、前記複数の発光部をそれぞれ区画し、該複数の
    発光部上が導光部となり、隣接する発光部間で相互に遮
    光するように、前記基板上に接着して設けられる遮光壁
    と、該導光部内のそれぞれの前記配線パターン上にボン
    ディングされる発光素子と、前記導光部内および前記遮
    光壁の外周に一体成形される透光性樹脂パッケージとか
    らなる発光表示装置。
  2. 【請求項2】 (a)表示画像の一部をそれぞれ構成す
    る複数の発光部を形成し得るように配線パターンを設け
    た基板を形成する工程と、(b)前記複数の発光部をそ
    れぞれ内包し得る導光部を設けると共に、隣接する発光
    部間を遮光する遮光壁を前記基板上に形成する工程と、
    (c)前記導光部内の配線パターン上に発光素子をダイ
    ボンディングおよびワイヤボンディングする工程と、
    (d)透光性樹脂を前記導光部内に充填すると共に、前
    記遮光壁の外周部に被覆するように、モールド成形によ
    りパッケージを形成する工程、とを有することを特徴と
    する発光表示装置の製法。
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