以下、図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。まず、本実施形態に係るトナーコンテナ20が適用される画像形成装置として、プリンタ10を例に挙げて図1〜図3を基にその概要について説明する。
図1および図2は、プリンタの一実施形態を示す外観斜視図であり、図1は、装置本体11に排紙トレイ17が装着された状態、図2は、排紙トレイ17が装置本体11から取り外された状態をそれぞれ示している。なお、図1および図2において、(A)は、右後方から見た斜視図であり、(B)は、左後方から見た斜視図である。図3は、装置本体11の内部構造の一実施形態を示す左面側から見た断面視の説明図である。なお、図1〜図3において、X−X方向を左右方向、Y−Y方向を前後方向といい、特に−X方向を左方、+X方向を右方、−Y方向を前方、+Y方向を後方という。因みに、図1および図2においては、紙面の左右方向とXにより表示された左右方向とは逆になっている。
プリンタ10は、内部に後述する画像形成用の各種の部材が内装された箱形を呈する装置本体11と、この装置本体11の上面に開閉可能に付設された排紙トレイ17と、装置本体11の前面に開閉可能に付設されたカバー体19とを備えている。
排紙トレイ17は、装置本体11内で画像形成処理が施された後に排出される用紙Pを受けるものである。排紙トレイ17は、その後端の下方縁部回りに正逆回動することで、装置本体11の上面開口を閉止した閉止姿勢R1(図1に実線で図示)と、前記開口を開放した開放姿勢R2(図1に点線で図示)との間で姿勢変更することができる。排紙トレイ17は、前半分の上面が前方に向かって先下がりに形成された傾斜面を有し、カバー体19の上部後面から排出された用紙Pは、この傾斜面に誘導されつつ排紙トレイ17上に排出される。
また、排紙トレイ17は、装置本体11から取り外し可能になっている。図2に示すように、装置本体11の上面には、カバー体19の上部後端より後方の全面に亘って、開口が形成されている。この開口は、排紙トレイ17が取り外された状態で、後述のトナーコンテナ20を着脱するためのものである。前記開口より若干下方位置には、下部の画像形成部12との間を仕切る仕切板18が設けられている。トナーコンテナ20は、この仕切板18の上面に支持された状態で装置本体11に着脱自在に装着される。
カバー体19は、側面視で(+Xの方向から見て)逆L字状を呈し、その上部が装置本体11の前上角部に掛かっている。カバー体19は、その下端部が装置本体11の所定のフレームに設けられた支持軸191回りに回動可能とされ、これによって装置本体11の前面開口を閉止した閉止姿勢S1と、同開口を開放した開放姿勢S2(図3に二点鎖線で表示)との間で姿勢変更可能とされている。
カバー体19の上端部の後面には、用紙Pを排紙トレイ17上に排出するための用紙排出口192が設けられている。用紙Pは、装置本体11の前面とカバー体19の後面との間を通り、用紙排出口192から排紙トレイ17上へ排出される。
ついで、図3を基に装置本体11の内部構造について説明する。装置本体11には、コンピュータ等の外部機器から伝送された画像情報に基づき画像を形成する画像形成部12と、この画像形成部12によって形成され、用紙Pに転写されたトナー画像に定着処理を施す定着部13と、転写用の用紙を貯留する用紙貯留部14と、画像形成部12へトナーを補給するトナー補給部15とが内装されている。装置本体11の上部には、定着処理後の用紙Pが排出される、前記排紙トレイ17を備えた用紙排出部16が形成されている。
装置本体11の適所には、用紙Pの出力条件等を入力操作するための図略の操作パネルが設けられている。この操作パネルには、図略の電源キーやスタートボタン、さらには出力条件を入力するための各種のキー等が設けられている。
画像形成部12は、用紙貯留部14から給紙された用紙Pにトナー画像を形成させるものである。図3では、画像形成部12として、上流側(図3における後側)から下流側へ向けて順次配設された、マゼンタ色のトナー(現像剤)を用いるマゼンタ用ユニット12Mと、シアン色のトナーを用いるシアン用ユニット12Cと、イエロー色のトナーを用いるイエロー用ユニット12Yと、ブラック色のトナーを用いるブラック用ユニット12Kとが備えられている例を示している。
各ユニット12M,12C,12Y,12Kには、感光体ドラム121および現像装置122がそれぞれ備えられている。感光体ドラム121は、周面に静電潜像およびこの静電潜像に沿ったトナー像を形成させるためのものであり、周面に強靱で耐摩耗性に優れた極めて平滑なアモルファスシリコン層等の感光層が積層されている。各感光体ドラム121は、図3において時計方向へ向けて回転しつつ、対応した現像装置122からトナーの供給を受ける。各現像装置122には、トナー補給部15からトナーが補給される。
各感光体ドラム121の直下位置には帯電装置123がそれぞれ設けられているとともに、各帯電装置123のさらに下方位置には露光装置124が設けられている。各感光体ドラム121は、帯電装置123によって周面が一様に帯電される。帯電後の感光体ドラム121の周面には、各露光装置124から、コンピュータ等から入力された画像データに基づく各色に対応したレーザー光が照射され、各感光体ドラム121の周面に静電潜像が形成される。かかる静電潜像に現像装置122からトナーが供給されることにより、感光体ドラム121の周面にトナー像が形成される。
各感光体ドラム121の上方位置には、各感光体ドラム121に当接するように、駆動ローラ125aと従動ローラ125bとの間に張設された転写ベルト125が設けられている。この転写ベルト125は、各感光体ドラム121に対応して設けられた転写ローラ126によって感光体ドラム121の周面に押し付けられた状態で、各感光体ドラム121と同期しながら駆動ローラ125aと従動ローラ125bとの間を周回する。
従って、転写ベルト125が周回することによりその表面に対しマゼンタ用ユニット12Mの感光体ドラム121によるマゼンタトナーのトナー像の転写が行なわれ、以下、転写ベルト125の同一位置にシアントナー像、イエロートナー像、最後にブラックトナー像の転写が重ね塗り状態で行なわれる。これによって、転写ベルト125の表面にカラーのトナー像が形成される。この転写ベルト125の表面に形成されたカラーのトナー像が用紙貯留部14から搬送されてきた用紙Pに転写される。
各感光体ドラム121の前方位置には、当該感光体ドラム121の周面の残留トナーを除去して清浄化するクリーニング装置127が設けられている。クリーニング装置127によって清浄化処理された感光体ドラム121の周面は、新たな帯電処理のために帯電装置123へ向かうことになる。
クリーニング装置127で感光体ドラム121の周面から取り除かれた廃トナーは、所定の経路を通って図略のトナー回収ボトルに回収され、貯留される。
画像形成部12の前方位置には、カバー体19の後面に沿うように上下方向に延びた用紙搬送路111が形成されている。この用紙搬送路111には、適所にレジストローラ対112が設けられ、用紙貯留部14から繰り出された用紙Pは、このレジストローラ対112のタイミングを図った駆動により駆動ローラ125aに掛け回されている転写ベルト125へ向けて搬送される。
かかる用紙搬送路111には、駆動ローラ125aと対向した位置に転写ベルト125の表面と当接した第2転写ローラ113が設けられている。用紙Pは、用紙搬送路111を搬送されつつ、転写ベルト125と第2転写ローラ113とに押圧挟持されることによって、転写ベルト125上のトナー像が転写される。
定着部13は、前記感光体ドラム121や転写ベルト125等を含む画像形成部12で転写された用紙上のトナー像に対し定着処理を施すものであり、定着装置131を備えている。定着装置131は、第2転写ローラ113の直上位置に設けられ、転写ベルト125のトナー像が転写された状態で定着部13へ供給された用紙Pは、この定着装置131で定着処理が施される。
定着装置131は、内部にハロゲンランプ等の通電発熱体を備えた定着ローラ132と、この定着ローラ132と周面同士が互いに当接し合うように対向配置された加圧ローラ133とを有している。画像形成部12から送り込まれた画像形成処理済みの用紙Pは、定着ローラ132の駆動により当該定着ローラ132と加圧ローラ133との間のニップ部を通過するに際し、定着ローラ132からの熱を得て定着処理が施される。その後、用紙Pは、定着部13の上部から延設された排紙搬送路114および用紙排出口192を介して用紙排出部16の排紙トレイ17へ向けて排出される。
用紙貯留部14は、装置本体11内における露光装置124より下方位置に配置され、挿脱可能に装着された用紙トレイ141を備えている。用紙トレイ141は、上面が全面開口の箱体を備えて構成され、複数枚の用紙Pが積層されてなる用紙束P1を貯留する。用紙トレイ141に貯留された用紙束P1の最上位の用紙Pは、下流端(図3における前端)に配置されたピックアップローラ142の駆動で用紙搬送路111へ向けて繰り出される。その後、用紙Pは、レジストローラ対112の駆動で用紙搬送路111を通って、画像形成部12における第2転写ローラ113と転写ベルト125との間のニップ部へ向けて送り込まれる。
トナー補給部15には、画像形成部12の各ユニット12M,12C,12Y,12Kにそれぞれ対応して4台のトナーコンテナ20(マゼンタ用コンテナ20M、シアン用コンテナ20C、イエロー用コンテナ20Yおよびブラック用コンテナ20K)が設けられている。各ユニット12M,12C,12Y,12Kの現像装置122には、残量が少なくなると対応した各コンテナ20M,20C,20Y,20Kからトナーが補給される。
カバー体19は、上述したように閉止姿勢S1と開放姿勢S2との間で姿勢変更することにより装置本体11の前面側に対して開閉可能である。かかるカバー体19は、普段、閉止姿勢S1に姿勢設定され、これによって画像形成部12の図3における前面との間に用紙貯留部14からの用紙を第2転写ローラ113へ向けて搬送するための用紙搬送路111が形成される。
レジストローラ対112や定着部13で紙詰りが発生したときカバー体19が開放される(すなわち、閉止姿勢S1から開放姿勢S2へ姿勢変更される)。ユーザは、これによって外部に露出した用紙搬送路111および定着部13から詰まった用紙を容易に取り除くことができる。
なお、カバー体19には、その内部に、定着部13を通過して定着処理が施された用紙Pを反転させた後に用紙搬送路111へ戻し、その裏面側にも印刷処理を施すようにするための両面印刷用の反転搬送路が設けられているが、その図示および説明は省略する。
装置本体11の左面上部には、トナーコンテナ20を装置本体11に対して着脱操作するときに開放される横長の開閉蓋110が設けられている。この開閉蓋110が開放された状態(図2(B))でトナーコンテナ20が装着され、後述する操作レバー642(FIG.12A、12B)が操作されることにより、トナーを払い出すシャッタシリンダ60が開閉操作される。
図4〜図6は、本発明の一実施形態に係るトナーコンテナ20を示す斜視図であり、図4は、一部切欠き分解斜視図、図5および図6は組み立て斜視図であって、図5は、正面側斜め上から見た一部切欠き組み立て斜視図であり、図6は、背面側斜め下から見た斜視図である。また、図7は、図5のVII−VII線断面図であり、図8は、図5のVIII−VIII線断面図である。なお、図4〜図8におけるXおよびYによる方向表示は図1の場合と同様(Xは左右方向(−X:左方、+X:右方)、Yは前後方向(−Y:前方、+Y:後方))である。
なお、4台のトナーコンテナ20の内のマゼンタ用コンテナ20M、シアン用コンテナ20C及びイエロー用コンテナ20Yは、いずれも同一容量で、かつ、同一仕様に設定されている。これに対し、ブラック用コンテナ20Kは、これらよりも大きな容量に設定され、かつ、仕様も他のものと相違している。以下、トナーコンテナ20については、マゼンタ用〜イエロー用コンテナ20M,20C,20Yのものについて説明する。因みに、ブラック用コンテナ20Kについても、容量および具体的な仕様が相違するだけで基本的な構成は、これらと同様である。
トナーコンテナ20は、トナーを貯留する左右方向に長尺のコンテナ容器30と、このコンテナ容器30内のトナーを攪拌するアジテータ40と、このアジテータ40に攪拌されつつあるトナーを現像装置122へ供給するべく当該コンテナ容器30内で搬送する搬送部材50と、この搬送部材50によって搬送されたトナーを現像装置122へ向かわせる開放姿勢と現像装置122への供給を規制する閉止姿勢との間で姿勢変更可能なシャッタシリンダ60と、コンテナ容器30の一方の端面(後述の左方板314)を覆う覆い蓋70とを備えている。
覆い蓋70は、容器本体31の左方板314に取り付けられる蓋部材である。覆い蓋70は、容器本体31の左方板314に形成された各種の凹凸(具体的には、後述するトナー装填筒317やシャッタ装着筒32等)に対応するように立体形状が設定されている。覆い蓋70が側面に装着されることにより、各種の部材が保護されるとともに、トナーコンテナ20の外観視がデザイン的に美麗になる。
コンテナ容器30は、上面が略全面に亘って開口した容器本体31と、この容器本体31の上面開口を閉止する蓋体35とからなる。容器本体31には、底部の左端位置に、シャッタシリンダ60を左面側から差し込んで装着するためのシャッタ装着筒(筒状受部)32が設けられている。
容器本体31は、下方に凸の円弧状に形成された円弧底板311と、この円弧底板311の前方の縁部から立設された前側板312と、同後方の縁部から上方へ向けて延設された後側板313と、この後側板313、前記前側板312および前記円弧底板311の右縁部間に架設された左方板314と、同左縁部間に架設された右方板315とを備えている。これら円弧底板311、前側板312、後側板313、左方板314および右方板315によって囲繞された空間によってトナーを充填するためのトナー充填室Zが形成されている。
本実施形態においては、後側板313の上下寸法が前側板312の上下寸法より短尺に設定されている。すなわち、円弧底板311からの後側板313の立ち上がり高さが、前側板312のそれよりも低いものとされている。従って、容器本体31は、−X側から見た断面視で、図8に示すように、上面が後方に向かって先下がりに傾斜している。
円弧底板311には、図4、図7および図8に示すように、スクリュー収納凹部316が設けられている。スクリュー収納凹部316は、円弧底板311の前後方向中央部より若干後寄りの位置から下方に向かって膨設され、左右方向の全長に亘って延びる断面円弧状の凹部である。
スクリュー収納凹部316の内面側には、樋状のトナー搬送空間Z1が形成され、搬送部材50は、このトナー搬送空間Z1に装着される。スクリュー収納凹部316は、左右方向からの断面視で略半円状に形成され、これによってトナー搬送空間Z1に装着された後述のトナー搬送スクリュー51の上半分が、トナー搬送空間Z1から上方に向けて突出した状態(図8参照)になっている。
円弧底板311の内面側にスクリュー収納凹部316が形成されることにより、結果として円弧底板311の外面側には当該スクリュー収納凹部316に沿った断面視で円弧状を呈する円弧状凸条316aが形成されている。かかる円弧状凸条316aの存在によって、容器本体31は、構造的な強度が向上している。
左方板314の前方上部の位置には、トナー充填室Z内へトナーを充填するためのトナー充填口314aが設けられている。また、左方板314の内面側には、アジテータ40の中心軸421を支持するためのU字状を呈したU字溝部材318が突設されている。このU字溝部材318は、互いに平行で上下方向に延びる前後方向一対の縦リブ318aと、これら一対の縦リブ318aの下端部間に架設された底片318bとを備えている。アジテータ40は、その中心軸421の端部にある小径中心軸421bがU字溝部材318の一対の縦リブ318a間に嵌め込まれ、底片318bに支持されることにより、左端部が容器本体31内に装着された状態になる。
トナー充填口314aには、当該トナー充填口314aを取り囲むようにトナー装填筒317が設けられている。このトナー装填筒317には、容器本体31内にトナーが充填されたのち合成樹脂製の栓部材314eが装着される。
また、左方板314には、スクリュー収納凹部316の曲率中心と同心で右方に向けて突設された、シャッタシリンダ60を装着するためのシャッタ装着筒32が設けられている。さらに、左方板314におけるシャッタ装着筒32の直上位置には、後述するロック部材66を外嵌して支持するための支持軸319が突設されている。この支持軸319には、その根本部分に放射状に突設された複数のストッパ片319aが設けられている。ロック部材66は、このストッパ片319aに当止されることにより支持軸319への嵌り込み量が設定される。
容器本体31の底部には、コンテナ容器30を仕切板18(図2)上で支えるための支持脚33が設けられている。この支持脚33は、図6に示すように、シャッタ装着筒32の下面から下方に向けて突設された左方脚331と、円弧底板311の右端下部に設けられた右方脚332と、覆い蓋70の下端からさらに下方に向けて突設された、各各コンテナ20M,20C,20Y,20K固有の位置にそれぞれ設けられた位置決め脚333とを備えている。
右方脚332は、後述する搬送ギヤ53を保護する役割を担っており、スクリュー収納凹部316と対応した位置において下方および左方に向けて突出した状態で設けられている。かかる右方脚332は、水平小板332aと、この水平小板332aの前後の端部から立設された前後一対の垂直小板332bとからなっている。搬送ギヤ53は、これら水平小板332aおよび一対の垂直小板332bによって囲繞された空間に収納されて保護される。
右方脚332は、水平小板332aの下面が、左方脚331の下端部と同一平面に当接するように(すなわち、面一に)設定されている。これに対し、位置決め脚333は、各コンテナ20M,20C,20Y,20Kに応じて前後方向で設置位置を異ならせている。一方、仕切板18には、各コンテナ20M,20C,20Y,20Kの位置決め脚333にそれぞれ対応した位置に、当該各位置決め脚333が嵌め込まれる凹部181が各々凹設されている(図7参照)。
従って、各コンテナ20M,20C,20Y,20Kがそれぞれコンテナ収容室Qにおける適正な位置に装着されたときには、その位置決め脚333が対象の凹部181に嵌り込む。これに対しそのトナーコンテナ20が誤った位置に装着されたときには、位置決め脚333が凹部181に嵌り込まず、正しく装着することができない。これによってユーザは、トナーコンテナ20の誤装着を容易に認識することができる。
一方、装置本体11における搬送部材50に対し駆動力を伝達する駆動力伝達側(右側)には、図2(B)に示すように、コンテナ収容室Q内における右方壁の壁面に各トナーコンテナ20の右方脚332に対応したガイド溝101がそれぞれ設けられている。トナーコンテナ20をコンテナ収容室Qに装着するに際しては、右方脚332がガイド溝101に嵌め込まれる。この状態でトナーコンテナ20を下降させることにより、トナーコンテナ20は、ガイド溝101に案内されつつコンテナ収容室Qに装着される。
また、装置本体11におけるトナーコンテナ20のシャッタシリンダ60を操作する操作側(左側)には、図2(B)に示すように、トナー充填室Zにおける左方壁に、各トナーコンテナ20のシャッタ装着筒32を支持する支持凹部102がそれぞれ設けられている。各支持凹部102の上部は、シャッタ装着筒32を支持凹部102へ容易に誘導できるよう、幅広とされている。
トナーコンテナ20をコンテナ収容室Qに装着するに際しては、その右方脚332をガイド溝101に嵌め込んだ後に、当該トナーコンテナ20を下降させながらシャッタ装着筒32を支持凹部102の上部の幅広の部分に差し入れる。これにより、トナーコンテナ20は、ガイド溝101に案内されつつ下降が継続され、仕切板18に到達したときには、シャッタ装着筒32が支持凹部102に嵌り込んだ位置決め状態でコンテナ収容室Qに装着される。
このように支持脚33として、搬送ギヤ53の保護およびトナーコンテナ20の位置決めを兼用した右方脚332を採用することにより、搬送ギヤ53を保護するためや位置決めのための専用の部材を設ける必要がなくなり、その分部品点数を削減することができる。また、各コンテナ20M,20C,20Y,20Kにそれぞれ固有の位置決め脚333を設けることにより、各コンテナ20M,20C,20Y,20Kの誤装着を防止することができる。
右方板315には、左右方向でU字溝部材318の溝の下部と対向した位置に軸支孔315a(図4)が穿設されている。この軸支孔315aは、右方板315の外面側から後述する攪拌ギヤ49の連結軸491を差し通すためのものである。アジテータ40は、その右端が連結軸491に一体回転可能に支持される。また、右方板315には、軸支孔315aの後方下部にトナー充填室Zへ向かって膨設されたギヤ装着筒315bが設けられている。このギヤ装着筒315bには、後述する搬送ギヤ53の厚みの略半分が嵌め込まれるとともに、ギヤ装着筒315bの左端面に設けられた仕切り壁には、後述する搬送ギヤ53の連結軸531を支持するための軸支孔315dが設けられている。
右方板315の外面側には、図6に示すように、後述の攪拌ギヤ49を保護するために、軸支孔315aの孔心を中心とした環状帯315cが設けられている。この環状帯315cの右方脚332に対応した部分には切り欠きが設けられ、この切欠きを介して環状帯315cに囲まれた空間と右方脚332内とが連通状態になっている。
蓋体35は、容器本体31の上面開口を閉止するものであり、図4に示すように、平面視で容器本体31と同一形状を呈している。蓋体35は、下面全面が開口状態の蓋体本体36と、この蓋体本体36の下端から全周に亘り外方に向かって突設された蓋体側フランジ37とを備えている。蓋体本体36は、その後側板362が所定高さを有している一方で、前側板363が殆ど高さ寸法を有さない、前後方向断面(図8参照)で略三角形の形状を有している。後側板362の高さ寸法は、容器本体31の後側板313の前側板312に対する高さ寸法差にほぼ合致する。
一方、容器本体31には、蓋体側フランジ37と対向するように上縁部から全周に亘って突設された本体側フランジ34が設けられている。そして、各フランジ34,37の対向面が所定の接着剤を介して、あるいは溶着処理により互いに接合され、これによって蓋体35が容器本体31に固定される。
蓋体本体36の裏面側には、その左端部から下方に向かって突設された短冊状の押さえ部材394が設けられている。この押さえ部材394は、アジテータ40の大径中心軸421aの上面を、その下縁部で押さえるためのものである。上述の通り、アジテータ40の中心軸421の小径中心軸421bがU字溝部材318に嵌め込まれて支持される。この状態で、蓋体35が容器本体31に装着されると、小径中心軸421bに隣接する大径中心軸421aの上面が押さえ部材394によって押さえられ、軸体部材41は抜け止め状態になる。この結果、アジテータ40の容器本体30内での装着状態が安定したものになる。
蓋体本体36の後側板362(上下寸法が大きい方の側面)の適所(本実施形態においては右方位置)に取っ手凹部38が設けられている。この取っ手凹部38は、後側板362が前方に向けて円弧状に凹没されることによって形成されている。因みに、かかる取っ手凹部38は、本実施形態においては、人差し指、中指、薬指および小指の4本の指が入る程度のサイズに設定されている。例えば、後側板362の上下寸法は、10mm程度である。これによってユーザは、蓋体35を指で安定した状態で摘持することができる。
また、取っ手凹部38の上縁部には、図6に示すように、外方に向かって全長に亘り膨出されることによって形成された引っ掛け条381が設けられている。かかる引っ掛け条381が形成されることにより、指先で取っ手凹部38を摘持すると、指先がこの引っ掛け条381に掛かる。このため、指先が滑るような不都合が生じることはなく、蓋体35をより確実に摘持することができる。
図9は、トナーコンテナ20を摘持した状態を示す斜視図である。なお、図9では、各コンテナ容器30のフランジ34,37が水平になるように方向設定されてコンテナ収容室Qに装着された状態を示している。このような状態で各コンテナ容器30がコンテナ収容室Qに並んで装着されると、蓋体35の後側板362の側が鋸状に上方へ突出した状態になる。
つまり、あるトナーコンテナ20の後側板362の側には、隣接するトナーコンテナ20の前側板363が位置するため、ユーザは取っ手凹部38へ容易に人差し指他を差し入れることができる。一方、前側板363の側では、隣接する他のトナーコンテナ20の取っ手凹部38が存在するため、無理なく親指を上端角部に添えることができる。従って、ユーザは、上方に突出した取っ手凹部38に人差し指、中指、薬指および小指の4本の指を差し入れ、親指を前側板363の側に置いて蓋体35を摘み、上方へ引き上げることにより、トナーコンテナ20をプリンタ10のコンテナ収容室Qから容易に引き出すことができる。
図4に戻り、アジテータ40は、容器本体31内のトナーを攪拌するためのものである。アジテータ40は、容器本体31の左方板314に設けられたU字溝部材318と同右方板315に穿設された軸支孔315aとの間に架設される軸部材41と、この軸部材41に取り付けられる攪拌羽根45と、軸部材41に同心で一体回転可能に連結される攪拌ギヤ49とを備えている。
軸部材41は、長さ寸法が前記左方板314と右方板315との間の内寸法より僅かに短く設定されている。かかる軸部材41は、断面視で略矩形状を呈した角軸42と、この角軸42に設けられた複数の羽根支持部材43と、角軸42の右端側(駆動力伝達側)に同心で固定されたジョイント円板44とを備えている。
羽根支持部材43は、攪拌羽根45の長手方向の一方の縁部を係止するものである。角軸42は、該角軸42と同心の中心軸421を有している。中心軸421は、大径中心軸421aと、この大径中心軸421aの先端面から同心で左方に向けて突設された小径中心軸421bとからなる。小径中心軸421bは、直径がU字溝部材318の一対の縦リブ318a間の寸法より僅かに小さめに設定され、これによって縦リブ318a間の溝に嵌め込むことができる。一方、大径中心軸421aは、直径が縦リブ318a間の寸法より大きく、前記溝へは侵入できない。
軸部材41が容器本体31内に装着され、かつ、当該容器本体31に蓋体35が装着された状態において、大径中心軸421aは、押さえ部材361の下縁部と当接する位置に存在する。従って、大径中心軸421aは、蓋体35の装着状態においては、押さえ部材394よって押圧される。一方、小径中心軸421bは、U字溝部材318の円弧状の底片318bで回転可能に支持される。
この状態において左小径中心軸421bは、下面が溝部39の底片318bで当止されているが上面は開放状態となる。一方、大径中心軸421aは、上面が押さえ部材361の下縁部に当止されているが、それ以外の部分は開放状態になる。従って、アジテータ40の回転で、トナーが小径中心軸421bと底片318bとの間、或いは大径中心軸421aと押さえ部材361との間に侵入しても、該トナーは各々上方或いは下方に逃げることができる。このため、トナーがこれらの部位に詰まって固まったり、こびりついたりすることが抑止され、アジテータ40の回転性が良好に維持される。
ジョイント円板44は、軸支孔315aを介して攪拌ギヤ49に同心で一体回転可能に連結されている。攪拌ギヤ49の回転は、ジョイント円板44を介して軸部材41に伝達される。
攪拌ギヤ49は、中心位置に左方に向かって突設された連結軸491を有している。この連結軸491は、径寸法が軸支孔315aの孔径寸法より僅かに小さく設定され、軸支孔315aに摺接状態で嵌入される。かかる連結軸491の先端には、キー突起が突設されている。一方、ジョイント円板44の右面には前記キー突起に対応したキー孔が穿設されている。キー突起がキー孔に嵌め込まれることによって攪拌ギヤ49と軸部材41とが軸心回りに一体回転可能となり、攪拌ギヤ49の回転が軸部材41に伝達される。
このような軸部材41と攪拌ギヤ49とは、図7に示すように、右方板315とジョイント円板44との間に介設された環状シール部材441を介して互いに連結されている。かかる環状シール部材441の存在で容器本体31内のトナーの軸支孔315aを介した漏洩が防止される。
攪拌羽根45は、トナーの攪拌のために長尺側の縁部が羽根支持部材43を介して角軸42に固定されるものであり、可撓性を有する合成樹脂製のフィルムによって形成されている。かかる攪拌羽根45は、長さ寸法が前記角軸42のそれと同一に設定されているとともに、幅寸法(角軸42の径方向の寸法)が角軸42の軸心と容器本体31の円弧底板311の内面との間の距離より若干長めに設定されている。
このような攪拌羽根45には、長尺側の縁部に当該攪拌羽根45を羽根支持部材43に係止させるための所定個数の小孔451が羽根支持部材43に対応した位置に穿設されている。各小孔451が羽根支持部材43の所定の突起に嵌め込まれた状態で攪拌羽根45が軸部材41に固定される。
また、攪拌羽根45には、複数条の切り込み溝452が設けられている。切り込み溝452は、小孔451が設けられている側(基端側)と反対側の縁部から基端側に向けて、攪拌羽根45を幅方向に切り込まれることによって形成されている。
軸部材41を容器本体31のトナー充填室Z内に装着した状態で、軸部材41を図8における時計方向に向けて回転させることにより、攪拌羽根45は、弾性変形で湾曲しながら円弧底板311の内面側に当接する。かかる攪拌羽根45の当接により、円弧底板311の内面に付着したトナーを掻き取りながら、アジテータ40はトナー充填室Z内のトナーを攪拌する。
ついで、図4を基に、必要に応じて他の図面も参照しながら搬送部材50について説明する。搬送部材50は、アジテータ40によって攪拌されつつあるトナーを、容器本体31の円弧底板311に設けられたスクリュー収納凹部316のトナー搬送空間Z1に沿って、シャッタシリンダ60へ向けて搬送するものである。
かかる搬送部材50は、スクリュー収納凹部316のトナー搬送空間Z1に沿って配設されるトナー搬送スクリュー51と、このトナー搬送スクリュー51の右端部から同心で一体的に延設された円柱体52と、この円柱体52に同心で装着される搬送ギヤ53とを備えている。
トナー搬送スクリュー51は、左右方向へ延びたスクリュー軸511と、このスクリュー軸511に等ピッチで一体的に外嵌された複数枚の攪拌フィン512とを備えている。各攪拌フィン512は互いに連設状態で、螺旋状を呈するように、スクリュー軸511の略全長に亘って取り付けられている。スクリュー軸511の左端は、左方板314に設けられたシャッタ装着筒32に装着されているシャッタシリンダ60に、同心で相対回転可能に支持されている。
スクリュー軸511におけるシャッタ装着筒32の後述するトナー排出口321に対応した部分には、攪拌フィン512が設けられていない。その代わり、スクリュー軸511に平行な図略のリブ(突起)が一個所以上設けられ、さらにスクリュー軸511の先端(左端)には、攪拌フィン512と螺旋方向が逆に設定された逆螺旋攪拌フィン513が設けられている。従って、トナー搬送スクリュー51の駆動でトナー排出口321に到達したトナーは、攪拌フィン512と逆螺旋攪拌フィン513とによりトナー排出口321へ向けて寄せられ、これによってトナー排出口321を介して円滑に排出される。
円柱体52は、搬送ギヤ53の駆動回転をトナー搬送スクリュー51に伝達するためのものであり、その右端面には同心でキー孔が穿設されている。かかる円柱体52は、右面が右方板315のギヤ装着筒315bの左面に当接した状態で、当該ギヤ装着筒315bに装着されている搬送ギヤ53に同心で一体回転可能に連結されている。
搬送ギヤ53は、装置本体11内の適所に設けられた図略の駆動モータからの駆動力を得て回転する。搬送ギヤ53の回転は、トナー搬送スクリュー51に直接伝達されるとともに、攪拌ギヤ49を介してアジテータ40の軸部材41へ伝達される。搬送ギヤ53は、右方脚332の内部空間内に配置されると共に、攪拌ギヤ49と噛合されている。
搬送ギヤ53の左面側には、同心で左方に向けて突設された、軸支孔315dに挿通されて円柱体52に連結される連結軸531が設けられている。また、搬送ギヤ53の右面側には、前記駆動モータの駆動力を伝達するための三角形状のジョイント突起532(図6)が設けられている。
連結軸531の左端面には、同心でキー突起が突設されている一方、円柱体52の右端面には、前記キー突起に対応したキー孔が凹設されている。前記キー突起がキー孔に嵌め込まれることによって、搬送ギヤ53の駆動回転が円柱体52を介してトナー搬送スクリュー51へ伝達される。
トナー搬送スクリュー51は、容器本体31内のスクリュー収納凹部316内(すなわちトナー搬送空間Z1内)に装着された状態で、図8に示すように、その略上半分がトナー搬送空間Z1から上方に向けて突出している。一方、攪拌羽根45は、先端縁部が円弧底板311の内面に摺接した状態で弾性変形して湾曲するように寸法設定されている。
従って、アジテータ40が軸部材41回りに図8における時計方向に向けて一体回転することにより、攪拌羽根45の先端が、図8に二点鎖線で示すように、トナー搬送スクリュー51の上面を撫でることになる。これによってトナー搬送スクリュー51の上方位置にトナーが堆積する、いわゆる棚吊り現象が生じることはなく、トナー充填室Z内のトナーは、常に確実にトナー搬送スクリュー51へ向けて供給される。
すなわち、従来のように、トナー搬送空間Z1の深さがトナー搬送スクリュー51の径寸法(直径)より深く、かつ、攪拌羽根45の湾曲量が大きくない場合には、攪拌羽根45の先端は、トナー搬送スクリュー51の周面と接触することができず、スクリュー収納凹部316の上面開口部分を擦るように通過する。このことは、スクリュー収納凹部316内に存在するトナーを押し固める力として作用する。これにより、スクリュー収納凹部316の上面開口の部分にトンネルの天井のような状態でトナーが堆積する棚吊り現象が起こり、トナーを現像装置122へ向けて適正に補給できない不都合が生じることがある。しかし、本実施形態のようにスクリュー収納凹部316の深さをトナー搬送スクリュー51の上半分が突出させ、常時攪拌羽根45の先端と接触するように設定することにより、かかる不都合の発生が確実に防止される。
ついで、シャッタシリンダ60について、図4並びに図10および図11を基に必要に応じて他の図面を参照しながら説明する。図10は、シャッタシリンダ60の一実施形態を示す一部切り欠き斜視図であり、図10(A)は、シャッタシリンダ60が閉止姿勢T1の内の第1閉止姿勢に姿勢設定された状態、図10(B)は、シャッタシリンダ60が閉止姿勢T1の内の第2閉止姿勢T12に姿勢設定された状態、図10(C)は、シャッタシリンダ60が開放姿勢T2に姿勢設定された状態をそれぞれ示している。また、図11(A)は、図10(A)のXI(A)−XI(A)線一部断面図であり、図11(B)は、図10(C)のXI(B)−XI(B)線一部断面図である。因みに、図10および図11におけるXおよびYによる方向表示は、図1の場合と同様(Xは左右方向(−X:左方、+X:右方)、Yは前後方向(−Y:前方、+Y:後方))である。
シャッタシリンダ60は、大略的に円筒状体からなり、容器本体31のシャッタ装着筒32(図4)に装着された状態で筒心回りに正逆回動操作されることにより、トナーを補給し得なくする閉止姿勢T1と、搬送部材50により搬送されてきたトナーを現像装置122(図3)へ向けて補給することができる開放姿勢T2(基準姿勢)との間で姿勢変更可能とされている。シャッタシリンダ60がシャッタ装着筒32に内嵌された状態で、トナー搬送スクリュー51のスクリュー軸511の左端部は、図7に示すように、同心で軸心回りに相対回転可能にシャッタシリンダ60に支持される。
シャッタシリンダ60の閉止姿勢T1は、基準姿勢からの回動量が大きい第1閉止姿勢T11と、この第1閉止姿勢T11より回動量が小さい第2閉止姿勢T12とを、選択的に設定可能とされている。シャッタシリンダ60は、閉止姿勢T1に姿勢設定される場合、いずれかの閉止姿勢T11又はT12で開放姿勢T2に向かわないように、後に詳述するロック部材66によってロックされる。
第1閉止姿勢T11とは、シャッタシリンダ60が基準姿勢である開放姿勢T2に姿勢設定された状態(図10(C))から、図10(A)に示すように、筒心回りに時計方向に向けて90°より若干多めに回動された姿勢のことである。また、第2閉止姿勢T12とは、シャッタシリンダ60が開放姿勢T2に姿勢設定された状態から筒心回りに時計方向に向けて略90°回動された姿勢のことである。これら閉止姿勢T11又はT12の位相は一例であり、例えば第1閉止姿勢T11と第2閉止姿勢T12との位相差をもう少し大きくしても良い。
シャッタシリンダ60は、シャッタ筒体61、係止筒体62、円形閉止部63、操作部64及びリングシール65を備えている。シャッタ筒体61は、容器本体31のシャッタ装着筒32に差し込まれる円筒状のボディである。係止筒体62は、シャッタ筒体61の先端側(右端側)から同心で右方に向けて延設された、当該シャッタ筒体61をシャッタ装着筒32に係止するための部材である。円形閉止部63は、シャッタ筒体61の基端側(左端側)に設けられ、シャッタ筒体61より大径の部材である。操作部64は、円形閉止部63の左端面から左方に向かって突設され、シャッタ筒体61を回動操作するための部材である。リングシール65は、シャッタ筒体61と係止筒体62との間の周面に外嵌された弾性シール部材である。
このようなシャッタシリンダ60には、ロック部材66が付設されている。ロック部材66は、シャッタシリンダ60の設定姿勢(第1閉止姿勢T11および第2閉止姿勢T12)をロックする部材であり、容器本体31の左方板314におけるシャッタ装着筒32の直上位置に設けられている。
一方、シャッタ装着筒32は、図11(A)および図11(B)に示すように、左右方向の長さ寸法がシャッタ筒体61より若干長めに設定されている。シャッタシリンダ60は、シャッタ装着筒32の左端開口からシャッタ装着筒32内に差し込まれ、円形閉止部63がシャッタ装着筒32の左端縁部に当止される。かかる差し込み状態において、シャッタ筒体61がシャッタ装着筒32内に収納された状態になるとともに、係止筒体62は、シャッタ装着筒32から右方に向かって突出し、容器本体31のトナー搬送空間Z1に位置した状態になる。
シャッタ装着筒32は、その内径寸法がシャッタ筒体61の外径寸法より若干大きめに設定されている。また、シャッタ装着筒32の先端(右端)には、内側に向かって同心で突設された環状突起322(係合部:図7)が設けられている。この環状突起322の内周面が、係止筒体62の外周面に摺接されている。
シャッタ筒体61は、攪拌フィン512をシャッタ筒体61内に差し込むことができるように、その内径寸法が攪拌フィン512の外径寸法より僅かに大きめに設定されている。シャッタ筒体61の基端側(左端)には、同心で基端フランジ611(図11)が設けられているとともに、同先端側(右端)であって、係止筒体62との境界位置には先端フランジ612が設けられている。これら各フランジ611,612は、いずれも外周面がシャッタ装着筒32の内周面に摺接する外径寸法を有している。
シャッタ筒体61の周面には、筒心に対する点対称位置において各フランジ611,612間に架設された一対のリブ613(図10)が設けられている。一対のリブ613間におけるシャッタ筒体61の一方の周面には、その中央位置に左右方向へ延びた径方向から見て矩形状のトナー払出口614が設けられている。
トナー払出口614が設けられたシャッタ筒体61の片面(縮径部)610には、スポンジ状のシールパッド67が貼着されている。シールパッド67としては、各種の合成樹脂製の発泡体を採用できるが、好適なものとして例えば高密度マイクロセルウレタンシート等を挙げることができる。かかるシールパッド67には、前記トナー払出口614に対応した位置に同一形状の角孔671が設けられている。
一方、シャッタ装着筒32には、開放姿勢T2に姿勢設定されたシャッタ筒体61のトナー払出口614と対向した位置に、トナー排出口321が設けられている。従って、シャッタ筒体61内のトナーは、シャッタシリンダ60が開放姿勢T2に姿勢設定されたときに、シールパッド67により外部への漏洩が防止された状態で、搬送部材50の駆動によりトナー払出口614、角孔671およびトナー排出口321を介して現像装置122へ補給される。
また、シャッタ筒体61の周面であって、トナー払出口614が設けられている周面と反対側の周面には、基端フランジ611を起点として右方に向けて延びるガイドリブ615が設けられている。このガイドリブ615は、シャッタシリンダ60をシャッタ装着筒32に差し込むときに当該差し込み操作を容易に行い得るようにするためのものである。かかるガイドリブ615は、その左右方向の長さ寸法がシャッタ筒体61の半分以下に設定されているとともに、径方向の厚み寸法が基端フランジ611の厚み寸法より僅かに小さめに設定されている。
ガイドリブ615の先端(右端)には、シャッタ筒体61の周面に向けて先下がりに傾斜した傾斜面615aが設けられている。従って、シャッタシリンダ60をシャッタ装着筒32に差し込むに際し、ガイドリブ615の傾斜面615aがシャッタ装着筒32の左端縁部に当接した後、当該傾斜面615aに相対的に掬い上げられる。このため、組み付け作業の際、シャッタシリンダ60を、基端フランジ611がシャッタ装着筒32の左端縁部に衝突することなく、シャッタ装着筒32内に円滑に差し込むことができる。従って、シャッタシリンダ60のシャッタ装着筒32に対する組み付け作業性を向上させることができる。
係止筒体62には、径方向で互いに対向した周面がそれぞれ凹字状に切り抜かれた状態で形成された一対の係止爪部621が設けられているとともに、これら一対の係止爪部621に対してそれぞれ90°の位相ずれで互いに対向するように設けられた一対の逃がし孔622が設けられている。
係止爪部621は、シャッタシリンダ60がシャッタ装着筒32に左面開口から差し込まれた状態で、スクリュー軸511の軸方向への移動を規制する(具体的には左方への抜止めを行う)とともに、所定範囲外への筒心回りの回転を規制する(具体的には、シャッタシリンダ60が閉止姿勢T1と開放姿勢T2との間でのみ回転することを許容する)ためのものである。
かかる係止爪部621は、係止筒体62の右端部から前記凹字状に切り欠かれた空間に向かい突設された爪部本体621aと、この爪部本体621aの先端(左端)から外方に向かって突設された係止爪621bとを備えている。爪部本体621aは、リングシール65より外側に向けて突出している。係止爪621bは、左端面が筒心方向と直交する平面と平行な直交面621cとされているとともに、この直交面621cの最外側から爪部本体621aに向かって先下がりに傾斜した傾斜面621dを有している。
シャッタシリンダ60をシャッタ装着筒32に差し込んでいくと、係止筒体62の右端がシャッタ装着筒32の環状突起322(図11)を越えた後に、係止爪部621の傾斜面621dが環状突起322に当接する。かかる当接により、傾斜面621dに案内され当該係止爪部621が弾性変形して筒心方向へ押し下げられ、係止爪621bは環状突起322を通過し得るようになる。
そして、係止爪部621は、係止爪621bが環状突起322を通過した時点で元の状態に復元する。これによって、係止爪621bの直交面621cが環状突起322と対向するため、シャッタシリンダ60は左方へ向けて抜け止め状態になる。
一方、容器本体31の底部には、円弧状凸条316aとシャッタ装着筒32との間に設けられた小円弧樋316b(図6)と、この小円弧樋316bの左端縁とシャッタ装着筒32の右端縁との間に架設された大円弧樋316cとが設けられている。
小円弧樋316bは、内面の曲率半径が係止筒体62の外面の半径より僅かに大きく設定され、これによって係止筒体62は、小円弧樋316bと摺接状態で回転する。また、大円弧樋316cは、図11(B)に示すように、内面の曲率半径が小円弧樋316bの内面の曲率半径より大きく、かつ、係止筒体62の係止爪621bの径方向の先端が干渉しないように径設定されている。
係止筒体62には、その右端縁から右方へ向かって突設され、曲率径寸法が係止筒体62のそれと等しい円弧ストッパ623が突設されている。円弧ストッパ623は、シャッタシリンダ60が閉止姿勢T1の第1閉止姿勢T11に姿勢設定された状態(図10(A))で、容器本体31の所定の位置と干渉して図10(A)におけるそれ以上の時計方向に向けての回動を阻止する。また、円弧ストッパ623は、シャッタシリンダ60が開放姿勢T2に姿勢設定された状態(図10(C))で、容器本体31の他の所定の位置と干渉して図10(C)におけるそれ以上の反時計方向に向かう回動を阻止する。
逃がし孔622は、例えばシャッタシリンダ60が閉止姿勢T1の状態で、搬送部材50の駆動によりトナー充填室Z内のトナーがシャッタシリンダ60内に送り込まれたとき、この送り込まれたトナーをトナー充填室Zへ逃がすためのものである。こうすることで、シャッタシリンダ60内に押し込まれたトナーが塊状となることが抑止される。
円形閉止部63は、シャッタ筒体61の左端面を閉止するためのものである。円形閉止部63は、閉止円板631と、環状体632とを備えている。閉止円板631は、シャッタ筒体61の筒心と同心で、当該シャッタ筒体61の左端部に一体的に固定された、シャッタ筒体61より大径の円板状体である。環状体632は、閉止円板631から左方へ向けて突出した状態で当該閉止円板631の周面に一体的に形成されている。
閉止円板631の右面の中心位置には、図11(A)、(B)に示すように、軸支孔636が凹設されている。軸支孔636には、スクリュー軸511の左端部が嵌入され、回転可能に支持される。すなわち、トナー搬送スクリュー51が容器本体31内のトナー搬送空間Z1に配置され、かつ、その左端部がシャッタ装着筒32に挿入された状態で、スクリュー軸511の左端部が軸支孔636に嵌め込まれる。これによって、トナー搬送スクリュー51が、スクリュー軸511回りに一体回転可能に、容器本体31内のトナー搬送空間Z1へ装着される。
環状体632には、前方弦部633、後方弦部634、被係合突片635及び爪片634aが設けられている。前方弦部633及び後方弦部634は、環状体632の一部を切り欠いて形成された直線部であり、シャッタシリンダ60が第1閉止姿勢T11に設定された状態では略水平状態となる。被係合突片635は、前方弦部633より若干時計方向に向かう位置に、環状体632の径方向外方に向かって突設されている。爪片634aは、後方弦部634の後端側から、環状体632の接線方向の外方に向けて突設されている。
操作部64は、シャッタシリンダ60を回動操作するためのものであり、円形閉止部63の閉止円板631から左方に向かって突設されている。操作部64は、閉止円板631から左方に向かって同心で突設された円盤641と、この円盤641の中心位置から同心で突設された円筒突起642と、この円筒突起642から径方向の外方に向かって突設され−X方向から見て扇状を呈する扇状操作突片643と、円筒突起642における扇状操作突片643の反対側から突設された横から見て三角形状を呈する三角状操作片644とを備えている。
円筒突起642、扇状操作突片643及び三角状操作片644には、ユーザが摘んで操作し易いように形状設定された図略の摘みカバーが装着される。実際のシャッタシリンダ60の回動操作は、この摘みカバーを介して行われる。
扇状操作突片643は、シャッタシリンダ60が閉止姿勢T1の第1閉止姿勢T11に設定された状態(図10(A))で上向きになるとともに、三角状操作片644は下向きになる。そして、この状態において、操作部64を筒心回りに反時計方向に向けて僅かな所定角度だけ回動させることにより、図10(B)に示すように閉止姿勢T1の第2閉止姿勢T12に設定される。さらに操作部64を略90°回動操作することにより、閉止姿勢T1に姿勢設定されていたシャッタシリンダ60は、開放姿勢T2に姿勢変更される(図10(C))。
リングシール65は、シャッタシリンダ60がシャッタ装着筒32に装着された状態で、容器本体31のトナー充填室Z内のトナーがシャッタ装着筒32の内周面とシャッタ筒体61の外周面との間に侵入するのを防止するためのものであり、ゴムや軟質の合成樹脂等のエラストマー(弾性材料)によって形成されている。
また、リングシール65は、内径寸法が係止筒体62の外径寸法より僅かに小さく設定されているとともに、外径寸法がシャッタ装着筒32の内径寸法より若干大きめに設定されている。リングシール65は、図11(A)および図11(B)に示すように、シャッタシリンダ60の係止筒体62の基端部に、先端フランジ612と当接するように外嵌されている。
リングシール65に対して、操作部64の操作トルクを軽減するために、図11(A)の円内で拡大して示すように、ワッシャー651が付設されている。ワッシャー651は、滑り性の良い樹脂フイルム材で形成された環状部品であって、シャッタ装着筒32の環状突起322との間に介在され、リングシール65の右面に両面テープ652で接着されている。
以下、図12を基にロック部材66について説明する。図12は、ロック部材66の一実施形態を示す拡大斜視図であり、図12(A)は、ロック部材66が支持軸319に外嵌される前の状態、図12(B)は、ロック部材66が支持軸319に外嵌された状態をそれぞれ示している。なお、図12におけるXおよびYによる方向表示は、図4の場合と同様(Xは左右方向(−X:左方、+X:右方)、Yは前後方向(−Y:前方、+Y:後方))である。
ロック部材66は、シャッタシリンダ60の閉止姿勢T1における第1閉止姿勢T11(図10(A))および第2閉止姿勢T12(図10(B))をロックするためのものであり、容器本体31の左方板314に突設された支持軸319に外嵌支持されている。支持軸319は、その基端側(右(+X)側)で径方向に向けて突設された複数のストッパ片319aを有する。支持軸319に外嵌されたロック部材66は、このストッパ片319aに当止することで左右方向の位置決めが行われる。なお、ロック部材66の支持軸319からの抜止めは、容器本体31の左面側(−X側)に装着された覆い蓋70(図4)により行われる。
ロック部材66は、弾性変形が可能な部材で形成され、摺接状態で支持軸319に外嵌されるロック筒661と、このロック筒661の左端部から逆U字状を呈するように下方に向けて突設された包持アーム662とを備えている。包持アーム662は、シャッタシリンダ60の環状体632を外側から包み込むように、シャッタシリンダ60の外周に沿って配置される。
包持アーム662は、ロック筒661の左端部(−X側)から前方に向けて突設されたロックアーム663と、同左端部から後方に向けて突設された補助アーム664とからなる。かかる包持アーム662は、シャッタシリンダ60(環状体632)の円周方向に沿った略円弧状に形状設定され、その曲率径寸法が環状体632の径寸法より若干大きめに設定されている。これにより包持アーム662は環状体632を包持することができる。
ロックアーム663は、ロック筒661から略45°の角度でもって前方へ向かい先下がりで突設された傾斜部663aと、この傾斜部663aの下端部から垂下された垂下部663bと備えている。垂下部663bと補助アーム664の下端部と間の内寸法は、環状体632の外径寸法より若干短めに設定されている。このため包持アーム662は、環状体632を包持した状態では、垂下部663bと補助アーム664との間隔が広がる方向に弾性変形する。
ロックアーム663の傾斜部663aの下面側には、シャッタシリンダ60の円形閉止部63に設けられた被係合突片635に係合するための第1係合片665と第2係合片666とが、それぞれ下方に向けて突設されている。第1係合片665及び第2係合片666は、シャッタシリンダ60の被係合突片635と係合可能である。
第1係合片665は、被係合突片635と係合することで、シャッタシリンダ60を第1閉止姿勢T11に姿勢設定してロックする。また、第2係合片666は、被係合突片635と係合することで、シャッタシリンダ60を第2閉止姿勢T12に姿勢設定してロックする。第1係合片665は、環状体632の周方向に所定距離だけ離間して第2係合片666より前方側に隣設されている。
第1係合片665は、ロックアーム663の傾斜部663aの裏面と略直交した左右方向に延びる直交面665aと、この直交面665aの端部から後方および傾斜部663aに向けて斜めに降ろされた傾斜面665bとを有している。そして、第2係合片666も、同様に直交面666aおよび傾斜面666bを有している。
従って、開放姿勢T2(図10(C))に姿勢設定されたシャッタシリンダ60が筒心回りに時計方向に向けて回転されることにより、被係合突片635は、まず第2係合片666の傾斜面666bと干渉する。該干渉によりロックアーム663は弾性変形し、被係合突片635は傾斜面666bを乗り越えて直交面666aに到達する。これによってシャッタシリンダ60は、ロック状態で第2閉止姿勢T12(図10(B))に姿勢設定される。
シャッタシリンダ60が第2閉止姿勢T12に姿勢設定された状態で、シャッタシリンダ60をさらに時計方向に向けて筒心回りに回動させると、被係合突片635が第1係合片665の傾斜面665bと干渉する。該干渉によりロックアーム663は弾性変形し、被係合突片635は当該傾斜面665bを乗り越えて直交面665aに到達する。これによってシャッタシリンダ60は、ロック状態で第1閉止姿勢T11(図10(A))に姿勢設定される。
第1または第2閉止姿勢T11,T12に設定されたシャッタシリンダ60のロック状態を解除するためには、ユーザはロックアーム663を環状体632から離間する方向に向けて操作する。この操作によるロックアーム663の弾性変形によって、第1または第2係合片665,666の被係合突片635に対する係合状態が解消され、シャッタシリンダ60のロック状態が解除される。以上のシャッタシリンダ60のロックのための回動操作並びにロック解除操作は、操作部64に被せられている図略の摘みカバーをユーザが回動操作することで行われる。
図13は、ロック部材66の作用を説明するための説明図であり、図13(A)は、シャッタシリンダ60が第1閉止姿勢T11に設定された状態、図13(B)は、シャッタシリンダ60が第2閉止姿勢T12に設定された状態、図13(C)は、シャッタシリンダ60が開放姿勢T2に姿勢設定された状態をそれぞれ示している。
まず、シャッタシリンダ60が第1閉止姿勢T11に姿勢設定された状態では、図13(A)に示すように、シャッタシリンダ60の被係合突片635がロック部材66のロックアーム663に設けられた第1係合片665の直交面665aに当止する。これによってシャッタシリンダ60は、第1閉止姿勢T11に姿勢設定された状態でロックされている。
この状態においては、シャッタシリンダ60の筒心回りの時計方向に向かう回動量が最大になって、シャッタシリンダ60のトナー払出口614は、シャッタ装着筒32のトナー排出口321から最も離間した位置に存在することとなる。また、トナー払出口614の周囲のシールパッド67によるシール面積(トナー払出口614とトナー排出口321との間に存在するシールパッド67の面積)も大きい。従って、コンテナ容器30内のトナーのシール性、つまりシャッタ筒体61の外周面とシャッタ装着筒32の内周面との隙間を介してトナー排出口321から外部にトナーが漏洩するルートのシール性を良好なものとすることができる。
従って、トナーコンテナ20の製造現場で容器本体31内にトナーが充填された後、当該トナーコンテナ20を使用現場まで輸送するときなど、シャッタシリンダ60を第1閉止姿勢T11に設定しておけば、輸送中の振動によってトナーコンテナ20内のトナーが外部に漏洩することを確実に防止することができる。
ついで、トナーコンテナ20が製造現場から使用現場にまで輸送され、所定のプリンタ10に装着されるに際しては、今まで第1閉止姿勢T11に姿勢設定されていたシャッタシリンダ60が、第2閉止姿勢T12に姿勢変更される。この姿勢変更に際しては、ロックアーム663が支持軸319回りに反時計方向に操作される。この操作によるロックアーム663の弾性変形によって、第1係合片665の被係合突片635に対する係合状態が解消され、シャッタシリンダ60のロック状態が一時的に解除される。しかる後、操作部64の反時計方向に向かう回動操作で、被係合突片635が第2係合片666に係合される。こうすることでシャッタシリンダ60は、図13(B)に示すように、第2閉止姿勢T12に設定される。
そして、プリンタ10のユーザがトナーコンテナの交換を行うとき、新たなトナーコンテナ20をプリンタ10に装着した後、図13(C)に示すように、操作部64を操作してシャッタシリンダ60を開放姿勢T2にする。これにより、シャッタシリンダ60の払出口614が、シャッタ装着筒32のトナー排出口321に合わせられ、トナー供給が可能な状態となる。
この第2閉止姿勢T12から開放姿勢T2への回動操作は、第1閉止姿勢T11から開放姿勢T2への回動操作に比べてシャッタシリンダ60の回動量が少ない。従って、シールパッド67の存在によってシャッタシリンダ60の回転負荷が生じるものの、回動量が少無くて済む分だけ、ユーザの操作負担を軽減し操作性を良好にすることができる。なお、シャッタシリンダ60を回動させるトルクを軽減させるために、シールパッド67の面積を可及的に小さくしたり(例えば閉止姿勢T1においてシールパッド67がトナー排出口321を塞がない程度のサイズにする)、シールパッド67の角部を面取りしたりすることが望ましい。
なお、図13に示す例では、シャッタシリンダ60が閉止姿勢T1(第1または第2閉止姿勢T11,T12)に姿勢設定されているときには、環状体632の爪片634aがロック部材66の補助アーム664を径方向の外方に向かって押圧している。従って、ロック部材66は、支持軸319回りに時計方向に向かう力を受ける。このため、第1及び第2係合片665,666の被係合突片635に対する係合状態がより確実になり、結果としてシャッタシリンダ60のロック状態をより安定した状態にすることができる。
以上詳述したように、本実施形態に係るトナーコンテナ20は、プリンタ10に着脱可能に装着され、現像装置122にトナーを補給する。トナーコンテナ20は、トナーを貯留し、トナー排出口321を有するコンテナ容器30と、コンテナ容器30内のトナーをトナー排出口321に向けて搬送するトナー搬送スクリュー51と、コンテナ容器30のシャッタ装着筒32に回動自在に取り付けられたシャッタシリンダ60とを備える。シャッタシリンダ60は、トナー排出口321に対応するように位置設定されたトナー払出口614を周壁に有し、筒心回りに回動することで当該トナー払出口614がトナー排出口321と対向した基準姿勢(開放姿勢T2)と、その周壁により当該トナー排出口321を閉止する閉止姿勢T1とで、姿勢変更可能である。
そして、シャッタシリンダ60の閉止姿勢をロックするとともに、当該ロックの解除操作を行うことができるロック部材66が設けられている。ロック部材66は、シャッタシリンダ60を、基準姿勢(開放姿勢T2)からの回動量が大きい第1閉止姿勢T11でのロックと、この第1閉止姿勢T11より回動量が小さい第2閉止姿勢T12でのロックとを選択的に行うことができる。
従って、トナーコンテナ20の出荷時等のトナーのシール性が優先される場合は、第1閉止姿勢T11を選択してシャッタシリンダ60の回動をロックすることにより、トナー払出口を介したトナーの漏洩をより確実に防止することができる。一方、トナーコンテナ20の使用時等のシャッタシリンダ60の操作性を優先させる場合は、第2閉止姿勢T12を選択してシャッタシリンダ60の回動をロックさせることで、開放姿勢T2へシャッタシリンダ60を回動させるための操作を容易に行わせることができる。
以上、本発明の一実施形態につき説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のような内容の変形実施形態を採用することができる。
(1)上記の実施形態においては、本発明に係るトナーコンテナ20が適用される画像形成装置としてカラー印刷用のプリンタ10を例に挙げて説明した。しかし、プリンタ10は、モノクロ印刷用のものであってもよい。また、画像形成装置がプリンタであることに限定されるものではなく、複写機やファクシミリ装置であってもよい。
(2)上記の実施形態においては、操作部64を手操作で操作する例を示した。これに代えて、コンテナ収容室Q側に操作部64の回動操作を案内する案内部材を配設し、シャッタシリンダ60をコンテナ収容室Qに挿入するときには、操作部64が案内部材に案内されて閉止姿勢T1から開放姿勢T2へ自動的に姿勢変更する一方、コンテナ収容室Qから取り出すときには、操作部64が案内部材に逆方向へ向けて案内されて開放姿勢T2から閉止姿勢T1へ自動的に姿勢変更するようにしてもよい。これにより、操作部64を手操作する必要がなくなり、トナーコンテナ20の装置本体11に対する着脱作業性が向上する。
(3)上記の実施形態においては、蓋体35に設けられる取っ手凹部38は、トナーコンテナ20の駆動力伝達側(搬送ギヤ53が設けられている側)に設けられている例を示した。しかし、取っ手凹部38は、シャッタシリンダ60が設けられたシャッタ側に設けてもよいし、長手方向の中央部に設けてもよい。また、取っ手が蓋体35に凹設された例を示したが、蓋体35から膨設された取っ手凸部であってもよい。
(4)上記の実施形態においては、シャッタシリンダ60の係止筒体62に設けられる逃がし孔622は、径方向で互いに対向した2つ設けた例を示した。しかし、逃がし孔622は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
(5)上記の実施形態においては、トナーコンテナ20が装置本体11に対し上方から着脱操作されるものであるため、これに対応させるべく取っ手凹部38がコンテナ容器30の蓋体35に設けられている。しかし、トナーコンテナ20が装置本体11の側面側から着脱操作されるようなものである場合には、取っ手凹部38をコンテナ容器30の容器本体31側に設けてもよい。
(6)上記の実施形態においては、3つの支持脚33を例示したが、支持脚33は、4t以上であってもよいし、3つ未満であってもよい。但し、支持脚33が3つ未満の場合には、装置本体11の仕切板18側に、コンテナ容器30の底板(上記の実施形態では円弧底板311)を支持するための支持突起などの支持部を設ける必要がある。
(7)上記の実施形態においては、アジテータ40に攪拌羽根45を支持するための攪拌軸として角軸42が採用されているが、通常の円柱状の軸であってもよいし、断面視が十字状を呈した十字軸であってもよい。また、アジテータ40の角軸42に攪拌羽根45が1枚だけ取り付けられている例を示したが、複数枚の攪拌羽根45を角軸42に取り付けてもよい。
(8)上記の実施形態においては、ロック部材66が支持軸319回りに回動可能に軸支されている例を示した。これに代えて、その基端部分(すなわち、ロック筒661に対応する部分)が容器本体31の左方板314に一体的に固定されるようにしてもよい。