図1は、本発明の実施の一形態であるSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)クライアント通信装置10を含む通信システム1の概略の構成を示すブロック図である。通信装置であるSMTPクライアント通信装置(以下「SMTPクライアント」ともいう)10を含む通信システム1は、SMTPクライアント10の他に、SMTPサーバ装置であるSMTPサーバ通信装置(以下「SMTPサーバ」ともいう)20、PC(
Personal Computer)21、およびルータ22によって構成される。
SMTPクライアント10、SMTPサーバ20、およびPC21は、ネットワークたとえばLAN(Local Area Network)23に接続される。LAN23は、たとえばイーサネット(登録商標、Ethernet)規格に準拠したネットワークであり、ルータ22を介してインターネット24に接続される。図1には、理解を容易にするために、SMTPクライアント10、SMTPサーバ20、およびPC21をLAN23にそれぞれ1台接続した構成を示しているが、1台に限定されるものではなく、いずれも複数台接続することも可能である。
SMTPサーバ20は、コンピュータによって構成され、SMTPに従ってSMTPクライアント10から送信される電子メール(以下単に「メール」ともいう)を受信し、受信したメールを転送する。SMTPサーバ20は、基本的には、RFC2554に規定されるSMTP認証をサポートしているサーバであるが、SMTP認証がサポートされていないサーバの場合もある。RFC2554は、インターネットに関する技術の標準を定める団体であるIETF(Internet Engineering Task Force)が発行するSMTP認証(
SMTP Authentication)についての文書である。
PC21は、画像を表示する表示部を備える。PC21は、ウェブ(WEB)機能を有し、この機能によって表示されるウェブページからSMTPクライアント10の設定が可能である。ルータ22は、LAN23にて送受信される情報をインターネット24などの他のネットワークに中継する装置である。
図2は、図1に示したSMTPクライアント通信装置10の構成を示すブロック図である。SMTPクライアント10は、独自のインターネットプロトコル(Internet
Protocol;略称:IP)アドレスが割り当てられ、SMTPに従って電子メールを送信するコンピュータであり、パネル制御部11、メイン制御部12、読取制御部13、画像メモリ14、メール送信制御部15、SMTP制御部16、ネットワークI/F(Interface)制御部17、およびHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)制御部18を含んで構成される。
またSMTPクライアント10は、中央処理装置(Central Processing Unit;略称:CPU)および記憶装置を含む。記憶装置は、CPUによって実行されるプログラムおよびCPUによって読み書きされる情報を記憶する半導体メモリあるいはハードディスク装置によって構成される。
パネル制御部11は、キーボードおよびマウスのうちの少なくともいずれか一方によって構成さる入力装置、たとえば液晶ディスプレイによって構成される表示装置、およびたとえばプリンタによって構成される印刷装置を含む。ユーザは、入力装置によって情報を入力し、表示装置に表示される情報あるいは印刷装置で印刷される情報を見ることができる。パネル制御部11は、キー入力つまり入力装置で入力された情報をメイン制御部12に送り、メイン制御部12から受け取る情報を、メイン制御部12からの指示によって、たとえば表示装置に表示する。SMTPクライアント10の設定は、PC21から行われるが、パネル制御部11から設定するようにしてもよい。
メイン制御部12は、パネル制御部11から受け取った情報を解析し、解析結果に応じた制御を行う。たとえば解析結果がメール送信であると、読取制御部13に原稿読取要求を出す。読取制御部13から読取完了通知を受け取ると、メール送信制御部15にメール送信要求を出す。原稿がセットされていない場合は、つまり添付ファイルがない場合は、原稿読取要求を出さずに、メール送信制御部15にメール送信要求を出す。さらに、メイン制御部12は、ユーザに知らせるための情報をパネル制御部11に送り、たとえば表示装置に表示させる。
読取制御部13は、スキャナなどの画像読取装置を含み、メイン制御部12からの指示によって、原稿に記載されている情報を画像読取装置によって読み取る。そして、読み取った原稿の情報を画像メモリ14に送り、読取完了通知をメイン制御部12に送る。画像メモリ14は、記憶装置に含まれるメモリであり、読取制御部13から受け取った情報を記憶する。さらに、メール送信制御部15からの指示によって、記憶している情報を読み出して、メール送信制御部15に送る。
メール送信制御部15は、メイン制御部12からメール送信要求を受け取ると、送信者(FROM)、宛先(TO/CC/BCC)、件名(SUBJECT)、ならびに本文および画像メモリから読み出したデータ(DATA)からなる電子メール情報を生成し、生成した電子メール情報をSMTP制御部16に送る。
SMTP制御部16は、メール送信制御部15から電子メール情報を受け取ると、受け取った電子メール情報を電子メールとして、ネットワークI/F制御部17を介してSMTPサーバ20にSMTPに従って送信する。SMTP認証が必要な場合は、SMTP認証のために必要な情報たとえばユーザアカウントおよびパスワードなどの情報をSMTPサーバ20に送り、認証された後、メール送信制御部15から受け取った電子メール情報を送信する。
ネットワークI/F制御部17は、LAN23に接続され、LAN23に接続される装置たとえばSMTPサーバ20と情報を送受信する。すなわち、SMTP制御部16あるいはHTTP制御部18から受け取った情報を送信し、受信した情報をSMTP制御部16あるいはHTTP制御部18に送る。HTTP制御部18は、LAN23に接続されるWEBサーバと、SMTPクライアント10に搭載されるたとえば図示しないWEBブラウザとの情報の送受信を制御する。
送信手段は、たとえばSMTP制御部16およびネットワークI/F制御部17であり、記憶手段および第2の記憶手段は、たとえば記憶装置であり、表示手段は、たとえばパネル制御部11であり、入力手段は、たとえばパネル制御部11であり、設定手段は、たとえばパネル制御部11であり、制御手段は、たとえばメイン制御部12およびメール送信制御部15である。
図3は、図1に示したSMTPクライアント通信装置10およびSMTPサーバ通信装置20間で行われる認証の概念を示す図である。SMTPクライアント10は、メールを送信する際、まず、SMTP認証のために必要な情報たとえばユーザアカウントおよびパスワードなどの情報を送信し、SMTPサーバ20に認証を要求する。SMTPサーバ20は、SMTPクライアント10からの認証要求に応答し、受信したユーザアカウントおよびパスワードによって、認証に成功したか否か、すなわち認証がOKであるか否かを判定する。SMTPサーバ20は、認証に成功、すなわち認証がOKであると判定したとき、認証に成功したことを表す情報(以下「認証成功情報」という)をSMTPクライアント10に送信する。SMTPクライアント10は、SMTPサーバ20からの認証成功情報を受信すると、メールをSMTPサーバ20に送信する。
図4は、図3に示した認証の詳細なシーケンス図である。SMTP制御部16が、メール送信制御部15から電子メール情報を受信すると、シーケンスS1に移る。シーケンスS1では、SMTPクライアント10は、SMTPサーバ20に接続要求を送信する。シーケンスS2では、SMTPサーバ20は、SMTPクライアント10からの接続要求に応答して「220」応答つまり接続許可を表す情報をSMTPクライアント10に送信する。
シーケンスS3では、SMTPクライアント10は、SMTPサーバ20から送信される「220」応答を受信すると、「EHLO」コマンドをSMTPサーバ20に送信して、セッションの開始を要求する。シーケンスS4では、SMTPサーバ20は、SMTPクライアント10からのセッションの開始要求に応答して「250」応答つまりセッション開始成功を表す情報をSMTPクライアント10に送信する。
シーケンスS5では、SMTPクライアント10は、SMTPサーバ20から送信される「250」応答を受信すると、「AUTH XXXX」コマンドをSMTPサーバ20に送信して、認証を要求する。このとき認証方式を示す情報も併せてSMTPサーバ20に送信する。シーケンスS6では、SMTPクライアント10は、SMTPサーバ20にSMTP認証のためのユーザアカウント(以下「ユーザID(Identification)」ともいう)およびパスワードを送信し、SMTPサーバ20は、SMTPクライアント10から送信されるユーザIDおよびパスワードを受信すると、受信したユーザIDおよびパスワードによって認証がOKであるか否かを判定する。
シーケンスS7では、SMTPサーバ20は、認証がOKであると判定したとき、「235」応答つまり認証成功情報をSMTPクライアント10に送信する。シーケンスS8では、SMTPクライアント10は、SMTPサーバ20から送信される「235」応答を受信すると、「MAIL FROM …」コマンドをSMTPサーバ20に送信し、メールのデータを送信する。
図5は、図1に示したPC21でのネットワーク設定画面31を示す図である。PC21の代わりにパネル制御部11から設定する場合は、ネットワーク設定画面31は、パネル制御部11の表示装置に表示される。ネットワーク設定画面31から設定された情報は、SMTPクライアント10の記憶装置に記憶される。
ネットワーク設定画面31は、SMTPクライアント10のネットワーク接続に関する設定を行うための画面である。ネットワーク設定画面31には、画面のタイトル「
Network Setting」および5つの設定項目がある。図5には、IPアドレスを設定するための「IP Address」、サブネットマスクを設定するための「Subnet Mask」、デフォルトのゲートウェイを設定するための「Default Gateway」、ドメインネームサーバを設定するための「DNS」、およびDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)を適用するか否かを設定するための「DHCP」の項目と、それぞれの項目に対する入力領域とが示されている。
図5では、「IP Address」として「192.168.1.150」、「Subnet Mask」として「255.255.255.0」、「Default Gateway」として「192.168.1.7」、および「DNS」として「192.168.1.2」が入力され、「DHCP」には、適用を意味するチェックマークが付されている。
図6は、図1に示したPC21でのE−MAIL設定画面32を示す図である。PC21の代わりにパネル制御部11から設定する場合は、E−MAIL設定画面32は、パネル制御部11の表示装置に表示される。E−MAIL設定画面32から設定された情報は、SMTPクライアント10の記憶装置に記憶される。
E−MAIL設定画面32は、SMTPクライアント10のメールの送受信に関する設定を行うための画面である。E−MAIL設定画面32には、画面のタイトル「E-MAIL
SETUP」および6つの設定項目がある。図6には、SMTPサーバを設定するための「SMTP Server」、ポート番号を設定するための「Port Number」、SMTP認証を適用するか否かを設定するための「SMTP Authentication」、SMTP認証の認証方式のうちから選択する認証方式を設定するための「SMTP Authentication method」、SMTP認証のためのユーザIDつまりユーザアカウントを設定するための「User Name」、およびSMTP認証のためのパスワードを設定するための「Password」の項目と、それぞれの項目に対する入力領域とが示されている。「User Name」および「Password」の前には、SMTP認証のための情報であることを示す「-SMTP AUTH-」が示されている。
図6では、「SMTP Server」として「smtp.internal」、「Port Number」として「25」が示されている。さらに、「SMTP Authentication」としては、チェックマークが付された「YES」およびチェックマークのない「NO」が示され、SMTP認証が適用されることを示している。「SMTP Authentication method」としては、チェックマークが付された「CRAM-MD5」、チェックマークのない「LOGIN」、およびチェックマークのない「PLAIN」が示され、SMTP認証の認証方式のうち、すなわちCRAM−MD5方式、LOGIN方式、およびPLAIN方式のうち、CRAM−MD5方式が選択されていることを示している。「User Name」としては、「hana_shar*」が示され、「Password」としては、「XXXXXXXXXX」が示されている。
図7は、図1に示したPC21でのADMIN設定画面33を示す図である。PC21の代わりにパネル制御部11から設定する場合は、ADMIN設定画面33は、パネル制御部11の表示装置に表示される。ADMIN設定画面33から設定された情報は、SMTPクライアント10の記憶装置に記憶される。
ADMIN設定画面33は、メールを送信する際に行われる認証のための一定の条件を管理者が設定する画面である。ADMIN設定画面33には、画面のタイトル「ADMIN. SETUP」および12の設定項目がある。図7には、セキュリティモードを適用するか否かを設定するための「セキュリティモード」、ドメインによるプロテクトを設定するための「ドメインプロテクト」、文字列によるプロテクトを設定するための「文字列プロテクト」、添付ファイルによるプロテクトを設定するための「添付ファイルプロテクト」、添付ファイルの拡張子によるプロテクトを設定するための「添付ファイル拡張子プロテクト」、添付ファイルの数によるプロテクトを設定するための「添付ファイル数プロテクト」、読取原稿ページ数によるプロテクトを設定するための「読取原稿ページ数プロテクト」、添付ファイルの暗号化によるプロテクトを設定するための「添付ファイル暗号化プロテクト」、送信メールサイズによるプロテクトを設定するための「送信メールサイズプロテクト」、宛先によるプロテクトを設定するための「宛先プロテクト」、送信日時によるプロテクトを設定するための「送信日時プロテクト」、および管理者アドレスを設定するための「管理者アドレス」の項目と、それぞれの項目に対する入力領域とが示されている。
図7では、「セキュリティモード」として、チェックマークが付された「YES」およびチェックマークのない「NO」が示され、セキュリティモードが適用されることを示している。「ドメインプロテクト」としては、「shar*.com」が示され、「文字列プロテクト」としては、「社外秘」が示される。「添付ファイルプロテクト」としては、チェックマークが付された「YES」およびチェックマークのない「NO」が示され、添付ファイルによるプロテクトが適用されることを示している。「添付ファイル拡張子プロテクト」としては、「.tiff」が示されている。「添付ファイル数プロテクト」としては、入力領域に「2」が設定された「2種類以上」、「読取原稿ページ数プロテクト」としては、入力領域に「2」が設定された「2ページ以上」が示されている。「添付ファイル暗号化プロテクト:」としては、チェックマークが付された「Y ES」およびチェックマークのない「NO」が示され、添付ファイル暗号化によるプロテクトが適用されることを示している。「送信メールサイズプロテクト」としては、入力領域に「100」が設定された「100KB」が示されている。「宛先プロテクト」としては、チェックマークが付された「YES」およびチェックマークのない「NO」が示され、宛先によるプロテクトが適用されることが示され、その宛先としては、「otokuisama@kaisya.com」および「torihikisaki@kigyou.com」が示されている。「送信日時プロテクト」としては、開始時間の入力領域に「9」および終了時間の入力領域に「18」が設定された「9時〜18時」が示されている。「送信日時プロテクト」は、時のほかに西暦、月、日、および分について、それぞれ開始および終了を設定可能であるが、「*」が示されている入力領域は、設定されていないことを示す。「管理者アドレス」としては、「admin@shar*.com」が示されている。
図8は、図1に示したPC21での送信結果表示画面34を示す図である。送信結果表示画面34は、送信したメールに関する情報を表示する画面である。送信結果表示画面34は、送信したメールに関する情報が管理者のPC、たとえばPC21に送信されて表示部に表示される画面であるが、PC21の表示部の代わりにパネル制御部11の表示装置に表示してもよい。
送信結果表示画面34には、画面のタイトル「MAIL SEND REPORT」、日付、および7つの項目がある。7つの項目には、送信元(のアドレス)を表す「FROM」、宛先(のアドレス)を表す「TO」、メールサイズを表す「MAIL SIZE」、ページ数を表す「PAGE」、送信結果を表す「RESULT」、SMTP認証の認証方式を表す「SMTP-AUTH」、および該当する条件を表す「該当条件」の項目と、それぞれの内容とが示されている。
図8では、日付は「2007/2/15 木曜日」であり、「FROM」として「hana@shar*.com」が示され、「TO」として「otokuisama@kaisya.com」が示され、「MAIL SIZE」として「127KB」が示され、「PAGE」として「2 page」が示され、「RESULT」として「OK」が示され、「SMTP-AUTH」として「CRAM-MD5」が示され、「該当条件」として「宛先プロテクトに合致したためパスワード要求有り」が示されている。
図9は、図1に示したSMTPクライアント通信装置10に登録されるユーザIDリストの具体例41を示す図である。ユーザIDリスト41は、ユーザIDおよびパスワードの組合せごとにメールの送信を許可するか否かが設定されたリストである。ユーザIDリスト41は、SMTPクライアント10の記憶装置に記憶される。
ユーザIDリスト41には、「User」、「Password」、および「許可」の項目があり、「User」はユーザIDであり、「Password」はパスワードであり、「許可」はメールの送信が許可されているか否かを示す。図9には、3人のユーザが登録されており、User「
hana」およびPassword「123456」についての「許可」は「YES」つまり許可されており、
User「yama」およびPassword「111111」についての「許可」は「NO」つまり許可されておらず、User「suzu」およびPassword「552255」についての「許可」は「YES」つまり許可されている。
図10は、図1に示したSMTPクライアント通信装置10の第1のメール送信処理のフローチャートである。メイン制御部12がパネル制御部11から受け取った情報を解析し、解析結果がメール送信であると、ステップA1に移る。
ステップA1では、メイン制御部12は、メール送信制御部15にメール送信要求を出す。ステップA2では、メール送信制御部15は、送信要求を受けたメールが一定の条件を満たすメールであるか否かを判定する。一定の条件は、たとえば図7に示したADMIN設定画面33で設定された条件である。一定の条件を満たすと、ステップA3に進み、一定の条件を満たさないと、ステップA6に進む。
ステップA3では、メール送信制御部15は、SMTP認証のためのユーザIDおよびパスワードが設定されているか否かを判定する。SMTP認証のためのユーザIDおよびパスワードが、図6に示したE−MAIL設定画面32の「SMTP-AUTH」の項目にそれぞれ設定されていると、ステップA4に進み、SMTP認証のためのユーザIDおよびパスワードが、E−MAIL設定画面32の「SMTP-AUTH」の項目に設定されていないと、ステップA7に進む。
ステップA4では、メール送信制御部15は、E−MAIL設定画面32の「SMTP-
AUTH」の項目に設定されているSMTP認証のためのユーザIDおよびパスワードを記憶装置から読み出して、SMTPサーバ20に対して、SMTP制御部16によって送信し、SMTP認証を行う。ステップA5では、ステップA4でのSMTP認証がOKであると、メール送信制御部15は、メールをSMTP制御部16によってSMTPサーバ20に送信して、第1のメール送信処理を終了する。ステップA6では、後述する他処理を行って、第1のメール送信処理を終了する。ステップA7では、エラー処理として、たとえばSMTP認証のためのユーザIDおよびパスワードが設定されていないためにメールを送信することができない旨を、パネル制御部11の表示装置に表示して、第1のメール送信処理を終了する。
図10に示した第1のメール送信処理は、メールが一定の条件を満たしていれば、メールを送信するユーザが誰であっても、すなわちSMTP認証のユーザIDおよびパスワードを知らないユーザであっても、予め管理者がE−MAIL設定画面32で登録しているSMTP認証のためのユーザIDおよびパスワードを使用して、SMTP認証を自動的に実施する。したがって、管理者が指定した条件を満たすメールであれば、ユーザによるパスワードの入力などの手間を省き、利便性を高くすることができる。
図11は、図1に示したSMTPクライアント通信装置10の第2のメール送信処理のフローチャートである。メイン制御部12がパネル制御部11から受け取った情報を解析し、解析結果がメール送信であると、ステップB1に移る。
ステップB1では、メイン制御部12は、メール送信制御部15にメール送信要求を出す。ステップB2では、メール送信制御部15は、送信要求を受けたメールが一定の条件を満たすメールであるか否かを判定する。一定の条件は、たとえば図7に示したADMIN設定画面33で設定された条件である。一定の条件を満たすと、ステップB3に進み、一定の条件を満たさないと、ステップB8に進む。
ステップB3では、ユーザにパスワードを要求する。すなわち、メール送信制御部15は、メイン制御部12を介して、パスワードの入力を要求する情報をパネル制御部11の表示装置に表示する。ステップB4では、メール送信制御部15は、表示装置に表示されたパスワードの入力を要求する情報に応答して、パネル制御部11の入力装置によって入力されたパスワードを、メイン制御部12を介して受け取り、受け取ったパスワードが、図9に示したユーザIDリスト41に登録されかつユーザIDリスト41で許可されているか否かを判定する。受け取ったパスワードが登録されかつ許可されていると、ステップB5に進み、受け取ったパスワードが登録されていないと、または登録されていても許可されていないと、ステップB9に進む。ステップB5〜ステップB9は、それぞれ図10に示したステップA3〜ステップA7に対応するステップであり、重複を避けるために説明は省略する。
図11に示した第2のメール送信処理は、メールが一定の条件を満たす場合には、ユーザ識別を行ってから、SMTP認証を行った後メールを送信する。管理者は、SMTP認証付きのメール送信を実施したいが、SMTP認証のためのユーザIDおよびパスワードをユーザに知らせたくない場合に、独自のユーザIDおよびパスワードを用いてメール送信の許可/不許可を判定することができる。
図12は、図1に示したSMTPクライアント通信装置10の第3のメール送信処理のフローチャートである。メイン制御部12がパネル制御部11から受け取った情報を解析し、解析結果がメール送信であると、ステップC1に移る。
ステップC1では、メイン制御部12は、メール送信制御部15にメール送信要求を出す。ステップC2では、メール送信制御部15は、送信要求を受けたメールが一定の条件を満たすメールであるか否かを判定する。一定の条件は、たとえば図7に示したADMIN設定画面33で設定された条件である。一定の条件を満たすと、ステップC3に進み、一定の条件を満たさないと、ステップC7に進む。
ステップC3では、SMTP−AUTHつまりSMTP認証のためのユーザIDおよびパスワードを要求する。すなわち、メール送信制御部15は、メイン制御部12を介して、SMTP認証のためのユーザIDおよびパスワードの入力を要求する情報をパネル制御部11の表示装置に表示する。
ステップC4では、メール送信制御部15は、表示装置に表示されたSMTP認証のためのユーザIDおよびパスワードの入力を要求する情報に応答して、パネル制御部11の入力装置によって入力されたユーザIDおよびパスワードを、メイン制御部12を介して受け取り、受け取ったユーザIDおよびパスワードが、図6に示したE−MAIL設定画面32の「SMTP-AUTH」の項目に設定されているユーザIDおよびパスワードと一致するか否かを判定する。ユーザIDおよびパスワードが一致すると、ステップC5に進み、ユーザIDおよびパスワードが一致しないと、ステップC8に進む。ステップC5〜ステップC8は、それぞれ図10に示したステップA4〜ステップA7に対応するステップであり、重複を避けるために説明は省略する。
図12に示した第3のメール送信処理は、メールが一定の条件を満たす場合には、ユーザにSMTP認証のためのユーザIDおよびパスワードの入力を義務付けるものであり、「なりすまし」および「無断使用」などを防ぐためのセキュリティを重視したいと考える管理者の意向に沿うものである。
図13は、図1に示したSMTPクライアント通信装置10の第4のメール送信処理のフローチャートである。メイン制御部12がパネル制御部11から受け取った情報を解析し、解析結果がメール送信であると、ステップD1に移る。
ステップD1では、メイン制御部12は、メール送信制御部15にメール送信要求を出す。ステップD2では、メール送信制御部15は、送信要求を受けたメールが一定の条件を満たすメールであるか否かを判定する。一定の条件は、たとえば図7に示したADMIN設定画面33で設定された条件である。一定の条件を満たすと、ステップD3に進み、一定の条件を満たさないと、ステップD4に進む。
ステップD3では、メール送信制御部15は、メールをSMTP制御部16によってSMTPサーバ20に送信して、第4のメール送信処理を終了する。ステップD4では、後述する他処理を行って、第4のメール送信処理を終了する。
図13に示した第4のメール送信処理は、SMTPサーバ20がSMTP認証の機能を有していない場合にも、管理者が設定した一定の条件を満たしていれば、SMTP認証を行うことなく、メールを送信することができる。
図14は、図1に示したSMTPクライアント通信装置10の第5のメール送信処理のフローチャートである。メイン制御部12がパネル制御部11から受け取った情報を解析し、解析結果がメール送信であると、ステップE1に移る。
ステップE1では、メイン制御部12は、メール送信制御部15にメール送信要求を出す。ステップE2では、メール送信制御部15は、図6に示したE−MAIL設定画面32の「SMTP-AUTH」の項目にユーザIDおよびパスワードが設定されているか否かを判定する。ユーザIDおよびパスワードが設定されていると、ステップE3に進み、ユーザIDおよびパスワードが設定されていないと、ステップE6に進む。ステップE3では、メール送信制御部15は、送信要求を受けたメールが一定の条件を満たすメールであるか否かを判定する。一定の条件は、たとえば図7に示したADMIN設定画面33で設定された条件である。一定の条件を満たすと、ステップE4に進み、一定の条件を満たさないと、ステップE7に進む。
ステップE4では、SMTPサーバ20に対して、Aグループの認証を行う。すなわちAグループに属する認証方式のうち、そのSMTPクライアント10が利用可能な優先順位が最も高い認証方式で認証を行う。Aグループに属する認証方式には、try−firstからtry−lastの順につまり優先順位の高い順に、CRAM−MD5方式、LOGIN方式、およびPALIN方式がある。ステップE5では、ステップE4またはステップE7でのSMTP認証がOKであると、メール送信制御部15は、メールをSMTP制御部16によってSMTPサーバ20に送信して、第5のメール送信処理を終了する。
ステップE6では、エラー処理を行って、第5のメール送信処理を終了する。ステップE7では、SMTPサーバ20に対して、Bグループの認証を行い、ステップE5に進む。すなわちBグループに属する認証方式のうち、そのSMTPクライアント10が利用可能な優先順位が最も高い認証方式で認証を行い、ステップE5に進む。Bグループに属する認証方式には、try−firstからtry−lastの順につまり優先順位の高い順に、LOGIN方式およびPALIN方式がある。ステップE4およびステップE7では、各グループから選択した認証方式がSMTPサーバ20によってサポートされていないときは、優先順位を下げた認証方式を選択し、優先順位の最も低い認証方式もサポートされていないときは、エラー処理を行う。
図14に示した第5のメール送信処理は、一定の条件に応じたグループに含まれる優先順位が付けられた認証方式の中から、そのSMTPクライアント10が利用可能な優先順位の高い認証方式で、認証を行うものである。管理者は、各グループに含める認証方式の設定を変えることによって、送信するメールに応じて、暗号化の有無あるいは認証方式を切り替えることができる。
図15は、図10〜図14に示した他処理についての第1の他処理のフローチャートである。ステップF1では、メール送信を行って、第1の他処理を終了する。
図16は、図10〜図14に示した他処理についての第2の他処理のフローチャートである。ステップG1では、エラー処理を行って、たとえばSMTP認証のためのユーザIDおよびパスワードが設定されていないなどの理由によってメールを送信することができない旨を、パネル制御部11の表示装置に表示して、第2の他処理を終了する。
図17は、図10〜図14に示した他処理についての第3の他処理のフローチャートである。ステップH1では、メール送信制御部15は、SMTP−AUTHつまりSMTP認証のためのユーザIDおよびパスワードが既に設定されているか否かを判定する。SMTP認証のためのユーザIDおよびパスワードが、図6に示したE−MAIL設定画面32の「SMTP-AUTH」の項目に設定されていると、ステップH2に進み、SMTP認証のためのユーザIDおよびパスワードが、E−MAIL設定画面32の「SMTP-AUTH」の項目に設定されていないと、ステップH4に進む。
ステップH2では、メール送信制御部15は、E−MAIL設定画面32の「SMTP-
AUTH」の項目に設定されているSMTP認証のためのユーザIDおよびパスワードを、SMTPサーバ20に対して、SMTP制御部16によって送信し、SMTP認証を行う。ステップH3では、ステップH2でのSMTP認証がOKであると、メール送信制御部15は、メールをSMTP制御部16によってSMTPサーバ20に送信して、第3の他処理を終了する。ステップH4では、エラー処理を行って、第3の他処理を終了する。
上述した実施の形態では、図10に示した第1のメール送信処理〜図14に示した第5のメール送信処理のうちのいずれか1つのメール送信処理を実施する例を示したが、これらのメール送信処理を組み合わせてもよい。たとえば、第2のメール送信処理と第5のメール送信処理とを同時に適用してもよい。
具体的には、一定の条件が満たされていると、ユーザ識別のためのパスワードの入力をユーザに対して要求し、ユーザによって入力されたパスワードが、登録されているパスワードつまり管理者が事前に許可しているパスワードであるか否かを判定し、さらに、SMTP認証のためのユーザアカウントおよびパスワードが登録されているか否かを判定する。ユーザによって入力されたパスワードが、登録されているパスワードであり、かつSMTP認証のためのユーザアカウントおよびパスワードが登録されていると、送信するメールに応じて、AグループあるいはBグループの認証方式のうち、選択可能な優先順位の高い認証方式でSMTP認証を行い、メール送信する。
さらに、複数の認証モード、たとえば図10に示した第1のメール送信処理を第1の認証モード、図11に示した第2のメール送信処理を第2の認証モード、図12に示した第3のメール送信処理を第3の認証モード、図13に示した第4のメール送信処理を第4の認証モード、および図14に示した第5のメール送信処理を第5の認証モードとし、これらの5つの認証モード中から自機で選択可能ないずれか1つの認証モードを選択して処理するようにしてもよい。
たとえば第5のメール送信処理である第5の認証モードを選択した場合、図7に示した「セキュリティモード」が「YES」であると、一定の条件を満たすメールについては、SMTP認証の認証方式のうち暗号化する認証方式たとえばCRAM−MD5方式あるいはDIGEST−MD5方式によって認証を行う。この場合、一定の条件を満たすメールは、たとえばADMIN設定画面33で設定される条件のうちのいずれか1つの条件を満たすメール、あるいはADMIN設定画面33で設定される条件の中から選択される少なくとも2つ以上の条件のすべてを満たすメールである。
認証モードの選択は、たとえば図7に示したADMIN設定画面33から選択することができるようにする。この設定の切り替えのみで、第1のメール送信処理〜第5のメール送信処理の認証モードを切り替えることができ、管理者は容易にセキュリティと利便性とのバランスを変更することができる。
図10に示した第1のメール送信処理〜図14に示した第5のメール送信処理で判定される一定の条件は、図7に示したADMIN設定画面33で設定された複数の判定条件からなり、送信するメールがその複数の判定条件のうちの少なくとも1つの判定条件を満たすメールであれば、送信するメールは一定の条件を満たすメールであると判定する。以下に、図7に示したADMIN設定画面33で設定される判定条件ごとの具体例を示す。
ADMIN設定画面33の「ドメインプロテクト」は、ドメインによるプロテクトであり、判定条件は、メールの宛先(TO/CC/BCC)の一部または全てのドメインが、設定されたドメインと一致することである。図7に示した「ドメインプロテクト」には、「shar*.com」が設定されている。第4のメール送信処理では、ユーザが送信しようとするメールの宛先のドメイン名が「shar*.com」であると、SMTP認証を実施しないでメール送信を行う。したがって、たとえば、SMTPクライアント10のドメイン名がSMTPサーバ20のドメイン名と同じ「shar*.com」である場合、SMTPサーバ20がSMTP認証を行わなくても、セキュリティ上問題がないので、管理者は、社内でのSMTPクライアント10同士のメール送信については、SMTP認証を必要としない設定にすることによって、ユーザの利便性を高めることができる。
あるいは、判定条件は、メールの宛先(TO/CC/BCC)の一部または全てのドメインが、設定されたドメインと一致しないことである。図7に示した「ドメインプロテクト」には、「shar*.com」が設定されている。第2のメール送信処理では、ユーザが送信しようとするメールの宛先のドメイン名が、「shar*.com」でないと、ユーザに対してユーザ識別のためのパスワードの入力を要求する。そして、入力されたパスワードが、図9に示したユーザIDリスト41に登録されていると、図6に示したE−MAIL設定画面32で設定されたSMTP認証のためのユーザアカウントおよびパスワードを使用してSMTP認証を行い、メール送信を実施する。したがって、社内の宛先のみを設定しておくことによって、社外へのメール送信に対してユーザの識別を行うという管理者の意図を反映し、高いセキュリティを実現することができる。
さらに、ADMIN設定画面33の「文字列プロテクト」は、キーワードなどの文字列によるプロテクトであり、判定条件は、送信メールの件名あるいは本文に特定の文字列を含むこと、あるいは特定の文字列を含まないことである。たとえば第3のメール送信処理で「社外秘を含む」という設定にした場合、SMTPクライアント10は、ユーザがパネル制御部11によってメール送信操作を行い、入力したメールの件名または本文の文字列の中に、「社外秘」という文字列が含まれていると、ユーザに対してSMTP認証のためのユーザアカウントつまりユーザIDおよびパスワードの入力を要求する。そして、それらが一致した場合のみ、SMTP認証を行いメール送信動作を実行する。
SMTP認証のためのユーザアカウントおよびパスワードを管理者のみに知らせ、ユーザに知らせることなく運用する場合、「社外秘」が含まれるメールに対しては、管理者のみがSMTP認証のためのユーザアカウントおよびパスワードを入力することができる。したがって、管理者を通じてのみメール送信が可能であることから、高いセキュリティを実現することができる。設定する文字列は、複数の文字列であってもよく、複数の文字列の組合せ条件でプロテクトをかけてもよい。あるいは第4のメール送信処理で、「社外秘を含まない」という設定にした場合、メールの件名または本文の文字列の中に「社外秘」という文字列が含まれていないと、SMTPサーバ20に対してSMTP認証を行わずにメール送信を行う。メールの件名または本文の文字列の中に「社外秘」という文字列が含まれていないメールは、管理者が重要でないと判断する文書であり、第4のメール送信処理で「社外秘」を含まないという設定にすることは、SMTP認証なしでも送信を許可しているSMTPサーバ20に対して有効である。
さらに、ADMIN設定画面33の「添付ファイルプロテクト」は、添付ファイルによるプロテクトであるが、判定条件は、送信メールに添付ファイルが存在することである。読取制御部13によって画像を読み取った場合は、読み取った画像を添付することになるので、必ず添付ファイルがある。第2のメール送信処理と第5のメール送信処理とを同時に適用すると、添付ファイルがある場合、ユーザ識別のためのパスワードをユーザに対して要求する。そして、ユーザによって入力されたパスワードが、登録されているパスワードつまり管理者が事前に許可しているパスワードであると、SMTP認証の認証方式をAグループのCRAM−MD5方式とし、登録されているSMTP認証のためのユーザアカウントおよびパスワードを暗号化して送信し、SMTP認証を行う。添付ファイルがある場合のメール送信を、より慎重にセキュリティ性の高いものとすることができる。
さらに、ADMIN設定画面33の「添付ファイル拡張子プロテクト」は、添付ファイルの拡張子によるプロテクトであるが、判定条件は、添付ファイルのファイル名が、設定された拡張子を含むことである。図7に示したADMIN設定画面33の「添付ファイル拡張子プロテクト」では、拡張子として「.tiff」が設定されており、つまり、ファイルがTIFF形式であることであり、第2のメール送信処理と第5のメール送信処理とを同時に適用すると、添付ファイルがあり、かつその添付ファイルのファイル名の拡張子の一部または全てが「tiff」である場合、ユーザ識別のためのパスワードをユーザに対して要求する。そして、ユーザによって入力されたパスワードが、登録されているパスワードつまり管理者が事前に許可しているパスワードであると、SMTP認証の認証方式をAグループのCRAM−MD5方式とし、登録されているSMTP認証のためのユーザアカウントおよびパスワードを暗号化して送信し、SMTP認証を行う。TIFF形式の添付ファイルがある場合のメール送信を、より慎重にセキュリティ性の高いものとすることができる。
さらに、ADMIN設定画面33の「添付ファイル数プロテクト」は、添付ファイルの数によるプロテクトであるが、判定条件は、添付ファイルの数あるいは添付ファイルの種類の数が、設定された数以上であることである。図7に示したADMIN設定画面33の「添付ファイル数プロテクト」では、「2種類以上」が設定されており、第2のメール送信処理と第5のメール送信処理とを同時に適用すると、添付ファイルがあり、かつ添付ファイルが2種類以上である場合、ユーザ識別のためのパスワードをユーザに対して要求する。そして、ユーザによって入力されたパスワードが、登録されているパスワードつまり管理者が事前に許可しているパスワードであると、SMTP認証の認証方式をAグループのCRAM−MD5方式とし、登録されているSMTP認証のためのユーザアカウントおよびパスワードを暗号化して送信し、SMTP認証を行う。2種類以上の添付ファイルがある場合のメール送信を、より慎重にセキュリティ性の高いものとすることができる。
さらに、ADMIN設定画面33の「読取原稿ページ数プロテクト」は、読取原稿ページ数によるプロテクトであり、判定条件は、読取制御部13によって読み取られた原稿のページ数が、設定されたページ数以上であることである。図7に示したADMIN設定画面33の「読取原稿ページ数プロテクト」では、「2ページ以上」が設定されており、第2のメール送信処理と第5のメール送信処理とを同時に適用すると、添付ファイルがあり、かつその添付ファイルを作成する際に読み取った読取原稿ページ数が2ページ以上である場合、ユーザ識別のためのパスワードをユーザに対して要求する。そして、ユーザによって入力されたパスワードが、登録されているパスワードつまり管理者が事前に許可しているパスワードであると、SMTP認証の認証方式をAグループのCRAM−MD5方式とし、登録されているSMTP認証のためのユーザアカウントおよびパスワードを暗号化して送信し、SMTP認証を行う。2ページ以上の添付ファイルがある場合のメール送信を、より慎重にし、セキュリティ性の高いものとすることができる。
さらに、ADMIN設定画面33の「添付ファイル暗号化プロテクト」は、添付ファイルの暗号化によるプロテクトであるが、判定条件は、添付ファイルが暗号化されていることである。図7に示したADMIN設定画面33の「添付ファイル暗号化プロテクト」では、暗号化が適用される設定になっている。第1のメール送信処理では、添付ファイルがあり、かつその添付ファイルが暗号化されている場合、SMTP認証のためのユーザアカウントおよびパスワードが登録されていると、登録されているSMTP認証のためのユーザアカウントおよびパスワードによってSMTP認証を行い、メール送信するので、ユーザ入力つまりユーザによるパスワードなどの情報の入力を省略することができる。暗号化されている添付ファイルは、セキュリティ上安全であると判断して、ユーザ入力を省略し、ユーザの利便性を高めることができる。
さらに、ADMIN設定画面33の「添付ファイルプロテクト」、「添付ファイル拡張子プロテクト」、「添付ファイル数プロテクト」、「読取原稿ページ数プロテクト」、および「添付ファイル暗号化プロテクト」について、判定条件として、これら5つの判定条件うちのいずれか1つの判定条件が満たされないことを条件としてもよい。すなわち、判定条件は、送信メールに添付ファイルが存在しないこと、添付ファイルのファイル名が、設定された拡張子を含まないこと、添付ファイルの数あるいは添付ファイルの種類の数が、設定された数以上でないこと、読取制御部13によって読み取られた原稿のページ数が、設定されたページ数以上でないこと、または添付ファイルが暗号化されていないことである。
たとえば、ユーザ操作によってパネル制御部11からメイン制御部12に要求された内容が、読取要求が無いメール送信であると、読取制御部13による原稿の読み取りは行われない。この場合、ユーザは、本文のみをメール送信することを意図している。したがって、この判定条件での第1のメール送信処理では、メールに添付ファイルが無いと、SMTPクライアント10は、予め登録されたSMTP認証のためのユーザアカウントおよびパスワードを使用してSMTP認証を行いメール送信する。すなわち、添付ファイルがないと、重要なデータなどがメールに添付されることがなく、ユーザ識別を省略することができ、管理者は、ユーザの利便性を高めることができる。
さらに、ADMIN設定画面33の「送信メールサイズプロテクト」は、送信メールサイズによるプロテクトであり、判定条件は、メールサイズが一定のバイト数である、一定のバイト数以上である、あるいは一定のバイト数以下であるということである。図7に示したADMIN設定画面33の「送信メールサイズプロテクト」では、「100KB」と設定されているので、送信するメールサイズが100KBのときに判定条件が満たされる。第2のメール送信処理で、この設定を「100KB以上」とした場合、送信するメールのメールサイズが100KB以上であると、判定条件を満たし、ユーザは、メールを送信する際に、ユーザ識別のためにパスワードを入力する必要がある。送信するメールのメールサイズは、添付する画像部分のサイズを含めてもよいし、含めなくてもよい。
管理者は、大容量のメール送信をする場合には、パスワードを入力させてユーザ識別を行うことによって、セキュリティを高めることができる。したがって、「なりすまし」を防止するためにSMTP認証を実施したいという意図を持っている場合に、有効な判定条件となる。あるいは、第1のメール送信処理でこの設定を「100KB以下」と設定した場合、100KB以下の少ない容量のメール送信時は、予め管理者が登録したSMTP認証パスワードを使用するので、パスワード入力を行う必要がなく、ユーザ利便性を高めることができる。
さらに、ADMIN設定画面33の「宛先プロテクト」は、宛先によるプロテクトであり、判定条件は、メールの宛先(TO/CC/BCC)が、設定された宛先であることである。第3のメール送信処理では、メールの宛先が、図7に示したADMIN設定画面33の「宛先プロテクト」に登録されている宛先、具体的にはメールアドレスであると、ユーザに対してSMTP認証のためのユーザアカウントおよびパスワードの入力を要求する。したがって、重要な相手先に対してセキュリティを高める際に有効である。逆に、第1のメール送信処理では、たとえば身内あるいは管理者のメールアドレスを宛先プロテクトに登録しておけば、身内あるいは管理者のメールアドレスにメール送信するユーザに対しては、予め登録されたSMTP認証のためのユーザアカウントおよびパスワードでSMTP認証を行うので、ユーザに対して利便性を高めることができる。
判定条件は、メールの宛先(TO/CC/BCC)が、設定された宛先でないことであってもよい。第1のメール送信処理では、ユーザが送信しようとする宛先のメールアドレスが、図7に示したADMIN設定画面33の「宛先プロテクト」に登録されているメールアドレス、つまり「otokuisama@kaisya.com」および「torihikisaki@kigyou.com」と異なると、予め登録されたSMTP認証のためのユーザアカウントおよびパスワードでSMTP認証を行うので、ユーザに対して利便性を高めることができる。
さらに、ADMIN設定画面33の「送信日時プロテクト」は、送信日時によるプロテクトであるが、判定条件は、設定された期間に送信することである。図7に示したADMIN設定画面33の「送信日時プロテクト」には、「9時〜18時」の期間が設定されている。第1のメール送信処理では、メールの送信時間が9時〜18時の間であると、予め登録されたSMTP認証のためのユーザアカウントおよびパスワードにてSMTP認証を行う。SMTPクライアント10の通常使用時間帯が9時〜18時であることが分かっている場合、管理者は、9時〜18時の時間帯には、第1のメール送信処理を行って、時間内に使用するユーザに対してはユーザ識別などの要求は行わず、ユーザの利便性を高め、逆に、9時〜18時の時間帯以外の時間帯には、第2のメール送信処理あるいは第3のメール送信処理を行って、セキュリティを高くすることができる。
さらに、SMTPクライアント10は、メール送信を実施した際、メール送信に関する管理情報の一部または全てを、設定されている管理者アドレスに送信する。管理情報は、送信したメールについて、メールの送信内容たとえば宛先あるいは添付ファイルなど送信した電子メールに関する情報、SMTP認証チャレンジつまりSMTP認証を行ったか否かつまり認証に必要な情報を送信したか否かを表す情報、ユーザに対して識別のための情報の入力を要求したかどうかを表す情報、一定の条件を表す情報、使用したSMTP認証の認証方式を表す情報、SMTP認証結果を表す情報を含む。管理者アドレスは、図7に示したADMIN設定画面33の「管理者アドレス」であり、図8に示した送信結果表示画面34は、管理者アドレスに送信され表示された管理情報の一部を示す例である。管理者は、SMTP認証を使用したメール送信を管理することができるだけでなく、予め設定した一定の条件が、管理者の意図どおりに正確に適用されているかどうかを確認することができる。
さらに、SMTPクライアント10は、第1のメール送信処理または第4のメール送信処理を適用するとき、すなわちユーザを識別するためのパスワードならびにSMTP認証のためのユーザアカウントおよびパスワードをユーザに入力させないとき、メール送信を実施した際、メール送信に関する管理情報の一部または全てを、設定されている管理者アドレスに送信する。ユーザによる入力を省いている場合は、送信したユーザの特定が困難であるが、管理情報を管理者に送信して、メール送信履歴を残しておくことによって、問題のあるメールの送信状況などの調査を可能とすることができ、セキュリティの向上を図るために有効である。
SMTPクライアント10の記憶装置に記憶されるプログラムは、コンピュータである中央処理装置を、SMTPクライアント10の各手段、すなわち送信手段、記憶手段、第2の記憶手段、表示手段、入力手段、設定手段および制御手段として機能させるためのプログラムである。したがって、本発明は、コンピュータをSMTPクライアント10の各手段として機能させるためのプログラムとして提供することができる。
上述した実施の形態では、プログラムは、SMTPクライアント10の記憶装置たとえば半導体メモリあるいはハードディスク装置などの記憶装置に記憶されているが、これらの記憶装置に限定されるものではなく、コンピュータで読取り可能な記録媒体に記録されていてもよい。記録媒体は、たとえば図示しない外部記憶装置としてプログラム読取装置を設け、そこに記録媒体を挿入することによって読取り可能な記録媒体であってもよいし、あるいは他の装置の記憶装置であってもよい。
いずれの記録媒体であっても、記憶されているプログラムがコンピュータからアクセスされて実行される構成であればよい。あるいはいずれの記録媒体であっても、プログラムが読み出され、読み出されたプログラムが、SMTPクライアント10の記憶装置のプログラム記憶エリアに記憶されて、そのプログラムが実行される構成であってもよい。さらに通信ネットワークを介して他の装置からダウンロードされてプログラム記憶エリアに記憶させてもよい。ダウンロード用のプログラムは、予めSMTPクライアント10の記憶装置に記憶しておくか、あるいは別な記録媒体からプログラム記憶エリアにインストールしておく。
本体と分離可能に構成される記録媒体は、たとえば磁気テープ/カセットテープなどのテープ系の記録媒体、フレキシブルディスク/ハードディスクなどの磁気ディスクもしくはCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)/MO(Magneto Optical disk)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disk)などの光ディスクのディスク系の記録媒体、IC(Integrated Circuit)カード(メモリカードを含む)/光カードなどのカード系の記録媒体、またはマスクROM/EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)/EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only
Memory)/フラッシュROMなどの半導体メモリを含む固定的にプログラムを担持する記録媒体であってもよい。したがって、本発明は、コンピュータをSMTPクライアント10の各手段として機能させるためのプログラムさせるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として提供することができる。
このように、送信手段であるSMTP制御部16およびネットワークI/F制御部17によって、電子メールの送受信を制御するサーバ装置であるSMTPサーバ20にネットワークを介して、電子メールを表す電子メール情報が少なくとも送信され、設定手段であるパネル制御部11によって、予め定める複数の認証モードのうちの少なくとも1つの認証モードが設定される。
そして、制御手段であるメイン制御部12およびメール送信制御部15によって、送信すべき電子メール情報が予め定める条件を満たすと、設定手段によって設定された認証モードで、電子メール情報が送信手段によって前記サーバ装置に送信されるので、送信する電子メールに応じた認証を行うか否かを、設定可能な認証モードによって制御することができる。したがって、管理者は、認証モードの設定を変えるだけで、セキュリティと利便性とのバランスを管理することができる。
さらに、記憶手段である記憶装置によって、ユーザアカウントを表すユーザアカウント情報およびパスワードを表すパスワード情報が記憶され、前記サーバ装置によって、予め定める通信プロトコルで規定され、かつユーザアカウント情報およびパスワード情報を用いた予め定める認証が行われる。そして、前記予め定める複数の認証モードは、制御手段であるメイン制御部12およびメール送信制御部15が、送信手段であるSMTP制御部16およびネットワークI/F制御部17によって電子メール情報を送信するときに、送信すべき電子メール情報が予め定める条件を満たすと、記憶手段に記憶されるユーザアカウント情報およびパスワード情報を読み出し、読み出したユーザアカウント情報およびパスワード情報を、送信手段によって前記サーバ装置に送信させる認証モードを含むので、送信する電子メールに応じて、予め定める認証たとえばSMTP認証のためのユーザアカウントおよびパスワードによる認証を行うか否かを、設定可能な認証モードによって制御することができる。したがって、電子メールを送信するときのセキュリティと利便性とのバランスを管理者の意図どおりに管理することができる。
さらに、記憶手段である記憶装置によって、ユーザアカウントを表すユーザアカウント情報およびパスワードを表すパスワード情報、ならびにユーザを識別するための識別情報が記憶され、表示手段であるパネル制御部11によって、識別情報の入力を要求するための識別情報入力要求情報が表示され、入力手段であるパネル制御部11によって、識別情報が入力可能とされ、前記サーバ装置によって、予め定める通信プロトコルで規定され、かつユーザアカウント情報およびパスワード情報を用いた予め定める認証が行われる。
そして、前記予め定める複数の認証モードは、制御手段であるメイン制御部12およびメール送信制御部15が、送信手段であるSMTP制御部16およびネットワークI/F制御部17によって電子メール情報を送信するときに、送信すべき電子メール情報が予め定める条件を満たすと、表示手段に識別情報入力要求情報を表示させ、表示手段に表示させた識別情報入力要求情報に応答して入力手段によって入力された識別情報が、記憶手段に記憶される識別情報のうちのいずれかに一致すると、記憶手段に記憶されるユーザアカウント情報およびパスワード情報を読み出し、読み出したユーザアカウント情報およびパスワード情報を、送信手段によって前記サーバ装置に送信させる認証モードを含むので、識別情報によって識別されたユーザが送信する電子メールについては、送信する電子メールに応じて、予め定める認証たとえばSMTP認証のためのユーザアカウントおよびパスワードによる認証を行うか否かを、設定可能な認証モードによって制御することができる。
したがって、予め登録してあるSMTP認証のためのユーザアカウントおよびパスワードとは異なる識別情報を用いてユーザの識別を行うので、SMTP認証のためのユーザアカウントおよびパスワードをユーザに知られることなく、SMTP認証を行うことができる。
さらに、記憶手段である記憶装置によって、ユーザアカウントを表すユーザアカウント情報およびパスワードを表すパスワード情報が記憶され、表示手段であるパネル制御部11によって、ユーザアカウント情報およびパスワード情報の入力を要求するためのユーザ情報入力要求情報が表示され、入力手段であるパネル制御部11によって、ユーザアカウント情報およびパスワード情報が入力可能とされ、前記サーバ装置によって、予め定める通信プロトコルで規定され、かつユーザアカウント情報およびパスワード情報を用いた予め定める認証が行われる。
前記予め定める複数の認証モードは、制御手段であるメイン制御部12およびメール送信制御部15が、送信手段であるSMTP制御部16およびネットワークI/F制御部17によって電子メール情報を送信するときに、送信すべき電子メール情報が予め定める条件を満たすと、表示手段にユーザ情報入力要求情報を表示させるとともに、記憶手段に記憶されるユーザアカウント情報およびパスワード情報を読み出し、表示手段に表示させたユーザ情報入力要求情報に応答して入力手段によって入力されたユーザアカウント情報およびパスワード情報が、それぞれ記憶手段から読み出されたユーザアカウント情報およびパスワード情報に一致すると、読み出したユーザアカウント情報およびパスワード情報を、送信手段によって前記サーバ装置に送信させる認証モードを含むので、予め定める認証たとえばSMTP認証のためのユーザアカウントおよびパスワードによって識別されたユーザが送信する電子メールについては、送信する電子メールに応じて、SMTP認証のためのユーザアカウントおよびパスワードによる認証を行うか否かを、設定可能な認証モードによって制御することができる。
したがって、SMTP認証のためのユーザアカウントおよびパスワードをユーザに入力させることによって、「なりすまし」あるいは「無断使用」などを防ぐセキュリティを重視した形で、電子メールを送信するときのセキュリティと利便性とのバランスを管理者の意図どおりに管理することができる。
さらに、前記予め定める複数の認証モードは、制御手段であるメイン制御部12およびメール送信制御部15が、送信すべき電子メール情報が予め定める条件を満たすと、ユーザアカウントを表すユーザアカウント情報およびパスワードを表すパスワード情報を、送信手段であるSMTP制御部16およびネットワークI/F制御部17によって前記サーバ装置に送信させることなく、電子メール情報を送信手段によって前記サーバ装置に送信させる認証モードを含むので、送信する電子メールに応じて、予め定める認証たとえばSMTP認証のためのユーザアカウントおよびパスワードによる認証を行うか否かを、設定可能な認証モードによって制御することができる。
したがって、SMTPサーバがSMTP認証をサポートしていない場合にも、送信すべき電子メール情報が予め定める条件を満たしていれば、SMTP認証を行わずに電子メールを送信することができる。
さらに、記憶手段である記憶装置によって、ユーザアカウントを表すユーザアカウント情報およびパスワードを表すパスワード情報が記憶され、前記サーバ装置によって、予め定める通信プロトコルで規定され、かつユーザアカウント情報およびパスワード情報を用いた予め定める認証が、複数の認証方式のうちの少なくともいずれか1つの認証方式で行なうことが可能とされる。そして、前記予め定める複数の認証モードは、制御手段であるメイン制御部12およびメール送信制御部15が、送信手段であるSMTP制御部16およびネットワークI/F制御部17によって電子メール情報を送信するときに、送信すべき電子メール情報が予め定める条件を満たすと、記憶手段に記憶されるユーザアカウント情報およびパスワード情報を読み出し、前記予め定める認証で用いられる複数の認証方式のうち、送信すべき電子メール情報が示す電子メールに応じて利用可能な認証方式で、読み出したユーザアカウント情報およびパスワード情報を、前記予め定める通信プロトコルに従って送信手段によって前記サーバ装置に送信させる認証モードを含むので、予め定める認証たとえばSMTP認証で用いられる複数の認証方式、たとえばLOGIN方式、PLAIN方式、CRAM−MD5方式、あるいは他の認証方式のうち、送信する電子メールに応じた認証方式で認証を行うことができる。
したがって、管理者は、暗号化の有無あるいは認証方式を、セキュリティと利便性とのバランスを考慮して意図どおりに管理することができる。
さらに、記憶手段である記憶装置によって、ユーザアカウントを表すユーザアカウント情報およびパスワードを表すパスワード情報、ならびにユーザを識別するための識別情報が記憶され、表示手段であるパネル制御部11によって、識別情報の入力を要求するための識別情報入力要求情報、ならびにユーザアカウント情報およびパスワード情報の入力を要求するためのユーザ情報入力要求情報が表示され、入力手段であるパネル制御部11によって、識別情報、ならびにユーザアカウント情報およびパスワード情報が入力可能とされる。そして、前記サーバ装置によって、予め定める通信プロトコルで規定され、かつユーザアカウント情報およびパスワード情報を用いた予め定める認証が、複数の認証方式のうちの少なくともいずれか1つの認証方式で行なうことが可能とされ、前記予め定める複数の認証モードは、少なくとも5つの認証モード含む。
5つの認証モードのうちの第1の認証モードは、制御手段であるメイン制御部12およびメール送信制御部15が、送信手段であるSMTP制御部16およびネットワークI/F制御部17によって電子メール情報を送信するときに、送信すべき電子メール情報が予め定める条件を満たすと、記憶手段に記憶されるユーザアカウント情報およびパスワード情報を読み出し、読み出したユーザアカウント情報およびパスワード情報を、送信手段によって前記サーバ装置に送信させる。第2の認証モードは、制御手段が、送信手段によって電子メール情報を送信するときに、送信すべき電子メール情報が予め定める条件を満たすと、表示手段に識別情報入力要求情報を表示させ、表示手段に表示させた識別情報入力要求情報に応答して入力手段によって入力された識別情報が、記憶手段に記憶される識別情報のうちのいずれかに一致すると、記憶手段に記憶されるユーザアカウント情報およびパスワード情報を読み出し、読み出したユーザアカウント情報およびパスワード情報を、送信手段によって前記サーバ装置に送信させる。
第3の認証モードは、制御手段が、送信手段によって電子メール情報を送信するときに、送信すべき電子メール情報が予め定める条件を満たすと、表示手段にユーザ情報入力要求情報を表示させるとともに、記憶手段に記憶されるユーザアカウント情報およびパスワード情報を読み出し、表示手段に表示させたユーザ情報入力要求情報に応答して入力手段によって入力されたユーザアカウント情報およびパスワード情報が、それぞれ記憶手段から読み出したユーザアカウント情報およびパスワード情報に一致すると、読み出したユーザアカウント情報およびパスワード情報を、送信手段によって前記サーバ装置に送信させる。第4の認証モードは、制御手段が、送信すべき電子メール情報が予め定める条件を満たすと、前記予め定める認証のためのユーザアカウント情報およびパスワード情報を、送信手段によって前記サーバ装置に送信させることなく、電子メール情報を送信手段によって送信させる。
さらに、第5の認証モードは、制御手段が、送信手段によって電子メール情報を送信するときに、送信すべき電子メール情報が予め定める条件を満たすと、記憶手段に記憶されるユーザアカウント情報およびパスワード情報を読み出し、前記予め定める認証で用いられる複数の認証方式のうち送信すべき電子メール情報が示す電子メールに応じて利用可能な認証方式で、読み出したユーザアカウント情報およびパスワード情報を送信手段によって前記サーバ装置に送信させるので、管理者は、5つの認証モードのうちのいくつかの認証モードを組み合わせることができる。したがって、認証モードの組み合わせを変えることによって、セキュリティと利便性とのバランスをより細かく管理することができる。
さらに、前記予め定める条件は、送信すべき電子メール情報の情報量に基づいて定められるので、電子メールの情報量たとえばメールサイズよって、電子メールを送信するときのセキュリティを向上あるいは利便性を向上することができる。したがって、管理者は、電子メールのメールサイズに応じてセキュリティと利便性とのバランスを管理することができる。
さらに、前記予め定める条件は、送信すべき電子メール情報が示す電子メールの件名または本文に予め定める文字列が含まれるか否かに基づいて定められるので、電子メールに含まれる文字列たとえば「社外秘」などのキーワードによって、電子メールを送信するときのセキュリティを向上あるいは利便性を向上することができる。したがって、管理者は、電子メールに含まれるキーワードなどの文字列に応じてセキュリティと利便性とのバランスを管理することができる。
さらに、前記予め定める条件は、送信すべき電子メール情報が示す電子メールにファイルが添付されているか否かに基づいて定められるので、電子メールにファイルが添付されているとき、または電子メールにファイルが添付されていないとき、電子メールを送信するときのセキュリティを向上あるいは利便性を向上することができる。したがって、管理者は、添付ファイルの有無によってセキュリティと利便性とのバランスを管理することができる。
さらに、前記予め定める条件は、送信すべき電子メール情報が示す電子メールに添付されるファイルの拡張子の種別に基づいて定められるので、電子メールに添付されるファイルの拡張子の種別に応じて、電子メールを送信するときのセキュリティを向上あるいは利便性を向上することができる。したがって、管理者は、添付ファイルの拡張子の種別に応じてセキュリティと利便性とのバランスを管理することができる。
さらに、前記予め定める条件は、送信すべき電子メール情報が示す電子メールに添付されるファイルの原稿枚数に基づいて定められるので、電子メールに添付されるファイルの原稿枚数つまりページ数に応じて、電子メールを送信するときのセキュリティを向上あるいは利便性を向上することができる。したがって、管理者は、添付ファイルの原稿枚数に応じてセキュリティと利便性とのバランスを管理することができる。
さらに、前記予め定める条件は、送信すべき電子メール情報が示す電子メールに添付されるファイルのファイル数に基づいて定められるので、電子メールに添付されるファイルのファイル数に応じて、電子メールを送信するときのセキュリティを向上あるいは利便性を向上することができる。したがって、管理者は、添付ファイルのファイル数に応じてセキュリティと利便性とのバランスを管理することができる。
さらに、前記予め定める条件は、送信すべき電子メール情報が示す電子メールに添付されるファイルの少なくとも一部の内容が暗号化されているか否かに基づいて定められるので、電子メールが暗号化されているか否かに応じて、電子メールを送信するときのセキュリティを向上あるいは利便性を向上することができる。したがって、管理者は、添付ファイルが暗号化されているか否かに応じてセキュリティと利便性とのバランスを管理することができる。
さらに、前記予め定める条件は、送信すべき電子メール情報が示す電子メールの宛先のうちの少なくとも1つの宛先が、予め定める宛先であるか否かに基づいて定められるので、電子メールの送信先が登録されている宛先であると、または電子メールの送信先が登録されている宛先でないと、電子メールを送信するときのセキュリティを向上あるいは利便性を向上することができる。したがって、管理者は、電子メールの送信先に応じてセキュリティと利便性とのバランスを管理することができる。
さらに、前記予め定める条件は、送信すべき電子メール情報が示す電子メールの送信者に割り当てられたドメインが、予め定める宛先のドメインのうちの少なくとも1つの宛先のドメインに一致するか否かに基づいて定められるので、電子メールの送信者に割り当てられたドメインが、登録されている宛先のドメインに一致すると、または登録されている宛先のドメインに一致しないと、電子メールを送信するときのセキュリティを向上あるいは利便性を向上することができる。したがって、管理者は、電子メールの送信者に割り当てられたドメインに応じてセキュリティと利便性とのバランスを管理することができる。
さらに、前記予め定める条件は、電子メール情報を送信する日時に基づいて定められるので、電子メールを送信する日時に応じて、電子メールを送信するときのセキュリティを向上あるいは利便性を向上することができる。したがって、管理者は、電子メールを送信する日時に応じてセキュリティと利便性とのバランスを管理することができる。
さらに、第2の記憶手段である記憶装置によって、管理者に情報を送信するための送信先を表す送信先情報が記憶され、前記制御手段であるメイン制御部12およびメール送信制御部15によって、送信手段であるSMTP制御部16およびネットワークI/F制御部17によって電子メール情報を送信した後、送信した電子メール情報が示す電子メールについて、電子メールに関する情報、認証に必要な情報を送信したか否かを表す情報、ユーザに識別のための情報の入力を要求したか否かを表す情報、予め定める条件を表す情報、用いた認証方式を表す情報、および前記予め定める認証の結果を表す情報のうちの少なくとも1つの情報を含む管理情報のうち少なくとも一部または全部が、第2の記憶手段に記憶される送信先情報が示す送信先に送信手段によって送信されるので、管理者は、電子メールを送信したことに関する管理情報を取得することができる。したがって、管理者は、電子メールの送信が予め定めた条件どおりに行われているか否かを確認することができる。
さらに、前記制御手段であるメイン制御部12およびメール送信制御部15によって、入力手段であるパネル制御部11によって識別情報が入力されなかった場合、および入力手段によってユーザアカウント情報およびパスワード情報が入力されなかった場合、送信手段であるSMTP制御部16およびネットワークI/F制御部17によって電子メール情報を送信した後、前記管理情報のうちの少なくとも一部または全部が、第2の記憶手段である記憶装置に記憶される送信先情報が示す送信先に送信手段によって送信されるので、識別情報またはユーザアカウント情報およびパスワード情報によって、ユーザの識別を行わなかったとき、すなわちユーザの特定が困難であるとき、電子メールを送信したことに関する管理情報を履歴情報として残しておくことができる。したがって、管理者は、ユーザの特定が困難であるときに送信された電子メールがセキュリティ上問題ないか確認することができる。
さらに、コンピュータに、前記通信装置であるSMTPクライアント10の機能を実行させるためのプログラムとして提供することができる。
さらに、コンピュータに、前記通信装置であるSMTPクライアント10の機能を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として提供することができる。