以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、この実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。スロットマシン1の前面扉は、施錠装置19にキーを差し込み、時計回り方向に回動操作することにより開放状態とすることができる。このスロットマシン1の上部前面側には、可変表示装置2が設けられている。可変表示装置2の内部には、3つのリール3L、3C、3Rから構成されるリールユニット3が設けられている。リール3L、3C、3Rは、それぞれリールモータ3ML、3MC、3MR(図2参照)の駆動によって回転/停止させられる。
リール3L、3C、3Rの外周部には、それぞれ「7」、「BAR」、「JAC」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。リール3L、3C、3Rのいずれについても、「JAC」及び「ベル」は、最大でも5コマ以内の間隔で配置されている。リール3L、3C、3Rの外周部に描かれた図柄は、可変表示装置2において上中下三段に表示される。
リールユニット3内には、リール3L、3C、3Rのそれぞれに対して、その基準位置を検出するリールセンサ3SL、3SC、3SR(図2参照)と、背面から光を照射するリールランプ3LP(図2参照)とが設けられている。このスロットマシン1では、何れの遊技状態においても賭け数として3が設定されている状態でのみゲームを開始させることができ、上中下段の3本及び対角線の2本の合計5本の入賞ラインが設定される。
また、可変表示装置2の周囲には、各種表示部が設けられている。可変表示装置2の下側には、ゲーム回数表示部21と、クレジット表示部22と、ペイアウト表示部23とが設けられている。ゲーム回数表示部21は、7セグメント表示器によるゲーム回数表示器51(図2参照)によって構成され、後述するレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)におけるゲーム数及び入賞数をカウントするカウンタの値を表示する。ゲーム回数表示部21は、後述するビッグボーナス時にメダルの払い出し数をカウントするカウンタの値を表示するために用いてもよい。さらに、ゲーム回数表示部21は、後述するRAM異常エラーなどのエラーが発生したときに、発生したエラーの種類に対応したコード(エラーコード)を表示するためにも用いられる。
クレジット表示部22は、7セグメント表示器によるクレジット表示器52(図2参照)によって構成され、後述するようにメダルの投入枚数及び払い出し枚数に応じてデータとして蓄積されたクレジットの数を表示する。ペイアウト表示部23は、7セグメント表示器によるペイアウト表示器53(図2参照)によって構成され、入賞が成立した場合に払い出されるメダルの枚数を表示する。
可変表示装置2の左側には、1枚賭け表示部24、2枚賭け表示部25、26、及び3枚賭け表示部27、28が設けられている。1枚、2枚、3枚賭け表示部24〜28は、入賞ラインに対応してそれぞれ1枚、2枚、3枚賭けランプ54〜58(図2参照)が点灯状態となることで、各ゲームにおける入賞ラインを遊技者に示す。1枚、2枚、3枚賭け表示部24〜28は、また、後述する役への入賞があった場合に1枚、2枚、3枚賭けランプ54〜58が点滅状態となることで、後述する役に入賞した入賞ラインを遊技者に示す。
可変表示装置2の右側には、投入指示表示部29と、スタート表示部30と、ウェイト表示部31と、リプレイ表示部32と、ゲームオーバー表示部33とが設けられている。投入指示表示部29は、投入指示ランプ59(図2参照)が点灯状態となることで、メダルが投入可能なことを示す。スタート表示部30は、スタートランプ60(図2参照)が点灯状態となることで、スタート可能、すなわちスタートレバー11の操作受付可能であることを示す。ウェイト表示部31は、ウェイトランプ61(図2参照)が点灯状態となることで、後述するウェイトがかかっていることを示す。リプレイ表示部32は、リプレイランプ62(図2参照)が点灯状態となることで、後述するリプレイ入賞をしたことを示す。ゲームオーバー表示部33は、ゲームオーバーランプ63(図2参照)が点灯状態となることで、スロットマシン1が打ち止めになったことを示す。
可変表示装置2の上側には、演出手段としての液晶表示器4が設けられている。液晶表示器4は、遊技状態、当選フラグの設定状況、或いは可変表示装置2に導出された図柄の種類等に応じて様々な演出用の画像を表示する。液晶表示器4に表示される画像による演出で、後述する各種の演出が行われる。また、液晶表示器4には、遊技履歴などの遊技に直接的または間接的に関わる様々な情報を表示することが可能である。
また、可変表示装置2の下方に設けられた台状部分の水平面には、メダル投入口13と、1枚BETボタン14と、MAXBETボタン15と、精算ボタン16とが設けられている。1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15には、データとして蓄積されたクレジット(最大50)から賭け数の設定を可能としているときに点灯するBETボタンランプ70a、70b(図2参照)が内部に配されている。
メダル投入口13は、遊技者がここからメダルを投入するものであり、投入指示表示部29が点灯しているときにメダルの投入が投入メダルセンサ44(図2参照)によって検出されると、賭け数が設定され、或いはクレジットがデータとして蓄積される。1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15は、データとして蓄積されているクレジットから賭け数(それぞれ1、3)を設定する際に遊技者が操作するボタンであり、遊技者によって操作されたことが1枚BETスイッチ45(図2参照)またはMAXBETスイッチ46(図2参照)によって検出されると、クレジットからの賭け数の設定が行われる。精算ボタン16は、クレジットの払い出しを指示するためのボタンであり、精算スイッチ47(図2参照)によって操作が検出されると、データとして蓄積されたクレジットに応じたメダルが払い出される。
その台状部分の垂直面には、スタートレバー11と、停止ボタン12L、12C、12Rとが設けられている。スタートレバー11は、ゲームを開始する際に遊技者が操作するもので、その操作がスタートスイッチ41(図2参照)によって検出されると、リール駆動モータ3ML、3MC、3MRが駆動開始され、リール3L、3C、3Rが回転開始する。リール3L、3C、3Rが回転開始した後所定の条件が成立することにより停止ボタン12L、12C、12Rの操作が可能となると、その内部に備えられた操作有効ランプ63L、63C、63R(図2参照)が点灯状態となって、その旨が遊技者に示される。
停止ボタン12L、12C、12Rは、それぞれ遊技者が所望のタイミングでリール3L、3C、3Rの回転を停止させるべく操作するボタンであり、その操作がストップスイッチ42L、42C、42R(図2参照)で検出されると、リール3L、3C、3Rの回転が停止される。停止ボタン12L、12C、12Rの操作から対応するリール3L、3C、3Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ミリ秒である。
リール3L、3C、3Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190ミリ秒の間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、後述する停止制御テーブルにより選択される停止図柄は、停止ボタン12L、12C、12Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
さらに、停止ボタン12L、12C、12Rを覆うパネルが、ボーナス告知部36として適用されている。ボーナス告知部36は、ボーナス告知ランプ66(図2参照)が点灯状態となることで、後述するレギュラーボーナス入賞、及びビッグボーナス入賞が可能となっていることを遊技者に告知する。また、停止ボタン12Rの右側には、メダルが詰まったときなどにおいてスロットマシン1に機械的に振動を与えるメダル詰まり解消ボタン18が設けられている。
スロットマシン1の下部前面側には、メダル払い出し口71と、メダル貯留皿72とが設けられている。メダル払い出し口71は、ホッパー80(図2参照)によって払い出しが行われたメダルを外部に排出するものである。メダル貯留皿72は、払い出されたメダルを貯めておくためのものである。メダル貯留皿72の上の前面パネルには、内部に設置された蛍光灯6(図2参照)が発した光が照射される。
スロットマシン1の下部前面側と、上部前面側の左右とには、それぞれ演出手段としてのスピーカ7U、7L、7Rが設けられている。スピーカ7U、7L、7Rは、スタートレバー11が操作された時のスタート音の出力や、入賞時、ビッグボーナス突入時、及びレギュラーボーナス突入時における効果音の出力や、さらには異常時における警報音の出力を行うと共に、遊技状態に応じた様々な演出用の音声の出力を行う。
さらに、スロットマシン1の前面側には、可変表示装置2及び液晶表示器4の周囲を取り囲むように、演出手段としての遊技効果ランプ75A〜75M(図2参照)の発光により光による演出を行う遊技効果表示部5A〜5Mが設けられている。遊技効果表示部5A〜5Mは、遊技の進行状況に応じた様々なパターンで光による演出を行うものである。なお、遊技効果表示部5A〜5Mの発光色は、単色からなるものであっても、複数色からなるものであっても構わない。
図2は、このスロットマシン1の制御回路の構成を示す図である。図示するように、このスロットマシン1の制御回路は、電源基板100、遊技制御基板101、演出制御基板102、リール中継基板103、リールランプ中継基板104、外部出力基板105、及び演出中継基板106に大きく分けて構成される。
電源基板100は、AC100Vの外部電源電圧を変圧し、遊技制御基板101その他のスロットマシン1の各部に動作電力を供給する。図2では、遊技制御基板101、ホッパー80、各スイッチ91〜94にのみ接続されているように示しているが、電源基板100は、他の各部への電力の供給も行っている。電源基板100は、スロットマシン1の内部に設けられ、メダルの払い出し動作を行うホッパーモータ82と、メダルの払い出しを検知する払い出しセンサ81とから構成されるホッパー80に接続されている。
電源基板100は、後述する内部抽選への当選確率を設定し、これに基づいて算出されるメダルの払出率の設定値(設定1〜設定6)を変更するための設定スイッチ91、設定スイッチ91を操作有効とする設定キースイッチ92、内部状態(RAM112)をリセットする第2リセットスイッチ93、及び電源のON/OFF切り替えを行うメインスイッチ94にもそれぞれ接続されてており、これらのスイッチの検出信号を遊技制御基板101へと送る。これらのスイッチ91〜94は、スロットマシン1の内部に設けられている。
遊技制御基板101は、スロットマシン1における遊技の進行全体の流れを制御するメイン側の制御基板であり、CPU111、RAM112、ROM113及びI/Oポート114を含む1チップマイクロコンピュータからなる制御部110を搭載している。また、乱数発生回路115、サンプリング回路116、電源監視回路117、リセット回路118その他の回路を搭載している。
CPU111は、計時機能、タイマ割り込みなどの割り込み機能(割り込み禁止機能を含む)を備え、ROM113に記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うと共に、スロットマシン1内の制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。RAM112は、CPU111がプログラムを実行する際のワーク領域として使用される。RAM112は、停電時においてもバックアップ電源により電力が供給され、記憶されているデータが保持されるようになっている。ROM113は、CPU111が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。RAM112とROM113のアドレスの割り当ては、メーカにおける開発用機種とホールに納入される量産機種とで異なる。I/Oポート114は、遊技制御基板101に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
乱数発生回路115は、後述するように所定数のパルスを発生する度にカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、サンプリング回路116は、乱数発生回路115がカウントしている数値を取得する。乱数発生回路115は、遊技の進行に使用される乱数の種類毎に設けられていて、乱数の種類毎にカウントする数値の範囲が定められている。CPU111は、その処理に応じてサンプリング回路116に指示を送ることで、乱数発生回路115が示している数値を乱数として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。後述する内部抽選用の乱数には、ハードウェア乱数機能により抽出した数値をソフトウェアにより加工した数値が使用される。
電源監視回路117は、電源基板100から供給される電源電圧を監視し、電圧の低下を検出したときに、電圧低下信号を制御部110に対して出力する。制御部110は、特に図示はしないが、電源監視回路117に接続された割込入力端子を備えており、割込入力端子に電圧低下信号が入力されることでCPU111に外部割り込みが発生し、CPU111は、電断割込処理を実行する。
リセット回路118は、電源投入時において制御部110が起動可能なレベルまで電圧が上昇したきにリセット信号を出力して制御部110を起動させると共に、制御部110から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわち制御部110が一定時間動作を行わなかった場合に、制御部110に対してリセット信号を出力し、制御部110を再起動させる。
CPU111は、また、タイマ割り込み処理により、RAM112の特定アドレスの数値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。CPU111は、I/Oポート114を介して演出制御基板102に、各種のコマンドを送信する。なお、遊技制御基板101から演出制御基板102へ情報(コマンド)は一方向のみで送られ、演出制御基板102から遊技制御基板101へ向けて情報(コマンド)が送られることはない。
遊技制御基板101には、1枚BETスイッチ45、MAXBETスイッチ46、スタートスイッチ41、ストップスイッチ42L、42C、42R、精算スイッチ47、第1リセットスイッチ48、投入メダルセンサ44が接続されており、これらのスイッチ/センサ類の検出信号が入力される。また、リール中継基板103を介して、リールセンサ3SL、3SC、3SRの検出信号が入力される。I/Oポート114を介して入力されるこれらスイッチ/センサ類の検出信号、或いは前述したように電源基板100を介して入力される各種スイッチの検出信号に従って、遊技制御基板101上のCPU111は、処理を行っている。
遊技制御基板101には、また、流路切り替えソレノイド49、ゲーム回数表示器51、クレジット表示器52、ペイアウト表示器53、投入指示ランプ59、1枚賭けランプ54、2枚賭けランプ55、56、3枚賭けランプ57、58、ゲームオーバーランプ63、スタートランプ60、リプレイランプ62、BETボタンランプ70a、70b、操作有効ランプ63L、63C、63Rが接続されており、CPU111は、遊技の進行状況に従ってこれらの動作を制御している。
また、遊技制御基板101には、リール中継基板103を介してリールモータ3ML、3MC、3MRが接続されている。CPU111は、後述する内部抽選によりRAM112に設定される当選フラグを参照して、リール中継基板103を介してリールモータ3ML、3MC、3MRを制御して、リール3L、3C、3Rを停止させる。遊技制御基板101には、さらに演出中継基板106を介して演出制御基板102が接続されている。
演出中継基板106は、遊技制御基板101から演出制御基板102へ送信される情報の一方向性を担保するために設けられた基板である。演出中継基板106は、この状態を調べることによって遊技制御基板101や演出制御基板102を調べなくても、遊技制御基板101の制御部110に不正な信号(特に演出制御基板102に外部から入力されるようになっている信号)が入力されるような改造がなされていないかどうかをチェックすることができるようにするものである。
演出制御基板102は、スロットマシン1における演出の実行を制御するサブ側の制御基板であり、CPU121、RAM122、ROM123及びI/Oポート124を含む1チップマイクロコンピュータからなる制御部120を搭載している。また、乱数発生回路125及びサンプリング回路126を搭載しており、CPU121は、サンプリング回路126により乱数発生回路125がカウントしている値を取得することにより、遊技制御基板101と同様のハードウェア乱数機能を形成している。割り込み処理によるソフトウェア乱数機能も有している。
CPU121は、ROM123に記憶されたプログラム(後述)を実行して、演出の実行に関する処理を行うと共に、演出制御基板102内の各回路及びこれに接続された各回路を制御する。演出の実行は、I/Oポート124を介して遊技制御基板101から受信したコマンドに基づいて行われる。RAM122は、CPU121がプログラムを実行する際のワーク領域として使用される。RAM122は、RAM112と同様に停電時においてもバックアップ電源により電力が供給され、記憶されているデータが保持されるようになっている。RAM122の構成については後述する。ROM123は、CPU121が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。ROM123に格納された演出データについては後述する。I/Oポート124は、演出制御基板102に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
演出制御基板102には、RTC基板107が接続されている。RTC基板107は、電波時計などにより構成され、現在時刻(日付含む)を計時するRTC(リアルタイムクロック)171と、遊技店の営業開始時刻と営業終了時刻の変更操作を行うための時刻変更スイッチ172と、時刻変更スイッチ172により設定された遊技店の営業開始時刻、営業終了時刻をそれぞれ記憶する開始時刻メモリ173、終了時刻メモリ174と、スロットマシン1の電源をONした時刻が営業時間内か否かによりRAM122をクリアする機能を停止するための機能停止スイッチ175とが搭載されている。
演出制御基板102のCPU121は、RTC基板107に搭載されたRTC171が示す時刻、並びに開始時刻メモリ173に記憶された営業開始時刻及び終了時刻メモリ174に記憶された営業終了時刻を参照することができるものとなっている。なお、営業開始時刻及び営業終了時刻を時刻変更スイッチ172により設定し、開始時刻メモリ173及び終了時刻メモリ174に記憶させるためには、設定キースイッチ92と同様のキー操作が必要となっている。また、機能停止スイッチ175により時刻が営業時間内か否かによりRAM122をクリアする機能を停止するためにも、設定キースイッチ92と同様のキー操作が必要となっている。
演出制御基板102には、遊技効果ランプ75A〜75M、液晶表示器4、スピーカ7L、7R、7U、蛍光灯6、ウェイトランプ61、ボーナス告知ランプ66が接続されている。また、リールランプ中継基板104を介してリールランプ3LPが接続されている。演出制御基板102の制御部120は、これら各部をそれぞれ制御して、演出を行っている。
リール中継基板103は、遊技制御基板101と外部出力基板105及びリールユニット3との間を中継している。リール中継基板103には、また、満タンセンサ90が接続されており、その検出信号が入力される。満タンセンサ90は、スロットマシン1の内部に設けられ、ホッパー80からオーバーフローしたメダルを貯留するオーバーフロータンク内のメダルが満タンになったことを検知するものである。
リールランプ中継基板104は、演出制御基板102とリールユニット3との間を中継している。外部出力基板105は、ホールの管理コンピュータなどの外部装置に接続されており、遊技制御基板101からリール中継基板103を介して入力されたビッグボーナス中信号、レギュラーボーナス中信号、リール制御信号、ストップスイッチ信号、メダルIN信号、メダルOUT信号、及び当選状況信号を、当該外部装置に出力する。
上記スロットマシン1においては、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものであり、後述する内部抽選の当選確率は、設定値に応じて定まるものとなる。メダルの払出率は、遊技者が賭け数の設定のために投入するメダルの数に対する、後述する内部抽選で当選する小役に対して払い出されることとなるメダルの数の期待値の割合で算出される。実際に入賞する小役に対して払い出されることとなるメダルの数に基づいて計算されるのではない。後述するように遊技状態が異なると、メダルの払出率も変わることとなる。
ここで、設定スイッチ91による設定値の変更操作について説明する。設定値を変更するためには、設定キースイッチ92をON状態としてからメインスイッチ94によりスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定値を変更せずにスロットマシン1を起動する場合には、設定キースイッチ92をOFF状態としてメインスイッチ94により電源をONすればよい。
設定キースイッチ92をON状態として電源をONすると、設定値の変更操作が可能な設定変更モードなる。設定変更モードにおいて、設定スイッチ91が操作されると、設定値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートレバー11が操作されてから設定キースイッチ92がOFFされると、変更後の確定した設定値がRAM112の設定値ワークに記憶される。そして、遊技の進行が可能な状態に移行する。
また、遊技制御基板101のCPU111が電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理を実行する。電断割込処理では、CPU111のレジスタをRAM112のスタック領域に退避するとともに、RAM112のパリティ格納領域に格納されているデータ以外の全てのデータに基づいてRAMパリティを計算し、パリティ格納領域に格納する処理を行うようになっている。ここにRAMパリティとは、データ列(各アドレスにおいて同一位置のビット)を足し合わせた総和の最下位ビットのことである。
そして、遊技制御基板101の制御部110の起動時において、設定キースイッチ92がON状態となっていてRAM112のデータがクリアされた場合を除いて、RAM112に記憶されているデータのうちのパリティ格納領域に格納されているデータ以外の全てのデータに基づいてRAMパリティを計算し、パリティ格納領域に格納されているRAMパリティと比較する。
設定キースイッチ92がOFF状態であった場合にRAMパリティの比較結果が一致した場合には、RAM112に記憶されている状態に基づいて電源断前の状態に復帰させる。一方、RAMパリティの比較結果が一致しなかった場合には、ここでもRAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。
RAM異常エラー状態は、第1リセットスイッチ48または第2リセットスイッチ93を操作しても解除されないようになっている。RAM異常エラー処理は、設定キースイッチ92をON状態としてスロットマシン1を起動してRAM112のデータをクリアした後、設定変更モードにおいて新たな設定値が設定されることで解除されるようになっている。一方、RAM異常エラー状態以外のエラー状態は、第1リセットスイッチ48または第2リセットスイッチ93を操作することで解除されるようになっている。
次に、演出制御基板102のRAM122の構成について説明する。図3は、演出制御基板102のRAM122の構成を示す図である。演出制御基板102のRAM122には、少なくとも演出ステージ記憶領域122−1と、実行演出データ領域122−2と、フレームバッファ122−3とが設けられている。スロットマシン1の電源をONした際に設定変更を行っていたり、営業時間外に電源をONしてRAM122のデータがクリアされる場合には、これらの領域122−1〜122−3のいずれに記憶されたデータもクリアされるものとなる。
演出ステージ記憶領域122−1には、液晶表示器4への画像の表示による演出の演出ステージのうちで現在の演出ステージを示すデータが記憶される。ここで、演出ステージには、ステージ1〜ステージ3の3つの演出ステージがある。演出ステージが異なると、演出に登場するキャラクタの種類と演出の背景に用いられる画像の種類とが異なるが、演出の実行確率や実行態様は同じであるので、ステージ1〜ステージ3のそれぞれに対して同じ演出パターンの演出があることになる。演出ステージは、1ゲーム毎に賭け数が設定されたときに現在の演出ステージから変更するか、さらに変更されるステージをどれにするかが決定される。もっとも、後述する連続演出または追加演出が実行されている間、或いは遊技状態がレギュラーボーナスまたはビッグボーナスにある間は、演出ステージが変更されることがない。
実行演出データ領域122−2には、少なくとも現在実行されている演出の演出データ(図6参照)が記憶される。スロットマシン1において実行される演出として複数ゲームに亘る連続演出と、さらにこれに続けて実行される追加演出とがあるが、実行演出データ領域122−2には、少なくとも連続演出の演出データと追加演出の演出データとを記憶できるだけの容量がある。しかし、例えば、ステージ1の連続演出の演出データとともにステージ2の連続演出の演出データを記憶できるだけの容量はない。実行演出データ領域122−2において新たに実行される演出の演出データを記憶するのに十分な空き領域がない場合には、新たに実行される演出の演出データがこれまでに書き込まれている演出データに上書きして書き込まれる。
フレームバッファ122−3は、実行演出データ領域122−2に書き込まれている演出データに従って現在実行されている演出の画像データが展開される領域である。液晶表示器4には、フレームバッファ122−3に展開された画像データに従って画像が表示される。フレームバッファ122−3は、2フレーム分あり、画像データの書き込み用と読み出し用とを1フレーム期間毎に交互に切り替えることで、液晶表示器4に動画像を表示できるようになっている。
このようにROM123に格納された演出データを読み出し、実行演出データ領域122−2に一旦書き込んでからフレームバッファ122−3に画像データを展開するのは、多くの演出において何度も繰り返して演出データの読み出しが行われるが、RAM122からのデータの読み出し速度はROM123からの読み出し速度よりも早いので、その方が全体としてデータの読み書きに要する時間が少なくて済むことになるからである。
上記スロットマシン1においては、可変表示装置2のいずれかの入賞ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、特別遊技状態(レギュラーボーナス、ビッグボーナス)への移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭け数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。図4(a)は、このスロットマシン1において入賞となる役の種類と可変表示装置2における図柄の組み合わせを説明する図である。
レギュラーボーナスは、通常の遊技状態、RT1またはRT2において入賞ライン(5本)のいずれかに「BAR−BAR−BAR」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。レギュラーボーナス入賞すると、遊技状態が通常の遊技状態からレギュラーボーナスに移行する。レギュラーボーナスは、12ゲームを消化したとき、または8ゲーム入賞(役の種類は、いずれでも可)したとき、のいずれか早いほうで終了する。遊技状態がレギュラーボーナスにある間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM112に設定される(次に説明するビッグボーナス中に提供された場合を含む)。
ビッグボーナス(1)は、通常の遊技状態、RT1またはRT2において入賞ライン(5本)のいずれかに「7−7−7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。ビッグボーナス(2)は、通常の遊技状態、RT1またはRT2において入賞ライン(5本)のいずれかに「7−7−BAR」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)入賞すると、遊技状態がビッグボーナスに移行する。
ビッグボーナスにおいては、上記したレギュラーボーナスが終了まで繰り返して提供される。遊技状態がビッグボーナスにある間は、ビッグボーナス中フラグがRAM112に設定される。ビッグボーナスは、遊技者に払い出したメダルの枚数が465枚を越えたときに終了する。ここでは、1ゲーム当たりの最大払出枚数が15枚なので、ビッグボーナスにおける払出メダル枚数の上限は、480枚となる。
ビッグボーナスが終了すると、その後の100ゲームの間だけ遊技状態がRT(Replay Time)1に制御される。また、後述する内部抽選においてレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選すると(後述するようにチェリーと重複当選した場合を含む)、その後の3ゲームの間だけ遊技状態がRT2に制御される。なお、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞すると、規定のゲーム数が残っていても、その時点でRT1、RT2が終了させられる。
後述する内部抽選においてレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選していても、リール3L、3C、3Rについて「7」と「BAR」が5コマ以内の間隔で配置されているわけではないので、停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順によってはこれらの役に入賞しない場合がある。もっとも、後述するようにチェリーと重複当選している場合には、当選しているレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)を取りこぼしても、チェリーに入賞する場合がある。
スイカは、いずれの遊技状態においてもいずれかの入賞ライン(5本または1本)に「スイカ−スイカ−スイカ」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、15枚のメダルが払い出される。ベルは、いずれの遊技状態においてもいずれかの入賞ライン(5本または1本)に「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、9枚のメダルが払い出される。「ベル」は、リール3L、3C、3Rの全てについて5コマ以内の間隔で配置されているので、後述する内部抽選においてベルに当選したときには、必ずベルに入賞するものとなっている。
チェリーは、いずれの遊技状態においても左のリール3Lについていずれかの入賞ライン(5本または1本)のいずれかに「チェリー」の図柄が導出されたときに入賞となり、1入賞ラインにつき1枚のメダルが払い出される。左のリール3Lの上段または下段に「チェリー」が停止したときには、2つの入賞ラインでの導出となるので合計2枚のメダルが払い出される。もっとも、適正な操作手順で操作されずに、チェリーに入賞しなかった場合にも、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の取りこぼし時に導出され得るのと同じチャンス目が導出されることがある。チェリーに入賞した場合及びチャンス目が導出された場合にも、その後の3ゲームの間だけ遊技状態がRT2に制御される。
リプレイは、通常の遊技状態、RT1またはRT2において入賞ライン(5本)のいずれかに「JAC−JAC−JAC」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。レギュラーボーナス(ビッグボーナス中を含む)では、この組み合わせが揃ったとしてもリプレイ入賞とならない。リプレイに入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭け数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭け数に対応した3枚のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。「JAC」は、リール3L、3C、3Rの全てについて5コマ以内の間隔で配置されているので、後述する内部抽選においてリプレイに当選したときには、必ずリプレイに入賞するものとなっている。
なお、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)と同時にチェリーに当選したり、後述するようにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選が持ち越されている状態で小役やリプレイに当選する場合がある。リプレイは、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に優先して導出されるので、取りこぼしは全く生じないが、ベルは、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の導出を優先することによって、例外的に取りこぼしとなる場合もある。
また、遊技状態がRT1、RT2にあるかどうかは、RAM112に設けられたRT1カウンタ、RT2カウンタの値で示される。すなわち、ビッグボーナス中フラグおよび/またはレギュラーボーナス中フラグが設定されていないときにおいて、RT1カウンタとRT2カウンタの両方の値が0であるときには通常の遊技状態であり、RT2カウンタの値が0でRT1カウンタの値が1以上であるときにはRT1であり、RT2カウンタの値が1以上であるときにはRT2である。RT1カウンタとRT2カウンタの両方の値が1以上であるときもあるが、この場合は、RT2カウンタの値が1以上であることが優先的に判断され、遊技状態はRT2となる。
以下、内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するかどうかを、可変表示装置2の表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートレバー11の操作時)、決定するものである。内部抽選では、乱数発生回路115から内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)が取得される。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、取得した内部抽選用の乱数と、遊技者が設定した賭け数と、設定スイッチ91により設定された設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。内部抽選における当選は、排他的なものである。
図4(b)は、遊技状態別当選役テーブルを示す図である。遊技状態別当選役テーブルは、ROM113に予め格納され、内部抽選において当選と判定される役を判断するために用いられるものであるが、遊技状態別当選役テーブルの登録内容は、遊技状態に応じて定められた役を示すものとなる。各ゲームにおける遊技状態において抽選対象となる役が参照される。ここで、複数の役が同時に抽選対象となる場合もある。
遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)にあるときには、スイカ、ベル、チェリーが内部抽選の対象役として順に読み出される。通常の遊技状態、RT1またはRT2にあるときには、レギュラーボーナス、レギュラーボーナス+チェリー、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(2)、ビッグボーナス(2)+チェリー、スイカ、ベル、チェリー、リプレイが内部抽選の対象役として順に読み出される。
内部抽選では、内部抽選の対象役について遊技状態及び設定値毎に登録されている判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、その対象となっている役に当選したものと判定される。当選と判定されると、当該役の当選フラグがRAM112に設定される。判定値数は、ROM113に予め格納された役別テーブルに登録されている。
ここで、通常の遊技状態、RT1またはRT2におけるリプレイの判定値数は、それぞれいずれの設定値でも同じ値が登録されているが、RT1におけるリプレイの判定値数は、通常の遊技状態におけるリプレイの判定値数よりも大きくなっている。RT2におけるリプレイの判定値数は、RT1におけるリプレイの判定値数よりもさらに大きくなっている。例えば、通常の遊技状態ではリプレイの判定値数が2245でリプレイ当選確率がおおよそ1/7.3とされているのに対して、RT1ではリプレイの判定値数が5213でリプレイの当選確率がおおよそ1/3.14、RT2ではリプレイの判定値数が12652でリプレイ当選確率がおおよそ1/1.4とされている。
このようにリプレイ当選確率が設定されることで、通常の遊技状態では、メダルの払出率が1より小さくなっている(すなわち、賭け数の設定のために投入するメダルの数に対して内部抽選で当選する小役に対して払い出されることとなるメダルの数の方が小さい)。RT1では、リプレイ当選確率が高くなることにより、通常の遊技状態よりもメダルの払出率が大きくなるが、1より僅かに小さくなっている。つまり、通常の遊技状態における遊技では、目に見えて分かる程に遊技者の手持ちのメダル数が減っていくのに対して、RT1における遊技では、メダルの減りを遊技者にあまり感じさせない。
また、RT2では、リプレイ当選確率が高くなることにより、メダルの払出率が1より大きくなる(すなわち、賭け数の設定のために投入するメダルの数に対して内部抽選で当選する小役に対して払い出されることとなるメダルの数の方が大きい)が、3ゲームだけで終了するものであるため、遊技者の手持ちのメダル数に大きく影響を及ぼすことはない。もっとも、遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナスを含む)にあるときのメダルの払出率は、RT2におけるメダルの払出率よりも高く、遊技者の手持ちのメダルが増加していく。なお、ここで説明した遊技状態に応じたメダルの払出率の関係は、設定値が1〜6のいずれとなっている場合も同じである。
次に、リール3L、3C、3Rの停止制御について説明する。可変表示装置2を構成するリール3L、3C、3Rは、スタートレバー11が操作され、且つ前回のゲームにおけるリール3L、3C、3Rの回転開始から所定時間を経過していることを条件に、回転開始される。そして、遊技者によって停止ボタン12L、12C、12Rが操作されると、その操作タイミングからそれぞれに対応するリール3L、3C、3Rが190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲内(4コマの引き込み範囲内)で停止されるものとなる。
リール3L、3C、3Rの回転停止は、190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲内で当選フラグの設定されている役の図柄を入賞ライン上に揃えるように、また、190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲内で当選フラグの設定されていない役の図柄を入賞ライン上に揃えないように制御される。
ここで、ベル当選フラグまたはリプレイ当選フラグのみが設定されているときは、停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順(操作する順番、操作タイミング)に関わらずに190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲内で必ずその図柄を入賞ライン上に揃えることができる。一方、レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ、ビッグボーナス(2)当選フラグ、スイカ当選フラグまたはチェリー当選フラグのみが設定されているときには、停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順によっては対応する図柄を入賞ライン上に揃えることができず、取りこぼしが生じる場合がある。
前回のゲームの取りこぼしによってレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが持ち越され、且つリプレイ当選してリプレイ当選フラグが設定されているゲームでは、リプレイの図柄を優先して入賞ライン上に揃えるように、リール3L、3C、3Rの停止制御がなされる。リプレイ当選フラグが設定されている場合には、レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されていても、必ずリプレイ入賞することとなり、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞することはない。
前回のゲームの取りこぼしによってレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが持ち越され、且つ小役(スイカ、ベルまたはチェリー)に当選して小役当選フラグが設定されているゲーム、もしくはレギュラーボーナス+チェリー、ビッグボーナス(1)+チェリーまたはビッグボーナス(2)+チェリーに当選してレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグとともにチェリー当選フラグが設定されているゲームでは、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の図柄を優先して入賞ライン上に揃えるように、リール3L、3C、3Rの停止制御がなされる。
もっとも、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の図柄は、停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順によっては当選フラグが設定されていても対応する図柄を入賞ライン上に揃えることができない。停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順によりレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞させることができない場合であって、停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順により当選フラグの設定されている小役の図柄を入賞ライン上に揃える(チェリーの場合は、左のリール3Lに導出させる)ことができる場合は、当選フラグの設定されている小役に入賞させるように、リール3L、3C、3Rの停止制御がなされる。
なお、リール3L、3C、3Rの停止制御は、当選フラグの設定状況(及び既に停止しているリールに導出された図柄)に応じて未だ停止していないリールの停止操作位置と停止位置との関係を定めたリール制御テーブルを未停止のリールについて予め作成し、停止ボタン12L、12C、12Rがそれぞれ操作されたときに、予め作成されたリール制御テーブルを参照して、対応するリールの回転を停止させるものとしてもよい。
遊技制御基板101の側においては、上記のように内部抽選が行われ、その結果、遊技状態、及び停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングに従ってリール3L、3C、3Rの回転が停止し、入賞が発生するものとなる。入賞の発生により、配当としてメダルの払い出しや遊技状態の移行が与えられるが、このように遊技制御基板101の側における遊技の進行状況に応じて、演出制御基板102の側で独自の演出が行われる。このような演出を行うためには、演出制御基板102のCPU121は、遊技制御基板101の側における遊技の進行状況を認識できなければならないが、このような遊技の進行状況に関する情報は、全てコマンドとして遊技制御基板101から演出制御基板102に送信される。
遊技制御基板101から演出制御基板102に送信されるコマンドには、少なくともBETコマンド、当選状況通知コマンド、入賞情報コマンド、及び遊技状態コマンド、並びに平常起動コマンド及び設定変更コマンドが含まれている。遊技制御基板101から演出制御基板102に送信されるコマンドには、これ以外のコマンドも含まれているが、本発明に直接関わるものではないため、詳細な説明を省略している。
BETコマンドは、現時点で設定されている賭け数を示すもので、各ゲームの賭け数が確定した(すなわち、3になった)ときに送信される。当選状況通知コマンドは、RAM112における当選フラグの設定状況を示すもので、スタートレバー11が操作されて内部抽選が行われたときに送信される。入賞情報コマンドは、可変表示装置2の表示結果に応じて発生した入賞の種別を示すもので、可変表示装置2に表示結果が導出されて入賞判定が行われたときに送信される。遊技状態コマンドは、次のゲームで適用される遊技状態(RT1については残りゲーム数が50以上か50未満かまで、RT2については残りゲーム数まで)を示すもので、1ゲームの終了時において送信される。
平常起動コマンドは、設定キースイッチ92がON状態とされずにスロットマシン1が起動されたとき、すなわち設定値の変更を行うことなく電源断前の状態から引き続いて遊技を継続すべくスロットマシン1を起動したときに送信される。平常起動コマンドは、設定値と当選フラグの設定状況と遊技状態(RT1については残りゲーム数が50以上か50未満かまで、RT2については残りゲーム数まで)とを特定可能な情報を含んでいる。設定変更コマンドは、設定キースイッチ92がON状態とされてスロットマシン1が起動されたとき、すなわち設定値の変更を行うとともにRAM112のデータをクリアし、新たな設定値で初期状態から遊技を開始すべくスロットマシン1を起動したときに送信される。
なお、演出制御基板102のRAM122には、遊技状態コマンド、入賞情報コマンド、及び当選状況通知コマンド、並びに平常起動コマンドに基づいて、各役の当選状況、可変表示装置2の表示結果による入賞の発生の有無を示す情報、遊技制御基板101の側で進行しているゲームにおいて適用される遊技状態を保存する領域(当選状況については、2回分)が設けられている。
演出制御基板102のCPU121は、このように遊技制御基板101のCPU111から送られてくるコマンドに基づいて各種の演出を行うものとしている。CPU121の制御により実行される演出として、特に液晶表示器4において行われる演出としては、遊技状態がRT2に制御されたことに基づき、チェリーの入賞(ボーナスとの重複当選に基づくものを除く)、チャンス目の導出、或いはボーナスのみの当選に基づき、複数ゲームに亘って実行される連続演出及び追加演出がある。
また、遊技状態がレギュラーボーナスまたはビッグボーナスにあるときにそれぞれ実行されるレギュラーボーナス中演出及びビッグボーナス中演出(以下、これらを纏めてボーナス中演出という)がある。さらに、連続演出及び追加演出、並びにボーナス中演出の何れも行われていないゲームで、1ゲーム限りにおいて実行される単発演出もある。連続演出及び追加演出、ボーナス中演出、並びに単発演出の実行態様は、演出ステージ記憶領域122−1に記憶されている演出ステージによって異なるものとなる。
これらの演出は、ROM123に記憶された演出データを実行演出データ領域122−2に書き込み、書き込んだ演出データに応じた画像データをフレームバッファ122−3に展開し、該展開した画像データに応じた画像を液晶表示器4に表示させることによって行われるものである。
また、これらの演出は、RAM122に記憶されたデータに従って行われるものであり、スロットマシン1の電源をOFFした後に再びONした際にRAM122のデータをクリアすることなく、バックアップされていたデータを用いて演出を再開するなら、電源をOFFする前に実行されていた演出を引き継いで、そこから演出が再開される。スロットマシン1の電源をONした際にRAM122のデータがクリアされていると、演出は改めて初期状態から開始される。このため、スロットマシン1の電源をONしたときに、如何なる場合にRAM122のデータがクリアされるかが問題となる。
設定キースイッチ92をON状態としてスロットマシン1の電源をONしたとき、すなわち設定値の変更操作を行ってスロットマシン1を起動してときには、遊技制御基板101のRAM112のデータが初期化されて、電源をOFFする前の状態に関わらず初期状態から遊技が行われることとなる。従って、この場合には、演出も初期状態から開始させるべく、演出制御基板102のCPU121が設定変更コマンドを受信したときには、RTC171が示す時刻に関わらずに、RAM122のデータをクリアするものとしている。もっとも、RTC171が示す時刻に関わらずにRAM122のデータがクリアされるものの、このような設定値の変更操作に伴うRAM122のデータのクリアは、遊技店の営業時間外に行われることが多い。
一方、設定キースイッチ92をOFF状態としてスロットマシン1の電源をONしたとき、すなわち設定値の変更操作を行わずにスロットマシン1を起動したときには、遊技制御基板101のRAM112のデータは初期化されず、バックアップされていたデータにより、電源をOFFする前の状態を引き継いで遊技が再開されることとなる。このときに遊技制御基板101から送信される平常起動コマンドを受信したときに、演出制御基板102のCPU121は、RTC171が示す時刻を参照して、これを開始時刻メモリ173及び終了時刻メモリ174に記憶された営業開始時刻及び営業終了時刻と比較し、当該遊技店の営業時間内であるかどうかを判定する。
営業時間外であれば、当該遊技店に設定された他のスロットマシンの中に設定値の変更操作が行われているものがある。設定値の変更操作を行っていないものでは遊技制御基板101のRAM112のデータも初期化されておらず、前日の営業終了時の状態を引き継いで遊技が再開されるからと言って、演出も前日の営業終了時の状態を引き継いで再開させると、当該機では設定値の変更操作がされていないことが遊技者に分かってしまう。その裏返しとして、前日の営業終了時の状態を引き継いで演出が再開されない機械では、設定値の変更操作が行われていることが遊技者に分かってしまう。
そこで、平常起動コマンドを受信したときにRTC171が営業時間外の時刻を示していれば、遊技制御基板101のRAM112のデータはバックアップされたデータとなっているものの、演出制御基板102のRAM122のデータをクリアして、初期状態から演出を改めて開始させるものとしている。もっとも、機能停止スイッチ175により機能停止されていなければ、演出制御基板102のRAM122のデータをクリアせず、遊技も演出も電源OFF前の状態を引き継いで再開させるものとしている。
一方、平常起動コマンドを受信したときにRTC171が営業時間内の時刻を示していれば、これは、エラーからの復帰などの設定値の変更以外の理由でスロットマシン1の電源がOFF/ONされた場合が通常であるので、演出制御基板102のRAM122のデータをクリアせず、遊技も演出も電源OFF前の状態を引き継いで再開させるものとしている。
次に、演出ステージの選択について詳しく説明する。演出ステージは、各ゲームにおいて賭け数を設定したときに、演出ステージを変更するか否か、変更する場合には変更後の演出ステージの種類が決定される(但し、演出ステージを変更しないと決定されなかった場合でも、これまでの演出ステージと同じ種類の演出ステージが選択され、結果として演出ステージが変更されない場合がある)。
演出ステージを変更するか否か、及び演出ステージの種類の選択は、RAM122をクリアした後(設定値の変更をしたかどうかを問わない)に最初に実行されるゲーム(開始ゲーム)のために賭け数を設定したのか、それより後のゲーム(非開始ゲーム)のために賭け数を設定したのかで異なっている。そして、開始ゲームか非開始ゲームかに応じて異なるテーブルを用いて、演出ステージの振り分けが行われる。また、演出ステージの振り分けのために乱数発生回路125から乱数(0〜255)を取得し、取得した乱数の値に基づいて振り分けが行われる。
図5(a)は、開始ゲームにおいて演出ステージの振り分けを行うための開始ゲームテーブルを示す図である。図5(b)は、非開始ゲームにおいて演出ステージの振り分けを行うための非開始ゲームテーブルを示す図である。開始ゲームでも非開始ゲームでも、演出ステージの振り分けは、設定値が1〜6のいずれに設定されているかによって異なっている。また、開始ゲームでも非開始ゲームでも、演出ステージの振り分けは、遊技の進行状況(レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選、ボーナス当選してなくRT1残りゲーム数が50ゲーム以上、ボーナス当選してなくRT1残りゲーム数が50ゲーム未満、もしくはボーナス当選してなく通常の遊技状態またはRT1に制御されていないRT2)によって異なっている。
開始ゲームテーブル及び非開始ゲームテーブルの各枠内において、1段目から4段目がそれぞれ、演出ステージの変更なし、ステージ1の選択、ステージ2の選択、ステージ3の選択に対応する判定値数を示している。RAM122がクリアされると演出ステージの設定がないため、演出ステージの変更なしが選択される判定値数はない。
例えば、設定値が6でボーナス当選しているときの開始ゲームでは、64/256の割合でステージ1に、64/256の割合でステージ2に、128/256の割合でステージ3に振り分けられる。一方、同じように設定値が6でボーナス当選していても非開始ゲームでは、103/256の割合では演出ステージの変更はなく、57/256の割合でステージ1に、32/256の割合でステージ2に、64/256の割合でステージ3に振り分けられるものとなっている。
また、ボーナス当選しているときの開始ゲームであっても設定値が5であると、64/256の割合でステージ1に、96/256の割合でステージ2に、96/256の割合でステージ3に振り分けられる。同様に、設定値が1〜4の場合も、各演出ステージに振り分けられる割合が異なっている。また、ボーナス当選しているときの非開始ゲームであっても設定値が5であると、108/256の割合では演出ステージの変更はなく、52/256の割合でステージ1に、48/256の割合でステージ2に、48/256の割合でステージ3に振り分けられるものとなっている。同様に、設定値が1〜4の場合も、演出ステージの変更がない割合と、各演出ステージに振り分けられる割合が異なっている。
さらに設定値が6に設定されているときの開始ゲームであってもボーナス当選してないでRT1残りゲーム数が50ゲーム以上であると、160/256の割合でステージ1に、32/64の割合でステージ2に、64/256の割合でステージ3に振り分けられる。同様に、ボーナス当選していないでRT1残りゲーム数が50ゲーム未満の場合や、ボーナス当選していないでRT1でもない場合にも、各演出ステージに振り分けられる割合が異なっている。
また、設定値が6に設定されているときの非開始ゲームであってもボーナス当選してないでRT1残りゲーム数が50ゲーム以上であると、167/256の割合で演出ステージの変更はなく、41/256の割合でステージ1に、16/256の割合でステージ2に、32/256の割合でステージ3に振り分けられる。同様に、ボーナス当選していないでRT1残りゲーム数が50ゲーム未満の場合や、ボーナス当選していないでRT1でもない場合にも、演出ステージの変更がない割合と、各演出ステージに振り分けられる割合が異なっている。
開始ゲームにおいて振り分けられる演出ステージとRAM122がクリアされる直前に選択されていた演出ステージとの比較でまで考えると、開始ゲームの方が非開始ゲームよりも高い確率でこれまで選択されていた演出ステージとは異なる演出ステージに振り分けられ、また、直前の演出ステージとは異なる演出ステージに変更される場合でも、各種類の演出ステージに振り分ける割合が開始ゲームと非開始ゲームとでは異なることが分かる。
また、設定値が高いほど演出ステージの変更される確率が高いことが分かり、設定値に応じて各種類の演出ステージに振り分けられる割合も異なっていることが分かる。さらに、ボーナス当選フラグが設定されている場合、RT1残りゲーム数が50ゲーム以上ある場合、RT1残りゲーム数が50ゲーム未満の場合、RT1にも制御されていない場合の順で演出ステージの変更される確率が高いことが分かり、これらの遊技の進行状況の違いに応じて各種類の演出ステージに振り分けられる割合も異なっていることが分かる。
次に、連続演出について詳しく説明する。連続演出は、チェリー入賞、チャンス目の導出、またはボーナス当選に基づいてRT2の遊技状態が開始されるゲームで開始され、RT2が終了するまでの3ゲームまたは2ゲームの期間に亘って継続して行われる。但し、連続演出の終了前にボーナス入賞した場合には、その時点で連続演出は強制終了させられる。もっとも、連続演出が行われている期間は、遊技状態がRT2に制御され、かなり高い確率でリプレイ当選する(取りこぼしなくリプレイ入賞する)ので、連続演出中にボーナス入賞してしまうことは少ない。
連続演出は、その開始時において演出ステージとボーナス当選しているか否かに従って選択された演出パターンに従って行われる。連続演出は、その開始時において選択された演出パターンに従って行われるため、当該連続演出が終了するまでのゲームで新たにボーナス当選しているという可能性もある。この場合、最初に選択されたパターンで連続演出を最後まで実行した後に追加演出を実行するか、連続演出の演出パターンの一部を差し替えるものとしている。追加演出は、2ゲームまたは1ゲームの間継続し(但し、ボーナス入賞まで)、連続演出と同様に液晶表示器4に所定の画像を表示することにより行われる。追加演出の最終ゲーム(1ゲームのパターンでは当該ゲーム)または差し替えられた演出では、ボーナス当選の確定が報知される。
連続演出及び追加演出における個々のゲーム毎の演出は、いずれもスタートレバー11の操作時に開始し、リール3L、3C、3Rの全ての回転が停止したときに終了するものである。個々のゲームのうちで最後のゲーム以外のゲームの演出では、ボーナス当選しているかどうかが分かる情報は報知されない。最後のゲームの演出で、ボーナス当選しているかどうかが分かる。追加演出が行われる場合の連続演出では、最後のゲームの演出でハズレが一旦報知されるが、続けて行われる追加演出でボーナス当選の確定が報知されるものとなる。そして、ハズレ報知またはボーナス確定報知により、ボーナス当選しているかどうかが連続演出の最後において遊技者に報知されるものとなる。
また、ボーナス中演出は、レギュラーボーナスまたはビッグボーナスに入賞したときに演出ステージと入賞したボーナスの種類に従って選択された演出パターンに従って行われる。ボーナス中演出は、まず入賞した時点でボーナス入賞演出を行い、その後、当該ボーナスが終了するまでの各ゲームが終了する度に表示される画像を更新していくことによって行われる。単発演出も、該単発演出を実行すると決定されたときに演出ステージに応じて選択された演出パターンに従って行われる。
演出ステージ毎に各演出パターンで液晶表示器4に画像を表示させるためのデータが演出データとして予めROM123に格納されている。また、履歴表示演出の演出データもデモ演出の演出データも予めROM123に格納されている。図6は、ROM123に格納された各種演出データの構成を示す図である。
図示するように、単発演出1〜l、連続演出(ハズレ)1〜m、連続演出(確定)1〜n、追加演出1〜n、差替演出1、差替演出2、レギュラーボーナス中演出、及びビッグボーナス中演出の演出データが、ステージ1〜ステージ3のそれぞれの演出ステージに対して用意され、ROM123に格納されている。
ここで、連続演出(ハズレ)1〜mの演出データは、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれにも当選していない状態で選択されるパターン毎に用意された連続演出の演出データである。連続演出(確定)1〜nの演出データは、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずかに当選している状態で選択されるパターン毎に用意された連続演出の演出データである。
追加演出1〜nの演出データは、それぞれ連続演出1〜nが終了した後に続けて行われる追加演出のパターン毎に用意された演出データである。差替演出1及び差替演出2の演出データは、実行されている連続演出のパターンに応じて差し替えられる演出の演出データである。なお、連続演出(ハズレ)1〜mの演出データ、連続演出(確定)1〜nの演出データは、連続演出が複数ゲームの期間に亘って継続して実行される演出であるため、単発演出1〜lの演出データに比べてデータ量が大きなものとなっている。レギュラーボーナス中演出及びビッグボーナス中演出の演出データも、ボーナス中演出が複数ゲームの期間に亘って継続して実行される演出であるため、単発演出1〜lの演出データに比べてデータ量が大きなものとなっている。
なお、演出制御基板102のRAM122には、連続演出の残りゲーム数を示す連続カウンタと、追加演出の残りゲーム数を示す追加カウンタとが設けられており、選択した演出のパターンに従って、その初期値がセットされる。また、RAM122には、現在の演出ステージを示すデータを保存する演出ステージ領域122−1が設けられている他、演出ステージの変更を禁止する演出ステージ変更禁止フラグを設定する領域が設けられている。
以下、この実施の形態にかかるスロットマシン1における処理について説明する。スロットマシン1においては、ゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行われることで遊技が進行されるものであるが、そのためには、遊技の進行が可能な状態となっていなければならない。遊技の進行が可能な状態であるためには、CPU111を含む制御部110が起動された状態で正常範囲の設定値が設定値ワークに格納されており、RAM112に格納されたデータに異常がないことが条件となる。
図7は、遊技制御基板101のCPU111が実行する起動処理を示すフローチャートである。この起動処理は、遊技制御基板101のリセット回路118からリセット信号が入力されて制御部110が起動されたときに行われる処理である。なお、リセット信号は、電源投入時及び制御部110の動作が停滞した場合に出力される信号であるので、起動処理は、電源投入に伴う制御部110の起動時及び制御部110の不具合に伴う再起動時に行われる処理となる。
起動処理では、まず、内蔵デバイスや周辺IC、スタックポインタ等を初期化し(ステップS101)、RAM112へのアクセスを許可する(ステップS102)。そして、設定キースイッチ92がONの状態か否かを判定する(ステップS103)。設定キースイッチ92がONでなければ、RAM112に記憶されているデータのうちパリティ格納領域を除く全てのデータに基づいてRAMパリティを計算する(ステップS104)。
次に、ここで計算したRAMパリティがパリティ格納領域に格納されているRAMパリティ、すなわち前回の電源断時に計算して格納されたRAMパリティと比較し(ステップS105)、双方のRAMパリティが一致したか否か、すなわちRAMに格納されているデータが正常か否かを判定する(ステップS106)。なお、この実施例では、RAMパリティによるRAM112が正常か否かの判定は、起動処理においてのみ行われるようになっている。
ステップS106においてRAMパリティが一致していなければ、RAM112に格納されているデータが正常ではないので、RAM異常エラーコードを表示した後、何もしない(NOP)の無限ループによるRAM異常エラー処理に移行する。RAMパリティが一致していれば、RAM112に格納されているデータが正常であるので、RAM112のスタック領域に格納されているレジスタを復帰し(ステップS107)、割込禁止を解除する(ステップS108)。そして、設定キースイッチ92をOFF状態としてスロットマシン1が起動されたことを示すとともに設定値と当選フラグの設定状況と遊技状態とを示す平常起動コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する(ステップS109)。その後、電源断前の処理に戻る。
また、ステップS103において設定キースイッチ92がONの状態であれば、スタック領域のうち使用中の領域を除いてRAM112に格納されているデータを全て初期化(設定値ワーク以外は0、設定値ワークは1に書き換える)し(ステップS110)、割込禁止を解除する(ステップS111)。その後、設定変更処理に移行して、前述した手順により設定値を変更する(ステップS112)。もっとも、設定変更処理において、電源をOFFする前と全く同じ設定値が改めて設定されても構わない。
新たな設定値が設定され、設定変更処理から復帰すると、ここで新たな設定値が設定されたことを示す設定変更コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する(ステップS113)。そして、設定変更コマンドが送信された後、遊技の進行が可能な状態となってゲーム制御処理に移行する。
上記のように起動処理においては、設定キースイッチ92がONの状態でない場合に、電源断時に計算したRAMパリティと起動時に計算したRAMパリティとを比較することで、RAM112に記憶されているデータが正常か否かを判定し、RAM異常エラー処理に移行する。RAM異常エラー処理では、RAM異常エラーコードをゲーム回数表示部21に表示させた後、いずれの処理も行わないループ処理に移行するので、ゲームの進行が不能化される。
RAMパリティが一致しなければ、割込が許可されることがないので、一度RAM異常エラー処理に移行すると、設定キースイッチ92がONの状態で起動し、割込禁止が解除されるまでは、電源が遮断しても電断割込処理は行われない。すなわち、電断割込処理において新たにRAMパリティが計算されて格納されることはないので、制御部110が起動しても設定キースイッチ92がONの状態で起動した場合を除き、常にRAMパリティは一致することがないので、制御部110を起動させてゲームを開始(再開)させることができないようになっている。
そして、RAM異常エラー状態に一度移行すると、設定キースイッチ92がONの状態で起動し、設定変更処理が行われて設定スイッチ91の操作により新たな設定値が選択・設定されるまで、ゲームの進行が不能な状態となる。すなわち、RAM異常エラー状態に移行した状態では、設定スイッチ91の操作により新たに設定値が選択・設定されたことを条件に、ゲームの進行が不能な状態が解除され、ゲームを開始(再開)させることが可能となる。なお、RAM異常エラー以外のエラー状態では、RAMパリティの不一致の問題がないため、第1リセットスイッチ48または第2リセットスイッチ93の操作でのみゲームの進行が不能な状態を解除し、ゲームを再開させることができる。
以上のように遊技の進行が可能な状態となると、スロットマシン1においてゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行われることとなる。以下、スロットマシン1における各ゲームの処理について説明する。なお、スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートレバー11の操作からリール3L、3C、3Rを停止するまでをいうものであるが、ゲームを行う際には、スタートレバー11の操作前の賭け数の設定や、リール3L、3C、3Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれるものとする。なお、遊技制御基板101から演出制御基板102へのコマンドの送信は、本発明の説明に必要なものだけを説明し、そうでないコマンドの送信については、説明を省略する。
図8は、遊技制御基板101のCPU111が1ゲーム毎に行うゲーム制御処理を示すフローチャートである。この処理は、電源を投入し、所定のブート処理を行った後、または設定スイッチ91の操作により設定変更を行った直後にも実行される。1ゲームの処理が開始すると、まず、RAM112の所定の領域をクリアする処理を含む初期処理が行われる(ステップS201)。
次に、1枚BETボタン14またはMAXBETボタン15を操作することにより、或いはメダル投入口13からメダルを投入することにより賭け数を設定し、スタートレバー11を操作することにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行う(ステップS202)。前のゲームでリプレイ入賞していた場合には、リプレイゲーム中フラグにより前のゲームと同じ賭け数(この実施の形態では3)が自動設定される(この段階でリプレイゲーム中フラグが消去される)。BET処理により賭け数が確定すると、BETコマンドが演出制御基板102に送信される。
BET処理により賭け数が設定され、スタートレバー11が操作されると、内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて遊技状態に応じて定められた各役への入賞を許容するかどうかを決定する抽選処理を行う(ステップS203)。抽選処理では、RAM112における当選フラグの設定状況を示す当選状況通知コマンドが演出制御基板102に送信される。なお、抽選処理の詳細については後述する。
抽選処理が終了すると、次にリール回転処理が行われる(ステップS204)。リール回転処理では、前回のゲームでのリール3L、3C、3Rの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間が所定時間(例えば、4.1秒)が経過していることを条件に、リールモータ3ML、3MC、3MRを駆動させ、左、中、右の全てのリール3L、3C、3Rを回転開始させる。リール3L、3C、3Rの回転開始から所定の条件(回転速度が一定速度に達した後、リールセンサ3SL、3SC、3SRにより基準位置を検出すること)が成立すると、停止ボタン12L、12C、12Rを操作有効とする。その後、停止ボタン12L、12C、12Rが遊技者によって操作されることにより、当選フラグの設定状況に応じてリールモータ3ML、3MC、3MRを駆動停止させ、リール3L、3C、3Rの回転を停止させる。
リール3L、3C、3Rの駆動がそれぞれ停止すると、その停止時における表示態様において、入賞ライン上に上記したいずれかの役図柄が導出表示されたかどうかを判定する入賞判定処理が行われる(ステップS205)。この入賞判定処理でいずれかの役に入賞したと判定されると、遊技制御基板101において発生した入賞に応じた各種の処理が行われる。ここで、入賞の判定結果を示す入賞情報コマンドが演出制御基板102に送られる。なお、入賞判定処理の詳細については後述する。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる(ステップS206)。払出処理では、入賞判定処理において設定した払い出し予定数だけクレジットを増加させる。但し、データとして蓄積されているクレジットの数が50に達した場合は、ホッパーモータ82を駆動させることにより、超過した枚数のメダルをメダル払い出し口71から払い出させる。また、入賞に関わらない各種の処理も行われる。払出処理の最後、すなわち1ゲームの最後で次のゲームの遊技状態を示す遊技状態コマンドが演出制御基板102に送られる。なお、払出処理の詳細については後述する。そして、1ゲーム分の処理が終了し、次の1ゲーム分の処理が開始する。
次に、上記したステップS203の抽選処理について詳しく説明する。図9は、CPU111がステップS203で実行する抽選処理を詳細に示すフローチャートである。抽選処理では、RAM112にビッグボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、遊技状態がビッグボーナスにあるかどうかを判定する(ステップS301)。遊技状態がビッグボーナスになければ、そのままステップS304の処理に進む。
遊技状態がビッグボーナスにあれば、RAM112にレギュラーボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、遊技状態がレギュラーボーナスにあるかどうかを判定する(ステップS302)。遊技状態がレギュラーボーナスになければ、ビッグボーナスの最初のゲームであるか、ビッグボーナス中において1セット分のレギュラーボーナスが終了して未だ当該ビッグボーナスが終了していないときのゲームであるので、RAM112にレギュラーボーナス中フラグを設定して、遊技状態をレギュラーボーナスに制御する(ステップS303)。そして、ステップS304の処理に進む。遊技状態がレギュラーボーナスにあれば、そのままステップS304の処理に進む。
ステップS304では、サンプリング指令を出力することにより乱数発生回路115が発生する乱数をサンプリング回路116に抽出させ、RAM112の内部抽選用の乱数の格納領域に記憶させる。内部抽選用の乱数は、乱数発生回路115から抽出された乱数をそのまま用いるのではなく、ソフトウェアにより所定の手順で加工してから用いるものとしてもよい。
次に、現在の遊技状態に対応して、図4(b)の遊技状態別当選役テーブルに登録されている抽選対象役を順番に読み出す(ステップS305)。次に、抽選対象の役について読み出した遊技状態及び設定値に対応して役別テーブルに登録されているアドレスに格納されている判定値数を取得する(ステップS306)。そして、ステップS307の処理に進む。
ステップS307では、ステップS306で取得した判定値数をRAM112の判定領域に記憶された内部抽選用の乱数の値に加算し、加算の結果を新たな内部抽選用の乱数の値とする。ここで、判定値数を内部抽選用の乱数の値に加算したときにオーバーフローが生じたかどうかを判定する(ステップS308)。
オーバーフローが生じていない場合には、当該遊技状態において抽選対象となる役のうちで未だ処理対象としていないものがあるかどうかを判定する(ステップS309)。未だ処理対象としていないものがあれば、ステップS305の処理に戻り、遊技状態別当選役テーブルに登録されている次の抽選対象役を処理対象として処理を継続する。処理対象としていないものがなければ、ステップS319の処理に進む。
オーバーフローが生じた場合には、直前のステップS305で読み出した抽選対象役がレギュラーボーナス+チェリー、ビッグボーナス(1)+チェリーまたはビッグボーナス(2)+チェリーのいずれかであるかどうかを判定する(ステップS310)。レギュラーボーナス+チェリー、ビッグボーナス(1)+チェリーまたはビッグボーナス(2)+チェリーのいずれかである場合には、少なくとも今回のゲームにおける遊技状態は、レギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)ではない。
ここでは、RAM112にレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ、またはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS311)。レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ及びビッグボーナス(2)当選フラグのいずれも設定されていなければ、RT2カウンタの初期値として4をセットし、次のゲームから3ゲームの間だけ遊技状態がRT2に制御されるようにする。ここで、3ではなく4を初期値としてセットするのは、ステップS515(後述)において今回のゲームのうちにRT2カウンタの値が1減算されてしまうからである(ステップS312)。
また、読み出した抽選対象役に応じてレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグをRAM112に設定するとともに、チェリー当選フラグをRAM112に設定する(ステップS313)。そして、ステップS319の処理に進む。
ステップS311でRAM112にレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが既に設定されていた場合には、チェリー当選フラグのみをRAM112に設定する(ステップS314)。そして、ステップS319の処理に進む。
ステップS310で抽選対象役がレギュラーボーナス+チェリー、ビッグボーナス(1)+チェリー及びビッグボーナス(2)+チェリーのいずれでもなかった場合には、抽選対象役がレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかであるかどうかを判定する(ステップS315)。抽選対象役がレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれでもなければ、ステップS318の処理に進む。
レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかである場合には、RAM112にレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ、またはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS316)。レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ及びビッグボーナス(2)当選フラグのいずれかが設定されていれば、そのままステップS319の処理に進む。
レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ及びビッグボーナス(2)当選フラグのいずれも設定されていなければ、RT2カウンタの初期値として4をセットし、次のゲームから3ゲームの間だけ遊技状態がRT2に制御されるようにする。ここでも、3ではなく4を初期値としてセットするのは、ステップS515(後述)において今回のゲームのうちにRT2カウンタの値が1減算されてしまうからである(ステップS317)。そして、ステップS318の処理に進む。
ステップS318では、抽選対象役の当選フラグをRAM112に設定する。ここで、抽選対象役がレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれでもなく、既にレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグのいずれかが設定されていれば、既に設定されているレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグに重ねて、今回の抽選対象役の当選フラグを設定する。そして、ステップS319の処理に進む。
ステップS319では、RAM112における当選フラグの設定状況に応じて当選状況通知コマンドを生成し、これを演出制御基板102に送信する。そして、抽選処理を終了して、図8のフローチャートに復帰する。
次に、上記したステップS205の入賞判定処理について詳しく説明する。図10は、CPU111がステップS205で実行する入賞判定処理を詳細に示すフローチャートである。入賞判定処理では、遊技状態に応じた入賞対象役を最初から順に読み出す(ステップS401)。次に、当該読み出した役の図柄組み合わせが可変表示装置2の5本の入賞ラインのうちのいずれかに揃っているかどうかを判定する(ステップS402)。
当該役の図柄組み合わせが揃っていれば、当該役の入賞フラグをRAM112に設定して(ステップS403)、ステップS404の処理に進む。当該役の図柄組み合わせが揃っていなければ、そのままステップS404の処理に進む。ステップS404では、当該遊技状態に応じた役のうちで未だ入賞判定の対象としていない役があるかどうかを判定する。未だ入賞判定の対象としていない役があれば、ステップS401の処理に戻り、当該遊技状態に応じた次の役を読み出すものとする。
当該遊技状態に応じた役の全てを入賞判定の対象としていれば、次に、RAM112にリプレイの入賞フラグが設定されているかどうかにより、リプレイ入賞したかどうかを判定する(ステップS405)。リプレイ入賞していれば、リプレイゲーム中フラグをRAM112に設定する(ステップS406)。このリプレイゲーム中フラグは、次のゲームで賭け数が自動設定されると消去されるものとなる。そして、ステップS417の処理に進む。
リプレイ入賞していなければ、RAM112にビッグボーナス(1)の入賞フラグが設定されているかどうかにより、ビッグボーナス(1)入賞したかどうかを判定する(ステップS407)。ビッグボーナス(1)入賞していれば、ビッグボーナス中フラグをRAM112に設定すると共に、RAM112に設定されているビッグボーナス(1)当選フラグを消去する。また、RAM112のRT1カウンタとRT2カウンタの値をそれぞれ0に初期化する(ステップS408)。そして、ステップS417の処理に進む。
ビッグボーナス(1)入賞していなければ、RAM112にビッグボーナス(2)の入賞フラグが設定されているかどうかにより、ビッグボーナス(2)入賞したかどうかを判定する(ステップS409)。ビッグボーナス(2)入賞していれば、ビッグボーナス中フラグをRAM112に設定すると共に、RAM112に設定されているビッグボーナス(2)当選フラグを消去する。また、RAM112のRT1カウンタとRT2カウンタの値をそれぞれ0に初期化する(ステップS410)。そして、ステップS417の処理に進む。
ビッグボーナス(2)入賞していなければ、RAM112にレギュラーボーナスの入賞フラグが設定されているかどうかにより、レギュラーボーナス入賞したかどうかを判定する(ステップS411)。レギュラーボーナス入賞していれば、レギュラーボーナス中フラグをRAM112に設定すると共に、RAM112に設定されているレギュラーボーナス当選フラグを消去する。また、RAM112のRT1カウンタとRT2カウンタの値をそれぞれ0に初期化する(ステップS412)。そして、ステップS417の処理に進む。
レギュラーボーナス入賞もしていなければ、RAM112にチェリーの入賞フラグが設定されているかどうかによりチェリー入賞したかどうか、或いは何れの役の入賞フラグも設定されていないが、可変表示装置2にチャンス目が導出されているかどうかを判定する(ステップS413)。チェリー入賞していた場合或いはチャンス目が導出されていた場合には、RAM112にレギュラーボーナス中フラグまたはビッグボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、今回のゲームにおける遊技状態がレギュラーボーナスまたはビッグボーナスであったかどうかを判定する(ステップS414)。
今回のゲームにおける遊技状態がレギュラーボーナスまたはビッグボーナスでなかった場合には、さらにRAM112にレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS415)。レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されていなければ、RT2カウンタの初期値として4をセットし、次のゲームから3ゲームの間だけ遊技状態がRT2に制御されるようにする。ここでも、3ではなく4を初期値としてセットするのは、ステップS515(後述)において今回のゲームのうちにRT2カウンタの値が1減算されてしまうからである(ステップS416)。そして、ステップS417の処理に進む。
チェリー入賞もせずチャンス目も導出されていなかった場合、チェリー入賞またはチャンス目が導出してもレギュラーボーナスまたはビッグボーナス中であった場合、もしくはレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されていた場合には、遊技状態をRT2に制御することはないので、そのままステップS417の処理に進む。
なお、レギュラーボーナスまたはビッグボーナス以外でチェリー入賞していても、レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されていると、ステップS416でRT2カウンタに初期値がセットされることはない。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)との重複当選に基づくチェリー入賞であった場合には、当選時においてRT2カウンタに初期値として4がセットされているから、ここで改めて初期値をセットする必要がない。
レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが持ち越されている状態でチェリー入賞した場合には、先のレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選に基づいて遊技状態がRT2に制御され、液晶表示器4において連続演出が既に行われている。連続演出が既に終了していれば、ボーナス確定が報知されているため、改めて連続演出をする必要はなく、連続演出の実行中であれば、当該連続演出でボーナス確定が報知されることとなるため、ここで新たな連続演出を開始させる必要はないことに基づくものである。
ステップS417では、RAM112に設定されている入賞フラグ(但し、ハズレの場合は入賞フラグの設定はない)に基づいて入賞した役の種類を示す入賞情報コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する。そして、入賞判定処理を終了して、図8のフローチャートに復帰する。
次に、上記したステップS206の払出処理について詳しく説明する。図11は、CPU111がステップS206で実行する払出処理を詳細に示すフローチャートである。払出処理では、RAM112にスイカ、ベル、チェリーのいずれかの入賞フラグが設定されているかどうかにより、メダルの払い出しを伴う小役入賞があったかどうかを判定する(ステップS501)。小役入賞していなければ、そのままステップS503の処理に進む。
小役入賞していれば、ホッパー80を制御することにより、当該枚数のメダルを順次払い出す。但し、データとして蓄積されるクレジットの数が50に達するまでは、メダルを払い出す代わりにクレジットの数を増加させる(ステップS502)。そして、ステップS503の処理に進む。
ステップS503では、RAM112にビッグボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、当該ゲームの遊技状態がビッグボーナスであったかどうかを判定する。但し、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の入賞フラグがRAM112に設定されている場合には、当該ゲームでのビッグボーナス(1)入賞またはビッグボーナス(2)入賞であって、当該ゲームの遊技状態がビッグボーナスであった訳ではないので、ビッグボーナス中フラグが設定されていても、ビッグボーナス中であったと判定されない。当該ゲームの遊技状態がビッグボーナスでなかった場合には、ステップS508の処理に進む。
ビッグボーナス中であったと判定された場合には、RAM112に設けられたカウンタにより当該ビッグボーナスが開始してからのメダルの払い出し総数をカウントする(ステップS504)。このカウントの結果、メダルの払い出し総数が465枚を越えたかどうかを判定する(ステップS505)。メダルの払い出し総数が465枚を越えていなければ、ステップS508の処理に進む。
メダルの払い出し総数が465枚を越えた場合には、RAM112に設定されているビッグボーナス中フラグを消去すると共に、メダルの払い出し総数をカウントするためのカウンタの値を0に初期化する(ステップS506)。さらに、ビッグボーナス終了後の遊技状態をRT1とするため、RAM112のRT1カウンタの初期値として100を設定する(ステップS507)。そして、ステップS511の処理に進む。
ステップS508では、RAM112にレギュラーボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、当該ゲームの遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナスで提供された場合を含む)であったかどうかを判定する。但し、レギュラーボーナス入賞フラグがRAM112に設定されている場合には、当該ゲームでのレギュラーボーナス入賞であって、当該ゲームの遊技状態がレギュラーボーナスであった訳ではないので、レギュラーボーナス中フラグが設定されていても、レギュラーボーナス中であったと判定されない。
当該ゲームの遊技状態がレギュラーボーナスであった場合には、RAM112に設けられたカウンタにより、当該レギュラーボーナスが開始してから(ビッグボーナスでは、その中で新たなレギュラーボーナスが開始してから)の消化ゲーム数と入賞ゲーム数とをカウントする(ステップS509)。このカウントの結果、当該レギュラーボーナスにおける入賞ゲーム数が8となったか、或いは当該レギュラーボーナスにおける消化ゲーム数が12となったかどうかを判定する(ステップS510)。
当該レギュラーボーナスにおける入賞ゲーム数が8となったか、或いは当該レギュラーボーナスにおける消化ゲーム数が12となった場合には、ステップS511の処理に進む。当該レギュラーボーナスにおける入賞ゲーム数が8となってなく、且つ当該レギュラーボーナスにおける消化ゲーム数が12ともなっていない場合には、ステップS516の処理に進む。ステップS511では、RAM112に設定されているレギュラーボーナス中フラグを消去すると共に、レギュラーボーナス中の消化ゲーム数と入賞ゲーム数とをカウントするためのカウンタの値をいずれも0に初期化する。そして、ステップS516の処理に進む。
ステップS508で当該ゲームの遊技状態がレギュラーボーナスでなかった場合には、RAM112のRT1カウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS512)。RT1カウンタの値が0でなければ、RT1カウンタの値を1だけ減算して(ステップS513)、ステップS514の処理に進む。RT1カウンタの値が0であれば、そのままステップS514の処理に進む。ステップS514では、RAM112のRT2カウンタの値が0であるかどうかを判定する。RT2カウンタの値が0でなければ、RT2カウンタの値を1だけ減算して(ステップS515)、ステップS516の処理に進む。RT2カウンタの値が0であれば、そのままステップS516の処理に進む。
ステップS516では、RAM112にスイカ当選フラグ、ベル当選フラグ、チェリー当選フラグ、リプレイ当選フラグが設定されていれば、これを消去する。ビッグボーナス(1)当選フラグ、ビッグボーナス(2)当選フラグ及びレギュラーボーナス当選フラグは、ここでは消去せずに次ゲームに持ち越させる。また、ステップS403においてRAM112に入賞フラグが設定されていれば、これを消去する。
次に、RAM112におけるビッグボーナス中フラグ及びレギュラーボーナス中フラグ、並びにRTカウンタの値に基づいて、次のゲームで適用される遊技状態を示す遊技状態コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する(ステップS517)。そして、払出処理を終了して、図8のフローチャートに復帰する。ここで図8のフローチャートに復帰した場合は、今回の1ゲームにおける処理が終了となる。
以上のようなゲームの繰り返しにおいて、遊技制御基板101のCPU111は、通常の遊技状態、RT1、RT2、ビッグボーナス、レギュラーボーナスの間で遊技状態の移行を行っており、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板102に送信している。これに対して、演出制御基板102のCPU121は、遊技制御基板101から受信したコマンドに基づいて、連続演出及び追加演出、デモ演出、履歴表示演出を含む独自の演出を行っている。また、ゲーム毎に演出ステージを変更するか否か、変更する場合には変更後の演出ステージを決定している。以下、演出制御基板102側の制御により行われる演出の処理について説明する。
図12は、演出制御基板102のCPU121が実行する処理を示すフローチャートである。演出制御基板102側では、遊技制御基板101から送られてくるコマンドを受信したかどうかを判定している(ステップS601)。遊技制御基板101から何らかのコマンドを受信すると、受信したコマンドの種類が何であるかを判定する(ステップS602)。
受信したコマンドの種類がステップS109で送信された平常起動コマンドであった場合には、まず、RTC基板107のRTC171が示す時刻を参照する(ステップS603)。次に、RTC171が示す時刻を開始時刻メモリ173と終了時刻メモリ174に記憶されている時刻と比較して、当該遊技店の営業時間内であるかどうかを判定する(ステップS604)。当該遊技店の営業時間内であれば、RAM122のデータを初期化することなく、ステップS601の処理に戻る。この場合は、遊技制御基板101のRAM112のデータもクリアされてなく、電源OFF前の状態から遊技が再開されることとなるが、演出制御基板102のRAM122のデータも初期化されないので、電源OFF前の状態から演出も再開されることとなる。
RTC171の示す時刻が当該遊技店の営業時間外であれば、機能停止スイッチ175によりRTC171が示す時刻に応じてRAM122をクリアする機能が停止されているかどうかを判定する(ステップS605)。機能停止スイッチ175によりこの機能が停止されていれば、RAM122のデータを初期化する必要はないので、そのままステップS601の処理に戻る。
機能停止スイッチ175によりこの機能が停止されていなければ、遊技店に設置された他のスロットマシンのうちで設定値の変更がされたものと演出によって区別が付けられないようにするため、演出も初期状態から開始させるべくRAM122のデータも初期化する(ステップS606)。次に、新たに開始されるゲームはRAM122が初期化されて最初のゲームになるので、RAM122に開始ゲームフラグを設定する(ステップS607)。次に、受信した平常起動コマンドが示す設定値と当選フラグの設定状況と遊技状態とを、それぞれRAM122の所定の領域に保存する(ステップS608)。
次に、ここで保存した遊技状態を参照して、これから開始するゲームの遊技状態がレギュラーボーナスまたはビッグボーナスであるかどうかを判定する(ステップS609)。これから開始するゲームの遊技状態がレギュラーボーナスでもビッグボーナスでもなければ、そのままステップS601の処理に戻る。これから開始するゲームの遊技状態がレギュラーボーナスまたはビッグボーナスであれば、RAM122に演出ステージ変更禁止フラグを設定する(ステップS610)。さらに、これから開始するゲームにおけるボーナスの種類に対応したボーナス中演出の演出データをROM122から読み出し、実行演出データ領域122−2に書き込む(ステップS611)。そして、ステップS601の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS113で送信された設定変更コマンドであった場合には、ステップS110で遊技制御基板101のRAM112もクリアされ、初期状態から遊技が開始されることとなるので、演出も初期状態から開始させるべくRAM122のデータも初期化する(ステップS612)。次に、新たに開始されるゲームはRAM122が初期化されて最初のゲームになるので、RAM122に開始ゲームフラグを設定する(ステップS613)。次に、受信した設定変更コマンドが示す設定値を、RAM122の所定の領域に保存する(ステップS614)。そして、ステップS601の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS202で送信されたBETコマンドであった場合には、詳細を後述するBET時処理を行う(ステップS615)。BET時処理を終了すると、ステップS601の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS319で送信された当選状況通知コマンドであった場合には、詳細を後述するスタート時処理を行う(ステップS616)。スタート時処理を終了すると、ステップS601の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS417で送信された入賞情報コマンドであった場合には、詳細を後述する入賞判定時処理を行う(ステップS617)。入賞判定時処理を終了すると、ステップS601の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS517で送信された遊技状態コマンドであった場合には、詳細を後述するゲーム終了時処理を行う(ステップS618)。ゲーム終了時処理を終了すると、ステップS601の処理に戻る。
また、受信したコマンドの種類が他のコマンドであった場合には、それぞれのコマンドの種類に応じた処理を実行する(ステップS619)。ここでの処理については、本発明と関係がないので、詳細な説明を省略する。その後、ステップS601の処理に戻る。
次に、ステップS615のBET時処理について詳しく説明する。図13は、CPU121がステップS615で実行するBET時処理を詳細に示すフローチャートである。BET時処理では、まず、RAM122に開始ゲームフラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS701)。開始ゲームフラグが設定されている場合には、RAM122がクリアされた後の最初のゲームのために賭け数が設定されたことである。
この場合は、乱数発生回路125が発生する乱数(0〜255)をサンプリング回路126にサンプリングさせ、サンプリングした乱数の値と設定値(ステップS614でRAM122に保存)と遊技の進行状況(RAM122に保存した遊技状態及び当選フラグの設定状況が示すボーナス当選、RT1残りゲーム数が50ゲーム以上、RT1残りゲーム数が50ゲーム未満、もしくは通常の遊技状態またはRT1に制御されていないRT2)に基づいて、図5(a)に示した開始ゲームテーブルを参照して演出ステージを選択する(ステップS702)。そして、開始ゲームフラグを消去して(ステップS703)、ステップS706の処理に進む。
開始ゲームフラグが設定されていない場合には、RAM122に演出ステージ変更禁止フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS704)。演出ステージ変更禁止フラグが設定されている場合には、演出ステージを変更することはないので、そのままステップS708の処理に進む。
演出ステージ禁止フラグが設定されていない場合には、乱数発生回路125が発生する乱数(0〜255)をサンプリング回路126にサンプリングさせ、サンプリングした乱数の値と設定値と遊技の進行状況とに基づいて、図5(b)に示した非開始ゲームテーブルを参照して演出ステージを選択する(ステップS705)。そして、ステップS706の処理に進む。
ステップS706では、ステップS702またはS705においていずれかの演出ステージが選択された(すなわち、演出ステージの変更なし以外が選ばれた)かどうかを判定する。演出ステージの変更なしが選択されていた場合には、そのままステップS708の処理に進む。いずれかの演出ステージが選択されていた場合には、選択された演出ステージをRAM122の演出ステージ領域122−1に書き込む(ステップS707)。そして、ステップS708の処理に進む。
ステップS708では、RAM122に確定報知フラグが設定されているかどうかを判定する。確定報知フラグが設定されていれば、前回以前のゲームでリール3L、3C、3Rの全ての回転が停止したときに、連続演出または追加演出が終了して、ボーナス当選の確定が報知されていることとなる。この場合、ソフトウェア乱数機能により種別報知抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数に値により当選してるボーナスの種別を報知するかどうかを決定する種別報知抽選を行う(ステップS709)。そして、この種別報知抽選においてボーナスの種別を報知する旨が決定されたかどうかを判定する(ステップS710)。ボーナスの種別を報知しない旨が決定された場合には、そのままステップS712の処理に進む。
ボーナスの種別を報知する旨が決定された場合には、前回のゲームのステップS801の処理(後述)でRAM122に保存した当選状況を参照して、液晶表示器4への画像の表示により、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれに当選しているのかを報知する(ステップS711)。そして、BET時処理を終了して、図12のフローチャートに復帰する。
ステップS708で確定報知フラグが設定されていない場合には、RAM122の連続カウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS712)。連続カウンタの値が0でなければ、既に連続演出が実行されているので、そのままBET時処理を終了して、図12のフローチャートに復帰する。連続カウンタの値が0であれば、さらにRAM122の追加カウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS713)。
追加カウンタの値も0であれば、連続演出も追加演出も未だ実行されていないものとなる。この場合、ステップS608の処理または前回のゲームのステップS1001の処理(後述)でRAM122に保存した遊技状態を参照して、今回のゲームでRT2残りゲーム数が3となっているか、すなわち前回のゲームのボーナス当選、チェリー入賞またはチャンス目の導出に基づいて今回のゲームでRT2が開始したかを判定する(ステップS714)。今回のゲームでRT2残りゲーム数が3となっていない場合には、そのままBET時処理を終了して、図12のフローチャートに復帰する。
今回のゲームでRT2残りゲーム数が3となっていれば、ステップS608の処理または前回のゲームのステップS801(後述)の処理でRAM122に保存した当選状況に従って、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかに当選しているかどうかを判定する(ステップS715)。
レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)いずれかに当選していれば、ソフトウェア乱数機能により連続演出パターン選択用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に従ってROM123に格納された連続演出(確定)のパターンで演出ステージ記憶領域122−1に記憶された演出ステージに対応するもののうちから、これから開始する連続演出のパターンを選択する(ステップS716)。そして、ステップS718の処理に進む。
レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれにも当選していなければ、ソフトウェア乱数機能により連続演出パターン選択用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に従ってROM123に格納された連続演出(ハズレ)のパターンで演出ステージ記憶領域122−1に記憶された演出ステージに対応するもののうちから、これから開始する連続演出のパターンを選択する(ステップS717)。そして、ステップS718の処理に進む。
ステップS718では、ステップS716またはS717で選択した演出パターンによる連続演出の演出データをROM123から読み出し、実行演出データ領域122−2に書き込む。さらにステップS716またはステップS717で選択した演出パターンに応じた値を初期値として、RAM122の連続カウンタにセットする(ステップS719)。
さらに、RAM122に演出ステージ変更禁止フラグを設定し、連続演出の終了まで演出ステージが変更されないようにする(ステップS720)。そして、ステップS718で書き込んだ連続演出の演出データに従って、液晶表示器4にて連続演出を開始させる(ステップS721)。そして、BET時処理を終了して、図12のフローチャートに復帰する。
また、ステップS713において追加カウンタの値が0でなかった場合には、追加演出が既に行われている場合、或いは連続演出に代わって追加演出を行う場合となる。ここでは、RAM122に再開フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS722)。再開フラグが設定されていなければ、既に追加演出が実行されているので、そのままBET時処理を終了して、図12のフローチャートに復帰する。
再開フラグが設定されていれば、今回のゲームから連続演出に代わって追加演出を実行することになる。ここでは、ステップS812で実行演出データ領域122−2に書き込んだ追加演出の演出データに従って、追加演出の開始(一旦は終了した連続演出の再開)を示す所定の画像を表示することにより再開演出を行う(ステップS723)。さらに、RAM122に設定されている再開フラグを消去する(ステップS724)。そして、BET時処理を終了して、図12のフローチャートに復帰する。
次に、ステップS616のスタート時処理について詳しく説明する。図14は、CPU121がステップS616で実行するスタート時処理を詳細に示すフローチャートである。スタート時処理では、まず、前回のゲームで最新ゲームの当選状況の保存領域に保存された当選状況(すなわち、前回のゲームにおける当選フラグの設定状況)をRAM122に設けられた前回ゲームの当選状況の保存領域に移し、受信した当選状況通知コマンドが示す当選状況(すなわち、今回のゲームにおける当選フラグの設定状況)をRAM122に設けられた最新ゲームの当選状況の保存領域に保存する(ステップS801)。
次に、RAM122の連続カウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS802)。連続カウンタの値が0でなければ、既に連続演出が開始しているか少なくとも開始演出は行われている状態にある。この場合、まず、実行されている連続演出のパターンがボーナス当選の確定を報知するパターンであるかどうかを判定する(ステップS803)。ボーナス当選の確定を報知するパターンでなければ、RAM122の連続カウンタの値が1であるかどうかを判定する(ステップS804)。
連続カウンタの値が1であれば、当該ゲームで連続演出が終了することとなるので、さらにRAM122に保存した当選状況に基づいて、遊技制御基板101のRAM112にレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS805)。
ステップS805でRAM112にレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されていなかった場合には、そのままステップS814の処理に進む。また、ステップS803でボーナス当選の確定を報知するパターンであった場合、ステップS804で連続カウンタの値が1でなかった場合にも、そのままステップS814の処理に進む。
RAM112にレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されている場合には、連続演出の開始時においてはこれらの当選フラグが設定されていなかったが、連続演出の実行中に新たにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選して、これらの役の当選フラグが設定されたことになる。この場合には、ソフトウェア乱数機能により所定の乱数を抽出し、該乱数の値に応じて連続演出の最終ゲームにおける演出の内容を差し替えるか、それとも連続演出の終了後に追加演出を行うかを決定する差替/追加決定抽選を行う(ステップS806)。この抽選の結果、最終ゲームの演出の内容の差し替えが決定されたか、追加演出の実行が決定されたかを判定する(ステップS807)。
連続演出の最終ゲームにおける演出の内容の差し替えが決定された場合には、RAM112に演出差替フラグを設定する(ステップS808)。さらにRAM122に保存している連続演出のパターンに応じて差し替えられる最終ゲームにおける演出の内容を示す演出データのうちで演出ステージ記憶領域122−1に記憶された演出ステージに対応するものをROM123から読み出し、実行演出データ領域122−2に書き込む(ステップS809)。さらに、ここで書き込んだ演出データに従って差し替え後の演出に応じた画像を液晶表示器4に表示して、連続演出の最終ゲームにおける演出を開始させる(ステップS810)。そして、スタート時処理を終了して、図12のフローチャートに復帰する。
一方、追加演出の実行が決定された場合には、RAM122に保存している連続演出のパターンに応じて、ROM123に格納されている追加演出のパターンのうちで演出ステージ記憶領域122−1に記憶された演出ステージに対応するものを選択する(ステップS811)。さらに、選択した演出パターンによる追加演出の演出データをROM123から読み出し、実行演出データ領域122−2に書き込む(ステップS812)。また、選択した追加演出のパターンに応じた値を初期値として、RAM122の追加カウンタにセットする(ステップS813)。そして、ステップS814の処理に進む。
ステップS814では、実行演出データ領域122−2に書き込まれている連続演出の演出データに従って、RAM122の連続カウンタの値に応じた画像データを液晶表示器4に表示して、一連の連続演出のうちの今回のゲーム分の演出を開始させる。そして、スタート時処理を終了して、図12のフローチャートに復帰する。
ステップS802において連続カウンタの値が0であった場合には、さらにRAM122の追加カウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS815)。追加カウンタの値が0でなければ、実行演出データ領域122−2に書き込まれている追加演出の演出データに従って、RAM122の追加カウンタの値に応じた画像を液晶表示器4に表示して、一連の追加演出のうちの今回のゲーム分の演出を開始させる(ステップS816)。なお、連続カウンタの値が0でなければ、追加カウンタの値が0でなくてもステップS816の処理が実行されることはないので、追加演出は、連続演出が終了した後に行われるものとなる。そして、スタート時処理を終了して、図12のフローチャートに復帰する。
追加カウンタの値も0であれば、ボーナス中演出が実行されているかどうかを判定する(ステップS817)。ボーナス中演出が実行されているかどうかは、前回のゲームのステップS1001(後述)で保存した遊技状態がレギュラーボーナスまたはビッグボーナスにあることを示しているかどうかで分かるものとなる。ボーナス中演出が実行されていれば、そのままスタート時処理を終了して、図12のフローチャートに復帰するものとなる。
ボーナス中演出が実行されていなければ、遊技の進行状況(例えば、ステップS801で保存した当選状況、前回のゲームのステップS1001(後述)で保存した遊技状態など)と、ソフトウェア乱数機能により抽出した乱数とに従って、今回のゲーム限りで終了する単発演出を実行するかどうかの抽選を行う(ステップS818)。この抽選の結果として、何らかの単発演出を実行する旨が決定されたかどうかを判定する(ステップS819)。
何らかの単発演出を実行する旨が決定された場合には、ここで決定された種類の単発演出の演出データのうちで演出ステージ領域122−1に格納されている演出ステージに対応した演出データをROM123から読み出し、実行演出データ領域122−2に書き込む(ステップS820)。さらに、書き込んだ単発演出の演出データに従って、液晶表示器4にて単発演出を開始させる(ステップS821)。そして、スタート時処理を終了して、図12のフローチャートに復帰する。
単発演出を実行しない旨が決定された場合は、演出ステージ領域122−1に格納されている演出ステージに対応した所定の画像を液晶表示器4に表示させる(ステップS822)。そして、スタート時処理を終了して、図12のフローチャートに復帰する。
次に、ステップS617の入賞判定時処理について詳しく説明する。図15は、CPU121がステップS617で実行する入賞判定時処理を詳細に示すフローチャートである。入賞判定時処理では、受信した入賞情報コマンドが示す入賞情報をRAM122の所定の領域に保存する(ステップS901)。次に、ここで保存した入賞情報がレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞した旨を示しているかどうかを判定する(ステップS902)。
レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれかに入賞している旨を示していれば、実行中の演出(連続演出、追加演出、ボーナス確定報知、またはステージカウンタの値に応じた画像の表示)を強制的に終了させる(ステップS903)。さらに、RAM122の連続カウンタの値を0に初期化させるとともに、追加カウンタの値も0に初期化させる(ステップS904)。さらに、RAM122に確定報知フラグが設定されていれば、これを消去する(ステップS905)。さらに、演出ステージ変更禁止フラグをRAM122に設定する(ステップS906)。
その後、演出ステージ記憶領域122−1に記憶されている演出ステージと入賞したボーナスの種類に対応したボーナス中演出の演出データをROM122から読み出し、実行演出データ領域122−2に書き込む(ステップS907)。次に、ここで書き込まれたボーナス中演出の演出データに従って、該ボーナス中演出のうちのボーナス入賞演出を液晶表示器4にて行う。このボーナス入賞演出は、スピーカ7L、7R、7U、遊技効果ランプ75A〜75Mをさらに用いて行うことができる(ステップS908)。そして、入賞判定時処理を終了して、図12のフローチャートに復帰する。
レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれにも入賞していない旨を示していれば、RAM122の連続カウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS909)。連続カウンタの値が0でなければ、この時点で連続演出の実行中であるので、RAM122に差替フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS910)。
差替フラグが設定されていれば、実行演出データ領域122−2に書き込まれている差し替え演出の演出データに従って、差し替え後の演出の内容に応じた画像データをフレームバッファ122−3に展開し、対応する画像を液晶表示器4に表示して、連続演出の最終ゲームにおける演出の結果を報知する(ステップS911)。さらに、RAM122に設定されている差替フラグを消去し、連続カウンタの値を0に初期化する(ステップS912)。そして、ステップS925の処理に進む。
ステップS910で差替フラグが設定されていなければ、実行演出データ領域122−2に書き込まれている連続演出の演出データと連続カウンタの値とに従って、一連の連続演出のうちの今回のゲーム分の演出の結果を示す画像データをフレームバッファ122−3に展開し、対応する画像を液晶表示器4に表示させる(ステップS913)。さらに、RAM122の連続カウンタの値を1だけ減算する(ステップS914)。ここで減算を行った結果、連続カウンタの値が0となったかどうかを判定する(ステップS915)。連続カウンタの値が0とならなかった場合には、いずれにしても次のゲームでのBET時においてボーナス当選の有無を報知することはないので、そのまま入賞判定時処理を終了して、図12のフローチャートに復帰する。
連続カウンタの値が0となった場合には、実行されている連続演出のパターンがボーナス当選の確定を報知するパターンであるかどうかを判定する(ステップS916)。実行されている連続演出のパターンがボーナス当選の確定を報知するパターンであれば、ステップS925の処理に進む。
実行されている連続演出のパターンがボーナス当選の確定を報知するパターンでなければ、実行演出データ領域122−2に書き込まれている連続演出の演出データに従ってボーナスにハズレている旨を示す情報の画像データをフレームバッファ122−3に展開し、対応する画像を液晶表示器4に表示させる(ステップS917)。さらに、RAM122にハズレ報知フラグを設定する(ステップS918)。
次に、RAM122の追加カウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS919)。追加カウンタの値が0であれば、追加演出を行わずに連続演出が終了となるので、そのまま入賞判定時処理を終了して、図12のフローチャートに復帰する。追加カウンタの値が0でなければ、連続演出の終了後に追加演出を行うので、RAM122に再開フラグを設定する(ステップS920)。そして、入賞判定時処理を終了して、図12のフローチャートに復帰する。
ステップS909で連続カウンタの値が0であれば、RAM122の追加カウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS921)。追加カウンタの値が0であれば、そのまま入賞判定時処理を終了して、図12のフローチャートに復帰する。追加カウンタの値が0でなければ、この時点で追加演出の実行中であるので、実行演出データ領域122−2に書き込まれている追加演出の演出データと追加カウンタの値とに従って、一連の追加演出のうちの今回のゲーム分の演出の結果を示す画像データをフレームバッファ122−3に展開し、対応する画像を液晶表示器4に表示させる(ステップS922)。
さらに、RAM122の追加カウンタの値を1だけ減算する(ステップS923)。ここで減算を行った結果、追加カウンタの値が0となったかどうかを判定する(ステップS924)。追加カウンタの値が0となった場合には、ステップS925の処理に進む。追加カウンタの値が0とならなかった場合には、そのまま入賞判定時処理を終了して、図12のフローチャートに復帰する。
ステップS925では、RAM122に確定報知フラグを設定する。さらに、実行演出データ領域122−2に書き込まれている連続演出の演出データに従ってボーナスに当選している旨を示す情報の画像データをフレームバッファ122−3に展開し、対応する画像を液晶表示器4に表示させる(ステップS926)。そして、入賞判定時処理を終了して、図12のフローチャートに復帰する。
次に、ステップS618のゲーム終了時処理について詳しく説明する。図16は、CPU121がステップS618で実行するゲーム終了時処理を詳細に示すフローチャートである。ゲーム終了時処理では、まず、当該遊技状態コマンドが示す遊技状態(すなわち、次のゲームで適用される遊技状態)をRAM122に設けられた遊技状態の保存領域に保存する(ステップS1001)。
次に、ステップS1001で保存した遊技状態が次のゲームで適用される遊技状態がレギュラーボーナスまたはビッグボーナスであることを示しているかどうか、すなわち現時点でボーナス中の状態にあるかどうかを判定する(ステップS1002)。現時点でボーナス中の状態にあれば、実行演出データ領域122−2に書き込まれたレギュラーボーナスまたはビッグボーナスの演出データに従って、当該ボーナスの進行状況に応じた演出を開始させる(ステップS1003)。そして、ゲーム終了時処理を終了して、図12のフローチャートに復帰する。
現時点でボーナス中の状態になければ、RAM122の連続カウンタの値が0であるかどうか、すなわち現時点で連続演出が実行されている状態にあるかどうかを判定する(ステップS1004)。連続カウンタの値が0であれば、RAM122の追加カウンタの値が0であるかどうか、すなわち現時点で追加演出が実行されている状態にあるかどうかを判定する(ステップS1005)。連続カウンタおよび/または追加カウンタの値が0でなければ、そのままゲーム終了時処理を終了して、図12のフローチャートに復帰する。
連続カウンタの値も追加カウンタの値も0であれば、遊技状態がレギュラーボーナスでもビッグボーナスでもなく、連続演出も追加演出も実行されていない(或いは当該ゲームで終了した)ということであるので、RAM122に設定した演出ステージ変更禁止フラグを消去し、演出ステージの変更を可能にする(ステップS1006)。そして、ゲーム終了時処理を終了して、図12のフローチャートに復帰する。
以上説明したように、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、遊技制御基板101のRAM112に記憶されているデータも演出制御基板102のRAM122に記憶されているデータも、スロットマシン1の電源がOFFされているときにおいてもバックアップされている。
もっとも、設定キースイッチ92をON状態としてスロットマシン1の電源をONすれば、RAM112に記憶されたデータが初期化されるとともに、設定スイッチ91の操作により新たに設定された設定値を示すデータがRAM112の設定値ワークに記憶されて新たなゲームが開始される。つまり、電源をOFFする前の状態を引き継がずに遊技が進められることとなる。このときに送信される設定変更コマンドにより、演出制御基板102のRAM122のデータもクリアされ、電源をOFFする前の状態を引き継がずに新たに演出が開始されることとなる。
一方、設定キースイッチ92をOFF状態としてスロットマシン1の電源をONすれば、RAM112にバックアップされたデータに従って新たなゲームが開始される。つまり、電源をOFFする前の状態から継続して遊技が進められることとなる。ここで、スロットマシン1の電源をONしたときにRTC171の示す時刻が開始時刻メモリ173と終了時刻メモリ174に記憶された営業開始時刻及び営業終了時刻によって示される営業時間内であれば、このときに送信される平常起動コマンドによってはRAM122のデータがクリアされないが、RTC171の示す時刻が営業時間外であれば、このときに送信される平常起動コマンドによってRAM122のデータがクリアされる。
一般に、遊技店が閉店した後から翌日の開店までの営業時間外においてスロットマシン1の電源はOFFされ、また、この営業時間外の時間において設定値の変更が行われるものとなるが、遊技店に設置してある全てのスロットマシンにおいて設定値が変更されることは少ない。また、遊技店が新たな日の営業を開始する開店時刻では、故障などの例外的な場合を除いて、通常、当該遊技店に設置された全ての台において電源がONされている。ここで、遊技店が新たな日の営業のために開店した直後のゲームでは、設定値が変更されていない台では前日の閉店時の状態から遊技が再開され、設定値が変更されていた台では初期状態から新たに遊技が開始されるものとなる。
遊技店が新たな日の営業のために開店したときにおいて、その開店前までに全てのスロットマシンの電源がONされたことになっており、設定値が変更されていた台はもちろんのこと、設定値が変更されていない台でも演出制御基板102のRAM122のデータはクリアされ、初期状態から演出が開始されることとなる。つまり、本発明のスロットマシン1であれば、遊技店の開店時のゲームにおいて前日の閉店時の遊技の状態から遊技が再開される台であるか否かに関わらずに全て演出は初期状態から開始されることとなる。
このため、設定値の変更されていない台では前日の終了時の状態を引き継いで遊技が再開されていることとなり、変更されている台では初期状態から遊技が改めて開始されることとなるが、いずれにしても開店時における演出は、初期状態から開始されている。つまり、前日の閉店時のボーナスの状態を引き継いで遊技が再開されたり、RT2に制御されていて本来ならば連続演出が実行される状態で遊技が再開されていたりしても、遊技者が未だ1ゲームも行っていないうちから、これが分かってしまうことがない。このため、前日の閉店時まで遊技を行い、再び翌日の開店時から入店して遊技を行おうとする遊技者が台選びのワクワク感を喪失してしまうことがない。
平常起動コマンドは、遊技状態及び当選状況を示す情報を含んでいるが、未だゲームを行うための何らの操作もされていないときには、平常起動コマンドに含まれる情報に基づいて演出データが設定されることはない。従って、平常起動コマンドの受信によって、遊技者が未だ何も行っていないうちから遊技の進行状況の違いが演出によって分かってしまうことはない。また、設定値の変更操作の有無に関わらずに初期状態から演出が開始されるので、実行された演出の違いから設定値の変更操作が行われていたか否かが遊技者に知られてしまうことがない。
このように営業時間外において単純に電源をON/OFFしただけで設定値が変更されていない台でも、新たな日の開店時のゲームにおいて設定値が変更されていた台とは実行される演出の違いによって区別が付かないものとなっている。このため、遊技店に設置された各台が前日とは異なる設定値に設定されているか否かを遊技者に察知されないようにするため、設定値の変更操作を一応行うが、同じ設定値に設定すると言うような無駄な手間を遊技店側に生じさせることがなくなる。
一方、設定値の変更操作を行うことなくスロットマシン1の電源がONされたときにRTC171の示す時刻が営業時間内であった場合には、演出制御基板102のRAM122のデータはクリアされない。営業時間内でスロットマシン1の電源をONするのは、エラーからの復帰などの理由によるもので、設定値を変更するという理由によるものはほとんどない。つまり、営業時間内であれば、区別する対象となる設定値の変更された台というのがないので、RAM122のデータをクリアせずに電源をOFFする前の状態から演出を再開させても設定値の変更の有無が遊技者に察知されることにあまり影響を生じることがなく、また、電源をOFFする前の状態から演出を再開させることが出来ることによって、演出の面白味を失わせることがない。
また、RTC171の示す時刻が営業時間内であるかどうかは、開始時刻メモリ173に記憶された営業開始時刻と終了時刻メモリ174に記憶された営業終了時刻とに基づいて判断されるが、開始時刻メモリ173に記憶された営業開始時刻と終了時刻メモリ174に記憶された営業終了時刻とは、いずれも時刻変更スイッチ172の操作に基づいて変更することができる。つまり、遊技店毎に営業時間を設定しておくことができる。このため、遊技店毎に異なる営業時間を定めていても、各店の事情に対応することができるものとなる。
また、営業時間外で設定値の変更操作を行わずにスロットマシン1の電源をONしたときにRAM122のデータをクリアすることとなる機能は、機能停止スイッチ175によって停止させることができる。この機能が停止された場合は、営業時間外で設定値の変更操作を行わずにスロットマシン1の電源をONしてもRAM122のデータはクリアされずに、電源をOFFする前に実行された演出(一般に、前日の閉店時における演出)を引き継いで演出を再開させることができる。これにより、新たな日の開店時にやってくる遊技者に対して前日の状態(設定値を含む)の据え置きを遊技店がアピールしたい場合に、これに対応できるようになる。
また、RAM122のデータがクリアされた直後のゲーム(一般に遊技店の開店直後のゲームは、これに当たる)では、設定値の変更操作が行われていなければ平常起動コマンドによって、設定値の変更操作が行われていれば設定変更コマンドによって、設定値ワークに記憶されている設定値を示す情報が送信され、これがRAM122の所定の領域に保存される。
ここで、RAM122のデータがクリアされた後の最初のゲームにおいて開始ゲームテーブルに従って演出ステージの振り分けを行う場合、ステージ1〜3のいずれに振り分けるかの割合は設定値に応じて異なっている。RAM122のデータがクリアされた後の最初のゲームよりも後のゲームにおいて非開始ゲームテーブルに従って演出ステージを変更する旨を決定する確率も設定値に応じて異なっている。さらに、演出ステージを変更する場合においてステージ1〜3のいずれに振り分けるかの割合も設定値に応じて異なっている。
このように演出ステージの変更がどの程度の頻度で行われるかどうか、さらには振り分けられる演出ステージの種類の割合がどの程度かということによって、遊技者は、設定値1〜6のいずれに設定されているかどうかまで完全には分からないものの、設定値を推定する手がかりが遊技者に与えられ、どのような設定値に設定されているかを遊技者に期待させることができるようになる。これにより、遊技の興趣を向上させることができるようになる。
また、演出ステージを変更するか否か、さらにはいずれの種類の演出ステージに振り分けるか否かを選択するための乱数は、乱数発生回路125により周期的に更新される数値であるが、この乱数を抽出するタイミングは、各ゲームの賭け数を設定したタイミングとなっている。乱数発生回路125は周期的に数値を更新するものであるため、タイミングに応じてどの程度の数値が抽出されるかを予測することが完全には不可能にならないが、演出ステージの振り分けが行われるRAM122のデータがクリアされた後の最初のゲーム(必ず電源がONされてから最初のゲームとなる)では、遊技者が乱数発生回路125による数値の更新に同期させることは実質上不可能である。このため、遊技者の意図的な操作で取得される数値に偏りが生じ、演出ステージの移行の決定に偏りが生じるのを防ぐことができる。
また、RAM122のデータがクリアされた後に最初に実行されるゲーム(これは、一般に遊技店の開店直後のゲームである)のための賭け数の設定を行うことよって必ず新たな演出ステージへの振り分けが行われるので、RAM122のデータがクリアされた後の最初のゲームから実行される演出の演出ステージが多様なものとなり、さらに演出の興趣を高めることができる。
また、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)という遊技者に有利な遊技状態への移行を伴う特別役が定められており、これら特別役の当選フラグ(ボーナス当選フラグ)は、小役やリプレイの当選フラグとは違って入賞するまで持ち越される。ここで、遊技制御基板101のRAM112のデータは、スロットマシン1の電源がOFFされているときにもバックアップされているので、スロットマシン1の電源がONされたときに設定値の変更操作が行われていなければ、直前に電源がOFFされた時点で持ち越されていたボーナス当選フラグは持ち越されたままとなる。
ここで、RAM122のデータがクリアされた後の最初のゲームでは、開始ゲームテーブルに従ってボーナス当選フラグが設定されているか否かに応じてステージ1〜3のいずれに振り分けられるかの比率が異なることとなる。また、その後のゲームにおいても、非開始ゲームテーブルに従ってボーナス当選フラグが設定されいるか否かに応じて演出ステージを変更するかどうかの割合と、変更する場合にステージ1〜3のいずれに振り分けられるかの割合が異なっている。このように演出ステージが変更されるか否かの違いや、振り分けられる演出ステージの種類の違いに応じて、ボーナス当選フラグが設定されていることの期待感を遊技者に与えることができ、さらに遊技の興趣を向上させることができるようになる。
さらに、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、通常の遊技状態、RT1、RT2、レギュラーボーナス及びビッグボーナスという遊技者にとっての有利度が異なる複数種類の遊技状態が定められている。ここで、遊技制御基板101のRAM112のデータは、スロットマシン1の電源がOFFされているときにもバックアップされているので、スロットマシン1の電源がONされたときに設定値の変更操作が行われていなければ、直前に電源がOFFされた時点における遊技状態を引き継いで新たなゲームが開始されることとなる。
ここで、RAM122のデータがクリアされた後の最初のゲーム(これは、一般に遊技店の開店直後のゲームである)でボーナス当選フラグが設定されていない場合には、開始ゲームテーブルに従ってRT1残りゲーム数が50ゲーム以上、RT1残りゲーム数が50ゲーム未満、もしくはRT1にないRT2または通常の遊技状態の違いに応じてステージ1〜3のいずれに振り分けられるかの比率が異なることとなる。また、その後のゲーム、或いはRAM122のデータがクリアされずに電源がONされた後の最初のゲームでボーナス当選フラグが設定されていない場合にも、非開始ゲームテーブルに従ってRT1残りゲーム数が50ゲーム以上、RT1残りゲーム数が50ゲーム未満、もしくはRT1にないRT2または通常の遊技状態の違いに応じて演出ステージを変更するかどうかの割合と、変更する場合にステージ1〜3のいずれに振り分けられるかの割合が異なっている。これにより、特にスロットマシン1の電源がONされた直後のゲームなど制御されている遊技状態が分かりにくいゲームにおいても、いずれの遊技状態に制御されているかの期待感を演出ステージが変更されるか否かの違いや、振り分けられる演出ステージの種類の違いに応じて遊技者に与えることができ、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
また、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)に当選していない状態でチェリーに入賞またはチャンス目が導出されたとき、或いはレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選したときに、遊技状態がRT2に制御され、これによって選択されている演出ステージに応じた連続演出が複数ゲームの期間に亘って継続して実行されるものとなる。連続演出の開始後に新たにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選した場合は、連続演出の内容が差し替えられる場合の他、連続演出に続けて追加演出が行われる場合もある。
また、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞したときに遊技状態がレギュラーボーナスまたはビッグボーナスに制御され、選択されている演出ステージに応じたボーナス中演出がボーナス入賞からレギュラーボーナスまたはビッグボーナスの終了までの複数ゲームの期間に亘って実行されるものとなる。これ以外の場合に、選択されている演出ステージに応じた単発演出が1ゲーム限りで実行されることもあり、さらに単発演出も行われない場合に選択されている演出ステージに応じた画像が液晶表示器4に表示される。
これらの液晶表示器4への画像の表示によって行われる演出を実行する場合には、まず、実行すべき演出の演出データをROM123から読み出し、これをRAM122の実行演出データ領域122−2に書き込む必要があり、この演出データの読み出し/書き込みに要する処理のオーバーヘッドが生じる。連続演出の演出データやボーナス中演出の演出データは、これらの演出が複数ゲームに亘って実行されるものであるため、単発演出の演出データよりもデータ量が大きくなっており、単発演出や単に演出ステージに応じた画像を表示するだけの演出データに比べて読み出し/書き込みに要するオーバーヘッドが大きくなる。
ここで、連続演出の実行中やボーナス中演出の実行中であっても賭け数が設定されたときにおいて連続演出やボーナス中演出の演出ステージを切り替えられるものとすると、そのときには新たな演出ステージで対応する演出データをROM123から読み出して、実行演出データ122−2に書き込まなければならない。これを許容するとなると、演出ステージを変更する旨が決定される度に、何度も同じ処理を行わなければならないこととなる。
これに対して、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、連続演出及び追加演出の実行中、もしくはボーナス中演出の実行中においては、演出ステージ変更禁止フラグをRAM122に設定し、賭け数の設定時に演出ステージが変更されることがないものとしている。このため、演出ステージが異なるだけで同じ状況に対応した演出データをROM123から読み出し、RAM122の実行演出データ領域122−2に書き込まなければならないというオーバーヘッドが生じるのを防ぐことができる。
また、通常の遊技状態においては、内部抽選においてレギュラーボーナス+チェリー、ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(2)+チェリーが内部抽選の対象役として定められており、チェリーに当選すると同時にレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選することがある。すなわち、チェリーの入賞は、当該ゲームでレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選した可能性があるということを示し、これによって遊技者に期待感を与えることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、チェリーの入賞は、遊技状態をRT2に制御して連続演出を開始させる契機ともなっているので、チェリーに入賞したゲーム限りではなく、その後の複数ゲームに亘って遊技者に対してレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、チャンス目は、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)を取りこぼしたとき、チェリーを取りこぼしたとき、或いはこの両者を取りこぼしたときに限って可変表示装置2の表示結果として導出される出目となっている。すなわち、チャンス目の導出は、当該ゲームでレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選した可能性があるということを示し、これによって遊技者に期待感を与えることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、チャンス目の導出は、遊技状態をRT2に制御して連続演出を開始させる契機ともなっているので、チャンス目が導出されたゲーム限りではなく、その後の複数ゲームに亘って遊技者に対してレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
上記したように連続演出は、通常の遊技状態で未だレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選していないときのチェリー入賞またはチャンス目の導出、もしくは連続演出が行われていないときのレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選を契機として行われる。すなわち、連続演出は、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選しているときも、これらに当選していないときにも行われる。
前者の場合の連続演出は、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかに当選している内容のもので、そのままビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞しなければ、連続演出の終了時においてボーナス当選の確定が報知される。一方、後者の場合の連続演出は、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれにも当選していない内容のもので、その終了までに新たに、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選しなければ、そのままハズレの確定が報知される。
こうして連続演出の終了時において、ボーナス当選の確定かハズレかが遊技者に報知されることとなるので、連続演出の終了時において遊技者の関心が高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、単に連続演出が終了するゲームでボーナス当選の確定かハズレの確定かを報知するだけではなく、それよりも前のゲームから開始される連続演出で遊技者の期待感を煽るものとなっているため、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
もっとも、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選していないときに連続演出が開始された後のゲームにおいて、新たにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選することがある。そこで、チェリー入賞またはチャンス目の導出を契機とした連続演出が行われている場合には、該連続演出が終了するゲームで内部抽選が終了した後に連続演出の開始時に当選していなかったレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選を判定するものとしている。そして、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選したと判定された場合には、差替/追加決定抽選の結果に従って、連続演出の終了後に追加演出を実行するか、連続演出の最終ゲームにおける演出の内容を変えるものとしている。
このように連続演出の終了するゲーム、すなわちRT2の終了するゲームでのみレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選を判定することで、これらの役の当選の判定するための処理負荷が大きくならないで済む。また、追加演出を実行したり、連続演出の最終ゲームにおける演出の内容を差し替えることで、実際の当選結果と異なる情報をそのまま遊技者に与えずに済むので、遊技者に不信感を感じさせないで済むようになる。
追加演出の実行が選択された場合には、最初に選択された演出パターンで連続演出を最後まで行えばよくなるため、制御負荷が大きくならない。演出の内容の差し替えが選択された場合においても、そのうちの最終ゲーム分だけで済むので、制御負荷が大きくならない。さらに、追加演出の実行と演出の内容の差し替えとのいずれかを選択できるようにすることで、演出の態様が豊富になり、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
また、連続演出を開始させる契機となるチェリー入賞、チャンス目の導出、及びレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選は、いずれも遊技状態をRT2に制御させる契機ともなっている。つまり、連続演出の実行中は、遊技状態がRT2に制御されてレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)よりも優先して導出されるリプレイの当選確率が極めて高くなっており、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選していたとしてもこれらの役に入賞する可能性、或いはハズレの場合においてそのハズレが遊技者に分かってしまう可能性が低くなる。このため、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選しているかどうかが遊技者に分からないままにして、連続演出の行われている間に継続して遊技者に期待感を与えることができるようになる。
さらに、連続演出を開始させる契機の1つであるチャンス目の導出は、チェリー(重複当選を含む)の取りこぼしによっても生じるものであるが、チェリーを取りこぼさずに入賞させられたとしても遊技者に払い出されるメダルの枚数は1枚または2枚しかなく、通常の遊技状態において1ゲームで設定する賭け数にも満たない。このため、チェリーの取りこぼしで遊技者の利益が失われていたという可能性があったにしても失われた利益の期待値は非常に小さいものなので、チャンス目の導出によって開始される連続演出によって遊技者に大きな利益をもたらすレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選を期待させることの効果を高めることができるものとなる。
ところで、ビッグボーナスは、消化ゲーム数に関わらず、メダルの払い出し枚数が465枚を越えると終了するものとなっている。ここでビッグボーナス(小役ゲーム及びレギュラーボーナスを含む)中のゲームでは、リプレイが内部抽選の対象役として定められていないので、リプレイ入賞することがない。リプレイは、遊技者の手持ちのメダルを減らさないものであるがメダルの払い出しを伴わないので、ビッグボーナスの終了条件となる払い出しメダル枚数に影響しない。つまり、ビッグボーナス中にリプレイ入賞させても不必要にビッグボーナスのゲーム数を増やすだけのものとなってしまうので、リプレイをビッグボーナスにおける内部抽選の対象役として定めないことで、ビッグボーナスの遊技状態を無駄に長引かせることがなく、遊技を効率よく進めることができるようになる。
また、遊技状態がビッグボーナスに制御されているときには、スタートレバー11の操作時においてRAM112にレギュラーボーナス中フラグが設定されていないと、この時点でレギュラーボーナス中フラグを新たに設定して、遊技状態をレギュラーボーナスに制御するものとしている。こうしてビッグボーナスは、払出メダル枚数が規定枚数に達するまで、レギュラーボーナスの繰り返しにより提供されるものとすることができ、ビッグボーナスにおいて遊技者が最大限の利益を得られるようにすることができる。しかも、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の入賞後に最初にレギュラーボーナスに制御する場合も、一回分のレギュラーボーナスが終了して未だビッグボーナスが終了していないときに再びレギュラーボーナスに制御する場合も、同じ処理を行えばよいことになる。
また、内部抽選は、取得した内部抽選用の乱数に、役別テーブルから参照された各役の判定値数を加算していき、その加算の結果がオーバーフローしたか否かによって、それぞれの役の当選の有無を判定するものとしている。このため、各役の判定値数をそのまま用いて内部抽選を行うことができる。なお、実際の当選判定を行う前に当選判定用テーブルを生成する場合にはループ処理が2回必要になるが、この実施の形態によれば、抽選処理におけるループ処理が1回で済むようになり、抽選処理全体での処理効率が高いものとなる。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
上記の実施の形態では、遊技状態がレギュラーボーナスまたはビッグボーナスにあるときにはボーナス中演出が行われ、また、RT2にあるときには連続演出が行われるものとなっていたが、通常の遊技状態とRT1とでは演出ステージの振り分けに違いは生じさせるものの、実行される演出そのものに違いはなかった。これに対して、遊技状態がRT1にあるときには、通常の遊技状態とは異なる演出を行うものとしてもよい。当選している小役の種類、或いは当選している小役に入賞させるための停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順を報知するAT(Assist Time)等の他の種類の遊技状態を含む場合も、遊技状態毎に異なる演出を行うものとすることができる。
上記の実施の形態では、演出制御基板102により行われる演出として単発演出、連続演出及び追加演出、ボーナス入賞演出、ボーナス中演出などを示していたが、これらの他に遊技操作が一定時間以上行われていない場合にデモ演出を実行したり、遊技者の操作に応じてRAM122の所定の領域(図3の領域122−1〜122−3以外の領域)に保存した遊技履歴(実行ゲーム数、ボーナス回数、RTなどの特定の遊技状態にあるときには、その遊技状態におけるゲーム数や払い出しメダル数など)を表示する履歴表示演出を行うものとしてもよい。
ここで、デモ演出や履歴表示演出の演出データは、ROM123から読み出されてRAM122の実行演出データ領域122−2に記憶されることとなるので、電源をONした際に設定値の変更操作を行っていたり、営業時間外に電源をONしてRAM122のデータがクリアされる場合は、これらもクリアされることとなる。また、履歴表示演出のためにRAM122の所定の領域に保存した遊技履歴を示すデータも、営業時間外に電源をONしてRAM122のデータがクリアされる場合にクリアされるものとすることができる。
上記の実施の形態では、設定キースイッチ92をOFF状態としてスロットマシン1の電源をONしたとき、すなわち設定値の変更操作を行わずにスロットマシン1を起動したときの時刻が営業時間外であれば演出制御基板102のRAM122のデータをクリアし、営業時間内であればRAM122のデータをクリアしないものとしていた。もっとも、スロットマシン1の電源をONするためには、その前提としてスロットマシン1の電源がOFFされる必要がある。そこで、スロットマシン1の電源をOFFしたときの時刻が営業時間外であれば演出制御基板102のRAM122のデータをクリアし、営業時間内であればRAM122のデータをクリアしないようにしてもよい。
これを実現するため、例えば、スロットマシン1の電源をOFFしたときに演出制御基板102のCPU121にも電断割込処理を生じさせ、この電断割込処理においてRTC171が示す時刻(すなわち、スロットマシン1の電源をOFFしたときの時刻)を取得して、RAM122の所定の領域に記憶しておく。RAM122のデータはバックアップされるので、RAM122の所定の領域に記憶したスロットマシン1の電源をOFFしたときの時刻を示すデータもバックアップされることとなる。
演出制御基板102のCPU121は、スロットマシン1の電源をONしたときに送信される平常起動コマンドを受信したときに、ステップS603でRAM122の所定の領域に記憶されてバックアップされていた電源をOFFしたときの時刻を取得し、ステップS604でこれを開始時刻メモリ173及び終了時刻メモリ174に記憶された営業開始時刻及び営業終了時刻とそれぞれ比較して、スロットマシン1の電源が営業時間内にOFFされたのかどうかを判定するものとしてもよい。
或いは、CPU121は、スロットマシン1の電源をOFFしたときに実行される電断割込処理にて、図12のステップS603〜S611の処理を実行するものとしてもよい。ここでは、設定キースイッチ92をOFF状態としてスロットマシンの電源をONした際には何の処理も行わなくてもよい(平常起動コマンドの送信も不要となる)。設定キースイッチ92をON状態としてスロットマシンの電源をONしたとき、すなわち設定値の変更操作を行ってスロットマシン1を起動したときには、電源をOFFしたときの電断割込処理でRAM122のデータがクリアされていたか否かに関わらず、設定変更コマンドに基づいてステップS612〜S614の処理を行うものとすればよい。
設定値の変更操作を行うべく設定キースイッチ92をON状態として電源をONするには、その前提としてスロットマシン1の電源を一旦OFFしなければならないが、その電源OFFの時刻も遊技店の営業が終了してからということになる。このようにスロットマシン1の電源をOFFした時刻が営業時間外であるときにRAM122のデータをクリアするものとしても、上記の実施の形態のようにスロットマシン1の電源をOFFした時刻が営業時間外であるときにRAM122のデータをクリアするものとした場合と同じ効果を得ることができる。
上記の実施の形態では、スロットマシン1の制御回路として演出制御基板102とは別個にRTC基板107が設けられ、このRTC基板107にRTC171、時刻変更スイッチ172、開始時刻メモリ173、終了時刻メモリ174、及び機能停止スイッチ175が搭載されるものとしていた。もっとも、必ずしも演出制御基板102と分けてRTC基板107を設ける必要はなく、演出制御基板102にRTC171、時刻変更スイッチ172、及び機能停止スイッチ175が搭載または接続され、演出制御基板102のROM123(この場合は、フラッシュメモリなどのデータを読み書き可能なものを含んでいる)の所定の領域に営業開始時刻及び営業終了時刻を記憶させるものとしてもよい。
上記の実施の形態では、スロットマシン1の制御回路として演出制御基板102とは別個にRTC基板107が設けられ、設定キースイッチ92をOFF状態としてスロットマシン1の電源をONしたときに、RTC基板107に搭載されたRTC171が示す時刻に応じてRAM122のデータをクリアするものとしていた。もっとも、RTC171は、これ以外の用途のために用いられることはなかった。
これに対してRTC171が示す時刻に応じて実行される演出に違いを生じさせるものとしてもよい。例えば、演出ステージの振り分けは、図5のテーブルに示した様に遊技の進行状況と設定値の違いに応じて行うのではなく、さらにRTC171が示す時刻の違いに応じて行うものとしてもよい。例えば、図5(b)の非開始ゲームテーブルを例にすると、営業開始時刻から所定時間内では演出ステージの変化なしを選択する確率をより高くするが、営業終了時刻まで所定時間内では演出ステージの変化なしを選択する確率をより低くするものとしてもよい。
また、連続演出の開始後にレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選した場合に、ステップS806で行う差替/追加決定抽選による差替演出と追加演出の振り分け比率をRTC171が示す時刻の違いに応じて変化させるものとしてもよい。例えば、営業終了時刻まで所定時間内となったならば、差替演出に振り分けられる比率を高くして、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選の確定が早期に遊技者に示されるようにしてもよい。
また、ステップS818で単発演出を実行する旨を決定する確率を、RTC171が示す時刻の違いに応じて変化させるものとしてもよい。例えば、営業開始時刻から所定時間内と営業終了時刻まで所定時間内では、単発演出が実行される確率を高くするものとしてもよい。或いは、RTCが示す日付に応じて単発演出を実行する旨を決定する確率を変化させるものとしてよく、特定の日にだけ単発演出が実行される確率が高くなるようにすることもできる。
上記の実施の形態では、演出ステージを変更するか否か、変更する場合に振り分けられる演出ステージの選択は、各ゲームにおいて賭け数が確定したときに行われるものとしていた。これに対して、規定の賭け数になるまでの最初の賭け数を設定(例えば、1枚目のメダルを投入)したときに、演出ステージを変更するか否かや演出ステージの振り分けを決定するものとしてもよい。さらには、スタートレバー11の操作など、賭け数の設定以外の所定の操作が遊技者により行われたときに、演出ステージを変更するか否かや演出ステージの振り分けを決定するものとしてもよい。
上記の実施の形態では、演出ステージを変更するか否か、変更する場合に振り分けられる演出ステージの選択は、1ゲーム毎に行うものとしていたが、必ずしもこれに限るものではなく、所定ゲーム数毎に行うものとしてもよい。所定ゲーム数毎とは、例えば、5ゲームなどの固定のゲーム数であってもよい。また、特定の役(例えば、リプレイ、ベルなど)に当選したうちの所定ゲーム数毎に行うものとしてもよく、特定の役に当選した全てのゲームで行うものとしてもよい。ここで、RAM122がクリアされた後の最初のゲームで演出ステージを変更するか否かを選択し、変更する場合には振り分けられる演出ステージの選択するものとしてもよく、RAM122がクリアされてから所定ゲーム後にこのようなことを行うものとしてもよい。
上記の実施の形態では、RAM122がクリアされた後の最初のゲームでのみ開始ゲームテーブルを用いており、次のゲームからは、全て非開始ゲームテーブルを用いて演出ステージを変更するか否か、変更する場合に振り分けられる演出ステージの選択するものとしていた。これに対して、例えば、RAM122がクリアされた後から一定のゲーム数を消化するまでの各ゲーム(或いは所定ゲーム数毎に選択が行われる場合は、当該選択を行うべきゲーム)で開始ゲームテーブルを用いて演出ステージの選択を行い、一定のゲーム数を消化した後に非開始ゲームテーブルを用いて演出ステージを変更するか否か、変更する場合の演出ステージの選択を行うものとしてもよい。
また、RAM122がクリアされてから所定の時間(30分間など)内のゲームで開始ゲームテーブルを用い、RAM122がクリアされてから所定の時間を経過したの後のゲームでは非開始ゲームテーブルを用いるものとしてもよい。さらに、RAM122がクリアされた後の最初のゲーム及び該最初のゲームが行われてから所定の時間(例えば、5分間など)内のゲームで開始ゲームテーブルを用い、RAM122がクリアされた後の最初のゲームが行われてから所定の時間を経過した後のゲームでは非開始ゲームテーブルを用いるものとしてもよい。
上記の実施の形態では、RAM122がクリアされた後の最初のゲームでも次以降のゲームでも、レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されているか否かに応じて異なる割合で振り分ける演出ステージの種類を選択するものとしていた。また、ボーナス当選フラグが設定されていなくても、RT1残りゲーム数が50ゲーム以上であるか、RT1残りゲーム数が50ゲーム未満か、或いはRT1に制御されていないかに応じて異なる割合で振り分ける演出ステージの種類を選択するものとしていた。また、RAM122がクリアがONされた後の最初のゲームよりも後のゲームでは、演出ステージを移行させない旨を決定する割合がレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されているか否かに応じて、さらにはRT1残りゲーム数が50ゲーム以上であるか、RT1残りゲーム数が50ゲーム未満か、或いはRT1に制御されていないかに応じて異なっていた。
これに対して、RAM122がクリアされた後の最初のゲームでは、レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されているか否かに関わらず、また、遊技状態の制御状況に関わらずに同じ割合で、振り分ける演出ステージの種類を選択するものとしてもよい。この場合には、RAM122がクリアされた後の最初のゲームでは、振り分けられた演出ステージの種類によってボーナス当選フラグが設定されているかどうかや制御されている遊技状態を遊技者が予測することができないものとなり、遊技者の期待感の持続を図ることができる。
一方、RAM122がクリアされた後の最初のゲームよりも後のゲームでは、レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されているか否かに関わらず、また、遊技状態の制御状況に関わらずに同じ割合で演出ステージを変更しない旨を決定したり、同じ割合で振り分ける演出ステージの種類を選択するものとしてもよい。つまり、RAM122がクリアされた後の最初のゲームでのみ、レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されているか否か、さらにはRT1残りゲーム数が50ゲーム以上であるか、RT1残りゲーム数が50ゲーム未満か、或いはRT1に制御されていないかに応じて異なる割合で、振り分ける演出ステージの種類を選択するものとしてもよい。この場合には、RAM122がクリアされた後の最初のゲームで必ず行われる演出ステージの振り分けによってボーナス当選フラグが設定されているかどうかや制御されている遊技状態を遊技者が予測することができるようになる。
上記の実施の形態では、演出ステージとしてステージ1〜3を定めるものとし、演出ステージ領域122−1には1〜3のいずれかの値が格納されるものとなっていたが、演出ステージとしてステージ1〜m(mは、2以上の整数)を定めるものとしてもよい。演出ステージとしてステージ0〜n(nは、1以上の整数)を定めるものとし、演出ステージ領域122−1には0〜nのいずれかの値が格納されるものとしてもよい。この場合には、開始ゲームテーブルにも演出ステージの変更なしに対応した判定値が記憶されるものとなっていてもよい。もっとも、ここで演出ステージの変更なしに対応した判定値の数は、開始ゲームテーブルと非開始ゲームテーブルとで異なるものとすればよい。
上記の実施の形態では、ビッグボーナス中でないレギュラーボーナスが終了した後には通常の遊技状態に、ビッグボーナスが終了した後には100ゲームだけRT1に遊技状態が制御されるものとなっていた。これに対して、例えば、ビッグボーナスが終了した後にも通常の遊技状態に遊技状態を制御し、ビッグボーナスが終了した後に最初に当選した(導出された)役(小役またはリプレイ)の種類に応じて、有利RT(リプレイ当選確率が高い、継続ゲーム数が大きい)または不利RT(リプレイ当選確率が比較的低い、継続ゲーム数が小さい)に遊技状態を制御するものとしてもよい。この場合には、有利RTに制御されているか不利RTに制御されているかに応じて異なる確率で、演出ステージを変更するか否かを決定し、また、異なる割合で演出ステージの振り分けを行うものとしてもよい。
上記の実施の形態では、当選状況通知コマンドの送信時、すなわちスタートレバー11の操作時に連続演出または追加演出における各ゲームの演出を開始するものとしていた。しかし、スタートレバー11を操作したときであっても前回のゲーム開始から所定時間を経過していなければ、リール3L、3C、3Rの回転開始が待機させられる。スタートレバー11の操作時ではなく、リール3L、3C、3Rの回転開始時において連続演出または追加演出における各ゲームの演出を開始してもよい。この場合、当選状況通知コマンドを受信したときには、ステップS801の処理だけを行い、図14のステップS802以降の処理は、リール3L、3C、3Rが実際に回転開始したときに遊技制御基板101から送信されるリール回転コマンドを受信したときに行うものとすればよい。
上記の実施の形態では、連続演出は、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選、チェリーの入賞、もしくはチャンス目が導出された次のゲームを実行するために賭け数が設定されたときに開始されるものとしていた。これに対して、チェリーに入賞した時点、チャンス目が導出された時点、或いはレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選してハズレの表示結果が導出された時点で、連続演出を開始させるものとしてもよい。
また、可変表示装置2の一部のリールが未だ回転中で表示結果が導出される前であっても、チェリーに入賞することが確定した時点、チャンス目が導出されることが確定した時点、或いはレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選してハズレの表示結果が導出されることが確定した時点で、連続演出を開始させるものとしてもよい。例えば、中と右のリール3C、3Rが回転中でも左のリール3Lが停止して「チェリー」が導出された場合には、この時点で連続演出を開始させることができる。なお、可変表示装置2に表示結果が導出される前にチェリーに入賞すること等が確定したかどうかは、リール停止コマンドが示す停止図柄に従って判断することができる。
さらに、連続演出は、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選、チェリーの入賞、もしくはチャンス目が導出された次のゲームが開始された以降、該ゲームが終了する(可変表示装置2に表示結果が導出される)よりも前のタイミングで開始させるものとすることができる。例えば、スタートレバー11が操作された時点で連続演出を開始させることも、第1リールが停止された時点で連続演出を開始させることもできる。この場合における連続演出のパターンの選択は、該連続演出を開始させる時点で行うことも可能であるが、上記の実施の形態のように賭け数が設定された時点で予め行っておくことも可能である。連続演出を実行することが確定したなら、さらに前の時点で連続演出のパターンを選択しておくことも可能である。
上記の実施の形態では、連続演出(及び追加演出)は、その実行が開始されると一連の演出の実行を全て完了するまで途中で終了させられることはなく、その間においては、RAM122に演出ステージ変更禁止フラグが設定され、ゲームを開始させるための賭け数を設定しても演出ステージが変更されることはなかった。これに対して、遊技者の所定の操作(例えば、別個設けられた演出キャンセルボタンの操作)によって、連続演出(及び追加演出)が開始された後、最後まで完了する前に強制終了させられることができるものとしてもよい。この場合、連続演出(及び追加演出)が強制終了させられた場合には、演出ステージ変更禁止フラグを消去し、その後のゲームのために賭け数を設定したときに演出ステージの変更が可能になるものとしてもよい。
上記の実施の形態では、連続演出及び追加演出の実行中、並びにボーナス中演出の実行中にRAM122に演出ステージ変更フラグが設定され、これらの演出中にはゲームを開始させるための賭け数の設定をしても演出ステージが変更されることはなかった。ここで、一定時間以上遊技操作がされない場合にデモ演出の演出データを実行演出データ領域122−2に設定してデモ演出を行うものとしたり、遊技者の操作に応じてRAM122の所定の領域に保存した遊技履歴を表示するための演出データを実行演出データ領域122−2に設定して履歴表示演出を行うものとした場合、演出ステージ変更フラグが設定されている場合には、これらのデモ演出や履歴表示演出の実行も禁止するものとしてもよい。
上記の実施の形態では、連続演出(または追加演出)においてボーナス当選の確定を報知するものとしていた。ボーナス当選の確定の報知は、連続演出(及び追加演出)とは別個に行うものとしてもよい。液晶表示器4への画像の表示の代わりに所定のランプを点灯することで行うものとしてもよい。一連の連続演出(及び追加演出)の流れの中で所定のランプを点灯することで、ボーナス当選の確定を報知するものとしてもよい。
上記の実施の形態では、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選していないで開始された連続演出における最終ゲームまでにレギュラーボーナス、ビッグボーナスまたはビッグボーナス(2)に当選して、該最終ゲームの演出に内容が差し替えられないときには、当該連続演出の終了に続けて追加演出を行うものとしていた。これに対して、連続演出が終了するまでに新たにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選がなかったとしても、所定の割合で連続演出の終了に続けて追加演出を行うものとしてもよい。
この場合は、当該追加演出の最終ゲームまでに新たにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選しなければ、追加演出の結果としてハズレの確定が報知されるものとなる。追加演出の最終ゲームまでに新たにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選したときには、追加演出の最終ゲームにおける演出の内容を差し替えるか、さらに延長した追加演出を行うものとしてもよい。
このようにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選していなくても、追加演出が行われる場合を生じさせるようにすることで、連続演出の終了後に追加演出が開始された場合にあっても、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選に対する遊技者の興味を減退させることがない。これにより、遊技の興趣を向上させることができる。
上記の実施の形態では、演出制御基板102に搭載されたプロセッサは、CPU121の1つだけであり、CPU121がROM123からの演出データの読み出し、RAM122の実行演出データ領域122−2への演出データの書き込み、フレームバッファ122−3への画像データの展開、フレームバッファ122−3に展開された画像データに対応した画像の液晶表示器4への表示の全てを制御するものとしていた。これに対して、液晶表示器4への画像の表示を制御するビデオプロセッサをCPU121とは別個に設けるものとしてもよい。ここで、ビデオプロセッサは、RAM122とは別個に独自のメモリ(VRAM)を有するものであってもよい。
ビデオプロセッサが独自のVRAMを有する場合には、該VRAMにフレームバッファだけを設けるものとすることも、該VRAMに実行演出データ領域とフレームバッファの両方を設けるものとすることもできる。前者の場合には、CPU121が演出データのROM123への読み出しから実行演出データ領域122−2までの書き込みまでを行うとともにビデオプロセッサに指令を送り、ビデオプロセッサが実行演出データ領域122−2から演出データを読み出して、画像データをVRAM内のフレームバッファに展開することができる。
後者の場合には、CPU121がROM123から演出データを読み出してビデオプロセッサに渡し、ビデオプロセッサが渡された演出データをVRAM内の実行演出データ領域に書き込むものとしてもよい。そして、VRAM内の実行演出データ領域に書き込まれた演出データに基づいて、VRAM内のフレームバッファに画像データを展開するものとしてもよい。
一方、ビデオプロセッサが独自のVRAMを有しない場合には、CPU121とビデオプロセッサの双方がRAM122に対してデータの書き込みを行うようにすればよい。この場合において、演出データのROM123への読み出しから実行演出データ領域122−2への書き込みまでをCPU121が制御し、実行演出データ領域122−2に書き込まれた演出データに基づくフレームバッファ122−3への画像データの展開と液晶表示器4への画像の表示の制御をビデオプロセッサが制御するものとすることができる。
なお、CPU121やフレームバッファによるROM123からの演出データの読み出しと実行演出データ領域(122−2)への演出データの書き込みは、CPU121やフレームバッファが1ワード毎に制御するものではなくてもよい。例えば、ROM123から読み出すべき演出データの先頭番地と最終番地(或いはデータのサイズ)を指定し、指定された範囲のデータを実行演出データ領域(122−2)へまとめて転送して書き込むものとした場合も、ROM123からの演出データの読み出しと実行演出データ領域(122−2)への演出データの書き込みが、CPU121或いはビデオプロセッサによって制御されているものとなる。
上記の実施の形態では、重複当選を含むボーナス当選に従って制御されるRT2と、チェリー入賞またはチャンス目の導出に従って制御されるRT2とでは、リプレイ当選確率が同じものとなっていた。これに対して、前者のRT2と後者のRT2とでリプレイ当選確率を変えるものとしてもよい。この場合、連続演出が行われている場合のリプレイ当選確率の違いによっても、ボーナス当選の可能性がある程度遊技者に分かり、その違いで遊技者に期待感を与えることができる。特にRT2の継続ゲーム数を大きくした場合に、RT2におけるリプレイ当選確率を変えることで遊技者に期待感を与えることの効果が大きくなる。
上記の実施の形態では、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)と1ゲームにおいて重複当選することがある役は、入賞によりメダルが払い出される小役の1種であるチェリーであり、さらにチェリーの入賞によって遊技状態がRTに制御されるものとしていた。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)および/またはチェリーの当選時に導出され得るチャンス目の導出によっても遊技状態がRT2に制御されるものとしていた。もっとも、RT2は、連続演出中にボーナス入賞を発生しにくくするために制御されるだけの遊技状態であるため、チェリー入賞したりチャンス目が導出されたりしても遊技状態をRT2に制御しないものとしてもよい。ボーナス当選(チェリーとの重複当選を含む)でも、遊技状態をRT2に制御しないものとしてもよい。
また、ボーナスと重複当選することがある役は、小役以外にリプレイを適用することもできる。複数種類のリプレイがあり、そのうちの1種類がボーナスと重複当選することがある役となっていてもよい。また、ボーナスと重複当選することがある役は、入賞によって遊技状態をRT2に制御させるだけの役であって、小役やリプレイのように遊技状態の変化以外の配当を伴わない役であってもよい。
上記の実施の形態では、いずれの遊技状態においても賭け数として3を設定することのみによりゲームを開始させることができた。これに対して、レギュラーボーナスにおいては、賭け数として1を設定することによりゲームを開始させることができるものとしてもよい。さらに、いずれの遊技状態でもゲームを開始させるために設定できる賭け数は、1〜3の範囲で任意の数を適用することができる。ここで、通常の遊技状態で賭け数として1または2が設定されていたときには、賭け数として3が設定されたときよりも内部抽選における小役の当選確率を低下させることができる。また、レギュラーボーナスの賭け数を他の遊技状態よりも少なくした場合には、レギュラーボーナスに対応した少ない賭け数が設定されたときには、小役の当選確率および/または小役に入賞したときのメダルの払い出し枚数を高くすることができる。
さらに、賭け数として1または2を設定してゲームを開始させることができる場合には、設定された賭け数に応じて可変表示装置2に設定する入賞ラインの数を変えるものとしてもよい。例えば、賭け数として3が設定されたゲームでは、上中下三段の横方向の3本の入賞ラインに加えて対角線の2本の入賞ラインを設定するが、賭け数として3が設定されたゲームでは、上中下三段の横方向の3本の入賞ラインのみを設定し、さらに賭け数として1が設定されたゲームでは、中段の1本の入賞ラインのみを設定するものとしてもよい。
上記の実施の形態では、設定値の変更を行う際には、RAM112の全てのデータが初期化されるものとなっていた。もっとも、RAM112のデータを初期化するためには、設定値の変更を行う際にさらに別個の初期化操作(例えば、設定キースイッチ92をON状態として電源を投入する際に、さらにデータクリアスイッチも操作する)を行うことが必要になるものとしてもよい。この場合に、設定変更コマンドがRAM112のデータを初期化したか否かを示す情報を含むものとし、演出制御基板102のCPU121は、RAM112のデータを初期化した旨を示す情報を含む設定変更コマンドを受信したときに、RAM122のデータをクリアするものとすればよい。
CPU121は、RAM112のデータを初期化していない旨を示す情報を含む設定変更コマンドを受信したときには、RTC171が示す時刻を参照し、この時刻が営業時間外であることを示していればRAM122のデータをクリアし、営業時間内であればRAM122のデータをクリアしないものとすることができる。これにより、遊技店の営業時間内において設定値を変更することがあったとしても、その変更が遊技者に察知されないようにすることができる。
上記の実施の形態では、遊技状態に応じて定められた抽選対象役の判定値数を内部抽選用の乱数に順次加算していき、その加算の結果オーバーフローが生じた時点において抽選対象役として読み出されていた役に当選するものとしていた。これに対して、判定値数を取得した内部抽選用の乱数の値から順次減算して、減算の結果を新たな内部抽選用の乱数の値とするものとしてもよい。判定値数を内部抽選用の乱数の値から減算するときには、減算の結果にオーバーフロー(ここでは、減算結果がマイナスとなること)が生じたかどうかを判定するものとすることができる。
上記の実施の形態では、内部抽選は、取得した内部抽選用の乱数の値に遊技状態に応じた各役の判定値数を順次加算していき、加算結果がオーバーフローしたときに当該役を当選と判定するものとしていた。これに対して、遊技状態に応じた各役の判定値数に応じて、各役を当選と判定する判定値を定めた当選判定用テーブルをゲーム毎に作成し、取得した内部抽選用の乱数の値を各役の判定値と比較することで、内部抽選を行うものとしてもよい。
上記の実施の形態では、遊技状態がビッグボーナスにあってRAM112にビッグボーナス中フラグが設定されているゲームではスタートレバー11の操作時にRAM112にレギュラーボーナス中フラグが設定されているかどうかを判定し、レギュラーボーナス中フラグが設定されていなければ、これを設定してレギュラーボーナスに制御するものとしていた。こうしてビッグボーナスの入賞後に最初にレギュラーボーナスに制御する場合も、一回分のレギュラーボーナスが終了して未だビッグボーナスが終了していないときに再びレギュラーボーナスに制御する場合も、同じ処理を行えばよいものとしていた。
これに対して、ビッグボーナスに入賞したときにRAM112にビッグボーナス中フラグとともにレギュラーボーナス中フラグを設定し、ビッグボーナス中でレギュラーボーナスの終了条件が成立したときには該レギュラーボーナス中フラグを消去する。ここで、レギュラーボーナス中フラグが消去されたときにおいて、ビッグボーナスの終了条件が成立していないと判定されてビッグボーナス中フラグがRAM112に設定されている状態となっていれば、再びレギュラーボーナス中フラグをRAM112に設定して、そのまま新たなレギュラーボーナスに制御するものとしてもよい。この場合には、ビッグボーナスの入賞によりビッグボーナスが制御されたときに同時にレギュラーボーナスに制御することができ、また、一回分のレギュラーボーナスが終了して未だビッグボーナスが終了していないときに即座にレギュラーボーナスに復帰できることとなる。
また、ビッグボーナスの遊技状態は、ビッグボーナスの入賞で小役ゲームを提供し、さらに小役ゲームでのJACIN当選に基づいてJACIN(例えば、「ベル−JAC−JAC」で小役ゲーム中において内部抽選の対象役となる)に入賞することで、遊技状態をビッグボーナス中のレギュラーボーナスを提供するものとしてもよい。ビッグボーナス中に1セット分のレギュラーボーナスが終了し、未だ払出メダル枚数が345枚を越えていなければ、再び小役ゲームに制御するものとすることができる。
上記の実施の形態では、可変表示装置2は、外周部に複数の図柄を所定順に配した3つのリール3L、3C、3Rを備えるものとし、これらのリール3L、3C、3Rの回転駆動によって図柄を可変表示させるものとしていた。しかしながら、液晶表示装置などの表示装置上で仮想的に図柄を可変表示させるものを、上記のような可変表示装置2の代わりに用いてもよい。
上記の実施の形態では、賭け数の設定や入賞に伴う遊技用価値の付与に用いる遊技媒体としてメダルを適用したスロットマシンを例として説明した。しかしながら、本発明を具現化するスロットマシンは、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を遊技媒体として適用したスロットマシン(いわゆるパロット)であってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記の実施の形態で賭け数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭け数を設定するものに相当する。
さらには、遊技の進行状況に応じたデータが記憶されるRAMと実行中の演出に関するデータが記憶されるRAMが別個に設けられ、何れも停電時においてもデータがバックアップされるものとする遊技機であって、RTC基板107を備える構成とした遊技機であれば、パチンコ遊技機などのスロットマシン以外の遊技機にも本発明を適用することができる。
パチンコ遊技機では、遊技領域内に打ち出された遊技球が所定の始動入賞口に入賞すると、特図ゲームと呼ばれるゲームの結果を大当たりとするか否か、さらには特図ゲームの確定図柄(大当たりとする場合には、この違いにより大当たりの種類が決定される)を決定するための乱数が抽出され、これより先の始動入賞に基づく特図ゲームが終了するまで保留記憶させておく。そして、先の始動入賞に基づく特図ゲームが全て終了したなら(或いは既に終了していたなら)、特図ゲームを開始させ、図柄の変動態様などによる演出を行いつつ一定時間を経過したときに特図ゲームの結果を示す。
大当たりの結果が示された場合には、遊技球の入賞を容易にする大入賞口を一定期間断続的に開放させる大当たり制御を行い、さらに大当たり制御の終了した後に大当たりの種類に応じて通常遊技状態または特別遊技状態(確率変動状態、時短状態)に遊技状態を移行させる。これ以外の場合でも、通常遊技状態、確率変動状態または時短状態での間の遊技状態の移行を含むパチンコ遊技機もある。そして、特図ゲームが行われる場合に遊技状態の違いに応じた背景画像を表示するなどの演出が行われるものとなる。
パチンコ遊技機において本発明を適用する場合、営業時間内で電源がOFF/ONされたときには、電源がOFFされる前の状態から演出(遊技状態に応じた背景など)が再開させることができる。一方、営業時間外で電源がOFF/ONされたときには、営業開始時における遊技状態の違いに関わらずに前日の営業終了時の演出を引き継がずに、初期状態から演出を開始させる(例えば、実際は確率変動状態にあっても通常遊技状態と同じ背景画像を表示させる)ものとなり、演出によって遊技状態の違いを遊技者に分からないようにすることができる。
また、パチンコ遊技機において特図ゲームの結果を大当たりとするか否かの確率は、上記のスロットマシン1と同様の操作で設定される設定値に応じて異なるものとなるが、設定値の変更操作を行うと、遊技の進行状況に応じたデータが記憶されるRAMと実行中の演出に関するデータが記憶されるRAMともに初期化され、初期状態である通常遊技状態で改めて遊技が開始され、演出もこれに応じて行われるものとなる。パチンコ遊技機において本発明を適用した場合も、営業時間外において特図ゲームの結果を大当たりとするか否かの確率を定める設定値が変更されているか否かを、実行された演出の違いによって遊技者に察知されないようにすることができる。