JP5102047B2 - 振動警報装置 - Google Patents

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Description

本発明は、振動警報装置に関する。
従来、地震等の振動を計測し、その計測した振動に応じて警報を出力する機能を有する振動警報装置が知られている。ところで、この振動警報装置が、機械動力室や発電所の建屋などの機械的振動を伴う場所に設置されている場合に、その機械的振動に起因する環境ノイズにより、振動警報装置の正確な振動計測が妨げられるばかりでなく、誤警報を発するおそれがある。
そこで、地震等による振動に比べて微細な振動を検出して記録する微動記録機能や、環境ノイズを計測することが出来るメンテナンス機能を備える振動警報装置が一般的に知られている。
また、あらかじめ地震未発生時の振動測定を行ない、測定結果の最大値を記憶しておき、地震発生時の測定値がその最大値を超えたときにのみ測定処理を実行する地震監視端末装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−243365号公報
しかしながら、従来の振動警報装置においては、地震未発生時の環境ノイズ測定をユーザが事前に実行しておく必要があるという問題があった。つまり、振動警報装置の設置は慣例として工事業者が行うことが知られているが、この振動警報装置の第1ユーザたる工事業者が振動警報装置を設置する際に、上記のような環境ノイズに対応する機能の存在を知らない、或いは扱いに熟知していない場合が多いため、事前の環境ノイズ対策がなされず、振動警報装置の誤観測や誤警報といった問題が解決出来ない場合があった。
本発明の課題は、ユーザが環境ノイズに対応する機能の存在を知らない、或いは扱いに熟知していない場合であっても、環境ノイズによる誤観測や誤警報を未然に防止することを可能にする振動警報装置を提供することにある。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、振動警報装置において、
振動を計測する振動計測手段と、
前記振動計測手段により計測された振動を振動計測値として表示する表示部と、
前記振動計測手段により計測された振動に基づく振動計測値が、予め設定された閾値を上回るか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により振動計測値が閾値を上回ると判断された場合に、所定の警告報知を行う警報手段と、を備えた振動警報装置において、
当該振動警報装置が起動した場合に、所定時間、前記振動計測手段に振動を計測させる制御手段と、
前記制御手段によって、前記振動計測手段が計測した振動に基づく振動計測値の最大値を記憶する記憶手段と、
前記振動計測手段が計測した振動に基づく振動計測値と、前記記憶手段により記憶された振動計測値の最大値と、を前記表示部にて表示する振動計測値表示制御手段と、
振動計測値と当該振動警報装置の設置場所としての相応しさを示す設置環境レベルとを対応付けたレベル判定用データを記憶するレベル判定用データ記憶手段と、
前記記憶手段により記憶された振動計測値の最大値と、前記レベル判定用データの振動値とを比較して、設置環境レベルを判定する判定手段と、
前記判定手段により判定された設置環境レベルを前記表示部に表示する設置環境レベル表示制御手段と、
を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の振動警報装置において、当該振動警報装置が起動した後、所定時間、前記振動計測手段に振動を計測させる計測スイッチと、前記制御手段は、前記計測スイッチの押下に応じて、所定時間、前記振動計測手段に振動を計測させ、前記計測スイッチが押下された後、前記振動計測手段が振動を計測する度に前記記憶手段に記憶された振動計測値の最大値と比較して、当該振動計測値が最大値を超えた場合には前記記憶手段の最大値を更新する更新手段と、を備えることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載の振動警報装置において、前記振動計測手段は、振動を電気信号として検出する振動検出器と、前記振動検出器から検出された電気信号を増幅するアンプと、前記アンプにより増幅された信号のうち所定値以下の周波数のみを通過させ出力するローパスフィルタと、前記ローパスフィルタより出力される信号をデジタル化し、振動計測値として出力するA/D変換器と、を含んで構成されており、前記制御手段は、前記アンプにより増幅された信号を、ローパスフィルタを介さないで前記A/D変換器に出力させることを特徴とする。
本発明によると、振動警報装置が起動されると同時に振動が所定時間計測され、その振動に基づく振動計測値(例えば、加速度、計測震度、震度階級、SI値)の最大値が記憶される。そのため、振動警報装置が起動されると、計測された振動計測値やその振動計測値の最大値がユーザに表示され、ユーザは警報表示すべき振動計測値の閾値としてその値を参酌することが出来るので、振動警報装置が誤観測や誤警報を起こさないように設定することが可能になる。
したがって、ユーザが環境ノイズに対応する機能の存在を知らない、或いは扱いに熟知していない場合であっても、その環境ノイズによる誤観測や誤警報を未然に防止することが可能となる。
以下、図1を参照して本発明に係る振動警報装置について説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
図1は振動警報装置1の内部構成を示すブロック図である。振動警報装置1は、水平動方向(X方向、Y方向)、上下動方向(Z方向)の振動を検出する振動検出器2a、2b、2cと、振動検出器2a、2b、2cにより検出された信号を増幅するアンプ3a、3b、3cと、所定の周波数帯域の信号をフィルタリングするローパスフィルタ4a、4b、4cと、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器5a、5b、5cと、所定の警報表示などを行う表示部6と、振動警報装置1全体の制御を行う制御部7と、時刻を計時する計時部8と、記憶部9と、振動警報装置1をユーザが入力操作するための入力操作部10と、などを備えて構成される。
振動検出器2a、2b、2cは、上下動と水平動とを含む振動を検出し、検出した振動(例えば、加速度)に比例した電気信号(アナログ信号)を、検出信号(加速度信号)として出力する加速度計であり、振動計測手段として機能する。そして、振動検出器2a、2b、2cは、X,Y,Z方向の、各3方向の振動の大きさを示す電気信号(アナログ信号)をそれぞれ同期させて検出する。
アンプ3a、3b、3cは、各振動検出器2a、2b、2cから常時送信される加速度信号を増幅し、ローパスフィルタ4a、4b、4cへ出力するアンプであり、振動計測手段として機能する。
ここで、後述の制御プログラム7fが実行された場合、アンプ3a、3b、3cは、ローパスフィルタ4a、4b、4cを経由せず、直接A/D変換器5a、5b、5cに対して増幅した信号を出力することができるように構成されている。
ローパスフィルタ4a,4b、4cは、所定の周波数帯域の信号、例えば、地震波をフィルタリングして、A/D変換器5a、5b、5cへ出力するフィルタであり、振動計測手段として機能する。この地震波の検出は、地震波の特徴である、周波数が低く、かつ振幅の大きい振動波のみを濾波することによって実現する。つまり、モータやファンなどの人工的な要因によって発生する高周波成分の振動を、地震動計測における振動ノイズとして除去することが出来る。
また、アンプ3a、3b、3cからは、X方向、Y方向、Z方向の振動に係る増幅された加速度信号が送信されるが、それぞれの信号をフィルタリングして出力する。
A/D変換器5a、5b、5cは、ローパスフィルタ4a,4b、4cによってフィルタリングされたアナログの加速度信号を、デジタルの加速度信号に変換し、制御部7に出力するA/D変換器であり、振動計測手段として機能する。
ここで、後述の制御プログラム7fが実行された場合、アンプ3a、3b、3cによって増幅された加速度信号を、デジタルの加速度信号に変換し、制御部7に出力する。
表示部6は、入力操作部10を含んで構成されており、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等により構成され、後述の振動計測プログラム7mの実行による加速度信号からデータ処理された計測震度、その計測震度より換算される震度階級、加速度、SI(Spectral Intensity)値、又は、警報表示する振動計測値の閾値の設定状態などを表示する。ここで、加速度とSI値は、後述の切り替えスイッチ10dの押下によっていずれか一方を切り替えて表示することが出来る。
具体的に表示部6は、例えば図2に示すように、振動警報装置1の起動状態を示す起動LEDランプ6aと、振動警報装置1が何らかの故障状態にあることを示す故障LEDランプ6bと、後述の警報プログラム7eで述べるように、計測された振動計測値の種類又は閾値の設定等に応じて、8個のLEDランプの何れか1つ又は複数が同時に点灯し、警報が発生したことを明示する警報表示部6cと、現在の日付や時刻を表示する日付時刻表示部6dと、検出された振動から算出される計測震度を表示する計測震度表示部6eと、その算出された計測震度から換算される震度階級(10段階からなる気象庁震度階級)を表示する震度階級表示部6iと、後述の設置環境レベル表示制御プログラム7nの実行によって表示される設置環境レベルを、A〜EのいずれかのLEDランプの点灯により表示する設置環境レベル表示部6fと、警報表示すべき振動計測値が計測されたことを音声出力によりユーザに報知する警報ブザー6gと、加速度(単位:Gal)又はSI値(単位:cm/s)を切り替えて表示する加速度/SI値表示部6hと、等から構成されている。
なお、計測震度表示部6eと加速度/SI値表示部6hは、それぞれの振動計測値(計測震度、加速度/SI値)の最大値を表示することが可能であり、振動警報装置1が起動し、後述の制御プログラム7fの実行による所定時間の振動計測がなされた後は、その所定時間における振動計測値の最大値が表示される。そして、後述の計測スイッチ10eがユーザによって押下された場合、制御プログラム7fの実行により再度所定時間の振動計測がなされ、後述の更新プログラム7hの実行により各振動計測値の最大値が更新された場合、その更新された各振動計測値の最大値が表示されるようになっている。
入力操作部10は、例えば図2に示すように、振動警報装置1の電源切り替え用の電源スイッチ10aと、計測した振動計測値の記憶を行う記憶スイッチ10bと、警報表示するそれぞれの振動計測値の閾値を設定する閾値設定ボタン10cと、加速度とSI値の表示を切り替える切り替えスイッチ10d、環境ノイズの計測を警報表示装置1が起動した後に再度実行する計測スイッチ10eなどを備えて構成されており、ユーザが当該スイッチやボタンを操作することにより生成される入力操作信号を制御部7に対して出力する。
制御部7は、CPU(Central Processing Unit)7aと、RAM(Random Access Memory)7bと、ROM(Read Only Memory)7c等を備えて構成されている。
CPU7aは、ROM7cに格納されている各種プログラム等を実行して、処理データをRAM7b内のワークメモリエリアに格納するとともに、処理データを表示部6に表示させる。
ここで、処理データとしては、例えば、加速度信号から算出した振動計測値(加速度、SI値、計測震度、震度階級)や、その各振動計測値の最大値等がある。
RAM7bは、A/D変換器5a、5b、5c等を介して振動検出器2a、2b、2cから出力される加速度を格納するリングバッファや、データ処理等の各種処理に係る各種データを格納するメモリエリアを形成している。
また、RAM7bは、後述の制御プログラム7fの実行により、所定時間の振動計測を行い、その間の振動計測値の最大値をホールドするのに用いられ、記憶手段として機能する。
ROM7cは、振動警報装置1が静止状態から起動状態に変化した直後にCPU7aによって実行される各種データ処理プログラムの他、データ処理プログラムに係る各種初期設定値等を格納する。
具体的には、ROM7cは、振動計測プログラム7mと、警報表示閾値設定プログラム7dと、判断プログラム7lと、警報プログラム7eと、制御プログラム7fと、更新プログラム7hと、振動計測値表示制御プログラム7iと、判定プログラム7kと、設置環境レベル表示制御プログラム7nと、等を格納する。
振動計測プログラム7mは、検出される振動に基づいて、表示部6にて表示する所定のデータを作成する機能をCPU7aに実現させるプログラムである。
つまり、CPU7aは、振動計測プログラム7mを実行することにより、A/D変換器5a、5b、5cから出力される加速度信号より、各振動計測値の算出を行う振動計測手段として機能する。
警報表示閾値設定プログラム7dは、所定の閾値以上の振動計測値を計測した場合に、警報表示に表示切り替えを行う振動警報装置1において、その閾値を設定する機能をCPU7aに実現させるプログラムである。
つまり、CPU7aは、警報表示閾値設定プログラム7dを実行することにより、表示部6における表示態様が、通常の表示から警報表示に切り替わるための振動計測値の条件として、例えば、振動計測プログラム7mの実行によって得られる振動計測値を上回る所定の閾値を、入力操作部10を介してユーザが設定する設定手段として機能する。
判断プログラム7lは、振動検出器2a、2b、2cにおいて検出される振動に基づく振動計測値が、警報表示すべき振動計測値の閾値を上回るか否かを判断する機能をCPU7aに実現させるプログラムである。
つまり、CPU7aは判断プログラム7lを実行することにより、警報表示閾値設定プログラム7dにおいて設定された、振動計測値の閾値と、振動計測プログラム7mの実行により取得される振動計測値を比較し、振動計測値の閾値を上回るか否かを判断する判断手段として機能する。
警報プログラム7eは、判断プログラム7lの実行によって、振動計測値が警報表示すべき振動計測値の閾値を上回ったと判断した場合に、警告報知を行う機能をCPU7aに実現させるプログラムである。
つまり、CPU7aは、警報プログラム7eを実行することにより、判断プログラム7lの実行によって、振動計測プログラム7mの実行により取得される振動計測値が、警報表示すべき振動計測値の閾値を上回ったと判断した場合に、表示部6における表示態様を、通常の表示から警報表示に切り替えて、ユーザに警告報知を行う警報手段として機能する。
ここで警報表示とは、例えば、表示部6に表示される文字色を通常時は白色表示とし、振動計測値の閾値を上回った場合に、他の色(例えば、赤色)に表示切り替えしてもよいし、また、所定の条件となった場合に点滅表示するようにしてもよく、振動計測値が所定の条件となったことをユーザが視認可能な態様であればよい。また、警報表示する方法は、例えば、LED表示や液晶表示などであるが、これ以外にも電球を用いた表示など、視認可能な表示方法であればどのような方法であってもよいし、振動警報装置1にスピーカ等の音声出力手段を備え、警報音を出力させることによってユーザに警告する態様であっても良い。
具体的には、例えば、図2の警報表示部6cに示されるように、CPU7aが警報プログラム7eを実行すると、計測された振動計測値が振動計測値の閾値を上回った時点で、LEDランプが点灯し、更に警報ブザー6gにより警報音が出力される。
ここで、例えば、8個のLEDランプ(LEDランプ1〜LEDランプ8)は、それぞれのLEDランプについて、振動計測値の種類と閾値が設定可能であり、その設定した振動計測値の種類に応じた色が点灯する。つまり、例えば、LEDランプ1を加速度とし、その加速度について設定した閾値を、計測された振動計測値が上回った場合に、LEDランプ1は赤色に点灯する。同様に、LEDランプ2、LEDランプ3をそれぞれ計測震度、SI値とし、それぞれについて設定した閾値を上回った場合に、LEDランプ2が緑色、LEDランプ3が青色、等のように点灯する。すなわち、計測された各振動計測値のいずれか1つ又は複数が、各LEDランプについて設定された振動計測値の種類に応じた閾値を上回ると、1又は複数のLEDランプが点灯するので、ユーザは警報表示された要因(いずれの振動計測値が閾値を上回ったか)を把握することが出来、振動警報装置1の設置環境や利用態様に応じて所定の警報表示された要因を認識することが出来る。
制御プログラム7fは、振動警報装置1が起動した場合、又は計測スイッチ10eが押下された場合に、振動計測プログラム7mの実行により、起動時又は押下時より所定時間振動を計測する機能をCPU7aに実現させるプログラムである。
つまり、CPU7aは、ユーザが振動警報装置1を起動又は計測スイッチ10eを押下し、起動信号又は計測スイッチ10eの押下信号を受信すると、制御プログラム7fを実行することにより、計時部8により計時を開始し、所定時間(例えば、5分間程度)が経過するまで、振動検出器2a、2b、2cと、アンプ3a、3b、3cと、A/D変換器5a、5b、5cと、によって加速度信号を取得し、そして、振動計測プログラム7mを実行することで、その加速度信号より各振動計測値を算出し、さらに、所定時間経過後に、その所定時間内の振動計測値の最大値を取得する制御手段として機能する。この所定時間内の振動計測値の最大値は、A/D変換器5a、5b、5cが変換するごとに算出される各振動計測値が上述のRAM7bに記憶されているそれまでの最大値と比較され、もし大きければその値と置き換えることで、常に最大値が上述のRAM7bに記憶されることで取得できる。
ここで、CPU7aは、この制御プログラム7fを実行することにより、振動検出器2a、2b、2cにより検出される振動がローパスフィルタ4a、4b、4cを介さないで、アンプ3a、3b、3cによって増幅された信号が直接A/D変換器5a、5b、5cに入力されるように制御している。
なお、制御プログラム7fは、A/D変換器5a、5b、5cから出力される加速度信号に対して、周波数分析(FFT)を実行し、その結果を記憶部9に記憶又は振動警報装置1に接続された外部機器(例えば、プリンタ等)に出力するようにしてもよい。これにより、ローパスフィルタ4a、4b、4cを介さないでA/D変換器5a、5b、5cから出力される加速度信号が、地震波(低周波)の領域の周波数信号であるか、環境ノイズ等の高周波領域の周波数信号であるかを判断することが出来るので、より正確な環境ノイズの把握が可能となる。
更新プログラム7hは、制御プログラム7fの実行後に得られる所定時間の振動計測値の最大値を、記憶部9に記憶されている最大値(前回までの振動計測における所定時間の振動計測値の最大値)と比較し、当該振動計測値の最大値が記憶部9に記憶されている最大値を上回る場合には、当該振動計測値の最大値が新たな最大値となるように記憶部9を更新記憶する機能をCPU7aに実現させるプログラムである。
つまり、CPU7aは、更新プログラム7hを実行することにより、振動警報装置1が起動後、制御プログラム7fの実行により最初に得られた振動計測値の最大値は、比較対象が存在しないため、当初の振動計測値の最大値として記憶部9に記憶する。その後、ユーザによって計測スイッチ10eが押下され、再度、制御プログラム7fの実行による所定時間の振動計測値の最大値が取得されるたびに、その取得した振動計測値の最大値と記憶部9に記憶された最大値を比較する。そして、取得した振動計測値の最大値が記憶部9に記憶された最大値を上回る場合は、その取得した振動計測値の最大値を新たな最大値として記憶部9に上書きして記憶する更新手段として機能する。
振動計測値表示制御プログラム7iは、制御プログラム7fの実行により取得した振動計測値と、記憶部9に記憶された振動計測値の最大値と、を表示部6において表示する機能をCPU7aに実現させるプログラムである。
つまり、CPU7aは、振動計測値表示制御プログラム7iを実行することにより、例えば、制御プログラム7fにより計測された各振動計測値、そして、記憶部9に記憶された振動計測値の最大値を、表示部6に表示する振動計測値表示制御手段として機能する。
また、CPU7aは、振動計測値表示制御プログラム7iの実行によって、入力操作部10の切り替えスイッチ10dがユーザに押下されると、それに応じて加速度とSI値の何れか一方の値に切り替えて表示する制御を行う。また、振動計測値表示制御プログラム7iを実行した場合、制御プログラム7fの実行により取得した各振動計測値(環境ノイズ)を表示するのみならず、本来の地震動による振動計測値やその最大値を表示する制御もなされる。
判定プログラム7kは、更新プログラム7hにより記憶された振動計測値の最大値と、記憶部9に記憶されたレベル判定用データ9aの振動計測値とを比較し、設置環境レベルを判定する機能をCPU7aに実現させるプログラムである。
つまり、CPU7aは、判定プログラム7kを実行することにより、計測された振動計測値の最大値が、記憶部9に記憶されているレベル判定用データ9aの振動計測値と比較され、計測された振動計測値の最大値が、どのような設置環境レベルにあるかを判定する判定手段として機能する。
設置環境レベル表示制御プログラム7nは、判定プログラム7kにより判定した設置環境レベルを表示部6に表示する機能をCPU7aに実現させるプログラムである。
つまり、CPU7aは、設置環境レベル表示制御プログラム7nを実行することにより、現在振動警報装置が設置されている場所の設置環境レベルを、表示部6に表示する表示制御手段として機能する。ここで、設置環境レベルは、例えばA〜Eまでの5段階から構成され、C以上を可とするものであり、この設置環境レベルを表示部6を介してユーザが知ることにより、どの程度の環境ノイズであれば振動警報装置1の設置場所として相応しいといえるか、の指標として利用することが出来る。
具体的には、CPU7aが設置環境レベル表示制御プログラム7nを実行することにより、図2の設置環境レベル表示部6fにおいて、A〜EのいずれかのLEDランプが点灯するので、ユーザは振動計測装置1の設置環境レベルを把握することが出来る。
計時部8は、現在時刻を計時し、その計時した時刻を、制御部7に対して出力する。この制御部7に出力された現在時刻は、図2の表示部6の日付時刻表示部6dを介して表示される。
記憶部9は、処理データを記憶するための記憶媒体(図示省略)を有して構成されている。具体的には、例えば、記憶媒体には、振動計測値の閾値データ、振動警報装置1の所定の設定値データ、などが記憶される。また、記憶部9は、各振動計測値の最大値やレベル判定用データ9aを記憶しており、記憶手段やレベル判定用データ記憶手段として機能する。
ここで、レベル判定用データ9aは、各振動計測値と振動警報装置の設置環境レベルを対応付けたデータであり、例えば、環境ノイズとしての加速度やSI値、計測震度や震度階級と、それに応じた数段階からなるレベル(例えば、A〜Eまでの5段階から構成され、C以上を可とする)が記憶されており、振動警報装置の設置場所としての相応しさ(設置環境レベル)を評価付けたものである。
なお、突発的な振動やノイズ等により、予期に反した大きな振動計測値の最大値が記憶部9に記憶される可能性を考慮し、電源スイッチ10aの押下により、又は、図示しないリセットスイッチの押下により、記憶部9に記憶された振動計測値の最大値は、リセットすることが可能になっている。
<環境ノイズ計測処理>
次に、振動警報装置1における、環境ノイズ計測処理について、図3のフローチャートを参照して説明する。前提として、CPU7aは、レベル判定用データ9aが記憶部9に記憶されているものとする。
まず、ユーザが振動警報装置1を所定の位置に設置し、振動警報装置1が起動された、又は計測スイッチ10eが押下された場合、起動信号又は計測スイッチ10eの押下信号がCPU7aに入力される(ステップS1)。
次いで、CPU7aは、起動信号又は押下信号が入力されると、制御プログラム7fを実行し、計時部8により計時を開始する(ステップS2)。
次いで、CPU7aは、制御プログラム7fの実行によって、振動検出器2a、2b、2cと、アンプ3a、3b、3cと、A/D変換器5a、5b、5cと、によって振動を計測させ、さらに、振動計測プログラム7mを実行させ、その振動に基づく振動計測値を算出する(ステップS3)。
次いで、CPU7aは、振動計測値表示制御プログラム7iを実行することにより、各振動計測値を表示部6に表示させる(ステップS4)。
次いで、CPU7aは、ステップS2にて計時を開始した時より所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS5)。所定時間が経過していない場合は(ステップS5;No)、ステップS3以降の処理を繰り返し実行する。
次いで、CPU7aは、ステップS5において所定時間が経過したと判断した場合(ステップS5;Yes)、更新プログラム7hの実行により、所定時間で取得した振動計測値の最大値と記憶部9に記憶された振動計測値の最大値を比較し、記憶部9に記憶されている最大値を上回る場合には、当該振動計測値の最大値が新たな最大値となるように記憶部9を更新する(ステップS6)。なお、CPU7aが起動信号を受信した際の振動計測においては、各振動計測値の最大値は記憶部9に存在しないため、比較されること無くそのまま記憶部9に記憶される。
次いで、CPU7aは、判定プログラム7kを実行することにより、記憶部9に記憶された振動計測値の最大値と、レベル判定用データ7aに記憶された振動計測値の比較を行い、設置環境レベルの判定を行う(ステップS7)。
次いで、CPU7aは、振動計測値表示制御プログラム7i及び設置環境レベル表示制御プログラム7nを実行することにより、記憶部9に記憶された振動計測値の最大値と、ステップS7において判定された設置環境レベルを表示部6に表示する(ステップS8)。
次いで、CPU7aは、ユーザが計測スイッチ10eを押下しないと判断した場合(ステップS9;No)、警報表示閾値設定プログラム7dを実行することにより、入力操作部10を介して、ユーザに加速度、SI値、計測震度、震度階級等からなる警報表示の閾値を設定させる(ステップS9)。
以上のように、本発明にかかる振動警報装置1は、振動警報装置1が設置されて起動されると、所定時間振動を計測し、その振動計測値としての加速度、SI値、計測震度、震度階級、又はそれらの最大値を表示部6に表示するので、ユーザは警報表示の閾値を設定する上で、その表示された値を判断材料として利用することが出来る。
したがって、ユーザが環境ノイズに対応する機能の存在を知らない、或いは扱いに熟知していない場合であっても、その環境ノイズによる誤観測や誤警報を未然に防止することが可能となる。
また、振動警報装置1の起動時の環境ノイズ計測がなされた後に、ユーザが計測スイッチを押下することにより、再度の環境ノイズ計測を実行することが出来る。そして、環境ノイズ計測における振動計測値の最大値は、振動が計測される度に逐次その値を更新することが出来る。
つまり、振動警報装置1の起動時の環境ノイズ計測がなされた後に、ユーザは更なる環境ノイズ計測の実行を選択することが出来る。また、各振動計測値の最大値を逐次更新していくことにより、ユーザは閾値を設定する上での好適な判断材料を取得出来ることとなり、環境ノイズによる誤観測や誤警報を未然に防止することが可能となる。
また、振動警報装置1の環境ノイズ計測において検出された振動は、ローパスフィルタを介さないで出力することが出来る。
つまり、ローパスフィルタを介さない振動計測値を取得することにより、微細な環境ノイズをも余すところ無く計測することにより、より確実に環境ノイズによる誤観測や誤警報を未然に防止することが可能となる。
また、振動警報装置1は、振動警報装置1の環境ノイズ計測後に、その振動計測値の最大値に応じた設置環境レベルを表示部6に表示するので、ユーザは振動警報装置1の設置場所としての適否を判断する上で、その表示されたレベルを判断材料として利用することが出来る。
つまり、ユーザは、設置環境レベルによって、警報表示装置1が設置されている場所の、設置場所としての適否の目安を取得することが出来るので、警報表示装置1の設置場所の再検討や、事後の警報表示装置1の設置場所を選定する際の知識とすることが出来る。
なお、本発明にかかる判断手段は、CPU7aが警報表示閾値設定プログラム7dを実行し、ユーザが設定した警報表示すべき閾値に基づいて判断するものとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、更新プログラム7hにより更新記憶された、所定時間経過後の振動計測値の最大値に基づいて、警報表示すべき閾値(例えば、最大値×1.2倍)を自動的に設定するものであってもよい。
これによって、警報表示すべき閾値の設定に不慣れなユーザや、微動記録機能やメンテナンス機能を熟知していないユーザにとって、設定の手間や労力を省くこと出来る。
本発明にかかる振動警報装置の要部構成を示すブロック図である。 本発明にかかる振動警報装置の表示部を示す図である。 本発明における環境ノイズ計測処理の実行による動作を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1 振動警報装置
2a,2b,2c X,Y,Z方向の振動検出器(振動計測手段)
3a,3b,3c X,Y,Z方向のアンプ(振動計測手段)
4a,4b,4c X,Y,Z方向のローパスフィルタ(振動計測手段)
5a,5b,5c X,Y,Z方向のA/D変換器(振動計測手段)
6 表示部
7a CPU(振動計測手段、警報手段、制御手段、更新手段、振動計測値表示制御手段、判定手段、判断手段、設置環境レベル表示制御手段)
7b RAM(記憶手段)
7c ROM
7e 警報プログラム(警報手段)
7f 制御プログラム(制御手段)
7h 更新プログラム(更新手段)
7i 振動計測値表示制御プログラム(振動計測値表示制御手段)
7k 判定プログラム(判定手段)
7l 判断プログラム(判断手段)
7m 振動計測プログラム(振動計測手段)
7n 設置環境レベル表示制御プログラム(設置環境レベル表示制御手段)
9 記憶部(レベル判定用データ記憶手段、記憶手段)
10e 計測スイッチ

Claims (3)

  1. 振動を計測する振動計測手段と、
    前記振動計測手段により計測された振動を振動計測値として表示する表示部と、
    前記振動計測手段により計測された振動に基づく振動計測値が、予め設定された閾値を上回るか否かを判断する判断手段と、
    前記判断手段により振動計測値が閾値を上回ると判断された場合に、所定の警告報知を行う警報手段と、を備えた振動警報装置において、
    当該振動警報装置が起動した場合に、所定時間、前記振動計測手段に振動を計測させる制御手段と、
    前記制御手段によって、前記振動計測手段が計測した振動に基づく振動計測値の最大値を記憶する記憶手段と、
    前記振動計測手段が計測した振動に基づく振動計測値と、前記記憶手段により記憶された振動計測値の最大値と、を前記表示部にて表示する振動計測値表示制御手段と、
    振動計測値と当該振動警報装置の設置場所としての相応しさを示す設置環境レベルとを対応付けたレベル判定用データを記憶するレベル判定用データ記憶手段と、
    前記記憶手段により記憶された振動計測値の最大値と、前記レベル判定用データの振動値とを比較して、設置環境レベルを判定する判定手段と、
    前記判定手段により判定された設置環境レベルを前記表示部に表示する設置環境レベル表示制御手段と、
    を備えることを特徴とする振動警報装置。
  2. 請求項1記載の振動警報装置において、
    当該振動警報装置が起動した後、所定時間、前記振動計測手段に振動を計測させる計測スイッチと、
    前記制御手段は、前記計測スイッチの押下に応じて、所定時間、前記振動計測手段に振動を計測させ、
    前記計測スイッチが押下された後、前記振動計測手段が振動を計測する度に前記記憶手段に記憶された振動計測値の最大値と比較して、当該振動計測値が最大値を超えた場合には前記記憶手段の最大値を更新する更新手段と、
    を備えることを特徴とする振動警報装置。
  3. 請求項1又は2記載の振動警報装置において、
    前記振動計測手段は、
    振動を電気信号として検出する振動検出器と、
    前記振動検出器から検出された電気信号を増幅するアンプと、
    前記アンプにより増幅された信号のうち所定値以下の周波数のみを通過させ出力するローパスフィルタと、
    前記ローパスフィルタより出力される信号をデジタル化し、振動計測値として出力するA/D変換器と、を含んで構成されており、
    前記制御手段は、前記アンプにより増幅された信号を、ローパスフィルタを介さないで前記A/D変換器に出力させることを特徴とする振動警報装置。
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