JP5101904B2 - レジスト下層膜形成用組成物、及びこれを用いたレジスト下層膜 - Google Patents

レジスト下層膜形成用組成物、及びこれを用いたレジスト下層膜 Download PDF

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Description

本発明は、基板上にレジストパターンを形成する際に、反射防止膜として機能するレジスト下層膜の形成に用いられるレジスト下層膜形成用組成物、及びこれを用いて形成されたレジスト下層膜に関する。
従来より、半導体素子の製造においては、基板へのパターン形成にリソグラフィープロセスが利用されている。近年は、回路基板の半導体素子の高集積化に伴い、パターン形成の微細化が進んでいる。しかしながら、パターンが微細になるほど露光工程に発生する定在波の影響が大きくなり、正確な寸法でのパターン転写が難しくなるという問題がある。定在波は入射光と基板からの反射光との干渉により発生するので、この問題を解決する方法のひとつとして、レジスト層の下層に反射防止膜(レジスト下層膜、ハードマスク)を設ける方法が挙げられる。レジスト下層膜は、基板にパターンを形成する前に、レジスト層をマスクにしてエッチングされる。
このレジスト下層膜としては、有機系のものと無機系のものとが存在する。有機系のレジスト下層膜の場合、レジスト層も有機系であるため、同等のエッチングレートとなる。従って、レジスト下層膜をエッチングする際にレジスト層も同様にエッチングされ、正確なパターンを転写することが困難となる。これに対して、レジスト層を厚膜化し、必要なエッチング耐性を得ることも考えられる。しかしながら、近年のパターンの微細化に伴い、厚膜化したレジスト層から形成されるパターンはアスペクト比が高くなる結果、パターン倒れが起き易いという問題が生じる。
そこで、無機系のレジスト下層膜の検討が進められている。無機系のレジスト下層膜の場合、有機系のレジスト層に対するエッチングスピードの差が大きいため、高いエッチング選択性が得られる。このため、薄いレジスト層であっても正確にレジスト下層膜にパターンを転写することができる。ここで、特許文献1、2では、無機系のレジスト下層膜としてケイ素系材料を用いたものが開示されている。
特開2004−310019号公報 特開2005−18054号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載のレジスト下層膜では、レジスト層とレジスト下層膜との密着性が低いという問題があった。密着性が低いとレジスト層で形成されるパターンのパターン倒れが発生する等の重大な問題が生じる。このため、レジスト層との密着性が良好なレジスト下層膜を形成できるレジスト下層膜形成用組成物が求められていた。
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、反射防止膜としての機能を有するとともに、レジスト層との密着性が良好なレジスト下層膜を形成できるレジスト下層膜形成用組成物、及びこれを用いて形成されたレジスト下層膜を提供することにある。
ここで、「レジスト層との良好なマッチング特性を有する」とは、レジスト下層膜上に形成されるレジストパターンが、アンダーカット形状や裾引き形状になることがなく、レジスト下層膜面に対する垂直性の優れた形状となることを意味する。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、特定の繰り返し単位を有する2種類のシロキサンポリマーを含有するレジスト下層膜形成用組成物によれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
より具体的には、本発明は、下記一般式(1)で表される繰り返し単位及び下記一般式(2)で表される繰り返し単位を有するシロキサンポリマーAと、下記一般式(3)で表される繰り返し単位を有するシロキサンポリマーBと、を含有することを特徴とするレジスト下層膜形成用組成物を提供する。
Figure 0005101904
[式(1)及び(2)中、Phはフェニル基を表す。R、R、Rは、それぞれ独立して水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、または、ヒドロキシル基、ポリエーテル基、カルボニル基、エステル基、ラクトン基、アミド基、エーテル基、及びニトリル基よりなる群から選択される少なくとも1つの官能基を有する1価の有機基を表し、複数のR同士、R同士、及びR同士が異なっていてもよい。a、bはそれぞれ0、1、または2である。]
Figure 0005101904
[式(3)中、Rは、水素原子、アルキル基、または、ヒドロキシル基、ポリエーテル基、カルボニル基、エステル基、ラクトン基、アミド基、エーテル基、及びニトリル基よりなる群から選択される少なくとも1つの官能基を有する1価の有機基を表し、複数のR同士が異なっていてもよい。cは、0、1、または2である。R5aは、単結合または炭素数が1〜10の炭化水素鎖であり、R5bは、炭素数が1〜5のアルキル基である。Esはエステル鎖を表す。]
また、本発明は、上記のレジスト下層膜形成用組成物を塗布し、所定の温度でベークすることにより形成されたレジスト下層膜を提供する。
本発明によれば、反射防止膜としての機能を有するとともに、レジスト層との密着性が良好なレジスト下層膜を形成できるレジスト下層膜形成用組成物、及びこれを用いて形成されたレジスト下層膜を提供できる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。本発明に係るレジスト下層膜形成用組成物は、248nm以下の波長で使用することも可能であるが、好ましくは193nmのArFレーザ光で使用されるものとして説明する。
<シロキサンポリマーA>
本発明に係るレジスト下層膜形成用組成物は、下記一般式(1)で表される繰り返し単位及び下記一般式(2)で表される繰り返し単位を有するシロキサンポリマーAを含有する。
Figure 0005101904
[式(1)及び(2)中、Phはフェニル基を表す。R、R、Rは、それぞれ独立して水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、または、ヒドロキシル基、ポリエーテル基、カルボニル基、エステル基、ラクトン基、アミド基、エーテル基、及びニトリル基よりなる群から選択される少なくとも1つの官能基を有する1価の有機基を表し、複数のR同士、R同士、及びR同士が異なっていてもよい。a、bはそれぞれ0、1、または2である。]
上記シロキサンポリマーAは、フェニル基を有する上記一般式(1)の繰り返し単位を含有するため、ArFレーザの193nmの波長に対する光吸収を良好にすることができるとともに、レジスト下層膜としたときの酸素系プラズマに対するエッチング耐性を向上させることができる。
上記シロキサンポリマーAは、上記一般式(1)で表される繰り返し単位を5質量%〜95質量%含有することが好ましい。この範囲内であれば、レジスト下層膜形成用組成物の光吸収機能を良好なものとし、レジスト下層膜としたときの酸素系プラズマに対するエッチング耐性を向上させることができるため好ましい。上記一般式(1)で表される繰り返し単位を10質量%〜50質量%含有する場合には、他の繰り返し単位とのバランスをとることもできるため、さらに好ましい。
また、上記シロキサンポリマーAは、上記一般式(2)で表される繰り返し単位を5質量%〜95質量%含有することが好ましい。この範囲内であれば、レジスト下層膜形成用組成物の光吸収機能を良好なものとし、レジスト下層膜としたときの酸素系プラズマに対するエッチング耐性を向上させることができるため好ましい。上記一般式(2)で表される繰り返し単位を10質量%〜50質量%含有する場合には、他の繰り返し単位とのバランスをとることもできるため、さらに好ましい。
上記一般式(1)、(2)において、a、bの値が0である場合には、ラダー骨格を形成でき、レジスト下層膜の硬化性を高められるので好ましい。R、Rが水素原子である場合には、シロキサンポリマーA中のSi含有率を高く維持できるため、レジスト下層膜の無機性を高めることができ、有機膜に対するエッチング選択性を大きくできるので好ましい。
フェニル基は嵩高い官能基であるため、上記一般式(1)中のRとしては、例えば、炭素数1〜5の直鎖・分岐状アルキル基、ヒドロキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基のような立体的に嵩高くない置換基が好ましい。R、R、Rがヒドロキシル基を含む場合には、上記一般式(1)で表される繰り返し単位と一般式(2)で表される繰り返し単位全体のうち、Rがヒドロキシル基である繰り返し単位、Rがヒドロキシル基である繰り返し単位、及びRがヒドロキシル基である繰り返し単位それぞれが40モル%以下であることが好ましい。これらの繰り返し単位を40モル%以下とすることにより、レジスト下層膜形成用組成物のゲル化を抑制することができる。また、上記シロキサンポリマーA全体に対しても、これらヒドロキシル基を有する繰り返し単位を40モル%以下とすることが同様の理由により好ましい。
また、上記一般式(1)及び(2)中のR、R、Rとして、例えば、架橋可能な1価の有機基が挙げられる。具体的には、エポキシ基やオキセタニル基を含有した有機基が挙げられる。架橋基があることにより、レジスト下層膜の硬化性を高めることができるため好ましい。
上記一般式(2)で表される繰り返し単位には、下記一般式(5)で表される繰り返し単位が含まれることが好ましい。
Figure 0005101904
[式(5)中、R13はそれぞれ独立して水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、または、ヒドロキシル基、ポリエーテル基、カルボニル基、エステル基、ラクトン基、アミド基、エーテル基、及びニトリル基よりなる群から選択される少なくとも1つの官能基を有する1価の有機基を表し、複数のR13同士が異なっていてもよい。hは0、1、または2である。]
上記一般式(5)で表されるような水素原子を含む繰り返し単位を含有することにより、シロキサンポリマーA中のSi含有率を高く維持できる。このため、レジスト下層膜の無機性を高めることができ、有機膜に対するエッチング選択性を大きくできる。また、Si−H結合は架橋サイトとして機能し、膜の硬化性を向上させることができると考えられる。
上記一般式(5)において、hが0である場合には、ラダー骨格を形成でき、レジスト下層膜の硬化性を高められるので好ましい。R13は上述のR、R、Rと同様であり、R13がヒドロキシル基を含む場合には、上記一般式(5)で表される繰り返し単位全体のうち、R13がヒドロキシル基である繰り返し単位の割合を40モル%以下とすることにより、レジスト下層膜形成用組成物のゲル化を防ぐことができるので好ましい。
上記一般式(5)で表される繰り返し単位は、上記シロキサンポリマーA中に5質量%〜95質量%の範囲内で含まれることが、Si含有率の観点から好ましい。10質量%〜70質量%の範囲内で含まれる場合には、他の繰り返し単位とのバランスがとれる観点からさらに好ましい。
また、上記の一般式(2)で表される繰り返し単位には、下記一般式(6)で表される繰り返し単位が含まれることが好ましい。
Figure 0005101904
[式(6)中、R14はそれぞれ独立して水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、または、ヒドロキシル基、ポリエーテル基、カルボニル基、エステル基、ラクトン基、アミド基、エーテル基、及びニトリル基よりなる群から選択される少なくとも1つの官能基を有する1価の有機基を表し、複数のR14同士が異なっていてもよい。iは0、1、または2である。]
メチル基は、水素原子の次にSi含有率を高く維持できる有機基なので好ましく用いられる。また、Si−H結合からなる樹脂は、アルカリ現像液に溶け易い性質を有するが、Si−Me結合からなる樹脂は、アルカリ現像液に溶け難い性質を有する。このため、上記シロキサンポリマーAが上記一般式(6)で表される繰り返し単位を含む場合には、レジスト膜をアルカリ現像する際、レジスト下層膜の耐アルカリ現像液性を向上させることができるので好ましい。従って、上記一般式(6)で表される繰り返し単位を含むシロキサンポリマーAを用いた場合には、十分な耐アルカリ現像液性を有し、レジスト層の現像時にレジスト下層膜が損傷するのを防ぐことができるため、エッチング後に得られる基板上のパターン形状を良好(矩形)にすることができる。
上記一般式(6)において、iが0である場合には、ラダー骨格を形成でき、レジスト下層膜の硬化性を高められるので好ましい。R14は上述のR、R、Rと同様であり、R14がヒドロキシル基を含む場合には、上記一般式(6)で表される繰り返し単位全体のうち、R14がヒドロキシル基である繰り返し単位の割合を40モル%以下とすることにより、レジスト下層膜形成用組成物のゲル化を防ぐことができるので好ましい。
上記一般式(6)で表される繰り返し単位は、上記シロキサンポリマーA中に5質量%〜95質量%の範囲内で含まれることが、Si含有率及び耐アルカリ現像液性の観点から好ましい。10質量%〜70質量%の範囲内で含まれる場合には、他の繰り返し単位とのバランスがとれる観点からさらに好ましい。
さらには、上記の一般式(2)で表される繰り返し単位には、下記一般式(7)で表される繰り返し単位が含まれることが好ましい。
Figure 0005101904
[式(7)中、R15は、水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、または、ヒドロキシル基、ポリエーテル基、カルボニル基、エステル基、ラクトン基、アミド基、エーテル基、及びニトリル基よりなる群から選択される少なくとも1つの官能基を有する1価の有機基を表し、複数のR15同士が異なっていてもよい。jは、0、1、または2である。R16aは、単結合または炭素数が1〜10の−O−で中断していてもよい炭化水素鎖であり、該炭化水素鎖は環骨格を有していてもよい。R16bは、炭素数が1〜5のアルキル基である。Esはエステル鎖を表す。]
シロキサンポリマーAの構成単位として、上記一般式(7)で表されるようなエステル基を有する繰り返し単位を用いることにより、レジスト下層膜とレジスト層との密着性を高めることができるため好ましい。上記一般式(7)中のエステル鎖は、−C(=O)O−、又は−O−C(=O)−で表される。
上記一般式(7)において、jが0である場合には、ラダー骨格を形成でき、レジスト下層膜の硬化性を高められるので好ましい。R15は上述のR、R、Rと同様であり、R15がヒドロキシル基を含む場合には、上記一般式(7)で表される繰り返し単位全体のうち、R15がヒドロキシル基である繰り返し単位の割合を40モル%以下とすることにより、レジスト下層膜形成用組成物のゲル化を防ぐことができるので好ましい。
上記一般式(7)で表される繰り返し単位は、上記シロキサンポリマーA中に1質量%〜95質量%の範囲内で含まれることが、密着性向上の観点から好ましい。5質量%〜20質量%の範囲内で含まれる場合には、他の繰り返し単位とのバランスがとれる観点からさらに好ましい。
上記シロキサンポリマーAは、質量平均分子量が500〜400,000であることが好ましい。シロキサンポリマーAの質量平均分子量を上記範囲内とすることにより、レジスト下層膜形成用組成物の成膜性、塗布性を向上させることができる。より好ましくは、500〜100,000であり、さらに好ましくは、700〜10,000である。
上記シロキサンポリマーAは、上記の各一般式で表される繰り返し単位を誘導し得る各モノマーを加水分解して縮重合させることにより得られる。加水分解反応時における水の量は、モノマー1モルあたり0.2モル〜10モルであることが好ましい。各モノマーとしては、各繰り返し単位を誘導し得るアルコキシシラン類またはクロロシラン類が好適に用いられる。また、縮重合の際には、金属キレート化合物や有機酸、無機酸、有機塩基、無機塩基等の従来公知の触媒を適宜添加してもよい。
上記金属キレート化合物としては、テトラアルコキシチタン、トリアルコキシモノ(アセチルアセトナート)チタン、テトラアルコキシジルコニウム、トリアルコキシモノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム等が挙げられる。有機酸としては、酢酸、プロピオン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、サリチル酸、安息香酸、ギ酸、マロン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸等が挙げられる。無機酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、スルホン酸、メチルスルホン酸、トシル酸、トリフルオロメタンスルホン酸等が挙げられる。有機塩基としては、ピリジン、ピロール、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、ピコリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルモノエタノールアミン、モノメチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジアザビシクロオクタン、ジアザビシクロノナン、ジアザビシクロウンデセン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等が挙げられる。無機塩基としては、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等が挙げられる。
シロキサンポリマーの繰り返し単位に、前述の架橋可能な1価の有機基を含む場合は、重合時に架橋反応が進行しないように、また、アルカリや金属の不純物を混入しないようにアンモニア、有機アミン類等の塩基性触媒を用いることが好ましい。なかでも、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシドを用いることが好ましい。また、架橋可能な1価の有機基として、エポキシ基やオキセタニル基が含まれている場合、それらを開環させないようにするには、系をpH7以上の雰囲気にすることが好ましい。これらの触媒は、1種或いは2種以上を併用することができる。
反応操作としては、まず、各モノマーを有機溶媒に溶解させ、水を添加し加水分解反応を開始させる。触媒は水に添加していても、有機溶媒中に添加しておいても良い。
反応時に用いる有機溶媒としては、水に難溶あるいは不溶のものが好ましい。具体的には、テトラヒドロフラン、トルエン、ヘキサン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、メチル−2−n−アミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル及びこれらの混合物等が好ましい。
次いで、触媒の中和反応を行い、有機溶媒層を分別して脱水する。水分の残存は、残存したシラノールの縮合反応を進行させてしまうためである。硫酸マグネシウム等の塩やモレキュラーシーブによる吸着法や、溶媒を除去しながらの共沸脱水法等、公知の脱水法が用いられる。
次いで、上記の水に難溶または不溶の有機溶媒を添加し、有機溶媒層を分別、水洗して加水分解縮合に使用した触媒を除去する。このとき、必要に応じて中和してもよい。最後に、分液した有機溶媒層を脱水することにより、上記シロキサンポリマーAが得られる。
<シロキサンポリマーB>
本発明に係るレジスト下層膜形成用組成物は、下記一般式(3)で表される繰り返し単位を有するシロキサンポリマーBを含有する。
Figure 0005101904
[式(3)中、Rは、水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、または、ヒドロキシル基、ポリエーテル基、カルボニル基、エステル基、ラクトン基、アミド基、エーテル基、及びニトリル基よりなる群から選択される少なくとも1つの官能基を有する1価の有機基を表し、複数のR同士が異なっていてもよい。cは、0、1、または2である。R5aは、単結合または炭素数が1〜10の炭化水素鎖であり、R5bは、炭素数が1〜5のアルキル基である。Esはエステル鎖を表す。]
上記シロキサンポリマーBの構成単位として、上記一般式(3)で表されるようなエステル基を有する繰り返し単位を用いることにより、レジスト下層膜とレジスト層との密着性を高めることができるため好ましい。上記一般式(3)中のエステル鎖は、−C(=O)O−、又は−O−C(=O)−で表される。
上記一般式(3)において、cが0である場合には、ラダー骨格を形成でき、レジスト下層膜の硬化性を高められるので好ましい。R5aは、環骨格を有していてもよい。Rは上述のR、R、Rと同様であり、Rがヒドロキシル基を含む場合には、上記一般式(3)で表される繰り返し単位全体のうち、Rがヒドロキシル基である繰り返し単位の割合を40モル%以下とすることにより、レジスト下層膜形成用組成物のゲル化を防ぐことができるので好ましい。
上記一般式(3)で表される繰り返し単位は、上記シロキサンポリマーB中に1質量%〜95質量%の範囲内で含まれることが、密着性向上の観点から好ましい。5質量%〜20質量%の範囲内で含まれる場合には、他の繰り返し単位とのバランスがとれる観点からさらに好ましい。
本発明に係るレジスト下層膜形成用組成物では、上記シロキサンポリマーBが下記一般式(4)で表される繰り返し単位をさらに有するシロキサンポリマーであることが好ましい。
Figure 0005101904
[式(4)中、Rは、それぞれ独立して水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、または、ヒドロキシル基、ポリエーテル基、カルボニル基、エステル基、ラクトン基、アミド基、エーテル基、及びニトリル基よりなる群から選択される少なくとも1つの官能基を有する1価の有機基を表し、複数のR同士が異なっていてもよい。eは、それぞれ0、1、または2である。Rは、ナフチル基、アントラセン基、またはフェナントレン基を表す。]
上記一般式(4)で表されるようなナフチル基、アントラセン基、フェナントレン基を有する繰り返し単位を有することで、レジスト層との良好なマッチングを得ることができる。これらの中でも、シロキサンポリマー成分のSi含有率を最も高くできるナフチル基が好ましい。Si含有率を高めることにより、レジスト下層膜の無機性を高め、有機膜に対するエッチング選択性を大きくできる。
上記一般式(4)において、eが0である場合には、ラダー骨格を形成でき、レジスト下層膜の硬化性を高められるので好ましい。Rは上述のR、R、Rと同様であり、Rがヒドロキシル基を含む場合には、上記一般式(4)で表される繰り返し単位全体のうち、Rがヒドロキシル基である繰り返し単位の割合を40モル%以下とすることにより、レジスト下層膜形成用組成物のゲル化を防ぐことができるので好ましい。
上記一般式(4)で表される繰り返し単位は、上記シロキサンポリマーB中に1質量%〜95質量%の範囲内で含まれることが、密着性向上の観点から好ましい。5質量%〜20質量%の範囲内で含まれる場合には、他の繰り返し単位とのバランスがとれる観点からさらに好ましい。
上記シロキサンポリマーBの質量平均分子量は、300〜8,000であることが好ましい。シロキサンポリマーBの質量平均分子量を上記範囲内とすることにより、レジスト下層膜形成用組成物の成膜性、塗布性を向上させることができる。より好ましくは、500〜1,500である。
シロキサンポリマーBは、シロキサンポリマーAと同様に、各繰り返し単位を誘導し得る各モノマーを加水分解させて重縮合することにより得られる。具体的な製造方法は上述の通りである。
上記シロキサンポリマーA100質量部に対する上記シロキサンポリマーBの含有量は、10質量部〜1,000質量部であることが好ましい。上記シロキサンポリマーBの含有量をこの範囲内とすることにより、レジスト組成物との密着性を向上させることができる。好ましくは、30質量部〜500質量部であり、さらに好ましくは、50質量部〜200質量部である。
<溶剤>
本発明に係るレジスト下層膜形成用組成物は、溶剤を含有していてもよい。溶剤の種類は特に限定されず、従来公知の溶剤を用いることができる。具体的には、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等の一価アルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール等のアルコール類や、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のアルコールのモノエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル(EL)等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロアルキルケトン、メチルイソアミルケトン等のケトン類、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル(PGDM)、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のアルコールの水酸基を全てアルキルエーテル化させたアルコールエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)等のグリコールエーテルエステル類等が挙げられる。
上記溶剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。溶剤の使用量としては、シロキサンポリマー成分の質量の1〜100倍量が好ましい。溶剤の合計使用量をこの範囲内とすることにより、レジスト下層膜形成用組成物の塗布性を向上させることができる。より好ましくは、2〜20倍量である。
<架橋剤>
本発明に係るレジスト下層膜形成用組成物は、架橋剤を含有していてもよい。架橋剤を含有させることにより、レジスト下層膜の成膜性をより向上させることができる。架橋剤の種類としては特に限定されず、従来公知の架橋剤を用いることができる。具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のエポキシ化合物等が挙げられる。また、ジビニルベンゼン、ジビニルスルホン、トリアクリルホルマール、グリオキザールや多価アルコールのアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル等を用いることもできる。さらには、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、グリコールウリルのアミノ基の少なくとも2つがメチロール基または低級アルコキシメチル基で置換された、2個以上の反応性基を有する化合物等を用いることができる。
メラミンのアミノ基の少なくとも2つがメチロール基または低級アルコキシメチル基で置換された化合物としては、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンの1個〜6個がメトキシメチル化された化合物及びその混合物、ヘキサメトキシエチルメラミン、ヘキサアシロキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1個〜5個がアシロキシメチル化された化合物またはその混合物等が挙げられる。
尿素のアミノ基の少なくとも2つがメチロール基または低級アルコキシメチル基で置換された化合物としては、テトラメチロールウレア、テトラメトキシメチルウレア、テトラメトキシエチルウレア、テトラメチロールウレアの1個〜4個のメチロール基がメトキシメチル基化された化合物またはその混合物等が挙げられる。
ベンゾグアナミンのアミノ基の少なくとも2つがメチロール基または低級アルコキシメチル基で置換された化合物としては、テトラメチロールグアナミン、テトラメトキシメチルグアナミン、テトラメチロールグアナミンの1個〜4個のメチロール基がメトキシメチル化された化合物またはその混合物、テトラメトキシエチルグアナミン、テトラアシロキシグアナミン、テトラメチロールグアナミンの1個〜4個のメチロール基がアシロキシメチル化された化合物またはその混合物等が挙げられる。
グリコールウリルのアミノ基の少なくとも2つがメチロール基または低級アルコキシメチル基で置換された化合物としては、テトラメチロールグリコールウリル、テトラメトキシグリコールウリル、テトラメトキシメチルグリコールウリル、テトラメチロールグリコールウリルのメチロール基の1個〜4個がメトキシメチル基化された化合物またはその混合物、テトラメチロールグリコールウリルのメチロール基の1個〜4個がアシロキシメチル化された化合物またはその混合物が挙げられる。
上記架橋剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。架橋剤の使用量としては、シロキサンポリマーAとBの合計100質量部に対して、0.1質量部〜50質量部が好ましい。より好ましくは、0.5質量部〜40質量部である。
<酸発生剤>
本発明に係るレジスト下層膜形成用組成物は、酸発生剤を含有していてもよい。酸発生剤の種類としては特に限定されず、従来公知の酸発生剤を用いることができる。具体的には、オニウム塩、ジアゾメタン誘導体、グリオキシム誘導体、ビススルホン誘導体、β−ケトスルホン誘導体、ジスルホン誘導体、ニトロベンジルスルホネート誘導体、スルホン酸エステル誘導体、N−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル誘導体等を用いることができる。
オニウム塩としては、トリフロオロメタンスルホン酸テトラメチルアンモニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸テトラメチルアンモニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸テトラn−ブチルアンモニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸テトラフェニルアンモニウム、p−トルエンスルホン酸テトラメチルアンモニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジフェニルヨードニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルヨードニウム、p−トルエンスルホン酸ジフェニルヨードニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルヨードニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ビス(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ビス(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、ブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリメチルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジメチルフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ジメチルフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジシクロヘキシルフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ジシクロヘキシルフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリナフチルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(2−ノルボニル)メチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、エチレンビス[メチル(2−オキソシクロペンチル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホナート]、1,2’−ナフチルカルボニルメチルテトラヒドロチオフェニウムトリフレート等が挙げられる。
ジアゾメタン誘導体としては、ビス(ベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(キシレンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロペンチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−プロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−アミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソアミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−アミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−アミルスルホニル)ジアゾメタン、1−シクロヘキシルスルホニル−1−(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、1−シクロヘキシルスルホニル−1−(tert−アミルスルホニル)ジアゾメタン、1−tert−アミルスルホニル−1−(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン等が挙げられる。
グリオキシム誘導体としては、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−2−メチル−3,4−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−2−メチル−3,4−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(メタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(トリフルオロメタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(1,1,1−トリフルオロエタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(tert−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(パーフルオロオクタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(シクロヘキサンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(ベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−フルオロベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(キシレンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(カンファースルホニル)−α−ジメチルグリオキシム等が挙げられる。
ビススルホン誘導体としては、ビスナフチルスルホニルメタン、ビストリフルオロメチルスルホニルメタン、ビスメチルスルホニルメタン、ビスエチルスルホニルメタン、ビスプロピルスルホニルメタン、ビスイソプロピルスルホニルメタン、ビス−p−トルエンスルホニルメタン、ビスベンゼンスルホニルメタン等が挙げられる。
β−ケトスルホン誘導体としては、2−シクロヘキシルカルボニル−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン、2−イソプロピルカルボニル−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン等が挙げられる。
ジスルホン誘導体としては、ジフェニルジスルホン誘導体、ジシクロヘキシルジスルホン誘導体等のジスルホン誘導体等が挙げられる。
ニトロベンジルスルホネート誘導体としては、p−トルエンスルホン酸2,6−ジニトロベンジル、p−トルエンスルホン酸2,4−ジニトロベンジル等のニトロベンジルスルホネート誘導体等が挙げられる。
スルホン酸エステル誘導体としては、1,2,3−トリス(メタンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(p−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼン等のスルホン酸エステル誘導体等が挙げられる。
N−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル誘導体としては、N−ヒドロキシスクシンイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドエタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−プロパンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド2−プロパンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−ペンタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−オクタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドp−トルエンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドp−メトキシベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド2−クロロエタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−ナフタレンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド2−ナフタレンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−2−フェニルスクシンイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシマレイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシマレイミドエタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−2−フェニルマレイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシグルタルイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシグルタルイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドp−トルエンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドp−トルエンスルホン酸エステル等が挙げられる。
上記酸発生剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。酸発生剤の使用量としては、シロキサンポリマーAとBの合計100質量部に対して、0.1質量部〜50質量部が好ましい。酸発生剤の合計使用量をこの範囲内とすることにより、垂直性のよいレジストパターンを形成できる。より好ましくは、0.5質量部〜40質量部である。
<第4級アンモニウム化合物>
本発明に係るレジスト下層膜形成用組成物は、さらに、第4級アンモニウム化合物を含有すると好ましい。第4級アンモニウム化合物を配合すると、レジスト下層膜上に形成するレジスト層の膜減りを防ぐことができ、形成されるレジストパターンの形状も良好になるので好ましい。第4級アンモニウム化合物としては、具体的には、下記の一般式(8)で示される第4級アンモニウム化合物であることが好ましい。
Figure 0005101904
[式(8)中、Ra〜Rdは、それぞれ独立して炭化水素基であり、Xはカウンターアニオンである。]
Ra〜Rdの「炭化水素基」としては、直鎖状、分岐状、あるいは環状の飽和又は不飽和の炭化水素基が挙げられる。なお、これらは置換基を有していてもよい。直鎖、分岐状の炭化水素基としては、例えば、メチル基、メチレン基、エチル基、エチレン基、プロピル基、プロピレン基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、イソプロピレン基、第二ブチル基、第三ブチル基、アミル基、イソアミル基、第三アミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、第三オクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基等が挙げられる。
環状の炭化水素基としては、環状アルキル基又はアリール基が挙げられる。環状アルキル基としては、シクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が挙げられる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基等が挙げられる。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、トリル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基等が挙げられる。
また、上記置換基としては、例えば、OH基、炭素数1〜3のアルコキシ基等が挙げられる。
中でも、Ra〜Rdの総炭素数が、10以上であるものが好ましい。上記のように総炭素数を10以上とすることにより、レジスト下層膜上に形成されたレジストパターンの裾引きを低減するとともに、パターン形状を改善することができる。また、Ra〜Rdの少なくとも1つが炭素数8以上の炭化水素基であることが好ましい。これにより、レジスト下層膜上に形成されたレジストパターンの裾引きをより一層低減することができる。また、上記Ra〜Rdの総炭素数は、25以下であるものが好ましい。これにより、裾引きをより一層低減することができる。
カウンターアニオンのXとしては、OH、Cl、Br、F、アルキルカルボン酸アニオン、アリールカルボン酸アニオン、アラルキルカルボン酸アニオン等であることが好ましい。
また、第4級アンモニウム化合物の添加量は、シロキサンポリマーAとBの合計100質量部に対して、0.01質量部〜10質量部であると、レジスト下層膜上に形成するレジスト層の膜減りを防ぐことができ、形成されるレジストパターンの形状も良好になるので好ましい。0.1質量部〜5質量部であることがより好ましく、0.1質量部〜3質量部であることが最も好ましい。
<有機酸>
本発明に係るレジスト下層膜形成用組成物は、さらに、有機酸を含有することが好ましい。この有機酸を添加することによって、第4級アンモニウム化合物の添加によるレジスト下層膜形成用組成物の経時劣化を防止することができる。
有機酸としては、有機カルボン酸、有機ホスホン酸、有機スルホン酸等が挙げられる。前記有機カルボン酸としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸などの脂肪族モノカルボン酸類;オレイン酸、リノール酸等の不飽和脂肪族モノカルボン酸類;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸などの脂肪族ジカルボン酸類;乳酸、グルコン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等のオキシカルボン酸類;安息香酸、マンデル酸、サリチル酸、フタル酸等の芳香族カルボン酸類が、挙げられる。これらの有機酸としては、マロン酸が特に好ましい。
また、有機酸の添加量は、シロキサンポリマーAとBの合計100質量部に対して、0.01質量部〜10質量部であることが好ましい。添加量を0.01質量部以上にすることにより、レジスト下層膜形成用組成物の経時安定性をより向上させることができる。また、添加量を10質量部以下にすることにより、上記第4級アンモニウム成分に対する阻害を抑制することができる。
また、この有機酸成分と上記第4級アンモニウム化合物との質量比は、100:20〜100:60の範囲であることが好ましく、100:30〜100:50の範囲であることがより好ましい。この質量比の範囲にすることにより、レジスト下層膜上に形成されたレジストパターンの裾引きを低減し、パターン形状を改善するとともに、レジスト下層膜用組成物の経時安定性をより一層向上させることができる。
本発明に係るレジスト下層膜形成用組成物は、シロキサンポリマーA及びBに、上記の溶剤、架橋剤、酸発生剤、第4級アンモニウム化合物、有機酸等を必要に応じて混合することにより得られる。得られたレジスト下層膜形成用組成物は、フィルター等で濾過することが好ましい。
<レジスト下層膜>
本発明に係るレジスト下層膜は、上記レジスト下層膜形成用組成物を用いて形成される。具体的には、基板等の被加工物上(好ましくは、基板上に形成された有機系ボトムレイヤー上)に、スピンコーターやスリットノズルコーター等を用いて上記レジスト下層膜形成用組成物を塗布した後、加熱乾燥することにより得られる。加熱は、一段階の加熱法または多段階の加熱法が採用される。多段階の加熱法としては、例えば、100℃〜120℃下で60秒〜120秒間加熱した後、200℃〜250℃下で60秒〜120秒間加熱することが好ましい。このようにして形成された本発明に係るレジスト下層膜の厚さは、好ましくは15nm〜200nmである。
本発明に係るレジスト下層膜は、3層レジストプロセスのような多層レジストプロセスの中間層として用いられるのが好ましい。本発明に係るレジスト下層膜を用いたパターン形成方法の一例について、図面を参照しながら以下に説明する。
図1(a)に示すように、従来公知の有機系ボトムレイヤー形成用組成物をスピンコート法等により基板20上に塗布し、所定の温度でベークして有機系ボトムレイヤー26を形成する。次いで、この有機系ボトムレイヤー26上に、本発明に係るレジスト下層膜形成用組成物をスピンコート法等により塗布し、所定の温度でベークしてレジスト下層膜22を形成する。次いで、従来公知のレジスト組成物を上記と同様にスピンコート法等により塗布し、所定の温度でプリベークを行い(好ましくは、150℃〜300℃下で30秒〜300秒)、レジスト膜24(好ましくは、膜厚が100nm〜300nm)を形成する。
次いで、図1(b)に示されるように、露光により所定のパターンが形成されたレジスト膜24をマスクとして、レジスト下層膜22のエッチングを行い、レジストパターンをレジスト下層膜22に転写する。さらに、図1(c)に示されるように、レジスト膜24及びレジスト下層膜22をマスクとして、有機系ボトムレイヤー26のエッチングを行い、レジストパターンを有機系ボトムレイヤー26に転写する。なお、エッチングの際には、レジスト膜24も同時にエッチング除去されてもよい。最後に、図1(d)に示されるように、上記と同様の方法でエッチングを行い、基板20に所定のパターンを形成する。
有機系ボトムレイヤー26は、基板20をエッチングするときのマスクとして作用するので、エッチング耐性が高いことが望ましい。また、上層のレジスト下層膜22とミキシングしないことが求められるため、スピンコート等で塗布した後に熱あるいは酸によって架橋することが望ましい。具体的には、クレゾールノボラック、ナフトールノボラック、カトールジシクロペンタジエンノボラック、アモルファスカーボン、ポリヒドロキシスチレン、(メタ)アクリレート、ポリイミド、ポリスルフォン等の樹脂を用いることが好ましい。
また、レジスト膜24の形成に用いるレジスト組成物としては、例えば、ベース樹脂と有機溶媒と酸発生剤との混合物のような従来公知のものを用いることができる。ベース樹脂としては、ポリヒドロキシスチレン及びその誘導体、ポリアクリル酸及びその誘導体、ポリメタクリル酸及びその誘導体、ヒドロキシスチレンとアクリル酸とメタクリル酸とそれらの誘導体から選択される共重合体、シクロオレフィン及びその誘導体とマレイミドとアクリル酸及びその誘導体から選択される3種以上の共重合体、ポリノルボルネン、及びメタセシス開環重合体よりなる群から選択される1種以上の高分子重合体が挙げられる。なお、ここでいう誘導体は、アクリル酸誘導体にはアクリル酸エステル等、メタクリル酸誘導体にはメタクリル酸エステル等、ヒドロキシスチレン誘導体にはアルコキシスチレン等が含まれるように、主要な骨格が誘導後に残存しているものを意味する。
また、KrFエキシマレーザ用のレジスト組成物としては、ポリヒドロキシスチレン、ヒドロキシスチレン、スチレンのいずれか1種と、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、マレイミドNカルボン酸エステルのいずれか1種との共重合体が挙げられる。また、ArFエキシマレーザ用のレジスト組成物としては、アクリル酸エステル系、メタクリル酸エステル系、ノルボルネンと無水マレイン酸との交互共重合系、テトラシクロドデセンと無水マレイン酸との交互共重合系、ポリノルボルネン系、開環重合によるメタセシス重合系が挙げられるが、これらの重合系ポリマーに限定されることはない。
以下、本発明の実施例について詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
[シロキサンポリマーA−1]
シロキサンポリマーA−1は、次のような手順に従って合成した。120gのPGMEAに、フェニルトリクロロシランを13.2g(0.0625モル)、トリクロロシランを10.2g(0.075モル)、メチルトリクロロシランを14.9g(0.1モル)、アセトキシエチルトリクロロシランを2.8g(0.0125モル)、添加して混合したものを窒素化で反応させた。反応後、その溶液に、200gのPGMEAと10g(0.555モル)の水の混合溶液を1時間かけて加えた。さらに20℃で1時間、攪拌させた。樹脂溶液は、40℃に設定したロータリーエバポレータで約10wt%に濃縮させた。約40gのエタノールをその樹脂溶液に加えた。再び、その溶液を約20wt%に揮散させた。さらに反応容器を換え、PGMEAを加えて10wt%に希釈した。その溶液を、0.2ミクロンのPTFEフィルターでろ過した。以上の工程により、シロキサンポリマーAを得た。このシロキサンポリマーAの分子量をGPC測定により求めたところ、ポリスチレン換算の質量平均分子量は9,700であった。
上記シロキサンポリマーA−1は、下記式(9)に表されるような繰り返し単位を有するシロキサンポリマーA−1である。
Figure 0005101904
(9)
[式(9)中、Rは、−(CH−OC(O)Meであり、カッコの外にある数字の単位はモル%である。]
[シロキサンポリマーB−1]
(1−ナフチルシルセスキオキサン・メチルシルセスキオキサン・5−メトキシカルボニルノルボルナン−2(または3)−イルシルセスキオキサン共重合体の合成)
シロキサンポリマーBとして、シロキサンポリマーB−1を用いた。具体的には、シロキサンポリマーB−1は、次のような手順に従って合成した。撹拌機、環流冷却器、滴下ろう斗、及び温度計を備えた1L容の4つ口フラスコに、水97.1gと35%塩酸水溶液9.1gを仕込み、1−ナフチルトリメトキシシラン108.5g(0.437モル)とメチルトリメトキシシラン35.7g(0.262モル)と5−メトキシカルボニルノルボルナン−2(または3)−イルトリメトキシシラン50.3g(0.175モル)のトルエン252.2g溶液を、反応温度10〜20℃で滴下し、実施例1に記載の方法で抽出してトルエン油層を回収した。得られた油層をエバポレーターで溶媒を除去し、白色粉末である1−ナフチルシルセスキオキサン・メチルシルセスキオキサン・5−メトキシカルボニルノルボルナン−2(または3)−イルシルセスキオキサン共重合体を152.4g得た。以上の工程により得られたシロキサンポリマーBの分子量をGPC測定により求めたところ、ポリスチレン換算の質量平均分子量は900であり、分散度は1.1であった。
[レジスト下層膜形成用組成物の調製]
シロキサンポリマーA−1を50質量部、シロキサンポリマーB−1を50質量部、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムアセテートを0.3質量部、およびマロン酸を0.75質量部を採取し、溶剤のPGMEA/EL=6/4(質量比)で、シロキサンポリマーA−1とシロキサンポリマーB−2とを合わせたポリマー固形分濃度が2.5質量%となるように調整し、レジスト下層膜形成用組成物を調製した。
本実施例のレジスト下層膜形成用組成物における固形分中のSi濃度は、27.3質量%であった(配合から算出)。この値は形成されるレジスト下層膜中のSi濃度と同等とみなすことができる。なお、このレジスト下層膜形成用組成物を用いて形成したレジスト下層膜の193nmにおける屈折率(n値)は1.50、消衰係数(k値)は0.15、248nmにおける屈折率(n値)は1.671、消衰係数(k値)は0.023であった。
[パターン形成]
シリコンウェハ上に慣用のレジストコーターを用いて有機系ボトムレイヤー形成用組成物を塗布し、250℃下で90秒間の加熱処理を行うことにより、厚さ300nmの有機系ボトムレイヤーを形成した。有機系ボトムレイヤー形成用組成物は、1−アダマンチルメタクリレートから誘導される構成単位とp−ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位との含有比率がモル比で60:40の共重合体(Mw=6000)100質量部、グリコールウリル系架橋剤(製品名:ニカラックMX270、三和ケミカル社製)20質量部、界面活性剤(製品名:XR104、大日本インキ化学社製)0.05質量部、添加剤(製品名:キャタリスト602、日本サイテック社製)1.0質量、溶剤のPGMEA/EL=6/4で固形分濃度が14.3質量%となるように調製した。
次いで、この有機系ボトムレイヤー上に、上記レジスト下層膜形成用組成物を塗布し、250℃下で90秒間の加熱処理を行うことにより、厚さ50nmのレジスト下層膜を形成した。さらに、このレジスト下層膜上に、レジスト組成物を塗布してレジスト膜を形成し、ArFエキシマレーザによる露光、現像後、エッチングすることにより、パターン形成を行った。
なお、レジスト組成物としては、以下の各成分を、溶剤:PGMEA/EL=60/40(質量比)で固形分濃度6.3質量%に調製したものを用いた。具体的には、樹脂:下記式(10)で表されるユニット(C1:C2:C3=30:50:20(モル比)、分子量10,000)を有する樹脂を100質量部、
Figure 0005101904
酸発生剤:下記式(11)の化合物を13質量部、
Figure 0005101904
酸失活剤:トリ−n−ペンチルアミンを0.54質量部、添加剤:γ−ブチロラクトンを10質量部、サリチル酸を1.32質量部、界面活性剤(製品名:XR104、大日本インキ化学社製)0.10質量部含有するレジスト組成物を用いた。
<比較例1>
[シロキサンポリマーB´−1]
撹拌機、環流冷却器、滴下ろう斗、及び温度計を備えた1L容の4つ口フラスコに、水97.1gと35%塩酸水溶液9.1gを仕込み、1−ナフチルトリメトキシシラン108.5g(0.437モル)とメチルトリメトキシシラン59.5g(0.437モル)のトルエン252.2g溶液を反応温度10〜20℃で滴下した。滴下終了後、同温度で2時間熟成後に、反応溶液をGC分析することにより原料が全て無くなっていることを確認した。確認後、静置後分液を行い、油層を回収した。次いで5%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、さらに水で洗浄し、最後にトルエン油層を回収した。得られた油層をエバポレーターで溶媒を除去し、白色粉末である1−ナフチルシルセスキオキサン・メチルシルセスキオキサン共重合体(シロキサンポリマーB´−1)を117.2g得た。以上の工程により得られたシロキサンポリマーBの分子量をGPC測定により求めたところ、ポリスチレン換算の質量平均分子量は1,000であり、分散度は1.2であった。
[レジスト下層膜形成用組成物の調製]
シロキサンポリマーA−1を50質量部、シロキサンポリマーB´−1を50質量部、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムアセテートを0.3質量部、およびマロン酸を0.75質量部採取し、溶剤のPGMEA/EL=6/4(質量比)で、シロキサンポリマーA−1とシロキサンポリマーB´−1とを合わせたポリマー固形分濃度が2.5質量%となるように調整し、レジスト下層膜形成用組成物を調製した。
本比較例のレジスト下層膜形成用組成物における固形分中のSi濃度は、30質量%であった(配合から算出)。この値は形成されるレジスト下層膜中のSi濃度と同等とみなすことができる。なお、このレジスト下層膜形成用組成物を用いて形成したレジスト下層膜の193nmにおける屈折率(n値)は1.50、消衰係数(k値)は0.15、248nmにおける屈折率(n値)は1.66、消衰係数(k値)は0.034であった。
[パターン形成]
実施例1と同様の手順によりパターン形成を行った。
<評価>
実施例1及び比較例1で形成されたパターンについて、パターン倒れの比較評価を行った。評価は、パターン倒れの状態を、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて拡大観察することにより行った。その結果、実施例1ではパターン倒れは見られなかったのに対して、比較例1ではパターン倒れが認められた。この結果から、本実施例では、レジスト層とレジスト下層膜との密着性が良好であり、レジストパターンの倒れマージンが向上したことが確認された。
本発明に係るレジスト下層膜形成用組成物を用いたパターン形成を説明するための図である。
符号の説明
20 基板
22 レジスト下層膜
24 レジスト膜
26 有機系ボトムレイヤー

Claims (9)

  1. 下記一般式(1)で表される繰り返し単位及び下記一般式(2)で表される繰り返し単位を有するシロキサンポリマーAと、下記一般式(3)で表される繰り返し単位及び下記一般式(4)で表される繰り返し単位を有するシロキサンポリマーBと、を含有することを特徴とするレジスト下層膜形成用組成物。
    Figure 0005101904
    [式(1)及び(2)中、Phはフェニル基を表す。R、R、Rは、それぞれ独立して水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、または、ヒドロキシル基、ポリエーテル基、カルボニル基、エステル基、ラクトン基、アミド基、エーテル基、及びニトリル基よりなる群から選択される少なくとも1つの官能基を有する1価の有機基を表し、複数のR同士、R同士、及びR同士が異なっていてもよい。a、bはそれぞれ0、1、または2である。]
    Figure 0005101904
    [式(3)中、Rは、水素原子、アルキル基、または、ヒドロキシル基、ポリエーテル基、カルボニル基、エステル基、ラクトン基、アミド基、エーテル基、及びニトリル基よりなる群から選択される少なくとも1つの官能基を有する1価の有機基を表し、複数のR同士が異なっていてもよい。cは、0、1、または2である。R5aは、単結合または炭素数が1〜10の炭化水素鎖であり、R5bは、炭素数が1〜5のアルキル基である。Esはエステル鎖を表す。]
    Figure 0005101904
    [式(4)中、R は、それぞれ独立して水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、または、ヒドロキシル基、ポリエーテル基、カルボニル基、エステル基、ラクトン基、アミド基、エーテル基、及びニトリル基よりなる群から選択される少なくとも1つの官能基を有する1価の有機基を表し、複数のR 同士が異なっていてもよい。eは、それぞれ0、1、または2である。R は、ナフチル基、アントラセン基、またはフェナントレン基を表す。]
  2. 前記シロキサンポリマーAは、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を5質量%〜95質量%、前記一般式(2)で表される繰り返し単位を5質量%〜95質量%含むことを特徴とする請求項1に記載のレジスト下層膜形成用組成物。
  3. 前記一般式(2)で表される繰り返し単位が下記一般式(5)で表される繰り返し単位を含むことを特徴とする請求項1または2記載のレジスト下層膜形成用組成物。
    Figure 0005101904
    [式(5)中、R13はそれぞれ独立して水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、または、ヒドロキシル基、ポリエーテル基、カルボニル基、エステル基、ラクトン基、アミド基、エーテル基、及びニトリル基よりなる群から選択される少なくとも1つの官能基を有する1価の有機基を表し、複数のR13同士が異なっていてもよい。hは0、1、または2である。]
  4. 前記一般式(2)で表される繰り返し単位が下記一般式(6)で表される繰り返し単位を含むことを特徴とする請求項1からいずれか記載のレジスト下層膜形成用組成物。
    Figure 0005101904
    [式(6)中、R14はそれぞれ独立して水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、または、ヒドロキシル基、ポリエーテル基、カルボニル基、エステル基、ラクトン基、アミド基、エーテル基、及びニトリル基よりなる群から選択される少なくとも1つの官能基を有する1価の有機基を表し、複数のR14同士が異なっていてもよい。iは0、1、または2である。]
  5. 前記一般式(2)で表される繰り返し単位が下記一般式(7)で表される繰り返し単位を含むことを特徴とする請求項1からいずれか記載のレジスト下層膜形成用組成物。
    Figure 0005101904
    [式(7)中、R15は、水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、または、ヒドロキシル基、ポリエーテル基、カルボニル基、エステル基、ラクトン基、アミド基、エーテル基、及びニトリル基よりなる群から選択される少なくとも1つの官能基を有する1価の有機基を表し、複数のR15同士が異なっていてもよい。jは、0、1、または2である。R16aは、単結合または炭素数が1〜10の−O−で中断していてもよい炭化水素鎖であり、該炭化水素鎖は環骨格を有していてもよい。R16bは、炭素数が1〜5のアルキル基である。Esはエステル鎖を表す。]
  6. 前記シロキサンポリマーBの含有量は、前記シロキサンポリマーA100質量部に対して10質量部〜1,000質量部であることを特徴とする請求項1からいずれか記載のレジスト下層膜形成用組成物。
  7. 前記シロキサンポリマーAの質量平均分子量は、500〜400,000であることを特徴とする請求項1からいずれか記載のレジスト下層膜形成用組成物。
  8. 前記シロキサンポリマーBの質量平均分子量は、300〜8,000であることを特徴とする請求項1からいずれか記載のレジスト下層膜形成用組成物。
  9. 請求項1からいずれか記載のレジスト下層膜形成用組成物を塗布し、所定の温度でベークすることにより形成されたレジスト下層膜。
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