JP4563927B2 - 基板及びその製造方法、並びにそれを用いたパターン形成方法 - Google Patents

基板及びその製造方法、並びにそれを用いたパターン形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体素子などの製造工程における微細加工プロセス、特にKrFエキシマレーザー光(248nm)、ArFエキシマレーザー光(193nm)、F2レーザー光(157nm)、電子線、X線などの高エネルギー線を露光光源として用いて薄膜のフォトレジスト膜により、より微細なパターン形成を可能とする多層レジスト法に関する。さらに詳しくは、このような多層レジスト法で用いる、少なくとも、有機膜の上に、反射防止用ケイ素樹脂膜、その上にフォトレジスト膜を順次形成した基板、及びその製造方法、並びにそれを用いたパターン形成方法に関する。
LSIの高集積化と高速度化に伴い、パターン寸法の微細化が急速に進んでいる。リソグラフィー技術は、この微細化に併せ、光源の短波長化とそれに対するフォトレジスト膜材料の適切な選択により、微細パターンの形成を達成してきた。その中心となったのは単層で使用するポジ型のフォトレジスト膜材料である。この単層ポジ型フォトレジスト膜材料は、塩素系あるいはフッ素系のガスプラズマによるエッチングに対しエッチング耐性を持つ骨格をフォトレジスト膜材料の樹脂中に持たせ、かつ露光部が溶解するようなレジスト機構を持たせることによって、露光部を溶解させてパターンを形成し、レジストパターンが形成されたフォトレジスト膜をエッチングマスクとしてフォトレジスト膜材料を塗布した基板をエッチング加工するものである。
ところが、使用するフォトレジスト膜の膜厚をそのままでパターンを微細化、即ちパターン幅をより小さくした場合、フォトレジスト膜の解像性能が低下し、また現像液によりフォトレジスト膜をパターン現像しようとすると、いわゆるアスペクト比が大きくなりすぎ、結果としてパターン崩壊が起こってしまう。このためパターンの微細化に伴いフォトレジスト膜の膜厚は薄膜化されてきた。一方、露光波長の短波長化によりフォトレジスト膜材料に使用する樹脂は、露光波長における光吸収の小さな樹脂が求められたため、i線、KrF、ArFへの変化に対し、ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン、アクリル系樹脂と変化してきており、現実的には上記エッチング条件に対するエッチング速度は速いものになってきてしまっている。このことから、より薄くよりエッチング耐性の弱いレジスト膜で被加工基板をエッチングしなければならないことになり、フォトレジスト膜のエッチング耐性の確保は急務になってきている。
一方、被加工基板を加工するエッチング条件に対しては、エッチング耐性が弱いが、微細パターンが形成できるフォトレジスト膜と、被加工基板を加工するためのエッチング耐性を持ち、かつフォトレジスト膜が耐性を持つ条件でパターン形成可能な下層膜を使用して、レジストパターンを一旦下層膜に転写し、更にパターン転写された下層膜をエッチングマスクとして被加工基板をエッチング加工する方法、いわゆる多層レジスト法の一つである2層レジスト法が以前より開発されてきている。代表的な方法としては、フォトレジスト膜にケイ素が含有されている樹脂を使用し、下層膜に芳香族系の樹脂を使う方法がある。この方法によれば、ケイ素を含有する樹脂を含むフォトレジスト膜にレジストパターンを形成した後、酸素−反応性イオンエッチングを行うと、ケイ素樹脂は酸素プラズマにエッチング耐性の高い酸化ケイ素となり、同時に芳香族系の樹脂は酸化ケイ素のエッチングマスクがない所では容易にエッチング除去されて、ケイ素樹脂のレジストパターンが芳香族系の樹脂を含む下層膜に転写される。この芳香族系樹脂は、単層レジスト膜の場合と異なり、光の透過性は全く求められないため、フッ素系、あるいは塩素系ガスプラズマにエッチング耐性の高いものが広く使用できる。更にこの芳香族系樹脂を含む下層膜をエッチングマスクとすることによって基板をフッ素系、あるいは塩素系ガスプラズマによりエッチング加工できる。
上記2層レジスト法に加え、単層レジスト法に使用する一般的なフォトレジスト膜材料を用いて行なうことができる3層レジスト法も知られている。3層レジスト法では、一般に、2層レジスト法の下層膜に使用され基板に対し十分なエッチング耐性を持つ芳香族系の樹脂を含む有機膜上に、ケイ素を含有する中間層膜を入れ、その上にフォトレジスト膜を形成する。この3つの層にパターンを形成するには、先ず、フォトレジスト膜にリソグラフィーによりレジストパターン形成する。次に、フォトレジスト膜とケイ素含有中間層膜との間でエッチング選択比を大きくとることができるフッ素系ガスプラズマにより、フォトレジスト膜をエッチングマスクとしてケイ素含有中間層膜にパターンを形成する。そして、ここで得たパターンに対し、さらに酸素−反応性イオンエッチングを行うと、パターンが形成されたケイ素含有中間層膜がエッチングマスクとなり、基板上の芳香族系の樹脂を含む有機膜をエッチング加工することができる。この様にして3層レジスト法では、エッチング条件を組み合せることで、基板上に、基板加工時に十分なエッチング耐性を持つエッチングマスクパターンを形成することができる。
上記3層レジスト法で使用するケイ素含有中間層膜には、大別すると、SOG膜あるいは反射防止用ケイ素樹脂膜を含む有機系ケイ素含有膜材料から形成した有機系ケイ素含有膜と、プラズマCVD法等により形成した酸化ケイ素膜、窒化ケイ素膜あるいは酸化窒化ケイ素膜のような無機系ケイ素含有膜に分けられる。
このうち、無機系ケイ素含有膜は、高密度プラズマCVD法により無機系ケイ素含有膜を形成した場合、膜質が緻密なものが得られることから、中間層膜の下層である有機膜のドライエッチングにおいて、イオン衝撃耐性に優れ、膜ベリや後退がなく、設計ルールに忠実な有機膜パターンが得られるとされている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この場合、高価なCVD用装置を導入する必要があり、また、CVD用装置を設置するのに広い面積が必要となるため、コスト面に問題がある。
そこで、スピンコート法等で形成することができ、CVD用装置などの特別な装置を必要としない有機系ケイ素含有膜が注目されている。このうち、反射防止用ケイ素樹脂膜は、光学的に反射を抑える機能を有し、保存安定性に優れることから、特に注目され、その開発が進められている(例えば、特許文献2参照)。
ここで、より精度の高いパターンを基板に形成するために、中間層膜には、上層のフォトレジスト膜に形成するレジストパターンの形状を良好に保つことができ、すなわち、レジストコンパティビリティに優れ、かつ、下層有機膜のエッチングの際にエッチング耐性に優れたものであることも求められる。従来、優れたレジストコンパティビリティと有機膜エッチング時の高いエッチング耐性の両方を兼ね備えた反射防止用ケイ素樹脂膜は存在せず、その開発が待たれていた。
特開平7−183194号公報 特開2005−15779号公報
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、少なくとも、有機膜の上に、反射防止用ケイ素樹脂膜、その上にフォトレジスト膜を順次形成した基板であって、反射防止用ケイ素樹脂膜が、優れたレジストコンパティビリティと有機膜エッチング時の高いエッチング耐性の両方を兼ね備えており、このため、より高い精度でパターンを形成することができる基板およびそのような基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、少なくとも、有機膜の上に、反射防止用ケイ素樹脂膜、その上にフォトレジスト膜を順次形成した基板であって、前記反射防止用ケイ素樹脂膜が、下層ケイ素樹脂膜と、該下層ケイ素樹脂膜よりケイ素含有量の少ない上層ケイ素樹脂膜を含むものであることを特徴とする基板を提供する(請求項1)。
このように、反射防止用ケイ素樹脂膜が、下層ケイ素樹脂膜と、該下層ケイ素樹脂膜よりケイ素含有量の少ない上層ケイ素樹脂膜を含むものであれば、上層よりも下層の方が有機膜をエッチングする際のエッチング耐性に優れたものとなり、一方、下層よりも上層の方がレジストコンパティビリティに優れたものとなる。このため、このような反射防止用ケイ素樹脂膜が形成された基板を用いて基板にパターンを形成することで、従来の1層のみからなる反射防止用ケイ素樹脂膜を有する基板と比べてより高い精度でパターンを基板に形成することができる。
また、本発明の基板では、前記下層ケイ素樹脂膜のケイ素含有量が、30質量%以上であるのが好ましい(請求項2)。また、本発明の基板では、前記下層ケイ素樹脂膜の炭素含有量が、29質量%以下であり、前記上層ケイ素樹脂膜の炭素含有量が、前記下層ケイ素樹脂膜より多いものであるのが好ましい(請求項3)。
このように、下層ケイ素樹脂膜のケイ素含有量が、30質量%以上であれば、あるいは、下層ケイ素樹脂膜の炭素含有量が、29質量%以下であれば、下層ケイ素樹脂膜は、有機膜をエッチングする際のエッチング耐性に十分に優れたものとなる。このため、より高い精度でパターンを有機膜に転写することができる。
また、本発明の基板では、前記上層ケイ素樹脂膜のケイ素含有量が、前記下層ケイ素樹脂膜より少なく、かつ35質量%未満であるのが好ましい(請求項4)。
このように、上層ケイ素樹脂膜のケイ素含有量が、下層ケイ素樹脂膜より少なく、かつ35質量%未満、より好ましくは30質量%未満であれば、レジストコンパティビリティに十分に優れたものとなる。
また、本発明は、少なくとも、有機膜の上に、反射防止用ケイ素樹脂膜、その上にフォトレジスト膜を順次形成した基板を製造する方法であって、少なくとも、基板の上に有機膜を形成し、該有機膜の上に下層ケイ素樹脂膜を形成し、該下層ケイ素樹脂膜の上に該下層ケイ素樹脂膜よりケイ素含有量の少ない上層ケイ素樹脂膜を形成して、前記下層ケイ素樹脂膜と前記上層ケイ素樹脂膜を含む反射防止用ケイ素樹脂膜を形成し、該反射防止用ケイ素樹脂膜の上にフォトレジスト膜を形成して、少なくとも、有機膜の上に、反射防止用ケイ素樹脂膜、その上にフォトレジスト膜を順次形成した基板を製造することを特徴とする基板の製造方法を提供する(請求項5)。
このようにして基板を製造することで、該基板の反射防止用ケイ素樹脂膜が、下層ケイ素樹脂膜と、該下層ケイ素樹脂膜よりケイ素含有量の少ない上層ケイ素樹脂膜を含むものとすることができる。このような反射防止用ケイ素樹脂膜は、上層よりも下層の方が有機膜をエッチングする際のエッチング耐性に優れたものとなり、一方、下層よりも上層の方がレジストコンパティビリティに優れ、また保存安定性に優れたものとなる。このため、このような基板を用いて基板にパターンを形成することで、従来の1層のみからなる反射防止用ケイ素樹脂膜を有する基板と比べてより精度の高いパターンを基板に形成することができる。
また、本発明の基板の製造方法では、前記下層ケイ素樹脂膜のケイ素含有量を、30質量%以上とするのが好ましい(請求項6)。また、本発明の基板の製造方法では、前記下層ケイ素樹脂膜の炭素含有量を、29質量%以下とし、前記上層ケイ素樹脂膜の炭素含有量を、前記下層ケイ素樹脂膜より多いものとするのが好ましい(請求項7)。
このように、下層ケイ素樹脂膜のケイ素含有量が、30質量%以上であれば、あるいは、下層ケイ素樹脂膜の炭素含有量が、29質量%以下であれば、下層ケイ素樹脂膜は、有機膜をエッチングする際のエッチング耐性に十分に優れたものとなる。このため、より精度の高いパターンを有機膜に転写することができる。
また、本発明の基板の製造方法では、前記上層ケイ素樹脂膜のケイ素含有量を、前記下層ケイ素樹脂膜より少なく、かつ35質量%未満とするのが好ましい(請求項8)。
このように、上層ケイ素樹脂膜のケイ素含有量が、下層ケイ素樹脂膜より少なく、かつ35質量%未満、より好ましくは30質量%未満であれば、レジストコンパティビリティに十分に優れたものとなる。
さらに、本発明は、基板にパターンを形成する方法であって、少なくとも、前記本発明の基板を準備し、該基板の前記フォトレジスト膜にレジストパターンを形成し、該レジストパターンが形成されたフォトレジスト膜をマスクにして前記反射防止用ケイ素樹脂膜にパターンを形成し、該パターンが形成された反射防止用ケイ素樹脂膜をマスクにして有機膜にパターンを形成し、該パターンが形成された有機膜をマスクにして前記基板にパターンを形成することを特徴とするパターン形成方法を提供する(請求項9)。また、本発明は、基板にパターンを形成する方法であって、少なくとも、前記本発明の基板の製造方法により、少なくとも、有機膜の上に、反射防止用ケイ素樹脂膜、その上にフォトレジスト膜を順次形成した基板を製造した後、前記フォトレジスト膜にレジストパターンを形成し、該レジストパターンが形成されたフォトレジスト膜をマスクにして前記反射防止用ケイ素樹脂膜にパターンを形成し、該パターンが形成された反射防止用ケイ素樹脂膜をマスクにして有機膜にパターンを形成し、該パターンが形成された有機膜をマスクにして前記基板にパターンを形成することを特徴とするパターン形成方法を提供する(請求項10)。
これにより、従来の1層のみからなる反射防止用ケイ素樹脂膜を有する基板と比べてより精度の高いパターンを基板に形成することができる。
以上説明したように、本発明によれば、反射防止用ケイ素樹脂膜が、下層ケイ素樹脂膜と、該下層ケイ素樹脂膜よりケイ素含有量の少ない上層ケイ素樹脂膜を含むものであるので、上層よりも下層の方が有機膜をエッチングする際のエッチング耐性に優れたものとなり、一方、下層よりも上層の方がレジストコンパティビリティに優れたものとなる。このため、このような反射防止用ケイ素樹脂膜が形成された基板を用いて基板にパターンを形成することで、従来の1層のみからなる反射防止用ケイ素樹脂膜を有する基板と比べてより精度の高いパターンを基板に形成することができる。
以下、本発明について、さらに詳しく説明する。
前述のように、従来、中間層膜となる反射防止用ケイ素樹脂膜として、優れたレジストコンパティビリティと有機膜エッチング時の高いエッチング耐性の両方を兼ね備えたものは存在せず、その開発が求められていた。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、優れたレジストコンパティビリティと有機膜エッチング時の高いエッチング耐性を両立させるためには、反射防止用ケイ素樹脂膜を上層ケイ素樹脂膜と下層ケイ素樹脂膜の2層を含むものとし、上層ケイ素樹脂膜にレジストコンパティビリティに優れたものを用い、下層ケイ素樹脂膜に有機膜エッチング時のエッチング耐性の高いものを用いれば良いことに想到した。すなわち、本発明者らは、反射防止用ケイ素樹脂膜が、下層ケイ素樹脂膜と、下層ケイ素樹脂膜よりケイ素含有量の少ない上層ケイ素樹脂膜を含むものであれば、上層よりも下層の方が有機膜をエッチングする際のエッチング耐性に優れたものとなり、一方、下層よりも上層の方がレジストコンパティビリティに優れたものとなり、従来の1層のみからなる反射防止用ケイ素樹脂膜を有する基板と比べてより高い精度で基板にパターンを形成できることに想到し、本発明を完成させた。
尚、中間層膜を2層にするものとしては、上記の他、(1)CVD法により形成した無機系ケイ素含有膜の上にケイ素を含まない反射防止膜を形成したもの、(2)CVD法により形成した無機系ケイ素含有膜の上に反射防止用ケイ素樹脂膜を形成したもの、(3)SOG膜の上にケイ素を含まない反射防止膜を形成したもの、なども考えられる。しかしながら、CVD法により無機系ケイ素含有膜を形成する場合、コストの面で問題がある。また、ケイ素を含まない反射防止膜は、エッチング時に上層となるフォトレジスト膜に負荷をかけるという問題がある。また、SOG膜は、保存安定性が悪いという問題がある。
図1は、本発明の、少なくとも、有機膜の上に、反射防止用ケイ素樹脂膜、その上にフォトレジスト膜を順次形成した基板の一例を示す概略断面図である。
基板10は、有機膜11の上に、反射防止用ケイ素樹脂膜16、その上にフォトレジスト膜14を順次形成したものである。そして、反射防止用ケイ素樹脂膜16は、下層ケイ素樹脂膜12と、下層ケイ素樹脂膜12よりケイ素含有量の少ない上層ケイ素樹脂膜13を含む。
このように、反射防止用ケイ素樹脂膜が、下層ケイ素樹脂膜と、該下層ケイ素樹脂膜よりケイ素含有量の少ない上層ケイ素樹脂膜を含むものであれば、上層よりも下層の方が有機膜をエッチングする際のエッチング耐性に優れたものとなり、一方、下層よりも上層の方がレジストコンパティビリティに優れたものとなる。このため、このような反射防止用ケイ素樹脂膜が形成された基板を用いて基板にパターンを形成することで、従来の1層のみからなる反射防止用ケイ素樹脂膜を有する基板と比べてより高い精度でパターンを基板に形成することができる。
下層ケイ素樹脂膜12を、有機膜エッチング時のエッチング耐性にさらに優れたものとするためには、下層ケイ素樹脂膜12のケイ素含有量が、30質量%以上であるのが好ましい。より好ましくは、下層ケイ素樹脂膜12のケイ素含有量は、30−46質量%である。また、下層ケイ素樹脂膜12の炭素含有量が、29質量%以下であり、上層ケイ素樹脂膜13の炭素含有量が、下層ケイ素樹脂膜12より多いものであるのが好ましい。より好ましくは、下層ケイ素樹脂膜12の炭素含有量は、0−27質量%である。
また、上層ケイ素樹脂膜13を、レジストコンパティビリティにさらに優れたものとするためには、上層ケイ素樹脂膜13のケイ素含有量が、下層ケイ素樹脂膜12より少なく、かつ35質量%未満であるのが好ましく、より好ましくは30質量%未満、さらに好ましくは10質量%以上30質量%未満、さらに好ましくは12質量%以上30質量%未満である。尚、この時、上層ケイ素樹脂膜13の炭素含有量は、30−70質量%であるのが好ましい。
ここで、ケイ素樹脂膜12,13のケイ素含有量、炭素含有量は、例えば、ケイ素樹脂の種類(重合させるモノマーの種類)、組み合わせ、重合比等を変更することにより、所望の量に変更することができる。すなわち、ケイ素含有量が多く、炭素含有量の少ないモノマーを多く重合させることで、ケイ素含有量が多く、炭素含有量の少ないケイ素樹脂を得ることができる。逆に、ケイ素含有量が少なく、炭素含有量の多いモノマーを多く重合させることで、ケイ素含有量が少なく、炭素含有量の多いケイ素樹脂を得ることができる。さらに、重合に用いるモノマーのケイ素含有量、炭素含有量は予め正確に求めることができるので、それを基に重合するモノマーの種類、組み合わせ、重合比等を決定することで、得られるケイ素樹脂のケイ素含有量、炭素含有量を正確に制御することができる。
ケイ素含有量、炭素含有量の変更方法の一例を、下記に示すモノマーを加水分解縮合させたケイ素樹脂を例に挙げて説明する。
Figure 0004563927
(上記式中、Meはメチル基、Etはエチル基である。)
上記モノマーのうち、モノマー1の完全加水分解物のケイ素含有量は、22質量%であり、炭素含有量は、56質量%である。また、モノマー2の完全加水分解物のケイ素含有量は、15質量%であり、炭素含有量は、54質量%である。また、モノマー3の完全加水分解物のケイ素含有量は、41質量%であり、炭素含有量は、18質量%である。さらに、モノマー4の完全加水分解物のケイ素含有量は、46質量%であり、炭素含有量は、0質量%である。尚、モノマー中の残りの部分は、酸素又は水素である。そして、このように、一般的に、ケイ素含有量が多ければ、炭素含有量が少なく、炭素含有量が多ければ、ケイ素含有量が少ない。
これらのモノマー中の炭素含有量、ケイ素含有量を基に、加水分解縮合させるモノマーの種類、配合比を決定することで、下記のように、ケイ素樹脂中のケイ素含有量、炭素含有量を正確に制御することができる。
例えば、ケイ素含有量を17質量%、炭素含有量を54質量%とするためには、モノマー1を20mol%、モノマー2を80mol%の割合で重合させれば良い。
また、ケイ素含有量を24質量%、炭素含有量を40質量%とするためには、モノマー1を10mol%、モノマー2を45mol%、モノマー4を45mol%の割合で重合させれば良い。
あるいは、ケイ素含有量を32質量%、炭素含有量を32質量%とするためには、モノマー1を10mol%、モノマー2を12mol%、モノマー3を78mol%の割合で重合させれば良い。
このような基板は、以下に説明するように、例えば図2に示す基板の製造方法により製造することができる。
先ず、図2(a)に示すようにパターンが形成される基板10を準備する。
次に、図2(b)に示すように、基板10の上に有機膜11を形成する。
有機膜11は、基板10上にスピンコート法などで形成する。この有機膜は、基板10をエッチングするときのマスクとして作用するので、エッチング耐性が高いことが望ましく、上層の下層ケイ素樹脂膜12とミキシングしないことが求められるので、スピンコート等で塗布した後に熱あるいは酸によって架橋することが望ましい。
次に、図2(c)に示すように、有機膜11の上に下層ケイ素樹脂膜12を形成する。さらに、図2(d)に示すように、下層ケイ素樹脂膜12の上に下層ケイ素樹脂膜12よりケイ素含有量の少ない上層ケイ素樹脂膜13を形成する。これにより、下層ケイ素樹脂膜12と上層ケイ素樹脂膜13を含む反射防止用ケイ素樹脂膜16を形成する。
下層ケイ素樹脂膜12、上層ケイ素樹脂膜13も、有機膜11と同様にスピンコート法などで有機膜11の上に塗布して形成することが可能である。スピンコートなどで塗布後、有機溶剤を蒸発し、上層となるフォトレジスト膜14とのミキシング防止のため、ベークして架橋反応を促進させることが望ましい。ベーク温度は80〜300℃の範囲内で、ベーク時間は10秒から300秒の範囲内が好ましく用いられる。
次に、図2(e)に示すように、反射防止用ケイ素樹脂膜16の上にフォトレジスト膜14を形成する。
フォトレジスト膜14を形成する方法としては、有機膜11等の形成時と同様にスピンコート法が好ましく用いられる。フォトレジスト膜材料をスピンコート法などで塗布後、プリベークを行うのが好ましい。プリベーク条件としては、80℃から180℃の温度範囲で10秒から300秒の時間範囲が好ましい。
以上の工程を経て、図1に示した、有機膜11の上に、反射防止用ケイ素樹脂膜16、その上にフォトレジスト膜14を順次形成した基板を製造することができる。
ここで、下層ケイ素樹脂膜、上層ケイ素樹脂膜としては、ケイ素樹脂の側鎖とケイ素樹脂の側鎖間、ケイ素樹脂の側鎖とケイ素樹脂のシラノール基間のいずれか1以上で架橋を形成しているものが挙げられる。そして、この場合、下層ケイ素樹脂膜、上層ケイ素樹脂膜の架橋は、ケイ素樹脂の側鎖の架橋可能な水酸基、エポキシ基のいずれか1以上により形成されているものとするのが好ましい。これらのケイ素樹脂膜は、特に、保存安定性に優れたものである。
このようなケイ素樹脂は、例えば、下記一般式(1)で示されるケイ素含有化合物の1種又は2種以上の混合物を加水分解、縮合して得ることができる。
Figure 0004563927
(上記式中、R1aは炭素−酸素単結合、炭素−酸素二重結合のうち少なくとも1つを有する有機基であり、Rは光吸収基を有する1価の有機基であり、Xは同一又は異種のハロゲン原子、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、又は炭素数1〜6のアルキルカルボニルオキシ基である。mとnは各々0〜3の整数であって、0<(4−m−n)≦4の関係を満足する。)
一般式(1)で示されるケイ素含有化合物から得られるケイ素樹脂の好ましい質量平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ)に基づく測定でポリスチレン換算で500〜100万、より好ましくは1000〜50万である。
一般式(1)中の炭素−酸素単結合、炭素−酸素二重結合のうち少なくとも1つを有する有機基は、好ましくは炭素数2〜30であり、さらに好ましくは、エポキシ基とエステル基とアルコキシ基とヒドロキシ基から選ばれる一種以上の有機基である。有機基は、炭素を含む基の意味であり、水素、窒素、硫黄等を含んでもよい。一般式(1)中の炭素−酸素単結合、炭素−酸素二重結合のうち少なくとも1つを有する有機基は、例として次のものを挙げることができる。
(P−Q−(S)v1−Q−)−(T)v2−Q−(S)v3−Q
(上記式中、Pは水素原子、ヒドロキシル基、エポキシ環(OCHCH−)、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルカルボニルオキシ基、又は炭素数1〜6のアルキルカルボニル基であり、QとQとQとQは各々独立して−C2q−(式中、Pは上記と同様であり、pは0〜3の整数であり、qは0〜10の整数である。)、uは0〜3の整数であり、SとSは各々独立して−O−、−CO−、−OCO−、−COO−又はOCOOを表す。v1、v2、v3は、各々独立して0又は1を表す。これらとともに、Tの例を以下に示す。TにおいてQとQと結合する位置は、特に限定されないが、立体的な要因による反応性や反応に用いる市販試薬の入手性等を考慮して適宜選択できる。)
Figure 0004563927
一般式(1)中の炭素−酸素単結合、炭素−酸素二重結合のうち少なくとも1つを有する有機基の好ましい例として、以下のものが挙げられる。なお、下記式中において、(Si)はSiとの結合箇所を示すために記載した。
Figure 0004563927
Figure 0004563927
次に、一般式(1)中の光吸収基は、波長150〜300nmの間で吸収を有する基であり、好ましくは、アントラセン環、ナフタレン環、ベンゼン環のいずれか1以上を含むものである。又は、これらの環に一個以上の置換基があってもよい。置換基としては炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアシロキシ基又は炭素数1〜6のアセタール基が好ましく、より好ましくは、メチル基、メトキシ基、t−ブトキシ基、t−アミロキシ基、アセトキシ基、1−エトキシエトキシ基等である。この例を以下に挙げることができる。
Figure 0004563927
上記光吸収基のメトキシ基、アセトキシ基、アセタール基は、重合中あるいは重合後脱保護化して、ヒドロキシ基にすることも可能である。
特に波長200nm以下のリソグラフィ用には、上記光吸収基がべンゼン環を含むものであることが好ましい。
また、上記芳香族系の光吸収基の他に、Si−Si結合を持つ光吸収基を用いることもできる。具体的には下記のものを挙げることができる。
Figure 0004563927
反射防止用ケイ素樹脂膜のケイ素樹脂は、一般式(1)で示されるケイ素含有化合物(モノマー)を加水分解による共縮合を行うことで合成することができる。
加水分解反応における水の量は、モノマー1モル当たり0.2〜10モルを添加することが好ましい。この時に、触媒を用いることもでき、酢酸、プロピオン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、サリチル酸、安息香酸、ギ酸、マロン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、塩酸、硫酸、硝酸、スルホン酸、メチルスルホン酸、トシル酸、トリフルオロメタンスルホン酸などの酸、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、コリンヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドなどの塩基、テトラアルコキシチタン、トリアルコキシモノ(アセチルアセトナート)チタン、テトラアルコキシジルコニウム、トリアルコキシ
モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウムなどの金属キレート化合物を挙げることができる。
反応操作としては、有機溶媒に水及び触媒を溶解させ、そこにモノマーを添加してもよい。このとき、モノマーは有機溶媒で希釈してもおいてもよい。反応温度は0〜100℃、好ましくは10〜80℃である。モノマーの滴下時に10〜50℃に加熱し、その後40〜80℃に昇温させて熟成させる方法が好ましい。
別の操作としては、有機溶媒に水分を含まない触媒を溶解させ、そこに水又は有機溶媒で希釈した水を添加しても良い。反応温度は0〜100℃、好ましくは10〜80℃である。モノマーの滴下時に10〜50℃に加熱し、その後40〜80℃に昇温させて熟成させる方法が好ましい。
有機溶媒としては、水溶性のものが好ましく、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、アセトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテル及びこれらの混合物などが好ましい。
その後、に難溶又は不溶の有機溶媒を添加し、有機溶媒層を分別、水洗して加水分解縮合に使用した触媒を除去する。このとき、必要に応じて触媒を中和してもよい。
有機溶媒としては、水に難溶あるいは不溶のものが好ましく、テトラヒドロフラン、トルエン、ヘキサン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、メチル−2−n−アミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸tert―ブチル、プロピレングリコールモノtert−ブチルエーテルアセテート、γ―ブチルラクトン及びこれらの混合物などが好ましい。
その後、有機溶媒層を分別し脱水する。水分の残存は、残存したシラノールの縮合反応を進行させるため、十分に行う必要がある。硫酸マグネシウムなどの塩やモレキュラーシーブによる吸着法や、溶媒を除去しながらの共沸脱水法が好ましく挙げられる。
また、別の操作方法として、モノマーの加水分解縮合に用いる有機溶媒として、水に難溶あるいは不溶のものを使用することもできる。例えば、テトラヒドロフラン、トルエン、ヘキサン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、メチル−2−n−アミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸tert―ブチル、プロピレングリコールモノtert−ブチルエーテルアセテート、γ―ブチルラクトン及びこれらの混合物などが好ましい。
モノマーをこの有機溶媒に溶解させ、水を添加し加水分解反応を開始させる。
触媒は水に添加していても良いし、有機溶媒中に添加しておいても良い。反応温度は0〜100℃、好ましくは10〜80℃である。水の滴下時に10〜50℃に加熱し、その後40〜80℃に昇温させて熟成させる方法が好ましい。
このときの反応条件を調整することにより、末端がSi−OH及び/又はSi−ORになっているケイ素原子の割合が0.1〜50モル%となるシリコーン樹脂を得ることができる。このときの末端基は29Si−NMRを使用することで簡単に求めることができる。末端がSi−OH及び/又はSi−ORになっているケイ素原子の割合をA(モル%)とすると、下記の式となる。
Figure 0004563927
ここで、Q,Q,Q,Qは4官能Si原子が形成しているシロキサン結合の数、T,T,Tは3官能Si原子が形成しているシロキサン結合の数、D,Dは2官能Si原子が形成しているシロキサン結合の数を表す。それぞれの結合の量は29Si−NMRのピーク値を積分したものを使用して計算する。
このとき、Aが0.1モル%以下では、樹脂の架橋に使用される末端SiOH、SiORの数が少なすぎて、塗布膜が十分に硬化しきれず、次工程で使用されるレジストとのインターミキシングが発生し、矩形性のよいレジストパターンを得ることができない場合がある。一方、Aが50モル%以上あると、縮合が不十分であり、強度的に弱い塗布膜しか得られず、レジストパターンの倒れなどが発生して好ましくない場合がある。
更に、Aが0.1モル%以上50モル%以下の間であり、Si−OHとSi−ORの比率が所定の割合であれば、より十分に硬化した塗布膜を得ることができる。すなわち、さらに好ましくは、Si−OH/Si−OR=(100/0)〜(20/80)の割合とする。このとき、−SiOH/−SiORの比率は、13C−NMRを用いてSi原子のα位の炭素原子1個当りの積分強度(B)を内部標準として用いて求めることができる。即ち、−SiORのRをRx−CHとすると−SiO−Rxとなり、下線部の炭素原子の積分強度の比からSi−OR量(B)を求める。
29Si−NMRでは、Si−OH及びSi−ORの合算量(C)が求まるので、SiOHとSiORの比率は、Si−OH/Si−OR=(C−B)/Bとなる。
Si−OH/Si−OR=20/80よりSi−ORの割合が少なければ、Si−OH同士の縮合やSi−OHとSi−OR間での縮合が容易に進行し、十分な強度があり、インターミキシングのほとんど発生しない塗布膜を得ることができる。
更に、炭素−酸素結合を含有する有機基にエポキシ基が含まれている場合、ケイ素樹脂(シリコーン樹脂)を形成した後、変性反応させることにより種類の異なる炭素−酸素結合を有する有機基を持つ変性ケイ素樹脂(シリコーン樹脂)に変換することができる。変性ケイ素樹脂(シリコーン樹脂)の繰り返し単位の例を以下に挙げる。
Figure 0004563927
ここで、Y、Zは、各々独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜8のアルキルカルボニル基、炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、2−エチルブチル基、3−エチルブチル基、2,2−ジエチルプロピル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、シクロヘキシルカルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基などを例示することができる。
もとのケイ素樹脂からの変換は、一般に知られている方法で可能である。例えば、酸、アルカリ又は4級アンモニウム触媒の存在下でアルコール類やカルボン酸類とを加熱することにより変性ケイ素樹脂に容易に変換することができる。また、カルボン酸類との反応では、カルボン酸自身が触媒となるので、触媒を添加する必要がない。
このとき使用される酸触媒として、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、過塩素酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、シュウ酸、酢酸、プロピオン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、サリチル酸、安息香酸、ギ酸、マロン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸などの酸を使用することができる。またアルカリ触媒としては、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ベンジルジエチルアミン、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリンヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドなどの塩基、四級アンモニウム触媒として塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、臭化ベンジルトリエチルアンモニウム等を挙げることができる。
このようにして得られる元のケイ素樹脂及び変性ケイ素樹脂(以下、両者及び両者のブレンド物を含んでケイ素樹脂と呼ぶ。)をブレンドして用いることもできる。このときのブレンド比は、得られる反射防止用ケイ素樹脂膜材料の性能に大きく影響するため、性能が最高になるように任意の割合でブレンドすることができる。得られた混合物中を、加熱、攪拌、超音波照射、混練などの操作での高分子化合物を均一な組成にすると、より好ましい。
また、反射防止用ケイ素樹脂膜材料に用いる有機溶剤としては、ケイ素樹脂(シリコーン樹脂)、酸発生剤、その他の添加剤等が溶解可能な有機溶剤であればいずれでもよい。このような有機溶剤としては、例えば、シクロヘキサノン、エチル2−n−アミルケトン等のケトン類、3−メトキシブタノール、3−エチル3−メトキシブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール等のアルコール類、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル類、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸tert―ブチル、プロピレングリコールモノtert−ブチルエーテルアセテート等のエステル類、γ―ブチロラクトン等のラクトン類が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができるが、これらに限定されるものではない。これらの有機溶剤の中でもレジスト成分中の酸発生剤の溶解性が最も優れているジエチレングリコールジエチルエーテルや1−エトキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート及びその混合溶剤が好ましく使用される。
有機溶剤の使用量は、ケイ素樹脂100質量部に対して400〜500,000質量部、特に500〜100,000質量部が好適である。
反射防止用ケイ素樹脂膜には、熱による架橋反応を更に促進させるために酸発生剤を添加することができる。酸発生剤は、熱分解によって酸を発生するものや、光照射によって酸を発生するものがあるが、いずれのものも添加することができる。
添加する酸発生剤としては、
i.下記一般式(P1a−1)、(P1a−2)、(P1a−3)又は(P1b)のオニウム塩、
ii.下記一般式(P2)のジアゾメタン誘導体、
iii.下記一般式(P3)のグリオキシム誘導体、
iv.下記一般式(P4)のビススルホン誘導体、
v.下記一般式(P5)のN−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル、
vi.β−ケトスルホン酸誘導体、
vii.ジスルホン誘導体、
viii.ニトロベンジルスルホネート誘導体、
ix.スルホン酸エステル誘導体
等が挙げられる。
Figure 0004563927
(上記式中、R101a、R101b、R101cはそれぞれ炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルケニル基、オキソアルキル基又はオキソアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜12のアラルキル基又はアリールオキソアルキル基を示し、これらの基の水素原子の一部又は全部がアルコキシ基等によって置換されていてもよい。また、R101bとR101cとは環を形成してもよく、環を形成する場合には、R101b、R101cはそれぞれ炭素数1〜6のアルキレン基を示す。K-は非求核性対向イオンを表す。R101d、R101e、R101f、R101gは、R101a、R101b、R101cに水素原子を加えて示される。R101dとR101e、R101dとR101eとR101fとは環を形成してもよく、環を形成する場合には、R101dとR101e及びR101dとR101eとR101fは炭素数3〜10のアルキレン基を示す。)
上記R101a、R101b、R101c、R101d、R101e、R101f、R101gは、互いに同一であっても異なっていてもよく、具体的には、アルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロプロピルエチル基、4−エチルシクロヘキシル基、シクロヘキシルエチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、プロぺニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。オキソアルキル基としては、2−オキソシクロペンチル基、2−オキソシクロヘキシル基等が挙げられ、2−オキソプロピル基、2−シクロペンチル−2−オキソエチル基、2−シクロヘキシル−2−オキソエチル基、2−(4−エチルシクロヘキシル)−2−オキソエチル基等を挙げることができる。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等や、p−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、o−メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、p−tert−ブトキシフェニル基、m−tert−ブトキシフェニル基等のアルコキシフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、ジエチルフェニル基等のアルキルフェニル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基等のアルキルナフチル基、メトキシナフチル基、エトキシナフチル基等のアルコキシナフチル基、ジメチルナフチル基、ジエチルナフチル基等のジアルキルナフチル基、ジメトキシナフチル基、ジエトキシナフチル基等のジアルコキシナフチル基等が挙げられる。アラルキル基としてはベンジル基、フェニルエチル基、フェネチル基等が挙げられる。アリールオキソアルキル基としては、2−フェニル−2−オキソエチル基、2−(1−ナフチル)−2−オキソエチル基、2−(2−ナフチル)−2−オキソエチル基等の2−アリール−2−オキソエチル基等が挙げられる。
-の非求核性対向イオンとしては、塩化物イオン、臭化物イオン等のハライドイオン、トリフレート、1,1,1−トリフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート等のフルオロアルキルスルホネート、トシレート、ベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、1,2,3,4,5−ペンタフルオロベンゼンスルホネート等のアリールスルホネート、メシレート、ブタンスルホネート等のアルキルスルホネートが挙げられる。
(P1a−1)と(P1a−2)は光酸発生剤、熱酸発生剤の両方の効果があるが、(P1a−3)は熱酸発生剤として作用する。
Figure 0004563927
(上記式中、R102aとR102bはそれぞれ独立して炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。R103は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を示す。R104aとR104bはそれぞれ独立して炭素数3〜7の2−オキソアルキル基を示す。K-は非求核性対向イオンを表す。)
102aとR102bとして、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロプロピルエチル基、4−エチルシクロヘキシル基、シクロヘキシルエチル基等が挙げられる。
103としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、1,4−シクロへキシレン基、1,2−シクロへキシレン基、1,3−シクロペンチレン基、1,4−シクロオクチレン基、1,4−シクロヘキサンジメチレン基等が挙げられる。
104aとR104bとしては、2−オキソプロピル基、2−オキソシクロペンチル基、2−オキソシクロヘキシル基、2−オキソシクロヘプチル基等が挙げられる。
-は、式(P1a−1)、(P1a−2)及び(P1a−3)で説明したものと同様のものを挙げることができる。
Figure 0004563927
(上記式中、R105、R106は独立して炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20のアリール基又はハロゲン化アリール基、又は炭素数7〜12のアラルキル基を示す。)
105とR106のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、アミル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。
105とR106のハロゲン化アルキル基としては、トリフルオロエチル基、1,1,1−トリフルオロエチル基、1,1,1−トリクロロエチル基、ノナフルオロブチル基等が挙げられる。アリール基としてはフェニル基、p−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、o−メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、p−tert−ブトキシフェニル基、m−tert−ブトキシフェニル基等のアルコキシフェニル基、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、メチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、ジエチルフェニル基等のアルキルフェニル基が挙げられる。
105とR106のハロゲン化アリール基としてはフルオロフェニル基、クロロフェニル基、1,2,3,4,5−ペンタフルオロフェニル基等が挙げられる。
105とR106のアラルキル基としてはベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
Figure 0004563927
(上記式中、R107とR108とR109は独立して炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20のアリール基又はハロゲン化アリール基、又は炭素数7〜12のアラルキル基を示す。R108とR109は互いに結合して環状構造を形成してもよく、環状構造を形成する場合、R108とR109はそれぞれ独立して炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。R105は、P2で説明したものと同様である。)
107、R108、R109のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、アラルキル基としては、R105、R106で説明したものと同様の基が挙げられる。なお、R108、R109のアルキレン基としてはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基等が挙げられる。
Figure 0004563927
(上記式中、R101a、R101bは前記と同様である。)
Figure 0004563927
(上記式中、R110は炭素数6〜10のアリーレン基、炭素数1〜6のアルキレン基又は炭素数2〜6のアルケニレン基を示し、これらの基の水素原子の一部又は全部は更に炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基若しくはアルコキシ基、ニトロ基、アセチル基、又はフェニル基で置換されていてもよい。R111は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は置換のアルキル基、アルケニル基若しくはアルコキシアルキル基、フェニル基、又はナフチル基を示し、これらの基の水素原子の一部又は全部は更に炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基;炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ニトロ基又はアセチル基で置換されていてもよいフェニル基;炭素数3〜5のヘテロ芳香族基;又は塩素原子、フッ素原子で置換されていてもよい。)
110のアリーレン基としては、1,2−フェニレン基、1,8−ナフチレン基等が挙げられ、アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、フェニルエチレン基、ノルボルナン−2,3−ジイル基等が挙げられ、アルケニレン基としては、1,2−ビニレン基、1−フェニル−1,2−ビニレン基、5−ノルボルネン−2,3−ジイル基等が挙げられる。
111のアルキル基としては、R101a〜R101cと同様のものが挙げられ、アルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、1−ブテニル基、3−ブテニル基、イソプレニル基、1−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、ジエチルアリル基、1−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、1−ヘプテニル基、3−ヘプテニル基、6−ヘプテニル基、7−オクテニル基等が挙げられ、アルコキシアルキル基としては、メトキシエチル基、エトキシエチル基、プロポキシエチル基、ブトキシエチル基、ペンチロキシエチル基、ヘキシロキシエチル基、ヘプチロキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基、プロポキシプロピル基、ブトキシプロピル基、メトキシブチル基、エトキシブチル基、プロポキシブチル基、メトキシペンチル基、エトキシペンチル基、メトキシヘキシル基、メトキシヘプチル基等が挙げられる。
なお、更に置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ、炭素数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基等が挙げられる。
炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ニトロ基又はアセチル基で置換されていてもよいフェニル基としては、フェニル基、トリル基、p−tert−ブトキシフェニル基、p−アセチルフェニル基、p−ニトロフェニル基等が挙げられ、炭素数3〜5のヘテロ芳香族基としては、ピリジル基、フリル基等が挙げられる。
具体的には、オニウム塩として、例えばトリフルオロメタンスルホン酸テトラエチルアンモニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸テトラエチルアンモニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸テトラn−ブチルアンモニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸テトラフェニルアンモニウム、p−トルエンスルホン酸テトラエチルアンモニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジフェニルヨードニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルヨードニウム、p−トルエンスルホン酸ジフェニルヨードニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルヨードニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ビス(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ビス(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、ブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリエチルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリエチルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸シクロヘキシルエチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸シクロヘキシルエチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジエチルフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ジエチルフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジシクロヘキシルフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ジシクロヘキシルフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリナフチルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(2−ノルボニル)エチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、エチレンビス[エチル(2−オキソシクロペンチル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホナート]、1,2'−ナフチルカルボニルエチルテトラヒドロチオフェニウムトリフレート等が挙げられる。
ジアゾメタン誘導体としては、ビス(ベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(キシレンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロペンチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−プロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−アミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソアミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−アミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−アミルスルホニル)ジアゾメタン、1−シクロヘキシルスルホニル−1−(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、1−シクロヘキシルスルホニル−1−(tert−アミルスルホニル)ジアゾメタン、1−tert−アミルスルホニル−1−(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン等が挙げられる。
グリオキシム誘導体としては、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジエチルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−2−エチル3,4−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジエチルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−2−エチル3,4−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(メタンスルホニル)−α−ジエチルグリオキシム、ビス−O−(トリフルオロメタンスルホニル)−α−ジエチルグリオキシム、ビス−O−(1,1,1−トリフルオロエタンスルホニル)−α−ジエチルグリオキシム、ビス−O−(tert−ブタンスルホニル)−α−ジエチルグリオキシム、ビス−O−(パーフルオロオクタンスルホニル)−α−ジエチルグリオキシム、ビス−O−(シクロヘキサンスルホニル)−α−ジエチルグリオキシム、ビス−O−(ベンゼンスルホニル)−α−ジエチルグリオキシム、ビス−O−(p−フルオロベンゼンスルホニル)−α−ジエチルグリオキシム、ビス−O−(p−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−α−ジエチルグリオキシム、ビス−O−(キシレンスルホニル)−α−ジエチルグリオキシム、ビス−O−(カンファースルホニル)−α−ジエチルグリオキシム等が挙げられる。
ビススルホン誘導体としては、ビスナフチルスルホニルメタン、ビストリフルオロエチルスルホニルメタン、ビスエチルスルホニルメタン、ビスプロピルスルホニルメタン、ビスイソプロピルスルホニルメタン、ビス−p−トルエンスルホニルメタン、ビスベンゼンスルホニルメタン等が挙げられる。
β−ケトスルホン誘導体としては、2−シクロヘキシルカルボニル−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン、2−イソプロピルカルボニル−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン等が挙げられる。
ジスルホン誘導体としては、ジフェニルジスルホン誘導体、ジシクロヘキシルジスルホン誘導体等のジスルホン誘導体を挙げることができる。
ニトロベンジルスルホネート誘導体としては、p−トルエンスルホン酸2,6−ジニトロベンジル、p−トルエンスルホン酸2,4−ジニトロベンジル等が挙げられる。
スルホン酸エステル誘導体としては、1,2,3−トリス(メタンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(p−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼン等が挙げられる。
N−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル誘導体としては、N−ヒドロキシスクシンイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドエタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−プロパンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド2−プロパンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−ペンタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−オクタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドp−トルエンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドp−メトキシベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド2−クロロエタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド−2,4,6−トリエチルベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−ナフタレンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド2−ナフタレンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−2−フェニルスクシンイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシマレイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシマレイミドエタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−2−フェニルマレイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシグルタルイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシグルタルイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドp−トルエンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドp−トルエンスルホン酸エステル等が挙げられる。
好ましくは、トリフルオロメタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリナフチルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸シクロヘキシルエチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(2−ノルボニル)エチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、1,2'−ナフチルカルボニルエチルテトラヒドロチオフェニウムトリフレート等のオニウム塩、
ビス(ベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−プロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン等のジアゾメタン誘導体、
ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジエチルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジエチルグリオキシム等のグリオキシム誘導体、
ビスナフチルスルホニルメタン等のビススルホン誘導体、
N−ヒドロキシスクシンイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−プロパンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド2−プロパンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−ペンタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドp−トルエンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドベンゼンスルホン酸エステル等のN−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル誘導体が用いられる。
なお、上記酸発生剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
酸発生剤の添加量は、ケイ素樹脂100質量部に対して好ましくは0.1〜50質量部、より好ましくは0.3〜40質量部である。0.1質量部以上であれば酸発生量が十分であり、架橋反応がより十分になる。また、50重量部以下であれば上層のフォトレジスト膜へ酸が移動することによるミキシング現象が起こる可能性がより小さい。
また、反射防止用ケイ素樹脂膜には、中和剤を添加することもできる。中和剤は、発生した酸が次工程で塗布されるフォトレジスト膜へ拡散していくのを防止するための材料であり、例えば、メチロール基、アルコキシエチル基、アシロキシエチル基から選ばれる少なくとも一つの基で置換されたエポキシ化合物、メラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物又はウレア化合物、などを挙げることができる。
中和剤のうち、エポキシ化合物を例示すると、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリメチロールメタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリエチロールエタントリグリシジルエーテルなどが例示される。
中和剤のうち、メラミン化合物を具体的に例示すると、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシエチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1から6個がメトキシエチル化した化合物及びその混合物、ヘキサメトキシエチルメラミン、ヘキサアシロキシエチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜5個がアシロキシエチル化した化合物又はその混合物が挙げられる。
中和剤のうち、グアナミン化合物としては、テトラメチロールグアナミン、テトラメトキシエチルグアナミン、テトラメチロールグアナミンの1〜4個のメチロール基がメトキシエチル化した化合物及びその混合物、テトラメトキシエチルグアナミン、テトラアシロキシグアナミン、テトラメチロールグアナミンの1〜4個のメチロール基がアシロキシエチル化した化合物及びその混合物が挙げられる。
中和剤のうち、グリコールウリル化合物としては、テトラメチロールグリコールウリル、テトラメトキシグリコールウリル、テトラメトキシエチルグリコールウリル、テトラメチロールグリコールウリルのメチロール基の1〜4個がメトキシエチル基化した化合物、又はその混合物、テトラメチロールグリコールウリルのメチロール基の1〜4個がアシロキシエチル化した化合物又はその混合物が挙げられる。
中和剤のうち、ウレア化合物としては、テトラメチロールウレア、テトラメトキシメチルウレア、テトラメトキシエチルウレア、テトラメチロールウレアの1〜4個のメチロール基がメトキシエチル基化した化合物、又はその混合物などが挙げられる。
中和剤の添加量は、ケイ素樹脂100部(質量部、以下同様)に対して好ましくは0〜50部、より好ましくは0〜40部である。
次に、フォトレジスト膜の形成に用いるフォトレジスト膜材料は、公知のものを使用でき、例えば、べース樹脂と有機溶媒と酸発生剤の組み合わせを用いることができる。べース樹脂としては、ポリヒドロキシスチレン及びその誘導体、ポリアクリル酸及びその誘導体、ポリメタクリル酸及びその誘導体、ヒドロキシスチレンとアクリル酸とメタクリル酸とそれらの誘導体から選ばれ形成される共重合体、シクロオレフィン及びその誘導体と無水マレイン酸とアクリル酸及びその誘導体から選ばれる3以上の共重合体、シクロオレフィン及びその誘導体とマレイミドとアクリル酸及びその誘導体から選ばれる3以上の共重合体、ポリノルボルネン、及びメタセシス開環重合体からなる一群から選択される1種以上の重合体が挙げられる。なお、ここにいう誘導体は、アクリル酸誘導体にはアクリル酸エステル等、メタクリル酸誘導体にはメタクリル酸エステル等、ヒドロキシスチレン誘導体にはアルコキシスチレン等が含まれるように、主要な骨格が誘導後に残っているものを意味する。
特に、KrFエキシマレーザー用のフォトレジスト膜材料としては、ポリヒドロキシスチレン(PHS)、ヒドロキシスチレンとスチレンとアクリル酸エステルとメタクリル酸エステルとマレイミドNカルボン酸エステルとから選ばれて形成される共重合体、ArFエキシマレーザー用のフォトレジスト膜材料としては、ポリアクリル酸エステル系、ポリメタクリル酸エステル系、ノルボルネンと無水マレイン酸との交互共重合系、テトラシクロドデセンと無水マレイン酸との交互共重合系、ポリノルボルネン系、開環重合によるメタセシス重合系があげられるが、これらの重合系ポリマーに限定されることはない。
ポジ型のフォトレジスト膜材料の場合、フェノールあるいはカルボキシル基の水酸基を酸不安定基で置換することによって、未露光部の溶解速度を下げるのが一般的である。即ち、カルボキシル基の水素原子又はフェノール性水酸基の水素原子がアルカリ溶解制御能を有する酸不安定基で置換され、露光により発生した酸の作用により該酸不安定基が解離しアルカリ水溶液への溶解度が増大するべース樹脂と組み合わせてポジ型のフォトレジスト膜材料として用いることができる。
フォトレジスト膜材料に用いる有機溶剤と酸発生剤としては、前述のケイ素樹脂膜材料の有機溶剤と酸発生剤と同様なものが挙げられる。フォトレジスト膜材料の各成分の添加量は、例えば、べース樹脂の添加量は、ケイ素樹脂膜材料中のケイ素樹脂の添加量と同様であり、フォトレジスト膜材料に用いる有機溶剤と酸発生剤の添加量も、ケイ素樹脂膜材料の有機溶剤と酸発生剤と同様である。
また、有機膜の樹脂としては、クレゾールノボラック、ナフトールノボラック、カトールジシクロペンタジエンノボラック、アモルファスカーボン、ポリヒドロキシスチレン、アクリレート、メタクリレート、ポリイミド、ポリスルフォン等の樹脂が挙げられる。
さらに、このとき使用される基板10としては、特に限定されず、シリコンウエーハ等が用いられる。
各膜の厚さは、例えば、有機膜11が50〜2000nm、反射防止用ケイ素樹脂膜16が10〜2000nm(上層ケイ素樹脂膜13が1〜500nm、下層ケイ素樹脂膜12が9〜1500nm)、フォトレジスト膜14が0.1〜1μm(好ましくは100〜500nm)であるが、これに限定されるものではない。
次に、本発明のパターン形成方法について説明する。
図3は、本発明のパターン形成方法の一例を示す説明図である。
図2(e)に示したように、本発明の基板の製造方法により、有機膜の上に、反射防止用ケイ素樹脂膜、その上にフォトレジスト膜を順次形成した基板を製造した後、先ず、図3(a)に示すように、パターン回路領域の露光を行う。
そして、図3(b)に示すように、ポストエクスポジュアーベーク(PEB)、現像液での現像によってフォトレジスト膜14にレジストパターンを形成する。
本発明では、下層ケイ素樹脂膜12より上層ケイ素樹脂膜13のケイ素含有量が少ない。ケイ素含有量が少なければ、レジストコンパティビリティに優れたものとなる。
次に、図3(c)に示すように、パターンが形成されたフォトレジスト膜14をマスクとして反射防止用ケイ素樹脂膜16のエッチングを行い、レジストパターンを反射防止用ケイ素樹脂膜16に転写し、反射防止用ケイ素樹脂膜16にパターンを形成する。
フォトレジスト膜14をマスクとして反射防止用ケイ素樹脂膜16をエッチングするには、フロン系ガス、窒素ガス、炭酸ガスなどを使ってエッチングを行う。
次に、図3(d)に示すように、反射防止用ケイ素樹脂膜16に形成されたパターンを酸素プラズマエッチングなどによって有機膜11に転写し、有機膜11にパターンを形成する。この時、フォトレジスト膜14も同時にエッチング除去される。
尚、ドライエッチング条件としては、上記酸素を含有するプラズマによる方法の他、水素−窒素を含有するガスプラズマによる方法等が使用できる。
本発明では、上層ケイ素樹脂膜より下層ケイ素樹脂膜の方がケイ素含有量が多い。ケイ素含有量が多ければ、有機膜をエッチングする際のエッチング耐性に優れたものとなる。
このように、本発明では、優れたレジストコンパティビリティと有機膜エッチング時の高いエッチング耐性を両立させるために、反射防止用ケイ素樹脂膜を上層ケイ素樹脂膜と下層ケイ素樹脂膜の2層を含むものとし、上層ケイ素樹脂膜としてレジストコンパティビリティに優れたものを用い、下層ケイ素樹脂膜として有機膜エッチング時のエッチング耐性の高いものを用いている。このため、高い精度で有機膜にパターンを転写することができる。
次に、図3(e)に示すように、パターンが形成された有機膜11をマスクにして基板10のエッチングを行い、基板10にパターンを転写し、基板10にパターンを形成する。
例えば、基板10の被加工部分が、酸化ケイ素、金属ケイ素等であれば、フッ素系ドライエッチング条件を用いるのが良い。フッ素系ドライエッチング条件を用いれば、基板のエッチングと同時に、有機膜11上に残っているケイ素樹脂膜16も除去される。しかしながら、これに制限されず、単層レジスト法で使用されるエッチング条件のいずれをも用いることができ、例えば、塩素系ドライエッチングで行っても良い。
以上のようにして、本発明では、高い精度で基板にパターンを形成することができる。
尚、以上の工程により基板10にパターンを形成した後、基板10の上に残っている有機膜11は、例えば、酸素プラズマ、あるいは水素−窒素によるエッチング等により除去することができる(図3(f)参照)。
以下、実施例、比較例等を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの記載によって限定されるものではない。
(合成例1)
3000mlのガラス製のフラスコに、エタノール1400g、純水700gおよび25%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド50gを仕込み、攪拌した。この混合物に、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン139gとフェニルトリメトキシシラン32gの混合物を、液温40℃で滴下し、その後40℃、2時間攪拌した。反応終了後、酢酸を35g加えて反応を停止させ、減圧でエタノールを留去した。得られた液に、酢酸エチル2000ml加え水層を分別し、有機液層を超純水で2回洗浄、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を600g加え、液温を40℃に加熱しながらの減圧下で酢酸エチルを留去し、ポリマーのPGMEA溶液を得た。
これをポリマー1(polymer1)とし、この収率を測定するため約1gの上記溶液を精密に秤量した後、150℃、1時間乾燥機で乾燥させて蒸発残分を再び秤量したところ、仕込んだモノマーが全て完全に加水分解されたとする理論値に対して収率=100%だった。このことより、反応に仕込まれた原料がすべてポリマーに変換され、完全に加水分解されており、仕込み組成からこのポリマー中のケイ素含有量は17質量%、炭素含有量は55質量%であることがわかった。
(合成例2)
3000mlのガラス製のフラスコに、エタノール1400g、純水700gおよび25%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド50gを仕込み、攪拌した。この混合物に、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン79g、テトラエトキシシラン70gおよびフェニルトリメトキシシラン14gの混合物を、液温40℃で滴下し、その後40℃、2時間攪拌した。反応終了後、酢酸を35g加えて反応を停止させ、減圧でエタノールを留去した。得られた液に、酢酸エチル2000ml加え水層を分別し、有機液層を超純水で2回洗浄、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を600g加え、液温を40℃に加熱しながらの減圧下で酢酸エチルを留去し、ポリマーのPGMEA溶液を得た。
これをポリマー2(polymer2)とし、この収率を測定するため約1gの上記溶液を精密に秤量した後、150℃、1時間乾燥機で乾燥させて蒸発残分を再び秤量したところ、仕込んだモノマーが全て完全に加水分解されたとする理論値に対して収率=100%だった。このことより、反応に仕込まれた原料がすべてポリマーに変換され、完全に加水分解されており、仕込み組成からこのポリマー中のケイ素含有量は24質量%、炭素含有量は42質量%であることがわかった。
(合成例3)
1000mlのガラス製のフラスコに、メタノール150g、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン22g、トリメトキシメチルシラン77g、フェニルトリメトキシシラン14gおよびシュウ酸1.5gの混合物に脱イオン水40gおよびメタノール20gの混合液を、液温40℃で滴下し、その後40℃、12時間攪拌した。反応終了後、減圧で溶媒を留去した。残渣を、酢酸エチル1000mlで溶解して、洗浄用の脱イオン水を水洗分液し、水層を分別後、更に有機液層を脱イオン水で2回洗浄した。ここにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を600g加え、液温を40℃に加熱しながらの減圧下で酢酸エチルを留去し、ポリマーのPGMEA溶液を得た。
これをポリマー3(polymer3)とし、この収率を測定するため約1gの上記溶液を精密に秤量した後、150℃、1時間乾燥機で乾燥させて蒸発残分を再び秤量したところ、仕込んだモノマーが全て完全に加水分解されたとする理論値に対して収率=100%だった。このことより、反応に仕込まれた原料がすべてポリマーに変換され、完全に加水分解されており仕込み組成からこのポリマー中のケイ素含有量は32質量%、炭素含有量は29質量%であることがわかった。
(合成例4)
1000mlのガラス製のフラスコに、メタノール150g、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン13g、トリメトキシメチルシラン41g、テトラエトキシシラン62g、フェニルトリメトキシシラン16gおよびマレイン酸1.5gの混合物に脱イオン水45gおよびメタノール20gの混合液を、液温40℃で滴下し、その後40℃、12時間攪拌した。反応終了後、減圧で溶媒を留去した。残渣を、酢酸エチル1000mlで溶解して、洗浄用の脱イオン水を水洗分液し、水層を分別後、更に有機液層を脱イオン水で2回洗浄した。これを液温を40℃に加熱しながらの減圧下で酢酸エチルを留去し、残渣をエタノール400gに溶解した。
次に、3000mlのガラス製のフラスコに、エタノール1400g、純水700gおよび25%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド50gを仕込み、攪拌した。この混合物に、上記ポリマーのエタノール溶液を、液温40℃で滴下し、その後40℃、2時間攪拌した。反応終了後、酢酸を35g加えて反応を停止させ、減圧でエタノールを留去した。得られた液に、酢酸エチル2000ml加え水層を分別し、有機液層を超純水で2回洗浄、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)を600g加え、液温を40℃に加熱しながらの減圧下で酢酸エチルを留去し、ポリマーのPGME溶液を得た。
これをポリマー4(polymer4)とし、この収率を測定するため約1gの上記溶液を精密に秤量した後、150℃、1時間乾燥機で乾燥させて蒸発残分を再び秤量したところ、仕込んだモノマーが全て完全に加水分解されたとする理論値に対して収率=100%だった。このことより、反応に仕込まれた原料がすべてポリマーに変換され、完全に加水分解されており、仕込み組成からこのポリマー中のケイ素含有量は36質量%、炭素含有量は25質量%であることがわかった。
[ケイ素樹脂膜材料の調製]
表1に示すようにポリマー1〜4(polymer1〜4)で示されるポリマー、AG1(下記構造式参照)で示される酸発生剤をFC−430(住友スリーエム社製)0.1重量%を含む有機溶剤中に表1に示す割合で溶解させ、0.1μmの弗素ポリマー製のフィルターでろ過することによってケイ素樹脂膜材料の溶液(Sol 1〜4)をそれぞれ調製した。
Figure 0004563927
このケイ素樹脂膜材料の溶液をシリコン基板上に塗布して、200℃で60秒間ベークして膜厚193nmのケイ素樹脂膜を形成した。それぞれのケイ素樹脂膜について、J.A.ウーラム社の入射角度可変の分光エリプソメーター(VASE)で波長193nmにおける光学定数(屈折率:n,消衰係数:k)を求めた。その結果を表1に示す。
Figure 0004563927
[ドライエッチング耐性試験]
次いでドライエッチング耐性のテストを行った。
先ず、前記屈折率測定に用いたケイ素樹脂膜材料Sol 1〜4で、それぞれ、ケイ素樹脂膜Film1〜4を形成した。これらについて、CHF3/CF4系ガスおよび酸素系でのエッチング条件で、東京エレクトロン株式会社製ドライエッチング装置TE−8500Pを用い、ドライエッチング耐性試験を行った。
エッチング条件は下記に示す通りである。
CHF3/CF4系ガスでのエッチング条件
チャンバー圧力 40Pa
RFパワー 1,300W
ギヤップ 9mm
CHFガス流量 30ml/min
CFガス流量 30ml/min
Arガス流量 100ml/min
時間 30sec
酸素系でのエッチング条件
チャンバー圧力 60Pa
RFパワー 600W
ギヤップ 9mm
Arガス流量 40ml/min
ガス流量 60ml/min
時間 30sec
そして、エッチング前後のケイ素樹脂膜の膜厚差を測定した。その結果を表2に示した。
表2より、Film3,4は、酸素系でのエッチングに対して優れたエッチング耐性を示し、特に、下層の有機膜をエッチングする際に、優れたエッチングマスクとなることが判る。
Figure 0004563927
(実施例1)
まず基板上に、4,4’−(9H−フルオレン−9−イリデン)ビスフェノールノボラック樹脂(分子量11000)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(樹脂28質量部、溶剤100質量部)を回転塗布し、250℃で1分間加熱して、膜厚300nmの有機膜を形成した。
その上に、上記調製したSol 4を回転塗布し、220℃で90秒間加熱して、膜厚70nmの下層ケイ素樹脂膜を形成した。
更に、その上に、Sol 1を回転塗布し、180℃で90秒間加熱し、膜厚10nmの上層ケイ素樹脂膜を形成した。
このようにして、下層ケイ素樹脂膜と上層ケイ素樹脂膜を含む反射防止用ケイ素樹脂膜を形成した。
次に、反射防止用ケイ素樹脂膜上に下記組成からなるフォトレジスト膜材料を回転塗布し、120℃で60秒間加熱し、膜厚250nmのフォトレジスト膜を形成した。
この時用いたフォトレジスト膜材料の組成は次の通りである。
樹脂 : PolymerA(ポリマーA)(下記構造式参照)
10質量部
Figure 0004563927
光酸発生剤 :トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート
0.2質量部
塩基性添加物:トリエタノールアミン 0.02質量部
溶剤 :プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)
600質量部
このようにして、有機膜の上に、反射防止用ケイ素樹脂膜、その上にフォトレジスト膜を順次形成した基板を作製した。
次に、フォトレジスト膜のパターン回路領域をArF露光装置(ニコン社製;S305B、NA0.68、σ0.85、2/3輪帯照明、クロムマスク)で露光し、110℃で90秒間加熱後、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で現像し、110nmのラインアンドスペースパターンを得た。
得られたポジ型のレジストパターンを観察したところ、フッティング等は観察されず、矩形のパターンであることが確認できた。
次に、このレジストパターンをエッチングマスクとして、有機系材料に対しケイ素樹脂膜のエッチング速度が優位に高いドライエッチング条件でのエッチングを行った。条件として、東京エレクトロン社製ドライエッチング装置TE−8500Pを用い、チャンバー圧力40Pa、RFパワー1300W、ギャップ9mm、CHFガス流量30ml/min、CFガス流量30ml/min、ArFガス流量100ml/minを使用した。このドライエッチングにより反射防止用ケイ素樹脂膜をエッチング加工することで、フォトレジスト膜のサイドエッチングによるパターン変化の影響を殆ど受けずに、反射防止用ケイ素樹脂膜にパターンを形成することができた。
次に、このようにしてパターンが転写されたケイ素樹脂膜を持つ基板に対し、さらに、ケイ素樹脂膜に対し下層有機膜のエッチング速度が優位に高いドライエッチングを行った。条件として、酸素プラズマによる反応性ドライエッチング(チャンバー圧力60Pa、RFパワー600W、Arガス流量40sccm、Oガス流量60sccm、ギャップ9mm)を使用した。この反応性ドライエッチングにより、レジストパターンとして得られた露光パターンが高精度で下層有機膜に転写された。
次に、このようにしてパターンが転写された有機膜をエッチングマスクにして、基板のエッチングを行い、基板にパターンを形成した。この時、基板の被加工部分が、酸化ケイ素であったので、フッ素系ドライエッチング条件を使用した。このドライエッチング条件により、基板の被加工部分にパターンが形成されると同時に有機膜上の反射防止用ケイ素樹脂膜がエッチング除去された。
その後、基板上に残っていた有機膜を、酸素ガスプラズマによるエッチングで除去した。
基板に形成されたパターンを観察したところ、良好なパターンが形成されていることが確認できた。
(実施例2)
上層ケイ素樹脂膜材料として、Sol 1の代わりにSol 2を下層ケイ素樹脂膜の上に塗布し、膜厚5nmの上層ケイ素樹脂膜を形成したこと以外は、すべて上記実施例1と同様の手順で基板にパターンを形成した。
その結果、レジストパターンを形成した後、得られたポジ型のレジストパターンを観察したところ、フッティング等は観察されず、矩形のパターンであることが確認できた。
また、基板にパターンを形成した後、基板に形成されたパターンを観察したところ、良好なパターンが形成されていることが確認できた。
(実施例3)
上層ケイ素樹脂膜材料として、Sol 1の代わりにSol 3を下層ケイ素樹脂膜の上に塗布し、膜厚5nmの上層ケイ素樹脂膜を形成したこと以外は、すべて上記実施例1と同様の手順で基板にパターンを形成した。
その結果、レジストパターンを形成した後、得られたポジ型のレジストパターンを観察したところ、ほぼ矩形のパターンであることが確認できた。但し、実施例1,2に比べて多少フッティングが観察された。
また、基板にパターンを形成した後、基板に形成されたパターンを観察したところ、良好なパターンが形成されていることが確認できた。
(比較例1)
反射防止用ケイ素樹脂膜として、下層ケイ素樹脂膜と上層ケイ素樹脂膜の2層を形成するのではなく、Sol 1を有機膜上に塗布し、膜厚80nmのケイ素樹脂膜を1層のみ形成したこと以外は、すべて上記実施例1と同様の手順で基板にパターンを形成しようとした。
しかしながら、反射防止用ケイ素樹脂膜をエッチングマスクとして下層の有機膜をエッチングしてパターン転写する際、ケイ素樹脂膜のエッチング耐性が低く、有機膜を加工中にケイ素樹脂膜がエッチングガスによりすべて消失してしまい、有機膜の加工を完結することが出来なかった。
(比較例2)
反射防止用ケイ素樹脂膜として、下層ケイ素樹脂膜と上層ケイ素樹脂膜の2層を形成するのではなく、Sol 4を有機膜上に塗布し、膜厚80nmのケイ素樹脂膜を1層のみ形成したこと以外は、すべて上記実施例1と同様の手順で基板にパターンを形成しようとした。
しかしながら、フォトレジスト膜にレジストパターンを形成後、得られたポジ型のパターンを観察したところ、激しいフッティングが観察され、エッチングマスクとしては不適当であることが判明した。
(比較例3)
下層ケイ素樹脂膜材料として、Sol 4の代わりにSol 1を有機膜の上に塗布し、膜厚70nmの下層ケイ素樹脂膜を形成し、上層ケイ素樹脂膜材料として、Sol 1の代わりにSol 4を下層ケイ素樹脂膜の上に塗布し、膜厚10nmの上層ケイ素樹脂膜を形成したこと以外は、すべて上記実施例1と同様の手順で基板にパターンを形成しようとした。
しかしながら、フォトレジスト膜にレジストパターンを形成後、得られたポジ型のパターンを観察したところ、激しいフッティングが観察され、エッチングマスクとしては不適当であることが判明した。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
本発明の、少なくとも、有機膜の上に、反射防止用ケイ素樹脂膜、その上にフォトレジスト膜を順次形成した基板の一例を示す概略断面図である。 本発明の基板の製造方法の一例を示す説明図である。 本発明のパターン形成方法の一例を示す説明図である。
符号の説明
10…基板、 11…有機膜、 12…下層ケイ素樹脂膜、
13…上層ケイ素樹脂膜、 14…フォトレジスト膜、
16…反射防止用ケイ素樹脂膜。

Claims (10)

  1. 少なくとも、有機膜の上に、反射防止用ケイ素樹脂膜、その上にフォトレジスト膜を順次形成した基板であって、前記反射防止用ケイ素樹脂膜が、下層ケイ素樹脂膜と、該下層ケイ素樹脂膜よりケイ素含有量の少ない上層ケイ素樹脂膜を含むものであることを特徴とする基板。
  2. 前記下層ケイ素樹脂膜のケイ素含有量が、30質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の基板。
  3. 前記下層ケイ素樹脂膜の炭素含有量が、29質量%以下であり、前記上層ケイ素樹脂膜の炭素含有量が、前記下層ケイ素樹脂膜より多いものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の基板。
  4. 前記上層ケイ素樹脂膜のケイ素含有量が、前記下層ケイ素樹脂膜より少なく、かつ35質量%未満であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の基板。
  5. 少なくとも、有機膜の上に、反射防止用ケイ素樹脂膜、その上にフォトレジスト膜を順次形成した基板を製造する方法であって、少なくとも、基板の上に有機膜を形成し、該有機膜の上に下層ケイ素樹脂膜を形成し、該下層ケイ素樹脂膜の上に該下層ケイ素樹脂膜よりケイ素含有量の少ない上層ケイ素樹脂膜を形成して、前記下層ケイ素樹脂膜と前記上層ケイ素樹脂膜を含む反射防止用ケイ素樹脂膜を形成し、該反射防止用ケイ素樹脂膜の上にフォトレジスト膜を形成して、少なくとも、有機膜の上に、反射防止用ケイ素樹脂膜、その上にフォトレジスト膜を順次形成した基板を製造することを特徴とする基板の製造方法。
  6. 前記下層ケイ素樹脂膜のケイ素含有量を、30質量%以上とすることを特徴とする請求項5に記載の基板の製造方法。
  7. 前記下層ケイ素樹脂膜の炭素含有量を、29質量%以下とし、前記上層ケイ素樹脂膜の炭素含有量を、前記下層ケイ素樹脂膜より多いものとすることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の基板の製造方法。
  8. 前記上層ケイ素樹脂膜のケイ素含有量を、前記下層ケイ素樹脂膜より少なく、かつ35質量%未満とすることを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載の基板の製造方法。
  9. 基板にパターンを形成する方法であって、少なくとも、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の基板を準備し、該基板の前記フォトレジスト膜にレジストパターンを形成し、該レジストパターンが形成されたフォトレジスト膜をマスクにして前記反射防止用ケイ素樹脂膜にパターンを形成し、該パターンが形成された反射防止用ケイ素樹脂膜をマスクにして有機膜にパターンを形成し、該パターンが形成された有機膜をマスクにして前記基板にパターンを形成することを特徴とするパターン形成方法。
  10. 基板にパターンを形成する方法であって、少なくとも、請求項5乃至請求項8のいずれか1項に記載の基板の製造方法により、少なくとも、有機膜の上に、反射防止用ケイ素樹脂膜、その上にフォトレジスト膜を順次形成した基板を製造した後、前記フォトレジスト膜にレジストパターンを形成し、該レジストパターンが形成されたフォトレジスト膜をマスクにして前記反射防止用ケイ素樹脂膜にパターンを形成し、該パターンが形成された反射防止用ケイ素樹脂膜をマスクにして有機膜にパターンを形成し、該パターンが形成された有機膜をマスクにして前記基板にパターンを形成することを特徴とするパターン形成方法。
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