JP5101655B2 - 電池 - Google Patents
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Description
そして、特許文献1では、正極板が内包されたセパレータと、負極板とを交互に複数積層されることにより電極積層体が形成され、この電極積層体を電池缶に収容して積層型電池が製造される。
ここで、セパレータ1の角部分2が折れ曲がり、この折れ曲がった角部分2とセパレータ1内部の正極板4とが重なる部分が生じると、当該部分は、この折れ曲がって重なった角部分2の厚みの分だけ厚くなる。従って、イオン伝導に悪影響を与えうる。
また、上記重なる部分が生じると、正極板と負極板を水平な状態で積層することができなくなり、積層ズレの原因となってしまう。
このように、上記特許文献1に記載の技術では、セパレータの角部分が折れ曲がったまま積層されることにより積層ズレ等が発生する場合があり、その結果として電池性能を向上させることが困難であった。
そこで、本発明は、セパレータの角部分の折れ曲がりを抑え、これにより電池性能の低下を抑制することができる技術を提供する。
まず、図1〜図3を用いて、本発明に係る第一実施形態としての電池について説明する。
本実施形態における電池は、図1に示すように、複数の正極板10と、複数の負極板20と、正極板10を覆う袋状のセパレータ30と、不図示の電解液と、これらを収納する電池缶90と、を備えている。電池は、本実施形態ではリチウムイオン二次電池を例にして説明するが、本発明はリチウムイオン二次電池への適用に限られない。また、正極板と負極板がセパレータを介して複数積層される積層型電池のみならず、1対の正極板と負極板がセパレータを介して積層されている捲回型電池にも適用が可能である。
ここでは、セパレータ30は、後述のように、シート状の第1のセパレータ31と第2のセパレータ32とが、各々の端部が熱で融着されて、袋状となっている。しかしながら、これに限定されず、2つのシート状のセパレータを融着して袋状にする場合のみならず、1つのシート状のセパレータを折り曲げて融着することで袋状のセパレータを形成してもよい。
これらセパレータは、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂等で形成されている。
また、負極板20は、負極板本体21と、この負極板本体21の一端部から延びる負極タブ29からなる。そして、正極板10と同様に、負極板本体21と負極タブ29とは一体として構成されている。例えば銅等の集電体に負極用の活物質(カーボンや人造黒鉛など)が塗工され、これを打ち抜き型で打ち抜くことにより形成される。
これら正極板10と負極板20とがセパレータ30を介して積層されることで電極積層体100を形成する。図示していないが、電極積層体100の両端の電極は負極板20である。そして、この電極積層体100と電池缶90との間に絶縁シート(例えば、プラスチック樹脂)を配置して、電極積層体100が電池缶に挿入される。電極積層体100と電池缶90との間の電気的接触を回避するためである。
なお、本実施形態では、正極板10の正極板本体11は、後述のとおりセパレータ30に内包されるとともに、正極板10の正極タブ19は、一部がセパレータ30から露出している。正極板10および負極板20のいずれもセパレータ30に内包してもよいし、正極板10または負極板20のいずれか一方のみをセパレータ30に内包してもよい。
ここで、融着部41aおよび41bとのX方向の間隔は、正極板本体11の短辺の寸法と実質的に同じであるがやや大きい。また、融着部41cおよび41dとのY方向の間隔は、正極板本体11の長辺の寸法と実質的に同じであるがやや大きい。従って、上記内包される正極板本体11は袋状のセパレータ30の内部に確実に位置決めされる。すなわち、上記内包される正極板本体11は、袋状のセパレータ30の外形との相対位置が大きく変化することはない。このため、電池に加えられる振動等により正極板本体11がセパレータ30の内部で大きく移動することで正極板本体11の活物質が欠落することが防止される。
なお、ここでは融着部41a,41b,41c,41dは間欠的に配置されている。これは正極板本体11への電解液の浸透を促進するためである。しかしながら、これに限定されるものではなく、正極板本体11の形状、すなわち略矩形の4辺の各々に沿って融着がなされていればよい。
以上のように、図2においては、シート状の各セパレータ31,32は計8箇所で融着され、これにより正極板本体11が袋状のセパレータ30に固定されることとなる。
なお、正極タブ19に最も近い角融着部43と融着部41dとは、正極タブ19がそれらの間に配置されるだけの間隔を空けて形成される。
一方、セパレータ30自体の曲げに対する剛性がある程度高い場合には、そもそもセパレータ30の角部分の折れ曲がりが生じにくいのであるから、L1<Lとしてもよい。この場合には、L1≧L/2という条件を満たすことが好ましい。万一、角融着部43に比べて曲げに対する剛性の弱いセパレータ30の角部分が折れ曲がったとしても、角融着部43の第2の端部を基点として折れ曲がることになり、この際に前記条件を満たせば、セパレータ30の角35はセパレータ30内の正極板本体11とZ方向において重なることはない。よって、少なくともイオン伝導への悪影響を防止できるからである。
なお、角融着部43および融着部41a、41b、41c、41dの上記直線状の形状は、厳密に直線である必要はなく、実質的に直線と同視できる形状であればよい。すなわち、微視的に見れば折れ線であったり、湾曲部分があったりしてもよい。また、ドット状の融着箇所が複数集合することで、上記直線状の形状を構成してもよい。
次に、図4を用いて、本発明に係る第二実施形態について説明する。なお、本実施形態は、第一実施形態で示した角融着部43の変形例であり、その他の構成は第一実施形態と同じである。
このように第一実施形態で示した角融着部43(ただし、L>L1≧L/2)に融着部44を接続して設けることで、仮に、セパレータ30の角部分が折れ曲がるとしても、この直線状の融着部44を基準にして折れ曲がることとなる。従って、セパレータ30の角部分が折れ曲がったとしても、セパレータ30の角がセパレータ30内の負極板本体21とZ方向において重ならないよう、第一実施形態よりもさらに確実にセパレータの折れ曲がりを誘導することができる。よって、折れ曲がった角部分によるイオン伝導への悪影響を防止し、電池性能の低下を回避することができる。
次に、図5及び図6を用いて、本発明に係る第三実施形態について説明する。なお、本実施形態は、第一実施形態で示した角融着部43の変形例であり、その他の構成は第一実施形態と同じである。
本実施形態では、図6に示すように、角融着部43の長さL1はL>L1ではあるものの、第一実施形態、第二実施形態と異なり、L1≧L/2とする必要はなく、L1>0としてよい。ただし、直線状の第一外側融着部46の端部のうち角融着部43の第2の端部に接続していない端部(第3の端部)と、直線状の第二外側融着部45の端部のうち角融着部43の第2の端部に接続していない端部(第4の端部)とを結んだ第一仮想線V1が、角融着部43を伸ばした第二仮想線V2と交わる点を交点Pとしたとき、角融着部43の第1の端部から交点Pまでの距離L2が、L>L2≧L/2となるように設計される。
Y型の角融着部432が上記構成であることにより、仮にセパレータ30の角部分が折れ曲がったとしても、この第一仮想線V1を基準にして折れ曲がるので、折れ曲がったセパレータ30の角部分が正極板本体11に重ならない。このため、第二実施形態と同様、折れ曲がった角部分によるイオン伝導への悪影響を防止し、電池性能の低下を回避することができる。
さらに、第一外側融着部46がY軸に沿って、また、第二外側融着部45がX軸に沿って配置されていることで、第二実施形態のT型の角融着部431よりも、セパレータ30の角部分のみならずその他の端部におけるY軸またはX軸に沿う折れ曲がりをより強固に防止できる。
次に、図7を用いて、本発明に係る第四実施形態について説明する。なお、本実施形態は、第一実施形態で示した角融着部43の変形例であり、その他の構成は第一実施形態と同じである。
このように第一実施形態で示した角融着部43(ただし、L≧L1≧L/2)に融着部47を接続して設けることで、仮に、セパレータ30の角部分が折れ曲がるとしても、融着部43の第2の端部を基準にして折れ曲がることとなる。従って、セパレータ30の角部分が折れ曲がったとしても、セパレータ30の角がセパレータ30内の負極板本体21とZ方向において重ならない。このため、第二および第三実施形態と同様、折れ曲がった角部分によるイオン伝導への悪影響を防止し、電池性能の低下を回避することができる。
さらに、融着部41a、41b、41c、41dのみならず、直線状の融着部47が、セパレータ30に内包される正極板本体11の角を押さえることができるので、XY平面における正極板本体11の回転もある程度規制することができる。従って、第一実施形態に比べ、上記内包される正極板本体11の袋状のセパレータ30の内部へのより確実な位置決めをすることができる。
次に、図8を用いて、本発明に係る第五実施形態について説明する。なお、本実施形態は、第一実施形態で示した角融着部43の変形例であり、その他の構成は第一実施形態と同じである。
このように第一実施形態で示した角融着部43(ただし、L≧L1≧L/2)の第1の端部に第一内側融着部48および第ニ内側融着部49を接続して設けることで、仮に、セパレータ30の角部分が折れ曲がるとしても、融着部43の第2の端部を基準にして折れ曲がることとなる。従って、セパレータ30の角部分が折れ曲がったとしても、セパレータ30の角がセパレータ30内の負極板本体21とZ方向において重ならない。このため、第二乃至第四実施形態と同様、折れ曲がった角部分によるイオン伝導への悪影響を防止し、電池性能の低下を回避することができる。
さらに、第四実施形態に比べ、融着部41a,41b,41c,41dのみならず、第一内側融着部48および第ニ内側融着部49により、セパレータ30に内包される正極板本体11の角をより良好に規制することができるので、XY平面における正極板本体11の回転をさらに抑制することができる。従って、第四実施形態に比べ、上記内包される正極板本体11の袋状のセパレータ30の内部へのより確実な位置決めをすることができる。
Claims (4)
- 略矩形の正極板と、
略矩形の負極板と、
前記正極板または前記負極板を内包する略矩形の袋状のセパレータであって、前記内包される前記正極板または前記負極板の形状に沿って形成される融着部と、前記内包される前記正極板または前記負極板の角付近の第1の端部と前記セパレータの角のうち前記第1の端部に最も近い前記セパレータの角へ向かう方向に位置する第2の端部とを結ぶ直線状の融着部分からなる角融着部とを備えてなるセパレータと、
を有することを特徴とする電池。 - 前記角融着部の長さは、前記第1の端部から前記セパレータの角のうち前記第1の端部に最も近い前記セパレータの角までの距離の半分以上の値であることを特徴とする請求項1に記載の電池。
- 前記角融着部の前記第2の端部には、前記セパレータの辺のうち前記第2の端部に近い2辺に向かう融着部分が接続されていることを特徴とする請求項2に記載の電池。
- 前記角融着部の前記第1の端部には、前記セパレータの辺のうち前記第1の端部に近い2辺に向かう融着部分または前記内包される前記正極板または前記負極板の形状に沿って形成される融着部分が接続されていることを特徴とする請求項1に記載の電池。
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