JP5100795B2 - 自転車用サドルの支持構造 - Google Patents
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Description
前記サドルクランプは、前記台座の上面に形成された円筒面状のヘッド部に対して前後方向に回動自在に嵌り合う曲面部を有する下クランプと、前記サドルレールを上下から挟むように前記下クランプの上側に重ね合わされる上クランプとからなり、
前記上クランプの前後端部及び前記台座の前後端部には、前記台座及びサドルクランプを上下に貫通する前記締付けボルトを前後方向に揺動可能に挿通するボルト挿通孔が形成されており、
前記台座と前記下クランプとの間には、前記台座に対する前記下クランプの前後方向への回動を所定の範囲に制限する回動制限手段が設けられ、
前記回動制限手段は、前記台座のヘッド部の中央部に形成された貫通孔に内嵌される突起部と、前記台座に前記下クランプを嵌め合わせた状態において前記突起部が前後方向に移動自在に挿通され、前記サドルクランプを回動させて前記自転車用サドルの傾斜角度を調整するときに、前記締付けボルトが下クランプや他部材に当接することがない前後方向の長さを有するように前記下クランプの曲面部における底面中央に貫通形成された長孔とから構成されていることを特徴とする。
これによれば、前記回動制限手段により前記台座に対する下クランプの回動範囲を自由に設定することができるから、従来例のように前後に最大に回動する際に前記サドルクランプ(4)又は前記締付けボルト(40)が他部材に当接することを回避することができる。そのため、自転車用サドルの支持部を構成する前記サドルクランプ及び締付けボルトが過剰な負荷により破損又は変形されることを防止することができる。
さらに、前記回動制限手段は、既存の台座に形成された貫通孔に嵌入された突起部と、下クランプに形成された長孔とからなるので、既存の台座及び下クランプを切削・加工することにより回動制限手段を形成させることができ、台座や下クランプの金型の設計変更を行う必要がなく、既存の台座及び下クランプを用いることができる。
そして、前記回動制限手段は、前記下クランプの長孔の形成位置及び長さによって前記サドルクランプの回動範囲が決定される構成となっており、前記下クランプは前記長孔に収容された突起部に案内されて回動される。そのため、前記サドルクランプの左右方向への揺動が防止され、前記サドルクランプを前後方向に容易に且つ安定的に回動させることができる。また、前記突起部が前記長孔に収容されることにより前記下クランプが位置決めされるから、前記台座に前記サドルクランプを容易に装着することができる。
前記突起部は、前記貫通孔に内嵌される円柱状の胴部と、前記長孔を挿通すると共に前記長孔の前端縁及び後端縁に当接することで前記下クランプの回動を制限する円柱状の首部と、前記首部の上端に連設され、前記下クランプの上側に突出する半球状の頭部とから構成され、弾性合成樹脂材により一体的に形成されており、
前記頭部は、前記下クランプの長孔の左右方向の幅よりも幾分大きな径を有するように設定されていることを特徴とする。
前記長孔に前記頭部を弾性変形させながら押し込んで強制的に挿通させると、挿通後は、前記台座に対して前記下クランプを回動する際に、前記突起部の頭部が前記下クランプの抜止め防止手段として機能し、前記サドルクランプを安定的に回動させることができる。
前記台座に対する前記下クランプの嵌め合わせ方向が前後自在であることを特徴とする。
これによれば、前記下クランプに方向性がないから、前記台座に嵌め合わせる際に前後を確認する必要がなく、サドルクランプを誤って逆向きに装着してしまうことがない。
ここで、前記下クランプには、いずれの方向に嵌め合わせても自転車用サドルの傾斜角度の調整範囲が同じである構成のものだけでなく、嵌め合わせる方向により自転車用サドルの傾斜動角度の調整範囲が異なるものも含まれる。
前記台座に対する前記下クランプの嵌め合わせ方向が規定されていることを特徴とする。
これによれば、前記下クランプに方向性を持たせることにより、前後自在のものに比べて、自転車用サドルの傾斜角度の調節範囲を広く設定したり、乗車時にかかる負荷に対する支持力を大きくすることができる。また、前後自在のものに比べて、必要な機能部位が少なく前記下クランプの小型軽量化を図ることもできる。
<実施の形態1>
図1には、本発明実施の形態の一例である自転車用サドルの支持構造を示している。
この例のものは、自転車の本体フレームに取付けられた円筒体(100)と前記円筒体(100)の上端部に嵌合される台座(10)とからなるシートポスト(1)と、前記台座(10)に対して回動自在に装着されると共に自転車用サドル(8)の下側に取付けられたサドルレール(5)を上下から挟持するサドルクランプ(4)と、前記サドルクランプ(4)を前記台座(10)に固定する締付けボルト(40)及びナット(41)とから構成されている。また、前記シートポスト(1)は後方に15度傾斜した態様で前記本体フレームに取付けられており、前記サドルクランプ(4)を回動させることにより、前記自転車用サドルを水平状態から前後にそれぞれ最大15度傾斜して取付けることができるようになっている。
図6には、一方の端部が開放した凹溝(61c)(61d)とこれに前後方向に移動自在に収容される突起部(61c)(61d)とからなる回動制限手段(6)を有する自転車用サドルの支持構造の要部を示している。前記凹溝(60c)(60d)及び突起部(61c)(61d)以外については、前述の実施の形態1と同様の構成であり、前記サドルクランプ(4)の回動範囲についても前記台座(10)に対して水平な状態(傾斜角度0度)から後上がりに30度傾斜するまでの範囲に制限されている。
図7には、前記台座(10)に嵌着された突起部(63)と、前記下クランプ(3)に形成され前記突起部(63)を前後方向に移動自在に挿通する長孔(62)とからなる回動制限手段(6)を有する自転車用サドルの支持構造の要部を示している。前記回動制限手段(6)の構成以外については、前述の実施の形態1と同様の構成となっている。
図8には、前記台座(10)の側端縁に形成された第1係合突部(65)と前記下クランプ(3)の側端縁に形成された第2係合突部(64a)(64b)とからなる回動制限手段(6)を有する自転車用サドルの支持構造の要部を示している。前記回動制限手段の構成以外については、前述の実施の形態1と同様の構成となっている。
本発明に係る自転車用サドルの支持構造は上記実施の形態に限られるものではない。
前述の実施の形態1又は2においては、前記台座(10)に凹溝(60a)(60b)(60c)(60d)を設け、前記下クランプ(3)に突起部(61a)(61b)(61c)(61d)を設けた構成となっているが、前記台座(10)に突起部(61a)(61b)(61c)(61d)を設け、前記下クランプ(3)に凹溝(60a)(60b)(60c)(60d)を設けた構成としてもよい。このような構成としたものは、既存の台座(10)及び下クランプ(3)を切削・加工させて回動制限手段を形成する場合において、前記凹溝(60a)(60b)(60c)(60d)を容易に形成させることができるから生産効率が高い。また、前記回動制限手段の精度も優れている。
(10) 台座
(11) ヘッド部
(2) 上クランプ
(22)(23) ボルト挿通孔
(3) 下クランプ
(31) 曲面部
(4) サドルクランプ
(40) 締付けボルト
(5) サドルレール
(6) 回動制限手段
(60a)(60b)(60c)(60d) 凹溝
(61a)(61b)(61c)(61d) 突起部
(62) 長孔
(63) 突起部
(64a)(64b) 第2係合突部
(65) 第1係合突部
(8) 自転車用サドル
Claims (4)
- シートポストの上端部に位置する台座と、自転車用サドルの下側に取付けられたサドルレールを挟持すると共に前記台座に対して前後方向の傾斜角度を調整可能に組付けられるサドルクランプと、前記サドルクランプを前記台座に固定する2本の締付けボルトとを有する自転車用サドルの支持構造において、
前記サドルクランプは、前記台座の上面に形成された円筒面状のヘッド部に対して前後方向に回動自在に嵌り合う曲面部を有する下クランプと、前記サドルレールを上下から挟むように前記下クランプの上側に重ね合わされる上クランプとからなり、
前記上クランプの前後端部及び前記台座の前後端部には、前記台座及びサドルクランプを上下に貫通する前記締付けボルトを前後方向に揺動可能に挿通するボルト挿通孔が形成されており、
前記台座と前記下クランプとの間には、前記台座に対する前記下クランプの前後方向への回動を所定の範囲に制限する回動制限手段が設けられ、
前記回動制限手段は、前記台座のヘッド部の中央部に形成された貫通孔に内嵌される突起部と、前記台座に前記下クランプを嵌め合わせた状態において前記突起部が前後方向に移動自在に挿通され、前記サドルクランプを回動させて前記自転車用サドルの傾斜角度を調整するときに、前記締付けボルトが下クランプや他部材に当接することがない前後方向の長さを有するように前記下クランプの曲面部における底面中央に貫通形成された長孔とから構成されていることを特徴とする自転車用サドルの支持構造。 - 請求項1に記載の自転車用サドルの支持構造において、
前記突起部は、前記貫通孔に内嵌される円柱状の胴部と、前記長孔を挿通すると共に前記長孔の前端縁及び後端縁に当接することで前記下クランプの回動を制限する円柱状の首部と、前記首部の上端に連設され、前記下クランプの上側に突出する半球状の頭部とから構成され、弾性合成樹脂材により一体的に形成されており、
前記頭部は、前記下クランプの長孔の左右方向の幅よりも幾分大きな径を有するように設定されていることを特徴とする自転車用サドルの支持構造。 - 請求項1又は2に記載の自転車用サドルの支持構造において、
前記台座に対する前記下クランプの嵌め合わせ方向が前後自在であることを特徴とする自転車用サドルの支持構造。 - 請求項1又は2に記載の自転車用サドルの支持構造において、
前記台座に対する前記下クランプの嵌め合わせ方向が規定されていることを特徴とする自転車用サドルの支持構造。
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