JP5100619B2 - ロキソプロフェン含有医薬製剤1 - Google Patents

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Description

本発明は、優れた、鎮痛、抗炎症及び/又は解熱作用を有する新規な組成物、及びそれらを製造するために新規な組合わせの薬剤を使用することに関する。
カフェイン類は、強心利尿剤及び中枢神経興奮薬として、
アリルイソプロピルアセチル尿素及びブロムワレリル尿素は、催眠剤及び鎮静剤として、
アセトアミノフェン類は、鎮痛剤及び解熱剤として、
エテンザミドは、鎮痛剤及び解熱剤として、
極めて広範囲に使用されている薬剤である。
一方、ロキソプロフェン類は、胃への障害が少ないことから、鎮痛剤及び抗炎症剤として、広範囲に使用されている薬剤である。
しかしながら、
(1)カフェイン類、アリルイソプロピルアセチル尿素、ブロムワレリル尿素、アセトアミノフェン類及びエテンザミドより選択される1種又は2種以上の薬剤と、
(2)ロキソプロフェン類
を組合わせた医薬組成物は知られていない。
本発明者等は、ロキソプロフェン類と他の薬剤とを使用した場合の相乗作用について、永年に亘り鋭意研究を行なった結果、(1)カフェイン類、アリルイソプロピルアセチル尿素、ブロムワレリル尿素、アセトアミノフェン類及びエテンザミドより選択される1種又は2種以上の薬剤と、(2)ロキソプロフェン類を組合わせた新規な医薬組成物が、優れた、鎮痛、抗炎症及び/又は解熱作用を有することを見出し、本発明を完成した。
更に、本発明の他の目的は、鎮痛、抗炎症及び/又は解熱を目的とする予防又は治療剤を製造するために、同時に、別々に、若しくは、順次に投与する組合わせとして、(1)カフェイン類、アリルイソプロピルアセチル尿素、ブロムワレリル尿素、アセトアミノフェン類及びエテンザミドより選択される1種又は2種以上の薬剤と、(2)ロキソプロフェン類を有効成分として使用することにある。
本発明の新規な医薬組成物は、
鎮痛、抗炎症及び/又は解熱を目的とする予防又は治療剤として使用するために、同時に、別々に、若しくは、順次に投与する組合わせとして
(1)カフェイン類、アリルイソプロピルアセチル尿素、ブロムワレリル尿素、アセトアミノフェン類及びエテンザミドより選択される1種又は2種以上の薬剤、及び
(2)ロキソプロフェン類
を有効成分として含有し、
本発明の新規な鎮痛剤、抗炎症剤及び/又は解熱剤は、
(1)カフェイン類、アリルイソプロピルアセチル尿素、ブロムワレリル尿素、アセトアミノフェン類及びエテンザミドより選択される1種又は2種以上の薬剤、及び
(2)ロキソプロフェン類
を有効成分として含有し、
本発明の新規な、鎮痛、抗炎症及び/又は解熱を目的とする予防又は治療剤を製造するための使用は、
同時に、別々に、若しくは、順次に投与する組合わせとして
(1)カフェイン類、アリルイソプロピルアセチル尿素、ブロムワレリル尿素、アセトアミノフェン類及びエテンザミドより選択される1種又は2種以上の薬剤、及び
(2)ロキソプロフェン類
を有効成分とする。
好適な組み合わせとしては、鎮痛剤として用いる場合には、カフェイン類、アリルイソプロピルアセチル尿素、アセトアミノフェン類及びエテンザミドより選択される1種又は2種以上の薬剤、及び
ロキソプロフェン類との組み合わせであり、さらに好適には、アセトアミノフェン類及びエテンザミドより選択される1種又は2種以上の薬剤、及び
ロキソプロフェン類との組み合わせであり、またさらに好適には、エテンザミドとロキソプロフェン類との組み合わせであり、
抗炎症剤として用いる場合には、ブロムワレリル尿素、カフェイン類及びエテンザミドより選択される1種又は2種以上の薬剤、及び
ロキソプロフェン類との組み合わせであり、さらに好適には、カフェイン類とロキソプロフェン類との組み合わせであり、
解熱剤として用いる場合には、好適には、アリルイソプロピルアセチル尿素、ブロムワレリル尿素及びエテンザミドより選択される1種又は2種以上の薬剤、及び
ロキソプロフェン類との組み合わせである。
本発明における、
カフェイン類とは、一般に、強心利尿剤及び中枢神経興奮薬として使用できるカフェイン誘導体であれば、特に限定はないが、好適には、薬局方に収載されている、カフェイン又は無水カフェインである。なお、薬局方のカフェインは、1分子の結晶水を有することから、カフェイン類の水和物及び溶媒和物も含む。
アリルイソプロピルアセチル尿素とは、別名アプロナリドと言い、一般に、催眠剤及び鎮静剤として使用できるアリルイソプロピルアセチル尿素であれば、特に限定はなく、水和物及び溶媒和物も含む。
ブロムワレリル尿素とは、別名ブロムイソバルと言い、一般に、催眠剤及び鎮静剤として使用できるブロムワレリル尿素であれば、特に限定はなく、水和物及び溶媒和物も含む。
アセトアミノフェン類とは、別名パラセタモールと言い、一般に、鎮痛剤及び解熱剤として使用できるアセトアミノフェン誘導体であれば、特に限定はなく、アセトアミノフェン、その薬理上許容される塩(好適には、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、ニッケル塩、コバルト塩等の金属塩;アンモニウム塩のような無機塩、t−オクチルアミン塩、ジベンジルアミン塩、モルホリン塩、グルコサミン塩、フェニルグリシンアルキルエステル塩、エチレンジアミン塩、N−メチルグルカミン塩、グアニジン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、プロカイン塩、ジエタノールアミン塩、N−ベンジル−フェネチルアミン塩、ピペラジン塩、テトラメチルアンモニウム塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩のような有機塩等のアミン塩)又はその他の誘導体を挙げることができ、薬理上許容される塩には、水和物及び溶媒和物も含む。
その他の誘導体とは、主にプロドラッグ(人体内で加水分解等の生物学的方法により開裂し、フリー体又はその塩を生成する誘導体をいい、そのような誘導体か否かは、ラットやマウスのような実験動物に静脈注射により投与し、その後の動物の体液を調べ、元となる化合物又はその薬理学的に許容される塩を検出できることにより決定できる。)を意味するが、アセトアニリドやフェナセチンのように主活性代謝物がアセトアミノフェンであるような薬剤も含む。なお、好適には、アセトアミノフェン自体である。
エテンザミドとは、別名エトキシベンズアミドと言い、一般に、鎮痛剤及び解熱剤として使用できるエテンザミドであれば、特に限定はなく、水和物及び溶媒和物も含む。
「同時に」とは、ほぼ同じ時間に服用することをいい、
「別々に」とは、異なった時間に別々に服用することをいい、例えば、1日目に1の薬剤、2日目に他の薬剤を服用するような場合をいう。
「順次に」とは、順番に従って服用することをいい、例えば、最初に1の薬剤を服用し、次いで、決められた時間後に、他の薬剤を服用するような場合をいう。
本発明の、(1)カフェイン類、アリルイソプロピルアセチル尿素、ブロムワレリル尿素、アセトアミノフェン類及びエテンザミドより選択される1種又は2種以上の薬剤と、(2)ロキソプロフェン類を組合わせた新規な医薬組成物は、鎮痛、抗炎症及び/又は解熱作用について、顕著な相乗作用を示した。
同時に、別々に、若しくは、順次に投与する組合わせとして
(1)カフェイン類、アリルイソプロピルアセチル尿素、ブロムワレリル尿素、アセトアミノフェン類及びエテンザミドより選択される1種又は2種以上の薬剤、及び
(2)ロキソプロフェン類
を有効成分として含有する、本発明の新規な医薬組成物等は、優れた、鎮痛、抗炎症及び/又は解熱作用を有し、且つ、毒性もないので、これらを目的とする予防剤及び治療剤として有用である。
本発明の新規な医薬組成物等は、(1)カフェイン類、アリルイソプロピルアセチル尿素、ブロムワレリル尿素、アセトアミノフェン類及びエテンザミドより選択される1種又は2種以上の薬剤の適当量と、(2)ロキソプロフェン類の適当量とを、有効成分として含有するように、常法に従って製剤される。
なお、「別々に」若しくは「順次に」投与する場合には、常法に従って、各薬剤を別々に製剤することになる。
なお、各薬剤の使用量は、症状、年齢、投与方法等により異なるが、下記の許容量の範囲内において、1日当り1乃至数回症状に応じて投与することが望ましい。
使用できるカフェイン類の許容量としては、1日当り、下限として5mg(好ましくは、10mg)、上限として、500mg(好ましくは、250mg)である。
使用できるアリルイソプロピルアセチル尿素の許容量としては、1日当り、下限として5mg(好ましくは、10mg)、上限として、400mg(好ましくは、180mg)である。
使用できるブロムワレリル尿素の許容量としては、1日当り、下限として10mg(好ましくは、20mg)、上限として、1500mg(好ましくは、600mg)である。
使用できるアセトアミノフェン類の許容量としては、1日当り、下限として5mg(好ましくは、10mg)、上限として、2000mg(好ましくは、1000mg)である。
使用できるエテンザミドの許容量としては、1日当り、下限として5mg(好ましくは、10mg)、上限として、2000mg(好ましくは、1500mg)である。
使用できるロキソプロフェン類の許容量としては、1日当り、下限として5mg(好ましくは、10mg)、上限として、500mg(好ましくは、180mg)である。
本発明の医薬組成物等は、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤若しくはシロップ剤等の経口投与用組成物であり、これらの組成物には、更に、
賦形剤(例えば、乳糖、白糖、葡萄糖、マンニトール、ソルビトールのような糖誘導体;トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、α澱粉、デキストリンのような澱粉誘導体;結晶セルロースのようなセルロース誘導体;アラビアゴム;デキストラン;プルランのような有機系賦形剤:及び、軽質無水珪酸、合成珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウムのような珪酸塩誘導体;燐酸水素カルシウムのような燐酸塩;炭酸カルシウムのような炭酸塩;硫酸カルシウムのような硫酸塩等の無機系賦形剤を挙げることができる。)、
滑沢剤(例えば、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムのようなステアリン酸金属塩;タルク;コロイドシリカ;ビーガム、ゲイ蝋のようなワックス類;硼酸;アジピン酸;硫酸ナトリウムのような硫酸塩;グリコール;フマル酸;安息香酸ナトリウム;DLロイシン;脂肪酸ナトリウム塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウムのようなラウリル硫酸塩;無水珪酸、珪酸水和物のような珪酸類;及び、上記澱粉誘導体を挙げることができる。)、
結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、マクロゴール、及び、前記賦形剤と同様の化合物を挙げることができる。)、
崩壊剤(例えば、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、内部架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムのようなセルロース誘導体;カルボキシメチルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム、架橋ポリビニルピロリドンのような化学修飾されたデンプン・セルロース類を挙げることができる。)、
安定剤(メチルパラベン、プロピルパラベンのようなパラオキシ安息香酸エステル類;クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコールのようなアルコール類;塩化ベンザルコニウム;フェノール、クレゾールのようなフェノール類;チメロサール;デヒドロ酢酸;及び、ソルビン酸を挙げることができる。)、
矯味矯臭剤(例えば、通常使用される、甘味料、酸味料、香料等を挙げることができる。)、
希釈剤等の添加剤を用いることができる。
以下に、試験例及び製剤例をあげて本発明を更に具体的に説明する。
(1)被検薬
ロキソプロフェンナトリウム・2水和物は、弊社のものを使用した。
なお、薬用量は、全てロキソプロフェンナトリウム無水物換算で実施した。
(2)使用薬物
無水カフェインは、和光純薬製、アリルイソプロピルアセチル尿素は、金剛化学製、ブロムワレリル尿素は、吉田製薬製、アセトアミノフェンは、シグマ製、エテンザミドは、吉田製薬製を購入して使用した。
(3)使用動物及び飼育環境
ウィスター系今道雄性ラット5週齢(動繁研)、ddy系雄性マウス4週齢(日本SLC)を使用した。
ラット、マウスは恒温恒湿下(温度22±1℃、湿度55±5%)のアニマルパック内で、固形試料(マウス、ラット飼育用F−2、船橋農場)及び水道水を自由に摂取させ、7日間予備飼育した後、健康状態の良好な動物を選別して供試した。
(4)投与法
薬物は、易溶難溶に拘らず、0.5%トラガント溶液に溶解若しくは懸濁して用いた。

投与液量は単独の場合、マウスには0.1ml/10g、ラットには0.5ml/100gの割合とし、併用の場合は単独の1/2量を経口投与した。
(5)統計処理
結果は平均値±標準誤差で表示した。
50%抑制薬用量(ID50値)は、個々の動物の抑制率と薬用量との間の回帰直線を最小二乗法により求めて算出した。
Fieller の数式よりその95%信頼限界を算出した。
[試験例1]
鎮痛作用(酢酸ライジング(Writhing法))
Kosterらの方法(Koster R., Anderson M. and De Beer E.: J. Fed. Proc. 18, 412 (1958) )に準じて実施した。
5週齢のddy 系雄性マウス1群5〜10匹を、実験前日より16時間絶食させて用いた。
ロキソプロフェンナトリウム・2水和物(20、40、80及び160各mg/kgを使用して測定)自体、並びに、無水カフェイン(80mg/kg)、アリルイソプロピルアセチル尿素(12.5mg/kg)、アセトアミノフェン(9.4mg/kg)又はエテンザミド(18.8mg/kg)と、ロキソプロフェンナトリウム・2水和物(20、40、80及び160各mg/kgを使用して測定)との組成物を、同時に、0.05ml/10gの割合で経口投与し、30分後に0.6%酢酸水溶液を、0.1ml/10gの割合で腹腔内に投与した。
酢酸水溶液投与10分後から、10分間のライジング数を測定した。
対照群には、0.5%トラガント溶液(0.1ml/10g)を経口投与して同様に測定した。
対照群の平均ライジング数に対する各組成物の抑制率を算出し、このデータを用いて、表1に示すように、ID50値を算出した。
なお、
無水カフェインを、(A)、
アリルイソプロピルアセチル尿素を、(B)、
アセトアミノフェンを、(C)、
エテンザミドを、(D)、
ロキソプロフェンナトリウム・2水和物を、(E)と表すが、ロキソプロフェンナトリウム・2水和物以外の各配合薬については、効果が発現しない用量を予め調べて設定した。
ロキソプロフェンナトリウム・2水和物を除く、上記各薬剤の使用用量では、表2から、その薬剤自体では鎮痛作用を示さないことが分かる。
Figure 0005100619
Figure 0005100619
ロキソプロフェンナトリウム・2水和物との配合剤において、上記のように、エテンザミドが最も相乗的に効果(約6倍)を発揮した。無水カフェイン、アリルイソプロピルアセチル尿素及びアセトアミノフェンも約2倍作用の増強が認められた。
従って、本発明の組成物は、鎮痛作用について、顕著な相乗効果を示した。
[試験例2]
抗炎症作用(カラゲニン足浮腫法)
Winterらの方法(Winter C.A., Risley E.A. and Nuss G.W.: Proc. Soc. Exp. Biol. Med. 111, 544 (1965))を、以下のように一部改良して実施した。
6週齢のウィスター系今道ラット1群5〜10匹を、実験前日より16時間絶食させて用いた。
ロキソプロフェンナトリウム・2水和物(1.0、2.0及び4.0各mg/kgを使用して測定)自体、並びに、無水カフェイン(20mg/kg)、アリルイソプロピルアセチル尿素(100mg/kg)、ブロムワレリル尿素(50mg/kg)、アセトアミノフェン(37.5mg/kg)又はエテンザミド(37.5mg/kg)と、ロキソプロフェンナトリウム・2水和物(0.2、0.25、0.5、1.0及び2.0各mg/kgを使用して測定)との組成物を、同時に、0.25ml/100gの割合で経口投与し、薬物投与30分後に、1%カラゲニン溶液(Viscarin 402)0.05mlを、ラットの右後肢足足蹠皮下に注射して炎症性浮腫を惹起させた。
カラゲニン注射前及び注射後3時間後の右後肢足の体積を足容積測定装置(TK−105、室町器械)で計測し,これより浮腫強度(3時間後の後肢足体積/注射前後肢足体積−1)を求め、
(1−組成物投与群の個々の浮腫強度/対照群の平均浮腫強度)×100
より抑制率を算出し、このデータを用いて、表3に示すように、ID50値を算出した。
対照群には、0.5%トラガント溶液(0.5ml/100g)を経口投与して同様に測定した。
また、式、
(1−薬物投与群の個々の浮腫強度/対照群の平均浮腫強度)×100
より抑制率を算出した。
なお、
無水カフェインを、(A)、
アリルイソプロピルアセチル尿素を、(B)、
ブロムワレリル尿素を、(B2)、
アセトアミノフェンを、(C)、
エテンザミドを、(D)、
ロキソプロフェンナトリウム・2水和物を、(E)と表すが、ロキソプロフェンナトリウム・2水和物以外の各配合薬については、効果が発現しない用量を予め調べて設定した。
ロキソプロフェンナトリウム・2水和物を除く、上記各薬剤の使用用量では、表4から、その薬剤自体では抗炎症作用を示さないことが分かる。
Figure 0005100619
Figure 0005100619
Figure 0005100619
ロキソプロフェンナトリウム・2水和物との配合剤において、上記のように、無水カフェイン及びエテンザミドとの併用で約4.5倍の作用の増強が認められた。また、アリルイソプロピルアセチル尿素及びアセトアミノフェンとの併用でも作用の増強が認められた。
さらに、ブロムワレリル尿素との併用において、単独投与に比し、抑制率の増加が見られ、軽度の相乗効果が認められた。
従って、本発明の組成物は、抗炎症作用について、顕著な相乗効果を示した。
[試験例3]
解熱作用(イースト発熱法)
Roszkowskiらの方法(RoszkowskiA.P., Rooks W.H., Tomolonis A.J. and Miller L.M.: J. Pharmacol. Exp. Ther. 179, 114 (1971) )を、以下のように一部改良して実施した。
6週齢のウィスター系今道ラット1群5〜10匹を用いた。
イースト(Brewers yeast 、シグマ社製)を乳鉢で細砕し,生理食塩液に懸濁させ、25%濃度に調製した。
イースト懸濁液を、ラットの背部皮下に、2ml/ラットの割合で注射した後、絶食させた。
翌日(イースト注射19時間後)カテーテル型サ−ミスタ温度計(MGA III 、日本光電製)を用いて、直腸内へ約5cm挿入して検温した。
健常動物の平均直腸温より1.5℃以上発熱した動物を選別し、各群の平均発熱温がほぼ等しくなるように群別して、ロキソプロフェンナトリウム・2水和物(0.4、0.8及び1.6各mg/kgを使用して測定)自体、並びに、無水カフェイン(80mg/kg)、アリルイソプロピルアセチル尿素(50mg/kg)、ブロムワレリル尿素(25mg/kg)、アセトアミノフェン(9.4mg/kg)又はエテンザミド(18.8mg/kg)と、ロキソプロフェンナトリウム・2水和物(0.2、0.4、0.8及び1.6各mg/kgを使用して測定)との組成物を、同時に、0.25ml/100gの割合で経口投与した。
対照群には0.5%トラガント溶液(0.5ml/100g)を投与した。
投与1時間後の直腸温を測定し,同時に測定した健常動物の平均直腸温を差し引いて発熱温とした。
対照群の平均発熱温に対する各組成物の抑制率を算出し、このデータを用いて、表5に示すように、ID50値を算出した。
また、対照群の平均発熱温に対する各薬物の抑制率を算出した。
なお、
無水カフェインを、(A)、
アリルイソプロピルアセチル尿素を、(B)、
ブロムワレリル尿素を、(B2)、
アセトアミノフェンを、(C)、
エテンザミドを、(D)、
ロキソプロフェンナトリウム・2水和物を、(E)と表すが、ロキソプロフェンナトリウム・2水和物以外の各配合薬については、効果が発現しない用量を予め調べて設定した。
ロキソプロフェンナトリウム・2水和物を除く、上記各薬剤の使用用量では、表7から、その薬剤自体では抗炎症作用を示さないことが分かる。
Figure 0005100619
Figure 0005100619
Figure 0005100619
ロキソプロフェンナトリウム・2水和物との配合剤において、上記のように、アセトアミノフェン及びエテンザミドとの併用で約2倍の作用の増強が認められた。また、アリルイソプロピルアセチル尿素及び無水カフェインとの併用でも作用の増強が認められた。
さらに、アリルイソプロピルアセチル尿素及びブロムワレリル尿素との併用において、単独投与に比し、顕著な抑制率の増加が見られ、相乗効果が認められた。エテンザミドについても、軽度の相乗効果が認められた。
従って、本発明の組成物は、解熱作用について、顕著な相乗効果を示した。
[製剤例1](ハ−ドカプセル剤)
標準二分式ハ−ドゼラチンカプセルの各々に、以下の処方を充填することにより、単位カプセルを製造した。
ロキソプロフェンナトリウム2水和物 60mg(無水物として換算)
無水カフェイン 80mg
アリルイソプロピルアセチル尿素 60mg
ステアリン酸マグネシウム 7mg
微結晶性セルロ−ス 60mg
デンプン 70mg
乳糖 13mg
計 350mg
[製剤例2](錠剤)
1錠当たり、以下の処方により、常法に従って、錠剤を製造した。
ロキソプロフェンナトリウム2水和物 60mg(無水物として換算)
無水カフェイン 80mg
アリルイソプロピルアセチル尿素 60mg
ステアリン酸マグネシウム 7mg
微結晶性セルロ−ス 60mg
デンプン 70mg
乳糖 13mg
計 350mg
尚、所望により、剤皮を塗布した。
[製剤例3](錠剤)
1錠当たり、以下の処方により、常法に従って、錠剤を製造した。
ロキソプロフェンナトリウム2水和物 40mg(無水物として換算)
アセトアミノフェン 165mg
ステアリン酸マグネシウム 7mg
微結晶性セルロ−ス 60mg
デンプン 70mg
乳糖 8mg
計 350mg
尚、所望により、剤皮を塗布した。
[製剤例4](錠剤)
1錠当たり、以下の処方により、常法に従って、錠剤を製造した。
ロキソプロフェンナトリウム2水和物 45mg(無水物として換算)
アセトアミノフェン 125mg
ステアリン酸マグネシウム 6mg
微結晶性セルロ−ス 40mg
デンプン 60mg
乳糖 24mg
計 300mg
尚、所望により、剤皮を塗布した。
[製剤例5](錠剤)
1錠当たり、以下の処方により、常法に従って、錠剤を製造した。
ロキソプロフェンナトリウム2水和物 40mg(無水物として換算)
エテンザミド 165mg
無水カフェイン 80mg
ステアリン酸マグネシウム 8mg
微結晶性セルロ−ス 20mg
デンプン 80mg
乳糖 7mg
計 400mg
尚、所望により、剤皮を塗布した。
[製剤例6](錠剤)
1錠当たり、以下の処方により、常法に従って、錠剤を製造した。
ロキソプロフェンナトリウム2水和物 45mg(無水物として換算)
エテンザミド 125mg
無水カフェイン 80mg
ステアリン酸マグネシウム 8mg
微結晶性セルロ−ス 30mg
デンプン 80mg
乳糖 32mg
計 400mg
尚、所望により、剤皮を塗布した。
[製剤例7](錠剤)
1錠当たり、以下の処方により、常法に従って、錠剤を製造した。
ロキソプロフェンナトリウム2水和物 45mg(無水物として換算)
アリルイソプロピルアセチル尿素 60mg
アセトアミノフェン 125mg
無水カフェイン 80mg
ステアリン酸マグネシウム 8mg
微結晶性セルロ−ス 32mg
デンプン 80mg
計 430mg
尚、所望により、剤皮を塗布した。
[製剤例8](錠剤)
1錠当たり、以下の処方により、常法に従って、錠剤を製造した。
ロキソプロフェンナトリウム2水和物 45mg(無水物として換算)
エテンザミド 125mg
アリルイソプロピルアセチル尿素 60mg
無水カフェイン 80mg
ステアリン酸マグネシウム 8mg
微結晶性セルロ−ス 32mg
デンプン 80mg
計 430mg
尚、所望により、剤皮を塗布した。
[製剤例9](発泡錠)
1錠当たり、以下の処方により、常法に従って、発泡錠を製造した。
ロキソプロフェンナトリウム2水和物 45mg(無水物として換算)
エテンザミド 125mg
無水カフェイン 80mg
β−シクロデキストリン 254mg
アスパルテーム 30mg
クエン酸 965mg
炭酸水素ナトリウム 813mg
乳糖 38mg
ステアリン酸マグネシウム 50mg
計 2400mg
[製剤例10](速溶錠又はチュアブル錠)
1錠当たり、以下の処方により、常法に従って、速溶錠又はチュアブル錠を製造した。
ロキソプロフェンナトリウム2水和物 45mg(無水物として換算)
エテンザミド 125mg
無水カフェイン 80mg
β−シクロデキストリン 300mg
アスパルテーム 30mg
D−マンニトール 106mg
ステアリン酸マグネシウム 14mg
計 700mg

Claims (1)

  1. (1)鎮静成分がアリルイソプロピルアセチル尿素のみ及び
    (2)鎮痛成分がロキソプロフェンナトリウム・2水和物のみ
    を有効成分として含有する、ロキソプロフェンナトリウム・2水和物の鎮痛作用を増強するための製剤
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