JP5006901B2 - 抗ヒスタミン剤を含有する医薬組成物 - Google Patents
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Description
コデイン類、塩酸フェニルプロパノールアミン及びエフェドリン類は、鎮咳薬として、
セラぺプターゼ及び塩化リゾチームは、消炎酵素薬として、
塩酸ブロムヘキシンは、去痰薬として、
それぞれ、極めて広範囲に使用されている薬剤である。
(1)クレマスチン類、フェニラミン類、マレイン酸カルビノキサミン、エフェドリン類、コデイン類、塩酸フェニルプロパノールアミン、セラペプターゼ、塩化リゾチーム及び塩酸ブロムヘキシンより選択される1種又は2種以上の薬剤、及び
(2)ロキソプロフェン類
を組み合わせた医薬組成物は知られていない。
本発明の他の目的は、上記(1)及び(2)を有効成分として含有する新規な鎮痛、抗炎症、解熱、抗ヒスタミン及び/又は鎮咳剤を提供することであり、
本発明の更に他の目的は、鎮痛、抗炎症、解熱、抗ヒスタミン及び/又は鎮咳を目的とする新規な予防又は治療剤を製造するために、同時に、若しくは、別々に投与する組み合わせとして、上記(1)及び(2)を有効成分として使用することにある。
鎮痛、抗炎症、解熱、抗ヒスタミン及び/又は鎮咳を目的とする予防又は治療剤として使用するために、同時に、若しくは、別々に投与する組み合わせとして、
(1)クレマスチン類、フェニラミン類、マレイン酸カルビノキサミン、エフェドリン類、コデイン類、塩酸フェニルプロパノールアミン、セラペプターゼ、塩化リゾチーム及び塩酸ブロムヘキシンより選択される1種又は2種以上の薬剤、及び
(2)ロキソプロフェン類
を有効成分として含有し、
本発明の新規な、鎮痛剤、抗炎症剤、解熱剤、抗ヒスタミン剤及び/又は鎮咳剤は、
(1)クレマスチン類、フェニラミン類、マレイン酸カルビノキサミン、エフェドリン類、コデイン類、塩酸フェニルプロパノールアミン、セラペプターゼ、塩化リゾチーム及び塩酸ブロムヘキシンより選択される1種又は2種以上の薬剤、及び
(2)ロキソプロフェン類
を有効成分として含有し、
本発明の新規な、鎮痛、抗炎症、解熱、抗ヒスタミン及び/又は鎮咳を目的とする予防又は治療剤を製造するための使用は、
同時に、若しくは、別々に投与する組み合わせとして、
(1)クレマスチン類、フェニラミン類、マレイン酸カルビノキサミン、エフェドリン類、コデイン類、塩酸フェニルプロパノールアミン、セラペプターゼ、塩化リゾチーム及び塩酸ブロムヘキシンより選択される1種又は2種以上の薬剤、及び
(2)ロキソプロフェン類
を有効成分として使用する。
(1)クレマスチン類、フェニラミン類、マレイン酸カルビノキサミン、エフェドリン類、コデイン類、塩酸フェニルプロパノールアミン、セラペプターゼ、塩化リゾチーム及び塩酸ブロムヘキシンより選択される1種又は2種以上の薬剤、及び
(2)ロキソプロフェン類
を有効成分として含有する本発明の新規な医薬組成物は、優れた、鎮痛、抗炎症、解熱、抗ヒスタミン及び/又は鎮咳作用を有し、且つ、毒性もないので、これらを目的とする予防剤及び治療剤として有用であり、また、痛み、はれ、高熱、アレルギー又は咳などの単独の疾患だけでなく、風邪などの複合的症状を示す疾患にも有用である。
使用できるロキソプロフェン類の許容量としては、1日当り、下限として5mg(好ましくは、10mg)、上限として、500mg(好ましくは、180mg)である。
使用できるクレマスチン類の許容量としては、1日当り、下限として0.05mg(好ましくは、0.5mg)、上限として、50mg(好ましくは、10mg)である。
使用できるフェニラミン類の許容量としては、1日当り、下限として0.1mg(好ましくは、1.0mg)、上限として、100mg(好ましくは、20mg)である。
使用できるマレイン酸カルビノキサミンの許容量としては、1日当り、下限として0.15mg(好ましくは、1.5mg)、上限として、150mg(好ましくは、30mg)である。
使用できるエフェドリン類の許容量としては、1日当り、下限として0.5mg(好ましくは、5mg)、上限として、500mg(好ましくは、100mg)である。
使用できるコデイン類の許容量としては、1日当り、下限として0.3mg(好ましくは、3mg)、上限として、300mg(好ましくは、60mg)である。
使用できる塩酸フェニルプロパノールアミンの許容量としては、1日当り、下限として0.9mg(好ましくは、9mg)、上限として、900mg(好ましくは、180mg)である。
使用できるセラペプターゼの許容量としては、1日当り、下限として0.2mg(好ましくは、2mg)、上限として、200mg(好ましくは、40mg)である。
使用できる塩化リゾチームの許容量としては、1日当り、下限として0.6mg(好ましくは、6mg)、上限として、600mg(好ましくは、120mg)である。
使用できる塩酸ブロムヘキシンの許容量としては、1日当り、下限として0.12mg(好ましくは、1.2mg)、上限として、120mg(好ましくは、24mg)である。
以下に、試験例及び製剤例をあげて本発明を更に具体的に説明する。
(1)被検薬
ロキソプロフェンナトリウム・2水和物は、三共製のものを使用した。
なお、薬容量は、全てロキソプロフェンナトリウム無水物換算で実施した。
(2)使用薬物
フマル酸クレマスチン、d-マレイン酸クロルフェニラミン及びマレイン酸カルビノキサミンはシグマ製、dl-塩酸メチルエフェドリンは吉田製薬製、リン酸ジヒドロコデインは三共製、塩酸フェニルプロパノールアミンは東京化成製、セラペプターゼは武田薬品製、塩化リゾチームはエーザイ製、塩酸ブロムヘキシンはシグマ製をそれぞれ購入して使用した。
(3)使用動物及び使用環境
ウィスター系今道雄性ラット5週齢(動繁研)、SD系雄性ラット4週齢(日本SLC)、ddY系雄性マウス4週齢(日本SLC)、ハートレー系雄性モルモット5週齢(日本SLC)を使用した。
ラット、マウス及びモルモットは恒温恒湿下(温度22±1℃,湿度55±5%)のアニマルパック内で、固形試料(マウス、ラット飼育用F−2、モルモット飼育用GM−3、船橋農場)および水道水を自由に摂取させ、6〜8日間予備飼育した後、毛並、体重増加などの一般症状の良好な動物を選別して供試した。
(4)投与法
薬物は経口投与においては、易溶難溶にかかわらず、0.5%トラガント溶液に溶解若しくは懸濁して用いた。皮下注射の場合は、生理食塩液で溶解した。
投与液量は単独の場合、マウスには0.1ml/10g、ラットには0.5ml/100gの割合とし、併用の場合は単独の1/2量を投与した。モルモットは、単独及び併用ともに0.1ml/100gとした。
(5)統計処理
結果は(平均値±標準誤差)及び(有効数/使用動物数)で表示した。50%抑制薬用量(ID50値)は個々の動物の抑制率と薬用量との間の回帰直線を最小二乗法により求めて算出した。Fiellerの数式よりその95%信頼限界を算出した。50%有効量(ED50値)はprobit法により算出した。
(6)表記
以下、表1乃至表8においては、それぞれ、
ロキソプロフェンナトリウム・2水和物を、A
フマル酸クレマスチンを、B
d-マレイン酸クロルフェニラミンを、C
マレイン酸カルビノキサミンを、D
dl-塩酸メチルエフェドリンを、E
リン酸ジヒドロコデインを、F
塩酸フェニルプロパノールアミンを、G
セラペプターゼを、H
塩化リゾチームを、I
塩酸ブロムヘキシンを、Jと表わす。
鎮痛作用(酢酸ライジング(Writhing)法)
Kosterらの方法(Koster R., Anderson M. and De Beer E.: J. Fed. Proc. 18, 412(1958))に準じて実施した。
5週齢のddY系雄性マウス1群5〜10匹を、実験前日より16時間絶食させて用いた。
各薬物において薬効が現れない、すなわち抑制率が20%以下の条件を満たす用量を、無作用量として予め調べて設定し、表1に示した。
ロキソプロフェンナトリウム・2水和物(40、80又は160mg/kg)及び無作用量の各薬物の溶液又は懸濁液を同時に0.05ml/10gの割合で経口投与し、その30分後に0.6%酢酸水溶液を0.1ml/10gの割合で腹腔内に投与した。
酢酸水溶液投与10分後から、10分間のライジング数を測定した。
ロキソプロフェンナトリウム・2水和物単独投与群は、40、80又は160mg/kgを0.1ml/10gの割合で経口投与し、併用群と同様に測定した。
対照群には、0.5%トラガント溶液(0.1ml/10g)を経口投与し、併用群と同様に測定した。対照群の平均ライジング数に対する各薬物の抑制率を算出し、このデータを用いてID50値を求め、表2に示した。
なお、抑制率の値がマイナスを示すものは作用を抑制せずに、逆に作用を亢進していることを示している。
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薬物 無作用量(mg/kg) 抑制率(%)
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C 30 18.1±16.1
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D 30 7.7±15.5
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G 10 −9.4± 7.3
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薬物 ID50(mg/kg)
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A 126
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A+C 114
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A+D 95
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A+G 111
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ロキソプロフェンナトリウム・2水和物との併用において、上記のように、マレイン酸カルビノキサミンで約1.3倍の作用の増強が認められた。
また、d-マレイン酸クロルフェニラミン及び塩酸フェニルプロパノールアミンにも幾分作用の増強が認められた。
抗炎症作用(カラゲニン足浮腫法)
Winterらの方法(Winter C.A., Risley E.A. and Nuss G.W.: Proc. Soc. Exp. Biol. Med. 111, 544 (1965))を、以下のように一部改良して実施した。
6週齢のウィスター系今道雄性ラット1群5〜10匹を実験前日より16時間絶食させて用いた。
各薬物において薬効が現れない、すなわち抑制率が20%以下の条件を満たす用量を無作用量として予め調べて設定し、表3に示した。
ロキソプロフェンナトリウム・2水和物(1、2又は4mg/kg)及び無作用量の各薬物の溶液又は懸濁液を同時に0.25ml/100gの割合で経口投与した。30分後に1%カラゲニン溶液(Viscarin 402)0.05mlをラットの右後肢足足蹠皮下に注射して炎症性浮腫を惹起させた。
カラゲニン注射前および注射後3時間の右後肢足の体積を足容積測定装置(TK-105,室町器械)で計測し、これより浮腫強度(3時間後の後肢足体積/注射前後肢足体積−1)を求めた。
ロキソプロフェンナトリウム・2水和物単独投与群は、1、2又は4mg/kgを0.5ml/100gの割合で経口投与し、併用群と同様に測定した。
対照群には、0.5%トラガント溶液(0.5ml/100g)を経口投与し、併用群と同様に測定した。
次式(1−薬物投与群の個々の浮腫強度/対照群の平均浮腫強度)×100より抑制率を算出し、このデータを用いてID50値を求め、表4に示した。
なお、抑制率の値がマイナスを示すものは作用を抑制せずに、逆に作用を亢進していることを示している。
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薬物 無作用量(mg/kg) 抑制率(%)
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D 30 2.0±12.2
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E 25 −9.6±11.1
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F 12.5 0.4± 8.3
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G 12.5 −7.0± 3.3
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H 300 6.6± 4.2
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J 300 −7.9± 3.2
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薬物 ID50(mg/kg)
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A 1.97
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A+D 1.30
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A+E 1.19
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A+F 0.81
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A+G 1.03
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A+H 1.23
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A+J 1.42
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ロキソプロフェンナトリウム・2水和物との併用において、上記のように、リン酸ジヒドロコデインで約2.4倍、塩酸フェニルプロパノールアミンで約1.9倍の作用の増強が認められた。また、dl-塩酸メチルエフェドリン、セラペプターゼ、マレイン酸カルビノキサミン及び塩酸ブロモヘキシンについても、1.7乃至1.4倍の作用の増強が認められた。
従って本発明の組成物は、抗炎症作用について、顕著な相乗効果を示した。
解熱作用(イースト発熱法)
Roszkowskiらの方法(Roszkowski A.P.,Rooks W.H.,Tomolonis A.J. and Miller L.M.: J. Pharmacol. Exp. Ther. 179, 114 (1971))を以下のように一部改良して実施した。
6週齢のウィスター系今道雄性ラット1群5〜10匹を用いた。
各薬物において薬効が現れない、すなわち抑制率が20%以下の条件を満たす用量を、無作用量として予め調べて設定し、表5に示した。
イースト(Brewers yeast、シグマ社製)を乳鉢で細砕し、生理食塩液に懸濁させ、25%濃度に調製した。イースト懸濁液をラットの背部皮下に2ml/ラットの割合で注射した後絶食させた。
翌日(イースト注射後19時間)カテーテル型サーミスタ温度計(MGAIII、日本光電製)を用いて、直腸内へ約5cm挿入して検温した。健常動物の平均直腸温より1.5℃以上発熱した動物を選別し、各群の平均発熱温がほぼ等しくなるように群別して、ロキソプロフェンナトリウム・2水和物(0.4、0.8又は1.6mg/kg)及び無作用量の各薬物の溶液又は懸濁液を同時に0.25ml/100gの割合で経口投与した。投与1時間後の直腸温を測定し、同時に測定した健常動物の平均直腸温を差し引いて発熱温とした。
ロキソプロフェンナトリウム・2水和物単独投与群は、0.4、0.8又は1.6mg/kgを0.5ml/100gの割合で経口投与し、併用群と同様に測定した。
対照群には、0.5%トラガント溶液(0.5ml/100g)を経口投与し、併用群と同様に測定した。
対照群の平均発熱温に対する各薬物の抑制率を算出し、このデータを用いてID50値を求め、表6に示した。
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薬物 無作用量(mg/kg) 抑制率(%)
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D 25 13.3± 7.6
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E 25 17.3± 7.5
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H 100 8.9± 6.5
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I 300 0.0±13.3
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薬物 ID50(mg/kg)
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A 0.68
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A+D 0.33
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A+E 0.46
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A+H 0.49
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A+I 0.47
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ロキソプロフェンナトリウム・2水和物との併用において、上記のように、マレイン酸カルビノキサミンで約2.1倍、dl-塩酸メチルエフェドリン、セラペプターゼ及び塩化リゾチームにおいても約1.5倍の作用の増強が認められた。
従って本発明の組成物は、解熱作用について、顕著な相乗作用を示した。
抗ヒスタミン作用(ヒスタミン誘発皮内血管透過性亢進法)
藤村らの方法(藤村一,鶴見介登他:日薬雑誌 78,279 (1981))を、以下のように一部改良して実施した。
5週齢のSD系雄性ラット1群5匹を用いた。実験前日にラットの背部を除毛し絶食した。
薬効が現れない、すなわち抑制率が0%前後の条件を満たす用量を無作用量として、ロキソプロフェンナトリウム・2水和物について予め調べたところ、3.2mg/kgであった。
無作用量のロキソプロフェンナトリウム・2水和物(3.2mg/kg)及び各種抗ヒスタミン薬(B:0.1, 0.3, 1, 3 mg/kg、C:1, 3, 10, 30 mg/kg、D:1, 3, 10, 30 mg/kg)の溶液又は懸濁液を同時に0.25ml/100gの割合で経口投与した。 各種抗ヒスタミン薬(B:0.1, 0.3, 1, 3 mg/kg、C:1, 3, 10, 30 mg/kg、D:1, 3, 10, 30 mg/kg)単独投与群は、各薬物を0.5ml/100gの割合で経口投与した。
対照群には0.5%トラガント溶液を0.5ml/100gの割合で経口投与した。
薬物投与60分後に背部正中線をはさんで左右対称に、ヒスタミン(1μg/ml)0.05mlを皮内注射し,直ちに1%エバンスブルー溶液を0.5ml/100gの割合で尾静脈内投与して皮内反応を惹起した。その30分後に動物を炭酸ガスで致死させ,ヒスタミン注射部位の皮膚(2ヶ所)を取り、24時間抽出した後漏出した色素をHaradaらの法(Harada M., et al.: J. Pharm. Phrmac. 23,218 (1971))で定量した。薬効は2ヶ所の平均値を用いて対照群の色素漏出量から抑制率を算出し、このデータを用いてID50値を求め、表7に示した。
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薬物 ID50(mg/kg)
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B 1.44
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C 12.6
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A+B 0.89
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A+C 10.1
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ロキソプロフェンナトリウム・2水和物との併用において、上記のように、フマル酸クレマスチンで約1.6倍、d-マレイン酸クロルフェニラミンで約1.2倍の作用の増強が認められた。
従って本発明の組成物は、抗ヒスタミン作用について、顕著な相乗作用を示した。
鎮咳作用(気管支機械的刺激法)
高木らの方法(高木敬次郎他:薬誌 77,1358 (1957))に準じて実施した。 体重380〜495gのハートレー系雄性モルモット1群5匹を実験前日より16時間絶食させて用いた。
薬効が現れない、すなわち効果が0/5を示した用量を無作用量として、ロキソプロフェンナトリウム・2水和物について予め調べたところ、50mg/kgであった。
ペントバルビタールナトリウム 15〜20mg/kgの腹腔内投与により軽度の麻酔を施行し背位に固定した。頚部を切開して気管を露出し,切開部に小孔を開け刺激毛により気管内壁を刺激して発咳の有無を調べ,反応性の良好な動物を選別して供試した。
ロキソプロフェンナトリウム・2水和物(50mg/kg)は経口投与、各種鎮咳薬(F:1, 2, 4 mg/kg、G:20, 40, 80 mg/kg)は皮下投与で各0.1ml/100gの割合で同時投与した。投与後15、30、60、90及び120分に刺激を与え発咳を観察した。
各種鎮咳薬(F:1, 2, 4 mg/kg、G:20, 40, 80 mg/kg)単独投与群は、各薬物を0.1ml/100gの割合で経口投与し、対照群には0.5%トラガント溶液を、0.1ml/100gの割合で経口投与し同様な観察を行った。
各測定時に2回の刺激を行いいずれも発咳反応を示さなかった動物を鎮咳作用陽性とし、ED50値を求めた。
抗炎症作用(デキストラン足浮腫法)
小沢らの方法(小沢光他:薬誌 86,467 (1966))を、以下のように一部改良して実施した。
6週齢のウィスター系今道雄性ラット 1群5〜10匹を実験前日より16時間絶食させて用いた。
薬効が現れない、すなわち抑制率が0%前後の条件を満たす用量を無作用量として、ロキソプロフェンナトリウム・2水和物について予め調べたところ、50mg/kgであった。
ロキソプロフェンナトリウム・2水和物(50mg/kg)を0.25ml/100gの割合で、各種消炎酵素剤(H:100, 200, 400 mg/kg、I:100, 200, 400 mg/kg)を0.25〜0.5ml/100gの割合で同時に経口投与した。
各種消炎酵素剤(H:100, 200, 400 mg/kg、I:100, 200, 400 mg/kg)単独投与群は、各薬物を0.5ml/100gの割合で経口投与した。
対照群には0.5%トラガント溶液を0.5ml/100gの割合で経口投与した。
薬物投与30分後に3%デキストラン溶液0.05mlをラットの右後肢足足蹠皮下に注射して炎症性浮腫を惹起した。
デキストラン注射前および注射後1時間の右後肢足の体積を足容積測定装置(TK-105、室町器械)で計測し、浮腫強度(1時間後の後肢足体積/注射前後肢足体積−1)を求めた。
次式(1−薬物投与群の個々の浮腫強度/対照群の平均浮腫強度)×100より抑制率を算出し、このデータを用いてID50値を求め、表8に示した。
また、塩化リゾチームについては、ID50値が算出できなかったので、各用量の抑制率のみで併用効果を比較した。
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薬物 用量(mg/kg) 抑制率(%) ID50(mg/kg)
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H 100 38.1±5.1 344
200 42.0±3.6
400 53.2±1.5
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
I 100 10.5±4.5
200 11.5±4.5
400 23.2±6.2
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
A+H 50+100 44.2±4.5 187
50+200 42.5±5.3
50+400 66.5±2.9
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
A+I 50+100 17.4±5.0
50+200 34.7±9.2
50+400 42.1±6.0
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ロキソプロフェンナトリウム・2水和物との併用において、上記のように、セラペプターゼで約2倍、塩化リゾチームで約1.5乃至3倍の作用の増強が認められた。
従って本発明の組成物は、抗炎症作用について、顕著な相乗作用を示した。
ハードカプセル剤
標準二分式ハードカプセルゼラチンカプセルの各々に、以下の処方を充填することにより、単位カプセルを製造する。
マレイン酸カルビノキサミン 4mg
dl-塩酸メチルエフェドリン 20mg
セラペプターゼ 10mg
ステアリン酸マグネシウム 7mg
結晶セルロース 60mg
デンプン 176mg
乳糖 13mg
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
計350mg
錠剤
1錠あたり、以下の処方により、常法に従って、錠剤を製造する。
マレイン酸カルビノキサミン 4mg
dl-塩酸メチルエフェドリン 20mg
セラペプターゼ 10mg
ステアリン酸マグネシウム 7mg
結晶セルロース 60mg
デンプン 176mg
乳糖 13mg
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
計350mg
なお、所望により剤皮を塗布する。
錠剤
1錠あたり、以下の処方により、常法に従って、錠剤を製造する。
マレイン酸カルビノキサミン 4mg
ステアリン酸マグネシウム 7mg
結晶セルロース 60mg
デンプン 206mg
乳糖 13mg
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
計350mg
なお、所望により剤皮を塗布する。
錠剤
1錠あたり、以下の処方により、常法に従って、錠剤を製造する。
リン酸ジヒドロコデイン 10mg
ステアリン酸マグネシウム 7mg
結晶セルロース 60mg
デンプン 200mg
乳糖 13mg
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
計350mg
なお、所望により剤皮を塗布する。
錠剤
1錠あたり、以下の処方により、常法に従って、錠剤を製造する。
リン酸ジヒドロコデイン 10mg
セラペプターゼ 10mg
塩酸ブロムヘキシン 4mg
ステアリン酸マグネシウム 7mg
結晶セルロース 60mg
デンプン 186mg
乳糖 13mg
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
計350mg
なお、所望により剤皮を塗布する。
錠剤
1錠あたり、以下の処方により、常法に従って、錠剤を製造する。
マレイン酸カルビノキサミン 4mg
塩化リゾチーム 50mg
ステアリン酸マグネシウム 7mg
結晶セルロース 60mg
デンプン 156mg
乳糖 13mg
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
計350mg
なお、所望により剤皮を塗布する。
錠剤
1錠あたり、以下の処方により、常法に従って、錠剤を製造する。
フマル酸クレマスチン 5mg
ステアリン酸マグネシウム 7mg
結晶セルロース 60mg
デンプン 205mg
乳糖 13mg
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
計350mg
なお、所望により剤皮を塗布する。
発砲錠
1錠あたり、以下の処方により、常法に従って、発砲錠を製造する。
マレイン酸カルビノキサミン 4mg
dl-塩酸メチルエフェドリン 20mg
セラペプターゼ 10mg
β−シクロデキストリン 254mg
アスパルテーム 30mg
クエン酸 965mg
炭酸水素ナトリウム 813mg
乳糖 194mg
ステアリン酸マグネシウム 50mg
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
計2400mg
速溶錠又はチュアブル錠
1錠あたり、以下の処方により、常法に従って、速溶錠又はチュアブル錠を製造する。
マレイン酸カルビノキサミン 4mg
dl-塩酸メチルエフェドリン 20mg
セラペプターゼ 10mg
β−シクロデキストリン 300mg
アスパルテーム 30mg
マンニトール 262mg
ステアリン酸マグネシウム 14mg
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
計700mg
Claims (1)
- (1)フマル酸クレマスチン及び(2)ロキソプロフェンナトリウム・2水和物を有効成分として含有する抗ヒスタミン作用増強剤。
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