JP5100526B2 - 容器栓部材および薬液容器 - Google Patents

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Description

本発明は、スリット入りの弾性栓体を備える容器栓部材と、この容器栓部材を備える薬液容器とに関する。
例えば、点滴液、注射液などを収容する薬液容器の開口部は、一般に、ゴム、熱可塑性エラストマーなどの弾性栓体によって封鎖されている。このため、薬液容器の薬液を取り出す時には、先端が鋭利な注射針が用いられている。
しかしながら、近年、誤って注射針を手指に刺す事故や、それに伴うウイルス感染などを防止する観点より、先端が鋭利でない中空管などを用いて弾性栓体を開通させる方策が検討されている。
このような方策として、例えば、あらかじめ弾性栓体に、薬液の流出方向に沿ったスリットを形成しておくことが検討されている。さらに、この場合において、弾性栓体の密封性を維持するため、弾性栓体の表面をプラスチックの薄膜で被覆するといった対策や、スリットを栓体に貫通させずに、スリットで分断されていない箇所を部分的に残すといった対策(特許文献1参照)も検討されている。
特開平5−124664号公報
しかしながら、弾性栓体の表面をプラスチックの薄膜で被覆した場合には、スリットを封鎖することができるものの、先端が鋭利でない中空管などでは被覆薄膜を突き破りにくくなる。また、スリットに非貫通部を残すことは、実際には製造が困難であり、現実的ではない。
また、弾性栓体の表面が外部に露出している場合において、スリットも外部に露出していると、スリットを通して内部に埃が侵入するおそれがある。
本発明の目的は、薬液容器の開口部を封鎖する弾性栓体を先端が鋭利でない中空管などで容易に開通させることができ、薬液容器の使用前における弾性栓体からの薬液の漏出および弾性栓体への汚れの付着を防止することができる容器栓部材と、それを用いた薬液容器とを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の容器栓部材は、周面枠および周面枠に対して分離可能に設けられた被覆部材を有し、前記周面枠で周囲が囲まれ、一端面が前記被覆部材で覆われた収容空間を備える外枠体と、前記収容空間の他端面側に嵌合している内枠体と、前記収容空間の一端面側から他端面側へと貫通するスリットを備え、前記収容空間に圧入されている弾性栓体と、を含む容器栓部材であって、前記収容空間の一端面側へ臨む前記弾性栓体の表面には、前記スリットを中心に凹む凹部が形成されており、前記被覆部材の前記収容空間へ臨む内面には、前記弾性栓体の凹部に押圧状態で嵌合する凸部が形成されていることを特徴としている。
この容器栓部材では、弾性栓体が、容器栓部材の収容空間における一端面側から他端面側へと貫通するスリットを備えている。このため、弾性栓体に対し、先端が鋭利でない中空管などを容易に挿入し、開通させることができる。
また、弾性栓体は、外枠体の収容空間内に圧入されており、上記収容空間の一端面側へ臨む表面において、スリットを中心に凹む凹部を備えており、かつ、外枠体の被覆部材は、上記収容空間へ臨む内面において、弾性栓体の凹部に押圧状態で嵌合する凸部を備えている。このため、外枠体の被覆部材が周面枠から分離されるまでの間は、弾性栓体の凹部に対して被覆部材の凸部が押圧状態で嵌合されているので、弾性栓体には当接方向に圧力が加わっている。よって、スリットは開くことなく、スリットからの薬液の漏出を防止することができる。
しかも、弾性栓体は、収容空間の一端面側において、外枠体の周面枠に対し分離可能な被覆部材で覆われていることから、被覆部材が周面枠から分離されるまでの間は、弾性栓体の一端面側は露出しておらず、その表面への汚れの付着を防止することができる。
それゆえ、上記容器栓部材によれば、先端が鋭利でない中空管などで弾性栓体を容易に開通させることができ、しかも、薬液容器の使用前における弾性栓体からの薬液の漏出と、弾性栓体への汚れの付着とを防止することができる。
本発明の容器栓部材において、前記収容空間の他端面側へ臨む前記弾性栓体の表面には、前記スリットが開かれた時の逃げ部となる隙孔が形成されていることが好ましい。
この場合、弾性栓体のスリットへの中空管などの挿入により、外枠体の周面枠の外側へと向かって圧縮された弾性栓体を、上記隙孔へと逃がすことができる。それゆえ、スリットへの中空管などの挿入時にかかる負荷を軽減し、スリットの開通をスムーズにすることができる。
本発明の容器栓部材は、前記弾性栓体が熱可塑性エラストマーから形成され、前記内枠体が熱可塑性樹脂から形成されており、前記弾性栓体は前記内枠体上に射出成形されていることが好ましい。
この場合、容器栓部材の製造工程を簡素化することができる。
また、この場合、弾性栓体の成形と同時に弾性栓体と内枠体とを接合できるため、外枠体の収容空間に対して内枠体を嵌合するのと同時に、弾性栓体を圧入することができる。弾性栓体は熱可塑性エラストマーから形成されるため、粘着性が高く、取扱いしにくい部材であるが、上記のように、あらかじめ内枠体に接合させることで、弾性栓体を直接保持しなくても、内枠体を収容空間に嵌合することで、弾性栓体の収容空間への圧入を達成することができる。それゆえ、容器栓部材の製造時の操作性が向上する。
本発明の容器栓部材において、前記内枠体には、前記収容空間に圧入された前記弾性栓体が前記収容空間の他端面側から抜け出るのを防止するための支持部が備えられていることが好ましい。
上記のとおり、外枠体の被覆部材が周面枠から分離されるまでの間は、弾性栓体の凹部に対して被覆部材の凸部が押圧状態で嵌合されており、弾性栓体には当接方向に圧力が加わっている。また、弾性栓体のスリットに中空管を挿入する時には、弾性栓体には挿入方向に圧力が加わる。しかしながら、上記容器栓部材において、弾性栓体は、内枠体の支持部によって支持されていることから、被覆部材の凸部による押圧や、中空管の挿入によって、弾性体栓体が収容空間の他端面側から抜け出ることを防止することができる。
また、本発明の薬液容器は、薬液を収容するための容器と、上記本発明の容器栓部材とを備え、前記容器栓部材における外枠体または内枠体が、前記収容空間の他端面側で前記容器の開口部に取り付けられており、前記開口部が前記容器栓部材の弾性栓体によって封鎖されていることを特徴としている。
この薬液容器によれば、薬液を取り出す時に、先端が鋭利でない中空管などを使用することができ、しかも、薬液容器の使用前における弾性栓体からの薬液の漏出と、弾性栓体への汚れの付着とを防止することができる。
本発明によれば、薬液容器の開口部を封鎖する弾性栓体を先端が鋭利でない中空管などで容易に開通させることができるため、誤って注射針を手指に刺す事故や、それに伴うウイルス感染などを防止することができる。また、薬液容器の使用前における弾性栓体からの薬液の漏出と、スリットなどへの汚れの付着とを防止することができるため、薬液容器の保管時に薬液の品質の安定を保つことができる。
図1は、本発明の容器栓部材の一実施形態であるプルトップ型キャップを示す正面断面図であり、図2は、その斜視図であり、図3は、その使用状態を示す正面断面図である。図4(a)〜(d)は、図1に示すプルトップ型キャップの製造工程の一例を示す説明図である。図5は、プルトップ型キャップを備える薬液容器の一例を示す正面図である。
図1および図2を参照して、プルトップ型キャップ1は、周面枠3および被覆部材4を有し、周面枠3で周囲が囲まれ、一端面5が被覆部材4で覆われた収容空間を備える外枠体2と、収容空間の他端面6に嵌合している内枠体7と、収容空間に圧入されている弾性栓体8と、を備えている。
外枠体2の周面枠3は、略筒状の部材であって、プルトップ型キャップ1の収容空間を区画している。この周面枠3は、収容空間の他端面6側で周面枠3の外周面に連設され、周面枠3の径方向外側に延びるフランジ部9を備えている。
周面枠3は、収容空間の一端面5側の端部において、収容空間へ臨み、周面枠3の内周面に沿って底面視環状に形成された第1係合溝10を備えている。この第1係合溝10は、弾性栓体8の第1凸条26と係合している。また、周面枠3は、収容空間の他端面6側の端縁近傍において、収容空間へ臨み、周面枠3の内周面に沿って形成された第2係合溝11を備えている。この第2係合溝11は、内枠体7の突起部20と係合している。
フランジ部9は、収容空間の他端面6において、略環状の平らな底面12を形成している。このフランジ部9の底面12は、プルトップ型キャップ1の薬液容器28への取付けに際し、薬液容器28の開口部30におけるフランジ部31の天面に当接され、接合される(図5参照)。
外枠体2の被覆部材4は、収容空間の一端面5側で周面枠3の周端部に連設されている略円盤状の蓋部13と、蓋部13の収容空間へ臨む内面14から収容空間側へ突出している凸部15と、蓋部13の内面14と反対側の外面16に連設されているリング状のプルタブ(プルリング、ringpull)17と、を備えている。
蓋部13は、周面枠3の一端面5側周端部との境界部において、平面視略環状に形成された薄膜部18を有している。このように、蓋部13と周面枠3とは樹脂で一体成形され、その境界部は薄膜に形成されており、この薄膜部18において蓋部13と周面枠3とは分離可能にされている。よって、プルタブ17を外枠体2から遠ざかる方向へと引く(例えば、正面視上方向へと引き上げる)ことによって、薄膜部18が切断され、蓋部13が周面枠3から分離される(図3参照)。すなわち、プルトップ側キャップ1において、蓋部13は、凸部15およびプルタブ17とともに、いわゆるプルトップ(pull−top)を形成している。また、蓋部13が周面枠3から分離されることにより、収容空間の一端面5側へ臨む弾性栓体8の外側表面22(後述)が露出される。
凸部15は、略半円球状に形成されている。この凸部15は、蓋部13が外枠体2の周面枠3から分離されていない状態において、弾性栓体8の凹部25(後述)に押圧状態で嵌合されている。
外枠体2の形成材料としては、薬液との接触が医薬的に許容される材料が好ましく、また、製造工程を簡略化する観点より、熱可塑性樹脂が好ましい。具体的に、外枠体2の形成材料の好適例としては、これに限定されないが、例えば、ポリオレフィン(好ましくは、ポリエチレン、ポリプロピレンなど)が挙げられる。
内枠体7は、収容空間の他端面6側に嵌合される略筒状の部材である。この内枠体7は、収容空間の一端面5側へ臨む端部において、内枠体7よりも径が小さく、かつ収容空間の一端面5側に向かって突出した略環状の係止部19を備えている。
係止部19は、弾性栓体8が他端面6側へ抜け出さないように、弾性栓体8を下方から押圧している。また、係止部19は、弾性栓体8の第2凸条27と係合している。
また、内枠体7は、収容空間の他端面6側の端縁近傍において、収容空間へ臨み、内枠体7の外周面に沿って形成された突起部20を備えている。この突起部20は、外枠体2の周面枠3における他端面6側端部に形成された第2係合溝11と係合する。これにより、内枠体7は、外枠体2の収容空間において強固に固定されている。
内枠体7の形成材料としては、薬液との接触が医薬的に許容される材料が好ましく、また、製造工程を簡略化する観点より、熱可塑性樹脂が好ましい。具体的に、内枠体7の形成材料の好適例としては、これに限定されないが、例えば、ポリオレフィン(好ましくは、ポリエチレン、ポリプロピレンなど)が挙げられる。
弾性栓体8は、略円柱状または略円盤状の部材であって、収容空間の一端面5へ臨む外側表面22から他端面6へ臨む内側表面23へと貫通するスリット21を備えている。
スリット21は、弾性栓体8への中空管などの挿入しやすさと、中空管などを挿入している時の液漏れの起こりにくさとの観点より適宜設定すればよく、特に限定されないが、平面視における断面形状を直線状(I字形状)とすることが好ましい。また、弾性栓体8は、外枠体2の収容空間への圧入時に、径方向に圧縮されることから、弾性栓体8に対し、その軸方向に貫通する断面略円形状または略楕円形状の孔を設けることにより、この孔は径方向への圧縮で押しつぶされ、スリットとすることができる。
弾性栓体8は、外側表面22側におけるスリット21の開口端24に、外側表面22から内側表面23へと向かって凹んだ凹部25を備えている。この凹部25は、弾性栓体8の外側表面22で平面視略円形に形成されており、凹部25全体は、略半円球(半楕円体)状の凸部15より、容積がやや小さく形成されている。
上述のとおり、外枠体7の蓋部13が周面枠3から分離されていない状態において、凹部25には、蓋部13の内面14に形成された凸部15が押圧状態で嵌合されている。これにより、蓋部13が周面枠3から分離されていない状態において、弾性栓体8の外側表面22におけるスリット21の開口端24は、蓋部13の凸部15によってスリット21が閉じる方向に加圧される。よって、薬液容器の保存時において、スリット21の開口端24からの液漏れは生じない。
一方、蓋部13が周面枠3から分離されたときには、スリット21への中空管などの挿入が可能になる。
弾性栓体8は、その外側表面22において、弾性栓体8の周端縁に沿って収容空間の一端面5側に突出する第1凸条26を備えており、その内側表面23において、弾性栓体8の周端縁に沿って収容空間の他端面6側に突出する第2凸条27を備えている。そして、上述のとおり、弾性栓体8の第1凸条26は、周面枠3の第1係合溝10と係合している。また、弾性栓体8の第2凸条27は、内枠体7の係止部19と係合している。よって、弾性栓体8は、収容空間内で確実に固定されている。
弾性栓体8の形成材料は、薬液との接触が医薬的に許容される材料であることが好ましい。かかる観点より、弾性栓体2の形成材料の好適例としては、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなど)などの熱可塑性樹脂や、例えば、オレフィン系エラストマーなどの熱可塑性エラストマーが挙げられる。また、特に、弾性栓体8を射出成形によって成形する場合には、オレフィン系の熱可塑性エラストマーを用いることが好ましい。
図1および図2に示すプルトップ型キャップ1は、例えば、図4(a)〜(d)に示す工程を経て製造される。
まず、熱可塑性樹脂を用いた射出成形により、内枠体7を成形し、引き続き、熱可塑性エラストマーを用いた射出成形により、内枠体7上に弾性栓体8を成形する(図4(a)参照)。これにより、弾性栓体8の第2凸条27と、内枠体7の係止部19とが係合した状態で、内枠体7上に弾性栓体8が接合される。
次に、弾性栓体8に対し、その外側表面22側に形成された凹部25から内側表面23側にかけて、スリット形成用の刃(図示せず)を挿入する。これにより、弾性栓体8に、その外側表面22から内側表面23へと貫通するスリット21が形成される(図4(b)参照)。
一方、上記工程と別の工程において、熱可塑性樹脂を用いた射出成形により、外枠体2を成形する(図4(c)参照)。
次に、図4(b)に示す工程で得られた弾性栓体8と内枠体7との接合物を、図4(c)に示す工程で得られた外枠体2の収容空間に挿入する(図4(b)および図4(c)参照)。そして、これにより、弾性栓体8の凹部25に対し、外枠体2の凸部15が押圧状態で嵌合される。また、弾性栓体8の第1凸条26と周面枠3の第1係合溝10とが係合し、かつ、周面枠3の第2係合溝11と内枠体7の突起部20とが係合する。
こうして、外枠体2の収容空間3に弾性栓体8と内枠体7とが堅固に固定された、容器栓部材としてのプルトップ型キャップ1が得られる(図4(d)参照)。
なお、図4(a),(b)に示すように、弾性栓体8は、外側表面22および内側表面23における両端部よりも、スリット21の貫通方向における中央部分の方が、弾性栓体8の径方向外側に大きくなるように設計されている。このため、弾性栓体8を外枠体2の収容空間に挿入した時には、弾性栓体8に対し、その径方向内側への応力がかかる。また、これにより、弾性栓体8のスリット21には、恒常的に径方向内側への応力がかかることとなり、例えば、スリット21に中空管などを挿入した状態で、スリット21と中空管との間から液漏れは生じない。
図5を参照して、薬液容器28は、薬液を収容するための容器と、上記プルトップ型キャップ1とを備えている。
図5に示す薬液を収容するための容器は、プラスチック製でボトルタイプの容器本体29である。
この容器本体29は、筒状の開口部30を備えており、さらに、この筒状の開口部30における開口端には、径方向外側に延びるフランジ部31が設けられている。
フランジ部31は、略環状の平らな天面を備えており、この天面は、プルトップ型キャップ1の外枠体2におけるフランジ部9の底面12と重ね合わせされ、接合されている。また、これにより、薬液容器28の開口部30は、プルトップ型キャップ1の弾性栓体8によって封鎖されている。
こうして得られる薬液容器28は、その開口部30に本発明のプルトップ型キャップ1を備えていることから、その保管時において、開口部30を閉鎖する弾性栓体8からの液漏れや、弾性栓体8の表面への汚れの付着といった不具合を生じることはない。しかも、かかる薬液容器28は、先端が鋭利でない中空管などを用いて薬液を流出させることができる。
図6は、本発明の容器栓部材の他の実施形態であるプルトップ型ポートを示す正面断面図であり、図7は、その斜視図であり、図8は、その使用状態を示す正面断面図である。図9は、図6に示す内枠体の平面図である。図10は、図6に示すプルトップ型ポートの組立て工程を示す説明図である。図11は、プルトップ型ポートを備える薬液容器の一例を示す斜視図である。
図6および図7を参照して、プルトップ型ポート32は、周面枠34および被覆部材35を有し、周面枠34で周囲が囲まれ、一端面36が被覆部材35で覆われた収容空間を備える外枠体33と、収容空間の他端面37に嵌合している内枠体38と、収容空間に圧入されている弾性栓体39と、を備えている。
外枠体33の周面枠34は、略筒状の部材であって、プルトップ型ポート32の収容空間を区画している。
外枠体33の被覆部材35は、収容空間の一端面36側で周面枠34の周端部に連設されている略円盤状の蓋部40と、蓋部40の収容空間へ臨む内面41から収容空間側へ突出している凸部42と、蓋部40の内面41とは反対側の外面43に連設されているリング状のプルタブ(プルリング、ringpull)44と、を備えている。
蓋部40は、周面枠34の一端面36側端縁との境界部において、平面視略環状に形成された薄膜部45を有している。よって、プルタブ44を外枠体33から遠ざかる方向へと引く(例えば、正面視上方向へと引き上げる)ことによって、薄膜部45が切断され、蓋部40が周面枠34から分離される(図8参照)。すなわち、プルトップ側ポート32において、蓋部40は、凸部42およびプルタブ44とともに、いわゆるプルトップ(pull−top)を形成している。また、蓋部40が周面枠34から分離されることにより、収容空間の一端面36側へ臨む弾性栓体39の外側表面51(後述)が露出される。
凸部42は、略円錐台状に形成されている。この凸部42は、蓋部40が周面枠34から分離されていない状態において、弾性栓体39の凹部54(後述)に押圧状態で嵌合されている。
外枠体33の形成材料としては、上述のプルトップ型キャップ1における外枠体2の形成材料と同じものが挙げられる。
内枠体38は、収容空間の他端面37側に嵌合される略筒状の内枠本体46と、この内枠本体46の弾性栓体39へ臨む端面を覆うようにして設けられている支持部47と、を備えている。
図9に示すように、支持部47は、後述する弾性栓体39の内側表面52と当接する環状部48および連結部49を備えている。この環状部48は、弾性栓体39の内側表面52におけるスリット50の開口端55(後述)の近傍において、弾性栓体39の内側表面52に当接しており、環状部48の中心に形成されている貫通孔により、スリット50に挿入された中空管などを通すことができる。連結部49は、環状部48を内枠本体46に接続し、固定するための部材である。
内枠体38の形成材料としては、上述のプルトップ型キャップ1における内枠体7の場合と同じ理由により、かかる内枠体7の形成材料と同じものが挙げられる。
弾性栓体39は、略円柱状または略円盤状の部材であって、先に説明した弾性栓体8と同様のスリット50を備えている。
弾性栓体39は、外側表面51におけるスリット50の開口端53近傍で、外側表面51側から内側表面52側へと向かって凹んだ凹部54を備えている。この凹部54は、弾性栓体39の外側表面51で平面視略円形に形成されており、略円錐台状の凸部42より、容積がやや小さく形成されている。
そして、この凹部54には、凸部42が嵌合される。これにより、蓋部40が周面枠34から分離されていない状態において、弾性栓体39の外側表面51におけるスリット50の開口端53は、蓋部40の凸部42によって閉じる方向に加圧される。よって、薬液容器の保存時において、スリット50の開口端53からの液漏れは生じない。
一方、蓋部40が周面枠34から分離された時には、スリット50への中空管などの挿入が可能になる。
弾性栓体39の形成材料としては、上述のプルトップ型キャップ1における弾性栓体8の場合と同じ理由により、かかる弾性栓体8の形成材料と同じものが挙げられる。
図6および図7に示すプルトップ型ポート32は、例えば、図10に示すように、外枠体33と、内枠体38と、弾性栓体39とを別々に成形した後、外枠体33の収容空間に弾性栓体39を圧入し、次いで、外枠体33の収容空間の他端面37側に内枠体38を嵌合することにより製造される。
弾性栓体39は、例えば、熱可塑性エラストマーを用いた射出成形により成形される。また、弾性栓体39のスリット50は、例えば、弾性栓体39に対し、その外側表面51に形成された凹部54から内側表面52にかけて、スリット形成用の刃を挿入することにより形成される。
内枠体38は、例えば、熱可塑性樹脂を用いた射出成形により、成形される。
そして、図10に示すようにして、外枠体33の収容空間に弾性栓体39を圧入し、次いで、収容空間の他端面37側に内枠体38を嵌合して、外枠体33の他端面37側周端縁と、内枠体38の弾性栓体39へ臨む端面における径方向外側の端縁部56とを、熱溶着、超音波溶着などによって接合する。こうして、容器栓部材としてのプルトップ型ポート32が得られる。
図11を参照して、薬液容器57は、薬液を収容するための容器と、上記プルトップ型ポート32とを備えている。
図11に示す薬液を収容するための容器は、プラスチック製でバッグタイプの容器本体58である。
この容器本体58は、例えば、2枚のプラスチックフィルムを重ね合わせ、その外周縁端を熱シールなどのシール手段で接合し、周縁シール部59とすることにより形成される。具体的には、まず、プルトップ型ポート32の内枠体38部分を、容器本体58の外周縁端における適切な位置(具体的には、容器本体58の開口部をなす位置)で2枚のプラスチックフィルムの間に挟み込む。次いで、2枚のプラスチックフィルムをそのままの状態で熱シールなどによって接合する。
これにより、プルトップ型ポート32が、その外枠体33における収容空間の他端面37側で容器本体58の開口部に取り付けられる。こうして、開口部が弾性栓体39によって封鎖された薬液容器57が得られる。
こうして得られる薬液容器57は、その開口部に本発明のプルトップ型ポート32を備えていることから、その保管時において、開口部を閉鎖する弾性栓体39からの液漏れや、弾性栓体39の表面への汚れの付着といった不具合を生じるおそれがない。しかも、かかる薬液容器57は、先端が鋭利でない中空管などを用いて薬液を流出させることができる。
図12は、本発明の容器栓部材の他の実施形態である第1の捩じ切り型ポートを示す正面断面図であり、図13は、その斜視図であり、図14は、その使用状態を示す一部切欠き正面図である。図15は、図12に示す内枠体の平面図である。図16は、図12に示す第1の捩じ切り型ポートの組立て工程を示す説明図である。図17は、第1の捩じ切り型ポートを備える薬液容器の一例を示す正面図である。
図12および図13を参照して、第1の捩じ切り型ポート60は、周面枠62および被覆部材63を有し、周面枠62で周囲が囲まれ、一端面64が被覆部材63で覆われた収容空間を供える外枠体61と、収容空間の他端面65に嵌合している内枠体66と、収容空間に圧入されている弾性栓体67と、を備えている。
外枠体61の周面枠62は、略筒状の部材であって、第1の捩じ切り型ポート60の収容空間を区画している。また、この周面枠62は、収容空間の一端面64側で周面枠62の周端縁に連設され、周面枠62の径方向内側に延びるカバー68を備えている。
外枠体61の被覆部材63は、収容空間の一端面64側で周面枠62におけるカバー68の内側端縁に連設されている略半楕円球状の凸部69と、凸部69から弾性栓体67側と反対側に向かって延びる軸部70と、軸部70に連設されている捩じ切り用タブ71と、を備えている。
被覆部材63の凸部69と、周面枠62のカバー68との間には、平面視略環状の薄膜部72が形成されている。よって、軸部70を介して凸部69に連設されている捩じ切り用タブ71を外枠体61の周方向(図13中に両頭矢印で示す方向)に捩じることによって、薄膜部72が切断され、凸部69を含む被覆部材63全体が外枠体61から分離される(図14参照)。その結果、収容空間の一端面64側へ臨む弾性栓体67の外側表面78(後述)が露出される。
凸部69は、略半楕円球状に形成されている。この凸部69は、被覆部材63が外枠体61から分離されていない状態において、弾性栓体67の凹部81に押圧状態で嵌合されている。
また、外枠体61の周面枠62は、収容空間の他端面65側端縁において、係合部73を備えている。この係合部73は、内枠体66の係止部74と係合している。
外枠体61の形成材料としては、上述のプルトップ型キャップ1における外枠体2の形成材料と同じものが挙げられる。
内枠体66は、収容空間の他端面65側に嵌合される略筒状の部材である。この内枠体66は、収容空間の一端面64側へ臨む端縁のうち径方向内側において、収容空間の他端面65側に向かって突出し、かつ径方向内側に向かって突出する、平面視略環状の係止部74を備えている。
この係止部74は、係合部73と係合しており、内枠体66は弾性栓体67とともに、外枠体61の収容空間に固定されている。
また、内枠体66は、係止部74とは逆側の端縁近傍において、内枠体66の径方向外側へ延び、かつ互いに逆方向へ延びる一対のフランジ部75,76を備えている。
一対のフランジ75,76は、第1の捩じ切り型ポート60の薬液容器82への取り付けに際し、薬液容器82の周縁シール部84において、容器本体83を形成する2枚のプラスチックフィルムに挟持され、接合される(図17参照)。
内枠体66の形成材料としては、上述のプルトップ型キャップ1における内枠体7の場合と同じ理由により、かかる内枠体7の形成材料と同じものが挙げられる。
弾性栓体67は、略円柱状の部材であって、外側表面78から内側表面79へと貫通するスリット77を備えている。このスリット77は、上述のプルトップ型キャップ1のスリット21と同様に形成されている。
弾性栓体67は、外側表面78におけるスリット77の開口端80に、外側表面78側から内側表面79側へと凹んだ凹部81を備えている。この凹部81は、弾性栓体67の外側表面78で平面視略円形に形成されており、略半楕円球状の凸部69より、容積がやや小さく形成されている。
そして、この凹部81には、凸部69が押圧状態で嵌合される。これにより、被覆部材63が周面枠62から分離されていない状態において、スリット77の開口端80は、凸部69によって閉じる方向に加圧される。よって、薬液容器の保存時において、スリット77の開口端80からの液漏れは生じない。
一方、被覆部材63が周面枠62から分離された時には、スリット77への中空管などの挿入が可能になる。
弾性栓体67の形成材料としては、上述のプルトップ型キャップ1における弾性栓体8の場合と同じ理由により、かかる弾性栓体8の形成材料と同じものが挙げられる。
図12および図13に示す第1の捩じ切り型ポート60は、例えば、図16に示すように、外枠体61と、内枠体66と、弾性栓体67とを別々に成形した後、外枠体61の収容空間に弾性栓体67を圧入し、次いで、外枠体61の収容空間の他端面65側に内枠体66を嵌合することにより製造される。
捩じ切り用タブ71を備える外枠体61は、例えば、射出成形により成形することができる。
弾性栓体67は、例えば、熱可塑性エラストマーを用いた射出成形により成形される。また、弾性栓体67のスリット77は、例えば、弾性栓体67に対し、その外側表面78に形成された凹部81から内側表面79にかけて、スリット形成用の刃を挿入することにより形成される。
内枠体66は、例えば、熱可塑性樹脂を用いた射出成形により成形される。
そして、図16に示すようにして、外枠体61の収容空間に弾性栓体67を圧入し、次いで、収容空間の他端面65側に内枠体66を嵌合して、外枠体61の他端面65側端部における係合部73と、内枠体66の弾性栓体67へ臨む端面における係止部74とを係合させ、必要に応じて、熱溶着、超音波溶着などによって、外枠体61と内枠体66とを接合する。こうして、容器栓部材としての第1の捩じ切り型ポート60が得られる。
図17を参照して、薬液容器82は、薬液を収容するための容器と、上記第1の捩じ切り型ポート60とを備えている。
図17に示す薬液を収容するための容器は、プラスチック製でバッグタイプの容器本体83である。
この容器本体83は、例えば、2枚のプラスチックフィルムを重ね合わせ、その外周縁端を熱シールなどのシール手段で接合し、周縁シール部84とすることにより形成される。具体的には、まず、第1の捩じ切り型ポート60の内枠体66における一対のフランジ部75,76を、容器本体83の外周縁端における適切な位置(具体的には、容器本体83の開口部をなす位置)で2枚のプラスチックフィルムの間に挟み込む。次いで、2枚のプラスチックフィルムをそのままの状態で熱シールなどによって接合する。
これにより、第1の捩じ切り型ポート60が、その内枠体66の外周面と、一対のフランジ部75,76とにおいて、容器本体83の開口部に取り付けられる。一対のフランジ75,76は、薬液容器82の周縁シール部84と、第1の捩じ切り型ポート60との溶着性を高める上で好適である。こうして、開口部が弾性栓体67によって封鎖された薬液容器82が得られる。
こうして得られる薬液容器82は、その開口部に本発明の第1の捩じ切り型ポート60を備えていることから、その保管時において、開口部を閉鎖する弾性栓体67からの液漏れや、弾性栓体67の表面への汚れの付着といった不具合を生じるおそれがない。しかも、かかる薬液容器82は、先端が鋭利でない中空管などを用いて薬液を流出させることができる。
図18は、本発明の容器栓部材の他の実施形態である第2の捩じ切り型ポートを示す正面断面図であり、図19は、その斜視図であり、図20は、その使用状態を示す一部切欠き正面図である。図21は、弾性栓体の底面図である。図22は、図18に示す第1の捩じ切り型ポートの組立て工程を示す説明図である。
図18および図19を参照して、第2の捩じ切り型ポート85は、周面枠87および被覆部材88を有し、周面枠87で周囲が囲まれ、一端面89が被覆部材88で覆われた収容空間を備える外枠体86と、収容空間の他端面90に嵌合している内枠体91と、収容空間に圧入されている弾性栓体92と、を備えている。
外枠体86の周面枠87は、略筒状の部材であって、第2の捩じ切り型ポート85の収容空間を区画している。この周面枠87は、収容空間の一端面89側で周面枠87の周端縁に連設され、周面枠87の径方向内側に延びるカバー93を備えている。
外枠体86の被覆部材88は、収容空間の一端面89側で周面枠87におけるカバー93の内側端縁に連設されている略円柱状の凸部94と、凸部94から弾性栓体92側と反対側に向かって延びる軸部95と、軸部95に連設されている捩じ切り用タブ96と、を備えている。
被覆部材88の凸部94と、周面枠87のカバー93との間には、平面視略環状の薄膜部97が形成されている。軸部95を介して凸部94に連設されている捩じ切り用タブ96を外枠体86の周方向(図19中に両頭矢印で示す方向)に捩じることによって、薄膜部97が切断され、凸部94を含む被覆部材88全体が外枠体86から分離される(図20参照)。その結果、収容空間の一端面89側へ臨む弾性栓体92の外側表面105(後述)が露出される。
凸部94は、略円柱状に形成されている。この凸部94は、被覆部材88が外枠体86から分離されていない状態において、弾性栓体92の凹部108に押圧状態で嵌合されている。
また、外枠体86の周面枠87は、収容空間の他端面90側端縁近傍において、外枠体86の径方向外側へ延び、かつ互いに逆方向へ延びる一対のフランジ部98,99を備えている。
一対のフランジ部98,99は、第2の捩じ切り型ポート85の薬液容器への取り付けに際し、薬液容器の周縁シール部において、容器本体を形成する2枚のプラスチックフィルムに挟持され、接合される。
外枠体86の形成材料としては、上述のプルトップ型キャップ1における外枠体2の形成材料と同じものが挙げられる。
内枠体91は、収容空間の他端面90側に嵌合される略筒状の内枠本体100と、この内枠本体100の弾性栓体92へ臨む端面を覆うようにして設けられている支持部101と、を備えている。
支持部101は、弾性栓体92の内側表面106と当接する環状部102および連結部103を備えている。この環状部102は、弾性栓体92の内側表面106におけるスリット104の開口端109(後述)の近傍において、弾性栓体92の内側表面106に当接しており、環状部102の中心に形成されている貫通孔により、スリット104に挿入された中空管などを通すことができる。連結部103は、環状部102を内枠本体100に接続し、固定するための部材である。
被覆部材88が外枠体86の周面枠87から分離されるまでの間は、被覆部材88の凸部94が、弾性栓体92の凹部108(後述)に対して押圧状態で嵌合されており、弾性栓体92には、凸部94によって圧力が加わっている。また、支持部101が、収容空間において弾性栓体92の内側表面106と当接しているから、弾性栓体92の収容空間他端面90側からの抜け出しが防止されている。
内枠体の形成材料としては、上述のプルトップ側キャップ1における内枠体7の場合と同じ理由により、かかる内枠体7の形成材料と同じものが挙げられる。
弾性栓体92は、略円柱状の部材であって、外側表面105から内側表面106へと貫通するスリット104を備えている。このスリット104は、上述のプルトップ型キャップ1のスリット21と同様にして形成することができる。
弾性栓体92には、外側表面105におけるスリット104の開口端107に、外側表面105から内側表面106へと向かって凹んだ凹部108を備えている。この凹部108は、弾性栓体92の外側表面105で平面視略円形に形成されており、略円柱状の凸部94より、容積がやや小さく形成されている。
そして、この凹部108には、凸部94が押圧嵌合されている。これにより、被覆部材88が外枠体86から分離されていない状態において、スリット104の開口端107は、被覆部材88の凸部94によって閉じる方向に加圧される。よって、薬液容器の保存時において、スリット104の開口端107からの液漏れは生じない。
一方、上述のとおり、被覆部材88が外枠体86から分離されたときには、スリット104への中空管などの挿入が可能になる。
弾性栓体92は、収容空間の他端面90側へ臨む内側表面106に、逃がし孔としての一対の隙孔110を備えている。この隙孔110は、弾性栓体92の底面視で略楕円形状で、スリット104の両側に形成されている。この隙孔110によって中空管などの挿入がスムーズになる。
弾性栓体92の形成材料としては、上述のプルトップ型キャップ1における弾性栓体8の場合と同じ理由により、かかる弾性栓体8の形成材料と同じものが挙げられる。
図18および図19に示す第2の捩じ切り型ポート85は、例えば、図22に示すように、外枠体86と、内枠体91と、弾性栓体92とを別々に成形した後、外枠体86の収容空間に弾性栓体92を圧入し、次いで、外枠体86の収容空間の他端面90側に内枠体91を嵌合することにより製造される。
捩じ切り用タブ96を備える外枠体86は、例えば、射出成形により成形することができる。
弾性栓体92は、例えば、熱可塑性エラストマーを用いた射出成形により成形される。また、弾性栓体92のスリット104は、例えば、弾性栓体92に対し、その外側表面105に形成された凹部108から内側表面106にかけて、スリット形成用の刃を挿入することにより形成される。
内枠体91は、例えば、熱可塑性樹脂を用いた射出成形により成形される。
そして、図22に示すようにして、外枠体86の収容空間に弾性栓体92を圧入し、次いで、収容空間の他端面90側に内枠体91を嵌合し、必要に応じて、熱溶着、超音波溶着などによって、外枠体86と内枠体91とを接合する。こうして、容器栓部材としての第2の捩じ切り型ポート85が得られる。
上記第2の捩じ切り型ポート85を備える薬液容器としては、図17に示す上記第1の捩じ切り型ポート60を備える薬液容器82と同様のものが挙げられる。
かかる薬液容器は、薬液を収容するための容器としてのプラスチック製でバッグタイプの容器本体と、上記第2の捩じ切り型ポート85とを備える。この容器本体は、例えば、2枚のプラスチックフィルムを重ね合わせ、その外周縁端を熱シールなどのシール手段で接合し、周縁シール部とすることにより形成される。第2の捩じ切り型ポート85は、その内枠体91における一対のフランジ部98,99を、容器本体の外周縁端における適切な位置(具体的には、容器本体の開口部をなす位置)で2枚のプラスチックフィルムの間に挟み込む。次いで、2枚のプラスチックフィルムをそのままの状態で熱シールなどによって接合する。
これにより、第2の捩じ切り型ポート85が、その内枠体91の外周面と、一対のフランジ部98,99とにおいて、容器本体の開口部に取り付けられる。一対のフランジ98,99は、薬液容器の周縁シール部と、第2の捩じ切り型ポート85との溶着性を高める上で好適である。こうして、開口部が弾性栓体92によって封鎖された薬液容器が得られる。
こうして得られる薬液容器は、その開口部に本発明の第2の捩じ切り型ポート85を備えていることから、その保管時において、開口部を閉鎖する弾性栓体92からの液漏れや、弾性栓体92の表面への汚れの付着といった不具合が生じない。しかも、かかる薬液容器は、先端が鋭利でない中空管などを用いて薬液を流出させることができる。
本発明は、以上の記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲において、種々の設計変更を施すことが可能である。
本発明の容器栓部材の一実施形態であるプルトップ型キャップを示す正面断面図である。 図1に示すプルトップ型キャップの斜視図である。 図1に示すプルトップ型キャップの使用状態を示す正面断面図である。 (a)〜(d)は、図1に示すプルトップ型キャップの製造工程の一例を示す説明図である。 プルトップ型キャップを備える薬液容器の一例を示す正面図である。 本発明の容器栓部材の他の実施形態であるプルトップ型ポートを示す正面断面図である。 図6に示すプルトップ型ポートの斜視図である。 図6に示すプルトップ型ポートの使用状態を示す正面断面図である。 図6に示す内枠体の平面図である。 図6に示すプルトップ型ポートの組立て工程を示す説明図である。 プルトップ型ポートを備える薬液容器の一例を示す斜視図である。 本発明の容器栓部材の他の実施形態である第1の捩じ切り型ポートを示す正面断面図である。 図12に示す第1の捩じ切り型ポートの斜視図である。 図12に示す第1の捩じ切り型ポートの使用状態を示す一部切欠き正面図である。 図12に示す内枠体の平面図である。 図12に示す第1の捩じ切り型ポートの組立て工程を示す説明図である。 第1の捩じ切り型ポートを備える薬液容器の一例を示す正面図である。 本発明の容器栓部材の他の実施形態である第2の捩じ切り型ポートを示す正面断面図である。 図18に示す第2の捩じ切り型ポートの斜視図である。 図18に示す第2の捩じ切り型ポートの使用状態を示す一部切欠き正面図である。 図18に示す弾性栓体の底面図である。 図18に示す第2の捩じ切り型ポートの組立て工程を示す説明図である。
符号の説明
1:プルトップ型キャップ(容器栓部材)、 2:外枠体、 3:周面枠、 4:被覆部材、 5:一端面、 6:他端面、 7:内枠体、 8:弾性栓体、 15:凸部、 21:スリット、 25:凹部、 28:薬液容器、 30:開口部、 32:プルトップ型ポート(容器栓部材)、 33:外枠体、 34:周面枠、 35:被覆部材、 36:一端面、 37:他端面、 38:内枠体、 39:弾性栓体、 42:凸部、 47:支持部、 50:スリット、 54:凹部、 57:薬液容器、 60:第1の捩じ切り型ポート(容器栓部材)、 61:外枠体、 62:周面枠、 63:被覆部材、 64:一端面、 65:他端面、 66:内枠体、 67:弾性栓体、 69:凸部、 77:スリット、 81:凹部、 82:薬液容器、 85:第2の捩じ切り型ポート(容器栓部材)、 86:外枠体、 87:周面枠、 88:被覆部材、 89:一端面、 90:他端面、 91:内枠体、 92:弾性栓体、 94:凸部、 101:支持部、 104:スリット、 108:凹部、 110:隙孔.

Claims (5)

  1. 周面枠および周面枠に対して分離可能に設けられた被覆部材を有し、前記周面枠で周囲が囲まれ、一端面が前記被覆部材で覆われた収容空間を備える外枠体と、
    前記収容空間の他端面側に嵌合している内枠体と、
    前記収容空間の一端面側から他端面側へと貫通するスリットを備え、前記収容空間に圧入されている弾性栓体と、を含む容器栓部材であって、
    前記収容空間の一端面側へ臨む前記弾性栓体の表面には、前記スリットを中心に凹む凹部が形成されており、
    前記被覆部材の前記収容空間へ臨む内面には、前記弾性栓体の凹部に押圧状態で嵌合する凸部が形成されていることを特徴とする、容器栓部材。
  2. 前記収容空間の他端面側へ臨む前記弾性栓体の表面には、前記スリットが開かれた時の逃げ部となる隙孔が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の容器栓部材。
  3. 前記弾性栓体が熱可塑性エラストマーから形成され、前記内枠体が熱可塑性樹脂から形成されており、前記弾性栓体は前記内枠体上に射出成形されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の容器栓部材。
  4. 前記内枠体には、前記収容空間に圧入された前記弾性栓体が前記収容空間の他端面側から抜け出るのを防止するための支持部が備えられていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の容器栓部材。
  5. 薬液を収容するための容器と、請求項1〜4のいずれかに記載の容器栓部材とを備え、前記容器栓部材における外枠体または内枠体が、前記収容空間の他端面側で前記容器の開口部に取り付けられており、前記開口部が前記容器栓部材の弾性栓体によって封鎖されていることを特徴とする、薬液容器。
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