JP5098995B2 - センサ特性補正装置および材料試験機 - Google Patents

センサ特性補正装置および材料試験機 Download PDF

Info

Publication number
JP5098995B2
JP5098995B2 JP2008324400A JP2008324400A JP5098995B2 JP 5098995 B2 JP5098995 B2 JP 5098995B2 JP 2008324400 A JP2008324400 A JP 2008324400A JP 2008324400 A JP2008324400 A JP 2008324400A JP 5098995 B2 JP5098995 B2 JP 5098995B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sensor
polynomial
correction
testing machine
value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008324400A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010145290A (ja
Inventor
博志 辻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimadzu Corp filed Critical Shimadzu Corp
Priority to JP2008324400A priority Critical patent/JP5098995B2/ja
Publication of JP2010145290A publication Critical patent/JP2010145290A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5098995B2 publication Critical patent/JP5098995B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Strength Of Materials By Application Of Mechanical Stress (AREA)

Description

本発明は、物理センサの出力値を補正するセンサ特性補正装置、および、試験力または変位を測定するセンサの特性補正機能を備えた材料試験機に関するものである。
従来から、材料試験機に用いられているロードセルあるいは伸び計など各種センサの非線形特性を補正する際に、検定された複数のセンサ出力値に近似させるための補正関数を求めることが行われている。
この補正関数を求めるためには、予め定義したn次多項式に最小2乗法を適用することにより、多項式の係数を決定することが行われている。そして実際の測定時には、センサ出力値を補正関数に入力して補正することが行われている(特許文献1)。
特開2007−218809号公報
しかしながら、最小2乗法を用いて補正関数を求める従来の手法では、まず、検定済みの実負荷(≒真の試験力)あるいは実変位(≒真の変位)をセンサに与えたときに得られる実測値xi(複数のサンプル点)を求める。次に、予め定義した補正関数f(x)にxiを代入することにより得られた演算値と、上記の実負荷・実変位との差をサンプル点ごとに求め、その差の2乗総和が最小となる係数を算出していた。
その結果、補正関数を用いて補正されたセンサ出力値(すなわち、ユーザに提供される測定指示値)が有する測定誤差は、一定の絶対誤差内に留まるとはいえ、検定された実負荷・実変位の大きさとは、何の相関もないという問題があった。例えば、材料試験機の試験力を測定するセンサとしてロードセルを用いる場合、実負荷が大きいサンプル点では相対誤差が小さくなる反面、実負荷が小さいサンプル点では相対誤差が大きくなってしまうという問題があった。
請求項1に記載のセンサ特性補正装置は、較正された実負荷および実変位のいずれか一方を所定の検定器により物理センサに与え、前記検定器により与えられた複数の検定器出力値yにそれぞれ対応するセンサ出力値xを求める検定手段と、予め定めた多項式f(x) に前記センサ出力値xを代入して得たf(xk) と前記検定器出力値yとの差を|yk|(0≦h≦1)で除算し、その2乗の総和が最小となるような多項式係数を決定することにより、補正用多項式f(x)を得る多項式決定手段とを備えることを特徴とする。
請求項2に記載のセンサ特性補正装置は、請求項1に記載のセンサ特性補正装置において、前記センサ出力値xのうちゼロ値およびフルスケール値については予め補正をしておくものである。
請求項3に記載のセンサ特性補正装置は、請求項1または2に記載のセンサ特性補正装置において、さらに加えて、試験中に前記物理センサから得られたセンサ出力を前記補正用多項式f(x) に代入することにより、前記物理センサの非線形出力特性を補正する演算手段を備える。
請求項4に記載のセンサ特性補正装置は、請求項3に記載のセンサ特性補正装置において、前記演算手段は、加算処理および乗算処理を繰り返して実行することにより、前記補正用多項式f(x) の演算を行う。
請求項5に記載の材料試験機は、較正された実負荷および実変位のいずれか一方を所定の検定器により物理センサに与え、前記検定器により与えられた複数の検定器出力値yにそれぞれ対応するセンサ出力値xを求める検定手段と、予め定めた多項式f(x) に前記センサ出力値xを代入して得たf(xk) と前記検定器出力値yとの差を|yk|(0≦h≦1)で除算し、その2乗の総和が最小となるような多項式係数を決定することにより、補正用多項式f(x)を得る多項式決定手段と、試験中に前記物理センサから得られた任意のセンサ出力を前記補正用多項式f(x) に代入することにより、前記物理センサの非線形出力特性を補正する演算手段とを備えることを特徴とする。
請求項6に記載の材料試験機は、請求項5に記載の材料試験機において、前記センサ出力値xのうちゼロ値およびフルスケール値については予め補正をしておくものである。
請求項7に記載の材料試験機は、請求項5または6に記載の材料試験機において、前記演算手段は、加算処理および乗算処理を繰り返して実行することにより、前記補正用多項式f(x) の演算を行う。
本発明によれば、予め定めた多項式f(x) にセンサ出力値xを代入して得たf(xk) と、分銅・検力器あるいは伸び計較正装置などの検定器により与えられる値yとの差を求め、その差を|yk|(0≦h≦1)で除算し、除算結果の2乗の総和が最小となるように多項式f(x)の係数を決定しているので、補正用多項式f(x)を用いて補正されたセンサ出力値(測定指示値)は、実負荷・実変位の大きさと一定の相関を持たせたものとなる。例えば、h=1とすることにより、相対誤差を測定レンジ内でほぼ一定にすることができる。また、h=0に設定することにより、測定レンジ内で一定値以内の絶対誤差を実現することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明を適用した材料試験機を示す全体構成図である。本図において、LCはロードセル(後に詳述する)、CUはロードセルLCと材料試験機本体の制御盤42とを接続するためのケーブルユニットである。31Aおよび31Bは一対の支柱であり、その内部にはモータ(図示せず)により回転されるボールねじ(図示せず)が内装されている。32はクロスヘッドであり、上記ボールねじの回転に応じて上下に移動する。一対の支柱31Aおよび31Bの間には、固定された基台34およびクロスヨーク36を設けてある。38は上つかみ具であり、ロードセルLCを介してクロスヘッド32に接続されている。40は下つかみ具であり、基台34に接続されている。制御盤42は、図示しない負荷機構の制御のみならず、各種インタフェース回路(図示せず)ならびに各種データ処理を行うための信号処理回路(図3参照)を備えている。KKは伸び計である。伸び計KKの信号線については省略してある。以上の各構成要素により、本実施の形態による材料試験機44を構成する。
次に、材料試験機44のロードセル出力を補正するための手順および信号処理を説明する。
<材料試験開始前の補正関数決定について>
材料試験機本体にロードセルLCを取り付ける前に、ロードセルLCの検定を行う。この検定は、工場出荷時あるいはメインテナンス時・サービス提供時などに行う。本実施の形態では、トレーサビリティが確保されている較正済みの分銅を複数個用いてロードセルに荷重(試験力)を与えているが、より大きな荷重を与えるときにはループ式などの検力器を用いる。
ロードセルLCの検定を開始するのに先立って、ロードセルLCに接続されている計装アンプ(図示せず)のゼロオフセット調整を行う。すなわち、無荷重のときの測定値がゼロとなるようにオフセット調整を行う。さらに、ロードセルLCに定格荷重を与えたとき、定格荷重を表すフルスケール出力値が得られるように計装アンプのゲインを予め調整しておく。
次に、分銅を用いてロードセルLCの検定を行う。図2(A)は、分銅により負荷される試験力(以下、実負荷という)と、ロードセルLCに実負荷を与えたときの測定値(以下、センサ出力という)との関係を示したグラフである。本図のY軸に示すLは、定格荷重を表すフルスケール出力値である。より正確に図示するならば、分銅で検定した点のみをプロットすべきであるが、センサ出力の非直線性を明示するために連続した曲線として描いてある。この図2(A)に示したX軸とY軸を入れ替えると、図2(B)に示す通りとなる。換言すると、図2(A)に示した曲線を表す関数の逆関数が、図2(B)に示す曲線の関数である。
図2(B)においても、センサ出力xがゼロ値である点、およびフルスケール値Lである点は、既に補正済みである。センサ出力xがゼロである点と、先にロードセルLCの検定をした点と、フルスケールLである点とを通る曲線(もしくは、これらの点に最も接近する曲線)を補正関数f(x)と呼ぶ。すなわち、補正関数f(x)は、図2(B)における(0,0)点と(L,L)点を通る多項式である。
そこで、x=0のときf(x)=0を満たし、且つx=Lのときf(x)=Lを満たす多項式として、本実施の形態では、以下の数式1に示す補正関数f(x)を定義する。
Figure 0005098995

先に行ったロードセルLCの検定において、n個の検定結果が、
(センサ出力値,実負荷値)=(x0,y0),(x1,y1),(x2,y2),・・・(xn−1,yn−1
であるとすると、補正関数f(x)は、
(0,0),(x0,y0),(x1,y1),(x2,y2),・・・(xn−1,yn−1),(L,L)
の各点を通る多項式(もしくは、これらの点に最も接近する多項式)である。
いま、誤差関数e (x)として、次の数式2で示す関数を定義する。
Figure 0005098995

数式2のxおよびyに上記n個の検定結果を代入すると、次の数式3で示す誤差e kが得られる。
Figure 0005098995

数式3において、誤差e kの分子が補正関数値f(xk)と実負荷値ykの差であり、分母が|実負荷値yk|のh乗(h=0〜1)である理由は、補正されたセンサ出力と実負荷(≒真の試験力)との差である絶対誤差を、相対誤差に置き換えるためである。すなわち、h=1のときには、誤差e kは相対誤差を表すことになる。一方、h=0のときには分母が1となるので、誤差e kは絶対誤差そのものとなる。また、h=0.5のときには、相対誤差と絶対誤差の両方を含むことになる。
数式1で定義した補正関数f(x)の係数a0 , a1 , a2 , ・・・は、数式3で示した誤差e kの2乗の総和が最小となるように、最小2乗法を用いて算出する。以下、最小2乗法による係数a0 , a1 , a2 , ・・・の算出について説明していく。
数式3において、誤差e kの2乗の総和Eは次の数式4で与えられる。
Figure 0005098995


なお、n=1である場合、すなわち図2(B)の0点とL点との間に1箇所だけロードセル検定を行った点がある場合には、数式4は単にE=(e kの2乗)となる
本実施の形態では、4次の補正関数f(x)を用いる場合について説明していく。4次の補正関数f(x)を変形すると、次の数式5が得られる。
Figure 0005098995

この数式5を数式4に代入すると、総和Eは次の数式6のように展開することができる。
Figure 0005098995

いま、数式6を簡略化するために、次の数式7に示す通り、S(l , m)を新たに定義する。
Figure 0005098995

数式7で定義したS(l , m)を用いて数式6を書き直すと、次の数式8が得られる。
Figure 0005098995

数式8のEについて、a0 , a1 , a2 でそれぞれ偏微分すると、次の数式9で示す結果が得られる。
Figure 0005098995

数式8で示される総和Eはa0 , a1 , a2に関して下に凸な2次関数であることから、数式9で示される偏微分値が全てゼロとなるとき、総和Eが最小になる。すなわち、次の数式10を満たす係数a0 , a1 , a2 を算出すればよいことになる。
Figure 0005098995

そこで、数式10を数式9に代入してa0 , a1 , a2 で整理すると、最終的に、次の数式11に示す行列の積が得られる。
Figure 0005098995


この数式11の左辺には3行3列の行列があるので、この行列の逆行列を左右両辺に左側から掛けることにより、補正関数f(x)の係数a0 , a1 , a2 を求めることができる。
以上により、センサ出力を補正するための多項式、すなわち補正関数f(x)が決定される。具体的には、ロードセルLCと材料試験機本体を接続するためのケーブルユニットCU(図1参照)のコネクタ内もしくはその近辺に多項式係数を記憶するメモリ(図示せず)を備えておき、そのメモリから読み出した多項式係数を材料試験機本体に供給する。なお、同一定格・同一製品名のロードセルであっても特性にばらつきがあるので、各ロードセル毎に補正関数f(x)の係数a0 , a1 , a2 を予め求めておく必要がある。そして、各ロードセルとケーブルユニットは常に一体として使用する。また、経年変化に起因した特性変化が生じ得るので、定期的なロードセルの検定および係数算出を行うのが好適である。
<材料試験機によるセンサ出力の補正処理について>
次に、決定された補正関数f(x)を用いてロードセルLCの出力を補正する処理について説明する。
図3は、材料試験機44の制御盤42(図1参照)に含まれている信号処理回路である。本図において、2は、ロードセルLCのケーブルユニットCUを接続するためのロードセル信号入力端子である。4はプリアンプ、6はアンチエリアシング処理を行うためのアナログフィルタ、8はA/D変換器、10はオーバーサンプリングによるノイズを除去するためのデジタルフィルタである。
12は、ロードセルLCが無負荷のときに、オフセット成分を除去して測定値をゼロ(図2(B)の原点0に相当する)にするためのオフセット除去回路である。14は、オフセット値を設定するためのオフセット設定部である。16は乗算回路であり、ロードセルLCに定格実負荷を与えとき、フルスケール値(図2(B)のLに相当する)が得られるようにゲイン調整を行う。18は、乗算回路16の乗算率を設定するゲイン設定部である。なお、ロードセルLCに定格実負荷を与えるとき、分銅などを実際にロードセルLCに負荷するほか、模擬的なロードセル出力変化(抵抗値変化)を入力端子2に与えることによりゲイン調整を行うことも可能である。以上により、ロードセル出力を非線形補正する前の信号処理が終了する。
オフセット除去回路12および乗算回路16を設けた理由は、無負荷時のゼロ点調整および定格負荷時のフルスケール調整(すなわち、図2(B)の0点補正およびL点補正)を予め実行しておくことにより、ハードウェアで実現させやすい固定小数点演算を可能にするばかりでなく、補正関数f(x)を決定した後に再びゼロ点調整およびゲイン調整を行うことができるようにするためである。
20は非線形補正回路、22は後段の回路にデータを転送する際に用いるFIFOメモリ、24は非線形補正された測定値を表示する表示器である。この非線形補正回路20はハードウェアで構成してあり、補正関数f(x)に基づき、ロードセル出力(=図2(B)のセンサ出力x)の補正演算を実行する。ハードウェアを用いて数式5の補正関数f(x)を演算する際に、桁落ちなく固定小数点演算を行うためには、非常に大きなビット数のデータを処理しなければならない。そこで、本実施の形態では、数式5を次の数式12のように変形する。
Figure 0005098995

数式12を見ると明らかなように、補正関数f(x)の演算を実行する際には、加算処理と乗算処理の繰り返しのみを行えばよいことが判る。そこで、非線形補正回路20をハードウェアで実現するために、図4に従った演算アルゴリズムを実行させる。
図4は、ロードセルLCから得られたロードセル出力x(図2(B)のセンサ出力に相当する)を入力し、数式12に基づいて補正関数f(x)を演算するための手順を示すフローチャートである。
ステップS1では、まずバッファBをゼロにリセットする。
ステップS2では、バッファBの内容に多項式係数aを加算し、加算結果を再びバッファBに格納(上書き)する。
ステップS3では、バッファBの内容にロードセル出力xを乗じ、乗算結果を再びバッファに格納(上書き)する(*は掛け算記号である)。
ステップS4では、バッファBの内容に(a−aL)を加算し、加算結果を再びバッファBに格納(上書き)する。ここで、aおよびaは多項式係数、Lはフルスケール値(図2(B)参照)である。
ステップS5では、バッファBの内容にロードセル出力xを乗じ、乗算結果を再びバッファに格納(上書き)する。
ステップS6では、バッファBの内容に(a−aL)を加算し、加算結果を再びバッファBに格納(上書き)する。ここで、aおよびaは多項式係数、Lはフルスケール値である。
ステップS7では、バッファBの内容にロードセル出力xを乗じ、乗算結果を再びバッファに格納(上書き)する。
ステップS8では、バッファBの内容に(1−aL)を加算し、加算結果を再びバッファBに格納(上書き)する。ここで、aは多項式係数、Lはフルスケール値である。
ステップS9では、バッファBの内容にロードセル出力xを乗じ、乗算結果をバッファに格納(上書き)する。
ステップS9で得られたバッファBの内容が、非線形補正されたロードセル出力となる。
−実施の形態による作用・効果−
本実施の形態によれば、以下のような作用・効果を奏することができる。
(1)トレーサビリティが確保されている較正済みの分銅あるいは検力器を用いて複数の実負荷をロードセルに与え、その実負荷にそれぞれ対応するロードセル出力値xを求めておき、予め定めた多項式の補正関数f(X) にロードセル力値xを代入して得たf(Xk) と較正済みの値yとの差を|yk|(0≦h≦1)で除算し、その2乗の総和が最小となるような多項式係数を決定することにより補正関数f(X)を決定することとしているので、必要とされる測定精度に応じたh(0≦h≦1)を選択することができる。すなわち、材料試験機の測定レンジ内において、絶対誤差のみならず相対誤差も併せて考慮した補正関数を決定することができる。特に、h=1のときには、測定誤差は相対誤差を表すことになる。h=0のときには、測定誤差は絶対誤差そのものとなる。また、h=0.5のときには、相対誤差と絶対誤差の両方を含む。
(2)実施の形態では、ロードセル出力のうち、ゼロ値およびフルスケール値を予め補正しておくので、より適切な多項式を定義することができるばかりでなく、補正用多項式f(X)の演算を行う際に、ハードウェアを用いた固定小数点演算を実現することができる。
(3)ロードセルと材料試験機本体を接続するためのケーブルユニットCU(図1参照)のコネクタ内もしくはその近辺に多項式係数を記憶するメモリを備えておき、そのメモリから読み出した多項式係数を読み込むこととしているので、材料試験機本体の電源投入に伴って、多項式係数を自動的に読み込むことができる。特に、ロードセルを交換した際にも自動的に多項式係数を読み込むことができるので、手動設定による煩わしさを避けることができる。
(4)ロードセルから出力xが得られるたびに補正関数f(X)に代入して非線形補正を行うが、加算器と乗算器により補正関数f(X) の演算を行うことができるので、簡易なアルゴリズムを用いたハードウェアを実現することができる。
−実施の形態における変形例−
(1)実施の形態では、材料試験機44にロードセルLCを搭載する前に予め補正関数(n次多項式)の係数を決定しているが、材料試験機内に搭載したCPU(図示せず)を用いて、ロードセルLCの検定を行うことも可能である。
(2)実施の形態では4次の多項式(数式5)を定義したが、多項式の次数は4次に限定されない。この場合にも、図4に示したのと同様のアルゴリズムを適用することができる。すなわち、補正関数が高次の多項式となった場合にも、加算処理および乗算処理の繰り返しにより非線形補正演算を行うことができる。換言すると、補正演算を実行するためのハードウェアリソースが次数に依存しないので、より高次の補正用多項式を設定することができる。その結果、より正確な非線形補正を実施する場合にも、高速演算が可能となる。さらに、既述のh(0≦h≦1)と多項式の次数とを適宜選択することにより、非線形補正に必要とされるロードセル検定の数を減らすことができる。
(3)実施の形態ではロードセルを用いて試験力を測定する場合について述べたが、歪みゲージ式センサ以外のセンサ、例えば伸び計・幅計などの変位計についても、同様に非線形特性を補正することができる。
(4)歪みゲージ式荷重測定センサのフルスケール値(図2(B)のL参照)を電気的に校正する際に、歪み検出用のブリッジ回路に抵抗器を接続して疑似的な負荷を与える周知技術を利用することが可能である。他方、試験片の伸び・幅などの変位量を測定するために、差動トランスあるいは静電容量式センサを用いる場合にも、ケーブルユニット内のメモリに補正用データを記憶させておくことにより、電気的キャリブレーションを実施することができる。ここでいう電気的キャリブレーションとは、材料試験機側のゲイン調整を行う際に、電気的処理のみによりゲイン調整を完了させることを意味する。例えば、較正された実変位を差動トランスの可動コアに実際に与えることなく仮想的な物理的変位を電気的に再現することができる。
(5)試験力あるいは変位を測定するセンサのみならず、電圧・電流・抵抗などを測定する他の物理センサを用いる場合にも、実施の形態で述べた非線形補正を行うことができる。すなわち、任意の物理センサから得られるセンサ出力xを補正するための多項式f(X)を決定する際に、予め定義した誤差関数に最小2乗法を適用して多項式の係数を決定することが可能である。
より具体的に述べると、センサ特性補正装置として、
a) 較正された実負荷または実変位を所定の検定器により物理センサに与え、その検定器により与えられた複数の検定器出力値yにそれぞれ対応するセンサ出力値xを求め、
b) 予め定めた多項式f(X) にセンサ出力値xを代入して得たf(Xk) と検定器出力値yとの差を|yk|(0≦h≦1)で除算し、その2乗の総和が最小となるような多項式係数を決定することにより、補正用多項式f(X)を得ることができる。
このセンサ特性補正装置においても、数式1に示した多項式を定義するために、センサ出力値xのうちゼロ値およびフルスケール値については予め補正をしておくことが可能である。
さらに、物理センサから得られたセンサ出力を補正用多項式f(X) に代入することにより、物理センサの非線形出力特性を補正する演算回路を備えることも可能である。
また、数式12および図4と同様に、加算器と乗算器により補正用多項式f(X) の演算を行うことも可能である。すなわち、多項式の次数に拘わりなく、加算処理および乗算処理を繰り返して実行することにより、補正用多項式の演算を行うことができる。
以上の説明はあくまで一例であり、本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上述した実施の形態および変形例に限定されるものではない。
実施の形態と変形例の一つとを組み合わせること、もしくは、実施の形態と変形例の複数とを組み合わせることも可能である。
変形例同士をどのように組み合わせることも可能である。
さらに、本発明の技術的思想の範囲内で考えられる他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
本発明の一実施形態による材料試験機の全体構成図である。 較正された実負荷と、ロードセルに実負荷を与えたときのセンサ出力との関係を示したグラフである。 材料試験機44の制御盤42に含まれている信号処理回路である。 ロードセルから得られた出力xを補正関数f(x)に入力して演算するための手順を示すフローチャートである。
符号の説明
2 ロードセル信号入力端子
4 プリアンプ
6 アンチエリアシング処理用アナログフィルタ
8 A/D変換器
10 デジタルフィルタ
12 オフセット除去回路
14 オフセット設定部
16 乗算回路
18 ゲイン設定部
20 非線形補正回路
22 FIFOメモリ
24 表示器
32 クロスヘッド
34 基台
36 クロスヨーク
38 上つかみ具
40 下つかみ具
42 制御盤
44 材料試験機
CU ケーブルユニット
LC ロードセル
KK 伸び計

Claims (7)

  1. 較正された実負荷および実変位のいずれか一方を所定の検定器により物理センサに与え、前記検定器により与えられた複数の検定器出力値yにそれぞれ対応するセンサ出力値xを求める検定手段と、
    予め定めた多項式f(x) に前記センサ出力値xを代入して得たf(xk) と前記検定器出力値yとの差を|yk|(0≦h≦1)で除算し、その2乗の総和が最小となるような多項式係数を決定することにより、補正用多項式f(x)を得る多項式決定手段とを備えることを特徴とするセンサ特性補正装置。
  2. 請求項1に記載のセンサ特性補正装置において、
    前記センサ出力値xのうちゼロ値およびフルスケール値については予め補正をしておくことを特徴とするセンサ特性補正装置。
  3. 請求項1または2に記載のセンサ特性補正装置において、さらに加えて、
    試験中に前記物理センサから得られたセンサ出力を前記補正用多項式f(x) に代入することにより、前記物理センサの非線形出力特性を補正する演算手段を備えることを特徴とするセンサ特性補正装置。
  4. 請求項3に記載のセンサ特性補正装置において、
    前記演算手段は、加算処理および乗算処理を繰り返して実行することにより、前記補正用多項式f(x) の演算を行うことを特徴とするセンサ特性補正装置。
  5. 較正された実負荷および実変位のいずれか一方を所定の検定器により物理センサに与え、前記検定器により与えられた複数の検定器出力値yにそれぞれ対応するセンサ出力値xを求める検定手段と、
    予め定めた多項式f(x) に前記センサ出力値xを代入して得たf(xk) と前記検定器出力値yとの差を|yk|(0≦h≦1)で除算し、その2乗の総和が最小となるような多項式係数を決定することにより、補正用多項式f(x)を得る多項式決定手段と、
    試験中に前記物理センサから得られたセンサ出力を前記補正用多項式f(x) に代入することにより、前記物理センサの非線形出力特性を補正する演算手段とを備えることを特徴とする材料試験機。
  6. 請求項5に記載の材料試験機において、
    前記センサ出力値xのうちゼロ値およびフルスケール値については予め補正をしておくことを特徴とする材料試験機。
  7. 請求項5または6に記載の材料試験機において、
    前記演算手段は、加算処理および乗算処理を繰り返して実行することにより、前記補正用多項式f(x) の演算を行うことを特徴とする材料試験機。
JP2008324400A 2008-12-19 2008-12-19 センサ特性補正装置および材料試験機 Active JP5098995B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008324400A JP5098995B2 (ja) 2008-12-19 2008-12-19 センサ特性補正装置および材料試験機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008324400A JP5098995B2 (ja) 2008-12-19 2008-12-19 センサ特性補正装置および材料試験機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010145290A JP2010145290A (ja) 2010-07-01
JP5098995B2 true JP5098995B2 (ja) 2012-12-12

Family

ID=42565877

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008324400A Active JP5098995B2 (ja) 2008-12-19 2008-12-19 センサ特性補正装置および材料試験機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5098995B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11293743B2 (en) 2018-12-20 2022-04-05 Ametek, Inc. Texture analyzer

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7156228B2 (ja) * 2019-09-30 2022-10-19 新東工業株式会社 電動シリンダシステム

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0795022B2 (ja) * 1985-12-28 1995-10-11 株式会社島津製作所 材料試験機
JP2671096B2 (ja) * 1993-08-04 1997-10-29 株式会社アカシ 微小押込み試験機
JP4239752B2 (ja) * 2003-08-25 2009-03-18 株式会社島津製作所 材料試験機
JP4697433B2 (ja) * 2006-02-17 2011-06-08 株式会社島津製作所 材料試験機
JP2008267935A (ja) * 2007-04-19 2008-11-06 Shimadzu Corp 材料試験機およびキャリブレーション方法
JP2008267936A (ja) * 2007-04-19 2008-11-06 Shimadzu Corp 材料試験機およびデータ補正方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11293743B2 (en) 2018-12-20 2022-04-05 Ametek, Inc. Texture analyzer

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010145290A (ja) 2010-07-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20140358317A1 (en) Output value correction method for physical quantity sensor apparatus, output correction method for physical quantity sensor, physical quantity sensor apparatus and output value correction apparatus for physical quantity sensor
US20090057038A1 (en) Load cell-type electronic balance
CN112800633B (zh) 一种多元校准风洞天平数据的处理方法
US20160131512A1 (en) Thermal flow meter, temperature measurement device, and thermal flow meter program
JP4752528B2 (ja) 歪みゲージ式ロードセルおよびそれを用いた電子はかり
JP5098995B2 (ja) センサ特性補正装置および材料試験機
JP4697433B2 (ja) 材料試験機
JPS63151824A (ja) 電子秤の線形化方法
CN109196319B (zh) 数字蠕变和漂移校正
CN111721466B (zh) 一种修正压力传感器零点漂移的方法和系统
KR101040589B1 (ko) 전자식 전력량계의 온도변화에 따른 전력량 보정방법
KR100909660B1 (ko) 센서측정회로의 오차보정장치 및 그 방법
JP5669551B2 (ja) ロードセルの故障診断装置
JP3953592B2 (ja) ロードセルのスパン温度補償装置
JPH07209102A (ja) ロードセルの温度補償方法及びその装置
JP6477969B2 (ja) 測定装置および材料試験機
JP5823279B2 (ja) クリープ補償装置及び計量装置のクリープ割合変更方法
JP5281983B2 (ja) クリープ誤差補償装置及びクリープ誤差補償方法
JP3201882B2 (ja) ロックウエル試験機における誤差補正方法
Hessling Models of dynamic measurement error variations of material testing machines
JP5369944B2 (ja) ディジタルフィルタおよび材料試験機
CN115574915A (zh) 新生儿秤的标定方法
JP2011169765A (ja) アクティブ4ゲージ法を用いた測定装置の校正方法および測定装置並びに材料試験機
Röske ISO 6789: 2003 Calibration results of hand torque tools with measurement uncertainty–some proposals
JP2013101027A (ja) センサの検出出力の較正方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110301

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120621

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120626

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120808

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120828

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120910

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151005

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5098995

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151005

Year of fee payment: 3