JP5823279B2 - クリープ補償装置及び計量装置のクリープ割合変更方法 - Google Patents

クリープ補償装置及び計量装置のクリープ割合変更方法 Download PDF

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Description

本発明は、ロードセルから出力される荷重信号のクリープ誤差を補償するためのクリープ補償装置、及び計量装置のクリープ割合変更方法に関する。
荷重検出器、例えばロバーバル型のロードセルに荷重が負荷されると、ロードセルは、負荷された荷重の大きさに応じた撓みを生じ、併せてクリープ現象を生じる。そして、荷重が除去されると、ロードセルは、元の状態に戻ろうとするが、その際、クリープ回復現象を生じる。これによって、ロードセルから出力される荷重信号には、クリープ誤差およびクリープ回復誤差が生じることが知られている。
ここで、個々のロードセルには、それぞれが持つ特性によって、ロードセルに荷重を負荷し続けていると時間経過に応じて荷重信号が増加するクリープ誤差(ポジティブクリープ誤差)が生じる場合と、時間経過に応じて荷重信号が減少するクリープ誤差(ネガティブクリープ誤差)が生じる場合とがある。
図7は、ポジティブクリープ誤差が生じる場合の荷重信号の経時変化の一例を模式的に示す図である。この場合、ロードセルに荷重が負荷されると、荷重信号wは、直ちにロードセルの初期撓み量に応じた荷重信号値w1にまで立ち上がり、その後、クリープ現象によって時間tの経過に伴って荷重信号が徐々に増加するクリープ誤差を生じ、荷重が負荷され続けると最終的にある荷重信号値weに収束する。そして、ロードセルから荷重が除去されると、荷重信号wは、まずロードセルの初期戻り量に応じた荷重値分だけ立ち下がり、その後、クリープ回復現象によって時間tの経過に伴って荷重信号wが徐々に減少するクリープ回復誤差を生じ、この誤差は最終的にゼロになる。
また、図8は、ネガティブクリープ誤差が生じる場合の荷重信号の経時変化の一例を模式的に示す図である。この場合、ロードセルに荷重が負荷されると、荷重信号wは、直ちにロードセルの初期撓み量に応じた荷重信号値w1にまで立ち上がり、その後、クリープ現象によって時間tの経過に伴って荷重信号が徐々に減少するクリープ誤差を生じ、荷重が負荷され続けると最終的にある荷重信号値weに収束する。そして、ロードセルから荷重が除去されると、荷重信号wは、まずロードセルの初期戻り量に応じた荷重値分だけ立ち下がり、その後、クリープ回復現象によって時間tの経過に伴って荷重信号wが徐々に増加するクリープ回復誤差を生じ、この誤差は最終的にゼロになる。
このようなクリープ誤差を軽減するためにロードセルを構成する材料や構造等を改良することも行われているが、十分ではない。
そこで、近年では、デジタル回路にクリープ誤差を含む荷重信号を入力して、補償関数を利用してクリープ誤差を含む荷重信号からクリープ誤差の成分を除去する方法が開発されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
特開2011−33374号公報 特開2009−53211号公報 特開2009−63403号公報 特開平11−2573号公報
上記のクリープ誤差は温度によっても変化することが知られており、補償関数に用いるパラメータを温度に応じて変化させるようにしたものもある(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、クリープ誤差は、ロードセルの部品の経年変化等によってもその発生量が変化する。すなわち、部品の経年変化等によってクリープ特性が変化するが、従来技術では、このような変化に対応できるものではなく、例えば再試験を行ってクリープ特性を調べ、補償関数のパラメータの再設定等を行わなければ、クリープ誤差を正確に補償することができなくなる。
また、補償関数のパラメータを変更(再設定)する場合には、従来、同パラメータを最初に決定する場合と同様、例えば、校正された分銅(既知の荷重)を、クリープ誤差が飽和する時間として定められた所定の飽和時間(例えば30分程度)負荷し、クリープ誤差飽和量を求め、それに基づいて、クリープ割合等のパラメータを再決定することになる。すなわち、補償関数のパラメータを変更するためには、既知の荷重やそれを負荷する設備等が必要となり、容易に変更することができない。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、部品の経年変化等によって変化するクリープ誤差を正確に補償することができるクリープ補償装置を提供することを目的としている。
また、本発明の他の目的は、クリープ誤差を正確に補償するために、クリープ誤差補償関数のパラメータ(クリープ割合)を容易に変更することができる計量装置のクリープ割合変更方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明のある形態(aspect)に係るクリープ補償装置は、荷重検出器に負荷される荷重に対するクリープ誤差の飽和量の比率であるクリープ割合をパラメータとして含むクリープ誤差補償関数の式に基づいて、前記荷重検出器に荷重が負荷されているときに前記荷重検出器から出力される荷重信号に含まれるクリープ誤差の近似値を算出し、前記荷重信号から前記クリープ誤差の近似値を減算することによりクリープ誤差補償済み荷重信号を生成するクリープ誤差補償手段と、前記クリープ割合をパラメータとして含むクリープ回復誤差補償関数の式に基づいて、前記荷重検出器から荷重が除かれたときに前記荷重検出器から出力される荷重信号に含まれるクリープ回復誤差の近似値を算出し、前記荷重信号から前記クリープ回復誤差の近似値を減算することによりクリープ回復誤差補償済み荷重信号を生成するクリープ回復誤差補償手段と、前記荷重検出器から荷重が除かれた直後のクリープ回復誤差補償済み荷重信号の値が、無負荷時荷重信号設定値でないとき、または、無負荷時荷重信号設定値を含む許容範囲内にないときに、無負荷時荷重信号設定値との差の絶対値が小さくなるように、前記クリープ割合の値を変更するクリープ割合変更手段とを備えている。
この構成によれば、荷重検出器から全ての荷重が除かれた直後のクリープ回復誤差補償済み荷重信号の値が、無負荷時荷重信号設定値(無負荷を示す荷重信号設定値であり、例えば、零)でないとき、または、無負荷時荷重信号設定値を含む許容範囲内にないときに、無負荷時荷重信号設定値との差の絶対値が小さくなるように(無負荷時荷重信号設定値となるようにあるいは無負荷時荷重信号設定値に近づくように)、クリープ割合の値を変更することにより、次の計量時にはクリープ誤差を正確に補償することができるようになる。このようにクリープ割合を変更することにより、荷重検出器の経年変化等によって変化するクリープ誤差を正確に補償することができる。また、温度や湿度等の使用環境によってクリープ特性が変化した場合でも、クリープ誤差を正確に補償することができる。
より具体的には、前記クリープ割合変更手段は、前記荷重検出器から荷重が除かれた直後のクリープ回復誤差補償済み荷重信号の値が無負荷時荷重信号設定値より大きい場合には、前記クリープ割合の値を増加させ、前記荷重検出器から荷重が除かれた直後のクリープ回復誤差補償済み荷重信号の値が無負荷時荷重信号設定値より小さい場合には、前記クリープ割合の値を減少させるように構成されていてもよい。
また、本発明のある形態に係る計量装置のクリープ割合変更方法は、荷重検出器に負荷される荷重に対するクリープ誤差の飽和量の比率であるクリープ割合をパラメータとして含むクリープ誤差補償関数の式に基づいて、前記荷重検出器に荷重が負荷されているときに前記荷重検出器から出力される荷重信号に含まれるクリープ誤差の近似値を算出し、前記荷重信号から前記クリープ誤差の近似値を減算することによりクリープ誤差補償済み荷重信号を生成し、この生成した信号に応じた重量値を出力するとともに、前記荷重検出器から荷重が除かれたときに、前記クリープ割合をパラメータとして含むクリープ回復誤差補償関数の式に基づいて、前記荷重検出器から出力される荷重信号に含まれるクリープ回復誤差の近似値を算出し、前記荷重信号から前記クリープ回復誤差の近似値を減算することによりクリープ回復誤差補償済み荷重信号を生成するよう構成された計量装置のクリープ割合変更方法であって、前記計量装置の前記荷重検出器に任意の荷重を負荷するステップと、前記荷重検出器から前記任意の荷重が除かれた直後のクリープ回復誤差補償済み荷重信号の値を、前記計量装置から取得するステップと、前記取得したクリープ回復誤差補償済み荷重信号の値が、無負荷時荷重信号設定値でないとき、または、無負荷時荷重信号設定値を含む許容範囲内にないときに、無負荷時荷重信号設定値との差の絶対値が小さくなるように、前記クリープ割合の値を変更するステップとを有している。
この方法によれば、荷重検出器に任意の荷重を負荷し、この任意の荷重が除かれた直後のクリープ回復誤差補償済み荷重信号の値が、無負荷時荷重信号設定値(無負荷を示す荷重信号設定値であり、例えば、零)でないとき、または、無負荷時荷重信号設定値を含む許容範囲内にないときに、無負荷時荷重信号設定値との差の絶対値が小さくなるように(無負荷時荷重信号設定値となるようにあるいは無負荷時荷重信号設定値に近づくように)、クリープ割合の値を変更することにより、クリープ誤差を正確に補償することができるようになる。また、この方法によれば、校正された分銅(既知の荷重)やそれを負荷する設備等を用いることなく、任意の荷重を負荷すればよいので、クリープ割合の値を容易に変更することができる。
より具体的には、前記クリープ割合の値を変更するステップは、前記荷重検出器から荷重が除かれた直後のクリープ回復誤差補償済み荷重信号の値が無負荷時荷重信号設定値より大きい場合には、前記クリープ割合の値を増加させ、前記荷重検出器から荷重が除かれた直後のクリープ回復誤差補償済み荷重信号の値が無負荷時荷重信号設定値より小さい場合には、前記クリープ割合の値を減少させるように変更してもよい。
本発明は、以上に説明した構成を有し、部品の経年変化等によって変化するクリープ誤差を正確に補償することができるクリープ補償装置を提供することができるという効果を奏する。また、クリープ誤差を正確に補償するために、クリープ誤差補償関数のパラメータ(クリープ割合)を容易に変更することができる計量装置のクリープ割合変更方法を提供することができるという効果を奏する。
本発明の実施形態のクリープ補償機能(クリープ補償装置)を備えている計量装置の一構成例を示すブロック図である。 本発明の実施形態におけるクリープ誤差補償関数のパラメータの決定方法を説明するために用いるポジティブクリープ誤差が生じる場合の荷重信号の経時変化の一例を模式的に示す図である。 本発明の実施形態におけるクリープ誤差補償関数のパラメータの決定方法を説明するために用いるネガティブクリープ誤差が生じる場合の荷重信号の経時変化の一例を模式的に示す図である。 (A)は、本発明の実施形態における計量装置の動作の一例を示すフローチャートであり、(B)は、同計量装置の制御装置がクリープ割合の値を変更する場合の動作(処理)の一例を示すフローチャートである。 ロードセルの部品の経年変化等によってクリープ特性が変化し、除荷直後のクリープ回復誤差補償済み荷重信号値が0より大きい場合の補償済み荷重信号値の経時変化の一例を模式的に示す図である。 ロードセルの部品の経年変化等によってクリープ特性が変化し、除荷直後のクリープ回復誤差補償済み荷重信号値が0より小さい場合の補償済み荷重信号値の経時変化の一例を模式的に示す図である。 ポジティブクリープ誤差が生じる場合の荷重信号の経時変化の一例を模式的に示す図である。 ネガティブクリープ誤差が生じる場合の荷重信号の経時変化の一例を模式的に示す図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。また、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
(実施形態)
図1は、本発明の実施形態のクリープ補償機能(クリープ補償装置)を備えている計量装置の一構成例を示すブロック図である。
この計量装置は、ロードセル1と増幅及びA/D変換部2と制御装置3と表示装置4とを備えている。また、図示していないが、ロードセル1には、同ロードセル1によって支持された例えば計量皿が取り付けられており、この計量皿に被計量物が載せられることにより、同被計量物の重量が計量されて、その重量が表示装置4に表示される。
荷重検出器であるロードセル1に、増幅及びA/D変換部(増幅部及びA/D変換部)2を介して制御装置3が接続されている。ロードセル1は、負荷された荷重の大きさに応じた電圧のアナログ荷重信号を増幅及びA/D変換部2へ出力する。ロードセル1は、例えば歪みゲージ式のロードセルであり、金属製の起歪体と、この起歪体に取り付けられた例えば4組の歪みゲージと、4組の歪みゲージがブリッジ接続されたブリッジ出力回路とを備えており、荷重が負荷されることによる起歪体の歪み量に応じた電圧を出力するように構成されている。
増幅及びA/D変換部2では、その増幅部においてロードセル1から入力されるアナログ荷重信号を増幅し、この増幅したアナログ荷重信号をA/D変換部において所定のサンプリング周期(d)でサンプリングし、デジタル荷重信号に変換して制御装置3へ出力する。
制御装置3は、例えば、マイクロコントローラで構成されており、クリープ誤差補償手段、クリープ回復誤差補償手段及びクリープ割合変更手段等として機能する。制御部31には、例えばマイクロコントローラのCPU等が用いられる。記憶部32には、例えばマイクロコントローラの内部メモリが用いられる。制御部31と記憶部32とは相互に接続されている。記憶部32には制御プログラム(上記CPUの実行プログラム)が格納されている。制御部31は、記憶部32に格納された制御プログラムを実行することにより、演算等の処理や表示装置4の制御を行う。
表示装置4は、計量値(被計量物の重量値)を出力する出力手段であり、例えば、計量値を表示するための液晶等のディスプレイで構成され、制御装置3(制御部31)の制御によって計量値を表示(出力)することができる。
なお、以下の説明において、荷重信号とは、制御装置3(制御部31)に入力されるデジタル荷重信号のことである。
本実施形態における計量装置のクリープ補償機能について説明する。
図2は、ポジティブクリープ誤差が生じる場合の荷重信号の経時変化の一例を模式的に示す図であり、図3は、ネガティブクリープ誤差が生じる場合の荷重信号の経時変化の一例を模式的に示す図である。なお、図2、図3は、それぞれクリープ誤差補償関数のパラメータ(例えばクリープ割合β)を決定する際のテスト荷重を負荷した場合の一例を示している。
制御装置3は、増幅及びA/D変換部2を介してロードセル1から入力されるクリープ誤差を含む荷重信号に対してクリープ誤差の近似値を算出するためのクリープ誤差補償関数の式を記憶しており、この式を用いてクリープ誤差の近似値を算出し、入力される荷重信号からクリープ誤差の近似値を減算した荷重信号(クリープ誤差補償済み荷重信号)を生成する。
また、制御装置3は、増幅及びA/D変換部2を介してロードセル1から入力されるクリープ回復誤差を含む荷重信号に対してクリープ回復誤差の近似値を算出するためのクリープ回復誤差補償関数の式を記憶しており、この式を用いてクリープ回復誤差の近似値を算出し、入力される荷重信号からクリープ回復誤差の近似値を減算した荷重信号(クリープ回復誤差補償済み荷重信号)を生成する。
ここで、制御装置3に記憶されているクリープ誤差補償関数及びクリープ回復誤差補償関数についての説明をしておく。
まず、クリープ誤差補償関数について説明する。クリープ誤差補償関数は、ロードセル1に荷重を負荷している状態のときに荷重信号に含まれるクリープ誤差の近似値を算出するための関数であり、例えば、ロードセル1に任意のある荷重(測定対象の荷重)を負荷した直後の荷重信号値wiと、同荷重を負荷している時間(荷重負荷時間)tとを変数とする関数f1(wi,t)として示すことができる。
そして、荷重負荷時間tにおけるクリープ誤差補償前の荷重信号値をwaとし、補償後の荷重信号値をwx1とすれば、
wx1=wa−f1(wi,t) ・・・(1)
となる。すなわち、クリープ誤差補償関数f1(wi,t)は、クリープ誤差の近似値を算出するための関数であり、制御装置3は、上式によって、クリープ誤差が補償された荷重信号値(wx1)を求める。
ここで、補償関数f1(wi,t)の一例を挙げれば、特許文献1(特開2011−33374号公報)に開示されているように、例えば、補償関数f1(wi,t)は、線形関数g(wi,t)と飽和関数h(wi,t)とを重み付け加算したものとして、例えば、次の(2)式で示される。
1(wi,t)=k・g(wi,t)+(1−k)・h(wi,t) ・・・(2)
ここで、
g(wi,t)=C(wi)・(t/Te) ・・・(3)
h(wi,t)=C(wi)・{1−exp(−t/τ)} ・・・(4)
また、kは重み係数(0<k<1)であり、τはクリープ誤差の一次遅れ応答の時定数であり、Teは荷重の負荷を開始してからクリープ誤差が飽和するまでに要する時間として予め定められている所定の飽和時間(例えば30分間)である。ここでは、飽和関数h(wi,t)として、一次遅れ系のステップ応答関数を用いているが、これに限られず、単位時間当たりの変化量の絶対値が時間経過に応じて減少していく関数を用いることができる。なお、本明細書では、上記の(4)式中にも示されるように、例えば、eyを、exp(y)と表記する。
なお、荷重負荷時間tは、荷重負荷開始時を起点(t=0)として、あるサンプリング時刻(0≦t≦Te)までの時間に相当し、このサンプリング時刻(t)は、サンプリング周期(サンプリング間隔)をd、荷重負荷開始時(n=0)からのサンプリング番号をn(n=0,1,2,3,・・・)とすれば、t=n・dとして示すこともできる。
また、C(wi)は、測定対象の荷重が負荷されたときのクリープ誤差飽和量(クリープ誤差最大発生量)であり、例えば次式で示される。
C(wi)=β・wi ・・・(5)
ここで、βはクリープ割合であり、測定対象の荷重が負荷されたときのクリープ誤差飽和量(クリープ誤差最大発生量)を算出するためのパラメータである。このクリープ割合βは、負荷される荷重(クリープ誤差を含まない荷重信号値)wiに対するクリープ誤差飽和量の比率であり、負荷される荷重の大きさに関わらず一定であると考えてよい。
前述の(2)式に、(3)、(4)及び(5)式を代入すると、補償関数f1(wi,t)は、次の(6)式で示される。
1(wi,t)=β・wi・〔k(t/Te)+(1−k){1−exp(−t/τ)}〕
・・・(6)
この(6)式において、クリープ割合β、重み係数k及び時定数τは、パラメータとして予め試験等を行って求めた値が設定されている。これら複数のパラメータのうち、本実施形態では、クリープ割合βの値を変更する場合があるので、以下にクリープ割合βについて詳しく説明する。なお、重み係数k及び時定数τの決め方については、例えば、特許文献1(特開2011−33374号公報)に記載されているように種々の方法があるが、本発明の主旨ではないので、その詳細については省略する。
クリープ割合βは、例えば、次式によって定義される。
β=Ce/Tw1
ここで、Ceは、既知のテスト荷重(例えば10kgの分銅)をロードセル1に負荷したときのクリープ誤差飽和量(クリープ誤差最大発生量)である。Tw1は、同テスト荷重を負荷した直後の荷重信号値であり、クリープ誤差を含んでいないものとみなしている。クリープ誤差飽和量Ceは、例えば、次式で示される。
Ce=Twe−Tw1
ここで、Tweは同テスト荷重を所定のクリープ誤差飽和時間Teの間負荷し、クリープ誤差が飽和したときあるいはクリープ誤差が飽和したものとみなされるときの荷重信号値である。これらのTw1、Twe、Ceは、図2及び図3にも示されている。図2、図2において、時刻t1は、荷重信号値が荷重負荷判定用閾値wt以上になったときの時刻であり、このときの荷重信号値Tw1が荷重(ここではテスト荷重)を負荷した直後の荷重信号値である。また、時刻t2は、荷重信号値が荷重負荷判定用閾値wt未満になったときの時刻であり、このときの荷重信号値Tw2が荷重(ここではテスト荷重)を除荷した直後の荷重信号値である。
すなわち、クリープ割合βは、例えば次式によって算出されている。
β=(Twe−Tw1)/Tw1 ・・・(7)
したがって、ここでは、図2のように時間経過に応じて荷重信号が増加するポジティブクリープ誤差が生じる場合には、クリープ割合β及びクリープ誤差飽和量Ceは正の値となり、図3のように時間経過に応じて荷重信号が減少するネガティブクリープ誤差が生じる場合には、クリープ割合β及びクリープ誤差飽和量Ceは負の値となる。
次に、クリープ回復誤差補償関数について説明する。クリープ回復誤差補償関数は、ロードセル1から荷重を除荷したあとの荷重信号に含まれるクリープ回復誤差の近似値を算出するための関数であり、例えば、ロードセル1に測定対象の荷重を負荷した直後の荷重信号値wiと、同荷重を除荷してからの経過時間(除荷経過時間)t(0≦t≦Te)とを変数とする関数f2として、例えば次式で示すことができる。
2(wi,t)=A−f1(wi,t)
ここで、Aは、荷重が除去(除荷)される直前に補償関数f1(wi,t)を用いて算出されたクリープ誤差の近似値であり、そのときの荷重負荷時間tをteとすれば、
A=f1(wi,te)
である。したがって、クリープ回復誤差補償関数f2は、次式で示される。
2(wi,te,t)=f1(wi,te)−f1(wi,t) ・・・(8)
この(8)式では、クリープ回復誤差はクリープ誤差の残留分であり、負荷されてからの時間経過に伴うクリープ誤差の増加のし方と、除荷されてからの時間経過に伴うクリープ回復誤差の減少のし方とが同じであるものとして、クリープ回復誤差補償関数f2(wi,te,t)を決めており、クリープ回復誤差補償関数f2(wi,te,t)は、クリープ誤差補償関数f1(wi,t)を含む式として示される。例えば、図2、図3においても、クリープ誤差の最大発生量(飽和量)Ceとクリープ回復誤差の最大発生量Deとが等しく、時刻t1以降に発生するクリープ誤差の増加のし方と、時刻t2以降に発生するクリープ回復誤差の減少のし方とが同じになっている。
そして、除荷経過時間tにおけるクリープ回復誤差補償前の荷重信号値をwbとし、補償後の荷重信号値をwx2とすれば、
wx2=wb−f2(wi,te,t) ・・・(9)
となる。また、(9)式に(8)式を代入すると、次の(10)式が得られる。
wx2=wb−f1(wi,te)+f1(wi,t) ・・・(10)
すなわち、クリープ回復誤差の近似値を算出するための補償関数f2(wi,te,t)は、クリープ誤差の近似値を算出するための補償関数f1(wi,t)を用いた関数であり、制御装置3は、上記(9)式あるいは(10)式によって、クリープ回復誤差が補償された荷重信号値(wx2)を求める。
上記(9)式からわかるように、除荷した後の補償後の荷重信号値wx2が0(無負荷時荷重信号設定値)の場合には、補償関数f2(wi,te,t)の値、すなわち補償量がクリープ回復誤差補償前の荷重信号値wbに等しくなり、補償関数f2(wi,te,t)によってクリープ回復誤差が正確に補償されていると考えられる。そして補償関数f2(wi,te,t)は、(8)式で示されるようにクリープ誤差補償関数f1(wi,t)を用いて決められているので、この補償関数f1(wi,t)による補償量も正確であり、測定値となる補償後の荷重信号値wx1は、補償関数f1(wi,t)によってクリープ誤差が正確に補償されていると考えられる。
一方、ロードセル1の部品の経年変化等によってクリープ特性(クリープ誤差及びクリープ回復誤差の発生のし方)が変化し、荷重除荷直後の補償後の荷重信号値wx2が0(無負荷時荷重信号設定値)を示さなくなると、クリープ誤差も正確に補償されず、測定値となる補償後の荷重信号値wx1も正確な値が示されなくなる。これは、同一荷重を負荷した場合でもロードセル1の部品の経年変化等によってクリープ誤差飽和量が変化するからである。
そこで、本実施形態では、荷重除荷直後の補償後の荷重信号値wx2を0(無負荷時荷重信号設定値)と比較し、0でない場合には、後述のように、両補償関数f1(wi,t)、f2(wi,te,t)に用いられているクリープ割合βの値を変更するようにしている。
図4(A)は、本計量装置の動作の一例を示すフローチャートである。この図4(A)では、ある1個の被計量物の重量を計量する場合の動作を示す。この動作は、制御装置3の処理によって実現され、動作を行う上で必要な情報はすべて記憶部32に記憶されている。例えば、クリープ誤差補償関数及びクリープ回復誤差補償関数の式とそれらに用いられるパラメータ等(例えば、(6)式中のβ、k、τ、Te)の値、及び、荷重負荷判定用閾値wt等は記憶部32に記憶されている。また、図4(B)は、制御装置3がクリープ割合βの値を変更(補正)する場合の動作(処理)の一例を示すフローチャートである。
計量装置は、電源が投入されると動作が開始されて、増幅及びA/D変換部2から荷重信号値が所定のサンプリング周期(例えば1ms)の間隔で制御装置3に入力される。
制御装置3は、動作開始後、図4(A)に示すように、順次入力される荷重信号値が荷重負荷判定用閾値wt以上であるか否かを判定する(ステップS1)。なお、荷重負荷判定用閾値wtは、ロードセル1に荷重が負荷されているか否かを判定するために設定された所定値である。
そして、ロードセル1に取り付けられた計量皿に被計量物が載せられることにより、ロードセル1に荷重が負荷されて荷重信号値が荷重負荷判定用閾値wt以上になると、クリープ誤差補償関数f1(wi,t)に基づいてクリープ誤差の近似値を算出し、順次入力される荷重信号値に対してクリープ誤差の補償を行ったクリープ誤差補償済み荷重信号値(wx1)を生成し、その値に基づいて、表示装置4に被計量物の重量値を表示させる(ステップS2)。ここで、制御装置3は、クリープ誤差補償済み荷重信号値wx1に、荷重信号値を重量値に換算するための換算係数V(例えばV=0.01)を乗算して重量値を算出する。
次に、制御装置3は、順次入力される荷重信号値が荷重負荷判定用閾値wt未満であるか否かを判定する(ステップS3)。
そして、計量皿から被計量物が取り出されることにより荷重が除荷されて荷重負荷判定用閾値wt未満になると、クリープ回復誤差補償関数f2(wi,te,t)に基づいてクリープ回復誤差の近似値を算出し、順次入力される荷重信号値に対してクリープ回復誤差の補償を行ったクリープ回復誤差補償済み荷重信号値(wx2)を生成し、その値に基づいて、表示装置4に重量値を表示させる(ステップS4)。ここで、制御装置3は、クリープ回復誤差補償済み荷重信号値wx2に、上記換算係数Vを乗算して重量値を算出する。
計量皿に被計量物が載せられるたびに上記動作が行われる。なお、制御装置3は、ステップS2において、クリープ誤差補償関数f1(wi,t)を用いて経過時間に応じて算出されるクリープ誤差の近似値を順次記憶している。そして、除荷直前に記憶されたクリープ誤差の近似値、すなわち、f1(wi,te)の算出値を用い、例えば(10)式のクリープ回復誤差補償関数f2(wi,te,t)に基づいてクリープ回復誤差の近似値を算出するようにしている。
さらに、制御装置3は、計量皿から被計量物が取り出されることにより荷重が除荷されて荷重負荷判定用閾値wt未満になると、そのときに生成するクリープ回復誤差補償済み荷重信号値(wx2)に基づいて図4(B)に示す処理を行う。
例えば、除荷直後に最初に生成されるクリープ回復誤差補償済み荷重信号値(wx20)を0(無負荷時荷重信号設定値)と比較し(ステップS11)、クリープ回復誤差補償済み荷重信号値wx20が0より大きい場合には、次回のクリープ回復誤差補償済み荷重信号値と0との差の絶対値が小さくなるように、クリープ割合βの値を所定値だけ増加させて大きくする(ステップS12)。また、クリープ回復誤差補償済み荷重信号値wx20が0より小さい場合には、次回のクリープ回復誤差補償済み荷重信号値と0との差の絶対値が小さくなるように、クリープ割合βの値を所定値だけ減少させて小さくする(ステップS13)。なお、クリープ回復誤差補償済み荷重信号値wx20が0と等しい場合には、クリープ割合βの値は変更しない。ステップS12、S13によって更新されたクリープ割合βの値は、次の被計量物の計量時から用いられる。
図5は、ロードセル1の部品の経年変化等によってクリープ特性が変化し、除荷直後のクリープ回復誤差補償済み荷重信号値wx20が0より大きい場合の補償済み荷重信号値の経時変化の一例を模式的に示す図である。また、図6は、ロードセル1の部品の経年変化等によってクリープ特性が変化し、除荷直後のクリープ回復誤差補償済み荷重信号値wx20が0より小さい場合の補償済み荷重信号値の経時変化の一例を模式的に示す図である。
図5、図6は、それぞれロードセル1に取り付けられた空の計量皿に被計量物を載せ、その後、降ろした場合の補償済み荷重信号値の経時変化の一例である。図5、図6において、時刻t11は、計量皿に被計量物が載せられることにより補償前荷重信号値(制御装置3に入力される荷重信号値)が荷重負荷判定用閾値wt以上になったときの時刻であり、時刻t12は、計量皿から被計量物が降ろされることにより補償前荷重信号値が荷重負荷判定用閾値wt未満になったときの時刻である。
なお、クリープ誤差補償関数f1(wi,t)の変数として用いている荷重負荷時間tは、図5、図6では、時刻t11を起点(t=0)とする経過時間であり、この経過時間を制御装置3は計測するように構成されている。また、クリープ回復誤差補償関数f2(wi,te,t)の変数として用いている除荷経過時間tは、図5、図6では、時刻t12を起点(t=0)とする経過時間であり、この経過時間を制御装置3は計測するように構成されている。図5、図6の時刻t11における補償済み荷重信号値wx10は、負荷直後の値でありクリープ誤差は発生していないとみなしているので、負荷直後の補償前の荷重信号値wiに等しい。
ここで、本来、クリープ誤差としてポジティブクリープ誤差(例えば図2参照)が生じていた場合には、クリープ割合βは正の値として設定され、(6)式の補償関数f1(wi,t)によって算出される値(補償量)は正の値になっている。
この場合において、部品の経年変化等によって、図5のように、クリープ回復誤差補償済み荷重信号値wx20が0より大きくなった場合には、補償関数f1(wi,t)による補償量が小さすぎると考えられるので、クリープ割合βの値を増加させて大きくすることにより、補償量が大きくなり、次の計量時にはクリープ誤差を正確に補償することができるようになる。
一方、図6のように、クリープ回復誤差補償済み荷重信号値wx20が0より小さくなった場合には、補償関数f1(wi,t)による補償量が大きすぎると考えられるので、クリープ割合βの値を減少させて小さくすることにより、補償量が小さくなり、次の計量時にはクリープ誤差を正確に補償することができるようになる。
また、本来、クリープ誤差としてネガティブクリープ誤差(例えば図3参照)が生じていた場合には、クリープ割合βは負の値として設定され、(6)式の補償関数f1(wi,t)によって算出される値(補償量)は負の値になっている。
この場合において、部品の経年変化等によって、図5のように、クリープ回復誤差補償済み荷重信号値wx20が0より大きくなった場合には、補償関数f1(wi,t)による補償量の絶対値が大きすぎると考えられるので、クリープ割合β(β<0)の値を増加させて大きくする(βの絶対値を小さくする)ことにより、補償量の絶対値が小さくなり、次の計量時にはクリープ誤差を正確に補償することができるようになる。
一方、図6のように、クリープ回復誤差補償済み荷重信号値wx20が0より小さくなった場合には、補償関数f1(wi,t)による補償量の絶対値が小さすぎると考えられるので、クリープ割合βの値を減少させて小さくする(βの絶対値を大きくする)ことにより、補償量の絶対値が大きくなり、次の計量時にはクリープ誤差を正確に補償することができるようになる。
本実施形態の計量装置では、除荷直後(全ての荷重が除かれた直後)のクリープ回復誤差補償済み荷重信号値wx20を0と比較し、0と異なる場合に、前述のようにクリープ割合βを自動的に変更するようにしている。これにより、例えば再試験を行って、補償関数のパラメータの再設定等を行うことなく、部品の経年変化等によって変化するクリープ誤差を正確に補償することができ、正確な重量値を算出し表示装置4に表示することができる。また、温度や湿度等の使用環境によってクリープ特性が変化した場合でも、クリープ誤差を正確に補償することができ、正確な重量値を算出し表示することができる。また、ロードセル1単体でクリープ特性が測定され、補償関数f1(wi,t)、f2(wi,te,t)及びそのパラメータが設定されていても、計量装置に組み込まれたときにクリープ特性(クリープ誤差飽和量)が変化する場合がある。このような場合でも、自動的にクリープ割合βが変更されて、クリープ誤差を正確に補償し、正確な重量値を算出し表示装置4に表示することができる。
なお、本実施形態では、除荷直後のクリープ回復誤差補償済み荷重信号値wx20を0と比較し、0でない場合に、クリープ割合βの値を増加または減少させるようにしたが、0を含む許容範囲(例えば、0±αの範囲、αは正の値)を予め設定しておいて、上記補償済み荷重信号値wx20が許容範囲の上限値(α)より大きくなった場合にクリープ割合βの値を増加し、許容範囲の下限値(−α)より小さくなった場合にクリープ割合βの値を減少するようにしてもよい。
また、クリープ割合βの値を増加または減少させる場合において、前述のように所定値だけ増加または減少させるようにしてもよいし、上記補償済み荷重信号値wx20と0との差を算出し、その差の絶対値の大きさに応じて(例えば、差の絶対値の大きさに比例するように)クリープ割合βの増加量及び減少量を決定するようにしてもよい。
また、上記説明では、除荷直後のクリープ回復誤差補償済み荷重信号値wx20と比較する無負荷時荷重信号設定値(無負荷を示す荷重信号設定値)を0(零)としているが、これに限られず、無負荷を示す所定値であればよい。
また、上記実施形態では、制御装置3が、クリープ誤差補償手段、クリープ回復誤差補償手段及びクリープ割合変更手段を有する本発明のクリープ補償装置として機能するよう構成された計量装置について説明した。以下では、制御装置3が、上記クリープ誤差補償手段及びクリープ回復誤差補償手段を有するが、クリープ割合変更手段を有していない、従来のクリープ補償装置として機能するように構成された計量装置について、そのクリープ割合変更方法について説明する。
ここで述べるクリープ割合変更方法は、計量装置を製品として工場から出荷する前の製造工程、例えば検査ないし調整工程において実施される。また、計量装置を出荷後あるいは販売後の点検時等においても実施することができる。
このクリープ割合変更方法を実施する場合、例えば、計量装置に、制御装置3の記憶部32に記憶されているクリープ割合βの値を書き換える(変更する)ことができるように構成された簡単な電子機器からなるクリープ割合変更装置を接続する。このクリープ割合変更装置は、計量装置の制御装置3と相互に信号及びデータ等の授受が可能なように接続され、例えば、制御装置3から除荷直後のクリープ回復誤差補償済み荷重信号値wx20を取得し、この取得した補償済み荷重信号値wx20を無負荷時荷重信号設定値(例えば、0)と比較し、両者が等しくない場合には、前述の実施形態の場合と同様にクリープ割合βの値を増加または減少させるようにして、記憶部32に記憶されているクリープ割合βの値を変更するように構成されている。
まず、例えば検査担当者が、計量装置のロードセル1に任意の荷重を任意の時間負荷する。このとき負荷する荷重は、分銅等による既知の荷重ではなく任意の荷重(例えば、荷重値が未知の荷重)でよい。また、荷重を負荷する時間も決まった時間ではなく任意の時間でよい。
次に、検査担当者は、上記任意の荷重を除去する。この直後に、クリープ割合変更装置は、制御装置3から除荷直後のクリープ回復誤差補償済み荷重信号値wx20を取得し、この取得した補償済み荷重信号値wx20を無負荷時荷重信号設定値と比較し、両者が等しくない場合には、前述のようにクリープ割合βの値を増加または減少させるための情報を制御装置3へ送信し、制御装置3は、送信されてきた情報に基づいて、記憶部32に記憶されているクリープ割合βの値を書き換える(変更する)。
また、上記の両者が等しい場合には、クリープ割合変更装置は、例えば、正常報知ランプを点灯させる。さらにクリープ割合変更装置は、上記の両者が等しくない場合に、正常報知ランプを点滅させるようにしてもよい。なお、正常報知ランプはクリープ割合変更装置に備えられている。
そして、正常報知ランプが点灯するまで、検査担当者は、前述の任意の荷重を任意の時間負荷した後、除荷する操作を繰り返し行うようにする。
このクリープ割合変更方法によれば、クリープ誤差を正確に補償するためにクリープ割合の値を変更する際、校正された分銅(既知の荷重)やそれを負荷する設備等を用いることなく、任意の荷重を負荷すればよいので、クリープ割合の値を容易に変更することができる。例えば、計量装置を製品として出荷する前の検査ないし調整工程において、クリープ割合の調整が容易になる。また、出荷後の点検時等においては、部品の経年変化や使用環境等によってクリープ特性が変化した場合に、クリープ割合の変更が容易になる。
なお、上記説明では、クリープ割合変更装置が自動的にクリープ割合βの値を変更するようにしたが、これに限られない。例えば、クリープ割合変更装置がディスプレー及び入力手段を備えており、制御装置3から取得した除荷直後のクリープ回復誤差補償済み荷重信号値wx20を、上記ディスプレーに表示するように構成され、検査担当者が、その表示された補償済み荷重信号値wx20を無負荷時荷重信号設定値と比較し、両者が等しくない場合には、上記入力手段を用いて、クリープ割合βの増減量あるいはクリープ割合βの更新値を入力するようにしてもよい。
また、このクリープ割合変更方法においても、除荷直後のクリープ回復誤差補償済み荷重信号値の許容範囲を予め決めておいて、除荷直後のクリープ回復誤差補償済み荷重信号値wx20が許容範囲の上限値より大きくなった場合にクリープ割合βの値を増加させ、許容範囲の下限値より小さくなった場合にクリープ割合βの値を減少させるようにしてもよい。
本発明は、部品の経年変化等によって変化するクリープ誤差を正確に補償することができるクリープ補償装置等として有用である。また、本発明は、クリープ誤差を正確に補償するために、クリープ割合を容易に変更することができる計量装置のクリープ割合変更方法等として有用である。
1 ロードセル
2 増幅及びA/D変換部
3 制御装置
4 表示装置

Claims (4)

  1. 荷重検出器に負荷される荷重に対するクリープ誤差の飽和量の比率であるクリープ割合をパラメータとして含むクリープ誤差補償関数の式に基づいて、前記荷重検出器に荷重が負荷されているときに前記荷重検出器から出力される荷重信号に含まれるクリープ誤差の近似値を算出し、前記荷重信号から前記クリープ誤差の近似値を減算することによりクリープ誤差補償済み荷重信号を生成するクリープ誤差補償手段と、
    前記クリープ割合をパラメータとして含むクリープ回復誤差補償関数の式に基づいて、前記荷重検出器から荷重が除かれたときに前記荷重検出器から出力される荷重信号に含まれるクリープ回復誤差の近似値を算出し、前記荷重信号から前記クリープ回復誤差の近似値を減算することによりクリープ回復誤差補償済み荷重信号を生成するクリープ回復誤差補償手段と、
    前記荷重検出器から荷重が除かれた直後のクリープ回復誤差補償済み荷重信号の値が、無負荷時荷重信号設定値でないとき、または、無負荷時荷重信号設定値を含む許容範囲内にないときに、無負荷時荷重信号設定値との差の絶対値が小さくなるように、前記クリープ割合の値を変更するクリープ割合変更手段と
    を備えたクリープ補償装置。
  2. 前記クリープ割合変更手段は、
    前記荷重検出器から荷重が除かれた直後のクリープ回復誤差補償済み荷重信号の値が無負荷時荷重信号設定値より大きい場合には、前記クリープ割合の値を増加させ、
    前記荷重検出器から荷重が除かれた直後のクリープ回復誤差補償済み荷重信号の値が無負荷時荷重信号設定値より小さい場合には、前記クリープ割合の値を減少させるように構成された、
    請求項1に記載のクリープ補償装置。
  3. 荷重検出器に負荷される荷重に対するクリープ誤差の飽和量の比率であるクリープ割合をパラメータとして含むクリープ誤差補償関数の式に基づいて、前記荷重検出器に荷重が負荷されているときに前記荷重検出器から出力される荷重信号に含まれるクリープ誤差の近似値を算出し、前記荷重信号から前記クリープ誤差の近似値を減算することによりクリープ誤差補償済み荷重信号を生成し、この生成した信号に応じた重量値を出力するとともに、前記荷重検出器から荷重が除かれたときに、前記クリープ割合をパラメータとして含むクリープ回復誤差補償関数の式に基づいて、前記荷重検出器から出力される荷重信号に含まれるクリープ回復誤差の近似値を算出し、前記荷重信号から前記クリープ回復誤差の近似値を減算することによりクリープ回復誤差補償済み荷重信号を生成するよう構成された計量装置のクリープ割合変更方法であって、
    前記計量装置の前記荷重検出器に任意の荷重を負荷するステップと、
    前記荷重検出器から前記任意の荷重が除かれた直後のクリープ回復誤差補償済み荷重信号の値を、前記計量装置から取得するステップと、
    前記取得したクリープ回復誤差補償済み荷重信号の値が、無負荷時荷重信号設定値でないとき、または、無負荷時荷重信号設定値を含む許容範囲内にないときに、無負荷時荷重信号設定値との差の絶対値が小さくなるように、前記クリープ割合の値を変更するステップと
    を有する計量装置のクリープ割合変更方法。
  4. 前記クリープ割合の値を変更するステップは、
    前記取得したクリープ回復誤差補償済み荷重信号の値が無負荷時荷重信号設定値より大きい場合には、前記クリープ割合の値を増加させ、
    前記取得したクリープ回復誤差補償済み荷重信号の値が無負荷時荷重信号設定値より小さい場合には、前記クリープ割合の値を減少させるように変更する、
    請求項3に記載の計量装置のクリープ割合変更方法。
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