JP5098526B2 - コリオリ質量流量計 - Google Patents

コリオリ質量流量計 Download PDF

Info

Publication number
JP5098526B2
JP5098526B2 JP2007230679A JP2007230679A JP5098526B2 JP 5098526 B2 JP5098526 B2 JP 5098526B2 JP 2007230679 A JP2007230679 A JP 2007230679A JP 2007230679 A JP2007230679 A JP 2007230679A JP 5098526 B2 JP5098526 B2 JP 5098526B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
input
detection signal
unit
detection
signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007230679A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009063382A (ja
Inventor
尚 鳥丸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokogawa Electric Corp
Original Assignee
Yokogawa Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yokogawa Electric Corp filed Critical Yokogawa Electric Corp
Priority to JP2007230679A priority Critical patent/JP5098526B2/ja
Publication of JP2009063382A publication Critical patent/JP2009063382A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5098526B2 publication Critical patent/JP5098526B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Volume Flow (AREA)

Description

本発明は、流体の質量流量を測定するコリオリ質量流量計に関する。
コリオリ質量流量計とは、流体が流れるチューブを振動させ、チューブの上下流における異なる2点の振動検出信号の位相差からチューブを流れる流体の質量流量を測定するものである。このコリオリ質量流量計は、位相差の検出方法に着目すると、アナログ検出方法を用いるものと、ディジタル検出方法を用いるものとに大別される。
アナログ検出方法は、上流側に設けられたセンサ(ピックアップコイル)及び下流側に設けられたセンサから得られる検出信号の振幅が「0」になる時点(ゼロクロス点)をそれぞれ求め、ゼロクロス点の時間差から検出信号の位相差を検出する検出方法である。これに対し、ディジタル検出方法は、上流側センサ及び下流側センサで得られる検出信号の各々を同一のタイミングでサンプリングしてディジタル信号に変換し、これらのディジタル信号に対して所定の信号処理を施すことにより、検出信号の位相差を検出する検出方法である。ここで、検出信号の位相差の検出のために施される信号処理としては、DFT(Discrete Fourier Transform:離散フーリエ変換)処理とヒルベルト変換処理とが挙げられる。
尚、従来のコリオリ質量流量計の詳細については、例えば以下の特許文献1〜4を参照されたい。特に、以下の特許文献1〜3には、検出信号の位相差を検出するためにヒルベルト変換処理を用いたコリオリ質量流量計の詳細が開示されている。
特許第3200827号公報 特許第3219122号公報 特許第3925694号公報 特開平9−61472号公報
ところで、コリオリ質量流量計の検出部から得られる流量信号は、上流側センサ及び下流側センサから出力される微弱な位相差を有する信号である。このため、コリオリ質量流量計には、上流側センサ及び下流側センサの各々に対応して、検出信号に重畳されたノイズ除去及び検出信号の増幅を行うアナログ回路の入力バッファがそれぞれ設けられている。ここで、温度変化等の環境変化に起因する特性の変動量が入力バッファ間で異なると、入力バッファを介した検出信号の間に相対的な位相変動が生じ、これにより質量流量の測定精度が悪化することが考えられる。
このような測定精度の悪化を防止するために、従来のコリオリ質量流量計では、入力バッファで生ずる相対的な位相変動を補償するゼロ点補償値を求めるゼロ点補償処理が定期的に行われる。このゼロ点補償処理は、上流側センサ及び下流側センサの何れか一方から得られる検出信号を、上流側センサに対応する入力バッファと下流側センサに対応する入力バッファとの双方に入力させたときに検出される位相差をゼロ点補償値として求める処理である。このゼロ点補償値を用いて通常の測定時において求められた検出信号の位相差を補償すれば、入力バッファ間の特性の違いに起因する質量流量の測定精度の悪化を防止することができる。
しかしながら、ゼロ点補償処理を行っている間は、新たな質量流量の測定が行われずに、ゼロ点補償処理を開始する直前に求められた質量流量の値が維持されるため、高い測定精度が得られない場合がある。現状において、ゼロ点補償処理は、例えば一度に要する処理時間が数十m(ミリ)秒程度であって数分毎の間隔をもって行われており必要な精度は確保されているが、今後要求される精度が向上した場合には、精度面の問題が生ずると考えられる。
また、上述したゼロ点補償処理により得られたゼロ点補償値は信号処理演算上の揺らぎを有しているため、一度のゼロ点補償処理だけでは正確なゼロ点補償値を得ることができない。正確な値を得るためには、ゼロ点補償処理の繰り返し間隔を短くし繰り返し回数を増やしてゼロ点補償値を平均化する必要がある。しかしながら、流量測定の制約から繰り返し間隔を大幅に短くすることはできず、揺らぎを十分に小さくすることができない。このため、十分に安定したゼロ点補償値から質量流量を得ることができないとう問題がある。
更に、上述した通り、ディジタル検出方法を用いるコリオリ質量流量計では、上流側センサ及び下流側センサで得られる検出信号の各々を同一のタイミングでサンプリングする必要があることから、2つのアナログ入力の同時サンプリングが可能なA/D(アナログ/ディジタル)変換器を備える必要がある。しかしながら、このようなA/D変換器は高価であるため、コリオリ質量流量計のコストを上昇させる一因になるという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、質量流量の測定を高い精度をもって安定して行うことができ、且つ安価なコリオリ質量流量計を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のコリオリ質量流量計は、流体が流れるチューブ(T)の振動を検出する第1,第2センサ(12、13)と、当該第1,第2センサの検出信号(S1、S2)の位相差を求めて前記流体の質量流量を得る信号処理部(26、29)とを備えるコリオリ質量流量計(1)において、前記第1,第2センサの検出信号がそれぞれ入力される第1,第2入力端(21a、21b)を切り替える入力切替部(21)と、前記入力切替部から出力される検出信号を受信する入力バッファ(22)と、前記入力バッファで受信された検出信号を前記入力切替部の切り替え方に応じてサンプリングしてディジタル信号に変換する変換部(23)と、前記変換部で変換されたディジタル信号を、前記入力切替部の切り替え方に応じて振り分けて前記信号処理部に出力する振分部(24)とを備えており、前記信号処理部は、前記第1センサの検出信号のサンプリングタイミングと前記第2センサの検出信号のサンプリングタイミングとのずれに応じて、前記位相差を補正する補正処理を行う位相補正部(29d)を備えることを特徴としている。
この発明によると、第1,第2センサから出力された検出信号は入力切替部によって切り替えられて入力バッファで受信された後に変換部でディジタル信号に変換され、変換されたディジタル信号が入力切替部の切り替え方に応じて振分部で振り分けられて信号処理部に出力され、信号処理部の位相補正部において、第1,第2センサの検出信号の位相差が、第1センサの検出信号のサンプリングタイミングと第2センサの検出信号のサンプリングタイミングとのずれに応じて補正される。
また、本発明のコリオリ質量流量計は、前記入力切替部が、前記第1センサの検出信号及び前記第2センサの検出信号の各々が、前記変換部においてそれぞれ一定間隔でサンプリングされるよう前記入力端の切り替えを行うことを特徴としている
また、本発明のコリオリ質量流量計は、前記入力切替部が、前記第1入力端と第2入力端との切り替えを、一定の時間間隔で交互に行うことを特徴としている。
或いは、本発明のコリオリ質量流量計は、前記入力切替部が、前記第1入力端から第2入力端に切り替える時間間隔と、前記第2入力端から第1入力端に切り替える時間間隔とを異ならせることを特徴としている。
また、本発明のコリオリ質量流量計は、前記入力バッファは、前記第1,第2センサの検出信号に重畳されるノイズを除去するノイズ除去回路(22a)と、前記第1,第2センサの検出信号を増幅する増幅回路(22b)との少なくとも一方を備えることを特徴としている。
本発明によれば、第1,第2センサから出力された検出信号を入力切替部によって切り替え、入力切替部からの検出信号を入力バッファで受信した後に変換部でディジタル信号に変換し、変換されたディジタル信号を入力切替部の切り替え方に応じて振分部で振り分けて信号処理部に出力し、信号処理部の位相補正部において、第1,第2センサの検出信号の位相差を、第1センサの検出信号のサンプリングタイミングと第2センサの検出信号のサンプリングタイミングとのずれに応じて補正している。このため、複数の入力バッファを備える場合に必要であったゼロ点補償処理が不要になって連続的な質量流量の測定が可能になるため、質量流量の測定を高い精度をもって安定して行うことができるという効果がある。また、第1,第2センサからの検出信号を同時にサンプリングする必要がないことから安価な変換部を用いることができるため、コストを低減することができるという効果がある。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態によるコリオリ質量流量計について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態によるコリオリ質量流量計の要部構成を示すブロック図である。図1に示す通り、本実施形態のコリオリ質量流量計1は、検出部10と変換部20とに大別される。検出部10は、測定対象としての流体が流れるチューブT(図2参照)を振動させてその上下流における振動数、振動の位相、及び流体の温度を検出する。変換部20は、検出部10で検出される検出信号S1,S2の位相差を求めてチューブTを流れる流体の質量流量を求める。
図2は、検出部10の構成を示す構成図である。図2に示す通り、検出部10は、流体が流れるチューブTの周囲に設けられている加振器11、上流側センサ12(第1センサ)、下流側センサ13(第2センサ)、及び温度センサ14を備える。尚、本実施形態では、説明を簡単にするために、チューブTが支持部材SP1,SP2(図3参照)によって固定支持された直管型のものであるものとする。また、チューブT内部における流体の流れ方向は、紙面の左側から右側に向かう方向であるとする。
加振器11は、図1に示す変換部20から出力される駆動信号DR1によって駆動される駆動コイルDLを備えており、チューブTを所定の振動モードで振動させる。図3は、チューブTの振動モードの一例を示す図である。加振器11は、例えば図3において符号M1,M2を付して示す1次モード(振動の節が支持部材SP1,SP2によって固定支持された部分にのみ現れる振動モード)でチューブTを振動させる。かかる振動が与えられている状態で、チューブTに流体が流れると、チューブTは、例えば図3において符号M3,M4を付して示す2次モード(振動の節が支持部材SP1,SP2によって固定支持された部分とその中間の位置とに現れる振動モード)で振動する。尚、実際には、チューブTは、この2種類の振動モードが重畳された振動モードで振動することになる。
上流側センサ12は、図1に示す上流側コイルL1を備えており、支持部材SP1の近傍に固定されてチューブTの上流側の振動を検出する。この上流側センサ12の検出結果は検出信号S1として変換部20に出力される。下流側センサ13は、図1に示す下流側コイルL2を備えており、支持部材SP2の近傍に固定されてチューブTの下流側の振動を検出する。この下流側センサ13の検出結果は検出信号S2として変換部20に出力される。
温度センサ14は、図1に示す変換部20から出力される駆動信号DR2によって駆動される測温抵抗体(RTD:Resistance Temperature Detector)R1を備えており、支持部材SP2の近傍におけるチューブT上に固定されてチューブTを流れる流体の温度(正確には温度センサ14が取り付けられたチューブTの表面温度)を検出する。尚、温度センサ14の検出結果は検出信号S3として変換部20に出力されて、温度変動による質量流量の測定誤差を防止するために用いられる。
変換部20は、入力切替回路21(入力切替部)、入力バッファ22、A/D変換器23(変換部)、振分回路24(振分部)、クロック発生部25、ディジタル信号処理回路26(信号処理部)、周波数測定回路27、A/D変換器28、CPU(中央処理回路)29(信号処理部)、出力回路30a,30b、表示器31、駆動回路32、及びRTD駆動回路33を備える。入力切替回路21は、検出部10からの検出信号S1が入力される入力端21a(第1入力端)、検出信号S2が入力される入力端21b(第2入力端)、及び出力端21cを備えており、出力端21cに接続する入力端21a,21bを切り替える。
具体的には、入力切替回路21は、検出信号S1,S2の各々が共通のA/D変換器23においてそれぞれ一定間隔でサンプリングされるよう入力端21a,21bの切り替えを行う。ここで、検出信号S1,S2の各々が一定間隔でサンプリングされるのであれば、入力切替回路21は、入力端21aと入力端21bとの切り替えを一定の時間間隔で交互に行ってもよく、或いは、入力端21aから入力端21bに切り替える時間間隔と、入力端21bから入力端21aに切り替える時間間隔とを異ならせても良い。
入力切替回路21としては、例えばトランジスタ等の電子的なスイッチを用いて構成された2入力1出力のマルチプレクサを用いることができる。尚、必要とされる切り替え速度が得られるとともに十分な耐久性が得られるのであれば、入力切替回路21として機械的なスイッチを用いることも可能である。
入力バッファ22は、その入力端が入力切替回路21の出力端21cに接続されており、入力切替回路21から出力される検出信号を受信して所定の処理を行う。具体的には、入力バッファ22は、RCフィルタ22a(ノイズ除去回路)とアンプ回路22b(増幅回路)とを備えており、入力切替回路21から出力される検出信号に重畳されるノイズを除去するとともに所定の増幅率で増幅する。尚、入力バッファ22は、RCフィルタ22a及びアンプ回路22bの何れか一方が設けられた構成であっても良い。
A/D変換器23は、入力バッファ22から出力される検出信号を入力切替回路21の切り替え方に同期してサンプリングしてディジタル信号に変換する。但し、前述した通り、入力切替回路21では、検出信号S1,S2の各々がそれぞれ一定間隔でサンプリングされるよう入力端21a,21bの切り替えが行われる。このため、A/D変換器23からは、検出信号S1,S2の各々を個別に一定の間隔でサンプリングしたディジタル信号が一連の信号として出力されることになる。尚、入力バッファ22での遅延時間を考慮すると、入力切替回路21における切り替えのタイミングとA/D変換器23におけるサンプリングのタイミングとは必ずしも一致している必要はなく、例えばA/D変換器23のサンプリングのタイミングを入力切替回路21の切り替えのタイミングに対して上記の遅延時間に応じた時間だけ遅らせても良い。
図4,図5は、検出信号S1,S2に対するサンプリングタイミングの一例を示す図である。尚、図4に示す例は入力切替回路21が入力端21aと入力端21bとの切り替えを一定の時間間隔で交互に行う場合の例であり、図5に示す例は入力切替回路21が入力端21aから入力端21bに切り替える時間間隔と、入力端21bから入力端21aに切り替える時間間隔とを異ならせる場合の例である。図4,図5に示す通り、検出信号S1,S2は正弦波状に変化する信号であって、図4,図5に示す例では検出信号S2が検出信号S1に対して所定量だけ位相が遅れた関係にある。
入力切替回路21が一定の時間間隔で交互に切り替えを行う場合には、入力切替回路21が切り替えを行う度に検出信号S1,S2が交互に一定間隔でA/D変換器23に入力される。このため、A/D変換器23が入力切替回路21の切り替えのタイミングでサンプリングを行えば、検出信号S1,S2の各々は一定の時間間隔でサンプリングされることになる。つまり、図4に示す通り、検出信号S1,S2の各々のサンプリング周期をT1とすると、A/D変換器23がサンプリング周期T1の半周期(T1/2)毎にサンプリングすれば、検出信号S1が時刻t11,t12,t13,t14,t15,…毎にサンプリング周期T1でサンプリングされるとともに、検出信号S2が時刻t21,t22,t23,t24,t25,…毎にサンプリング周期T1でサンプリングされることになる。
これに対し、入力切替回路21が入力端21aから入力端21bに切り替える時間間隔と、入力端21bから入力端21aに切り替える時間間隔とを異ならせる場合には、例えば図5に示す通り、検出信号S1をサンプリングしてから検出信号S2をサンプリングするまでの時間g1が、検出信号S2をサンプリングしてから検出信号S1をサンプリングするまでの時間g2よりも短くなる。尚、検出信号S1,S2の周期T1とこれらの時間との間にはT1=g1+g2なる関係がある。従って、時間g1,g2の違いに合わせてA/D変換器23がサンプリングすれば、検出信号S1が時刻t31,t32,t33,t34,t35,…毎にサンプリング周期T1でサンプリングされるとともに、検出信号S2が時刻t41,t42,t43,t44,t45,…毎にサンプリング周期T1でサンプリングされることになる。
振分回路24は、A/D変換器23から出力されるディジタル信号が入力される入力端24a及び2つの出力端24b,24cを備えており、入力端24aから入力されるディジタル信号を入力切替回路21の切り替え方に応じて振り分ける。具体的には、検出信号S1に関するディジタル信号が出力端24bから出力され、検出信号S2に関するディジタル信号が出力端24cから出力されるようディジタル信号の振り分けを行う。この振分回路24としては、例えばトランジスタ等の電子的なスイッチを用いて構成された1入力2出力のデマルチプレクサを用いることができる。
クロック発生部25は、入力切替回路21での切り替えのタイミングと、振分回路24での振り分けのタイミングとを同期させるためのクロックを発生する。尚、入力バッファ22及びA/D変換器23での遅延時間を考慮すると、入力切替回路21における切り替えのタイミングと振分回路24における振り分けのタイミングとは必ずしも一致している必要はなく、例えば振分回路24の振り分けのタイミングを入力切替回路21の切り替えのタイミングに対して上記の遅延時間に応じた時間だけ遅らせても良い。
ディジタル信号処理回路26は、ヒルベルト変換器41,42を備えており、振分回路24で振り分けられたディジタル信号D1,D2の各々に対してヒルベルト変換を行う。ヒルベルト変換器41は、FIR(Finite Impulse Response)フィルタ41a,41bを備えている。FIRフィルタ41aは、入力されるディジタル信号D1を同相のディジタル信号に変換する同相ディジタルフィルタであり、A・sin(ωt)なる形のディジタル信号D11を出力する。また、FIRフィルタ41bは、ディジタル信号D1を位相が90°異なるディジタル信号に変換する移相フィルタであり、A・cos(ωt)なる形のディジタル信号D12を出力する。尚、上記の変数Aは振幅であり、変数ωは角速度、変数tは時間である。
また、ヒルベルト変換器42は、FIRフィルタ42a,42bを備えている。FIRフィルタ42aは、FIRフィルタ41aと同様に、入力されるディジタル信号D2を同相のディジタル信号に変換する同相ディジタルフィルタであり、B・sin(ωt+φ)なる形のディジタル信号D21を出力する。また、FIRフィルタ42bは、FIRフィルタ41bと同様に、ディジタル信号D2を位相が90°異なるディジタル信号に変換する移相フィルタであり、B・cos(ωt+φ)なる形のディジタル信号D22を出力する。尚、上記の変数Bは振幅であり、変数φは位相ωtとの位相差である。
周波数測定回路27は、上流側センサ12から出力される検出信号S1に基づいてチューブTの振動周波数fを測定し、その測定結果を検出信号J1として出力する。尚、周波数測定回路27は、下流側センサ13から出力される検出信号S2に基づいて振動周波数fを測定しても良い。A/D変換器28は、温度センサ14から出力される検出信号S3に対してディジタル変換処理を施し、ディジタル信号の検出信号J2を出力する。
CPU29は、ディジタル信号処理回路26からのディジタル信号D11,D12,D21,D22、周波数測定回路27からの検出信号J1、及びA/D変換器28からの検出信号J2を入力としており、上流側センサ12からの検出信号S1及び下流側センサ13からの検出信号S2の位相差を求めてチューブTを流れる流体の質量流量を求める。尚、CPU29が所定の変換プログラムを実行することにより、CPU29には図1に示す位相演算部29a,29b、減算部29c、及び位相補正部29dが実現される。
位相演算部29aは、ディジタル信号処理回路26から出力されるディジタル信号D11,D12の比率(A・sin(ωt)/A・cos(ωt)=tan(ωt))を演算し、上流側センサ12で検出される検出信号S1の位相θ1(=ωt)を求める。位相演算部29bは、ディジタル信号処理回路26から出力されるディジタル信号D21,D22の比率(B・sin(ωt+φ)/B・cos(ωt+φ)=tan(ωt+φ))を演算し、下流側センサ13で検出される検出信号S2の位相θ2(=ωt+φ)を求める。減算部29cは、位相演算部29aで求められた位相θ1と位相演算部29bで求められた位相θ2との位相差φを求める。
位相補正部29dは、A/D変換器23における検出信号S1に対するサンプリングタイミングと検出信号S2に対するサンプリングタイミングとのずれに応じて、減算部29cで求められた位相差φの補正処理を行って検出信号S1と検出信号S2との位相差φ′を求める。つまり、本実施形態においては、入力切替回路21を設けて検出信号S1と検出信号S2とを切り替えながらA/D変換器23でサンプリングを行っているため、検出信号S1,S2は同時にサンプリングされず、サンプリングタイミングにずれが生じている。このサンプリングタイミングのずれに起因する位相ずれを除去するために、減算器29cで求められた位相差φを補正して検出信号S1と検出信号S2との位相差φ′を求めている。
具体的には、検出信号S1,S2のサンプリングのタイミングずれをΔTとすると、位相補正部29dは、減算部29cで求められた位相差φに対して、ΔT×f×2πを補正(加算又は減算等)することによって、サンプリングタイミングのずれに起因する位相ずれを補償する。尚、上記式中のfは、周波数測定回路27で測定される振動周波数である。尚、図4に示すタイミングで検出信号S1,S2をサンプリングした場合には、ΔT=(T1/2)であり、図5に示すタイミングで検出信号S1,S2をサンプリングした場合には、ΔT=g1である。
また、CPU29は、周波数測定回路27から出力される検出信号J1(振動周波数f)とA/D変換器28から出力される検出信号J2(温度T)とを用いて以下に示す密度信号Dを求める。
D=K(f −f )/f
但し、上記式中のfは以下の式で表される。
=f+K・T
尚、上記式中における変数K,Kは、所定の定数である。
そして、CPU29は、以下の式を用いて質量流量Qを求める。
Q=f(T)・f(D)・tanφ′/f
尚、上記式中におけるf(T)は温度の補正項であり、f(D)は密度の補正項である。
出力回路30a,30bは、CPU29で求められた質量流量Qを外部に出力する回路であり、表示器31はその値を表示するものである。また、駆動回路32は、上流側センサ12から出力される検出信号S1から駆動信号DR1を生成して駆動コイルDLに出力することにより、チューブTをその固有振動数fで振動させる。尚、駆動回路32は、下流側センサ13から出力される検出信号S2から駆動信号DR1を生成しても良い。RTD駆動回路33は、流体の温度を測定するために、測温抵抗体R1に対する動作電流を駆動信号DR2として供給する。
上記構成において、変換部20の駆動回路32及びRTD駆動回路33から駆動信号DR1,DR2がそれぞれ検出部10に出力されると、加振器11によってチューブTが駆動されて固有振動数fで振動するとともに、温度センサ14でチューブTを流れる流体の温度が測定される。また、上流側センサ12及び下流センサ13でチューブTの上流側及び下流側の振動が検出される。上流側センサ12及び下流センサ13の検出結果は検出信号S1,S2として変換部20にそれぞれ出力され、温度センサ14の検出結果は検出信号S3として変換部20に出力される。
検出部10からの検出信号S1,S2は、入力切替回路21の入力端21a,21bにそれぞれ入力され、入力切替回路21の切り替えによって交互に出力される。入力切替回路21から出力された検出信号S1又は検出信号S2は、入力バッファ22に入力されてノイズ除去及び増幅が行われた後にA/D変換器23に入力してサンプリングされる。例えば、検出信号S1は、図4に示した時刻t11,t12,t13,t14,t15,…毎にサンプリング周期T1でサンプリングされ、検出信号S2は、図4に示した時刻t21,t22,t23,t24,t25,…毎にサンプリング周期T1でサンプリングされてディジタル信号に変換される。或いは、検出信号S1は、図5に示した時刻t31,t32,t33,t34,t35,…毎にサンプリング周期T1でサンプリングされ、検出信号S2は、図5に示した時刻t41,t42,t43,t44,t45,…毎にサンプリング周期T1でサンプリングされてディジタル信号に変換される。
A/D変換器23で変換されたディジタル信号は、振分回路24において入力切替回路21の切り替え方に応じて振り分けられる。具体的には、検出信号S1に関するディジタル信号が出力端24bからディジタル信号D1として出力され、検出信号S2に関するディジタル信号が出力端24cからディジタル信号D2として出力されるよう振り分けられる。
振分回路24から出力されたディジタル信号D1,D2はディジタル信号処理回路26のヒルベルト変換器41,42にそれぞれ入力する。そして、ヒルベルト変換器41,42の各々においてディジタル信号D1,D2に対するヒルベルト変換処理がそれぞれ行われることにより、ヒルベルト変換器41からはディジタル信号D11,D12が出力され、ヒルベルト変換器42からはディジタル信号D21,D22が出力される。
ディジタル信号処理回路26から出力されたディジタル信号D11,D12がCPU29に入力されると位相演算部29aで検出信号S1の位相θ1が求められ、また、ディジタル信号処理回路26から出力されたディジタル信号D21,D22がCPU29に入力されると位相演算部29bで検出信号S2の位相θ2が求められる。位相θ1,θ2が得られると、減算部29cにおいてこれらの差(位相差)が演算された後に、位相補正部29dで補正処理が行われて検出信号S1と検出信号S2との位相差φ′が求められる。
以上の処理が終了すると、周波数測定回路27で測定されるチューブTの振動周波数fと温度センサ14で検出される流体の温度Tとを用いて密度信号Dが求められ、更に、位相補正部29dで求められた検出信号S1と検出信号S2との位相差φ′を用いてチューブTを流れる流体の質量流量Qが求められる。ここで、求められた質量流量は、出力回路30a,30bから外部に出力され、或いは表示器31に表示される。
以上説明した通り、本実施形態によれば、上流側センサ12からの検出信号S1と下流側センサ13からの検出信号S2とを入力切替回路21で切り替え、入力切替回路21からの検出信号を入力バッファ22で受信した後にA/D変換器23でディジタル信号に変換し、変換されたディジタル信号を入力切替回路21の切り替え方に応じて振分回路24で振り分けている。このため、複数の入力バッファを備える場合に必要であったゼロ点補償処理が不要になって連続的な質量流量の測定が可能になるため、質量流量の測定を高い精度をもって安定して行うことができる。また、本実施形態では、検出信号S1,S2とを同時にサンプリングする必要がないことから、A/D変換器23として1つのアナログ入力型の安価なものを用いることができ、コリオリ質量流量計のコストを低減することもできる。
以上、本発明の実施形態によるコリオリ質量流量計について説明したが、本発明は上述した実施形態に制限されることなく、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、上記実施形態においては、振分回路24としてデマルチプレクサを用いる場合を例に挙げて説明したが、振分回路24としてメモリを用いることができる。メモリを用いる場合には、A/D変換器23から出力されるディジタル信号を連続するアドレスに順次記憶し、例えば偶数アドレスに記憶されているディジタル信号と奇数アドレスに記憶されているディジタル信号とを個別に読み出せば振り分けを行うことができる。
また、上記実施形態においては、説明を簡単にするために、チューブTが支持部材SP1,SP2によって支持された直管型のものである場合を例に挙げて説明した。しかしながら、本発明はチューブTが直管型のものに限られる訳ではなく、U字管型のものにも適用することができる。
本発明の一実施形態によるコリオリ質量流量計の要部構成を示すブロック図である。 検出部10の構成を示す構成図である。 チューブTの振動モードの一例を示す図である。 検出信号S1,S2に対するサンプリングタイミングの一例を示す図である。 検出信号S1,S2に対するサンプリングタイミングの一例を示す図である。
符号の説明
1 コリオリ質量流量計
12 上流側センサ
13 下流側センサ
21 入力切替回路
21a,21b 入力端
22 入力バッファ
22a RCフィルタ
22b アンプ回路
23 A/D変換器
24 振分回路
26 ディジタル信号処理回路
29 CPU
29d 位相補正部
S1,S2 検出信号
T チューブ

Claims (5)

  1. 流体が流れるチューブの振動を検出する第1,第2センサと、当該第1,第2センサの検出信号の位相差を求めて前記流体の質量流量を得る信号処理部とを備えるコリオリ質量流量計において、
    前記第1,第2センサの検出信号がそれぞれ入力される第1,第2入力端を切り替える入力切替部と、
    前記入力切替部から出力される検出信号を受信する入力バッファと、
    前記入力バッファで受信された検出信号を前記入力切替部の切り替え方に応じてサンプリングしてディジタル信号に変換する変換部と、
    前記変換部で変換されたディジタル信号を、前記入力切替部の切り替え方に応じて振り分けて前記信号処理部に出力する振分部と
    を備えており、
    前記信号処理部は、前記第1センサの検出信号のサンプリングタイミングと前記第2センサの検出信号のサンプリングタイミングとのずれに応じて、前記位相差を補正する補正処理を行う位相補正部を備える
    ことを特徴とするコリオリ質量流量計。
  2. 前記入力切替部は、前記第1センサの検出信号及び前記第2センサの検出信号の各々が、前記変換部においてそれぞれ一定間隔でサンプリングされるよう前記入力端の切り替えを行うことを特徴とする請求項1記載のコリオリ質量流量計。
  3. 前記入力切替部は、前記第1入力端と第2入力端との切り替えを、一定の時間間隔で交互に行うことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコリオリ質量流量計。
  4. 前記入力切替部は、前記第1入力端から第2入力端に切り替える時間間隔と、前記第2入力端から第1入力端に切り替える時間間隔とを異ならせることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコリオリ質量流量計。
  5. 前記入力バッファは、前記第1,第2センサの検出信号に重畳されるノイズを除去するノイズ除去回路と、前記第1,第2センサの検出信号を増幅する増幅回路との少なくとも一方を備えることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載のコリオリ質量流量計。
JP2007230679A 2007-09-05 2007-09-05 コリオリ質量流量計 Active JP5098526B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007230679A JP5098526B2 (ja) 2007-09-05 2007-09-05 コリオリ質量流量計

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007230679A JP5098526B2 (ja) 2007-09-05 2007-09-05 コリオリ質量流量計

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009063382A JP2009063382A (ja) 2009-03-26
JP5098526B2 true JP5098526B2 (ja) 2012-12-12

Family

ID=40558085

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007230679A Active JP5098526B2 (ja) 2007-09-05 2007-09-05 コリオリ質量流量計

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5098526B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011196928A (ja) * 2010-03-23 2011-10-06 Yokogawa Electric Corp コリオリ流量計

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4888550B2 (ja) 2009-12-29 2012-02-29 横河電機株式会社 コリオリ質量流量計
CN101832803B (zh) * 2010-03-31 2012-01-11 太原太航流量工程有限公司 基于同步调制的科氏质量流量计数字信号处理方法
CN110044431B (zh) * 2018-01-16 2021-03-16 高准有限公司 变送器及流量计

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0961472A (ja) * 1995-08-30 1997-03-07 Yokogawa Electric Corp 位相差測定装置
JPH11194044A (ja) * 1998-01-07 1999-07-21 Yokogawa Electric Corp コリオリ質量流量計
JPH11287830A (ja) * 1998-04-01 1999-10-19 Kawasaki Steel Corp 正弦波信号の位相成分検出方法及び装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011196928A (ja) * 2010-03-23 2011-10-06 Yokogawa Electric Corp コリオリ流量計

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009063382A (ja) 2009-03-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0829229A (ja) コリオリ質量流量計
US5844408A (en) Phase difference measuring apparatus for measuring phase difference between input signals
JP5098526B2 (ja) コリオリ質量流量計
CN103874908A (zh) 超声流量计
JP2006194701A (ja) 振動ジャイロ
US10119895B2 (en) Method, circuit and flexural resonator for measuring the density of fluids
JP3200827B2 (ja) コリオリ質量流量計
JP2016514838A (ja) 振動センサ及び方法
CN107430022B (zh) 振动计量仪中的信号的温度补偿
JP4888550B2 (ja) コリオリ質量流量計
JP4707161B2 (ja) 交流電力測定装置及びプログラム
JP2012508867A (ja) コリオリジャイロの動作状態のシミュレーション方法
JP4488496B2 (ja) 信号処理方法および信号処理装置
JP5050260B2 (ja) 周波数差測定装置
JP2011174731A (ja) コリオリ質量流量計
JP4833711B2 (ja) 測定装置
JP5974518B2 (ja) コリオリ質量流量計
JP6504594B2 (ja) コリオリ質量流量計
JP6778799B1 (ja) コリオリ流量計用シミュレータ及び該シミュレータを内蔵したコリオリ流量計
JP5401740B2 (ja) 流速計及び流量計
JP4905107B2 (ja) 球状表面弾性波素子を用いた計測装置
KR100980168B1 (ko) 위상차 검출 장치 및 회전 위치 검출 장치
JP3555632B2 (ja) コリオリ質量流量計
JP3161664B2 (ja) コリオリ質量流量計
JP2017161543A (ja) 振動センサ及び方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100607

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120622

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120626

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120808

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120828

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120910

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151005

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5098526

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250