JP5401740B2 - 流速計及び流量計 - Google Patents

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Description

本発明は、流速計及び流量計に適用して好適な技術に関する。
より詳細には、流体が流れるパイプの内壁にセンサを挿入せずに、流体に非接触のまま、流体の流速を計測する流速計と、これを用いる流量計に関する。
近年、天然ガスに限らず、水素やバイオマスガスなど様々なガス種による多様なエネルギー資源の活用が模索されている。その資源である気体や液体といった流体の流量や流速を測定することは極めて重要である。これらの流体の流量(や流速)を計測する身近な例として、ガスメータや水道メータ等が挙げられる。現在普及しているガスメータには、例えば、膜式のものや超音波を利用したものもあるが、いずれも高い精度の計測を要求される。
前述の、多様なエネルギー資源の活用の一環として挙げられる、水素やバイオマスガスなどは、高度に整備された特定の都市ガス工場設備等から送出されるものとは異なり、一般家庭やオフィス、或は一般工場設備等の地域毎に設置された、比較的簡素且つ小規模な設備から生成される。このような「地域発生のガス」は、その生成設備が都市ガス工場設備等と比較すると精度が低いことが多い。このため、地域発生のガスの成分には、例えば水分等の、流量を計測するガスメータを故障させたり、或は計測精度に影響を与える成分が含まれる可能性がある。また、どのような不純物が混入して、機器に悪影響を与えるのか、予測が困難である。したがって、従来の都市ガス用ガスメータの設計技術を転用して、地域発生のガスのためのガスメータを設計しようとすると、あらゆる未知の成分にも対抗し得るガスメータを設計しなければならなくなり、現実的でない。しかしながら、社会インフラを提供する本出願人にとって、都市ガス等と同様、地域発生のガスのためのガスメータも必要であることに変わりはない。
なお、本発明に関連すると思われる先行技術文献を特許文献1に示し、その概要は後述する。
特開平2−134515号公報
前述の機械的動作を伴う可動部分を必要とするガスメータや水道メータなどを、そのまま不純物などを含んだ流体の流量計測などに用いようとすると、腐食などによる機械的な脆弱が問題となり得る。超音波メータなどの場合であっても、微量な不純物等の成分が測定部や測定精度に影響を与えるおそれがある。
そこで、本出願人は、センサが流体に完全に非接触であって、かつ、流体の成分変化の影響を受けにくい流体の流量計測を流速の計測により実現する技術を、長い間模索していた。特許文献1はそのうちの一つである。
特許文献1は、所定の音を出して、流体の流速によって変化する音を捉え、そこから流速を演算する、という技術である。しかし、解析の演算量に比して十分な精度が得難く、また気体の場合、圧力によっても計測結果が変動するため、従来の接触型ガスメータ等を置換するには十分でなかった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、最小限のハードウェア資源で容易に実現できると共に、必要十分な計測精度が得られる、流体に対して非接触にて計測する流速計ないし流量計を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の流量計は、均一な断面積を備えると共に流体が通過するストレートパイプの上流側に設けられて流体の振動を検出する上流側センサから得られる信号をデジタル変換して上流側データを出力する第一A/D変換器と、ストレートパイプの下流側に設けられて流体の振動を検出する下流側センサから得られる信号をデジタル変換して下流側データを出力する、第一A/D変換器と等しいサンプリングクロックで稼動する第二A/D変換器と、上流側データ及び下流側データの相関値を演算して相関データを出力する相関値演算部と、相関データを周波数解析する第一フーリエ変換部と、第一フーリエ変換部の出力結果から、ピーク値を示すピーク周波数を出力するピーク周波数抽出部と、ピーク周波数と、上流側センサ及び下流側センサとの距離と、ストレートパイプの断面積を基に流体の流量を算出する流量算出部とを備える。
発明者らは、流体自身が発する、流れに伴って発生するノイズに着目した。本発明の流量計は、このノイズを、所定の距離だけ離した振動検出センサで捉え、サンプリングクロックのステップ毎に二つの波形の相関値を導き出し、相関データをFFT(Fast Fourier Transformation)処理して、主成分の周波数から、流速を計算する。その後、流速をストレートパイプの内壁断面積で乗算した値を積算して、流量を算出する。
このように流速計を構成することにより、特別な発振器等を用いることなく、極めて簡便且つ安価に、非接触の流速計を実現することができる。
本発明により、最小限のハードウェア資源で容易に実現できると共に、必要十分な計測精度が得られる、流体に対して非接触にて計測する流速計を提供できる。
本発明の実施形態の例である、流量計の全体ブロック図である。 位相差周波数算出部の内部ブロック図である。 位相差周波数算出部の、相関演算部としての動作の手順を示す概略図である。 位相差周波数算出部の、フーリエ変換部とピーク周波数抽出部としての動作の手順を示す概略図である。 相関演算部の動作原理を説明する概略図である。 本実施形態の流量計の、フーリエ変換部の出力データの波形である。 流速計の概略図である。
以下、本発明の実施の形態を、図1〜図7を参照して説明する。
[流量計の全体構成]
図1は、本発明の実施形態の例である、流量計の全体ブロック図である。
流量計102は、流体が通過するストレートパイプ103の両端に貼付された二つの振動検出センサから得られる信号を処理することにより、流体の流量を算出して、表示部104に表示する。
なお、これ以降、流体の流れる方向の上流側に位置する振動検出センサを上流側センサ105、流体の流れる方向の下流側に位置する振動検出センサを下流側センサ106と呼ぶ。
ストレートパイプ103は、流体の通過路の途中に、流体の流速を測定するために設けられる。ストレートパイプ103はその名の通りに、屈曲部分が存在せず、また内壁の太さは均一である。もし、屈曲部分が存在したり、或は内壁に異物が存在すると、流体がぶつかって異音が発生し、正確な流速計測を阻害する虞がある。また、内壁の太さが不均一であると、流速が太さによって異なってしまうために、好ましくない。
ストレートパイプ103は、その外側に貼付される振動検出センサが、流体の流れによって生じる音を捉えることができるように、ある程度肉厚が薄くなっている必要がある。鋼管或は塩ビパイプであっても、最大10mm程度の厚みを超えると、流体の流れによって生じる音を捉え難くなる。また、音の減衰を防ぐ上では、ビニールやゴム等の柔らかい材質よりも、金属や硬質の合成樹脂等の、できるだけ剛性の高い材質が好ましい。
上流側センサ105及び下流側センサ106からなる振動検出センサは、音声信号周波数帯域の振動を検出する。本実施形態では一例として、PET樹脂等の合成樹脂のフィルムに形成された圧電素子フィルムを、ストレートパイプ103に巻きつける。圧電素子フィルムの代わりに、周知のコンデンサマイクロフォンや、ダイナミックマイクロフォン等も利用可能である。
振動検出センサは、ストレートパイプ103の両端に、予め測定したい流速に基づく距離Lだけ離して、貼付される。
上流側センサ105及び下流側センサ106の二つの振動検出センサから得られる振動信号は、流量計102に入力される。
先ず、上流側センサ105から得られる振動信号は増幅器107aで電圧増幅された後、A/D変換器108aでデジタルデータに変換される。同様に、下流側センサ106から得られる振動信号も増幅器107bで電圧増幅された後、A/D変換器108bでデジタルデータに変換される。
なお、後述するデータ処理のため、A/D変換器108aとA/D変換器108bは、図示しない等しいサンプリングクロックで稼動しなければならない。
上流側センサ105の振動信号から得られる上流側データと、下流側センサ106の振動信号から得られる下流側データは、それぞれ相関演算部109に入力される。相関演算部109では、上流側データと下流側データの二つのデジタルデータの「相関値」を、位相をずらしながら継続的に演算し、得られた相関データを出力する。
相関データは、周知のフーリエ変換部110に入力され、時間軸上の相関データを周波数解析する。
フーリエ変換部110が出力する周波数解析データは、ピーク周波数抽出部111に入力される。ピーク周波数抽出部111は、周波数解析データの中で最大値を示す周波数成分を見つけ、その周波数データを出力する。
周波数データは、第一乗算器112に入力される。第一乗算器112は、図示しないROMに格納されている距離L113と乗算し、流速データを出力する。
第一乗算器112が算出した流速データは、第二乗算器114に入力される。第二乗算器114は、図示しないROMに格納されている内壁断面積S115と乗算し、所定の時間毎の流量データを出力する。
第二乗算器114が算出した所定の時間毎の流量データは、積算器116に入力される。積算器116は、RAM117に格納されている直前値と、入力された所定の時間毎の流量データとを加算し、その値でRAM117に格納されている直前値を更新する。この値が流量データとなる。
積算器116が算出した流量データは、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示部104で表示される。
なお、これより説明の便宜上、相関演算部109、フーリエ変換部110及びピーク周波数抽出部111を位相差周波数算出部118と定義し、第一乗算器112、第二乗算器114及び積算器116を流量積算部119と定義する。これらは、周知のDSP(Digital Signal Processor)或はマイコンで構成できる。
[位相差周波数算出部118]
図2は、本発明の実施形態の例である流量計102の、位相差周波数算出部118の内部ブロック図である。
上流側データは、ある時点から順次、第一メモリ202に入力され、記憶される。
同様に、下流側データも、ある時点から順次、第二メモリ203に入力され、記憶される。
第一メモリ202及び第二メモリ203は、それぞれ等しいサンプル数の容量を備えている。本実施形態では一例として、第一メモリ202及び第二メモリ203はそれぞれ1024サンプルを記憶できる容量を備えているとする。
乗算器204は、第一メモリ202から第一ポインタP205を通じて一サンプルずつデータを読み出すと共に、第二メモリ203から第二ポインタP206を通じて一サンプルずつデータを読み出し、読み出したデータ同士を乗算し、乗算値を積算器207へ出力する。
積算器207は乗算器204から入力される乗算値と、積算メモリ208に格納されている積算値とを加算し、得られた値で積算メモリ208に格納されている積算値を更新する。
積算器207は、乗算器204が出力する乗算値を、第一メモリ202及び第二メモリ203のサンプル数分だけ積算した後、その積算値を後続の第一選択スイッチ209に出力する。
積算器207から出力される積算値は、第一選択スイッチ209の第一端子T209aと、第一選択スイッチ209の先に接続されている第三ポインタP210を通じて、第三メモリ211に書き込まれる。第三メモリ211は前述の第一メモリ202及び第二メモリ203と等しいサンプル数の容量を備えている。本実施形態では1024サンプルとなる。この時点で、第三メモリ211の内部は積算器207が出力する積算値で満たされることとなる。
第三メモリ211の内部が積算器207が出力する積算値で全て満たされると、第三メモリ211に記憶されている全てのデータは、第一選択スイッチ209を通じてFFT212に入力される。
FFT212は、第三メモリ211のデータを全て読み取り、周波数解析演算を実行し、その結果を第二選択スイッチ213の第二端子T213bと、第二選択スイッチ213の先に接続されている第四ポインタP214を通じて、第四メモリ215に書き込まれる。第四メモリ215は前述の第一メモリ202、第二メモリ203及び第三メモリ211と等しいサンプル数の容量を備えている。本実施形態では1024サンプルとなる。この時点で、第四メモリ215の内部はFFT212が出力する周波数解析結果データで満たされることとなる。
第四メモリ215の内部がFFT212が出力する周波数解析結果データで全て満たされると、第四メモリ215に記憶されている全てのデータは、第二選択スイッチ213を通じて再びFFT212に入力される。
FFT212は、今度は第四メモリ215のデータを全て読み取り、周波数解析演算を実行し、その結果を第一選択スイッチ209の第二端子T209bと、第一選択スイッチ209の先に接続されている第三ポインタP210を通じて、第三メモリ211に書き込む。この時点で、第三メモリ211の内部はFFT212が出力する中心周波数解析結果データで満たされることとなる。
第三メモリ211の内部がFFT212が出力する中心周波数解析結果データで全て満たされると、第三メモリ211に記憶されている全てのデータは、第一選択スイッチ209を通じてピーク値抽出部216に入力される。ピーク値抽出部216は、第三メモリ211に記憶されている中心周波数解析結果データのうち、最大値を示すデータを見つけ、このデータから中心周波数を算出する。
第一ポインタP205、第二ポインタP206、第三ポインタP210、第四ポインタP214、第一選択スイッチ209及び第二選択スイッチ213は、シーケンス制御部217によって制御される。
[動作]
図3(a)、(b)及び(c)は、位相差周波数算出部118の、相関演算部109としての動作の手順を示す概略図である。
先ず、第一メモリ202には、ある時点の1024サンプルの上流データが、第二メモリ203には第一メモリ202に取り込んだ上流データと同じ時点の1024サンプルの下流データが格納されている。
つまり、同時に同じ容量のデータを取り込むために、A/D変換器108aとA/D変換器108bは、図示しない等しいサンプリングクロックで稼動しなければならない。
この状態で、図3(a)では、第一ポインタP205が第一メモリ202の1番目のサンプルを読み出し、第二ポインタP206が第二メモリ203の1番目のサンプルを読み出し、これらデータを乗算器204が乗算する。乗算値は順次積算器207に入力され、積算処理が行われる。
次に、第一ポインタP205が第一メモリ202の2番目のサンプルを読み出し、第二ポインタP206が第二メモリ203の2番目のサンプルを読み出し、これらデータを乗算器204が乗算する。乗算値は順次積算器207に入力され、積算処理が行われる。
以下同様に、第一ポインタP205と第二ポインタP206は、第一メモリ202と第二メモリ203の読み出し位置を一つずつずらしていく。乗算器204が出力する乗算値は順次積算器207で積算処理される。
そして、1024サンプル分の積算処理が終了すると、積算値は第三メモリ211に1番目のデータとして書き込まれる。
次に、図3(b)では、第一ポインタP205が第一メモリ202の1番目のサンプルを読み出し、第二ポインタP206が第二メモリ203の2番目のサンプルを読み出し、これらデータを乗算器204が乗算する。乗算値は積算器207に入力され、積算処理が行われる。
次に、第一ポインタP205が第一メモリ202の2番目のサンプルを読み出し、第二ポインタP206が第二メモリ203の3番目のサンプルを読み出し、これらデータを乗算器204が乗算する。乗算値は積算器207に入力され、積算処理が行われる。
以下同様に、第一ポインタP205と第二ポインタP206は、第一メモリ202と第二メモリ203の読み出し位置を一つずつずらしていく。乗算器204が出力する乗算値は順次積算器207で積算処理される。
そして、1024サンプル分の積算処理が終了すると、積算値は第三メモリ211に2番目のデータとして書き込まれる。
ここで、図3(b)では、第二メモリ203を読み出す第二ポインタP206の最初の読み出し位置が、直前の図3(a)のときと異なり、一つずれている。図3(a)では1番目から1024番目までを順次読み出していたが、図3(b)では2番目から1024番目までを順次読み出し、最後に1番目を読み出す。そして、算出した積算値は第三メモリ211の2番目のサンプルとして書き込まれる。
以下同様に、第二ポインタP206の最初の読み出し位置を一つずつずらして順次読み出し、第三メモリ211に積算値を書き込む位置を一つずつずらしていく。
以上の動作手順を経て、最終的に図3(c)のように、第二ポインタP206を1023個ずらした1024番目のデータから読み出し、積算値は第三メモリ211に1024番目のデータとして書き込む。
以上説明した乗算器204と積算器207が、位相差周波数算出部118の相関演算部109に相当する。
図4(d)、(e)及び(f)は、位相差周波数算出部118の、フーリエ変換部110とピーク周波数抽出部111としての動作の手順を示す概略図である。
先ず、先に説明した図3(c)の時点で、第三メモリ211には1024サンプルの相関データが格納されている。
この状態で、図4(d)では、第三メモリ211の相関データが、第三ポインタP210から第一選択スイッチ209の第三端子を通じて、FFT212に読み込まれる。そして、FFT212は1024サンプルの周波数解析データを、第二選択スイッチ213の第二端子T213bと第四ポインタP214を通じて、第四メモリ215に出力する。
この、図4(d)の動作が、位相差周波数算出部118のフーリエ変換部110の動作である。
次に、先に説明した図4(d)の時点で、第四メモリ215には1024サンプルの周波数解析データが格納されている。
この状態で、図4(e)では、第四メモリ215の周波数解析データが、第四ポインタP214から第二選択スイッチ213の第一端子T209aを通じて、FFT212に読み込まれる。そして、FFT212は1024サンプルの中心周波数解析データを、第一選択スイッチ209の第二端子T213bと第三ポインタP210を通じて、第三メモリ211に出力する。
最後に、図4(f)では、第三メモリ211の中心周波数解析データが、第三ポインタP210から第一選択スイッチ209の第四端子を通じて、ピーク値抽出部216に読み込まれ、中心周波数が出力される。このとき、ピーク値抽出部216は第三メモリに格納されているデータのピーク値をフーリエ逆変換する。
この、図4(e)及び(f)の動作が、位相差周波数算出部118のピーク周波数抽出部111の動作である。
つまり、FFT212はフーリエ変換部110とピーク周波数抽出部111の、二つの役割を担っている。
[動作原理]
これより、本発明の実施形態による流量計102の動作原理を説明する。
図5(a)及び(b)は、相関演算部109の動作原理を説明する概略図である。
図5(a)に示す、点線で囲まれた波形W502は、ある瞬間にシフトレジスタに取り込んだ、上流側データに相当する上流側センサ105から得られた振動信号のアナログ波形である。
図5(b)に示す波形は、下流側データに相当する下流側センサ106から得られた振動信号のアナログ波形である。
気体或は液体の流体が管の中を流れると、そこには、管の壁面と流体との摩擦や、流体同士の摩擦等に起因する、音が生じる。
もし、仮に流体が管の中に存在するが全く流れていない状態では、管の中で何らかの雑音が生じていれば、上流側センサ105と下流側センサ106から得られる波形は、流体自体の音速にのみ依存する、僅かな位相差が生じる。
ところが、管の中を流体が流れると、この位相差が大きくなる。位相のずれは、流体の流速に一致する。
そこで、本実施形態の流量計102は、この位相のずれを検出する。
ある瞬間に、所定のサンプル数の上流側データは第一メモリ202に取り込まれる(波形W502)と共に、所定のサンプル数の下流側データは第二メモリ203に取り込まれる(波形W503)。
次に、第一ポインタP205が第一メモリ202に記憶されている上流側データを1番目から1サンプルずつ読み出すと共に、第二ポインタP206が第二メモリ203に記憶されている下流側データを1番目から1サンプルずつ読み出し、それらデータ同士が乗算器204で乗算される。
次に、第一ポインタP205が第一メモリ202に記憶されている上流側データを1番目から1サンプルずつ読み出すと共に、第二ポインタP206が第二メモリ203に記憶されている下流側データを2番目から1サンプルずつ読み出し、それらデータ同士が乗算器204で乗算される。
以下同様に、上流側データに対する、乗算器204に入力される下流側データが移動する。つまり、図5の点線矢印A504、A505及びA506に示すように、乗算する対象のデータが、1サンプル毎にずれていく。
図5(b)で下流側データの波形W503を二つ並べているのは、上流側データと下流側データ同士を1サンプル毎にずらしながら相関演算を実行する有り様を視覚的に表現するためである。
もしも、上流側データを保持する第一メモリ202のデータと、下流側データを保持する第二メモリ203のデータの、波形の位相が一致していれば、乗算器204の出力は最大値になる。つまり、乗算器204とその後続の合算器は、上流側データと下流側データを照合するための演算処理である。図5の点線矢印A507は、上流側データと下流側データの波形が一致している有り様を示す。このとき、相関値は最大値となる。
第二ポインタP206の初期読み出し位置をずらすことで、1サンプルずつ読み出す対象となるデータを移動しているので、上流側データと下流側データの照合の結果である相関値は、原理的にはサイン波のように周期的に現れる。実際には、管の中を流れる流体から生じるノイズを捉えているために、相関値は様々なノイズを含んでいる。そこで、このような相関値データの波形から、FFT212を用いて最大の振幅成分を占める周波数を抽出する。
相関値データのうち、最大の振幅成分を占める周波数の波長、つまり時間が、流体が上流側センサ105と下流側センサ106との間の距離Lを通過するに掛かった時間である。
したがって、流速vは、波長T、周波数f、距離Lとの関係で、以下のように求められる。
v=L/T=Lf
したがって、周波数fと距離Lを第一乗算器112で乗算することで、流速vが得られる。
図6(a)及び(b)は、本実施形態の流量計102の、フーリエ変換部110の出力データの波形である。
図6(a)は、第四メモリ215に格納されている周波数解析データを可視化したグラフである。グラフの左側に、低周波の領域でピークを示す箇所がある。しかしながら、このグラフを見て判るように、周期的に細かい波形成分が波形全体に含まれており、またピークがあまり明確に得られていない。
そこで、この周波数解析データを、波形として捉え、再度FFT212に処理させる。これが、図6(b)に示す、中心周波数解析データを可視化したグラフである。このグラフは、第四メモリ215から読み込んだ周波数解析データをFFT212で処理し、中心周波数解析データとして第三メモリ211に記憶させたデータである。図6(b)では、ピークを示す位置が明確に判別できる。
FFT212に相関データを二度通すことで、明確なピークを検出できることが、図6(a)及び(b)で判る。そして、得られたピークのデータをフーリエ逆変換すれば、周波数が得られる。この周波数こそ、上流側データと下流側データとの位相ズレに起因する「うねり周波数」fである。
うねり周波数fが判れば、前述の式の通り、長さLを掛ければ流速が得られる。
流速にストレートパイプの内壁の断面積Sを掛ければ、単位時間毎の流量が得られる。
単位時間毎の流量を積算すれば、積算流量計が実現する。
本実施形態には、以下のような応用例が考えられる。
(1)本実施形態の流速計は、測定可能な流速の範囲に限界がある。その限界は、上流側センサ105と下流側センサ106との間の距離Lに依存する。そこで、より広い範囲の流速を測定可能にするため、複数の振動検出センサをストレートパイプ103に設け、流速に応じて切り替えるとよい。
図7は、上述の思想に従う流速計の概略図である。
ストレートパイプ103には、上流側センサ105は一つだけ貼付されているが、下流側センサが、上流側センサ105に最も近い方から、703a、703b、703c及び703dと、四つ貼付されている。下流側センサの、上流側センサ105との距離は、最も近いものである703aから、1:2:4:8という比率で設けられている。
下流側センサ703a、703b、703c及び703dは、レンジ切替スイッチ704にて、流速を計測するに適したものが選択される。
流速は、流体が単位時間に流れる距離に等しいので、流速が早ければ早いほど、上流側センサ105と下流側センサの距離を離す必要がある。
(2)本実施形態では流量計を開示したが、第一乗算器112の演算値を表示部104に表示させれば、流速計になる。
本実施形態においては、流量計を開示した。
流量計を実現するために、流体自身が発する、流れに伴って発生するノイズに着目した。流量計は、このノイズを、所定の距離だけ離した振動検出センサで捉え、サンプリングクロックのステップ毎に二つの波形の相関値を導き出し、相関データをFFT212処理して、主成分の周波数から、流速を計算する。そして、流速を基に積算処理を行い、流量計を構成する。
このように流量計を構成することにより、特別な発振器等を用いることなく、極めて簡便且つ安価に、非接触の流量計を実現することができる。
以上、本発明の実施形態例について説明したが、本発明は上記実施形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、他の変形例、応用例を含む。
102…流量計、103…ストレートパイプ、104…表示部、105…上流側センサ、106…下流側センサ、107a、107b…増幅器、108a、108b…A/D変換器、109…相関演算部、110…フーリエ変換部、111…ピーク周波数抽出部、112…第一乗算器、113…距離L、114…第二乗算器、115…内壁断面積S、116…積算器、117…RAM、118…位相差周波数算出部、119…流量積算部、202…第一メモリ、203…第二メモリ、204…乗算器、P205…第一ポインタ、P206…第二ポインタ、207…積算器、208…積算メモリ、209…第一選択スイッチ、P210…第三ポインタ、211…第三メモリ、212…FFT、213…第二選択スイッチ、P214…第四ポインタ、215…第四メモリ、216…ピーク値抽出部、217…シーケンス制御部、703a、703b、703c、703d…下流側センサ、704…レンジ切替スイッチ

Claims (6)

  1. 均一な断面積を備えると共に流体が通過するストレートパイプの上流側に設けられて前記流体の振動を検出する上流側センサから得られる信号をデジタル変換して上流側データを出力する第一A/D変換器と、
    前記ストレートパイプの下流側に設けられて前記流体の振動を検出する下流側センサから得られる信号をデジタル変換して下流側データを出力する、前記第一A/D変換器と等しいサンプリングクロックで稼動する第二A/D変換器と、
    前記上流側データ及び前記下流側データの相関値を演算して相関データを出力する相関値演算部と、
    前記相関データを周波数解析する第一フーリエ変換部と、
    前記第一フーリエ変換部の出力結果から、ピーク値を示すピーク周波数を出力するピーク周波数抽出部と、
    前記ピーク周波数と、前記上流側センサ及び前記下流側センサとの距離とを基に前記流体の流速を算出する流速算出部と
    を備える流速計。
  2. 前記相関値演算部は、
    ある時点から所定時間の前記上流側データを保持する第一メモリと、
    前記第一メモリと等しい記憶容量を備え、前記第一メモリに保持された前記上流側データと同じ時点から前記所定時間の下流側データを保持する第二メモリと、
    前記上流側データに対する前記下流側データの計算開始アドレスをずらしながら繰り返し乗算する乗算器と、
    前記乗算器の出力データを合算する合算器と
    を備える、請求項1記載の流速計。
  3. 前記ピーク周波数抽出部は、
    前記第一フーリエ変換部の出力結果を周波数解析する第二フーリエ変換部と、
    前記第二フーリエ変換部が出力したデータのピーク値をフーリエ逆変換するピーク値抽出部と
    を備える、請求項1又は2記載の流速計。
  4. 均一な断面積を備えると共に流体が通過するストレートパイプの上流側に設けられて流体の振動を検出する上流側センサから得られる信号をデジタル変換して上流側データを出力する第一A/D変換器と、
    前記ストレートパイプの下流側に設けられて前記流体の振動を検出する下流側センサから得られる信号をデジタル変換して下流側データを出力する、前記第一A/D変換器と等しいサンプリングクロックで稼動する第二A/D変換器と、
    前記上流側データ及び前記下流側データの相関値を演算して相関データを出力する相関値演算部と、
    前記相関データを周波数解析する第一フーリエ変換部と、
    前記第一フーリエ変換部の出力結果から、ピーク値を示すピーク周波数を出力するピーク周波数抽出部と、
    前記ピーク周波数と、前記上流側センサ及び前記下流側センサとの距離と、前記ストレートパイプの前記断面積を基に前記流体の流量を算出する流量算出部と
    を備える流量計。
  5. 前記相関値演算部は、
    ある時点から所定時間の前記上流側データを保持する第一メモリと、
    前記第一メモリと等しい記憶容量を備え、前記第一メモリに保持された前記上流側データと同じ時点から前記所定時間の下流側データを保持する第二メモリと、
    前記上流側データに対する前記下流側データの計算開始アドレスをずらしながら繰り返し乗算する乗算器と、
    前記乗算器の出力データを合算する合算器と
    を備える、請求項4記載の流量計。
  6. 前記ピーク周波数抽出部は、
    前記第一フーリエ変換部の出力結果を周波数解析する第二フーリエ変換部と、
    前記第二フーリエ変換部が出力したデータのピーク値をフーリエ逆変換するピーク値抽出部と
    を備える、請求項4又は5記載の流量計。
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