JP2011174731A - コリオリ質量流量計 - Google Patents

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キッティポン セータン
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Abstract

【課題】予め入力経路部の温度や周波数に依存する、検出信号の位相誤差を補正する誤差補正値を取得しておき、通常の質量流量の測定の際にはこの誤差補正値を用いて入力経路部の誤差を補正することで、補正値取得による中断がなく精度の高い質量流量の測定をリアルタイムで可能とするコリオリ質量流量計を提供する。
【解決手段】被測定流体が流れる流体管1を振動させ、この流体管の上流側と下流側で生じる振動を第1及び第2の振動検出器2,3で検出し、前記第1及び第2の振動検出器の検出信号の位相差に基づき前記被測定流体の流量を算出するコリオリ質量流量計において、前記第1及び第2の振動検出器2,3から検出信号がそれぞれ入力される上流側及び下流側信号入力経路の温度を検出する温度センサ81とこの温度センサが検出する温度に基づいて前記上流側及び下流側信号入力経路から入力される前記検出信号の位相誤差を補正する補正器7と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、コリオリ質量流量計に関する。更に詳しくは、質量流量の測定精度を向上させるために改善を施したコリオリ質量流量計に関するものである。
コリオリ質量流量計は、両端を固定した直管型やU字管型等の流体管内に被測定流体を流し、流体管の中央地点に取り付けられた励振装置により流体管を振動させ、流体管の上流側と下流側の対称位置に取り付けられた振動検出部で流体管の振動を検出し、上流側と下流側の振動の位相差等を用いて被測定流体の質量流量を測定する装置である。
従来のコリオリ質量流量計の構成を、図面を用いて説明する。図3は従来のコリオリ質量流量計の例を示した構成図である。この図では位相差の測定部の構成を示す。
流体管1は、被測定流体を流す直管型やU字管型等の管である。
2つの振動検出器2と振動検出器3は、流体管のそれぞれ上流側および下流側に取り付けられ、上流側および下流側の振動をアナログの電気信号として出力する。
アンプ41は、上流側に取り付けられた振動検出器2からの出力を入力する。ローパスフィルタ42は、アンプ41からの出力を入力し、高周波部分をカットして出力する。
入力切替回路43は、信号処理部6からの指示により、振動検出器2と振動検出器3のいずれか一方と接続され、その入力を出力する。
アンプ44は、入力切替回路43の出力を入力する。ローパスフィルタ45は、アンプ44からの出力を入力し、高周波部分をカットして出力する。
アンプ41とローパスフィルタ42とにより上流側信号入力経路46を形成し、アンプ44とローパスフィルタ45とにより下流側信号入力経路47を形成する。また、上流側信号入力経路46と下流側信号入力経路47と入力切替回路43は、これらが実装されるプリント基板とともに入力経路部4を形成する。
AD変換器5は、上流側のローパスフィルタ42と下流側のローパスフィルタ45の出力を入力し、アナログデジタル変換して出力する。
信号処理部6は、AD変換器5の出力を入力し、上流側のローパスフィルタ42と下流側のローパスフィルタ45とが出力する信号の位相差と、流体管1が振動する周波数と、
を出力する。
信号処理部6が出力する位相差は、入力切替回路43が振動検出器3側に接続されているときには、振動検出器2と振動検出器3の間の位相差Dとして出力され、また、振動検出器2側に接続されているときには、入力経路部4における上流側信号入力経路46と下流側信号入力経路47の間に生じる信号の位相のズレを補正する入力回路誤差補正値Cとして出力される(入力経路部4は、出力に温度や周波数に対する依存特性があり、この依存特性を補正するための値が入力回路誤差補正値Cである)。
補正器7は、信号処理部6が出力する位相差Dおよび入力回路誤差補正値Cを入力し、位相差Dを、入力回路誤差補正値Cに基づいて補正し、補正済位相差D’を出力する。
図示しない制御部は、補正器7が出力する補正済位相差D’と、信号処理部6が出力する周波数Fとを入力し、流体管1に流れる被測定流体の質量流量を測定する。
このような従来のコリオリ質量流量計の動作例を、図4も追加して用いて説明する。
図3に示す従来のコリオリ質量流量計の動作のフローチャートを示した図である。動作ステップは、S1〜S6であり、補正値取得プロセスと通常測定プロセスからなる。補正値取得プロセスとは前述の入力回路誤差補正値Cを取得するためのプロセス、通常測定プロセスとは流体管1の質量流量を測定する本来の測定プロセスである。
(補正値取得プロセス)
S1:信号処理部6の指示により、入力切替回路43が振動検出器2と接続され、補正値を取得するための回路接続となる。
S2:図示しない励振装置により加振された流体管1の振動は、振動検出器2によってアナログ電気信号として出力される。アンプ41は、上流側に取り付けられた振動検出器2からの出力を入力する。ローパスフィルタ42は、アンプ41からの出力を入力し、高周波部分をカットして出力する。入力切替回路43は、振動検出器2と接続されているので、アンプ44は、入力切替回路43を介して、振動検出器2の出力を入力する。ローパスフィルタ45は、アンプ44からの出力を入力し、高周波部分をカットして出力する。AD変換器5は、上流側のローパスフィルタ42と下流側のローパスフィルタ45との出力を入力し、アナログデジタル変換して出力する。
S3:信号処理部6は、AD変換器5の出力を入力し、振動検出器2の信号が上流側信号入力経路46を経由した場合と、下流側信号入力経路47を経由した場合との位相差を検出する。
入力切替回路43は、振動検出器2と接続されており、上流側信号入力経路46を経由した信号と、下流側信号入力経路47を経由した信号とは、元は振動検出器2の出力信号であるので、上流側ローパスフィルタ42と下流側ローパスフィルタ45の出力信号の位相差が、この時点おける入力経路部4による誤差、つまり入力回路誤差補正値Cとなる。
信号処理部6は、この入力回路誤差補正値Cを出力し、以降この出力を保持する。
(通常測定プロセス)
S4:信号処理部6の指示により、入力切替回路43は振動検出器3と接続され、通常測定を行うための通常測定回路接続となる。
S5:励振装置により加振された流体管1の振動は、振動検出器2,3によってアナログ電気信号として出力される。
アンプ41は、振動検出器2からの出力を入力する。ローパスフィルタ42は、アンプ41からの出力を入力し、高周波部分をカットして出力する。
入力切替回路43は、振動検出器3と接続されているので、アンプ44は、入力切替回路43を介して、振動検出器3の出力を入力する。ローパスフィルタ45は、アンプ44からの出力を入力し、高周波部分をカットして出力する。
AD変換器5は、上流側のローパスフィルタ42と下流側のローパスフィルタ45との出力を入力し、アナログデジタル変換して出力する。
信号処理部6は、AD変換器5の出力を入力し、流体管1の振動周波数Fと、振動検出器2,3の信号の位相差Dを出力する。
補正器7は、信号処理部6が出力を保持している入力回路誤差補正値Cと、信号処理部6が出力する振動検出器2,3の信号の位相差Dと、に基づいて、補正済位相差D’を出力する。
図示しない制御部は、補正器7が出力する補正済位相差D’と、信号処理部6が出力する周波数Fとを入力し、流体管1に流れる流体の質量流量を測定する。
S6:測定を継続する場合には、信号処理部6は、位相差Dを保持して出力し、(S1)に移行する。
L1:測定を終了するまで、以降このS1〜S6のサイクルを繰り返す。
補正値取得プロセスと通常測定プロセスとを交互に繰り返すサイクルにより、入力経路部4おいて温度や周波数に依存する信号の位相のズレを補正し、流体管1を流れる被測定流体の質量流量を測定することができる。
特許文献1には、振動検出器で、流体が流れる流体管の振動を検出し、AD変換器にてアナログデジタル変換を行い、流体の質量流量を求める従来のコリオリ質量流量計の構成が記載されている。
特開2008−270022号公報
しかしながら、従来のコリオリ質量流量計では、補正値取得プロセスと通常測定プロセスとを交互に時分割して繰り返す必要があるため、リアルタイムの質量流量の測定ができなくなる期間が生じるという課題があった。
そこで本発明の目的は、予め信号入力経路部の温度や周波数に依存する信号の位相のズレを補正する入力回路誤差補正値として取得しておき、通常の質量流量の測定の際には、この入力回路誤差補正値を用いて、入力経路部の誤差を補正することで、通常の質量流量の測定の際に入力回路誤差補正値の取得による中断がなく、リアルタイムに精度の高い質量流量の測定を可能とするコリオリ質量流量計を実現することにある。
このような課題を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、
被測定流体が流れる流体管を振動させ、この流体管の上流側と下流側で生じる振動を第1及び第2の振動検出器でそれぞれ検出し、前記第1及び第2の振動検出器の検出信号の位相差に基づいて前記被測定流体の流量を算出するコリオリ質量流量計において、
前記前記第1及び第2の振動検出器から検出信号がそれぞれ入力される上流側信号入力経路及び下流側信号入力経路の温度を検出する温度センサと、
この温度センサが検出する温度に基づいて、前記上流側信号入力経路及び下流側信号入力経路から入力される前記検出信号の位相差誤差を補正する補正部と、
を備えることを特徴とするコリオリ質量流量計。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明であって、
前記上流側信号入力経路及び下流側信号入力経路から入力される前記検出信号に基づいて、前記検出信号の位相差と、流体管の振動周波数を出力する信号処理部を有し、
前記補正部は、前記温度センサが検出する温度と前記振動周波数に基づいて、前記位相差誤差を補正することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明であって、
前記上流側信号入力経路及び下流側信号入力経路の温度に対する前記位相差誤差の補正値を格納する補正テーブルを有し、
前記補正部は、前記温度センサが検出する温度をキーとして、前記補正テーブルを検索して前記補正値を取得し、この補正値に基づいて前記位相差誤差を補正することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項2記載の発明であって、
前記上流側信号入力経路及び下流側信号入力経路の温度と、流体管の振動周波数とに対する前記位相差誤差の補正値を格納する補正テーブルを有し、
前記補正部は、前記温度センサが検出する温度と、前記信号処理部が出力する流体管の振動周波数をキーとして、前記補正テーブルを検索して前記補正値を取得し、この補正値に基づいて前記位相差誤差を補正することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項3記載の発明であって、
自身が2つの状態を選択的に取り、自身が一方の状態のときに、前記第1及び第2の振動検出器のうちいずれか一方が出力する検出信号を前記上流側信号入力経路及び下流側信号入力経路の両方に出力し、自身が他方の状態のときに、前記第1及び第2の振動検出器の検出信号をそれぞれ前記上流側信号入力経路及び下流側信号入力経路に出力する入力切替回路を備え、
前記入力切替回路が一方の状態のときには、前記信号処理部が、前記検出信号の位相差を前記温度センサが検出する温度における補正値として前記補正テーブルに記憶させ、前記入力切替回路が他方の状態ときには、前記補正部が、前記温度センサが検出する温度をキーとして前記補正テーブルを検索し前記補正値を取得し、この補正値に基づいて前記位相差誤差を補正することを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項4記載の発明であって、
前記入力切替回路が一方の状態のときには、前記信号処理部が、前記検出信号の位相差を前記温度センサが検出する温度と前記信号処理部が出力する流体管の振動周波数とに対する前記補正値として前記補正テーブルに記憶させ、前記切替回路が他方の状態ときには、前記補正部が、前記温度センサが検出する温度と、前記信号処理部が出力する流体管の振動周波数をキーとして前記補正テーブルを検索し前記補正値を取得し、この補正値に基づいて前記位相差誤差を補正することを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項3〜6のいずれかに記載の発明であって、
前記補正テーブルには、予め求められた前記補正値が書き込み自在であることを特徴とする。
本発明によれば、流体管の上流側と下流側に設置した振動検出器が、流体管の振動を検出してそれぞれ上流側信号入力経路及び下流側信号入力経路に出力し、温度センサが上流側信号入力経路及び下流側信号入力経路の温度を検出し、この温度に基づいて、前記上流側信号入力経路及び下流側信号入力経路から入力される前記検出信号の位相差誤差を補正するので、位相差誤差を補正する補正値取得のための中断がなく、リアルタイムに精度の高い質量流量の測定を可能とするコリオリ質量流量計を実現することができる。
本発明の一実施例の構成図である。 図1に示す装置の動作のフローチャートを示した図である。 従来のコリオリ質量流量計の例を示した構成図である。 図3に示す装置の動作のフローチャートを示した図である。
以下本発明を、図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例を示した構成図である。ここで、流体管1と、振動検出器2,3と、アンプ41,44と、ローパスフィルタ42,45、入力切替回路43と、AD変換器5とは、図3と同一構成であるので説明を省略する。
アンプ41とローパスフィルタ42とにより上流側信号入力経路46を形成し、アンプ44とローパスフィルタ45とにより下流側信号入力経路47を形成する。また、上流側信号入力経路46と下流側信号入力経路47と入力切替回路43は、これらが実装されるプリント基板とともに入力経路部8を形成する。
温度センサ81は、入力経路部8に取り付けられ、入力経路部8の回路温度を検出しアナログ電気信号として出力する。
AD変換器9は、温度センサ81の出力をアナログデジタル変換し出力する。信号処理部10は、AD変換器5,9の出力を入力し、入力切替回路43の接続状態に応じて、振動検出器2,3間の位相差Dまたは入力回路誤差Cを出力するとともに、流体管1が振動する周波数Fと、回路温度Tとを出力する。
テーブル手段11は、信号処理部10から出力される、入力回路誤差Cと、周波数Fと、回路温度Tとをパラメータとする補正テーブルを作成する。この補正テーブルは、周波数Fと回路温度Tとが入力されると、それらに組みに対応する入力回路誤差Cを出力する。
スイッチ12は、信号処理部10の指示により、信号処理部10とテーブル手段11とのいずれかから、入力回路誤差Cを入力し、出力する。
補正器13は、信号処理部10から位相差Dを、スイッチから入力回路誤差Cを入力し、これら位相差Dと入力回路誤差Cとに基づいて補正済位相差D’を出力する。
図示しない制御部は、補正器13が出力する補正済位相差D’と、信号処理部10が出力する周波数Fとを入力し、流体管1に流れる流体の質量流量を測定する。
このような、コリオリ質量流量計の動作例を、図2も追加して用いて説明する。図2は本発明によるコリオリ質量流量計の動作のフローチャートを示した図である。動作ステップは、S11〜S19であり、補正値取得プロセスと通常測定プロセスからなる。
(補正値取得プロセス)
S11:信号処理部10の指示により、入力切替回路43は振動検出器2と接続され、補正値を取得するための回路接続となる。
S12:図示しない温度調整機器により、入力経路部8の回路温度Tを、定められた値(初期値)に調整する。
S13:図示しない励振装置により、流体管1が振動する周波数Fを、定められた値(初期値)となるよう調整する。
S14:流体管1の振動は、振動検出器2によってアナログ電気信号として出力される。入力切替回路43は、振動検出器2と接続されており、ローパスフィルタ42とローパスフィルタ45との出力信号の位相差は、回路温度Tおよび周波数Fにおける入力経路部8の経路による誤差となる。信号処理部10は、この誤差に基づいて入力回路誤差補正値Cを求め、出力する。
テーブル手段11は、信号処理部10から出力される入力回路誤差Cと、周波数Fと、回路温度Tとをパラメータとする補正テーブルを作成する。テーブル手段11は、周波数Fと回路温度Tとが入力されると、それらに対応する入力回路誤差Cを補正テーブルから検索し、出力する。
S15:励振装置により、流体管1が振動する周波数Fを、定められた値だけ変化させる。
L11:周波数Fが定められた最終値に達するまで、(S14〜S15)を繰り返す。
S16:温度調節機器により、回路温度Tを、定められた値だけ変化させる。
L12:回路温度Tが定められた最終値に達するまで、(S14〜S16)を繰り返す。
補正値取得プロセスの実行が終了した時点で、定められた回路温度Tと周波数Fに対する入力回路誤差Cの補正テーブルが完成する。
(通常測定プロセス)
S17:信号処理部10の指示により、入力切替回路43を振動検出器3と接続され、通常測定を行うための通常測定回路接続となる。また、スイッチ12はテーブル手段と接続される。
S18:励振装置により加振された流体管1の振動は、振動検出器2,3によってアナログ電気信号として出力される。
アンプ41は、上流側に取り付けられた振動検出器2からの出力を入力する。ローパスフィルタ42は、アンプ41からの出力を入力し、高周波部分をカットして出力する。
入力切替回路43は、振動検出器3と接続されているので、アンプ44は、入力切替回路43を介して、振動検出器3の出力を入力する。ローパスフィルタ45は、アンプ44からの出力を入力し、高周波部分をカットして出力する。AD変換器5は、上流側のローパスフィルタ42と下流側のローパスフィルタ45との出力を入力し、アナログデジタル変換して出力する。
温度センサ81が入力経路部8の温度をアナログ電気信号として検出し、AD変換器9によりアナログデジタル変換を行い出力する。
信号処理部10は、AD変換器5,9の出力を入力し、振動検出器2,3の出力信号の位相差D、流体管1の振動周波数F、回路温度Tおよびを出力する。
テーブル手段11は、信号処理部10が出力する回路温度Tおよび周波数Fをキーとして自己の補正テーブルを検索し、対応する入力回路誤差補正値Cを出力する。
テーブル手段11が出力する入力回路誤差補正値Cは、スイッチ12へ入力される。
補正器13は、信号処理部10が出力する位相差Dと、スイッチ12が出力する入力回路誤差補正値Cと、に基づいて、補正済位相差D’を出力する。
図示しない制御部は、補正器13が出力する補正済位相差D’と、信号処理部10が出力する周波数Fとを入力し、流体管に流れる流体の質量流量を測定する。
S19:測定を継続する場合、(S18)に移行する。
L13:測定を終了するまで、(S18〜S19)のサイクルを繰り返す。
補正値取得プロセス(S11〜S16)により補正値測定をした後、以降の通常測定プロセス(S18〜S19)では補正値取得プロセスを介すことなく通常測定を連続して行うことができ、入力経路部8の回路温度Tおよび周波数Fに依存する誤差をリアルタイムで補正可能である。
このように、振動検出器2と振動検出器3が流体管1の振動を検出し、温度センサ81が入力経路の回路温度Tを検出し、入力切替回路43は自身がON状態のとき振動検出器2の電気信号を上流側信号入力経路46と下流側信号入力経路47の双方に入力し、信号処理部10は、上流側信号入力経路46と下流側信号入力経路47が出力する電気信号に基づいて入力経路部8による誤差を補正する入力回路誤差補正値Cと、流体管1が振動する周波数Fと、を出力し、テーブル手段11が、回路温度T、周波数Fをキーとして入力回路誤差補正値Cを検索可能な補正テーブルを作成し、また、入力切替回路43は自身がOFF状態のとき振動検出器2と振動検出器3の電気信号をそれぞれ上流側信号入力経路46と下流側信号入力経路47に入力し、信号処理部10が上流側信号入力経路46と下流側信号入力経路47が出力する電気信号に基づいて位相差Dと周波数Fを出力し、テーブル手段11が回路温度Tと周波数Fをキーとして補正テーブルを検索して入力回路誤差補正値Cを出力し、補正器13が位相差Dと入力回路誤差補正値Cに基づいて補正済位相差D’を出力するので、以降通常測定において、入力回路誤差補正値Cを取得する期間が不要となり、リアルタイムに精度の高い質量流量の測定を可能とするコリオリ質量流量計を実現することができる。
なお、補正テーブルは、書き込み自在であり、予め補正値入力回路誤差補正値Cを求め、工場出荷時等に書き込んでおいてもよい。また、テーブル手段11は、回路温度Tのみをキーとして入力回路誤差補正値Cを検索可能な補正テーブルを作成してもよい。
入力切替手段は、ON状態のとき振動検出器3の電気信号を上流側信号入力経路46と下流側信号入力経路47の双方に入力し、OFF状態のとき、振動検出器2と振動検出器3の電気信号をそれぞれ上流側信号入力経路46と下流側信号入力経路47に入力する構成でもよい。
2,3 振動検出器
43 入力切替回路
46 上流側信号入力経路
47 下流側信号入力経路
8 入力経路部
81 温度センサ
10 信号処理部
11 テーブル手段
13 補正器

Claims (7)

  1. 被測定流体が流れる流体管を振動させ、この流体管の上流側と下流側で生じる振動を第1及び第2の振動検出器でそれぞれ検出し、前記第1及び第2の振動検出器の検出信号の位相差に基づいて前記被測定流体の流量を算出するコリオリ質量流量計において、
    前記前記第1及び第2の振動検出器から検出信号がそれぞれ入力される上流側信号入力経路及び下流側信号入力経路の温度を検出する温度センサと、
    この温度センサが検出する温度に基づいて、前記上流側信号入力経路及び下流側信号入力経路から入力される前記検出信号の位相差誤差を補正する補正部と、
    を備えることを特徴とするコリオリ質量流量計。
  2. 前記上流側信号入力経路及び下流側信号入力経路から入力される前記検出信号に基づいて、前記検出信号の位相差と、流体管の振動周波数を出力する信号処理部を有し、
    前記補正部は、前記温度センサが検出する温度と前記振動周波数に基づいて、前記位相差誤差を補正することを特徴とする請求項1記載のコリオリ質量流量計。
  3. 前記上流側信号入力経路及び下流側信号入力経路の温度に対する前記位相差誤差の補正値を格納する補正テーブルを有し、
    前記補正部は、前記温度センサが検出する温度をキーとして、前記補正テーブルを検索して前記補正値を取得し、この補正値に基づいて前記位相差誤差を補正することを特徴とする請求項1記載のコリオリ質量流量計。
  4. 前記上流側信号入力経路及び下流側信号入力経路の温度と、流体管の振動周波数とに対する前記位相差誤差の補正値を格納する補正テーブルを有し、
    前記補正部は、前記温度センサが検出する温度と、前記信号処理部が出力する流体管の振動周波数をキーとして、前記補正テーブルを検索して前記補正値を取得し、この補正値に基づいて前記位相差誤差を補正することを特徴とする請求項2記載のコリオリ質量流量計。
  5. 自身が2つの状態を選択的に取り、自身が一方の状態のときに、前記第1及び第2の振動検出器のうちいずれか一方が出力する検出信号を前記上流側信号入力経路及び下流側信号入力経路の両方に出力し、自身が他方の状態のときに、前記第1及び第2の振動検出器の検出信号をそれぞれ前記上流側信号入力経路及び下流側信号入力経路に出力する入力切替回路を備え、
    前記入力切替回路が一方の状態のときには、前記信号処理部が、前記検出信号の位相差を前記温度センサが検出する温度における補正値として前記補正テーブルに記憶させ、前記入力切替回路が他方の状態ときには、前記補正部が、前記温度センサが検出する温度をキーとして前記補正テーブルを検索し前記補正値を取得し、この補正値に基づいて前記位相差誤差を補正することを特徴とする請求項3記載のコリオリ質量流量計。
  6. 前記入力切替回路が一方の状態のときには、前記信号処理部が、前記検出信号の位相差を前記温度センサが検出する温度と前記信号処理部が出力する流体管の振動周波数とに対する前記補正値として前記補正テーブルに記憶させ、前記切替回路が他方の状態ときには、前記補正部が、前記温度センサが検出する温度と、前記信号処理部が出力する流体管の振動周波数をキーとして前記補正テーブルを検索し前記補正値を取得し、この補正値に基づいて前記位相差誤差を補正することを特徴とする請求項4記載のコリオリ質量流量計。
  7. 前記補正テーブルには、予め求められた前記補正値が書き込み自在であることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載のコリオリ質量流量計。
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