JP5097751B2 - コンタクトレンズの洗浄方法 - Google Patents
コンタクトレンズの洗浄方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5097751B2 JP5097751B2 JP2009152129A JP2009152129A JP5097751B2 JP 5097751 B2 JP5097751 B2 JP 5097751B2 JP 2009152129 A JP2009152129 A JP 2009152129A JP 2009152129 A JP2009152129 A JP 2009152129A JP 5097751 B2 JP5097751 B2 JP 5097751B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cleaning
- ozone
- contact lens
- cleaning liquid
- aeration
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Eyeglasses (AREA)
- Detergent Compositions (AREA)
Description
このような、中和操作の煩雑さを解消する方法として、現在では、マルチパーパスソルーション(MPS)と呼ばれる洗浄剤を用いたコンタクトレンズの洗浄殺菌が、一般的に行われている。MPSは、コンタクトレンズの汚れ除去、殺菌、保存を一液で行える洗浄剤である。MPSには、殺菌成分としてポリヘキサメチレンビグアニド、ポリクワテリウム等が含まれている。これらの殺菌成分は、コンタクトレンズがシリコンハイドロゲルを含む場合、コンタクトレンズに吸着してしまう。このため、上述したベンザルコニウム塩化物と同様に、適用できるコンタクトレンズの種類が限られる。
また、水にオゾンが溶解されたオゾン水をコンタクトレンズに接触させるコンタクトレンズの洗浄方法が提案されている(例えば、特許文献3)。あるいは、塩水中にコンタクトレンズを浸漬し、該塩水にオゾンを曝気するコンタクトレンズの洗浄方法が提案されている(例えば、特許文献4)。
また、近年では、オゾンの殺菌効果の向上を図ることを目的とし、特定の動的表面張力を備える化合物の存在下に、オゾン処理を行う殺菌方法が提案されている(例えば、特許文献5、6)。
そこで、本発明は、あらゆる種類のコンタクトレンズに適用でき、簡便で洗浄効果の高いコンタクトレンズの洗浄方法及びこれに用いる洗浄助剤を目的とする。
コンタクトレンズ洗浄用の洗浄助剤(以下、単に洗浄助剤ということがある)は、テルペノイドを含有するものである。
洗浄助剤の剤形は、特に限定されず、例えば、水溶液等の液体状、錠剤、顆粒、粉体等の固体状のいずれであってもよい。
テルペノイドは、特に限定されないが、例えば、メントール(l−メントール、dl−メントール)、カンフル(dl−カンフル、d−カンフル)、ボルネオール(d−ボルネオール、リュウノウ)、ゲラニオール、シネオール及びリナロール等が好ましく使用される。また、テルペノイドを含有する精油を用いてもよい。テルペノイドを含有する精油としては、例えば、ユーカリ油、ベルガモット油、ウイキョウ油、ローズ油、ハッカ油、ペパーミント油、スペアミント油、フタバガキ科植物の精油、ロズマリン油及びラベンダー油等が挙げられる。これらのテルペノイド(テルペノイドを含有する精油を含む。)は、1種単独又は2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
テルペノイドとしては、以下の市販品を好適に使用することができる。例えば、高砂香料工業株式会社製のl−メントール、dl−メントール、d−カンフル、dl−カンフル、d−ボルネオール、dl−ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、リナロール、ユーカリ油、ベルガモット油、ウイキョウ油、ローズ油、ハッカ油、藤沢薬品工業株式会社製のd−ボルネオール、dl−ボルネオール、小城製薬株式会社製のd−ボルネオール、dl−ボルネオール等の市販品が挙げられる。上記テルペノイドの中でもメント−ル(l−メント−ル、dl−メントール)、カンフル(dl−カンフル、d−カンフル)、ボルネオール(d―ボルネオール、リュウノウ)、ゲラニオール、シネオール、リナロールがより好ましく、メントールがさらに好ましい。
洗浄助剤には、トロメタモール及び/又はホウ酸を配合することができる。トロメタモール又はホウ酸を配合することで、洗浄助剤及び洗浄液60の防腐効果が高まる。加えて、トロメタモールとホウ酸を併用することで、防腐効果をさらに高めることができる。洗浄液60は、防腐効果が高まることで、洗浄した後のコンタクトレンズ52の保存液として好適に用いることができる。
トロメタモール(2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール)は、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンとも呼ばれる。
洗浄助剤中のトロメタモール及び/又はホウ酸の配合量は、洗浄液60中の洗浄助剤の含有量を勘案して決定できる。トロメタモール及び/又はホウ酸は、洗浄液60中の含有量が好ましくは0.001〜10w/v%、より好ましくは0.01〜5w/v%、さらに好ましくは0.05〜2w/v%、特に好ましくは0.1〜1w/v%となるように、洗浄助剤に配合する。上記範囲内であれば、洗浄液60の防腐効果を高めることができる。
洗浄助剤には、界面活性剤を配合することができる。界面活性剤を配合することで、コンタクトレンズ52の洗浄効果をより高めることができる。
界面活性剤は、従来、コンタクトレンズの洗浄等を目的として用いられるものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレン硬化ヒマシ油60、ポリエチレン硬化ヒマシ油50、ポリエチレン硬化ヒマシ油40、ポリソルベート80、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマー等のノニオン界面活性が挙げられ、中でもポリエチレン硬化ヒマシ油60、ポリエチレン硬化ヒマシ油50、ポリエチレン硬化ヒマシ油40、ポリソルベート80、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマーから選択される1種以上が好ましい。
本発明の洗浄助剤には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じ、水溶性高分子化合物、緩衝剤、抗酸化剤、等張化剤、溶解補助剤、pH調整剤、薬剤成分等を任意成分として配合することができる。
洗浄助剤中の水溶性高分子の配合量は、水溶性高分子化合物の種類と洗浄液60中の洗浄助剤の含有量を勘案して決定できる。水溶性高分子化合物がヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸ナトリウムである場合には、洗浄液60中の水溶性高分子化合物の含有量が、好ましくは0.001〜10w/v%、より好ましくは0.002〜5w/v%、さらに好ましくは0.005〜2w/v%、特に好ましくは0.01〜1w/v%となるように、水溶性高分子化合物を洗浄助剤に配合する。水溶性高分子化合物がメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンである場合には、洗浄液60中の水溶性高分子化合物の含有量が、好ましくは0.0001〜20w/v%、より好ましくは0.001〜10w/v%、さらに好ましくは0.005〜5w/v%、特に好ましくは0.01〜5w/v%、より有効には0.1〜2w/v%となるように、水溶性高分子化合物を洗浄助剤に配合する。
溶解補助剤としては、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられるが、好ましくはプロピレングリコールを使用すると安定性が特に良好である。洗浄助剤中の溶解補助剤の配合量は、洗浄液60中の洗浄助剤の含有量を勘案して決定できる。例えば、洗浄液60中の溶解助剤の含有量が、好ましくは0.01〜5w/v%、より好ましくは0.05〜3w/v%となるように洗浄助剤に配合する。
pH調整剤としては、無機酸又は無機アルカリ剤を使用することが好ましい。酸成分としては塩酸が好ましく挙げられる。塩基成分としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。好ましくは、水酸化ナトリウムを用いる。
ピント調節成分としては、コリンエステラーゼ阻害剤、具体的にはメチル硫酸ネオスチグミン、トロピカミド、ヘレニエン硫酸アトロピン等が挙げられる。
抗炎症成分としては、リゾチーム塩酸塩、プラノプロフェン、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、アラントイン、イプシロン−アミノカプロン酸、インドメタシン、硝酸銀、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸アンモニウム、ジクロフェナクナトリウム、ブロムフェナクナトリウム、塩化ベルベリン、硫酸ベルベリン、ピロキシカム等が挙げられる。
ビタミン類としては、ビタミンA類(ビタミンA、ビタミンAエステル(例えばパルミチン酸レチノール、酢酸レチノール等の脂肪酸エステル)等)、塩酸ピリドキシン、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、リン酸ピリドキサール、パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、アスコルビン酸、酢酸トコフェロール、塩酸ヒドロキソコバラミン、酢酸ヒドロキソコバラミン等が挙げられる。
洗浄助剤中のビタミンB12の配合量は、洗浄液60中の洗浄助剤の含有量を勘案して決定でき、例えば、洗浄液60中に好ましくは0.001〜0.05w/v%、より好ましくは0.002〜0.03w/v%、さらに好ましくは0.003〜0.02w/v%、特に好ましくは0.004〜0.01w/v%となるように、洗浄助剤中に配合する。0.001w/v%未満であると殺菌・洗浄終了前に退色したり、退色の視認性がよくない。0.05w/v%を超えると、変色に必要なオゾンの消費量が増え、洗浄効率がよくない。
糖類としては、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、リボース、アロース、リブロース、アラビノース、キシロース、リキソース、デオキシリボース、マルトース、トレハロース、スクロース、セロビオース、グルコビオース、ビシアノース、ルチノース、ラクトース、プルラン、ラクツロース、ラフィノース、マルチトール、スタキオース等が挙げられる。
多糖類としては、アラビアゴム、カラヤガム、キサンタンガム、キャロブガム、グアーガム、グアヤク脂、クインスシード、ダルマンガム、トラガント、ベンゾインゴム、ローカストビーンガム、カゼイン、寒天、アルギン酸、デキストリン、デキストラン、ガラギーナン、ゼラチン、コラーゲン、ペクチン、デンプン、ポリガラクツロン酸、キチン及びその誘導体、キトサン及びその誘導体、エラスチン、ヘパリン、ヘパリノイド、ヘパリン硫酸、ヘパラン硫酸、セラミド、ポリビニルアルコール(完全、又は部分ケン化物)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメタアクリレート、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレンイミン、リボ核酸、デオキシリボ核酸等、及びその薬学上許容される塩類等が挙げられる。
セルロース又はその誘導体又はそれらの塩としては、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ニトロセルロース等が挙げられる。
ステロイド成分としては、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、フルオロメトロン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロキシメステロン、カプロン酸ヒドロコルチゾン、カプロン酸プレドニゾロン、酢酸コルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酢酸プレドニゾロン、デキサメタゾンメタスルホベンゾエートナトリウム、デキサメタゾン硫酸ナトリウム、デキサメタゾンリン酸ナトリウム、トリアムシノロンアセトニド、ベタメタゾンリン酸ナトリウム、メタスルホ安息香酸デキサメタゾンナトリウム、メチルプレドニゾロン等が挙げられる。
緑内障治療成分としては、イソプロピルウノプロストン、エピネフリン、塩酸アプラクロニジン、塩酸カルテオロール、塩酸ジピベフリン、塩酸ドルゾラミド、塩酸ピロカルピン、塩酸ブナゾシン、塩酸ブプラノロール、塩酸ベタキソロール、塩酸ベフノロール、カルバコール、塩酸レボブノロール、ジピバル酸エピネフリン、臭化ジスチグミン、ニプラジロール、マレイン酸チモロール、ラタノプロスト等が挙げられる。
白内障治療成分としては、グルタチオン、ピレノキシン、5,12−ジヒドロアザペンタセンジスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
これらの薬剤成分は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
本発明のコンタクトレンズの洗浄方法(以下、単に洗浄方法ということがある)は、洗浄助剤を含有する洗浄液中に、オゾンを曝気してコンタクトレンズを洗浄するものである。本発明のコンタクトレンズの洗浄方法の一例について、以下に図面を用いて説明する。
図1は、本発明のコンタクトレンズの洗浄方法に用いる洗浄装置10を示す模式図である。洗浄装置10は、オゾン発生器20とポンプ30と曝気容器40とが、筐体12内に収容されたものである。曝気容器40は、略円筒形の有底筒状の本体部44と、蓋部42とで概略構成されている。曝気容器40は、蓋部42が筐体12から露出するように、筐体12に設けられている。曝気容器40内には、蓋部42から吊着されたレンズ支持部50と、散気部46とが設けられている。オゾン発生器20は、第一のオゾン流通管32によりポンプ30と接続されている。ポンプ30には、第二のオゾン流通管34が接続されている。第二のオゾン流通管34は、曝気容器40内に設けられた散気部46と接続されている。
まず、レンズ支持部50にコンタクトレンズ52を入れる。次いで、コンタクトレンズ52が浸かるのに十分な量の洗浄液60を曝気容器40に入れる。オゾン発生器20とポンプ30を起動する。起動されたオゾン発生器20は、空気を取り込み、空気中の酸素の一部をオゾンとし、オゾン含有ガスを発生させる。ポンプ30を起動する。発生したオゾン含有ガスは、第一のオゾン流通管32、ポンプ30、第二のオゾン流通管34とを順に流通し、散気部46に供給される。そして、オゾン含有ガスは、散気部46から微細な気泡となって洗浄液60内に供給される。コンタクトレンズ52は、洗浄液60に供給されたオゾン含有ガスにより曝気される(曝気処理)。この間、オゾン含有ガス中のオゾンは、コンタクトレンズ52に付着した微生物や、タンパク質等の有機汚れを酸化分解する。任意の時間、曝気処理を行った後、オゾン発生器20又はポンプ30を停止して、曝気処理を終了する。こうして、コンタクトレンズ52は、洗浄される。洗浄後、コンタクトレンズ52は、洗浄液60に浸漬された状態で保存される。
洗浄液60中の洗浄助剤の含有量は、洗浄液60中のテルペノイドの濃度、洗浄液60の動的表面張力等を勘案して決定でき、例えば、0.001〜100w/v%の範囲で決定できる。好ましくは、洗浄液60中のテルペノイドの濃度が、0.001〜0.04w/v%となるように、洗浄液60が洗浄助剤を含有することが好ましい。
洗浄液60に用いる水は、洗浄助剤の溶媒として用いる水と同様である。
動的表面張力について、水中に気体を送り込む際の気泡の形成過程を挙げて説明する。例えば、水中に斜めに差し込んだストローを介して気体を供給していくと、まず、ストローの先端から半球状の界面(水と気体との界面)が形成される。このとき、界面には界面を戻そうとする力(表面張力)と、気体による浮力とが働いている。界面内の気体の量が多くなるにつれて、浮力も大きくなる。表面張力よりも浮力の方が大きくなると、半球状の界面がストロー先端から離れて、気泡が形成され、該気泡は水面に向かって上昇する。このような気泡の形成が繰り返されると、水面に気泡が集まり、そして泡沫が形成される。
気泡の界面は、不安定な状態であるが、気泡となった後(気体の供給が止まった後)、その界面は経時的に安定化していく。そして、表面張力は、この安定化に伴って次第に低下し、一定の値(平衡値)となる。
このように、気泡の界面が形成されてから表面張力が平衡値に達するまで(界面が安定な状態になるまで)の表面張力を動的表面張力といい、動的表面張力は測定時間毎に変化する。
かかる気泡の形成において、表面張力よりも浮力の方が大きくなる時点の気体の供給量が少ないほど、気泡は小さくなり浮力も小さくなる。つまり、この時点での表面張力も小さくなる。その後の動的表面張力は、次第に小さくなっていくが、その変化は液体の成分によって異なる。
また、平衡値が小さいほど、気泡や泡沫の安定性が高く、壊れにくい傾向があり、逆に平衡値が大きいほど、気泡や泡沫の安定性が低く、壊れやすい傾向がある。
従って、洗浄助剤を添加し洗浄液60の動的表面張力を調整することで、オゾン曝気により洗浄液60中に生じる気泡について、このような特性を制御できる。
100ミリ秒動的表面張力とは、気体の供給を開始した時点を0とし、その時点から100ミリ秒後の動的表面張力である。即ち、上記のストローから気体を送り込む例において、ストローへの気体の供給を開始してから100ミリ秒後の動的表面張力である。
なお、100ミリ秒動的表面張力(25℃)は、市販の動的表面張力計、例えば、シータt60(商品名、英弘精機株式会社製)等を用いて測定できる。
ここで、オゾンを洗浄に利用する場合には、オゾンを水に溶解したオゾン水を用いるのが一般的である。このようなオゾン水を利用する場合には、オゾン水を調製する際、水に溶解しきれなかったオゾンを廃棄することとなり無駄が多くなる。本発明は、オゾン含有ガスを洗浄液に供給して曝気するため、オゾンの有効利用が図れる。加えて、余剰のオゾンを還元等により無害化する作業も生じず、簡便にコンタクトレンズを洗浄できる。
また、上述の実施形態では蓋部42には通気孔が設けられているが、蓋部42には通気孔が設けられていなくてもよい。蓋部42に通気孔が設けられていない場合、曝気処理は、蓋部42を外して行うことが好ましい。
なお、曝気処理中の洗浄液の二次汚染を防止する観点からは、蓋部42には通気孔が設けられ、該通気孔には微細孔フィルターや逆止弁等が設けられていることが好ましい。
(使用原料)
実施例又は比較例に用いた使用原料を以下に示す。
[テルペノイド]
l−メントール:鈴木薄荷株式会社製
dl−カンフル:宮澤薬品株式会社製
dl−ボルネオール:小城製薬株式会社
ゲラニオール:高砂香料工業株式会社製
シネオール:高砂香料工業株式会社製
リナロール:高砂香料工業株式会社製
トロメタモール:関東化学株式会社製
ホウ酸:小堺製薬株式会社製
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60:日本サーファクタント工業株式会社製
ポリソルベート80:花王株式会社製
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール:ブルロニックF127、BASFジャパン株式会社製
コンタクトレンズB:ボシュロムピュアビジョン(商品名)、シリコンハイドロゲル含有素材、ボシュロム・ジャパン株式会社製
コンタクトレンズC:O2オプティクス(商品名)、シリコンハイドロゲル含有素材、チバビジョン株式会社製
緩衝剤:リン酸緩衝液(リン酸二水素ナトリウム二水和物0.22質量%、リン酸水素ナトリウム十二水和物1.2質量%含有)
pH調整剤:希塩酸又は水酸化ナトリウム、小堺製薬株式会社製
ヒプロメロース:ヒドロキシプロピルメチルセルロース60SH−50、信越化学株式会社製
ポリビニルピロリドン:ポビドンK90、BASFジャパン株式会社製
ヒアルロン酸ナトリウム:バイオヒアルロン酸(SZE)、株式会社資生堂製
コンドロイチン硫酸ナトリウム:局外規コンドロイチン硫酸ナトリウム、株式会社マルハニチロ食品製
表1〜5の組成に従い、所定量の各成分をビーカーに投入しスターラーで攪拌することで液体状の洗浄助剤を得た。得られた洗浄助剤は希釈せずに洗浄液とし、該洗浄液について100ミリ秒動的表面張力の測定、殺菌試験、除汚試験及び装用試験をした。これらの結果を表1〜5に示す。
100ミリ秒表面張力(25℃)は、動的表面張力計(商品名:シータt60、英弘精機株式会社製)を用いて測定した。
コンタクトレンズA、コンタクトレンズBの凹面に、黄色ブドウ球菌の菌液を3.4×105CFU/レンズとなるように接種した。菌液を接種したコンタクトレンズA及びBを1時間室温で放置し乾燥し、殺菌試験用コンタクトレンズとした。
コンタクトレンズAを5mLのモデルタンパク汚れ液に、37℃で1時間浸漬して除汚試験用コンタクトレンズとした。各例の洗浄液80mLに、除汚試験用コンタクトレンズを浸漬し、オゾン含有ガス(オゾン濃度:0.001体積%、曝気量80mL/min)で1時間曝気処理した。曝気処理後、除汚試験用コンタクトレンズAを洗浄液から取り出し、ニンヒドリン溶液に30秒間浸漬した後、プラスチック製シャーレに置き、60℃で20分間乾燥した。一方で、コンタクトレンズAをモデルタンパク汚れ液に浸漬せず、ニンヒドリン溶液に浸漬したブランクを用意した。加えて、除汚試験用コンタクトレンズを洗浄せず、ニンヒドリン溶液に浸漬したコントロールを用意した。前記ブランクを下記評価基準の5点、前記コントロールを下記評価基準の1点とし、染色後の除汚試験用コンタクトレンズについて、着色(紫色)の程度を下記評価基準に従い、目視で5段階評価した。各例あたり、除汚試験用コンタクトレンズを5枚用意し、5枚の平均点を求めた。
なお、モデルタンパク汚れ液は、卵白リゾチウム(和光純薬工業株式会社製)0.12g、塩化ナトリウム0.9g、リン酸水素二ナトリウム0.045gをイオン交換水100mLに溶解後、希塩酸でpH7に調整したものである。ニンヒドリン溶液は、ニンヒドリン2g、塩化ナトリウム0.9gを水に溶解し、100mLとしたものである。
5点:紫色の着色は認められない(着色の程度はブランクと同等である)
4点:ほとんど着色されていない
3点:わずかに着色が認められる
2点:明らかに着色が認められる
1点:濃い紫色に着色されている(着色の程度はコントロールと同等である)
コンタクトレンズB、コンタクトレンズCをそれぞれ各例の洗浄液80mLに浸漬し、オゾン含有ガス(オゾン濃度:0.002体積%、曝気量80mL/min)で24時間曝気処理した。曝気処理後のコンタクレンズB、Cをウサギの眼に装用した。装用2時間後に、フルオレセインで角膜を染色し、フルオレセインによる着色の程度を下記評価基準に従い、目視で5段階評価した。同様の試験を2回行い、その平均点を求めた。平均点が高いほど、角膜損傷の程度が高いことを示す。
4点:角膜全体の面積の2/3以上に着色が認められる
3点:角膜全体の面積の1/3以上2/3未満に着色が認められる
2点:明確な着色が認められるが、角膜全体の面積の1/3未満である
1点:着色がわずかに認められる
0点:角膜に着色は認められない
MPS−A(商品名:コンプリートダブルモイスト、エイエムオー・ジャパン株式会社製)80mLに殺菌試験用コンタクトレンズを1時間浸漬した以外は、実施例1と同様にして殺菌試験を行った。また、MPS−A80mLに除汚試験用コンタクトレンズを1時間浸漬し、オゾン含有ガスを曝気しない以外は、実施例1と同様にして除汚試験を行った。これらの結果を表6に示す。
過酸化水素型洗浄液A(商品名:AOセプト、チバビジョン株式会社製)80mLに殺菌試験用コンタクトレンズを1時間浸漬し、オゾン含有ガスを曝気しない以外は、実施例1と同様にして殺菌試験を行った。また、過酸化水素型洗浄液A80mLに除汚試験用コンタクトレンズを1時間浸漬し、オゾン含有ガスを曝気しない以外は、実施例1と同様にして除汚試験を行った。また、過酸化水素型洗浄液A10mLに、曝気処理を行わずに24時間浸漬した以外は、実施例1と同様にして装用試験を行った。これらの結果を表6に示す。
MPS−B(商品名:レニューマルチプラス、ボシュロム・ジャパン株式会社製)10mLに、曝気処理を行わずに24時間浸漬した以外は、実施例1と同様にして装用試験を行った。これらの結果を表6に示す。
また、テルペノイドを含有する洗浄液を用い、曝気処理した実施例1〜38は、除汚試験の結果が3.8以上であった。これに対し、比較例1、2の洗浄効果の結果は、1.2であった。このことから、テルペノイドを含有する洗浄液を用い、曝気処理することで、コンタクトレンズの汚れ除去及び殺菌効果が高まることが判った。加えて、実施例1〜38の装用試験の結果は0であった。このことから、本発明のコンタクトレンズの洗浄方法によれば、中和等の煩雑な操作をすることなく、装用できることが判った。
また、実施例1〜38の装用試験の結果がいずれも「0」であることから、本発明の洗浄方法は、中和等の作業を伴うことなく洗浄助剤又は洗浄液を保存液として利用できることが判った。
20 オゾン発生器
30 ポンプ
40、130、140 曝気容器
Claims (5)
- テルペノイドを含有する洗浄助剤を含有する洗浄液中に、オゾンを曝気してコンタクトレンズを洗浄することを特徴とする、コンタクトレンズの洗浄方法。
- 前記洗浄助剤は、さらに、トロメタモール及び/又はホウ酸を含有することを特徴とする、請求項1に記載のコンタクトレンズの洗浄方法。
- 前記洗浄助剤は、さらに、界面活性剤を含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のコンタクトレンズの洗浄方法。
- 前記洗浄液は、25℃における100ミリ秒動的表面張力が70mN/m以下であること特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンタクトレンズの洗浄方法。
- 前記洗浄液は、テルペノイドを0.001〜0.04w/v%含有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のコンタクトレンズの洗浄方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009152129A JP5097751B2 (ja) | 2009-06-26 | 2009-06-26 | コンタクトレンズの洗浄方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009152129A JP5097751B2 (ja) | 2009-06-26 | 2009-06-26 | コンタクトレンズの洗浄方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011008072A JP2011008072A (ja) | 2011-01-13 |
JP5097751B2 true JP5097751B2 (ja) | 2012-12-12 |
Family
ID=43564807
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009152129A Expired - Fee Related JP5097751B2 (ja) | 2009-06-26 | 2009-06-26 | コンタクトレンズの洗浄方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5097751B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6653123B2 (ja) * | 2014-03-26 | 2020-02-26 | ロート製薬株式会社 | カラーコンタクトレンズ用眼科組成物 |
US10842875B2 (en) | 2015-11-30 | 2020-11-24 | Rohto Pharmaceutical Co., Ltd. | Ophthalmic composition |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000347142A (ja) * | 1999-06-02 | 2000-12-15 | Tomey Corp | コンタクトレンズ用洗浄・保存液剤 |
JP5064114B2 (ja) * | 2000-12-28 | 2012-10-31 | ロート製薬株式会社 | 眼科用組成物 |
JP5090172B2 (ja) * | 2005-10-05 | 2012-12-05 | ライオン株式会社 | オゾン酸化促進剤、オゾン酸化促進剤組成物およびオゾン処理方法 |
JP5085157B2 (ja) * | 2007-02-22 | 2012-11-28 | ライオン株式会社 | オゾン酸化促進剤、オゾン酸化促進剤組成物およびオゾン処理方法 |
-
2009
- 2009-06-26 JP JP2009152129A patent/JP5097751B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2011008072A (ja) | 2011-01-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
AU2003210699B2 (en) | Ophthalmic compositions including oil-in-water emulsions, and methods for making and using the same | |
RU2448736C1 (ru) | Офтальмологическая композиция с амфотерным поверхностно-активным веществом и гиалуроновой кислотой | |
AU2003210699A1 (en) | Ophthalmic compositions including oil-in-water emulsions, and methods for making and using the same | |
JP2006526579A (ja) | 自己乳化組成物、その使用および製造方法 | |
EP2653155A1 (en) | Ophthalmic composition for contact lens | |
ES2469836T3 (es) | Composiciones mucomim�ticas y usos de las mismas | |
EP1416975B1 (en) | Disinfecting and cleansing system for contact lenses | |
ES2393675T3 (es) | Composición conservante para uso oftálmico | |
US20230041788A1 (en) | Ophthalmic compositions comprising d2o | |
JP2014028857A (ja) | メントール類を含有する亜塩素酸類化合物含有水性組成物 | |
TWI586368B (zh) | Waterborne ophthalmic composition | |
JP5097751B2 (ja) | コンタクトレンズの洗浄方法 | |
TW200914068A (en) | N-halogenated amino acid formulations and methods for cleaning and disinfection | |
EP2730292A1 (en) | Aqueous ophthalmic composition | |
JP4981181B1 (ja) | コンタクトレンズ用組成物 | |
JP5379186B2 (ja) | 防腐剤及びこれを含有する水性組成物 | |
JP2009199074A (ja) | ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体およびリン酸化合物を含有する亜塩素酸類化合物含有水性組成物 | |
WO2011086944A1 (ja) | コンタクトレンズ洗浄用有核錠及びそれを含むコンタクトレンズ洗浄用製剤、並びにコンタクトレンズ洗浄方法 | |
JP2010043068A (ja) | 眼科用組成物及びなみだ目改善剤 | |
JP5794977B2 (ja) | アニオン性治療剤を含む水性眼用組成物 | |
JP2012198538A (ja) | コンタクトレンズ用組成物 | |
JP2009175731A (ja) | グリセリンおよびリン酸化合物を含有する亜塩素酸類化合物含有水性組成物 | |
JP4817621B2 (ja) | コンタクトレンズケア方法及び組成物 | |
JP2007513951A (ja) | 医薬品組成物の抗菌活性を増強する有機緩衝剤の使用 | |
EP0883408A1 (en) | Ophthalmologically useful composition, products containing the composition and process for disinfecting and/or cleaning contact lenses |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120213 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120607 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120612 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120803 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120828 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120924 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5097751 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150928 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |