[実施形態]
以下、図面を参照しながら、本実施形態について詳細に説明する。以下の説明において、同一の機能及び構成を有する要素については、同一符号を付し、重複する説明は必要に応じて行う。
(1) 第1の実施形態
図1乃至図5を参照して、第1の実施形態の半導体メモリについて、説明する。
(a) 全体構成例
図1を用いて本実施形態に係る半導体メモリの全体構成例について説明する。
図1に示すように本実施形態に係る半導体メモリは、メモリセルアレイ1、ロウ制御回路群2、カラム制御回路群3、電圧発生回路7、ソース線ドライバ8、データ入出力回路9、制御部10を含んでいる。
ロウ制御回路群2は、メモリセルアレイ1のロウを制御するための複数の回路を含み、例えば、ロウデコーダ20A及びドライバ回路20Bを有している。カラム制御回路群3は、メモリセルアレイ1のカラムを制御するための複数の回路を含み、例えば、センスアンプ回路4及びフェイルビット(fail bit)検知回路5を有している。
本実施形態の半導体メモリは、例えば、NAND型フラッシュメモリである。
メモリセルアレイ1は、複数のブロックBLK0〜BLKsを備える(sは自然数)。ブロックBLK0〜BLKsの各々は、複数のNANDセルユニットNUを備えている。NANDセルユニットNUの各々は、例えば、64個のメモリセルトランジスタMTと、選択トランジスタST1,ST2とを含んでいる。尚、NANDセルユニットNU内のメモリセルトランジスタMTの個数は64個に限られず、128個や256個、512個等であってもよく、その数は限定されるものではない。
複数のメモリセルトランジスタMTは、メモリセルアレイ1内において、ロウ方向及びカラム方向に配列されている。
メモリセルトランジスタMTは、データを不揮発に保持する不揮発性メモリ素子である。メモリセルトランジスタMTは、2値以上のデータを保持可能とする。
例えば、メモリセルトランジスタMTは、電荷蓄積層を有するnチャネルMOSトランジスタである。
メモリセルトランジスタMTの構造は、半導体基板内のソース領域及びドレイン領域間のチャネル領域上に設けられたゲート絶縁膜と、チャネル領域上にゲート絶縁膜を介して形成された電荷蓄積層と、電荷蓄積層上に設けられたゲート間絶縁膜、ゲート間絶縁膜上に設けられた制御ゲートとを有する。
例えば、電荷蓄積層が、導電層(例えば、シリコン層)が用いられた浮遊ゲートである場合、メモリセルトランジスタMTは、浮遊ゲート型の電界効果トランジスタとなる。電荷蓄積層がトラップ準位を含む絶縁層(例えば、窒化シリコン層)である場合、メモリセルトランジスタMTは、MONOS型の電界効果トランジスタとなる。MONOS型のメモリセルトランジスタMTにおいて、ゲート間絶縁膜に電荷蓄積層より誘電率の高い絶縁膜が用いられる。MONOS型のメモリセルトランジスタMTのゲート間絶縁膜は、ブロック絶縁膜ともよばれる。メモリセルトランジスタMTのゲート長(チャネル長又はノード長)は、チップの記憶密度の向上のため、例えば、40nm以下、より好ましくは、32nm以下に設定されている。
メモリセルトランジスタMTの制御ゲートはワード線に電気的に接続され、ドレインはビット線に電気的に接続され、ソースはソース線に電気的に接続されている。
NANDセルユニットNU内のメモリセルトランジスタMTは、隣接するもの同士でソース、ドレインを共有し、複数のメモリセルトランジスタMTは、その電流経路が直列接続される。NANDセルユニットNU内において、電流経路が直列接続された複数のメモリセルトランジスタMTの集合のことを、NANDストリングともよぶ。
NANDストリングは、2つの選択トランジスタST1,ST2間に配置されている。これによって、NANDセルユニットNUが形成される。
直列接続されたメモリセルトランジスタMTの一端(ドレイン側)は選択トランジスタST1のソースに接続され、他端(ソース側)は選択トランジスタST2のドレインに接続されている。NANDセルユニットにおいて、直列接続されたメモリセルトランジスタ(NANDストリング)のドレインは、選択トランジスタST1を経由してビット線BLに接続され、直列接続されたメモリセルトランジスタのソースは、選択トランジスタST2を経由してソース線SLに接続される。
メモリセルアレイ1において、同一行(同一ロウ)に配列されているメモリセルトランジスタMTの制御ゲートは、ワード線WL0〜WL63のいずれかに共通接続される。同一行に配列されている選択トランジスタST1,ST2のゲート電極は、それぞれセレクトゲート線SGD1、SGS1に共通接続されている。尚、説明の簡単化のため、以下ではワード線WL0〜WL63を区別しない場合には、単にワード線WLとよぶことがある。
メモリセルアレイ1において、同一列(同一カラム)に配列された選択トランジスタST1のドレインは、いずれかのビット線BL0〜BLnに共通接続される。以下、ビット線BL0〜BLnについても、これらを区別しない場合には、ビット線BLとよぶ(n:自然数)。選択トランジスタST2のソースはソース線SLに共通接続される。
複数のメモリセルトランジスタMTは、ブロックBLK単位で一括してデータが消去される。複数のメモリセルトランジスタMTは、ページPG単位で一括してデータが書き込まれる。
例えば、各メモリセルトランジスタMTは、2値(2-levels)のデータ(1ビットデータ)を保持できる。すなわち、メモリセルトランジスタMTは、複数の閾値電圧が割り付けられ、その閾値電圧Vthに応じて“1”、及び“0”の2種のデータを保持できる。データに対応する閾値電圧間には、閾値電圧の大小を判定するための判定電圧Vth1が設定されている。
メモリセルトランジスタMTにおいて、データ“1”に対応する閾値電圧Vth0は、Vth0<V01であり、データ“0”に対応する閾値電圧Vth1は、V01<Vth1である。このようにメモリセルトランジスタMTは、閾値電圧に応じてデータ“0”及びデータ“1”の1ビットデータを保持できる。メモリセルトランジスタMTは、消去状態において、データ“1”(例えば負電圧)に設定され、データを書き込みにおいて、電荷蓄積層に電荷を注入することによって正の閾値電圧に設定される。
但し、各メモリセルトランジスタMTは、2値のデータより大きいデータを保持することもできる。例えば、メモリセルトランジスタMTは、“11”、“10”、“01”及び“00”の4値のデータ(2ビットデータ)を保持することも可能である。この場合、メモリセルトランジスタMTに対して、4つの閾値電圧が割り付けられる。各しきい値電圧間には、判定電圧がそれぞれ設定されている。
ロウ制御回路群2において、ロウデコーダ20Aは、ブロックデコーダ24及び電界効果トランジスタ21〜23を有する。
ロウデコーダ2内の電界効果トランジスタ21〜23は、例えば、nチャネル型MOSトランジスタである。これらの電界効果トランジスタ21〜23のゲートには、ブロックデコーダ24から延在する制御線TGが接続される。
ブロックデコーダ24は、データの書き込み動作時、読み出し動作時、及び消去時において、制御部10から与えられたブロックアドレスをデコードし、その結果に基づいてブロックBLKを選択する。すなわち、ブロックデコーダ24は、選択されたメモリセルトランジスタMTが含まれるブロックBLKに対応するトランジスタ21〜23が接続される制御線TGを選択し、それらのトランジスタ21〜23をオン状態にする。このとき、ブロックデコーダ24は、ブロック選択信号を出力する。ブロック選択信号とは、データの読み出し、書き込み、消去など行う際に、ロウデコーダ2が複数あるメモリブロックBLK0〜BLKsのうちいずれかを選択する信号である。
これにより、ロウデコーダ2は、選択されたブロックBLKに対応するメモリセルアレイ1のロウ方向を選択する。つまり、ブロック選択信号に基づいて、ロウデコーダ2はセレクトゲート線SGD1,SGS1及びワード線WL0〜WL63に対し、ドライバ回路20Bから与えられた電圧をそれぞれ印加する。
ロウ制御回路群2において、ドライバ回路20Bは、セレクトゲート線SGD1,SGS1毎に設けられたセレクトゲート線ドライバ31,32、及び、ワード線WL毎に設けられたワード線ドライバ33を有する。本実施形態では、1つのブロックBLK0に対応したワード線ドライバ33、セレクトゲート線ドライバ31、32のみを図示する。しかし、これらワード線ドライバ33、セレクトゲート線ドライバ31,32は、ブロックBLK0〜ブロックBLKsにそれぞれ設けられた、例えば、64本のワード線WL及びセレクトゲート線SGD1,SGS1に共通接続されている。
制御部8から与えられるページアドレスのデコード結果に応じて、ブロックBLKが選択される。
ワード線ドライバ29は、各動作で用いられる電圧を、選択されたワード線WLを介して、この選択ブロックBLK内に設けられたメモリセルトランジスタMTの制御ゲートへ転送する。
セレクトゲート線ドライバ27は、選択ブロックBLKに対応するセレクトゲート線SGD1を介し、それぞれの動作で用いられる電圧を選択トランジスタST1のゲートへ転送する。この時、セレクトゲート線ドライバ27は選択トランジスタST1のゲートに信号sgdを転送する。具体的には、セレクトゲート線ドライバ31は、データの書き込み時、読み出し時、消去時、更にはデータのベリファイ時に、セレクトゲート線SGD1を介して、例えば、信号sgdを選択トランジスタST1のゲートに転送する。例えば、信号sgdとして、選択トランジスタST1の動作に応じて、0Vから4V程度の電圧が用いられる。
また、セレクトゲート線ドライバ27と同様にセレクトゲート線ドライバ28は、選択ブロックBLKに対応するセレクトゲート線SGS1を介し、データの書き込み時、読み出し時、データのベリファイ時にセレクトゲート線SGS1を介して、それぞれの動作で用いられる電圧を選択トランジスタST2のゲートに転送する。この時、セレクトゲート線ドライバ28は選択トランジスタST2のゲートに信号sgsを転送する。例えば、信号sgsとして、選択トランジスタST2の動作に応じて、0Vから4V程度の電圧が用いられる。
電圧発生回路7は、異なる大きさの電圧をそれぞれ生成する複数の電圧生成部25を有する。
電圧生成部25は、例えば、データの書き込み時における電圧VPGM及び電圧VPASS、消去動作時における電圧VERA、データの読み出し時における電圧VCGR及び電圧VREADを、それぞれ生成する。但し、電圧生成部25は、フラッシュメモリの動作に応じて、これらの電圧VPGM,VPASS,VERA,VCGR,VREAD以外の電圧を生成する。
データ書き込み時において、所定の電圧生成部25は、電圧VPGMを生成し、動作対象のメモリセルトランジスタMTが接続された選択ワード線WLに、電圧VPGMを転送する。電圧VPGMは、メモリセルトランジスタMTの直下に形成されたチャネルの電荷が電荷蓄積層に注入され、このメモリセルトランジスタMTの閾値電圧が別レベルに遷移する程度の大きさを有する。以下では、電圧VPGMのことを、書き込み電圧VPGMとよぶ。データ書き込み時において、他の電圧生成部25は、電圧VPASSを生成し、選択ワード線以外の非選択ワード線WLに、所定の電圧、例えば、電圧VPASSを転送する。電圧VPASSとは、メモリセルトランジスタMTがオン状態とされる電圧である。但し、電圧VPASSは、書き込み電圧VPGMの大きさより小さく、しきい値電圧を別レベルに遷移させない大きさに設定されている。以下では、電圧VPASSのことを、非選択電圧VPASSとよぶ。尚、2値メモリであるか多値メモリであるか、或いは、フラッシュメモリに用いられる書き込み方式に応じて、電圧VPASS以外の電圧が、所定の非選択ワード線に転送されてもよい。
データ消去時において、所定の電圧生成部25は、電圧VERAを生成し、ウェルに転送する。電圧VERAは、例えば、20[V]である。データの消去時に、電圧生成部25が生成した電圧VERAは、メモリセルトランジスタMTが形成されるウェル領域に印加される。
データ読み出し時において、所定の電圧生成部25は、電圧VCGRを生成し、選択ワード線WLにこの電圧VCGRを転送する。電圧VCGRは、メモリセルトランジスタMTから読み出そうとするデータに応じた電圧である。以下では、電圧VCGRのことを、読み出し電圧VCGRとよぶ。また、他の電圧生成部25は、電圧VREADを生成し、データの読み出し時における非選択ワード線WLに、この電圧VREADを転送する。電圧VREADは、メモリセルトランジスタMTが保持するデータに依存せず、このメモリセルトランジスタMTをオン状態とする電圧である。
データ入出力回路11は、I/O端子(図示せず)を介して、ホスト(host)から供給されたアドレス及びコマンドを、制御部10へ転送する。データ入出力回路9は、外部からの書き込みデータを、データ線DLを介して、カラム制御回路群3及びセンスアンプ回路4へ転送する。メモリセルトランジスタMTが保持するデータをホストへ出力する際は、制御部10の制御に基づき、センスアンプ回路4が増幅したデータを、データ線DLを介して受け取った後、I/O端子を介してホストへ出力する。
制御部10は、フラッシュメモリ全体の動作を制御する。データ入出力回路9を介して、ホストから与えられたアドレス及びコマンドに基づいて、データの書き込み動作、読み出し動作及び消去動作における動作シーケンスを実行する。制御部10は、アドレス及び動作シーケンスに基づき、ブロック選択信号/カラム選択信号を生成する。
制御部10は、ブロック選択信号をロウ制御回路群2及びロウデコーダ20Aに出力する。また、制御部10は、カラム選択信号を、カラム制御回路群3及びセンスアンプ回路4に出力する。カラム選択信号とは、センスアンプ回路4及びメモリセルアレイ1のカラム方向を選択する信号である。
また、制御部10には、メモリコントローラ(図示せず)から供給された制御信号が与えられる。制御部10は、供給された制御信号によって、ホスト(host)からデータ入出力回路9に供給された信号が、アドレスであるのか、データであるのかを区別する。
ソース線ドライバ8は、メモリセルアレイの動作に応じて、ソース線SLに、0[V]または電源電圧Vdd[V]を与える。ソース線SLに電圧Vddが印加されるのは、消去ベリファイが実行される場合である。つまり、消去ベリファイの際、ソース線SL側からビット線BLへと電圧Vddが転送される。尚、ソース線SLには、回路構成や動作に応じて、0[V]や電源電圧Vdd以外の電圧が印加されてもよい。
カラム制御回路群2の内部構成について、図2を用いて、説明する。
センスアンプ回路4は、例えば、1ページ分のデータを保持する。センスアンプ回路4は、複数のビット線BLを介して、1ページ当たり2kbyteのデータを、メモリセルアレイ1との間で入出力する。
センスアンプ回路4は、複数のセンスアンプユニットSUを備える。センスユニットSUのそれぞれは、対応するメモリセルトランジスタMTのデータを保持する。
センスユニットSUは1ビットのデータを保持可能な構成を有する。例えば、図2に示されるように、1つのセンスユニットSUに対し、2本のビット線BLe,BLoが接続されている。この場合、データの読み出し及び書き込みは、隣接する2本のビット線BLe,BLo、すなわち、偶数ビット線BLeと奇数ビット線BLoとのうちの1本ずつ行われる。そして、1つのブロックBLKのn本のビット線BLのうち、n/2本のビット線BLに対して、一括して読み出し及び書き込みが行われる。以下では、ビット線BLの1組のうち、読み出し又は書き込み対象となるビット線BLを選択ビット線BLとよび、選択ビット線以外のビット線BLを非選択ビット線BLとよぶ。
尚、センスユニットSUとビット線との接続関係は、1つのセンスユニットに1本のビット線が接続された構成であってもよい。
1つのセンスユニットSUに偶数/奇数ビット線が接続された構成の場合、1本のワード線WLに接続されたメモリセルトランジスタMTの集合は、2ページを形成する。1つのセンスユニットSUにビット線が接続された構成の場合、1本のワード線WLに接続されたメモリセルトランジスタMTの集合は、1ページを形成する。
センスユニットSUは、データの読み出し時において、メモリセルトランジスタMTからビット線BLに読み出されたデータをセンスして増幅する。より具体的には、センスアンプユニットSUは電圧Vddをビット線BLにプリチャージし、ビット線BLの電圧(または電流)の変動をセンスする。
センスユニットSUは、データの書き込み時において、外部からの書き込みデータを一時的に保持する。
また、センスユニットSUのそれぞれは、例えば、データ書き込み時又は消去時のベリファイにおいて、ビット線毎におけるベリファイ結果を保持する。ベリファイ結果は、書き込み又は消去が完了である場合(ベリファイパスとよぶ)には“L”レベルで示され、書き込み又は消去が未完了である場合(ベリファイフェイルとよぶ)には“H”レベルで示される。
センスアンプ回路4内において、例えば、メモリセルアレイ1のカラムに対する所定の制御単位COLが設定されている。本実施形態において、この制御単位のことを、カラムブロックCOLとよぶ。
例えば、1ページのデータ容量が2kB(キロバイト)である場合(2kB/Page)、2×210個のカラムブロックCOLが設定され、1ページのデータ容量が4kBである場合(4kB/Page)である場合、4×210個のカラムブロックCOLが設定される。尚、1ページのデータ容量は、512kBでもよい。
例えば、1個のカラムブロックCOLは、8個のセンスユニットSUを含む。1つのセンスユニットSUに偶数及び奇数ビット線BLe,BLoが1本ずつ接続されている場合、1つのカラムブロックCOLは、16本のビット線BLに対する制御単位となる。但し、上述のように、偶数ビット線BLeごと又は奇数ビット線BLoごとにビット線BLが駆動される場合、カラムブロックCOLによって1度に制御されるビット線BLの本数は、8本である。尚、カラムブロックCOL内のセンスユニットの個数は、8個に限定されない。
1つのカラムブロックCOL内の複数のセンスユニットSUは、共通の信号線(第1の信号線)COMに接続される。信号線COMは、カラムブロックCOLに対応して、1本ずつ設けられており、信号線COMの本数はカラムブロックCOLの設定数と同じ数になっている。以下では、複数のセンスユニットSUによって、共有される信号線COMのことを、共通線COMともよぶ。
フェイルビット検知回路(検知回路)5は、センスユニットSUが保持したベリファイ結果(ベリファイパス/ベリファイフェイル)のデータを、検知する。フェイルビット検知回路5は、その検知結果を、例えば、制御部10に転送する。
フェイルビット検知回路5は、複数の検知ユニットFUを含んでいる。1つの検知ユニットFUは、1つのカラムブロックCOLに対応する。1つの検知ユニットFUは、信号線(共通線)COMによって、センスアンプ回路4内の複数のセンスユニットSUに共通に接続されている。また、検知ユニットFUは、出力側の信号線NCOMに接続された構成要素を介して、信号線LSENに接続されている。
検知ユニットFUは、センスユニットSUから共通線COMに出力されたデータを、演算処理し、カラムブロックCOL内の複数のセンスユニットがフェイルビットを含むか否か一括に検知する。その検知結果(演算結果)が、信号線NCOM,LSENを経由して、制御部10に出力される。以下、信号線(第3の信号線)LSENのことを、検知線LSENともよぶ。
検知ユニットFUのそれぞれは、2つのラッチ回路50,70を含んでいる。
ラッチ回路70は、メモリセルアレイ1に設定された所定の単位の不良情報を保持する。不良情報は、メモリセルアレイ1に設定された所定の制御単位の良又は不良を示している。その不良情報は、例えば、チップの起動時に、ヒューズのデータ(ヒューズの溶断の有無)或いはチップ内の所定の記憶領域のデータが読み出されることによって、ラッチ回路70に保持される。以下では、ラッチ回路70に保持される不良情報のことをヒューズデータともよぶ。
本実施形態において、ラッチ回路70が保持する不良情報は、例えば、不良のカラムブロックの情報(不良カラムフラグ)である。不良カラムフラグは、検知ユニットに対応するカラムブロックが、不良を含むか否かを示す。“L”レベルの不良カラムフラグは、検知ユニットFUに対応するカラムブロックが、良(使用可能又は有効)である場合を示し、“H”レベルの不良カラムフラグは、検知ユニットに対応するカラムブロックが、不良(使用不可能又は無効)である場合を示す。
ラッチ回路70が、“H”レベルの不良カラムフラグを保持している場合、それに対応するカラムブロックCOLは、動作の対象とならないように、制御部10によって電気的に分離(isolation)される。
以下では、不良情報(例えば、不良カラムフラグ)としてのヒューズデータを保持するラッチ回路70のことを、アイソレーションラッチ回路70とよぶ。
尚、ラッチ回路70は、不良カラムフラグに限らず、ブロックなどの、メモリセルアレイ内に設定された他の制御単位の不良情報を保持してもよい。
第2のラッチ回路50は、2つの入力端子と1つの出力端子を有する。ラッチ回路50の一方の入力端子は、共通線COMに接続されている。第2のラッチ回路50の他方の入力端子は、アイソレーションラッチ回路70の出力端子に接続されている。第2のラッチ回路50の出力端子は、信号線(第2の信号線)NCOMに接続されている。
以下では、共通線COMの信号が入力されるラッチ回路50のことを、COMラッチ回路50とよぶ。
COMラッチ回路50は、共通線COMからの信号(ベリファイ結果)とアイソレーションラッチ回路70からの信号(ヒューズデータ)とを演算処理する。そして、その演算結果を、信号線NCOMに出力する。COMラッチ回路50による演算処理は、例えば、論理和による演算である。
COMラッチ回路50による演算処理の前後において、COMラッチ回路50に接続された2つの信号線COM,NCOMは、互いの相補関係の信号レベルを示す。
本実施形態の半導体メモリ(例えば、フラッシュメモリ)において、複数のセンスユニットSUが共通に接続された共通線COMに、ラッチ回路(COMラッチ回路)50が接続される。
フラッシュメモリは、記憶密度の向上及び製造コストの低減のため、メモリセルトランジスタの微細化が推進されている。それに伴って、カラム制御回路なども微細化が推し進められている。
ダイナミックキャッシュとしてのキャパシタの静電容量は、リークなどを考慮して設計されているため、キャパシタの面積縮小には制約がある。
一方、本実施形態のように、スタティクキャッシュとしてのラッチ回路を用いることによって、メモリセルトランジスタの微細化に追従して、ラッチ回路を形成するトランジスタを微細化できる。その結果として、検知回路(フェイルビット検知回路)及び周辺回路の面積縮小に貢献できる。
本実施形態のように、共通線COMに接続されるキャッシュに、ラッチ回路のようなスタティクキャッシュが用いられることによって、キャパシタのようなダイナミックキャッシュが用いられる場合に比較して、メモリの不良率(例えば、初期不良率)や消費電力の低減に貢献できる。
(b) 内部構成
図3及び図4を参照して、本実施形態のフラッシュメモリのカラム制御回路群3の内部構成に関して、説明する。尚、ここでの説明において、図1及び図2も適宜用いる。
図3は、本実施形態のフラッシュメモリのカラム制御回路群3における、センスアンプ回路4及びフェイルビット回路4の内部構成を示している。図3は、1つのカラムブロックCOLとそれに接続される1つの検知ユニットFUの内部構成を示している。図4は、検知ユニットFU内のCOMラッチ回路50及びアイソレーションラッチ回路70の内部構成のより具体的な一例を示している。
1つのカラムブロックCOL内には、例えば、8個のセンスユニットSU0〜SU7が、設けられている。
センスユニットSU0〜SU7のそれぞれは、1つのセンスアンプ400〜407と2つの電界効果トランジスタ410〜417,420〜427とを含んでいる。センスアンプ400〜407を区別しない場合には、センスアンプ40と述べる。これと同様に、電界効果トランジスタ410〜417のそれぞれを区別しない場合には、電界効果トランジスタ41と述べ、電界効果トランジスタ420〜427のそれぞれを区別しない場合には、電界効果トランジスタ42と述べる。
センスアンプ400〜407のそれぞれには、ビット線BLが接続される。
上述のように、1つのセンスアンプ40には、偶数ビット線BLeと奇数ビット線BLoとが接続されている。この構成の場合、センスアンプ400〜407のそれぞれに、1つのビット線切替回路480〜487が設けられる。ビット線切替回路480〜487のそれぞれを区別しない場合には、ビット線切替回路48と述べる。
メモリセルアレイ1に対する動作に応じて、偶数又は奇数ビット線BLe,BLoのうちいずれか一方のビット線がセンスアンプ40に電気的に接続されるように、ビット線BLe,BLoとセンスアンプ40との接続状況が、ビット線切替回路48により制御される。
各センスアンプ400〜407は、データを保持するためのデータキャッシュ回路490〜497をそれぞれ有する。データキャッシュ回路490〜497のそれぞれを区別しない場合には、ビット線切替回路49と述べる。
データキャッシュ回路49は、ビット線切替回路48を介して、ビット線BLに接続される。
センスアンプ40内のデータキャッシュ回路49は、書き込み時の外部からのデータ、読み出し時のメモリセルアレイ内からのデータ、書き込みベリファイ時又は消去ベリファイ時のデータ、あるいは、消去ベリファイ時のデータを、一時的に保持する。
データキャッシュ回路49は、ビット(メモリセルトランジスタMT)毎の書き込みベリファイの結果、及び、消去ベリファイの結果を保持する。ベリファイの結果において、データの書き込み又は消去が完了した(pass)と判定された場合、データキャッシュ回路49は、“L”レベルの信号を保持する。また、ベリファイの結果において、データの書き込み又は消去が完了していない(fail)と判定された場合、データキャッシュ回路49は、“H”レベルの信号を保持する。以下では、ベリファイの結果を示す信号のことを、ベリファイ結果、或いは、パス/フェイル情報ともよぶ。
尚、以下では、書き込みベリファイと消去ベリファイとにおいて、同じ信号レベルでパス又はフェイルをそれぞれ示す例について述べるが、センスアンプ40の内部構成に応じて、書き込みベリファイと消去ベリファイとで、互いに反対の信号レベルでパス又はフェイルを示す場合においても、本実施形態が適用できるのは、もちろんである。
データキャッシュ回路49は、複数のラッチ又はキャパシタを用いて形成される。データキャッシュ回路49内のラッチ又はキャパシタの個数は、フラッシュメモリが2値メモリであるか多値メモリであるかなど、フラッシュメモリの構成に応じて、異なる。
電界効果トランジスタ420〜427は、例えば、nチャネル型MOSトランジスタである。MOSトランジスタ42のゲートは、センスアンプ40の出力端子に接続される。MOSトランジスタの42のゲートには、例えば、データキャッシュ回路49が保持するデータが転送される。
複数のMOSトランジスタ42の電流経路の一端は、共通線COMに接続される。これによって、カラムブロックCOL内の複数のセンスユニットSUは、共通線COMに接続される。
電界効果トランジスタ410〜417は、例えば、nチャネル型MOSトランジスタである。MOSトランジスタ41の電流経路の一端は、MOSトランジスタ41の電流経路の他端にそれぞれ接続される。MOSトランジスタ41の電流経路は、MOSトランジスタ42の電流経路を経由して、共通線COMに接続されている。MOSトランジスタ42の電流経路の他端は、グランドに接続される。MOSトランジスタ410〜417のゲートには、信号CHK0〜CHK7がそれぞれ入力される。MOSトランジスタ410〜417のオン又はオフは、信号CHK0〜CHK7によって、それぞれ制御される。MOSトランジスタ41は、カラムブロックCOLがベリファイフェイルを含むか否か検知する際にオンされる。センスユニットSUがベリファイフェイルのデータを保持する場合に、MOSトランジスタ42は、共通線COMを放電させる。
信号CHK0〜CHK7のことを、チェック信号CHK0〜CHK7ともよぶ。尚、チェック信号CHK0〜CHK7をそれぞれ区別しない場合には、チェック信号CHKとよぶ。
尚、電流経路が直列接続された2つのMOSトランジスタ41,42のことを、チェック回路とよぶ場合もある。
上述のように、フェイルビット検知回路5内の検知ユニットFUは、共通線COMを介して、1つのカラムブロックCOL内の複数のセンスユニットSU0〜SU7に接続される。検知ユニットFUは、2つのラッチ回路50,57を有する。
COMラッチ回路50は、例えば、NORゲート51とインバータ(NOTゲート)52とを含んでいる。
NORゲート51は、ラッチ回路50の入出力端子としての2つの入力端子と1つの出力端子とを有する。NORゲート51の一方の入力端子(第1の入力端子)は、共通線COMに接続される。NORゲート51の他方の入力端子(第2の入力端子)は、アイソレーションラッチ回路70の出力端子に接続されている。NORゲート51の出力端子は、信号線NCOMに接続されている。
インバータ52の入力端子は、信号線NCOMに接続される。これによって、NORゲート51の出力端子がインバータ52の入力端子に接続され、NORゲート51の出力信号がインバータ52に入力される。インバータ52の出力端子は共通線COMに接続される。これによって、インバータ52の出力端子がNORゲート51の一方の入力端子に接続され、インバータ52の出力信号が、NORゲート51に入力される。
図4に示されるように、COMラッチ回路50は、6個の電界効果トランジスタ110,111,112,114,121,122によって、形成される。
NORゲート51は、例えば、2つのpチャネル型MOSトランジスタ110,111と2つのnチャネル型MOSトランジスタ112,114とによって、形成される。
アイソレーションラッチ回路70からの信号(ヒューズデータ)が“L”レベルである場合、NORゲート51は、pチャネル型MOSトランジスタ111とnチャネル型MOSトランジスタ112とによって形成されるCMOSインバータ101として、実質的に機能する。
MOSトランジスタ111,112のゲートは互いに接続され、入力ノードを形成している。MOSトランジスタ111,112のゲートは、アイソレーションラッチ回路70の出力端子に接続される。MOSトランジスタ111,112のドレインは互いに接続され、出力ノードを形成している。MOSトランジスタ111,112の電流経路の一端(ドレイン)は、信号線NCOMに接続されている。nチャネル型MOSトランジスタ112の電流経路の他端(ソース)は、グランド端に接続されている。pチャネル型MOSトランジスタ111の電流経路の他端(ソース)は、pチャネル型MOSトランジスタ110の電流経路を経由して、電源Vddに接続されている。
pチャネル型MOSトランジスタ110の一端は、電源Vddに接続され、pチャネル型MOSトランジスタ110の他端は、pチャネル型MOSトランジスタ111の電流経路の他端(ソース)に接続される。pチャネル型MOSトランジスタ110のゲートは、共通線COMに接続される。
nチャネル型MOSトランジスタ114の電流経路の一端は、信号線NCOMに接続され、nチャネル型MOSトランジスタ114の電流経路の他端は、グランド端に接続されている。nチャネル型MOSトランジスタ114のゲートは、pチャネル型MOSトランジスタ110のゲートに接続されている。また、MOSトランジスタ114のゲートは、共通線COM及びインバータ52の出力ノードに接続されている。
MOSトランジスタ110,114のゲートがNORゲートの一方の入力端子に相当する。MOSトランジスタ111,112の接続されたゲートが、NORゲート51の他方の入力端子に相当し、MOSトランジスタ111,112の接続されたドレインが、NORゲート51の出力端子に相当する。
NORゲート51によって、共通線COMの電位に対応した信号とアイソレーションラッチ回路80が保持するヒューズデータとが論理和演算(NOR演算)され、その演算結果が信号線NCOMに出力される。
インバータ52は、例えば、CMOSインバータである。すなわち、インバータ52は、pチャネル型MOSトランジスタ121とnチャネル型MOSトランジスタ122とによって、形成されている。
pチャネル型MOSトランジスタ121のゲートとnチャネル型MOSトランジスタ122のゲートとが接続されて、インバータ52の入力ノードが形成される。pチャネル型MOSトランジスタ121の電流経路の一端(ドレイン)とnチャネル型MOSトランジスタ122の電流経路の一端(ドレイン)とが、接続されて、インバータ52の出力ノードが形成される。pチャネル型トランジスタ121の電流経路の他端(ソース)は、電源Vddに接続されている。nチャネル型MOSトランジスタ122の電流経路の他端(ソース)は、グランド端に接続されている。
インバータ52の入力ノードは、NORゲート51のMOSトランジスタ111,112の出力ノード及びnチャネル型トランジスタ114の電流経路の一端に接続されている。また、インバータ52の入力ノードは、信号線NCOMにも接続されている。
インバータ52の出力ノードは、pチャネル型MOSトランジスタ110のゲートに接続されている。また、インバータ52の出力ノードは、共通線COM及びnチャネル型MOSトランジスタ114のゲートに接続されている。
NORゲート51の出力信号(演算結果)は、インバータ51によって反転され、その反転された信号はNORゲート51に入力される。これによって、ラッチ回路50は、データを保持(ラッチ)する。
インバータ52内のpチャネル型MOSトランジスタ122の電流駆動力は、センスユニットSU内のチェック回路の各nチャネル型MOSトランジスタ41の電流駆動力より小さい。
これによって、カラムブロックCOLがベリファイフェイルを含む場合、MOSトランジスタ41のチャネルを流れる共通線COMからの放電電流が、インバータ52を流れる電流より大きくなるので、共通線COMの信号レベルを“H”レベルから“L”レベルに強制反転させることができる。
インバータ52内のpチャネル型MOSトランジスタ122及びセンスユニットSU内のnチャネル型MOSトランジスタ41の電流駆動力の大きさは、2つのトランジスタ122,41間の動作安定点によって、設定される。MOSトランジスタ122,41の電流駆動力は、MOSトランジスタの寸法、例えば、MOSトランジスタのチャネル長の大きさを変えることによって、制御される。例えば、MOSトランジスタのチャネル長を大きくすると、電流駆動力は低下する。尚、例えば、nチャネル型MOSトランジスタ42の電流駆動力は、MOSトランジスタ41の電流駆動力と同程度である。このように、チェック回路を形成するnチャネル型MOSトランジスタ41,42の電流駆動力は、インバータ52を形成するpチャネル型MOSトランジスタの電流駆動力より大きい。
アイソレーションラッチ回路70は、メモリセルアレイ1内の不良情報(例えば、不良カラムフラグ)を保持する。図4には、アイソレーションラッチ回路70の内部構成の一例が示されている。
アイソレーションラッチ回路70は、ラッチ(キャッシュ)としてのフリップフロップFFを有する。フリップフロップFFは、フリップフロップ接続された2つのインバータ174,175によって、形成される。インバータ174,175は、例えば、CMOSインバータである。フリップフロップFFは、2つの入力端子と1つの出力端子とを有する。
フリップフロップFFには、3つの電界効果トランジスタ171,172,173が接続されている。電界効果トランジスタ171,172,173は、例えば、nチャネル型MOSトランジスタである。尚、フリップフロップFFに接続されるMOSトランジスタの個数は、3個に限定されない。
MOSトランジスタ171のゲートには、信号FCENが入力される。MOSトランジスタ172のゲートには、信号CSLが入力される。MOSトランジスタ173のゲートには、信号FCRSTが入力される。これらの信号FCEN,CSL,FCRSTによって、各トランジスタ171,172,173のオン及びオフが制御される。
MOSトランジスタ171の電流経路の一端は、MOSトランジスタ172の電流経路を経由して、フリップフロップFFに接続される。MOSトランジスタ171の電流経路の他端は、グランド端に接続される。
MOSトランジスタ172の電流経路の一端は、フリップフロップFFの一方の入力端子に接続される。より具体的には、MOSトランジスタ172の電流経路の一端は、インバータ174の出力ノード及びインバータ175の入力ノードに、接続される。MOSトランジスタ172の電流経路の他端は、MOSトランジスタ171を経由してグランド端に接続される。
MOSトランジスタ173の電流経路の一端は、フリップフロップFFの他方の入力端子に接続される。より具体的には、トランジスタ173の電流経路の一端は、インバータ174の入力ノード及びインバータ175の出力ノードに、接続される。MOSトランジスタ173の電流経路の他端は、グランド端に接続される。
このように、MOSトランジスタ173は、フリップフロップFFに対して、MOSトランジスタ171,173が接続される入力端子と異なる入力端子に接続される。
MOSトランジスタ171,172,173のオン/オフによって、インバータ174,175のノードを放電させることによって、フリップフロップFFの保持するデータ(“H”又は“L”)が、書き換えられる。
フリップフロップFFの出力端子は、NORゲート50内のMOSトランジスタ111,112の入力ノードに接続される。
尚、アイソレーションラッチ回路70の回路構成は、図4に示される構成に限定されない。
図3及び図4に示されるように、検知ユニットFUは、2つのラッチ回路50,70に加えて、スイッチ素子としての2つの電界効果トランジスタTr1,Tr2を含む。電界効果トランジスタTr1,Tr2は、例えば、nチャネルMOSトランジスタである。
MOSトランジスタTr1のゲートは、信号線NCOMを介して、COMラッチ回路50の出力端子に接続されている。MOSトランジスタTr1の電流経路の一端は、信号線(検知線)LSENに接続されている。MOSトランジスタTr2の電流経路の他端は、グランド端に接続されている。MOSトランジスタTr1のオン及びオフは、信号線NCOMの電位(信号レベル)によって、制御される。
MOSトランジスタTr2のゲートには、信号(リセット信号とよぶ)COMHが入力される。リセット信号COMHによって、MOSトランジスタTr2のオン及びオフが制御される。MOSトランジスタTr2の電流経路の一端は信号線NCOMに接続され、MOSトランジスタTr2の電流経路の他端はグランド端に接続される。尚、MOSトランジスタTr2の電流経路と信号線NCOMとの接続箇所は、図4に示される箇所に限定されず、インバータ52の入力ノード及び信号線NCOMの接続箇所とNORゲート51の出力端子との間に、設けられていてもよい。
MOSトランジスタTr2がオンした場合、信号線NCOMは、グランド端に接続され、信号線NCOMは放電される。この場合、信号線NCOMの電位(信号レベル)は“L”レベルとなる。信号線NCOMが“L”レベルとなると、インバータ52による信号の反転によって、“H”レベルの信号が共通線COMに入力される。これによって、共通線COMが充電される。一方、共通線NCOMが“H”レベルになると、インバータ52による信号の反転によって、“L”レベルの信号が共通線COMに入力される。
また、共通線COMの電位が“L”または“H”レベルであるかに応じて、NORゲート51の演算結果によって、信号線NCOMの電位が変化する。
(c) 動作
以下、図1乃至図5を用いて、第1の実施形態の半導体メモリ(例えば、フラッシュメモリ)の動作について説明する。尚、ここでは、メモリセルトランジスタが2値(“0”又は“1”)データを記憶する場合について説明するが、メモリセルトランジスタが多値データを記憶する場合においても、本実施形態が適用できるのはもちろんである。
<読み出し動作>
本実施形態のフラッシュメモリの読み出し動作について、説明する。
読み出しを要求するコマンドが、外部から制御部10に入力され、読み出し動作が実行される。コマンドの入力とともに、読み出し対象の選択ブロック、選択ロウ(選択ワード線)及び選択カラム(選択ビット線)を示すアドレスが制御部10に入力される。
図1乃至図4に示されるように、1つのセンスユニットSUに、奇数ビット線BLo及び偶数ビット線BLeが接続されている場合、ビット線切替回路48によって、奇数及び偶数ビット線のうち1本のビット線が駆動される。尚、奇数ビット線に対する読み出し動作と偶数ビット線に対する読み出し動作は、同じである。
フラッシュメモリの読み出し動作において、選択ビット線は、例えば、電圧Vddにプリチャージされる。そして、偶数ビット線BLeが選択されている場合、非選択の奇数ビット線BLoは非選択電圧に充電されている。
そして、選択ワード線WLに、読み出し電圧VCGRが印加される。一方、非選択ワード線WLに、非選択電位VREADが印加される。
1つのNANDセルユニットNUにおいて、選択ワード線WLに接続されたメモリセルトランジスタMTのしきい値電圧が、読み出し電圧VCGR以下である場合、このメモリセルトランジスタMTはオンする。非選択ワード線WLに接続されたメモリセルトランジスタMTは、電圧VREADによって、オンする。
この場合、NANDセルユニットNU内の全てのメモリセルトランジスタMTは、オンしている。これによって、選択ビット線BLの電荷は、オン状態のメモリセルトランジスタMTのチャネルを経由して、ソース線SLに放電される。
一方、選択ワード線WLに接続されたメモリセルトランジスタMTのしきい値電圧が、読み出し電圧VCGRより高い場合、このメモリセルトランジスタMTはオフする。
この場合、オフ状態のメモリセルトランジスタによって、選択ビット線BLの放電はほとんど生じずに、選択ビット線BLの電位は充電電位に維持される。
選択ビット線BLの電位(電荷)は、センスユニット40内のキャッシュ回路49に取り込まれる。これによって、選択ビット線BLの電位(充電又は放電)に応じて、データがセンスユニットSU内に保持される。
尚、多値メモリ(例えば、4値メモリ)の場合、しきい値電圧に応じた電圧を印加して、上位ビットをキャッシュ回路内に取り込む動作と下位ビットをキャッシュ回路内に取り込む動作が、実行される。
センスユニットSUに保持されたデータが、制御部10によって、データ線DLを介してデータ入出力回路11に出力され、外部に読み出される。
以上のように、本実施形態のフラッシュメモリの読み出し動作が実行される。
<書き込み動作>
本実施形態のフラッシュメモリの書き込み動作について、説明する。
NAND型フラッシュメモリの書き込み動作は、ページPGを書き込み単位に用いて、実行される。
読み出し動作と同様に、書き込みを要求するコマンド及び書き込み対象のアドレスが、外部から制御部10に入力され、書き込み動作が実行される。また、書き込まれるべきデータが、データ入出力回路10を経由して、センスアンプ回路4内に入力され、所定のセンスユニットSU内のキャッシュ回路49に、データが取り込まれる。
メモリセルトランジスタMTに書き込むデータに応じて、選択ビット線BLの電位が制御される。“1”データを書き込むメモリセルトランジスタMTに接続されるビット線BLには、電圧Vddが印加される。“0”データを書き込むメモリセルトランジスタMTに接続されるビット線BLには、グランド電位が印加される。
選択ワード線に書き込み電圧VPGMが印加され、非選択ワード線に、例えば、非選択電位VPASSなどの所定の電位が、印加される。
ビット線BLの電位がグランド電位に設定されている場合、電荷蓄積層に対する電荷の注入により、メモリセルトランジスタMTの閾値レベルが遷移し、書き込み対象のメモリセルトランジスタMTには、“0”データが書き込まれる。
一方、ビット線BLの電位が電圧Vddに設定されている場合、書き込み対象のメモリセルトランジスタMTにおいて、そのゲート電極(選択ワード線)とチャネルとの間の電位差が“0”データを書き込むための電位差よりも小さいため、そのメモリセルトランジスタMTの閾値が変動するほどの電荷蓄積層に対する電荷の注入は、ほとんど生じない。
この結果として、ビット線BLの電位が電圧Vddに設定されている場合、そのビット線BLに接続されたメモリセルトランジスタMTは、“1”データの保持状態(消去状態)を維持する。
この後、所定のデータが書き込まれたか否か検証するためのベリファイ(以下、書き込みベリファイ)が実行される。
書き込みベリファイにおいて、データを書き込んだメモリセルトランジスタMTに対して読み出し動作(ベリファイ読み出しとよばれる)が実行され、ベリファイによって読み出されたデータと外部からのデータとが一致しているか否か検証される。
ベリファイ読み出されたデータと外部からのデータとが一致している場合には、パス(ベリファイパス)と判定され、例えば、“L”レベルの信号が、センスユニットSU内のキャッシュ回路49内に格納される。
ベリファイ読み出されたデータと外部からのデータとが一致していない場合には、フェイル(ベリファイフェイル)と判定され、例えば、“H”レベルの信号が、センスユニットSU内のキャッシュ回路49内に格納される。
例えば、ベリファイ読み出しの読み出し電圧は、通常の読み出し動作の読み出し電圧より若干高い電圧が用いられる。
書き込みベリファイの結果、例えば、ベリファイフェイルの個数に基づいて、書き込み動作が完了したか否か判定される。ベリファイの判定(ベリファイパス/フェイルの検知)に関しては、後述する。
書き込みが完了したと判定された場合、制御部10は、外部(ホスト又はメモリコントローラ)に書き込み動作が終了したことを通知する。
書き込みが完了していないと判断された場合、選択ワード線に対するデータ書き込みと書き込みベリファイとが再度実行される。例えば、データ書き込みと書き込みベリファイとのループ(以下、書き込みループとよぶ)は、書き込み完了と判定されるまで、繰り返される。但し、所定の回数の書き込みループが実行されても、書き込み完了と判定されない場合、そのページPG又はそのページPGを含んでいるブロックBLKを不良と判定し、他のページPG又は他のブロックBLKに対して、書き込み動作を実行してもよい。
以上のように、本実施形態のフラッシュメモリの書き込み動作が実行される。
<消去動作>
本実施形態のフラッシュメモリの消去動作について、説明する。
NAND型フラッシュメモリの消去動作は、ブロックBLKを消去単位に用いて実行される。
消去動作時において、ブロックBLK内の全てのワード線WLに0Vが印加され、メモリセルトランジスタMTが形成された領域(ウェル領域)に、例えば、20V程度の正電圧VERAが印加される。これによって、電荷蓄積層内の電荷が、ウェル領域内に放出される。
そして、メモリセルトランジスタが消去状態(“1”データ保持状態)となったか否か検証するための消去ベリファイが実行される。
消去ベリファイは、奇数ビット線BLo及び偶数ビット線BLeに対して交互に実行され、奇数ビット線BLo及び偶数ビット線BLeの両方について、メモリセルトランジスタMTが消去状態であるか検証される。
消去ベリファイの一例として、ビット線BLを放電した状態で、消去状態のメモリセルトランジスタに対する読み出し電圧VCGRが、全てのワード線WLに印加される。
共通のビット線BLに接続された全てのメモリセルトランジスタMTが消去状態であれば、電圧VCGRによって、メモリセルトランジスタMTはオンし、ビット線BLは、ソース線SLからの電位の供給によって、充電される。
これに対して、共通のビット線BLに接続された複数のメモリセルトランジスタMTの中に、消去状態でないメモリセルトランジスタMTが存在している場合、その消去状態でないメモリセルトランジスタは、電圧VCGRが印加されていてもオフしている。それゆえ、ビット線BLは放電状態が持続される。
このように、消去ベリファイにおいて、ビット線BLの充電又は放電状態をセンスして、ベリファイパス(“L”レベル)であるかベリファイフェイル(“H”レベル)であるか、判定される。消去ベリファイにおいても、そのベリファイ結果(“L”又は“H”レベル)は、センスユニットSU内のキャッシュ回路49内に格納される。ベリファイの判定については、後述する。
消去ベリファイの結果に基づいて、消去動作が完了したか否か判定される。
消去動作が完了したと判定された場合、制御部10は、選択ブロックBLKに対する消去動作の完了を、外部(ホスト又はメモリコントローラ)に通知する。
消去動作が完了していないと判定された場合、制御部10は、選択ブロックBLKに対する消去動作を、再度実行する。尚、所定の回数の消去動作が実行されても、選択ブロックが消去状態とならない場合、そのブロックBLKを不良ブロックとして処理してもよい。
以上のように、本実施形態のフラッシュメモリの消去動作が実行される。
<フェイルビット検知動作>
図5を用いて、第1の実施形態のフラッシュメモリにおいて、ベリファイ時におけるフェイルビット検知回路の動作、つまり、データ書き込み及び消去時におけるベリファイ結果に基づいたフェイルビット検知動作について、説明する。ここでは、図5に加えて、図1乃至図4も適宜用いて、動作について説明する。
尚、説明の簡単化のため、1つのカラムブロックCOL及び検知ユニットFUの動作について説明するが、複数のカラムブロック及び複数の検知ユニットFUに対して同様の動作が並列に実行されてもよいのはもちろんである。
図5は、本実施形態のフラッシュメモリにおけるフェイルビット検知動作のタイミングチャートを示している。
本実施形態のフラッシュメモリにおいて、カラムブロックCOL内の複数のセンスユニットSUが1つでもベリファイフェイルを示すデータを格納している場合、データの書き込み又は消去は未完了であると判定される。
上述のように、書き込み動作時又は消去動作時において、動作対象のメモリセルトランジスタMTに対してベリファイが実行され、そのベリファイ結果(“H”又は“L”レベルのパス/フェイル情報)が、各センスユニットSUに格納される。
例えば、データの書き込み又は消去におけるベリファイ結果がパス(ベリファイパス)であることを示す信号は、“L”レベルで示され、書き込み又は消去動作におけるベリファイ結果がフェイルであることを示す信号(ベリファイフェイル)は、“H”レベルで示される。
尚、フェイルビット検知動作前の初期状態において、共通線COM及び信号線NCOMの電位は、互いに相補の関係を示していれば、“L”レベル又は“H”レベルは、いずれの状態を示していてもよい。
はじめに、ベリファイ結果の判定を行う際に、リセット信号COMHによって、COMラッチ回路50のデータ保持状態がリセットされる。
図5に示されるように、信号COMHの信号レベルが、“L”レベルから“H”レベルへ遷移される。信号COMHの遷移によって、信号線NCOMに接続されたnチャネル型MOSトランジスタTr2は、オンする。信号線NCOMが充電状態(“H”状態)であれば、オンしたMOSトランジスタTr2によって、信号線NCOMの電荷が放電される。これによって、信号線NCOMの電位(信号レベル)は、“L”レベルとなる。
一方、信号線NCOMの電位が入力信号としてラッチ回路50内のインバータ52に、入力される。信号線NCOMの“L”レベルの信号(電位)がインバータ52によって反転され、“H”レベルの信号(電位)が信号線(共通線)COMに出力される。これによって、共通線COMは“H”レベルに充電される。
このように、共通線COMは“H”レベルを示し、信号線NCOMは“L”レベルを示す。尚、信号線NCOMが放電状態(“L”レベル)であれば、nチャネル型MOSトランジスタTr2がオンされた前後において、共通線COMは“H”レベル、信号線NCOMは“L”レベルを示す。尚、検知線LSENの電位は、初期状態において、“H”レベルに設定されている。
リセット信号COMHが“H”レベルにされることによって、ラッチ回路50のデータ保持状態がリセットされる。この際、ラッチ回路50をリセットさせるための電流(リセット電流とよぶ)が、ラッチ回路50が保持しているデータを反転させるために、瞬間的に発生するのみで、そのリセット電流は、共通線COMに接続されたキャッシュとしてのキャパシタを充電させるための電流に比較して、小さい。
ラッチ回路50がリセットされた後、リセット信号COMHは“H”レベルから“L”レベルにされる。
ここで、検知ユニットFU内のCOMラッチ回路50には、共通線COMの電位としての“H”レベルの信号とアイソレーションラッチ回路70が保持するヒューズデータ(例えば、不良カラムフラグ)とが、入力されている。
不良カラムフラグとしてのヒューズデータは、アイソレーションラッチ回路70に対応するカラムブロックCOLが不良である場合、“H”レベルを示し、カラムブロックCOLが不良でない(正常である)場合、“L”レベルを示す。
共通線COMの電位が“H”レベル、信号線NCOMの電位が“L”レベルに遷移した後、チェック信号CHKの全てが、制御部10によって、“L”レベルから“H”レベルへ遷移される。これによって、各センスユニットSU内のnチャネル型MOSトランジスタ41が、オンする。
また、カラムブロックCOL内のセンスアンプ40のそれぞれは、ビット(メモリセルトランジスタMT)毎のベリファイ結果として、“H”又は“L”レベルの信号のいずれかを保持している。それゆえ、センスアンプ40にゲートが接続されているnチャネル型MOSトランジスタ42において、“H”レベル(ベリファイフェイル)の信号が入力されるMOSトランジスタ42は、オンする。nチャネル型MOSトランジスタ42において、“L”レベル(ベリファイパス)の信号が入力されるMOSトランジスタ42は、オンせずに、オフ状態が維持される。
ベリファイフェイルを示す信号によってオンしたMOSトランジスタ42の電流経路及び制御信号CHKによってオンしたMOSトランジスタ41の電流経路を経由して、“H”レベルの共通線COMの電位は、グランド端に放電される。
それゆえ、カラムブロックCOL内の複数のセンスユニットSUにおいて、1つでもベリファイフェイルのデータ(“H”)を保持しているセンスユニットSUが存在すると、共通線COMの信号レベルは、“H”レベルから“L”レベルに遷移する。
カラムブロックCOL内の複数のセンスユニットSUにおいて、全てのセンスユニットSUがベリファイパスのデータ(“L”)を保持していると、共通線COMの信号レベルは、“H”レベルに維持される。
このように、カラムブロックCOL内の全てのセンスユニットSUのベリファイ結果がパス、即ち、カラムブロックCOLにおけるベリファイ結果がパスである場合、共通線COMの信号レベルは、“H”レベルとなる。一方、カラムブロックCOL内の複数のセンスユニットCUうち、1以上のセンスユニットSUのベリファイ結果がフェイル、即ち、カラムブロックCOLにおけるベリファイ結果がフェイルである場合、共通線COMの信号レベルは、“L”レベルとなる。
ここで、アイソレーションラッチ回路70が保持するヒューズデータが“L”レベルである場合において、共通線COMの信号レベルが“L”レベルになると、COMラッチ回路50内のNORゲート51に対する入力信号は、2つとも“L”レベルとなる。そのため、NORゲート51の出力(演算結果)は“H”レベルとなり、共通線COMの信号レベルの変化(“H”から“L”)に追従して、信号線NCOMの信号レベルは“L”レベルから“H”レベルとなる。
このように、カラムブロックCOLが含む複数のセンスユニットSUが保持するベリファイ結果が、カラムブロックCOLを単位として一括に出力され、共通線COMの信号レベルに反映される。そして、カラムブロックCOLにおけるベリファイ結果がフェイル(“H”レベル)である場合、共通線COMの放電によって、COMラッチ回路50が保持するデータが反転される。上述のように、COMラッチ回路50内のインバータ52において、そのインバータ52を形成するためのpチャネル型MOSトランジスタ121の電流駆動力は、各センスユニットSUのnチャネル型MOSトランジスタ41の電流駆動力より小さい。これによって、共通線COMの放電による放電電流によって、COMラッチ回路50の保持するデータを強制的に反転できる。
尚、上述のように、カラムブロックCOLが不良である場合、その不良カラムブロックは制御部10によって電気的に分離され、動作の対象から除外されている。
また、ヒューズデータが“H”レベルである場合、NORゲート51の出力結果は“L”レベル(pass)となるので、不良のカラムブロックに対してベリファイパス/フェイルの判定が実行されたとしても、不良のカラムブロックが検知動作に悪影響を及ぼすことはない。
信号線NCOMの信号レベルが“H”レベルになると、信号線NCOMにゲートが接続されたnチャネル型MOSトランジスタTr1は、オンする。
オンしたMOSトランジスタTr1の電流経路を経由して、検知線LSENの電荷は、グランド端に放電される。そのため、検知線LSENの信号レベルは、“H”レベルから“L”レベルに遷移する。
信号線NCOMの信号レベルが“L”レベルであると、nチャネル型MOSトランジスタTr1はオンしない。それゆえ、検知線LSENは、充電状態(“H”レベル状態)が維持される。
共通線COMの信号レベルが“L”レベルであり、信号線NCOMの信号レベルが“H”レベルである場合、それに対応するカラムブロックCOLにおけるベリファイ結果は、フェイルである。一方、共通線COMの信号レベルが“H”レベルであり、信号線NCOMの信号レベルが“L”レベルである場合、カラムブロックCOLにおけるベリファイ結果は、パスである。それゆえ、検知線LSENの放電の有無によって、カラムブロックCOL及びそれに含まれるセンスユニットSUにおけるベリファイ結果が、パスであるかフェイルであるか、検知できる。
さらに、図2に示したように、検知線LSENは、複数の検知ユニットFUをそれぞれ経由して、複数のカラムブロックCOLに接続されている。共通の検知線LSENに接続されている複数のカラムブロックCOLのうち、ベリファイ結果がフェイルのカラムブロックCOLが1つでも存在すると、オンしたMOSトランジスタTr1によって、検知線LSENは放電される。それゆえ、検知線LSENの信号レベルが“L”レベルになると、データの書き込み又は消去が完了していないと判定される。
一方、検知線LSENの信号レベルが“H”レベルであれば、全てのセンスユニットSUがベリファイパスであるので、動作シーケンスにおけるデータの書き込み又は消去が完了したと判定される。
このように、検知線LSENの電位の変動をセンスすることによって、カラムブロックCOL内の複数のセンスユニットSUがベリファイフェイルを含むか否か一括に検知される。
以上のように、カラムブロックCOLの複数のセンスユニットSUが保持するベリファイ結果に基づいて、書き込み動作及び消去動作が完了したか否か判定される。
図1乃至図4に示される本実施形態のフラッシュメモリのように、メモリセルトランジスタMTに対する動作の成否を検知するための検知ユニットFUにラッチ回路50が用いられた場合においても、ベリファイ結果に基づいて動作の成否を判定することができる。
尚、ここでは、1つの検知ユニットに対して着目してベリファイフェイルの検知動作について説明したが、メモリセルアレイに対して設定された全てのカラムブロックに対して上述の動作を同時に行って、ベリファイフェイルを含むか否かを一括に検知してもよいのはもちろんである。
(d) まとめ
第1の実施形態の半導体メモリ、例えば、フラッシュメモリにおいて、メモリセルアレイの複数のカラムに対して、ある制御単位(カラムブロック)COLが割り付けられている。複数のメモリセルアレイのカラム方向において、複数のカラムブロックが割り付けられている。
センスアンプ回路4内の所定の個数のセンスユニットSUは、1つのカラムブロックCOLに含まれる。本実施形態において、カラムブロックCOL内のセンスユニットSUがベリファイフェイルのデータを保持している否かを検知することによって、書き込み動作又は消去動作が完了したか否か判定される。
ベリファイ結果を検知する検知回路(フェイルビット検知回路)は、複数の検知ユニットを含む。1つの検知ユニットFUは、1つのカラムブロックCOLに対応する。検知ユニットFUは、共通線COMによって、カラムブロックCOL内の複数のセンスユニットSUに共通に接続される。
本実施形態において、カラムブロックCOLに対応している共通線COMに接続されるキャッシュとして、ラッチ回路50が用いられる。
共通線COMに接続されるキャッシュとして、キャパシタのようなダイナミックキャッシュが用いられる場合がある。ダイナミックキャッシュとしてのキャパシタの静電容量は、キャパシタの充電及び放電を制御するためのMOSトランジスタのリークなどを考慮して設計されているため、キャパシタの面積縮小には制約がある。また、キャパシタの静電容量は、配線ノイズを低減させるために、共通線COMの配線容量よりも十分大きくする必要がある。それゆえ、配線幅が微細化されると、共通線COMの配線容量が増大するため、ダイナミックキャッシュとしてのキャパシタの占有面積は増大してしまう。
また、フラッシュメモリの微細化が進むと、ウェハ内にランダムに発生する結晶欠陥が、MOSトランジスタなどの素子の特性を劣化させる可能性がある。上述のフラッシュメモリのベリファイ結果の検知動作の際に、結晶欠陥によるMOSトランジスタのリーク電流によって、共通線COMに接続されたキャパシタが放電されてしまう場合がある。このため、カラムブロックCOLがベリファイフェイルを含んでいなくとも、共通線COMの放電によって、ベリファイフェイルと誤判定されてしまう場合がある。検知線LSENは、複数のカラムブロックCOLに共通に接続されているため、たとえ、1つのカラムブロックCOL内のリーク電流によるキャパシタの放電であっても、回路全体の不良となる。このため、フラッシュメモリの不良率が悪化してしまう。
さらに、ベリファイ結果の検知動作において、共通線COMに接続されたキャパシタに対して、充電及び放電が実行される。この充電及び放電動作は、カラムブロックの全てに対して同時に実行されるため、数千個のキャパシタが同時に充電又は放電される。そのため、キャパシタの充電/放電に起因するピーク電流又は電源ノイズが、フラッシュメモリの動作に悪影響を及ぼすことがある。
また、キャパシタが用いられている場合、内部電源のドロップなどの電源ノイズを考慮して、回路を設計する必要がある。
一方、本実施形態のように、キャッシュとしてラッチ回路50が用いられた場合、共通線COM及び信号線NCOMに数十nA程度のリーク電流が生じていても、ラッチ回路50の電流供給能力は、そのリーク電流より大きい。それゆえ、共通線COM,NCOMのリーク電流が生じていても、ラッチ回路50は正常にデータを保持できる。また、スタティクキャッシュとしてのラッチ回路50を用いることによって、メモリセルトランジスタMTの微細化に追従して、ラッチ回路を形成するトランジスタを微細化できる。特に、フラッシュメモリにおいて、記憶密度の向上及び製造コストの低減のためにメモリセルトランジスタMTのゲート長が40nmから10nmへと微細化が進むにつれて、ラッチ回路50は、キャパシタに比較して、動作の信頼性を確保でき、相対的な面積を縮小できる。
上述のように、共通線COMに接続されたラッチ回路50のデータ保持状態は、共通線COM,NCOMの放電によって切り替えられているので、ラッチ回路50の充電動作が不要になる。また、ラッチ回路50のデータを切り替える際に生じる電流は、データが反転する際に生じる瞬間的な電流のみで、キャパシタの充電及び放電により生じる電流に比較して、十分小さい。
さらに、ラッチ回路50内のCMOSインバータ52のpチャネル型トランジスタの電流駆動力が、センスユニットSU内のチェック回路のnチャネル型MOSトランジスタ41,42の電流駆動力より小さくされている。これによって、共通線COMの放電によって、ラッチ回路50のデータ保持状態が強制的に切り替えられる。
それゆえ、ラッチ回路50を用いることによって、キャパシタを用いた場合に比較して、ノイズを低減でき、フラッシュメモリの消費電力を低減できる。
また、ラッチ回路50を用いることによって、内部電源のドロップなどのノイズに起因する回路設計の制約を緩和でき、回路の設計余裕度を向上できる。
以上のように、本実施形態によれば、メモリの信頼性の向上や消費電力の低減に貢献できる。
(2) 第2の実施形態
図6乃至図16を用いて、第2の実施形態の半導体メモリについて、説明する。第2の実施形態の半導体メモリの全体構成は、第1の実施形態と同様であるため、ここでは、各実施形態の相違点について主に説明する。第2の実施形態において、第1の実施形態で述べた構成と実質的に同じ構成に関しては、共通の符号を付し、その構成及びその機能の説明は、必要に応じて行う。
(a) 回路構成
図6及び図7を用いて、第2の実施形態の半導体メモリ(例えば、フラッシュメモリ)の回路構成について説明する。
図6は、本実施形態の半導体メモリの構成を模式的に示すブロック図を示している。図7は、本実施形態の半導体メモリの構成をより具体的に示す等価回路図である。
図6に示されるように、本実施形態の半導体メモリにおいて、フェイルビット検知回路5内の各検知ユニットFUは、自己テストユニット80をさらに含んでいる。自己テストユニット80によって、検知ユニットFU及びそれに接続される他の構成が、不良を含むか否かテストされる。
例えば、自己テストユニット80は、ラッチ回路50,70及びラッチ回路50,70に接続される信号線COM,NCOMが不良を含むか否かテストする。
図7は、図4に示される検知ユニットFUに、自己テストユニット80としてのBIST(Built In Self Test)ユニットが付加された例を、示している。これによって、検知ユニットFUは、BIST機能を有する。
検知ユニットFUに、例えば、スイッチ素子としての4つの電界効果トランジスタ181,182,183,184を追加することによって、BISTユニット(BIST機能)80が検知ユニットに付加される。
BISTユニット80を付加するための複数の電界効果トランジスタ181,182,183において、電界効果トランジスタ181,182,183は、例えば、nチャネル型MOSトランジスタであり、電界効果トランジスタ184は、例えば、pチャネル型MOSトランジスタである。
MOSトランジスタ181のゲートには、テスト信号(第1のテスト信号)ISOTESTが入力される。MOSトランジスタ181の電流経路の一端は、共通線COMに接続される。MOSトランジスタ181の電流経路の他端は、グランド端に接続される。
MOSトランジスタ182のゲートには、テスト信号(第2のテスト信号)COMTESTが入力される。MOSトランジスタ182の電流経路の一端は、MOSトランジスタ183の電流経路を経由して、データキャッシュDT_cacheに接続される。MOSトランジスタ182の電流経路の他端は、グランド端に接続される。
MOSトランジスタ183のゲートは、信号線NCOMに接続される。上述のように、MOSトランジスタ183の電流経路の一端は、データキャッシュDT_cacheに接続され、MOSトランジスタ183の電流経路の他端は、MOSトランジスタ182に接続される。MOSトランジスタ183は、信号線NCOMの電位(信号レベル)に応じて、オン又はオフする。
MOSトランジスタ184は、COMラッチ回路50のインバータ52内に設けられる。
MOSトランジスタ184の電流経路の一端は、pチャネル型MOSトランジスタ121の電流経路の一端(ドレイン)に接続され、MOSトランジスタ184の電流経路の他端は、nチャネル型MOSトランジスタ122の電流経路の一端(ドレイン)に接続される。インバータ52の出力ノードは、MOSトランジスタ184の電流経路を経由するように形成され、MOSトランジスタ184とnチャネル型MOSトランジスタ122との接続点に設けられている。
MOSトランジスタ184のゲートは、NORゲート51内のMOSトランジスタ111,112の入力ノードに接続されている。例えば、図7において、MOSトランジスタ184のゲートは、pチャネル型MOSトランジスタ111のゲートに接続されている。これによって、MOSトランジスタ184のゲートには、アイソレーションラッチ回路70からの信号が入力される。すなわち、MOSトランジスタ184は、アイソレーションラッチ回路70の保持するヒューズデータ(例えば、不良カラムフラグ)に応じて、オン又はオフする。
このように、検知ユニットFUが自己テストユニットを有することによって、検知ユニットの不良を検知できる。さらに、その検知ユニットFUの不良がベリファイの誤判定を引き起こすのを抑制できる。
したがって、第2の実施形態によれば、半導体メモリの信頼性を向上できる。
(b) 動作
図8乃至図12を参照して、第2の実施形態の半導体メモリ(例えば、フラッシュメモリ)の動作について、説明する。尚、本実施形態において、第1の実施形態と共通する動作については、必要に応じて説明する。
(b−0) フェイルビット検知動作
図8を用いて、本実施形態のフラッシュメモリにおけるフェイルビット(ベリファイフェイル/パス)の検知動作について、説明する。
尚、第1の実施形態と実質的に同じ動作については、詳細な説明は省略する。
アイソレーションラッチ回路70が保持するヒューズデータが、“L”レベルである場合、自己テストユニット80のpチャネル型MOSトランジスタ184に、“L”レベルのヒューズデータに入力される。これによって、pチャネル型MOSトランジスタ184は、オンする。
そして、COMラッチ回路50のリセットのために、リセット信号COMHが、“L”レベルから“H”レベルに遷移される。信号線NCOMは“L”レベルに設定される。その“L”レベルの信号が、インバータによって“H”レベルに反転される。ここで、pチャネルMOSトランジスタ184はオンしているので、電源電圧Vddが、2つのpチャネルトランジスタ184の電流経路を経由して、共通線COMに印加される。これによって、共通線COMは“H”レベルに設定される。
尚、アイソレーションラッチ回路70が保持するヒューズデータが“H”レベルである場合、pチャネル型MOSトランジスタ184は、“H”レベルのヒューズデータによって、オフしている。“H”レベルのヒューズデータはカラムブロックCOLが不良であることを示しているので、信号線COM,NCOMは充電及び放電せず、COMラッチ回路50のリセットは生じないが、問題ない。
また、図8に示されるように、自己テストのためのテスト信号ISOTEST,COMTESTは、ベリファイ判定の期間中、“L”レベルのままにされている。
この後、図5を用いて説明したベリファイ判定の動作と同様に、カラムブロックCOL及びセンスユニットSUがベリファイパスかベリファイフェイルかによって、共通線COM及び信号線NCOMの電位が変化する。
これによって、ベリファイフェイルを含む場合、検知線LSENの放電が生じ、ベリファイフェイルを含まない場合、検知線LSENの充電状態が維持される。
このように、検知ユニットFUに自己テストユニット80が付加された場合においても、検知線LSENの放電の有無に応じて、フェイルビットが存在するか否か検知できる。
(b−1) アイソレーションラッチ回路の不良検出
図9乃至図12を参照して、自己テストユニット80を用いた自己テスト機能(例えば、BIST機能)によるアイソレーションラッチ回路70の不良検出方法及び動作について説明する。
<不良検出方法1>
図9及び図10を用いて、BIST機能によるアイソレーションラッチ回路70の不良検出方法1について、説明する。ここでは、アイソレーションラッチ回路70が保持するヒューズデータ(例えば、不良カラムフラグ)が“L”レベルに固定されてしまう不良を検出する方法及び回路の動作について、説明する。
尚、信号レベル(電位)が“L”レベル(又は“H”レベル)に固定される不良とは、“L”レベルから“H”レベル(又は“H”レベルから“L”レベル)に変化しない不良だけでなく、信号レベルが“H”レベル(又は“L”レベル)から“L”レベル(又は“H”レベル)に予期せずに戻ってしまう不良も含む。
図9は、本実施形態のアイソレーションラッチ回路の不良検出方法1のフローチャートを示している。図10は、本実施形態のアイソレーションラッチ回路の不良検出方法1におけるタイミングチャートを示している。
図9及び図10に示されるように、アイソレーションラッチ回路70内のnチャネル型MOSトランジスタ173に対する制御信号FCRSTが、“H”レベルに設定される。これによって、MOSトランジスタ173がオンし、インバータ174の入力ノード及びインバータ175の出力ノードは放電される。それゆえ、インバータ174の入力ノードの電位が“L”レベルになり、アイソレーションラッチ回路70が保持するヒューズデータFDは、“L”となる(ステップST11)。
アイソレーションラッチ回路70のデータ保持状態が“L”レベルにされた後、制御信号FCRSTは“L”レベルにされる。
次に、リセット信号COMHが“L”レベルに設定され、テスト信号ISOTESTが“H”レベルに設定される。すると、共通線COMの電位は“L”レベルとなり、信号線NCOMの電位は“H”レベルとなる(ステップST12)。
そして、アイソレーションラッチ回路70内のnチャネル型MOSトランジスタ171,172において、制御信号FCENが“H”レベルに設定され、制御信号CSLが“H”レベルに設定される(ステップST13)。
ここで、アイソレーションラッチ回路70が不良を含むか否かによって、ヒューズデータの信号レベルが異なる(ステップST14)。
アイソレーションラッチ回路70が正常である場合、フリップフロップFFにおいてインバータ174の出力ノード及びインバータ175の入力ノードの電位(信号レベル)が“L”となるため、ヒューズデータFDは“H”レベルに遷移する。このように、アイソレーションラッチ回路70が正常であれば、信号線NCOMの電位(信号レベル)は“H”レベルから“L”レベルに遷移する(ステップST15B)。
一方、アイソレーションラッチ回路70のデータ保持状態が“L”レベルに固定される不良がある場合、制御信号FCEN,CSLが“H”レベルに設定されたとしても、ヒューズデータFDは“H”レベルに変化しない。この場合、信号線NCOMの電位(信号レベル)は、“H”の状態が持続する(ステップST15A)。
尚、インバータ52内の自己テストユニット80としてのpチャネル型MOSトランジスタ184は、ヒューズデータFDの信号レベルに応じて、オン/オフが変化する。これに伴って、共通線COMの電位も変化する。このpチャネル型MOSトランジスタ184がオフしている場合、インバータ52を経由した信号線NCOMから共通線COMへ向かう貫通電流を低減できる。その結果として、本実施形態のフラッシュメモリは、自己テスト時における消費電力を低減できる。
テスト信号COMTESTが、“H”レベルに設定される(ステップST16)。データキャッシュDT_cacheの信号レベル(電位)の初期状態は、“H”レベルに設定されている。
信号線NCOMが“H”レベルである場合、自己テストユニット80としてのnチャネル型MOSトランジスタ183はオンする。データキャッシュDT_cacheが保持する電荷は、オン状態のMOSトランジスタ182,183の電流経路を経由して、グランド端に放電される。これによって、データキャッシュDT_cacheの信号レベルは、“H”レベルから“L”レベルへ遷移する。
信号線NCOMが“L”レベルである場合、MOSトランジスタ183はオフする。それゆえ、データキャッシュDT_cacheの電荷は、放電されずに、保持状態が持続する。それゆえ、データキャッシュDT_cacheの信号レベルは、“H”レベルのままである。
上述のように、信号線NCOMが“H”レベルである場合、アイソレーションラッチ回路70はヒューズデータFDが“L”レベルに固定される不良を含む。即ち、データキャッシュDT_cacheの信号レベルが“L”レベルを示す場合、アイソレーションラッチ回路70はヒューズデータFDが“L”レベルに固定される不良を含む。
信号線NCOMが“L”レベルである場合、アイソレーションラッチ回路70はヒューズデータFDが“L”レベルに固定される不良を含まない。即ち、データキャッシュDT_cacheの信号レベルが“H”レベルを示す場合、アイソレーションラッチ回路70はヒューズデータFDが“L”レベルに固定される不良を含まない。
それゆえ、データキャッシュDT_cacheのデータを読み出すことによって、アイソレーションラッチ回路80が“L”レベルに固定される不良を含むか否か判定される(ステップST17)。
データキャッシュDT_cacheの読み出し結果が“L”レベルである場合、つまり、アイソレーションラッチ回路70が不良を含む場合、そのアイソレーションラッチ回路70に対応するカラムブロックCOLは不良と判定される。例えば、不良のカラムブロックCOLは、不良救済のためのリダンダンシに置換される。
以上のように、図9及び図10に示される自己テスト機能による不良検出方法及び動作によって、アイソレーションラッチ回路70の不良を検出できる。
<不良検出方法2>
図11及び図12を用いて、BIST機能によるアイソレーションラッチ回路70の不良検出方法2について、説明する。ここでは、アイソレーションラッチ回路70が保持するヒューズデータが“H”レベルに固定される不良を検出する方法及び動作について、説明する。尚、上述の不良検出方法1と実質的に同じ動作に関しては、必要に応じて、説明する。
図11は、本実施形態のアイソレーションラッチ回路の不良検出方法2のフローチャートを示している。図12は、本実施形態のアイソレーションラッチ回路の不良検出方法2におけるタイミングチャートを示している。
不良検出方法1と同様に、制御信号FCRSTが“H”レベルにされる(ステップST21)。ヒューズデータFDが“L”レベルにされる。尚、アイソレーションラッチ回路70のデータ保持状態が“H”レベルに固定される不良を含む場合、制御信号FCRSTが“H”レベルであっても、ヒューズデータFDは“L”レベルにならない、或いは、制御信号FCRSTが“H”レベルである期間においてのみ、ヒューズデータFDは“L”レベルを示す。
また、リセット信号COMHが“H”レベルにされ、信号線NCOMの電位が“L”レベル、共通線COMの電位が“H”レベルにされる。そして、テスト信号ISOTESTが、“H”レベルにされる(ステップST22)。
アイソレーションラッチ回路70が正常である場合、つまり、ヒューズデータFDが“L”である場合、共通線COMの電位は“L”レベル、信号線NCOMの電位は“H”レベルになる(ステップST24A)。
一方、アイソレーションラッチ回路70のデータ保持状態(ヒューズデータFD)が“H”レベルに固定される不良を含んでいる場合、信号線NCOMの電位は、“L”レベルになる(ステップST24B)。
テスト信号COMTESTが、“H”レベルに設定される(ステップST25)。これによって、自己テストユニットとしてのMOSトランジスタ182は、オンする。
ヒューズデータFDが“H”レベルに固定される不良をアイソレーションラッチ回路70が含まない場合、信号線NCOMの電位は“H”レベルである。この場合、自己テストユニット80としてのMOSトランジスタ183は、オンする。そのため、アイソレーション回路70が不良を含まない場合、データキャッシュDT_cacheの電位は“L”レベルを示す。
一方、ヒューズデータFDが“H”レベルに固定される不良をアイソレーションラッチ回路70が含む場合、信号線NCOMの電位は“L”レベルである。この場合、MOSトランジスタ183は、オフしている。そのため、アイソレーション回路70が不良を含む場合、データキャッシュDT_cacheの電位は“H”レベルを示す。
データキャッシュDT_cacheのデータを読み出すことによって、ヒューズデータFDが“H”レベルに固定される不良をアイソレーションラッチ回路70が含むか否か判別される(ステップST26)。
そして、アイソレーションラッチ回路50が不良を含む場合、不良のカラムブロックCOLは、リダンダンシに置換される。
以上のように、図11及び図12に示される自己テスト機能による不良検出方法及び動作によって、アイソレーションラッチ回路70の不良を検出できる。
(b−2) COMラッチ回路の不良検出
図13乃至図16を参照して、自己テストユニットの自己テスト機能(例えば、BIST機能)によるCOMラッチ回路の不良検出方法及び動作について、説明する。尚、上述のアイソレーションラッチ回路70の不良検出方法及び動作と実質的に同じ動作に関しては、必要に応じて、説明する。
<不良検出方法1>
図13及び図14を用いて、BIST機能によるCOMラッチ回路50の不良検出方法1について、説明する。ここでは、COMラッチ回路50における共通線COM側の入力が“L”レベルに固定される不良を検出する方法及び動作について、説明する。尚、COMラッチ回路50における共通線COM側の入力の不良は、共通線COMの不良及びCOMラッチ回路50自体の不良のうち少なくとも一方を含む。
図13は、本実施形態のCOMラッチ回路の不良検出方法1のフローチャートを示している。図14は、本実施形態のCOMラッチ回路の不良検出方法1におけるタイミングチャートを示している。
図13及び図14に示されるように、制御信号FCRSTが“H”に設定され、アイソレーションラッチ回路70が保持するヒューズデータFDが“L”レベルに設定される(ステップST31)。
リセット信号COMHが一度“H”レベルに設定され、信号線NCOMの電位を放電した後、リセット信号COMHが“L”レベルに設定される(ステップST32)。なお、アイソレーションラッチ回路70のデータ切り替えと信号線NCOMは、同時に行われてもよいし、異なるタイミングで実行されてもよい。
ここで、共通線COM及びそれに接続されたCOMラッチ回路50の入力端子に不良が存在するか否かに応じて、共通線COM,NCOMの電位が異なる。
COMラッチ回路50が正常である場合、信号線NCOMの放電によって、共通線COMの電位は“H”レベル、信号線NCOMの電位は“L”レベルになる(ステップST34B)。
一方、COMラッチ回路50の入力端子が“L”レベルに固定される不良を含む場合、共通線COMの電位は“L”レベル、信号線NCOMの電位は“H”レベルになる(ステップST34A)。
この後、テスト信号COMTESTが“H”レベルに設定される(ステップST35)。これによって、自己テストユニット80としてのnチャネル型MOSトランジスタ182が、オンする。
また、信号線NCOMの電位に応じて、自己テストユニット80としてのnチャネル型MOSトランジスタ181が、オン又はオフする。
信号線NCOMの電位が“L”レベルである場合、MOSトランジスタ181はオフする。そのため、データキャッシュDT_cacheの電位は、“H”レベルを示す。
一方、信号線NCOMの電位が“H”レベルである場合、MOSトランジスタ181はオンする。これによって、データキャッシュDT_cacheの電荷は、オン状態の2つのMOSトランジスタ182,183を経由して放電される。その結果として、データキャッシュDT_cacheの電位は、“L”レベルを示す。
このように、上記の動作において、データキャッシュが“H”レベルである場合、COMラッチ回路50における共通線COM側の入力が“L”レベルに固定される不良を含まない。一方、データキャッシュが“L”レベルである場合、COMラッチ回路50における共通線COM側の入力が“L”レベルに固定される不良を含む。
そして、データキャッシュDT_cacheのデータを制御部10が読み出すことによって、COMラッチ回路80における共通線COM側の入力が“L”レベルに固定される不良を含むか否か判定される(ステップST35)。
データキャッシュDT_cacheの読み出し結果が“L”レベルである場合、つまり、COMラッチ回路50における共通線COM側の入力が不良を含む場合、そのCOMラッチ回路50に対応するカラムブロックCOLは不良と判定される。例えば、不良のカラムブロックCOLは、不良救済のためのリダンダンシに置換される。
以上のように、図13及び図14に示される自己テスト機能による不良検出方法及び動作によって、COMラッチ回路70の不良を検出できる。
<不良検出方法2>
図15及び図16を用いて、BIST機能によるCOMラッチ回路50の不良検出方法2について、説明する。ここでは、COMラッチ回路50における共通線COM側の入力が“H”レベルに固定される不良を検出する方法及び動作について、説明する。
図15は、本実施形態のCOMラッチ回路の不良検出方法2のフローチャートを示している。図16は、本実施形態のCOMラッチ回路の不良検出方法2におけるタイミングチャートを示している。
図15及び図16に示されるように、制御信号FCRSTが“H”に設定され、ヒューズデータFDが“L”レベルに設定される(ステップST41)。
リセット信号COMHが“H”レベルから“L”レベルにされる。信号線NCOMの電位は“L”レベルになり、共通線COMの電位は“H”レベルになる(ステップST42)。
また、テスト信号ISOTESTが、“H”レベルにされる。共通線COM及びCOMラッチ回路50の入力端子が正常であれば、共通線COMは放電状態になり、共通線COMの電位及び信号レベルは“L”レベルになる。
COMラッチ回路50の共通線COM側の入力が“H”レベルに固定される不良を含むか否かに応じて、信号線NCOMの信号レベルは異なる(ステップST43)。
COMラッチ回路50の共通線COM側の入力が“H”レベルに固定される不良を含んでいれば、信号線NCOMの電位は“L”レベルを示す(ステップST44B)。
COMラッチ回路50の共通線COM側の入力が“H”レベルに固定される不良を含んでいなければ、共通線COMの電位は放電によって“L”レベルに変化するので、信号線NCOMの電位は“H”レベルを示す(ステップST44A)。
そして、テスト信号COMTESTが“H”レベルに設定される(ステップST45)。信号線NCOMの電位が“H”レベルの場合、データキャッシュDT_cacheは、放電され、“L”レベルを示す。信号線NCOMの電位が“L”レベルの場合、データキャッシュDT_cacheは、充電状態が維持され、“H”レベルを示す。
このように、上記の動作において、データキャッシュDT_cacheが“L”レベルである場合、COMラッチ回路50における共通線COM側の入力が“H”レベルに固定される不良を含まない。一方、データキャッシュDT_cacheが“H”レベルである場合、COMラッチ回路50における共通線COM側の入力が“H”レベルに固定される不良を含む。
そして、データキャッシュDT_cacheのデータを読み出すことによって、COMラッチ回路80における共通線COM側の入力が“H”レベルに固定される不良を含むか否か判定される(ステップST46)。
そして、データキャッシュDT_cacheの読み出し結果が“H”レベルである場合、つまり、COMラッチ回路50における共通線COM側の入力が不良を含む場合、そのCOMラッチ回路50に対応するカラムブロックCOLは不良と判定される。例えば、不良のカラムブロックCOLは、不良救済のためのリダンダンシに置換される。
以上のように、図15及び図16に示される自己テスト機能による不良検出方法及び動作によって、COMラッチ回路70の不良を検出できる。
(c) まとめ
第2の実施形態の半導体メモリ(例えば、フラッシュメモリ)は、第1の実施形態の構成に加え、フェイルビット検知回路5内に、自己テストユニット80(例えば、BISTユニット)を含んでいる。自己テストユニット80は、フェイルビット検知回路5内の不良、例えば、検知ユニットFUの不良を検出する。
上述のように、記憶密度の向上やチップコストの低減のため、素子の微細化が推進されている。その微細化に伴って、配線幅や隣接する配線間のピッチも縮小されている。それに起因して、配線の断線や配線間の短絡などが生じる可能性が高くなる。
本実施形態のフラッシュメモリのように、自己テストユニット80による自己テスト機能が付加されることによって、フェイルビット検知回路5内の検知ユニットFUの不良及びカラムの不良を検知できる。
これによって、本実施形態のフラッシュメモリは、フェイルビット検知回路5内及びカラムの不良によって、データの書き込み又は消去が不要に繰り返されてしまうことを、低減できる。
フェイルビット検知回路5内の不良によって、ベリファイ結果が誤判定される不良を低減できる。この結果として、フラッシュメモリの信頼性の低下が抑制される。
さらに、メモリの自己テストによって、テスト装置を用いたテストに比較して、テストに要する時間を短縮でき、コストを低減できる。また、不良カラムの検知によって、その不良カラムをリダンダンシによって救済でき、製造歩留まりの低下を抑制できる。
以上のように、第2の実施形態の半導体メモリは、第1の実施形態と同様の効果が得られるともに、自己テストによってメモリの信頼性を向上でき、テストに要する時間及びコストを低減できる。
したがって、第2の実施形態によれば、メモリの信頼性を向上できる。
(3) 第3の実施形態
図17乃至図20を用いて、第3の実施形態の半導体メモリについて、説明する。第3の実施形態の半導体メモリの全体構成は、第1の実施形態と同様であるため、ここでは、各実施形態の相違点について主に説明する。第3の実施形態において、第1及び第2の実施形態で述べた構成と実質的に同じ構成に関しては、共通の符号を付し、その構成及びその機能の説明は、必要に応じて行う。
(a) 回路構成
図17乃至図19を用いて、第3の実施形態の半導体メモリ(例えば、フラッシュメモリ)の回路構成について、説明する。
図17は、本実施形態のフラッシュメモリの構成を模式的に示すブロック図である。
本実施形態のフラッシュメモリは、第1又は第2の実施形態の構成に加えて、フェイルビットカウント回路(カウント回路)90を、さらに含んでいる。
フェイルビットカウント回路90は、フェイルビット検知回路5内の検知ユニットFUを経由して、センスアンプ回路4内の複数のカラムブロックCOL及び複数のセンスユニットSUに共通に接続される。フェイルビットカウント回路90は、共通の検知線LSENを経由して、複数の検知ユニットFUに接続される。
図18を用いて、フェイルビットカウント回路90の内部構成について、説明する。尚上述のように、フェイルビットカウント回路90は、検知線LSENを経由して、複数の検知ユニットFUに接続されるが、図18において、図示の簡単化のため、1個の検知ユニットFUのみを示している。
図18に示されるように、フェイルビットカウント回路90は、オペアンプ190と電流源195とを、含んでいる。また、フェイルビット検知回路5は、カレントミラー回路199を、含む。カレントミラー回路199は、複数の検知ユニットFUに共通に接続されている。
カレントミラー回路199は、検知ユニット199内のMOSトランジスタTr1の電流経路の他端に、接続されている。
カレントミラー回路199は、1つの電流源191と2つの電界効果トランジスタ192,193とを含んでいる。電界効果トランジスタ192,193は、例えば、nチャネル型MOSトランジスタである。一方のMOSトランジスタ192は、ダイオード接続されている。
電流源191の一端は、ダイオード接続されたMOSトランジスタ192の電流経路及び信号線GCMNに接続される。電流源191の他端は、電源Vddに接続されている。電流源191は、ダイオード接続されたMOSトランジスタ192の電流経路及び信号線GCMNに、電流IREFを出力する。
ダイオード接続されたMOSトランジスタ192のゲート及び電流経路の一端には、電流源191が接続されている。MOSトランジスタ192のゲート及びの電流経路の一端は、信号線GCMNに接続されている。MOSトランジスタ192の電流経路の他端は、グランド端に接続されている。
MOSトランジスタ193のゲートは、信号線GCMNに接続されている。MOSトランジスタ193の電流経路の一端は、MOSトランジスタTr1の電流経路の他端に接続されている。MOSトランジスタ193の電流経路の他端は、グランド端に接続されている。
MOSトランジスタ193のゲートには、信号線GCMNを流れる電流値IREFに応じた電圧が印加される。上記のように、カレントミラー回路199が形成されているので、MOSトランジスタ193の電流駆動力が、ダイオード接続されたMOSトランジスタ192の電流駆動力と同程度であれば、MOSトランジスタ193の電流経路には、MOSトランジスタ192の電流経路を流れる電流(例えば、電流IREF)と実質的に同じ大きさの電流が流れる。
カレントミラー回路199のMOSトランジスタ193の電流経路の一端は、MOSトランジスタTr1の電流経路に接続されている。そのため、カレントミラー回路199は、MOSトランジスタTr1及び検知線LSENを経由して、フェイルビットカウント回路90のオペアンプ190の一方の入力端子に接続される。これによって、MOSトランジスタTr1がオンする場合、カレントミラー回路199の出力電流及びそれに応じた電位が、オペアンプ199に供給される。
例えば、全てのカラムブロックCOLのMOSトランジスタTr1のうち、m個のMOSトランジスタTr1がオンする、即ち、m個のメモリセルトランジスタがベリファイフェイルである場合、“m×IREF”の大きさの電流が検知線LSENを流れ、その電流値に応じて、検知線LSENの電位が変動する。
尚、フェイルビットカウント回路90の構成に応じて、1つのカレントミラー回路199が複数の検知ユニットFUに共通に接続されてもよい。また、カレントミラー回路199の構成は、図18に示される構成に限定されない。
フェイルビットカウント回路90において、オペアンプ190の一方の入力端子は、検知線LSENを経由して、検知ユニットFU内のMOSトランジスタTr1の電流経路の一端に接続されている。オペアンプ190の他方の入力端子は、電流源195に接続される。
電流源195は、基準電流IREF×(n+0.5)(n≧0)を出力する。以下では、電流源195のことを、基準電流源195とよぶ。
基準電流源195は、制御信号DACによって出力電流の大きさを切り替えることが可能である。基準電流源195の出力電流の大きさは、制御信号DACによって、0.5×IREFからIREF×(n+0.5)の範囲内で、制御される。基準電流IREF×(n+0.5)における“n”の値は、制御信号DACによって変化される。
オペアンプ190は、カレントミラー回路199の出力電流IREF×mに起因する検知線LSENの電位と基準電流IREF×(n+0.5)(n≧0)に起因する電位とを比較する。オペアンプ190は、その比較結果を、信号HRとして、出力する。
尚、図19に示されるように、検知ユニットFUが自己テストユニット(例えば、BISTユニット)を含む場合において、カレントミラー回路190及びフェイルビットカウント回路90が設けられてもよい。
尚、本実施形態において、図18及び図19に示されるカレントミラー回路199及びフェイルビットカウント回路90の構成は一例であって、これに限定されるものではない。
このように、カレントミラー回路190及びフェイルビットカウント回路90が、フラッシュメモリに設けられることによって、データの書き込みにおけるフェイルビット数をカウントできる。これによって、ECC(Error Checking and Correcting)による誤り訂正の許容値を考慮して、動作シーケンスを実行できる。
したがって、第3の実施形態によれば、半導体メモリの信頼性を向上できる。
(b) 動作
以下、図20を用いて、第3の実施形態の半導体メモリ(例えば、フラッシュメモリ)の動作について、説明する。尚、ここでは、図3も適宜用いて説明する。
ここでは、書き込み動作及び消去動作時におけるフェイルビットの個数をカウントする動作(以下、フェイルビットカウント動作とよぶ)について、説明する。本実施形態のフラッシュメモリのフェイルビットカウント動作によれば、第1の実施形態のフラッシュメモリにおけるフェイルビットの有無を検知することに加え、そのフェイルビットの個数をカウントすることができる。
尚、本実施形態において、第1の実施形態と同様の動作については、必要に応じて、説明する。また、本実施形態において、図19に示されるフラッシュメモリの自己テスト動作は、第2の実施形態と実質的に同様であるので、説明は省略する。
図20は、本実施形態のフラッシュメモリにおけるフェイルビットカウント動作のタイミングチャートを示している。
図20に示されるように、リセット信号COMHが“H”レベルに設定され、信号線NCOMの電位が“L”レベルにされる。これに伴って、各カラムブロックCOLにおいて、共通線COMの電位は、“H”レベルに変化する。
メモリセルアレイ1に対して設定された全てのカラムブロックCOLにおいて、例えば、1つのセンスアンプユニットSU0に対応する制御信号CHK0が“H”レベルにされる。これによって、各カラムユニットCOLにおいて、制御信号CHK0が入力されるMOSトランジスタ410がオンする。
ここで、各カラムブロックにおいて、制御信号CHK0に対応するセンスアンプ400がベリファイフェイルを示すデータ(“H”レベル)を保持する場合、そのセンスアンプ400にゲートが接続されたMOSトランジスタ420は、オンする。
そのため、共通線COMは、センスユニットSU0内の2つのMOSトランジスタ(チェック回路)410,420の電流経路を経由して、放電される。
選択されたセンスユニットSU0がベリファイフェイルを含むカラムブロックCOLにおいて、共通線COMの電位は“L”レベルに変化し、信号線NCOMの電位は“H”レベルに変化する。
センスアンプ400がベリファイパスを示すデータ(“L”レベル)を保持する場合、そのセンスアンプ400にゲートが接続されたMOSトランジスタ420は、オンしない。そのため、共通線COMは、充電状態が持続される。
選択されたセンスユニットSU0がベリファイフェイルを含まないカラムブロックCOLにおいて、共通線COMの電位は“H”レベルに維持され、信号線NCOMの電位も“L”レベルに維持される。
アイソレーションラッチ回路70が“L”のヒューズデータを保持している場合、NORゲート51の出力は“H”レベルとなり、信号線NCOMの電位は“H”レベルになる。尚、アイソレーションラッチ回路70が“H”のヒューズデータを保持している場合、それに対応するカラムブロックCOLは、不良である。この場合、NORゲート51の出力は共通線COMの電位に依存せずに“L”レベルとなるので、共通線COMが“L”レベルであっても“H”レベルであっても、信号線NCOMは“L”レベルに維持される。
信号線NCOMの電位が“H”レベルに変化すると、検知線LSENに接続されたMOSトランジスタTr1は、オンする。
また、本実施形態において、各カラムブロックのカレントミラー回路199が、駆動される。つまり、信号線GCMNに電流IREFによって生じる電圧が印加され、カレントミラー回路199は、電流IREFを出力する。
カレントミラー回路199の出力電流IREFが、オン状態のMOSトランジスタを経由して、検知線LSENに流れる。
一方、MOSトランジスタTr1がオフであれば、そのカラムブロックCOLにおけるカレントミラー回路199からの出力電流は、検知線LSENに供給されない。
このように、ベリファイフェイルのデータを保持するセンスユニットSU0を含むカラムブロックCOLからの出力電流が、検知線LSENに供給される。
検知線LSENは、複数のカラムブロックCOLに共通に接続されている。それゆえ、検知線LSENに供給される電流の大きさは、ベリファイフェイルの個数に応じた大きさとなる。つまり、全カラムブロックCOLのセンスユニットSU0において、ベリファイフェイルの個数がm個である場合、検知線LSENを流れる電流の大きさは“m×IREF”となる。
このカレントミラー回路199からの電流の大きさに応じて、検知線LSENの電位は変動し、例えば、検知線LSENの電位は、基準電位(例えば、“H”レベル)より小さくなる。
尚、全てのカラムブロックCOL内において検知対象のセンスユニットSU0がベリファイパスのデータを保持する場合、カレントミラー回路の出力電流は検知線LSENに供給されないので、検知線LSENの電位は変動しない。
ベリファイフェイルの個数mに応じて変動した検知線LSENの電位が、オペアンプ190の一方の入力端子に印加される。
オペアンプ190の他方の入力端子には、基準電流源195の出力電流IREF×(n+0.5)によって生じる電位が印加される。
基準電流源195の基準電流IREF×(n+0.5)は、基準電流源195に対する制御信号DACによって、所定のタイミング(例えば、動作クロック)において徐々に増加される。
n<mの関係である場合、基準電流IREF×(n+0.5)に起因する電位は、電流IREF×mに起因する電位より小さい。この場合、オペアンプ190の出力信号HRは、“L”レベルに維持される。
そして、制御信号DACによって“n”の値が増加され、n=mの関係になった場合、基準電流IREF×(n+0.5)に起因する電位が、電流IREF×mに起因する電位より大きくなり、オペアンプ190の出力信号HRは、例えば、“L”レベルから“H”レベルに反転する。
制御部10がオペアンプ190の出力信号HRが反転したのを検知し、制御部10は、出力信号HRが反転した際の制御信号DACの値“n”を制御部10内のキャッシュに取り込む。
制御部10が、制御線号DACの値nに基づいて、フェイルビットの個数mを算出する。これによって、全てのカラムブロックCOLにおいて、ベリファイフェイルのデータを保持するセンスアンプユニットSU0の個数、つまり、書き込みが未完了のメモリセルトランジスタMTの個数が、カウントされる。
これと同様の動作を、全てのカラムブロックに対して、カラムブロックCOLのセンスユニットSU1からセンスユニットSU8まで繰り返すことによって、データの書き込み又は消去におけるフェイルビットの全個数がカウントされる。
このように、カラムブロックCOL内においてセンスユニットSUのベリファイ結果を、1つずつ共通線COMに反映させることによって、カラムブロックCOLが含むベリファイフェイルの個数が、フェイルビットカウント回路90によってカウントされる。
例えば、制御部10は、フェイルビットの個数がECCによって救済可能な許容値以下であれば、書き込み動作(又は消去動作)を終了し、フェイルビットの個数が許容値より大きければ、再度データの書き込みを行う。
以上のように、本実施形態のフラッシュメモリによれば、フェイルビットカウント回路90をさらに備えることによって、動作シーケンスにおけるフェイルビット数をカウントすることができる。
(c) まとめ
第3の実施形態の半導体メモリ(例えば、フラッシュメモリ)は、第1又は第2の実施形態の構成に加え、フェイルビットカウント回路(カウント回路)90を、さらに含んでいる。
フェイルビットカウント回路90によって、書き込み又は消去時に生じるベリファイフェイルの個数、即ち、書き込み不良又は消去不良が生じるメモリセルトランジスタの個数(ビット数)を検出できる。
例えば、検出されたベリファイフェイルの個数が、ECCによる誤り訂正の許容範囲内であれば、ページPG又はメモリセルトランジスタが書き込み不良を含んでいても、データ出力時に、ECCによるデータの訂正を実行できる。即ち、書き込み対象の全てのメモリセルトランジスタMTがベリファイパスするまで、データの書き込み消去を実行せずに良くなる。
その結果として、データの書き込みの繰り返しに起因する消費電力の増大やフラッシュメモリの動作速度の低下を、抑制できる。
また、ベリファイフェイルの個数を検出できることによって、リダンダンシによる置換など、メモリセルアレイの管理を効率化できる。
したがって、第3の実施形態の半導体メモリは、第1及び第2の実施形態と同様に、メモリの信頼性を向上できる。
(4) 第4の実施形態
図21乃至図23を用いて、第4の実施形態の半導体メモリについて、説明する。ここでは、第4の実施形態と他の実施形態との相違点について主に説明する。第4の実施形態において、第1乃至第3の実施形態で述べた構成と実質的に同じ構成に関しては、共通の符号を付し、その構成及びその機能の説明は、必要に応じて行う。
(a) 回路構成
図21乃至図23を用いて、第4の実施形態の半導体メモリ(例えば、フラッシュメモリ)の回路構成について、説明する。
図21は、本実施形態のフラッシュメモリにおける検知ユニットFUの内部構成を模式的に示すブロック図である。図22は、検知ユニットFUの内部構成をより具体的に示す等価回路図である。
第1乃至第3の実施形態において、NORゲート及びインバータによって形成されたラッチ回路が、共通線COMに対するキャッシュとして用いられていたが、そのラッチ回路の内部構成に限定されない。
例えば、図21に示されるように、NANDゲート55によって形成されたCOMラッチ回路50Aが、共通線COMに接続されてもよい。
図21に示されるように、共通線COMには、電界効果トランジスタTr2Aが接続されている。例えば、電界効果トランジスタTr2Aは、pチャネル型のMOSトランジスタTr2Aである。MOSトランジスタTr2Aの電流経路の一端が、共通線COMに接続され、MOSトランジスタTr2Aの電流経路の他端は、電源Vddに接続されている。MOSトランジスタTr2Aのゲートには、制御信号COMHnが入力され、制御信号COMHnによって、MOSトランジスタTr2Aのオン及びオフが制御される。MOSトランジスタTr2Aが制御信号COMHnによってオンされることによって、共通線COMに電源電圧Vddが印加され、共通線COMが“H”レベルに充電される。
本実施形態において、検知ユニットFU内のCOMラッチ回路50Aは、NANDゲート55とインバータ56とを含んでいる。
COMラッチ回路50Aにおいて、共通線COMには、NANDゲート55の出力端子が接続されている。NANDゲート55の一方の入力端子には、制御信号COMHnが入力される。NANDゲート55の一方の入力端子は、例えば、MOSトランジスタTr2Aのゲートに、接続される。NANDゲート55の他方の入力端子は、信号線NCOMに接続されている。
また、COMラッチ回路50Aにおいて、インバータ56の入力ノードが共通線COMに接続され、インバータ56の出力ノードが信号線NCOMに接続されている。インバータ56は、NANDゲート56の出力端子とNANDゲート56の他方の入力端子とを接続している。
図22に示される例において、NANDゲート55は、例えば、4つの電界効果トランジスタ(例えば、MOSトランジスタ)130,131,132,134によって形成されている。
制御信号COMHnが“H”レベルである場合、NANDゲート55は、pチャネル型MOSトランジスタ131及びnチャネル型MOSトランジスタ132によって形成されるCMOSインバータ103として、実質的に機能する。
2つのMOSトランジスタ131,132のゲートは互いに接続され、入力ノードを形成している。MOSトランジスタ131,132(インバータ103)の入力ノードは、信号線NCOMに接続される。MOSトランジスタ131,132の入力ノードは、NANDゲート55の他方の入力端子に対応する。
MOSトランジスタ131,132のドレインは、互いに接続され、出力ノードを形成している。MOSトランジスタ131のソースは電源Vddに接続され、MOSトランジスタ132のソースはMOSトランジスタ130の電流経路の一端に接続されている。
pチャネル型MOSトランジスタ131の電流駆動力は、例えば、センスユニットSUのnチャネル型MOSトランジスタ41,42の電流駆動力より小さい。これによって、上述の各実施形態と同様に、共通線COMの電位(信号レベル)が、“H”レベルから“L”レベルへ、強制的に反転される。
MOSトランジスタ130は、例えば、nチャネル型MOSトランジスタである。
MOSトランジスタ130の電流経路の他端は、グランド端に接続される。MOSトランジスタ130のゲートには、制御信号COMHnが入力され、この制御信号COMHnによって、MOSトランジスタ130のオン/オフが制御される。MOSトランジスタ130のゲートは、例えば、MOSトランジスタTr2Aのゲートに接続される。
電界効果トランジスタ134は、pチャネル型MOSトランジスタである。
MOSトランジスタ134の電流経路の一端は、電源Vddに接続され、MOSトランジスタ134の電流経路の他端は、NANDゲート55のMOSトランジスタ131,132の出力ノードに接続される。MOSトランジスタ134のゲートには、制御信号COMHnが入力され、この制御信号COMHnによって、MOSトランジスタ134のオン/オフが制御される。例えば、MOSトランジスタ134は、pチャネル型MOSトランジスタである。
MOSトランジスタ134のゲートは、MOSトランジスタ130のゲートとともに、NANDゲート55の他方の入力端子として用いられる。
インバータ56の入力ノードは、信号線COMiを経由して、共通線COMに接続されている。インバータ56の出力ノードは、信号線NCOM及びNANDゲート55の他方の入力端子(MOSトランジスタ131,132の入力ノード)に接続されている。NANDゲート55の他方の入力端子には、信号線NCOMを介して、インバータ56の出力信号が入力される。
インバータ56の入力ノード及びMOSトランジスタ131,132の出力ノードは、2つの電界効果トランジスタ151,152の電流経路を経由して、共通線COMに接続されている。
電界効果トランジスタ151,152は、nチャネル型MOSトランジスタである。
MOSトランジスタ151の電流経路の一端は共通線COMに接続され、MOSトランジスタ151の電流経路の他端はMOSトランジスタ152の電流経路の一端に接続されている。MOSトランジスタ151のゲートには、制御信号SEGが入力される。
制御信号SEGは、メモリの動作、ベリファイ判定、或いは、フェイルビットの検知の対象となる範囲(ブロックBLK又はカラムブロックCOL)を選択するための信号である。それゆえ、カラムブロックCOLが動作の対象である場合、制御信号SEGによって、MOSトランジスタ151がオンされ、そのカラムブロックが選択される。
MOSトランジスタ152の電流経路の一端は、MOSトランジスタ151の電流経路を経由して、信号線COMに接続される。MOSトランジスタ152の電流経路の他端は、信号線COMiによって、インバータ56に接続される。また、MOSトランジスタ152の電流経路の他端は、MOSトランジスタ131,132の出力ノード(NANDゲート55の出力端子)、及び、MOSトランジスタ134の電流経路の他端に接続されている。
MOSトランジスタ152のゲートは、アイソレーションラッチ回路70の出力端子に接続されている。尚、本実施形態において、アイソレーションラッチ回路70の出力端子は、フリップフロップFFを形成するインバータ175の入力ノード及びインバータ174の出力ノードによって、形成されている。
MOSトランジスタ152のオン/オフは、アイソレーションラッチ回路70の出力信号(ヒューズデータ)の信号レベルに応じて、制御される。
本実施形態において、ラッチ回路70が“L”レベルのヒューズデータを保持している場合、それに対応するカラムブロックCOLは不良であるとして、動作の対象から除外(アイソレーション)され、電気的に分離される。ラッチ回路70が“H”レベルのヒューズデータを保持している場合、それに対応するカラムブロックCOLは正常であるとして、動作の対象として用いられる。
それゆえ、“L”レベルのヒューズデータが、アイソレーションラッチ回路70に保持されているとき、nチャネル型MOSトランジスタ152はオフする。これによって、共通線COMと信号線COMiとの間における信号(電位)の入出力はなくなる。
一方、“H”レベルのヒューズデータが、アイソレーションラッチ回路70に保持されているとき、nチャネル型MOSトランジスタ152はオンする。MOSトランジスタ151がオンすることによって、共通線COMと信号線COMiとが電気的に接続され、共通線COMの信号(電位)が、インバータ56の入力ノードに入力される。
本実施形態において、アイソレーションラッチ回路70が保持するヒューズデータが“H”レベルである場合、共通線COMの信号が、MOSトランジスタ151,152及びインバータ56を経由して、NANDゲート55の一方の入力端子(MOSトランジスタ131,132の入力ノード)に入力される。また、制御信号COMHnが、NANDゲート55の他方の入力端子(MOSトランジスタ130,134のゲート)に入力される。
NANDゲート55は、共通線COMの信号(電位)の反転信号と制御信号COMHnとを演算処理(NAND演算)し、その演算結果を共通線COMに出力する。NANDゲート55の演算結果はインバータ56によって反転され、その反転された演算結果が、NANDゲート55に再度入力される。このように、COMラッチ回路50Aは、所定のデータを保持する。また、NANDゲート55の演算結果の反転信号が、インバータ56を経由して、信号線NCOMに出力され、その反転信号に応じた電位が信号線NCOMに印加される。
図22の検知ユニットFUにおいて、例えば、ヒューズデータが“H”レベル、制御信号COMHnが“L”レベルである場合、共有線COMは“H”レベル、信号線NCOMは、“L”レベルになる。
以上のように、上述の実施形態と同様に、共通線COMに接続されるデータキャッシュとして、NANDゲート55を含むCOMラッチ回路50Aが用いられている。
そのCOMラッチ回路50Aにおいて、NANDゲート55におけるMOSトランジスタ131,132のpチャネル型MOSトランジスタ131の電流駆動力は、センスユニットSUのチェック回路のnチャネル型MOSトランジスタ41,42の電流駆動力より小さい。これによって、ベリファイフェイルが検知された場合において、共通線COMの電位(信号レベル)が“H”レベルから“L”レベルへ強制的に反転される。
また、本構成例において、共通線COMの電位を、“L”レベルから“H”レベルに反転させる動作は、NANDゲート55による論理演算によって、実行される。
(b) 動作
図23を用いて、第4の実施形態の半導体メモリ(例えば、フラッシュメモリ)の動作について、説明する。ここでは、図21及び図22も適宜用いて、本実施形態のフラッシュメモリの動作について説明する。尚、第1乃至第3の実施形態と共通する動作に関しては、必要に応じて説明する。
図23を用いて、本実施形態のフラッシュメモリのフェイルビット検知動作について、説明する。
図23に示されるように、制御信号SEGが“H”レベルにされ、MOSトランジスタ151がオンされ、制御信号COMHnが“H”レベルから“L”レベルに遷移される。
“L”レベルの制御信号COMHnによって、pチャネル型MOSトランジスタTr2Aがオンし、電源電圧Vddが共通線COMに供給される。
また、“L”レベルの制御信号COMHnが、NANDゲート55内のnチャネル型MOSトランジスタ130のゲート及びpチャネル型MOSトランジスタ134のゲートに入力され、MOSトランジスタ130がオフし、MOSトランジスタ134はオンする。
そして、アイソレーションラッチ回路70のヒューズデータがMOSトランジスタ152のゲートに出力される。ヒューズデータが“H”レベルであれば、MOSトランジスタ152はオンする。“H”レベルのヒューズデータは、カラムブロックCOLが動作対象であることを示している。
このように、ヒューズデータが“H”レベルである場合において、共通線COM及び信号線COMiが充電状態(“H”レベル)になり、信号線NCOMが放電状態(“L”レベル)になる。NANDゲート55は、“L”レベルの信号が各入力端子にそれぞれ入力されるので、“H”レベルの信号を出力する。
制御信号COMHnは“L”レベルから“H”レベルにされる。この際、NANDゲート55に対して“H”レベルの信号と“L”レベルの信号とが入力されるので、NANDゲートの出力によって、共通線COMは“H”レベルにおける充電状態が持続する。
尚、“L”レベルのヒューズデータは、カラムブロックCOLが不良であることを示している。この場合、カラムブロックCOLが動作対象から分離されるとともに、MOSトランジスタ152がオフする。共通線COMと信号線COMiとは、電気的に分離される。
制御信号COMHnが“H”レベルにされた後、ヒューズデータが“H”レベルである場合において、チェック信号CHK0〜CHK7が“L”レベルから“H”レベルにされ、センスユニットCU0〜CU7内のnチャネル型MOSトランジスタ410〜417がオンする。
そして、各センスアンプ400〜407の保持するベリファイ結果のうち、1つでもベリファイフェイル(“H”レベル)が存在した場合、そのベリファイフェイルの信号がゲートに入力されたMOSトランジスタ42は、オンする。
上記のように、MOSトランジスタ131,132のpチャネル型MOSトランジスタ131の電流駆動力は、センスユニットSU内のnチャネル型MOSトランジスタ41,42の電流駆動力より小さいので、共通線COMの電位は放電され、共通線COMの電位が“H”レベルから“L”レベルへ遷移する。
これに伴って、共通線COMの“L”レベルの電位がインバータ56によって反転されて信号線NCOMに出力されるので、信号線NCOMの電位は“H”レベルになる。
この際、NANDゲート55に対する2つの入力は、“H”レベルの制御信号COMHnと“H”レベルの信号線NCOMの電位である。それゆえ、NANDゲート55の出力は“L”レベルとなり、その出力が共通線COMに供給される。
このように、カラムブロックCOLがベリファイフェイルである場合、共通線COMの電位は“L”レベル、信号線NCOMの電位は“H”レベルになる。
一方、カラムブロックCOLがベリファイフェイルを含まない場合、カラムブロックCOL内の全てのMOSトランジスタ42はオフ状態となるので、共通線COMの電位は“H”レベルに維持される。“H”レベルの電位が、インバータ56によって反転され、“L”レベルの電位が信号線NCOMに印加される。NANDゲート55には、“H”レベルの制御信号COMHnと“L”レベルの信号線NCOMの電位が入力されるので、NANDゲート55の出力は“H”レベルとなる。
このように、カラムブロックCOLがベリファイパスである場合、共通線COMの電位は“H”レベル、信号線NCOMの電位は“L”レベルになる。
ここで、上述の各実施形態と同様に、信号線NCOMの電位が“H”レベルである場合、信号線NCOMにゲートが接続されたnチャネル型MOSトランジスタTr1は、オンする。これによって、検知線LSENは放電され、検知線LSENの電位は、“H”レベルから“L”レベルになる。これによって、カラムブロックCOLが含むベリファイフェイルが検知され、データの書き込みが未完了であると、判定される。
一方、信号線NCOMの電位が“L”レベルである場合、MOSトランジスタTr1はオンしない。それゆえ、検知線LSENの電位は“H”レベルに維持される。これによって、データの書き込みが完了していると、判定される。
尚、ヒューズデータが“L”レベルである場合、MOSトランジスタ152がオフしている。そのため、共通線COMの信号レベルが“L”レベルであっても、その“L”レベルの信号が、信号線COMiに与えられることはない。それゆえ、“H”レベルの信号線NCOMから“L”レベルの共通線COMへ電流が流れることはない。
以上のように、カラムブロックCOLの複数のセンスユニットSUが保持するベリファイ結果に基づいて、書き込み動作及び消去動作が完了したか否か判定される。
尚、本実施形態のフラッシュメモリにおいて、COMラッチ回路50A及びアイソレーションラッチ回路70に対する自己テストも、図21及び図22に示される構成によって、第2の実施形態で述べた例と実質的に同様に、データキャッシュDT_cacheのデータを読み出すことによって、実行できる。但し、本実施形態において、自己テスト時に、共通線COMの電位を“L”レベルにする場合、センスユニットSUのMOSトランジスタ41,42をオンすることによって、共通線COMが放電状態(“L”レベル)にされる。尚、アイソレーションラッチ回路70のデータは、上述の例と同様に、制御信号CSL,FCEN,FCRSTによるノードの放電によって、書き換えられる。
また、本実施形態のフラッシュメモリにおいて、第3の実施形態と同様に、カレントミラー回路を形成するトランジスタ193及びフェイルビットカウント回路(図示せず)がさらに設けられることによって、各カラムブロックCOLに含まれるフェイルビットの個数をカウントすることもできる。
(c) まとめ
第3の実施形態の半導体メモリ(例えば、フラッシュメモリ)において、図21乃至図23を用いて説明したように、第1の実施形態に用いられたラッチ回路50と異なる構成のラッチ回路50Aが、共通線COMに接続されている。本実施形態において、COMラッチ回路50Aは、例えば、NANDゲート55及びインバータ56を含む。
NANDゲート55内のインバータ接続されたMOSトランジスタ131,132のpチャネル型MOSトランジスタ131の電流駆動力は、センスユニットSU内のnチャネル型MOSトランジスタ41,42の電流駆動力より小さい。これによって、共通線COMの電位は、上述の各実施形態と同様に、“H”レベルから“L”レベルへ強制的に反転される(放電される)。
また、本実施形態において、共通線COMは、NANDゲート55の論理演算によって、“L”レベルから“H”レベルに遷移される(充電される)。それゆえ、ラッチ回路50A及び共通線COMの信号レベルの変化に起因するスイッチング電流を、低減できる。これによって、本実施形態のフラッシュメモリにおいて、ノイズ及び消費電力を低減できる。
また、本実施形態によれば、検知ユニットFU及び複数の検知ユニットFUを含むフェイルビット検知回路5の素子数を、削減できる。これによって、フラッシュメモリの製造コストを低減できる。
以上のように、本実施形態のフラッシュメモリは、上述の各実施形態と同様に、フラッシュメモリの不良率の抑制、消費電力の低減、或いは、回路設計の余裕度の向上を図ることができる。
したがって、本実施形態において、第1乃至第3の実施形態と同様の効果が得られ、メモリの信頼性を向上できる。
[その他]
本実施形態において、半導体メモリとして、NAND型フラッシュメモリを例示したが、NOR型など他のフラッシュメモリ、DRAM、或いは、SRAMに、本実施形態が適用されてもよい。また、MRAM、ReRAM又はPCRAMなどの抵抗変化型メモリに、本実施形態が適用されてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。