JP5095738B2 - チョコレートの抗酸化活性を増大させるための方法 - Google Patents

チョコレートの抗酸化活性を増大させるための方法 Download PDF

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Description

本発明は、天然の形で、かつ、何らかの抗酸化性成分をチョコレートマスに加えることを必要とすることなく、チョコレートの抗酸化活性を改善するためのプロセスに関連する。
本発明はさらに、チョコレートをコンチングおよび調製するための新規な方法、ならびに、本発明の方法に従って調製される任意のチョコレートに関連する。
この技術分野では、様々なプロセスが、カカオの抗酸化物質含有量を維持するために記載されている。
一例として、米国特許第6660332号は、カカオ豆の有益なフラボノイド化合物をカカオ豆に基づく完成した食品において保つカカオ豆加工技術を開示する。
この方法では、著しい量の前記ポリフェノール類を発酵および/または焙煎の前に除き、その後、これらのポリフェノール類の一部を戻すことによって従来のカカオ加工中に生じるポリフェノール類の著しい喪失が避けられる。
開示されている他の方法では、抗酸化性成分/分子がチョコレート製造プロセスの最後で加えられる。
「高級」チョコレートの典型的な調製は、3つの段階から、すなわち、(1)混合、および、場合により、予備磨砕、(2)微細化(refining)、そして、最も重要ではあるが、(3)コンチングからなる。
最初の工程において、成分が、ペーストを得るために混練機で一緒に混合される。一般には、カカオマスが、糖、および、場合により、より少ない割合のカカオバターと混合される。
このペーストは、約150μmの全体的な細かさを得るために、2−ロール型ミルでの予備磨砕プロセスに供される場合がある。糖もまた、糖製粉機で事前に微細化され得る。
第2の工程、すなわち、実際の微細化工程において、ペーストが、多重ロール装置(一般には5つのロール)に送られ、細かさが10μm〜30μmの平均値にまで小さくされる。得られる製造物は粉末形態である。
ほとんどのチョコレート、および、確かなことにはすべての「高級」製造物は、その後、「コンチング」として既に長い間知られている第3の工程に付される。
コンチング中、チョコレートは、加熱と合わせて長時間の機械的混合にさらされる。これは、「コンチェ(conch)」として知られている特別な容器において行われる。
カカオバターおよび香料のような、必要に応じて使用される成分が一般には、この段階で加えられる。
レシチンがこれにより多くの場合、チョコレートのレオロジー特性を改善し、それにより、カカオバターの量を減らすことをおそらくは可能にするために、乳化剤として加えられる。他の乳化剤もまた使用することができる(例えば、ポリグリセロールポリリシノレアートおよびアンモニウムホスファチドなど)。
コンチング中、高温での混練作用により、残留水分およびいくつかの望ましくない揮発性成分(例えば、カカオ豆の発酵中に生じた酸など)の蒸発が引き起こされる。
また、この混練作用によりカカオマスから遊離したカカオバター、および、場合により加えられたカカオバターによって形成される脂肪相における糖粒子およびカカオ粒子がより良好に分散する。
コンチングプロセスは粘度および降伏値の低下をもたらす。コンチング工程が終了したとき、チョコレートは適切な風味および所望されるレオロジー特性を現している。
2つのタイプのコンチング操作が存在し、それらは「乾式」コンチングおよび「湿式」コンチングとしてこの技術分野ではそれぞれ知られている(EP0489515)。下記の段落では、一般に適用されるような湿式コンチングおよび乾式コンチングが記載される。
「湿式」の(従来的)コンチングでは、カカオバターおよび他の成分(例えば、レシチンなど)のすべてが、塊の流動性を維持するためにプロセスにおいて初期に加えられ、その後、塊は、長時間にわたって、典型的には約20時間または30時間またはそれ以上にわたって、比較的低い温度で、典型的には約40℃から約60℃の温度で機械的に加工される。
他方で、(従来の)「乾式」コンチングプロセスは、より短い時間、例えば、20時間の時間にわたって、しかし、より高い温度で、ダークチョコレートについてはほとんどの場合には70℃を超える温度で、通常約90℃で、また、ミルクチョコレートについては55℃を超える温度で、通常80℃前後で操作される。
この場合には、追加のカカオバターおよび他の成分が、コンチング期間の終わり頃に、例えば、コンチング期間が終了する約1時間前に加えられる。(実際の「乾式コンチング」の後での)この最後の工程は「液体コンチング」として一般に知られている。
この処理(「液体コンチング」)の目的は、液状のポンプ送出可能な塊を均質化し、そのような塊を得ることである(EP0489515;Beckett,S.T.、1994;ブリタニアフード(britanniafood)のウエブサイトに示される情報、Ziegleder,G.、2006)。
プロセス設備の技術的進化のために、これら2つのコンチング操作は今日では一般に、約8時間から約24時間に至るまでのより短い期間で実現される。
この3工程プロセス(混合&予備磨砕;微細化;コンチング)の過程では、チョコレートにおける抗酸化物質の発生を保護し、保つことが最も重要である。これは、抗酸化物質がフリーラジカルに対する身体の防御機構において重要な役割を果たすからである。
フリーラジカルは、1つまたは複数の不対電子を有する分子または原子である。この特徴のために、フリーラジカルは非常に反応性である。
フリーラジカルは重要な役割を多くの生化学的反応(例えば、細胞内殺菌など)において、また、いくつかの細胞シグナル伝達プロセスにおいて果たす(Van Sant,G.、2004;ウィキペディア(wikipedia)のウエブサイトにおいて「フリーラジカル」に関して示される情報)。
しかしながら、その反応性のために、フリーラジカルは、(ヒトの)身体において、タンパク質分子、脂肪分子およびDNA分子に損傷を与え得る。
フリーラジカルは、老化症状のいくつかの原因であると考えられ、また、パーキンソン病、統合失調症およびアルツハイマー病のような多くの疾患を誘導すると思われる(「フリーラジカル」、ウィキペディアのウエブサイト)。
フリーラジカルはさらに、いくつかの癌タイプ、冠動脈心疾患、および、一般には心血管疾患のような、西欧諸国における主要な死因のいくつかに関与する。
身体は、これらのラジカル損傷を最小限に抑えるための機構をいくつか有する。
これらの防御機構の1つが抗酸化物質を介して生じる。抗酸化物質はフリーラジカルと反応し、そうすることによってフリーラジカルを無害にする。
最もよく知られている抗酸化物質が、ビタミンC、ビタミンE、カロテノイドおよびポリフェノールである(Van Sant,G.、2004)。
ポリフェノールは、植物界において天然に見出され得る様々な分子の複雑な一群である。8000を越えるポリフェノール構造が知られている。
ポリフェノールはその化学的構造に基づいて異なるクラスに分けることができる:フラボノイド類、フェノール酸類、スチルベン類およびリグナン類(Roura,E.ら、2005)。
カカオはダークチョコレートの主成分であり、ポリフェノールが多く、具体的には、フラバン−3−オール類、例えば、エピカテキン類、カテキン類およびプロシアニジン類が多い(Mursu,J.ら、2004)。
チョコレートの抗酸化活性に寄与するフラボノイド類の主要なファミリーがプロシアニジン類である(Counet,C.&Collin,S.、2003)。それらの基本ユニットは三環の分子構造である(米国特許第6660332号)。
プロシアニジン類は、オリゴマー(2個から10個までのフラバン−3−オールユニット)として、または、より大きな重合度を有するポリマー(いわゆるタンニン)の形態で存在し得る。
カカオポリフェノールの抗酸化活性は、お茶またはワインのような、より広く知られている抗酸化性製造物の抗酸化活性よりも一層高い(Lee,K.W.ら、2003)。
1999年には、USDA(米国農務省)がプレーンチョコレートを抗酸化性食品のリストのトップに載せている(USDA、1999)。
カカオ製品の抗酸化能力はメラノイジン類の存在によってさらに強化される(Counet,C.&Collin,S.、2003)。
メラノイジン類は、メイラード反応によって形成される多機能性高分子である。分子量が1000Da〜100000Daの間であるこれらの褐色の窒素含有ポリマーもまた、フェノール性ユニットをその構造に含んで有する場合がある。
近年、ますます多くの証拠が、ダークチョコレートを食することの健康上の利点について見出されている。
ダークチョコレートまたはココアの消費は、心臓血管疾患の危険性に対する好ましい影響を、LDLの酸化を遅らせること(Mursu,J.ら、2004;Wan,Y.ら、2001;Kondo,K.ら、1996;Waterhouse,A.L.ら、1996)により、また、血清の総抗酸化活性およびHDLコレステロール濃度を増大させることにより、また、プロスタグランジン類に悪影響を及ぼさないこと(Wan,Y.ら、2001)により及ぼすと考えられる。
カカオ製品の抗酸化活性はまた、免疫応答に関与する反応性酸素化学種に対する防御として有益である(Sanbongi,C.ら、1997)。カカオ製品の抗酸化活性は、内皮機能および血小板機能における改善に関連し(Engler,M.B.ら、2004;Hemann,F.ら、2006)、また、血圧低下に関連する(Grassi,D.ら、2005;Buijsse,B.ら、2006)。
チョコレートは、広範囲に消費される食物であると見なされる。従って、全身的な健康改善に寄与するチョコレートを提供するプロセスを開発することが非常に望ましい。
目的は、従来の方法によって製造されるチョコレートよりも大きく酸化ストレスを和らげることができ、かつ、フリーラジカルをなくすことができる改善されたチョコレートを提供することである。
このことを達成することができる適合化された製造プロセスを提供することがさらに別の目的である。
これらの適合化されたプロセスの目的は、チョコレートの味覚または何らかの他の所望される特性に(負の)影響を及ぼすことなく、天然の形でチョコレートの抗酸化活性を保護し、また、増大さえさせることである。
本発明の第1の局面は、改変されたコンチングプロセスに関連する。
本発明は、具体的には、チョコレートマスが、下記の(連続)工程を含むコンチングプロセス(下記の(連続)工程からなるコンチングプロセス)に付される、チョコレート(例えば、ダークチョコレート)をコンチングするための方法に関連する:
・約50℃〜約70℃の間の温度で行われる乾式コンチング工程、
・および、続いて、約60℃〜約110℃の間の温度で行われる湿式コンチング工程。
好ましくは、乾式コンチング工程および湿式コンチング工程はそれぞれが、約1〜2時間から約12時間、特に、約6時間から約12時間続く。本発明のコンチングプロセスは、この目的のために従来から使用される設備において行うことができる。異なるコンチェをこれらのコンチング工程のそれぞれのために使用することができ、それにもかかわらず、乾式コンチング工程および湿式コンチング工程はまた、同一のコンチェにおいて行うことができる。
好ましくは、乾式コンチング工程が約60℃で行われ、好ましくは約6時間続く。
好ましい実施形態によれば、湿式コンチング工程が約60℃で行われ、好ましくは約6時間続く。
別の一層より好ましい実施形態によれば、湿式コンチング工程が約90℃で行われ、好ましくは約6時間続く。
フラボノイド類が非常に多いカカオマス(例えば、マダガスカルタイプなど)が使用される場合、コンチングプロセスの第2工程(好ましくは60℃または90℃での湿式コンチング段階または湿式コンチング工程)はおそらくは、時間において、例えば、約3時間に減らすことができる。
多くの場合、チョコレートマスを(例えば、水冷の使用によって)冷却することが、約50℃〜約70℃の間の温度を、好ましくは約60℃の温度を乾式コンチング工程中に(得るために、また)維持するために必要である。
同様に、チョコレートマスを、約60℃〜約110℃の間の温度を、好ましくは約60℃または約90℃の温度を(例えば、湯による加熱を使用することによって)湿式コンチング工程中に(得るために、また)維持するために加熱しなければならない場合がある。
好都合なことに、(少なくとも1つの)乳化剤および/または脂肪が、湿式コンチング工程に付すことができるペーストを得るために乾式コンチング工程の後(直後)で加えられる。好都合なことに、乳化剤および/または脂肪が、乾式コンチング工程の後で、しかし、湿式コンチング工程の前に加えられる。具体的には、前記(少なくとも1つの)乳化剤および/または前記(少なくとも1つの)脂肪が、液状のポンプ送出可能な塊を得るために加えられ、その後、コンチングが続けられる(第2工程、湿式コンチング)(本発明の方法において適用される特定の温度条件については、上記および下記を参照のこと)。乾燥した外観から液状の外観に移行させるために必要とされる量はこの技術分野では広く知られている。
典型的な乳化剤が、レシチン、ポリグリセロールポリリシノルエート、アンモニウムホスファチド、または、これらの任意の混合物である。典型的な脂肪が、カカオバター、乳脂肪、および/または、いくつかの許容される植物脂肪である。好ましい乳化剤/脂肪が従来的にはレシチンおよび/またはカカオバターである。レシチンが典型的には0.1%〜1%の間の濃度で加えられ、より好ましくは0.4%〜0.6%の間で加えられ、最も好ましくは約0.5w/w%で加えられる(百分率はチョコレートマス全体に基づく)。
本発明において使用することができる乳化剤はポリグリセロールポリリシノルエートである。それにもかかわらず、好ましい乳化剤はレシチンである。好ましい脂肪はカカオバターである。
本発明の1つの実施形態において、レシチンが、(約60℃〜約110℃の間の温度での、より好ましくは、約60℃または約90℃のどちらかでの)本発明による湿式コンチング工程を開始する前(直前)に加えられた。レシチンは典型的には0.1%〜1%の間の濃度で加えられ、より好ましくは0.4%〜0.6%の間の量で加えられ、最も好ましくは、約0.5w/w%のレシチンが加えられる(百分率はチョコレートマス全体に基づく)。
本発明の別の実施形態において、カカオバターのみが、外観を乾燥状態から液状状態に変化させるために加えられた(レシチンまたは任意の他の乳化剤は加えられなかった)。この場合、カカオバターが乳化剤(具体的には、レシチン)に取って代わった。1部のレシチンが、粘度に対して、約10部〜約20部(より具体的には、約15部)のカカオバターと同じ効果を有することが広く知られている。
本発明の実施形態において、乾式コンチングが約50℃〜約70℃の間の温度で行われ、湿式コンチングが約60℃または約90℃で行われる。好ましくは、湿式コンチング工程は約6時間続く。好ましくは、同様に、乾式コンチングは約6時間続く。好ましくは、乾式コンチングが約55℃〜約65℃の間の温度で行われ、かつ、好ましくは、約6時間から約10〜12時間続く。この温度範囲での乾式コンチングの後に、好都合には、約60℃または約90℃での湿式コンチングが続く。
ラクトースおよび/またはアミノ酸(例えば、フェニルアラニン、アルギニン、グリシンおよびリシンなど)を、抗酸化性分子(例えば、メラノイジン類など)の産生を高めるためにコンチングプロセス中に加えることができる。
好都合には、チョコレートの粘度が、脂肪および/またはカカオマスをコンチング後に加えることによって調節される。要求される粘度、従って、加える脂肪および/またはカカオマスの量は、この技術分野では知られているように、用途に依存する。加えられるカカオマスは優先的に、加熱工程を高い温度で長時間にわたって受けている。最も好ましくは、加えられるカカオマスは加熱工程を約90℃で約12時間にわたって受けている。
驚くべきことに、本発明によるコンチングプロセスはチョコレートまたはチョコレートマスの抗酸化活性に対する負の影響を何ら有しないことが見出された。それとは反対に、抗酸化活性が好都合には、そのような方法により、(コンチングプロセス直前(t=0)の抗酸化活性と比較して)保存され(保たれ、維持され、全コンチング期間を通して著しく変化し続けておらず)、または、増大さえしている。
好都合には、抗酸化活性が、少なくとも5%、10%または15%増大する。20%に至るまでの増大が可能であり、または、40%に至るまでの増大さえ可能である。
好都合には、本発明の第2の局面は、チョコレートマス、例えば、ダークチョコレートマスを、下記の工程を含むコンチングプロセス(下記の工程からなるコンチングプロセス)に付すことによって、チョコレートまたはチョコレートマスの抗酸化活性を(コンチングプロセス中に)保存および/または増大するための方法に関連する:
・約50℃〜約70℃の間の温度で行われる乾式コンチング工程、
・および、続いて、約60℃〜約110℃の間の温度で行われる湿式コンチング工程。
具体的には、コンチングに付されるチョコレートマスはダークチョコレートマスである。
具体的には、チョコレートマス(具体的には、ダークチョコレートマス)の抗酸化活性を保存および/または増大するための、チョコレート(具体的には、ダークチョコレート)の製造におけるコンチング方法が提供され、この場合、この方法は、チョコレートマス(具体的には、ダークチョコレートマス)を、下記の工程を含むコンチングプロセスに付す工程を含む:
・約50℃〜約70℃の間の温度で行われる乾式コンチング工程、
・および、続いて、約60℃〜約110℃の間の温度で行われる湿式コンチング工程。
本発明の方法により、抗酸化活性がコンチング中に保存される。好都合には、前記抗酸化活性が、本発明の方法により、(t=0、すなわち、コンチングを開始した時と比較して)増大する。
本発明者らは、上記(または下記の)段落を、温度および時間の好ましい条件、さらなる成分の行われ得る添加などのために示す。
典型的には、本発明の方法において、乾式コンチング工程および湿式コンチング工程はそれぞれが、1〜2時間から12時間続き、特に6時間から12時間、または、6時間から約10〜12時間続く。典型的には、乾式コンチング工程および湿式コンチング工程はそれぞれが約6時間続く。
いくつかの場合において、(t=0と比較して)抗酸化活性は、湿式コンチング工程が1時間だけを要したとき、場合により2時間を要したときに増大した。他の場合において、湿式コンチング工程は、好ましくは、少なくとも3時間、4時間または5時間を要した。最適な結果が、ほとんどの場合、湿式コンチング工程が、6時間、6時間から12時間、6時間から約10〜12時間続いたときに得られた。
本発明の方法により、(t=0と比較して)抗酸化活性における増大を好都合には得ることができる。例えば、少なくとも5%、10%または15%の抗酸化活性における増大が得られた。20%に至るまでの増大が可能であり、または、40%に至るまでの増大でさえ可能である。
本発明の方法(上記のいずれか)において好ましくは、乾式コンチング工程が約60℃で行われ、好ましくは6時間続く。
本発明の方法(上記のいずれか)において好ましくは、湿式コンチング工程が約60℃で行われ、好ましくは6時間続く。
本発明の方法(上記のいずれか)において好ましくは、湿式コンチング工程が約90℃で行われ、好ましくは6時間続く。
約50℃〜約70℃の間の温度での、より具体的には(約)55℃〜(約)65℃の間の温度での、特に6時間から約10時間〜12時間続く乾式コンチング工程の後に、約60℃での湿式コンチング工程が続いたときに特に良好な結果が得られた。好ましくは(約)6時間続いた、約60℃での乾式コンチング工程の後に、好ましくは(約)6時間同様に続いた、約60℃での湿式コンチング工程が続いたときに優れた結果が得られた。
また、約50℃〜約70℃の間の温度での、より具体的には(約)55℃〜(約)65℃の間の温度での、特に6時間から約10時間〜12時間続く乾式コンチング工程の後に約90℃での湿式コンチング工程が続いたときに、特に良好な結果が得られた。好ましくは(約)6時間続いた、約60℃での乾式コンチング工程の後に、好ましくは(約)6時間同様に続いた、約90℃での湿式コンチング工程が続いたときに、優れた結果が得られた。
チョコレート(マス)はこの場合、ダークチョコレート(マス)またはミルクチョコレート(マス)であり得るが、最も好ましくはダークチョコレート(マス)である。
好適なダークチョコレートレシピの例が、チョコレートが、例えば、コートジボアールタイプまたはマダガスカルタイプのカカオマスから調製された実施例において示される。これらの実施例は、当業者が認識するように、限定ではない。他のレシピを使用することができる。
抗酸化活性を本発明に従って保存および/または増大するための方法(上記のいずれか)において好都合なことに、チョコレートマスは、(約)50℃〜(約)70℃の間の温度を、好ましくは約60℃の温度を乾式コンチング工程中に(得るために、また)維持するために冷却される。
そのような方法(上記のいずれか)において好都合なことに、チョコレートマスは、(約)60℃〜(約)110℃の間の温度を、好ましくは約60℃または約90℃の温度を湿式コンチング工程中に(得るために、また)維持するために加熱される。
抗酸化活性を本発明に従って保存および/または増大するための方法(上記のいずれか)において、好都合には、レシチン、ポリグリセロールポリリチノルエートおよびアンモニウムホスファチドからなる群から選択される乳化剤、ならびに/または、脂肪が、乾式コンチング工程の後であるが湿式コンチング工程の前に加えられる。例えば、ポリグリセロールポリリシノレアートを乳化剤として使用することができる。それにもかかわらず、好ましい乳化剤はレシチンであり、好ましい脂肪はカカオバターである。
レシチンおよび/またはカカオバターが好都合には、(乾燥した外観からポンプ送出可能な塊に移行させるために)乾式コンチング工程の後で加えられる。本発明の好ましい実施形態において、レシチンが、外観を乾燥状態から湿潤状態に変化させるために、乾式コンチング工程の後で、湿式コンチング工程の前に加えられる。本発明の別の実施形態において、カカオバターのみがこの理由のために用いられる。これらの実施形態によるレシチンおよびカカオバターの好ましい量については、上記/下記を参照のこと。
抗酸化活性を保存および/または増大するための本発明の方法(上記のいずれか)において、コンチング後、チョコレートの粘度を、脂肪および/またはカカオバターを加えることによって調節することができる。好都合には、その時に加えられるカカオマスは加熱工程を高い温度で長時間にわたって受けており、最も好ましくは、加熱工程を約90℃で約12時間にわたって受けている。
本発明の具体的な実施形態において、乾式コンチングが約50℃〜約70℃の間の温度で行われ、湿式コンチングが約60℃または約90℃で行われる。より好ましくは、本発明による乾式コンチングは(約)55℃〜(約)65℃の間の温度で行われ、好ましくは約6時間から約10〜12時間続く。
上記で示された具体的な例とは別に、下記もまた、例えば、ダークチョコレートマスが約70℃で乾式コンチングされ、その後、湿式コンチングが約60℃で行われたか、または、約50℃で乾式コンチングされ、その後、湿式コンチングが約90℃で行われたときには好都合であることが判明した。
乾式コンチングおよび湿式コンチングのいくつかの他の組合せについては、抗酸化活性における増大が何ら見出されなかった。だが、(コンチングプロセスが終了したときの)抗酸化活性における低下は、この技術分野のコンチング方法を適用したときよりも依然として(著しく)小さかった。
この知見により、ダークチョコレートの抗酸化活性をコンチング中に保存および/または増大するための好適な乾式コンチング温度条件および湿式コンチング温度条件がさらに調査された。
驚くべきことに、また、予想外なことに、砂時計タイプの相関が、乾式コンチングおよび湿式コンチングの示された温度範囲(乾式コンチングについては約50℃〜約70℃の温度範囲、湿式コンチングについては約60℃〜約110℃の温度範囲、より具体的には約60℃〜約90℃の温度範囲)において存在するようであった。
図13(斜線領域または網掛け領域)は、所望される効果、すなわち、コンチング期間中の抗酸化活性の保存および/または増大をもたらす乾式コンチングおよび湿式コンチングの好適な組合せに対する1つの見解を与える(基準値:t=0)。
測定方法の正確性(5%)のために、カットオフが95%で設定され(チェッカー盤パターン参照)、それにもかかわらず、好都合には、(コンチング法終了時)抗酸化活性が、本発明の方法により、t=0における活性と比較して増大している(他の斜線部または網掛け部(100%を越える値)参照)。従って、95%以上の値が、(抗酸化活性を保存および/または増大するための)本発明の方法の範囲に含まれると考えられる。
従って、本発明の別の局面は、チョコレートマス、具体的にはダークチョコレートマスを、下記の工程を含むコンチングプロセスに付す工程を含む、チョコレートマスの抗酸化活性、具体的にはダークチョコレートマスの抗酸化活性をコンチング中に保存および/または増大するための方法に関連する:
・約50℃〜約70℃の間の温度で行われる乾式コンチング工程、
・および、続いて、約60℃〜約110℃の間の温度で行われる湿式コンチング工程、
ただし、(抗酸化活性を保存および/または増大するための)乾式コンチング温度および湿式コンチング温度は、図13のグラフによって定義される範囲(1つまたは複数)に含まれる。好都合には、(乾式コンチングおよび湿式コンチングの)温度はともに、図13によって定義される枠(または領域(1つまたは複数))の内部である。湿式コンチング工程は好都合には、約60℃〜約90℃の間の温度で行われる。
図13は、どの乾式コンチング温度が、また、どの湿式コンチング温度が、抗酸化活性をコンチング期間中に保存および/または増大するために組み合わされ得るかを具体的に例示する。
具体的には、チョコレートマス、具体的にはダークチョコレートマスを、下記の工程を含むコンチングプロセスに付す工程を含む、チョコレートマスの抗酸化活性、具体的にはダークチョコレートマスの抗酸化活性をコンチング中に保存および/または増大するための方法が提供される:
・乾式コンチング工程、具体的には、約50℃〜約70℃の間の温度で行われる乾式コンチング工程、
・および、続いて、湿式コンチング工程、具体的には、約60℃〜約110℃の間の温度で行われる湿式コンチング工程、より具体的には、約60℃〜約90℃の間の温度で行われる湿式コンチング工程、
ただし、乾式コンチングおよび湿式コンチングのための温度は、(下記)リストの領域(1つまたは複数)に含まれる:
具体的には、チョコレートマス、具体的にはダークチョコレートマスを、下記の工程を含むコンチングプロセスに付す工程を含む、チョコレートマスの抗酸化活性、具体的にはダークチョコレートマスの抗酸化活性をコンチング中に保存および/または増大するための方法が提供される:
・乾式コンチング工程、およびその後の湿式コンチング工程、
ただし、乾式コンチングおよび湿式コンチングのための温度は、(下記)リストの領域(1つまたは複数)に含まれる:
上記表において、各行は乾式コンチング温度および湿式コンチング温度の好都合な組合せに対応し、乾式コンチングおよび湿式コンチングのための具体的な温度範囲(または温度)にそれぞれ対応する。例えば、(チョコレートの抗酸化活性、具体的にはダークチョコレートの抗酸化活性を保存および/または増大するための)本発明の方法において、約50℃〜約69℃の間の温度での乾式コンチング工程の後は好都合には、約88℃〜約90℃の間の温度での湿式コンチング工程が続き(1行目)、また、約50℃〜約68℃の間の温度での乾式コンチング工程の後は好都合には、約87℃〜約88℃の間の温度での湿式コンチング工程が続く(2行目)。本明細書中で使用される用語「約」、用語「前後」または用語「近く」については、温度を示すとき、±0.5℃の温度であり、より好ましくは、±0.4℃の温度である。
本発明の実施形態において、乾式コンチングおよび湿式コンチングのための温度は、乾式コンチング温度が約60℃でないならば、あるいは、下記の場合、すなわち、約60℃での乾式コンチング工程、その後の約60℃での湿式コンチング工程の場合、または、約60℃での乾式コンチング工程、その後の約90℃での湿式コンチング工程の場合を除いて、上記リストの範囲(1つまたは複数)に含まれる。
具体的には、乾式コンチングおよび湿式コンチングのための温度は(下記)リストの範囲(1つまたは複数)に含まれる:
おそらくは、乾式コンチングおよび湿式コンチングのための温度は(下記)リストの範囲(1つまたは複数)に含まれる:
本発明の好ましい実施形態において、乾式コンチングおよび湿式コンチングのための温度は(下記)リストの範囲(1つまたは複数)に含まれる:
本発明の実施形態において、乾式コンチングおよび湿式コンチングのための温度は、乾式コンチング温度が約60℃でないならば、あるいは、下記の場合、すなわち、約60℃での乾式コンチング工程、その後の約60℃での湿式コンチング工程の場合、または、約60℃での乾式コンチング工程、その後の約90℃での湿式コンチング工程の場合を除いて、上記リストの範囲(1つまたは複数)に含まれる。
具体的には、乾式コンチングおよび湿式コンチングのための温度は(下記)リストの範囲(1つまたは複数)に含まれる:
おそらくは、乾式コンチングおよび湿式コンチングのための温度は(下記)リストの範囲(1つまたは複数)に含まれる:
本発明のさらに別の好ましい実施形態において、乾式コンチングおよび湿式コンチングのための温度は(下記)リストの範囲(1つまたは複数)に含まれる:
本発明の実施形態において、乾式コンチングおよび湿式コンチングのための温度は、乾式コンチング温度が約60℃でないならば、あるいは、下記の場合、すなわち、約60℃での乾式コンチング工程、その後の約60℃での湿式コンチング工程の場合、または、約60℃での乾式コンチング工程、その後の約90℃での湿式コンチング工程の場合を除いて、上記リストの範囲(1つまたは複数)に含まれる。
具体的には、乾式コンチングおよび湿式コンチングのための温度は(下記)リストの範囲(1つまたは複数)に含まれる:
おそらくは、乾式コンチングおよび湿式コンチングのための温度は(下記)リストの範囲(1つまたは複数)に含まれる:
本発明のさらに別の好ましい実施形態において、乾式コンチングおよび湿式コンチングのための温度は(下記)リストの範囲(1つまたは複数)に含まれる:
本発明の実施形態において、乾式コンチングおよび湿式コンチングのための温度は、乾式コンチング温度が約60℃でないならば、あるいは、下記の場合、すなわち、約60℃での乾式コンチング工程、その後の約60℃での湿式コンチング工程の場合、または、約60℃での乾式コンチング工程、その後の約90℃での湿式コンチング工程の場合を除いて、上記リストの範囲(1つまたは複数)に含まれる。
具体的には、乾式コンチングおよび湿式コンチングのための温度は(下記)リストの範囲(1つまたは複数)に含まれる:
おそらくは、乾式コンチングおよび湿式コンチングのための温度は(下記)リストの範囲(1つまたは複数)に含まれる:
本発明のさらに別の好ましい実施形態において、乾式コンチングおよび湿式コンチングのための温度は(下記)リストの範囲(1つまたは複数)に含まれる:
本発明の実施形態において、乾式コンチングおよび湿式コンチングのための温度は、乾式コンチング温度が約60℃でないならば、あるいは、下記の場合、すなわち、約60℃での乾式コンチング工程、その後の約60℃での湿式コンチング工程の場合、または、約60℃での乾式コンチング工程、その後の約90℃での湿式コンチング工程の場合を除いて、上記リストの範囲(1つまたは複数)に含まれる。
具体的には、乾式コンチングおよび湿式コンチングのための温度は(下記)リストの範囲(1つまたは複数)に含まれる:
おそらくは、乾式コンチングおよび湿式コンチングのための温度は(下記)リストの範囲(1つまたは複数)に含まれる:
本発明のさらに別の好ましい実施形態において、具体的には、乾式コンチングおよび湿式コンチングのための温度は(下記)リストの範囲(1つまたは複数)に含まれる:
本発明の実施形態において、乾式コンチングおよび湿式コンチングのための温度は、乾式コンチング温度が約60℃でないならば、あるいは、下記の場合、すなわち、約60℃での乾式コンチング工程、その後の約60℃での湿式コンチング工程の場合、または、約60℃での乾式コンチング工程、その後の約90℃での湿式コンチング工程の場合を除いて、上記リストの範囲(1つまたは複数)に含まれる。
具体的には、乾式コンチングおよび湿式コンチングのための温度は(下記)リストの範囲(1つまたは複数)に含まれる:
おそらくは、乾式コンチングおよび湿式コンチングのための温度は(下記)リストの範囲(1つまたは複数)に含まれる:
本発明のさらに別の実施形態において、チョコレートマス、具体的にはダークチョコレートマスは、約56℃〜約62℃の間の温度での乾式コンチング工程、および、続いて、約89℃〜約90℃の間の温度での湿式コンチング工程、または、約89℃での湿式コンチング工程、または、約90℃での湿式コンチング工程を含むコンチング工程に供される。
本発明の実施形態において、乾式コンチング工程が、約50℃〜約70℃の間の温度で、具体的には約50℃〜約69℃の間の温度で、より具体的には(約)55℃〜(約)65℃の間の温度で行われ、湿式コンチング工程が約60℃で行われる。1つの具体的な実施形態において、乾式コンチング工程が約60℃で行われ、湿式コンチング工程が約60℃で行われる。
本発明の別の実施形態において、乾式コンチング工程が、約50℃〜約70℃の間の温度で、より具体的には(約)55℃〜(約)65℃の間の温度で行われ、湿式コンチング工程が約90℃で行われる。1つの具体的な実施形態において、乾式コンチング工程が約60℃で行われ、湿式コンチング工程が約90℃で行われる。
本発明の別の実施形態において、乾式コンチング工程が(約)55℃〜(約)65℃の間の温度で行われ、その後、湿式コンチング工程が約81℃〜約90℃の間の温度で行われ、より好ましくは、約84℃〜約90℃の間の温度で、または、約84℃〜約89℃の間の温度で行われる。
本発明のさらに別の実施形態において、乾式コンチング工程が(約)55℃〜(約)65℃の間の温度で行われ、その後、湿式コンチング工程が約60℃〜約63℃の間の温度で行われ、より好ましくは、約61℃〜約63℃の間の温度で行われる。
本発明のさらに別の実施形態において、乾式コンチング工程が約59℃〜約62℃の間の温度で行われ、その後、湿式コンチング工程が約60℃〜約110℃の間の温度で行われ、より好ましくは、約60℃〜約90℃の間の温度で、または、約61℃〜約89℃の間の温度で行われる。
本発明のさらに別の実施形態において、乾式コンチング工程が約53℃〜約59℃の間の温度で行われ、その後、湿式コンチング工程が約84℃〜約110℃の間の温度で行われ、より好ましくは、約84℃〜約90℃の間の温度で、または、約84℃〜約89℃の間の温度で行われる。
本発明のさらに別の実施形態において、乾式コンチング工程が約62℃〜約67℃の間の温度で行われ、好ましくは約62℃〜約66℃の間の温度で行われ、その後、湿式コンチング工程が約84℃〜約110℃の間の温度で行われ、より好ましくは、約84℃〜約90℃の間の温度で、または、約84℃〜約89℃の間の温度で行われる。
本発明のさらに別の実施形態において、乾式コンチング工程が約55℃〜約59℃の間の温度で行われ、好ましくは約56℃〜約59℃の間の温度で行われ、その後、湿式コンチング工程が約60℃〜約62℃の間の温度で行われ、より好ましくは約61℃〜約62℃の間の温度で行われる。
本発明のさらに別の実施形態において、乾式コンチング工程が約62℃〜約66℃の間の温度で行われ、好ましくは約62℃〜約65℃の間の温度で行われ、その後、湿式コンチング工程が約60℃〜約65℃の間の温度で行われ、より好ましくは、約60℃〜約64℃の間の温度で、または、約61℃〜約64℃の間の温度で行われる。
典型的には、乾式コンチング工程および湿式コンチング工程はそれぞれが、1時間〜2時間から12時間続き、特に、6時間から12時間、6時間から約10〜12時間続く。典型的には、乾式コンチング工程が、約4時間、約5時間、より典型的には約6時間にわたって続く。代替として、乾式コンチング工程を約6時間から約10〜12時間続けることができる。
場合に応じて、湿式コンチング工程は、少なくとも1時間、少なくとも2時間、好ましくは少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも5時間、最も好ましくは約6時間、約7時間にわたって続く。最適な結果(抗酸化活性における優れた増大)が多くの場合、湿式コンチング工程が約6時間続いたときに得られた。
本発明の方法において、チョコレートマスは好都合には、乾式コンチング工程中に冷却され、約50℃〜約70℃の間の温度を、好ましくは約60℃の温度を(得、また)維持する。
具体的には、チョコレートマスは、乾式コンチング工程中ずっと冷却され、乾式コンチング温度を(得、また)維持する(あるいは、乾式コンチング温度を多少なりとも一定に保つ)。
本発明の方法において、チョコレートマスは好都合には、湿式コンチング工程中に加熱され、約60℃〜約110℃の間の温度を、好ましくは約60℃または約90℃の温度を(得、また)維持する。
具体的には、チョコレートマスは、湿式コンチング工程中を通して加熱され、湿式コンチング温度を(得、また)維持する(あるいは、湿式コンチング温度を多少なりとも一定に保つ)。
上記で述べられたように、カカオバター、または、レシチン、または、カカオバターおよびレシチンが好都合には、乾式コンチング工程の後で、しかし、湿式コンチング工程を開始する前に加えられる。
本発明の1つの実施形態において、レシチンが、(約60℃〜約110℃の間の温度での、約60℃〜約90℃の間の温度での、より好ましくは、約60℃または約90℃のどちらかでの)本発明による湿式(液状)コンチングを開始する前(直前)に加えられた。レシチンが典型的には0.1%〜1%の間の濃度で加えられ、より好ましくは0.4%〜0.6%の間の量で加えられ、最も好ましくは、約0.5w/w%のレシチンが加えられる(百分率は総チョコレートマスに基づく)。
本発明の別の実施形態において、カカオバターのみが、外観を乾燥状態から液状状態に変化させるために加えられた(レシチンまたは任意の他の乳化剤は加えられなかった)。この場合、カカオバターが乳化剤(具体的には、レシチン)に取って代わった。1部のレシチンが、粘度に対して、約10部〜約20部(より具体的には、約15部)のカカオバターと同じ効果を有することが当該技術分野では広く知られている。
コンチング後、チョコレートの粘度を、脂肪および/またはカカオバターを加えることによって調節することができる。好都合には、その時に加えられるカカオマスは加熱工程を高い温度で長時間にわたって受けており、最も好ましくは、加熱工程を約90℃で約12時間にわたって受けている。
さらには、ダークチョコレートをコンチングするための方法が提供され、該方法ではチョコレートマスが上記のようなコンチングプロセスに付され、ただし、湿式コンチング工程が好ましくは、少なくとも1時間続き、好ましくは少なくとも3時間続き、より好ましくは約6時間続く。
ダークチョコレートマスは好都合には、(乾式コンチング温度を多少なりとも一定に保つために)乾式コンチング工程中ずっと冷却される。
ダークチョコレートマスは好都合には、(湿式コンチング温度を多少なりとも一定に保つために)湿式コンチング工程中ずっと加熱される。
抗酸化活性が好都合には、コンチングプロセス中に低下していないので、(製造プロセスが終了したときの)チョコレートの最終的な抗酸化活性は、従来のコンチング法によって得られるチョコレートの抗酸化活性よりも高い。
本発明のさらなる局面は、(改良された)チョコレートを製造するための方法に関連する。チョコレートの製造プロセス中において、チョコレートマスはこれによって、本発明による、また、上記のようなコンチングプロセスに付される。具体的には、本発明の方法において、種々の温度条件が、当該技術分野において適用されるように、乾式コンチングおよび湿式(または液状)コンチングのために適用される。すべての他の製造工程(例えば、混合&磨砕、微細化、調質、鋳型への注入、または、さらなる加工など)を、当該技術分野では広く知られている方法に従って従来の様式で行うことができる。
具体的には、本発明は、ダークチョコレートを製造するための方法を提供し、該方法にかかる製造プロセス中において、ダークチョコレートマスが、上記で示されるようなコンチング工程(上記のいずれか)に付されることを特徴とする。
本発明の別の局面は、コンチングが本発明に従って行われる上記で記載されるようないずれかの方法によって得ることができるチョコレートまたはチョコレートマスに関連する。具体的には、チョコレートマスはダークチョコレート(マス)である。
上記で述べられたように、本発明による(改変された)コンチングプロセスでは、チョコレートまたはチョコレートマスの抗酸化活性が、その味覚に(負の)影響を及ぼすことなく保存および/または増大される。従って、得られるチョコレートは、健康により良い食品製造物である。
本発明はまた、このようにして得ることができるか、または得られるチョコレートを含む(または、そのようなチョコレートからなる)任意の食品製造物に関連する。
乾式コンチング中のチョコレートマスの外観の様子を示す。
長い時間にわたって機械的に加工される、湿式コンチング中の流動性チョコレートマスの様子を示す。
阻害時間(Tinh)が、開始時の傾き(阻害期)と、酸化速度が最大である時の傾き(拡大期)とを表す2つの直線の交点の横座標からどのように計算され得るかを示す。
コンチング時間(時間)の関数でのチョコレート抽出物の%抗酸化活性、および、従来のコンチング法によって調製されるチョコレートについての%抗酸化活性を示す。t=0における抗酸化活性を100%とした。データは2連測定の平均である;標準偏差が誤差棒によって示される。
コンチング時間(時間)の関数でのチョコレート抽出物の%抗酸化活性、および、湿式段階が60℃である本発明の方法によって調製されるチョコレートについての%抗酸化活性を示す。t=0における抗酸化活性を100%とした。データは2連測定の平均である;標準偏差が誤差棒によって示される。
コンチング時間(時間)の関数でのチョコレート抽出物の%抗酸化活性、および、湿式段階が90℃である本発明の方法によって調製されるチョコレートについての%抗酸化活性を示す。t=0における抗酸化活性を100%とした。データは2連測定の平均である;標準偏差が誤差棒によって示される。
コンチング前(t=0)のプロシアニジン含有量(mg/kgチョコレート/100)を、本発明によるコンチングプロセス(60℃での6時間の乾式コンチング、その後の60℃(第2の棒)または90℃(第3の棒)でのさらに6時間の湿式コンチング工程、従って、総コンチング時間は12時間である)の後でのプロシアニジン含有量に対する比較で示す。
コンチング時間(時間)の関数でのチョコレート抽出物の%抗酸化活性、および、60℃での12時間の乾式コンチングからなる1回だけのコンチング工程によって調製されるチョコレートについての%抗酸化活性を示す。t=0における抗酸化活性を100%とした。データは2連測定の平均である;標準偏差が誤差棒によって示される。
コンチング時間(時間)の関数でのチョコレート抽出物の%抗酸化活性、および、90℃での12時間の湿式コンチングからなる1回だけのコンチング工程によって調製されるチョコレートについての%抗酸化活性を示す。t=0における抗酸化活性を100%とした。データは2連測定の平均である;標準偏差が誤差棒によって示される。
本発明に従って調製されるチョコレートの抗酸化活性を、抗酸化性成分が添加された市販チョコレートの抗酸化活性と比較する。抗酸化活性が分/ppmチョコレート抽出物での阻害時間(Tinh)として表される。データは2連測定の平均である;標準偏差が誤差棒によって示される。
コンチング時間(時間)の関数でのチョコレート抽出物の%抗酸化活性、ならびに、60℃での乾式段階および60℃での湿式段階を伴う本発明の方法によって調製されるチョコレート(マダガスカルタイプ)についての%抗酸化活性を示す。t=0における抗酸化活性を100%とした。データは2連測定の平均である;標準偏差が誤差棒によって示される。
コンチング時間(時間)の関数でのチョコレート抽出物の%抗酸化活性、ならびに、60℃での乾式段階および90℃での湿式段階を伴う本発明の方法によって調製されるチョコレート(マダガスカルタイプ)についての%抗酸化活性を示す。t=0における抗酸化活性を100%とした。データは2連測定の平均である;標準偏差が誤差棒によって示される。
(t=0と比較して、%で表される)抗酸化活性における保存、および、好ましくは増大をコンチング期間中に引き起こす乾式コンチング温度および湿式コンチング温度の間での砂時計型の相関を示す。コンチングプロセス:本発明に従って、6時間の乾式コンチング、その後の6時間の湿式コンチング。
(定義および説明)
本発明は、チョコレートの抗酸化活性を、新しいコンチング技術を使用することによって保存し、かつ、優先的に増大するためのプロセスに関連する。
本発明の全体にわたって、下記の定義が使用される:
請求項において使用されるような用語「チョコレート」は、より広い状況で使用され、カカオ固形物を含有する様々なチョコレートタイプを示すことが意味され、例えば、ダークチョコレート、クーベルチュールチョコレート、プレーンチョコレート、ミルクチョコレート、クーベルチュールミルクチョコレートおよびファミリーミルクチョコレートなどを示すことが意味される。本明細書において示される名称は、一般名、および/または、法律(例えば、欧州指令2000/36/EC参照)において使用される名称を示す。好ましいものがダークチョコレートであり、例えば、フラボノイド類に富むコートジボアールタイプまたはマダガスカルタイプのカカオマスから調製されるダークチョコレートである。
「チョコレート」(一般名のダークチョコレートまたはプレーンチョコレート)は、18%以上のカカオバターおよび14%以上の乾燥脱脂カカオ固形物を含めて、35%以上の総乾燥カカオ固形物を含有する、カカオ製造物と、糖および/または甘味料(好ましくは糖)との混合物を示す。この名称((ダーク)チョコレート)が単語「クーベルチュール」によって補足される場合、その製造物は、31%以上のカカオバターおよび2.5%以上の乾燥脱脂カカオ固形物を含めて、35%以上の総乾燥カカオ固形物を含有しなければならない。
用語「ミルクチョコレート」は、カカオ製造物と、糖および/または甘味料(好ましくは糖)と、ミルクまたはミルク製造物とから得られる製造物で、25%以上の総乾燥カカオ固形物;全乳、半脱脂粉乳もしくは完全脱脂粉乳、または、クリームを部分的または完全に脱水することによって得られるか、あるいは、部分的または完全に脱水されたクリーム、バターまたは乳脂肪から得られる、14%以上の乾燥乳固形物;2.5%以上の乾燥脱脂カカオ固形物;3.5%以上の乳脂肪;および、25%以上の総脂肪(カカオバターおよび乳脂肪)を含有するそのような製造物を示す。この名称(ミルクチョコレート)が単語「クーベルチュール」によって補足される場合、その製造物は31%の最小総脂肪(カカオバターおよび乳脂肪)含有量を有しなければならない。
用語「ファミリーミルクチョコレート」は、カカオ製造物と、糖および/または甘味料(好ましくは糖)と、ミルクまたはミルク製造物とから得られる製造物で、20%以上の総乾燥固形物;全乳、半脱脂乳もしくは完全脱脂乳、または、クリームを部分的または完全に脱水することによって得られるか、あるいは、部分的または完全に脱水されたクリーム、バターまたは乳脂肪から得られる、20%以上の乾燥乳固形物;2.5%以上の乾燥脱脂カカオ固形物;5%以上の乳脂肪;および、25%以上の総脂肪(カカオバターおよび乳脂肪)を含有するそのような製造物を示す。このほかに、必要に応じて使用される成分(例えば、ナッツ、レシチン、ホエー粉末など)を上記タイプのチョコレートのいずれにも加えてもよい。
「抗酸化活性」は、フリーラジカルに対する(抗酸化性の)分子または化合物の保護的作用についての尺度である。フリーラジカルと反応することによって、抗酸化性分子はフリーラジカルの損傷能を最小限に抑え、フリーラジカルを無害にする。
「阻害時間」(Tinh)はチョコレート(抽出物)の抗酸化活性についての尺度である。阻害時間が長いほど、抗酸化活性が大きい。阻害時間は、開始時の傾き(阻害期)と、酸化速度が最大である時の傾き(拡大期)とを表す2つの直線の交点の横座標から導くことができる(図3)。
本発明において、抗酸化活性は、ほとんどの場合、コンチング前(t=0)のチョコレートマスの抗酸化活性を100%とする百分率で表される。そのようなものとして、抗酸化活性における増大/減少を任意のタイプのチョコレートについて決定/測定することができる。
用語「コンチング」は、典型的にはチョコレートの製造に関連するプロセスを示す。コンチングは、加熱と組み合わせて、塊を長時間にわたって機械的に混合することである。コンチングは、この技術分野では広く知られている「コンチェ」と呼ばれる特別な容器において行われる。必要に応じて使用される成分(例えば、カカオバターおよび香料など)が一般にはこの段階で加えられる。レシチンもまた、乳化剤として頻繁に加えられる。他の乳化剤もまた使用することができる(例えば、ポリグリセロールポリリチノルエートおよびアンモニウムホスファチドなど)。
「乾式コンチング」は、比較的短い時間にわたって、例えば、数時間から約20時間、高い温度で、ダークチョコレートについては、ほとんどの場合には70℃を超えて、通常約90℃で行われるタイプのコンチングプロセスとして知られている。他のタイプのチョコレートについては、温度がわずかに変化し得る。
チョコレートは、本明細書中では、使用される成分および/または装置タイプに応じて、低い脂肪含有量で保たれ、一般には、25%〜30%(乾式コンチングに付されたチョコレートマスに基づくw/w百分率)の間で保たれる。
「乾式コンチング」の目的は、高剪断力を生じさせることによってエネルギー入力を増大させるために、乾燥した外観をもたらし、かつ、最終的には、チョコレートマスの温度を上昇させることである(図1)。
「湿式コンチング」は、比較的低い温度で、通常60℃前後で行われるタイプのコンチングプロセスとして知られている。カカオバターおよびその他の成分(例えば、レシチンなど)のすべてが、このプロセスにおいて初期に、好ましくは最初の2時間の内に加えられる。
比較的低いエネルギー入力によるこの処理(「湿式コンチング」)の目的は、その後に長時間にわたって、例えば、12時間または30時間またはそれ以上にわたって機械的に加工される塊の流動性を維持することである(図2)。
上記の定義は、それらがこの技術分野において一般に適用されるように(従来の)乾式コンチング工程および湿式コンチング工程に関連する。
本発明は、湿式コンチング工程が乾式コンチングの後に続く適合化されたコンチングプロセスに関連する。好ましい温度条件などが本出願明細書中に示される。
下記においてさらに示されるように、本発明では、ほとんどの場合、抗酸化活性がそれにより(さらに)増大され得るように、冷却が「乾式コンチング」の工程中に加えられ、また、加熱が「湿式コンチング」工程中に加えられる。
その点において、実際に適用される「乾式」コンチング工程および「湿式」コンチング工程は、従って、この分野において適用される(また、それらについての定義が示される)従来の「乾式」コンチング工程および「湿式」コンチング工程とは異なる。
(詳細な説明)
所望されるレオロジー特性および風味を有する(高級)チョコレートを製造することが望まれるならば、チョコレートはコンチングプロセスを受けなければならない。
本発明は、具体的には、このコンチングプロセス、および、それに対する改変に関連する。
チョコレートマスを従来のコンチングプロセスに付すとき、抗酸化活性はコンチング後に低下する。具体的には、抗酸化活性が、この技術分野において使用されるようなコンチングプロセス中に低下する。
本発明は、本発明者らが、抗酸化活性におけるこの低下を回避することを目指して従来のコンチングプロセスに対して行った変化に関する。
本発明者らが驚いたことに、本発明者らは、チョコレートの抗酸化活性が、本発明者らの方法により保存されただけでなく、ほとんどの場合、増大したことを発見した。
下記の実施例では、本発明によるコンチングプロセスを使用することによって、チョコレートの抗酸化物質レベルが著しく改善され得ることが示される。
新しく開発されたコンチングプロセスは2つの連続する段階または工程からなる:
第1の段階、すなわち、いわゆる「乾式コンチング工程」において、脂肪含有量が少ない(典型的には25〜30%の間の)チョコレートが、高温での強い混練に供される。
本発明の方法における乾式コンチング工程中に加えられる温度は約50℃から約70℃まで変化させることができ、この乾式コンチング工程の継続期間は数時間(約1時間〜2時間)から約12時間まで変化させることができる。好ましくは、本発明による乾式コンチングは約55℃〜約65℃で行われ、約6時間から約10〜12時間続く。最も好ましくは、乾式コンチング工程は約60℃で約6時間続く。
好都合には、本発明の方法において、チョコレートマスは、これらの温度を維持するために冷却される。冷却されない場合、乾式コンチング工程中に生じる摩擦熱のために、例えば、温度が90℃まで上昇することがある。
乾式コンチング工程後(直後)で、湿式コンチング工程の前に、乳化剤および/またはいくらかの脂肪が好都合には加えられる。典型的な乳化剤が、レシチン、ポリグリセロールポリリチノルエート、アンモニウムホスファチド、または、これらの任意の混合物である。典型的な脂肪が、カカオバター、乳脂肪、および/または、いくつかの許容される植物脂肪である。好ましい乳化剤/脂肪は従来的にはレシチンおよび/またはカカオバターである。本発明の実施形態において、カカオバターが加えられた。本発明の一層より好ましい実施形態において、レシチンが加えられた。
本発明の方法において、「湿式コンチング工程」は乾式コンチング工程の後(すぐに)続く(乾式コンチング工程の後である)。本発明の湿式コンチング工程は、約60℃から約110℃の温度で、数時間(約1〜2時間)から約12時間続けることができる。好ましくは、本発明による「湿式コンチング」は約60℃〜約105℃で、約65℃〜約100℃で行われ、約6時間から約10〜12時間続く。最も好ましくは、本発明の湿式コンチング工程は約90℃で約6時間続く。しかしながら、60℃でもまた、抗酸化活性における増大を認めることができる。別の好ましい実施形態によれば、本発明の湿式コンチング工程は、従って、約60℃で約6時間続く。
好都合には、チョコレートマスは、加熱され、温度が維持される。上記のように、従来の湿式コンチング工程は約40℃〜約60℃の温度で行われる。
コンチング後、チョコレートの粘度はそれでもなお、脂肪および/またはカカオマスを、コンチェ自体において、または、任意の混合装置において加えることによって調節することができる。
カカオマスを加えるとき、カカオマスは好ましくは、加熱工程を高い温度で長時間にわたって受けており、最も好ましくは、カカオマスは加熱工程を約90℃で約12時間にわたって受けている。
上記のようなコンチングプロセス工程の特定の組合せを使用して、典型的な抗酸化活性よりも約20%高いレベルを得ることができる(図5および図11)。典型的な抗酸化活性よりも約40%高いレベルさえ、本発明の方法により得ることができる(図6)。ここで典型的な抗酸化活性とは、コンチング直前(t=0)での抗酸化活性である。
ダークチョコレートに関して優れた結果が得られた(40%に至るまでの増大)。本発明の方法はまた、特に、60℃での乾式コンチングの後に、90℃での湿式コンチングが続くときには、ミルクチョコレートのために使用することができる。その場合、抗酸化活性における約7%の増大が、t=0と比較して、コンチングプロセスの終了時に認められた。
下記において明らかにされるように(実施例を参照のこと)、コンチングプロセスの2つの段階(「乾式」コンチングおよび「湿式」コンチング)中における製造物のそれぞれの外観に特異的に関係する低温および高温の典型的な組合せにより、非常に抗酸化性の化合物(例えば、抗酸化性のポリマー)がチョコレートにおいて形成される。
さらに明らかにされるように、本発明の方法は、より効果的に測定される抗酸化活性をもたらす。
従来のプロセスが抗酸化性成分の分解を引き起こす場合、本発明において記載されるプロセスはチョコレートの抗酸化活性を「自然に」増大させる。「自然に」とは、抗酸化活性を保存および/または増大するために、何らの抗酸化性分子もチョコレートマスに(添加剤として)加えられる必要がないことを意味する。
上記の適合化された(製造)プロセスが、抗酸化性成分の量を保つことのみを主張する場合、本発明のプロセスは抗酸化活性を高める(増大させる)。
示されるように、「有益な」抗酸化物質のレベルが、湿式コンチング工程をより高い温度で使用することによって(さらに)改善され得る(本発明の方法のための好ましい温度範囲が上記に示される)。好ましくは、本発明による方法におけるこの温度は90℃前後にある。この温度において、抗酸化活性における増大が最大であった。それにもかかわらず、同様に、(約)60℃での湿式コンチング工程も有益であることが判明した。
本発明者らは、約60℃での「湿式コンチング」(この前には、60℃での「乾式コンチング」が行われた)を伴う本発明の方法に付された(チョコレート)組成物は著しい変化をプロシアニジン含有量において何ら受けず、また、小さいオリゴマー(P2〜P6)およびポリマー(P+)でのプロシアニジン類の再分配においてさえ何ら受けなかったことを発見した。しかしながら、抗酸化活性が、(「乾式」コンチングの直前(t=0)の活性と比較して)約20%増大した。
90℃での「湿式コンチング」(60℃での「乾式コンチング」後)に付された組成物は著しく少ないプロシアニジンポリマー(P+)を含有しており、これに対して、抗酸化活性は、(「乾式」コンチングの直前(t=0)の活性と比較して)約40%増大した。
文献では、プロシアニジンオリゴマーの抗酸化活性が重合度とともに著しく増大することが見出されたことが報告されているが、両方の組成物において、プロシアニジンポリマー含有量が等しいか、または、より少ないチョコレートの抗酸化活性が著しく増大した。
従って、未だ特定されないままであるチョコレート抽出物の成分の一部(1つまたは複数)が抗酸化活性に大きく寄与しているようである。本発明の方法はまた、メラノイジン類、および、おそらくはより高次のタンニン類を取り出す可能性が最も高いと考えられる(Counet,C.&Collin,S.、2003)。
約90℃のプロセス温度は、これらのメラノイジン類およびタンニン類の発生を促進させるために理想的である。このことにより、本発明の方法の「湿式」コンチング段階中における(約)90℃での抗酸化活性における増大がより大きいことを説明することができる。
下記のデータは、チョコレートにおける抗酸化物質の天然の高い抗酸化活性を、何らかの抗酸化性分子の「添加」を伴うことなく得ることができることを明らかにする。
本発明は、特許請求されるような本発明の範囲を限定することが決して意図されない添付の図面を参照することによって、下記の実施例においてさらに詳しく記載される。
実施例1:従来のコンチングプロセスによって製造されるチョコレート
下記の成分を含むチョコレートを調製した:
チョコレートを下記の工程により製造した:
・混合:この工程において、すべての糖、カカオマス、および、カカオバターの一部(48.8%のカカオバター)を一緒に混合した。
・微細化:チョコレートペーストを、ロールの磨砕長さが280mmx600mmである3−ロール型リファイナーで微細化した。粉末の細かさは15μm〜20μmの間であった。
・充填:コンチェを、70分をかけてチョコレート粉末でゆっくり満たした。この期間の直後に、さらに3.3%のカカオバター量を加えた。
・コンチング:チョコレートを、90℃で6時間、Frisseコンチェにおいて乾式コンチングした。レシチンおよび残りのカカオバターを乾式コンチング工程の直後に加えた。乾燥した外観でのコンチング工程に続く液状工程を60℃で1時間操作した。
抗酸化活性を、リノール酸の強制酸化に対するチョコレート抽出物の保護度合いをLiegois,C.ら(2000)に記載の方法に従って測定した。抽出プロトコルについては、実施例2を参照のこと。
リノール酸の酸化を抗酸化物質(チョコレート抽出物)の非存在下または存在下での水性分散物における2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド(AAPH)によって誘導した。AAPHは自発的な熱分解によってフリーラジカルを発生する。
37℃での酸化速度を、共役ジエンのヒドロペルオキシドにより引き起こされる234nmでの吸収における増大を記録することによってモニターした。
これらのデータから、抗酸化活性の尺度である、リノール酸の酸化反応の阻害時間を計算することができる(図3)。阻害時間(Tinh)が長いほど、抗酸化活性が大きい。
抗酸化活性をプロセス期間中の様々な間隔で評価し、最終的には、異なるコンチングプロセスの影響を異なるチョコレートについて比較することが可能になるので、コンチングを開始したとき(0時間での時点)における抗酸化活性の百分率の形態で表した。この場合における抗酸化活性は下記の式に対応する:[Tinh(t−x)/Tinh(t−0)]*100。
図4は、6時間後、抗酸化活性が、従来のコンチングプロセスによって製造されるチョコレートでは(t=0における初期値と比較して)約40%前後低下することを示す。
実施例2:増大した抗酸化活性を有するチョコレートの調製
2つのチョコレートを、コンチングプロセスが、90℃の代わりに60℃での乾式コンチング工程を最初に、次いで、レシチンのみを加えた後で、60℃(第1のチョコレートについて)または90℃(第2のチョコレートについて)のどちらかでの湿式コンチング工程を含むことを除いて、実施例1に記載されるように調製した。それぞれのコンチング工程(「乾式」および「湿式」)が約6時間続いた。カカオバターの残る部分をコンチング後に加えた。
抗酸化活性をもう一度、コンチングプロセス中の様々な間隔で評価した。結果が図5及び図6に示される。両方の場合において、(コンチングプロセス終了時)抗酸化活性が増大し、(t=0での開始時点と比較して)60℃で約20%増大し、90℃で約40%増大する。乾式コンチングが6時間続き、その後、本発明による湿式コンチングを行った。1時間の湿式(または液状)コンチングの後、(開始時点と比較して)酸化活性が既に増大していた。前記の増大は、湿式コンチング工程もまた約6時間続いたとき、最も顕著であった。
プロシアニジン含有量がNP−HPLC−UVによって両方のチョコレートにおいて評価されている。簡単に記載すると、チョコレートをミキサーにより粉末に変え、ソックスレーろ過カートリッジに導入して、脂質を除いた。
その後、この脱脂チョコレート(1g)を5mlの溶媒により2回抽出した(2x10分、プロシアニジン類の熱分解を避けるために25℃)。3つの有機溶媒が多くの場合、水および酢酸と混合されて、プロシアニジン抽出のために使用される:アセトン、エタノールまたはメタノール(例えば、アセトン/水/酢酸:70/28/2%(v/v))。
それぞれの抽出の後、懸濁物を遠心分離した(3000g、10分)。一緒にした上清を部分的減圧下での回転蒸発によって濃縮した(40℃)。
その後、10ミリグラムのプロシアニジン抽出物を1mlのメタノールに希釈し、最終的には、この溶液の20μlをNP−HPLC(順相HPLC)に注入した。プロシアニジン類を25℃においてPhenomenex 5μm順相Lunaシリカカラム(250mmx4.6mm(内径))(Bester)で分離した。
分離を、A(ジクロロメタン)からB(メタノール)への直線勾配および一定レベルのC(酢酸および水、1:1、v/v)により1mL/分の流速で行った。
NP−HPLCを、抽出物に存在する種々のプロシアニジン化合物の濃度をCounet,C.&Collin,S.(2003)の方法に従って求めるためにUV検出器(280nm)に接続した。
図7において、プロシアニジン類の再分配プロフィルが示され、P1〜P6がモノマー〜ヘキサマーであり、P+がポリマーである。
このグラフは、60℃での湿式コンチングに付された組成物が著しい変化をプロシアニジン含有量において何ら受けず、また、モノマー(P1)、小さいオリゴマー(P2〜P6)およびポリマー(P+)でのプロシアニジン類の再分配においてさえ受けなかったことを示す。
90℃での湿式コンチングに付された組成物は明らかに、著しく少ないプロシアニジンポリマー(P+)を含有する。
実施例3:1回だけのコンチング工程を伴うチョコレート調製
2つのチョコレートを、実施例2に記載されるように調製した。
第1のチョコレートを、乾式コンチング段階のみを加えることによってコンチングした。つまり、本発明の方法の工程1のみが行われた。この乾式コンチング工程は12時間続き、60℃で行われた。脂肪含有量が29%(乾式コンチングに付されたチョコレートマスに基づくw/w%)であった。乳化剤は添加されなかった。
第2のチョコレートを、湿式コンチング段階のみを加えることによってコンチングした。つまり、本発明の方法の工程2のみが行われた。この湿式コンチング工程は12時間続き、90℃で行われた。チョコレートは0.5%(w/w)のレシチンを乳化剤として含有した(総チョコレートマスに基づく百分率)。
結果が図8及び図9にそれぞれ示される。
両方の場合において、抗酸化活性は、コンチングプロセス中、程度の差はあるが、安定したままであった。抗酸化活性の(一貫した)低下または増大がコンチングプロセスの期間全体にわたって認められない。
ここに示されるデータは、図6のデータと比較したとき、抗酸化活性における増大をもたらすのがこれら2つのタイプのコンチングの組合せ(本発明に従って、乾式コンチング、その後の湿式コンチング)であることを示す。
実施例4:高い抗酸化性のサンプルを主張する市販サンプルとの比較
本実施例では、ポリフェノールにおける高い抗酸化物質含有量を主張する市販サンプル(「New Tree,Chocolat Noir,Eternity」)の抗酸化活性を、本発明の方法によって調製されたチョコレート(実施例2参照)の抗酸化活性と比較した。
本発明の方法によって調製されたチョコレートは、60℃での乾式コンチング工程(工程1)、その後の90℃での湿式コンチング工程(工程2)に付された。
それぞれのサンプルの抗酸化活性を、実施例1に記載されるように測定した。同じ量の脱脂された乾燥カカオ含有量について計算された結果が図10に示され、リノール酸の酸化反応の阻害時間として表される。
本発明によるプロセスは、含有量の増大を抗酸化性成分において有すると主張する市販チョコレートの抗酸化活性と同等の抗酸化活性を有するチョコレートをもたらした。
市販サンプルは、抗酸化性成分が添加されるチョコレートの一例である。本発明の方法に従うことによって、抗酸化活性の増大をコンチングプロセスの単なる適合化により得ることができる。抗酸化物質を、この効果を達成するために製造プロセス中(製造プロセス終了時)に加える必要がない。このことが、抗酸化活性が「天然の形」で保存され、また、優先的に増大すると言うときに意味されることである。
好都合には、チョコレートの味覚(および他の特性)は、本発明による適合化された製造プロセス(コンチングプロセス)によって影響されない。
実施例5:マダガスカル産カカオマスを用いて調製されるダークチョコレート
2つのチョコレートを、マダガスカルタイプのカカオマスがコートジボアールタイプのカカオマスの代わりに使用されたことを除いて、実施例2に記載されるように調製した。
より具体的には、下記の成分を含むチョコレートを調製した:
チョコレートを本発明の方法に従ってコンチングした。このコンチングプロセスは、60℃での乾式コンチング工程を最初に、次いで、レシチンを加えた後で、(第1のチョコレートについては)60℃または(第2のチョコレートについては)90℃のどちらかでの湿式コンチング工程を含む。それぞれのコンチング工程(「乾式」および「湿式」)が約6時間続いた。
抗酸化活性をもう一度、コンチングプロセス中の様々な間隔で測定した。結果が図11及び図12に示される。60℃での湿式コンチングの場合、コンチング期間終了時の抗酸化活性はt=0のときよりも約20%大きかった。90℃での湿式コンチングの場合、約15%の増大が認められた。
実施例6:レシチンに代わるカカオバターの添加
下記の成分を含むダークチョコレートを調製した:
調製様式は実際、レシチンの代わりに、カカオバターが、6時間のコンチングの後、(湿式コンチングを開始する前に)添加されたことを除いて、実施例2に示される通りである。湿式コンチングに付される塊の外観(流動性)は実施例2のものと同程度である。
簡単に記載すると、チョコレートを下記の工程に従って製造した:
・混合:この工程において、すべての糖、カカオマス、および、カカオバターの一部(28.2%のカカオバター)を一緒に混合した。
・微細化:チョコレートペーストを、ロールの磨砕長さが280mmx600mmである3−ロール型リファイナーで微細化した。粉末の細かさは15〜20μmの間であった。
・充填:コンチェを、70分をかけてチョコレート粉末でゆっくり満たした。この期間の直後に、さらに1.9%のカカオバター量を加えた。
・コンチング:チョコレートを、60℃で6時間、Frisseコンチェにおいて乾式コンチングした。42.3%のカカオバターを乾式コンチング工程(または、乾燥した外観でのコンチング工程)の直後に加えた。液状段階(湿式コンチング)を90℃で6時間操作した。
・カカオバターの残る部分をコンチング後に加えた。
t=12において、抗酸化活性が、t=0における抗酸化活性と比較して、約7%増大した。
実施例7:ダークチョコレートのためのコンチング条件
下記の表には、本発明の方法において適用された乾式コンチング温度および湿式コンチング温度の組合せについての抗酸化活性のいくつかの例が示される。乾式コンチングおよび湿式コンチングのための好適な温度(℃):結果を太い斜字体で示す。乾式コンチングおよび湿式コンチングのための好ましい組合せ:結果を太字で示す。チョコレートのレシピについては、実施例1を参照のこと。抗酸化活性の値(%)は、12時間後の値、すなわち、6時間の乾式コンチング、その後の、6時間の湿式コンチング(実施例2参照)の後での値である。t=0における値を100%(コンチング開始時の値)とした。
同様の結果が他のダークチョコレートについて得られた。約50℃〜約70℃の間の温度での乾式コンチング工程の後に、より好ましくは、約55℃〜約65℃の間での乾式コンチング工程の後に、60℃近くまたは90℃近くでの湿式コンチングを行ったときに、最良の結果が得られた。

Claims (35)

  1. ダークチョコレートマスを、下記の工程:
    − 50℃〜70℃の間の温度で行われる乾式コンチング工程、
    − および、続いて、60℃〜110℃の間の温度で行われる湿式コンチング工程、
    を含むコンチングプロセスに付す工程を含む、ダークチョコレートマスの抗酸化活性をコンチング中に保存および/または増大するための方法であって、乾式コンチング温度および湿式コンチング温度は、図13のグラフによって定義される範囲に含まれ、ダークチョコレートは、18%以上のカカオバターおよび14%以上の乾燥脱脂カカオ固形物を含めて、35%以上の総乾燥カカオ固形物を含有し、乾式コンチング工程は2時間〜12時間続き、湿式コンチング工程は少なくとも3時間続く、方法。
  2. 乾式コンチングおよび湿式コンチングのための温度は、下記リストの領域に含まれる、請求項1に記載の方法:
  3. 乾式コンチングおよび湿式コンチングのための温度は、下記リストの領域に含まれる、請求項1に記載の方法:
  4. 乾式コンチングおよび湿式コンチングのための温度は、下記リストの領域に含まれる、請求項1に記載の方法:
  5. 乾式コンチングおよび湿式コンチングのための温度は、下記リストの領域に含まれる、請求項1に記載の方法:
  6. 乾式コンチングおよび湿式コンチングのための温度は、下記リストの領域に含まれる、請求項1に記載の方法:
  7. 乾式コンチング工程が、50℃〜70℃の間の温度で行われ、湿式コンチング工程が60℃で行われる、請求項1に記載の方法。
  8. 乾式コンチング工程が、55℃〜65℃の間の温度で行われ、湿式コンチング工程が60℃で行われる、請求項1に記載の方法。
  9. 乾式コンチング工程が60℃で行われ、湿式コンチング工程が60℃で行われる、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 乾式コンチング工程が、50℃〜70℃の間の温度で行われ、湿式コンチング工程が90℃で行われる、請求項1に記載の方法。
  11. 乾式コンチング工程が、55℃〜65℃の間の温度で行われ、湿式コンチング工程が90℃で行われる、請求項1に記載の方法。
  12. 乾式コンチング工程が60℃で行われ、湿式コンチング工程が90℃で行われる、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  13. 乾式コンチング工程が55℃〜65℃の間の温度で行われ、湿式コンチング工程が81℃〜90℃の間の温度で行われる、請求項1に記載の方法。
  14. 乾式コンチング工程が55℃〜65℃の間の温度で行われ、湿式コンチング工程が84℃〜90℃の間の温度で行われる、請求項1に記載の方法。
  15. 乾式コンチング工程が55℃〜65℃の間の温度で行われ、湿式コンチング工程が60℃〜63℃の間の温度で行われる、請求項1に記載の方法。
  16. 乾式コンチング工程および湿式コンチング工程はそれぞれが、6時間から12時間続く、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
  17. 湿式コンチング工程は、6時間にわたって続く、請求項1〜16のいずれかに記載の方法。
  18. 乾式コンチング工程は、6時間から10時間〜12時間続く、請求項7,8,10または11に記載の方法。
  19. チョコレートマスは、乾式コンチング温度を維持するために乾式コンチング工程中を通してずっと冷却される、請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
  20. チョコレートマスは、湿式コンチング温度を維持するために湿式コンチング工程中を通してずっと加熱される、請求項1〜19のいずれかに記載の方法。
  21. チョコレートは、カカオ製造物と糖の混合物から製造される、請求項1〜20のいずれかに記載の方法。
  22. チョコレートは、カカオ製造物とスクロースの混合物から製造される、請求項1〜21のいずれかに記載の方法。
  23. カカオバターが、乾式コンチング工程の後で、しかし、湿式コンチング工程を開始する前に加えられる、請求項1〜22のいずれかに記載の方法。
  24. カカオバターが、レシチンと組み合わせて、乾式コンチング工程の後で、しかし、湿式コンチング工程を開始する前に加えられる、請求項1〜22のいずれかに記載の方法。
  25. レシチンが、0.1%〜1%の間の量で加えられ、重量百分率は総チョコレートマスに基づく、請求項24に記載の方法。
  26. レシチンが、0.4%〜0.6%の間の量で加えられ、重量百分率は総チョコレートマスに基づく、請求項24に記載の方法。
  27. レシチンが、0.5%の間の量で加えられ、重量百分率は総チョコレートマスに基づく、請求項24に記載の方法。
  28. コンチング後、チョコレートの粘度が、脂肪および/またはカカオマスを加えることによって調節される、請求項1〜27のいずれかに記載の方法。
  29. 加えられるカカオマスは、加熱工程を90℃で12時間にわたって受けている、請求項28に記載の方法。
  30. チョコレートをコンチングするための方法であって、チョコレートマスが請求項1〜29のいずれかに記載のコンチングプロセスに付され、湿式コンチング工程が、少なくとも3時間続く、方法。
  31. チョコレートをコンチングするための方法であって、チョコレートマスが請求項1〜29のいずれかに記載のコンチングプロセスに付され、湿式コンチング工程が、6時間続く、方法。
  32. チョコレートマスは、乾式コンチング温度を維持するために乾式コンチング工程中ずっと冷却される、請求項30または31に記載の方法。
  33. チョコレートマスは、湿式コンチング温度を維持するために湿式コンチング工程中ずっと加熱される、請求項3032のいずれかに記載の方法。
  34. チョコレートを製造するための方法であって、製造プロセス中において、チョコレートマスが、請求項1〜29のいずれかに記載のコンチング工程に付されることを特徴とする、方法。
  35. 請求項34に記載の方法によって得られる、チョコレートまたはチョコレートマス。
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